あかり「時をかけるあかり」(209)

 

――部室――

ガラッ

あかり「こんに・・・」

あかり「あれ・・・(まだ誰もいないかぁ・・・)」

あかり(とりあえず座ってよぉ・・・)

あかり「・・・ふぅ。」

ゴロッ

あかり「・・・?」

あかり「・・・なんだろうこれ?(クルミみたいな・・・)」

あかり「おいしょ。」スッ

グルグルグルグルグルグルグル

あかり「!?(なに・・・!?)」

あかり「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!!」

あかり「なにここ・・・!?(周りの風景がおかしい・・・!)」

あかり「一体どうしちゃったのぉ~!?」

グルグルグル グルグルグル

あかり「あわわわわわわわわ・・・」

あかり「どうしたら良いのぉ~・・・!?」

バッ

あかり「!!」

あかり「・・・?」ハァハァ

あかり「・・・あ・・・あれ・・・?」ハァハァ

あかり「ぶ・・・部室だ・・・」ハァ

あかり「ゆ・・・夢・・・だったの・・・かな・・・?」

ガラッ

京子「お、あかり早いねー」

結衣「こんにちわー」

あかり「京子ちゃん、結衣ちゃん!(・・・き、きっと夢だったんだね・・・)」

京子「ちなつちゃんはー?」

あかり「まだテスト受けてるよぉ。終わった人から帰って良いテストだったからあかりは早めに終わらせて来たんだ!」

結衣「なるほどねー」

京子「あかりは得意な教科は得意だからなー」

ガラッ

ちなつ「こんにちわー・・・」フラフラ

あかり「あ、ちなつちゃん」

京子「なんか疲れてるねー」

ちなつ「苦手な教科だったんですよ~・・・あかりちゃん先行っちゃってずるい~!」フラフラ

あかり「ごめん、ごめん~」

京子「さぁー今日はなにするかー?」

――夕方――

京子「お、もうこんな時間かー」

結衣「そろそろ帰るかー」

ちなつ「そうですね~」

あかり「・・・(あの後は特に変な事無かった・・・)」

京子「よーし帰るべー」スッ

結衣「うん」スッ

あかり「・・・(・・・やっぱりあれはただの夢だったんだね)」


――帰り道――

京子「じゃあ、また明日ねー」

結衣「じゃあなー」

あかり「うん、じゃあね~!」

あかり「・・・」トコトコ

あかり「(でも・・・いきなり部室で失神して変な夢見ちゃうなんて・・・)」トコトコ

あかり「(最近・・・疲れたのかな・・・?)」トコトコ

――交差点――

あかり「あ!(あれは・・・)」

あかり「(・・・お姉ちゃんだ!)」

あかり「(バイトの帰りかな・・・?)」

あかり「お姉ちゃーん!!」

あかね「!」

あかり「(あ、気が付いたみたい)」

あかね「あ、あかり!(手振ってる・・・可愛い!!!!)」

あかり「あかりー!!」タッタッタッタッタ

あかり「!!(信号赤なのに・・・!!)」

あかり「お姉ちゃん!!ダメだよぉ!!」

キキーッ

あかね「!!」

あかり「お姉ちゃん!!」ダッ

あかね「あかり!!来ちゃだめー!!」

あかり「お姉ちゃんー!!」タッタッタッタ

ドーン

ゴロゴロゴロゴロ

あかり「いっ・・・」ムクッ

あかり「お、お姉ちゃん!!」バッ

あかり「!?!?(・・・あ・・・あれ・・・!?)」

京子「あかり・・・なにしてんだ・・・?」

結衣「いきなりなに転んでんだー?」

ちなつ「土だらけだよ~!」パンパン

あかり「あ、あれ!?・・・みんな!?」

結衣「なにを驚いてるんだよー・・・?」

あかり「・・・こ、ここは・・・(学校の側・・・!?)」

あかり「ど・・・どういう事・・・!?」

京子「こっちの台詞だよー!」

結衣「なにも無い所でいきなり転んでー・・・」

ちなつ「びっくりしたよ~!」

あかり「あ・・・(なにもない所で・・・いきなり・・・?)」ムクッ

あかり「ご、ごめん・・・(・・・と、とりあえず・・・)」

京子「それでね~そこで千歳が~」トコトコ

結衣「また鼻血出したわけだー」トコトコ

京子「そうそう」トコトコ

あかり「・・・」トコトコ

京子「それで私が千鶴に~」

あかり「(さっきと全く同じ話題・・・)」

結衣「京子お前、」

あかり「(確か・・・「嫌われてるって事しっかり自覚した方が良いぞー」)」

結衣「千鶴に嫌われてるって事しっかり自覚した方が良いぞー」

京子「それはわかってるんだけどさ~」ポリポリ

あかり「・・・」

京子「・・・って事でさ、あかりはどう思う?」

あかり「(!!)・・・え?えぇっと・・・ごめん、なにが~?」

京子「聞いてなかったのかよ~」

あかり「ご、ごめん・・・」

結衣「旅行の話だよー」

あかり「あ、ごめんごめん、聞いてたよぉ~。(確か・・・結衣ちゃんが北海道に行きたいって言ってて、京子ちゃんが沖縄・・・)」

あかり「あ、あかりも沖縄行ってみたいかな~?」

京子「あかり・・・「も」・・・?」

結衣「まだ私が言った北海道しか話に出てないぞー・・・?」

あかり「え・・・?(あ・・・)」

京子「まぁ・・・私が行きたい所はずばりその沖縄なんだけどさ・・・」

結衣「あ、そうなんだ。じゃあその2つから選ぶかー」

京子「じゃあ、また明日ねー」

結衣「じゃあなー」

あかり「う、うん!また明日ね!」

あかり「・・・」トコトコ


結衣「どうしたんだろ?あかり・・・なんかおかしかったよなー?」

京子「・・・」

あかり「・・・。(話題も・・・)」トコトコ

あかり「・・・。(台詞も合ってた・・・)」トコトコ

あかり「・・・。(最後は先回りしちゃった・・・)」トコトコ

あかり「・・・。(これって・・・)」トコトコ

――交差点――

あかり「!」

あかり「(お姉ちゃんだ・・・)」

あかり「(さっきと・・・全く・・・同じ所に・・・)」

あかり「・・・」

あかり「(とりあえず・・・信号が変わるのを待って・・・)」

パッ
あかり「(声は掛けずに・・・あかりが横断歩道を渡って・・・)」タッタッタッタ

あかり「・・・(・・・よし)」

あかり「お姉ちゃん」トンッ

あかね「・・・?」クルッ

あかね「?・・・あかり!」

あかり「バ、バイトの帰り?」

あかね「そうよー。(こんな所で会えるなんて・・・)」

あかり「じゃあ、一緒に帰ろう?(良かった・・・)」ホロッ

あかね「!?(あかり・・・どうしたのかしら・・・?切なげな表情・・・!)」

あかり「ね?(普通の・・・お姉ちゃんだ・・・)」

あかね「も、もちろんよ!(かかかか可愛い・・・)」

あかり「あとさ・・・」

あかね「うん?」

あかり「・・・て、手つないでも良い?」

あかね「!!!!」

あかり・あかね「「ただいまー」」

あかね「・・・。(至福の時間だったわ・・・)」ドキドキドキドキ

あかり「お姉ちゃん、」

あかね「ど、どうしたの?(なにこの表情・・・)」

あかり「あのさ・・・」

あかね「どうしたの?(可愛過ぎる・・・)」

あかり「し、しっかり周りには気をつけて、行動してね!」

あかね「??・・・わ、わかったわ!(心配・・・してくれてるの・・・!?)」

あかり「じゃあ、お部屋に戻るね」

あかね「うん」

キッ バタン

あかね「・・・」

あかね「・・・」手ペロペロペロペロ

――あかりの部屋――

あかり「・・・ふぅ」バタンッ

あかり「・・・」

あかり「(一体・・・なんだったんだろ・・・)」

あかり「・・・」

あかり「(今日は・・・)」

あかり「(・・・どう考えても・・・)」

あかり「・・・」

あかり「(・・・時間が・・・)」

あかり「・・・」ブンブン

あかり「(・・・でも・・・そんな事・・・)」

あかり「(・・・あるわけないよね・・・?)」

――翌日の五時間目――

あかり「・・・。(あの後は・・・特に変な事はなかった・・・)」

ガラッ

教員「今日はテストしますねー」

「えぇ~また~?」ガヤガヤ
「昨日の五時間目もそうだったよね~」ガヤガヤ

あかり「(えぇ~?・・・数学は苦手だよぉ~・・・)」

教員「終わった人から提出して帰って良いからねー」


あかり「(う・・・全然わからないよぉ~・・・)」

ちなつ「・・・」スッ

あかり「(ちなつちゃん良いなぁ・・・あかりも早く部活行きたいよぉ・・・)」

キーンコーンカーンコーン

教師「はーい、そこまで」

あかり「(結局最後まで時間掛かっちゃったよぉ・・・)」

あかり「(早く部室行こう!)」タッ

あかり「・・・」タッタッタッタッタ

――階段――

あかり「よっよっ」トットットット

あかり「よっ・・よっ・・」トットットット

あかり「よっ・・・よっ・・・(あ・・・足元が・・・)」トットットット

ズルッ

あかり「あっ・・・!!」フワッ

あかり「あ・・・」

あかり「ああぁぁぁぁぁぁ!!!」

ドン

あかり「・・・!!」

あかり「・・・」ハァハァハァ

あかり「あ・・・あれ!?ここって・・・」

あかり「あ・・・あかりの部屋・・・!?」

ジリリリリリリリリ

あかり「!!(目覚まし・・・!!)」

ポチッ

あかり「・・・!」

あかり「朝の・・・7時・・・!?」

あかり「(日付は・・・)」

あかり「!!(お・・・同じ日・・・!?)」

――学校――

あかり「・・・。」

あかり「(・・・全く同じように・・・)」

あかり「(・・・一日が過ぎていく・・・)」

――昼休み――

あかり「(このままいけば・・・もしかしたら・・・)」スッ

ちなつ「あれ?あかりちゃん、昼休みにお勉強?」

あかり「あ、う、うん!ちょっと昨日の授業でわからない所があって、復習しておこうかなって・・・」

ちなつ「へぇ~えらいね~」

あかり「う、うん。えへへ」ポリポリ


あかり「・・・(時間いっぱい問題とにらめっこしてたから、問題は覚えてるよぉ)」

あかり「・・・。(この辺だね・・・)」

――五時間目――

教員「今日はテストしますねー」

「「えぇ~また~?」」ガヤガヤ

あかり「・・・」

教員「終わった人から提出して帰って良いからねー」


あかり「(や・・・やっぱり同じ問題だ・・・)」

あかり「・・・」カリカリカリカリ

あかり「・・・。(テストが出来て嬉しいけど・・・)」

あかり「・・・」カリカリカリカリ

あかり「・・・。(もう・・・)」

あかり「・・・。(夢なんて言ってられないって事だよね・・・!)」

あかり「・・・。(・・・よし)」

あかり「・・・」スッ

ちなつ「・・・」スッ

ガラッ 

あかり「早く部室行けるね~」トコトコ

ちなつ「あかりちゃん、数学苦手なんじゃなかったっけ?」トコトコ

あかり「う、うん!でも、たまたま分かる問題ばっかりだったんだよぉ~!」

ちなつ「へぇ~」

ガラッ

結衣「おはよう」

あかり「あれ?」

ちなつ「結衣先輩~?」

結衣「ん?」

あかり「さっき京子ちゃんが、結衣ちゃんの所探しに行ったよぉ~?」

結衣「え?京子が?」

ちなつ「結衣先輩のが先に部室来てると思ってたみたいで、それでいなかったから・・・」

結衣「そっかぁ・・・じゃあちょっと京子の所探してくるなー」

あかり「う、うん」

書き込めてなかった・・・
>>43の前にこれお願いします

――部室――

あかり「へぇ~」

ちなつ「それでね、それでね」

ガラッ

京子「おはよー」

あかり「あ、京子ちゃん!」

ちなつ「おはようございます~」

京子「あれ?結衣は・・・?」

あかり「・・・?結衣ちゃんならまだ来てないよぉ」

京子「おかしいなー・・・先に行ったはずなんけど・・・」

あかり「あかり達、だいぶ前からいるからまだ来てないはずだよぉ」

京子「そっか・・・じゃあ、ちょっと探して来るね!」

あかり「うん!」

ガラッ

京子「はぁ・・・はぁ・・・(結衣・・・いないかー・・・)」グッタリ

あかり「あれ?京子ちゃん、一人~?」

京子「ん?・・・どういう事ー・・・?」

ちなつ「さっき結衣先輩が一回部室来て、京子先輩の所探しに行ったんですよ~!」

京子「えぇ~?」

あかり「行き違いになっちゃったみたいだねぇ・・・」

京子「じゃあ・・・もう一回探しに行って来るよー・・・」ダッ

ガラッ

結衣「はぁ・・・はぁ・・・(京子のやつ・・・来てないか・・・)」ハァハァ

あかり「あれれ?今度は結衣ちゃん?」

結衣「今度は・・・?」

ちなつ「さっき京子先輩が帰ってきて、また結衣先輩の所を探しに行っちゃったんですよ~!」

結衣「えぇ!?」

あかり「また行き違いになっちゃったみたいだねぇ・・・」

結衣「仕方無いな・・・もう一回行って来るよ・・・!」ダッ

ガラッ

京子「はぁ・・・はぁ・・・」グッタリ

あかり「あれ??今度はまたまた京子ちゃん!?」

京子「結衣の奴、どこに・・・」ハァハァ

ちなつ「さっき結衣先輩ももう一回部室来て、また京子先輩の所探しに行っちゃいましたよ~!」

京子「えぇ~!?」

あかり「・・・」

京子「んじゃあ・・・」スッ

あかり「京子ちゃん、もう部室にいた方が・・・」

京子「探して来るね!」ダッ

あかり「あっ・・・」

ガラッ

結衣「えぇ~!?また!?」ダッ


ガラッ

京子「またかよ~!?」ダッ


ガラッ

結衣「なんでここまで行き違いに・・・」ダッ


ガラッ

京子「なるんだよ~!!」ダッ


あかり「・・・」

ちなつ「・・・」

ガラッ

あかり・ちなつ「「!」」

あかり・ちなつ「「(今度はどっちが・・・)」」

スッ

京子「・・・」

結衣「・・・」

あかり「!・・・良かった、会えたんだね・・・」

ちなつ「もう~二人とも行き違いになり過ぎですぅ~!」

京子「・・・」

結衣「・・・」

あかり「・・・?」

ちなつ「・・・?」

結衣「なんで部室でじっとしてなかったんだよ!」

京子「・・・結衣だってそうだろー!」

あかり・ちなつ「「!」」

結衣「だって自分の所探しに行ってるっていうなら、じっとしてるわけにはいかないだろー!」

京子「それは私だって同じだよー!」

あかり「(あわわわわ・・・)」

ちなつ「(めっちゃ喧嘩してるー・・・)」

京子「そもそも結衣が先に部室行くって言ってたのに来て無かったから、私が探しに行ったんだよー?」

結衣「途中で先生に用事頼まれたんだよ。仕方ないだろ!」

あかり「(ど・・・どうしよう・・・)」

京子「・・・」フンッ

結衣「・・・」フンッ

あかり「(どっちも悪くないのに・・・)」

ちなつ「(すごい・・・空気重い・・・)」

京子「・・・」

結衣「・・・」

あかり「(お互いの事気遣ってたからこそ起きちゃったすれ違いなのに・・・)」

京子「・・・」

結衣「・・・」

あかり「(それに・・・もっと早くあかりが、部屋に留まってた方が良いって言ってれば・・・)」

京子「・・・」ムスッ

結衣「・・・」ムスッ

あかり「・・・(・・・そ、そうだ)」

ちなつ「・・・?」

あかり「・・・」スッ

ちなつ「・・・?(あかりちゃん・・・?)」

あかり「ちょ、ちょっと、おトイレ行ってくるね!」

ちなつ「!?(この空気の中で私だけにしないでよ・・・!)」

京子「・・・」ムスッ

結衣「・・・」ムスッ

あかり「・・・」スッ

ガラッ パタンッ

――部室の外――

あかり「・・・」

あかり「・・・(なんとなくわかってる事は・・・)」

あかり「・・・(多分、あのタイムリープのきっかけは・・・)」

あかり「・・・(どこかからか落ちたり、飛び込んだりするって事なんだよね・・・)」

あかり「よーし(じゃあ、この石の上から・・・)」

あかり「・・・」

あかり「・・・ふぅ」

あかり「おいしょ・・・!」ピョン

グルグルグルグルグル

あかり「・・・!」

ゴロゴロゴロ

あかり「!!」

ちなつ「あ・・・あかりちゃん!?」

あかり「・・・あっ・・・(ここは・・・部室の外・・・)」

ちなつ「どうしたの!?いきなり・・・」

あかり「あ、いや・・・ちょっと転んじゃったみたいだね・・・えへへ(場所は同じだけど・・・)」ムクッ

ちなつ「まさかテストで頭使い過ぎちゃったの?」ワラワラ

あかり「そ、そうかも知れないよぉ。」

ちなつ「全く~部室に入る前に土払っとくよ~」パンパン

あかり「あ、ありがとう!(ちなつちゃんと一緒に部室に来た時に戻ってる・・・!)」

――部室――

あかり「へぇ~」

ちなつ「それでね、それでね」

ガラッ

京子「おはよー」

あかり「あ、京子ちゃん!」

ちなつ「おはようございます~」

京子「あれ?結衣は・・・?」

ちなつ「結衣先輩はまだ来てないですよ?」

京子「おかしいなー・・・先に行ったはずなんけど・・・

あかり「・・・」

京子「・・・ちょっと探して来るね!」

あかり「ま、待って!」

京子「ん?」

あかり「すぐ来ると思うから、ここにいた方が良いよぉ」

京子「え?でも・・・なんかあったのかも知れないじゃんー・・・」

あかり「(確か、3分後くらいに来たよね・・・)じゃ、じゃあ、5分待って来なかったら探しに行こうよぉ!」

京子「まぁ・・それでも良いかー・・・」

ガラッ

結衣「おはようー」

あかり「あ、結衣ちゃん!(・・・やっぱり)」

ちなつ「結衣先輩おはようございます~」

京子「あれ?結衣、先に部室行かなかったけー?」

結衣「ごめん、ごめん。途中で先生に用事頼まれちゃってなー」

京子「そっかそっか」


ちなつ「今日はなにやります~?」

京子「うーん・・・そうだなー・・・」

京子「んじゃあみんなで、結衣の良い所挙げてくゲームしようぜー!最初に挙げられなくなった人が罰ゲームなー!」

結衣「な!?」

ちなつ「良いですね~!!でも私、ダントツで勝っちゃいますよ~?」クネクネ

京子「いやー私も負けないよー?」

結衣「なんか恥ずかしな・・・」

あかり「・・・。(・・・良かったよぉ)」ホッ

あかり「ただいまー」

パタンッ

――あかりの部屋――

あかり「・・・ふぅ」バタンッ

あかり「・・・」

あかり「もう・・・完全に・・・」

あかり「・・・」

あかり「夢・・・なんて言ってられないね・・・」

あかり「・・・」

あかり「よくわからない・・・不思議な力だけど・・・」

あかり「・・・」

あかり「・・・今日は助かったよぉ・・・」

――翌日放課後――

ちなつ「最近、五時間目がテストの日多いね~」

あかり「そうだね~でも、早く部室に来られるから嬉しいよぉ~」

ちなつ「まぁ、得意な教科の時はね~」

あかり「う、うん(今日もちょっと時間戻しちゃったよぉ・・・)」

ちなつ「それにしてもあっついね~」ムレムレ

あかり「そうだねー」

ちなつ「ここまであっついとさ・・・」ムレムレ

あかり「うん?」

ちなつ「なんかそわそわしない・・・?」ムレムレ

あかり「そわそわ・・・?」

ちなつ「うん。そわそわ」ムラムラ

あかり「!?(こ、この表情・・・!」

ちなつ「・・・もう一回したから良いよね?」ムラムラ スッ

あかり「!!(あの時と・・・!)」

ちなつ「あかりちゃん、チューしよっか!」バッ

あかり「いやぁ~!!(やっぱりー!!)」ダッ

ちなつ「待ってよ~!」タッタッタッタ

あかり「ダメだよぉ~!!」タッタッタッタ

ちなつ「もう一回したんだから良いじゃん~!」タッタッタッタ

あかり「そういう問題じゃないよぉ~!」タッタッタッタ

ガラッ

ちなつ「部室の外に行っても無駄だよ!どこまでも追いかけるから!」タッタッタッタ

あかり「ふぇ~ん!」タッタッタッタ

ちなつ「待ってよ~!!」タッタッタッタ

あかり「ダメだよぉ~!!(・・・そ、そうだ・・・!)」タッタッタッタッ

ちなつ「とりゃあ~!!」

あかり「おいしょ・・・!」ピョン

グルグルグルグル

あかり「ほっ・・・」

ゴロゴロゴロゴロ

あかり「はっ・・・」

ちなつ「あ、あかりちゃん!?」

あかり「あ・・・ごめんごめん・・・」ムクッ

ちなつ「き、昨日もここで転んだよね~?」

あかり「えっへへ。なんかあるのかなぁ・・・?(部室に入る前に戻ってる・・・ちょうど良いね・・・!)」

ちなつ「石かなにかあるのかな・・・?」ジロジロ

あかり「だ、大丈夫だよぉ!明日からは気を付けるね!」

ちなつ「う、うん・・・」

――部室――

ちなつ「最近、五時間目がテストの日多いね~」

あかり「そうだね~でも、早く部室に来られるから嬉しいよぉ~」

ちなつ「まぁ、得意な教科の時はね~」

あかり「う、うん(ど、どうしよう・・・)」

ちなつ「それにしてもあっついね~」ムレムレ

あかり「そ、そうだねー(時間を戻したは良いけど・・・)」

ちなつ「これだけあついとさ、」ムレムレ

あかり「う、うん?(・・・ど、どうやって回避すれば良いの~?)」

ちなつ「なんかそわそわしてこない?」ムラムラ

あかり「じゃ、じゃああかりがノートであおいであげるよぉ!」バサバサ

ちなつ「そうじゃなくてさぁ・・・」ムレムレ

あかり「!?」

ちなつ「・・・」バッ

あかり「きゃっ!!」

ちなつ「・・・」グッ

あかり「あぁ~!!」

ちなつ「・・・」チュー

あかり「・・・(時間戻せてもどうにもならない事もあるんだね・・・)」

ちなつ「・・・ふぅ」

あかり「・・・」ピクピク

ちなつ「・・・」

あかり「もう・・・ちなつちゃん・・・」グスン

ちなつ「・・・嫌だったの?」

あかり「あ、いや・・・嫌だとか・・・そういうわけじゃないけど・・・」

ちなつ「・・・じゃあなに?」

あかり「やっぱりその・・・お友達同士でするものじゃないからさぁ・・・」

ちなつ「・・・」

ちなつ「お友達じゃないもん」

あかり「・・・え?」

ちなつ「・・・」

あかり「ど、どういう・・・」

ちなつ「・・・私、結衣先輩も好きなんだけどさ、」

あかり「う、うん・・・」


ちなつ「あかりちゃんの事も好きなんだよね」

あかり「」


ちなつ「冗談じゃないよ。本気で」

ちなつ「結衣先輩には、京子先輩っていう人がいるし・・・」

ちなつ「だからさ、あかりちゃん、私と付き合わない?」

あかり「」

あかり「ふぇ~ん!!」ダッ

ちなつ「あ、あかりちゃん!?」

あかり「えぇ~ん!(どうしよう・・・告白なんてされても・・・)」タッタッタッタ

ちなつ「待ってよ!!」ダッ

あかり「・・・っ・・・(どうしたら良いかわからないよぉ~!!)」タッタッタ

ちなつ「あかりちゃん、本当に大好きなの!!」

あかり「・・・っ」ピョン

グルグルグルグル

あかり「・・・」

ゴロゴロゴロゴロ

ちなつ「あ、あかりちゃん!?」

あかり「あっ・・・ごめんごめん」ムクッ

ちなつ「昨日もここで転んだよね・・・?」

あかり「えへへ。なんかあるのかな・・・?(ど、どうしよぉ・・・)」

ちなつ「石かなにかあるのかな・・・?」ジロジロ

あかり「だ、大丈夫だよぉ!(これで部室行ったら・・・)」

――部室――

ちなつ「最近、五時間目がテストの日多いね~」

あかり「そうだね~でも、早く部室に来られるから嬉しいよぉ~(どうにかして・・・)」

ちなつ「まぁ、得意な教科の時はね~」

あかり「う、うん(そ、そろそろだよね・・・)」

ちなつ「それにしてもあっついね~」ムレムレ

あかり「そ、そうだねー(そうだ・・・!)」

ちなつ「これだけあついとさ、」ムレムレ

あかり「あ、ちょっとごめんね!」

ちなつ「?」

あかり「さっき転んだ所、傷になっちゃってるみたいだからさ、保健室行ってくるね!」スッ

ちなつ「え?大丈夫?私も行くよ?」

あかり「大丈夫、大丈夫!」タッ

バタンッ

ちなつ「・・・」

――保健室――

先生「じゃあ、ちょっと腕出してねー」

あかり「はーい(多分、傷になってるのは本当なんだよね・・・)」スッ

先生「ちょっと染みるからねー」ポンポン

あかり「いっ・・・」

先生「ん?」

あかり「・・・?」

先生「なんか肘の所に数字書いてあるよ?」

あかり「!?」

先生「なんかのメモ?」

あかり「あ・・・はい・・・(数字・・・?なんだろ・・・?)」

先生「もっと見えやすい所に書いておかなきゃだめじゃない」ワラワラ

あかり「えっへへ(昨日もちゃんとお風呂には入ったし・・・書いた覚えなんかないよぉ・・・)」ポリポリ

――部室――

あかり「ただいまー(ほっ・・・京子ちゃんと結衣ちゃんも来てるね・・・)」

京子「よーし、揃ったね。今日はなにするー?」

結衣「暑いからみんなでアイスでも買いに行くかー」

京子「お、良いねー」

ちなつ「・・・(今日こそ・・・言おうと思ってたのに・・・)」シュン

あかり「!」

京子「・・・?ちなつちゃん、どうしたんだー?」

ちなつ「あ、いえ、なんでもないですぅ!」

あかり「・・・(ちなつちゃん、ごめんね・・・)」

ちなつ「あかりちゃん、部室行こう!」

あかり「(まだ京子ちゃんや結衣ちゃんは来てない時間だね・・・)あ、ごめんね。ちょっと用事があるから後から行くね・・・!(ちなつちゃんと二人きりにはならないように・・・)」

ちなつ「・・・」



ちなつ「たまには先輩が後輩にジュース奢って下さいよ~!」

結衣「まぁ・・・それもそうだな。じゃあ京子、ちょっとジュース買いに行くか」

京子「仕方ないなぁ~」

あかり「!(あぁぁぁぁぁ・・・)」

ガラッ

ちなつ「あかりちゃん、私、あかりちゃんの事好きなの」

あかり「(あぁぁぁぁぁぁ・・・)」ピョン



あかり「(こんな毎日の繰り返しだよぉ~・・・)」

あかり「・・・ふぅ(もう何回告白されたかわからないよぉ・・・)」

――部室――

京子「さーて今日はなにするー?」

結衣「今日も暑いから・・・アイス買いに行こうよ」

京子「結衣もアイス好きだなー。よし、じゃあアイス買いに行くかー」

ちなつ「でも、みんなで行く必要はないですよね~」

あかり「!(こういう展開の時はいつも・・・)」

京子「そうだねー。じゃあ、じゃんけんで・・・」

あかり「あかりが行くよぉ!」

京子「え?」

結衣「い、良いのかー?」

あかり「う、うん!(これで回避出来るよね・・・)」

ちなつ「・・・」

京子「あ、そうだ!ちょっと待って!」

あかり「・・・?」

京子「昨日、部室の裏から自転車見つけたんだよねー。だからそれ使って良いよ!」

結衣「あのボロボロなやつか・・・大丈夫なのか?」

京子「確かにボロボロだけど、ちょっとコンビニ行ってくる程度なら大丈夫でしょ!部室の横に立ててあるからね!」

あかり「うん、わかった!」

ガラッ

あかり「(お、これだね。)」

あかり「おいしょ」

あかり「これなら早く行って帰って来れそうだね」キコキコ

あかり「(あぁ・・・学校の前はすぐ坂なんだよね・・・行きはよいよい帰りはなんとやらだね・・・)」シャーッ

あかり「(でも気持ち良いなぁ~♪ 自転車に乗るのなんて久し振りだよぉ!)」シャーッ

あかり「(景色も良いし・・・!)」シャーッ


あかり「・・・」シャーッ

あかり「・・・。(ちなつちゃん・・・ごめんね・・・)」シャーッ

あかり「・・・。(気持ちはすごく嬉しいけど・・・)」シャーッ

あかり「・・・。(告白されても・・・あかりはどうしたら良いかわからないんだよね・・・)」シャーッ

あかり「(お、カーブだね。ちょっとスピードを・・・)」ギュッ

あかり「・・・?」

あかり「あれ・・・?」カシュッ カシュッ

あかり「・・・」カシュッ カシュッ

あかり「!!!(ブ・・・ブレーキが・・・!)」

あかり「!!(やばいよ・・・!)」シャーッ

あかり「(ガードレールに・・・!)」シャーッ

あかり「くっ・・・」カシュッ カシュッ

あかり「(その下は・・・)」シャーッ

あかり「(・・・崖・・・)」シャーッ

ドーン!!

あかり「・・・っ」フワッ

あかり「・・・(お願い・・・時間よ戻って・・・!)」

バタンッ

あかり「はぁ・・・はぁ・・・(ぶ・・・部室だ・・・)」

京子「あ、あかり!?」

結衣「ど、どうしたんだー!?」

あかり「あ・・・いや・・・(た・・・助かったよぉ・・・)」

京子「座ってた状態からいきなり倒れるって斬新だなー」ワラワラ

結衣「そんなにじゃんけんして負けるのが嫌だったのかー?」ワラワラ

あかり「じゃ・・・じゃんけん・・・?」

京子「アイス買いに行く人を決めるじゃんけんしようとしたらあかりがいきなり倒れたんだよー」

あかり「(!・・・あんまり時間が戻ってないんだ・・・!)良いよぉ!あかりが行くよ!」

結衣「いやいや、倒れた人行かせるわけにはいかないだろー。むしろあかりを抜いてじゃんけんしようよ」

京子「そうだねー。じゃあ負けた二人で」

ちなつ「お、良いですね!(よーし、これで勝てば・・・!)」

あかり「本当にあかりが行くってば!」

京子「良いってば!(・・・自転車もあるしね)よーしいくよ!じゃんけん」

結衣「ぽん!」

京子・結衣「「あぁー・・・」」

ちなつ「やったー!!(よーし、これで、やっと・・・)」

京子「じゃあ行くかー結衣」スッ

結衣「仕方ないな」スッ

あかり「待って!あかりが行くってば」

カシッ

あかり「!?」

ちなつ「じゃんけんで決めたんだから良いんだよぉ?」トローン

あかり「!!」

京子「すぐパーっと行って来るねー」

あかり「待って!」スタッ

ちなつ「・・・あかりちゃん」カシッ

あかり「・・・!」

結衣「大丈夫だよ、私達で行ってくるってば」

ガラッ

あかり「!!・・・待って!・・・じ、自転車は使っちゃダメだよぉ!!」

京子「え・・・?(なんであかりが自転車の事知ってんだ・・・?)」

結衣「ど、どういう事だ・・・?」

あかり「とにかく・・・とにかくダメなんだよぉ・・・!」

京子「(よくわかんないけど・・・)わ、わかったよ・・・」

あかり「絶対だよぉ!!」

パタンッ

ちなつ「あかりちゃん」トローン

あかり「!!」

ちなつ「あかりちゃん!(何度も何度もかわされて・・・)」ギュッ

あかり「・・・ち、ちなつちゃん・・・?」

ちなつ「あかりちゃん(もう止まらないよ・・・)」ギューッ

あかり「・・・(ど、どうしよう・・・)」


――部室の外――

京子「うーん・・・やっぱこのクソ暑い中、二人で歩いていくってのもあれだよなー」

結衣「まぁなー・・・」

京子「よし、自転車を使おう!」

結衣「あの部室の後ろにあったボロいのかぁ・・・?大丈夫か?(なんかあかりも言ってたし・・・)」

京子「ちょっとコンビニ行くくらい大丈夫っしょ!」

結衣「・・・よっ・・と」

京子「しっかり掴まっててねー?」

結衣「あ・・・あぁ・・・(不安だなー・・・)」

京子「でも、二人乗りなんて久し振りだね!」カァッ

結衣「そう言えば、そうだな。(なんか照れるな・・・)」カァッ

京子「よーし、行くぞ~!(なんか張り切っちゃうなぁー!)」チリンチリン

京子「っし!」キコキコ

ちなつ「あかりちゃん・・・」ギューッ

あかり「う・・・うん・・・?」

ちなつ「私ね、ずっと・・・あかりちゃんの事・・・」

あかり「!(あぁぁぁ・・・)」

ちなつ「好きだったんだ」

あかり「・・・」スッ

ちなつ「あ、あかりちゃん・・・?」

あかり「ちょっとごめんね」

ちなつ「えっ・・・?」

あかり「・・・」ピョン

あかり「・・・あれ」

ちなつ「・・・?」

あかり「・・・・」ピョン

ちなつ「・・・(まさか・・・)」

あかり「・・・」ピョン

ちなつ「・・・(嬉しくて・・・飛び跳ねてるのかな・・・!)」

あかり「あれ~!?!?!?(時間戻せないよぉ~!!)」

ちなつ「あかりちゃん!」ギューッ

あかり「!!(ど・・・どうしよう・・・)」


チリンチリン

あかり「!!」

あかり「今の音って・・・(まさか・・・)」

ちなつ「うーん・・・?ただの自転車のベルの音だよ~・・・」ギューッ

あかり「・・・っ・・・!」ダッ

ちなつ「あかりちゃん!?」

ガラッ

あかり「(急がなきゃ・・・!!)」タッタッタッタッタ

ちなつ「あかりちゃん、待ってよ!!」タッタッタッタッタ

あかり「あ!(二人乗りしてる・・・!)」タッタッタッタ

あかり「待って!!京子ちゃん!結衣ちゃん!(道路に入っちゃう・・・!)」タッタッタッタ

ちなつ「あかりちゃん!!」タッタッタッタッタ

京子「気持ち良いなぁ~!(なんか良いなぁ・・・結衣を背中に感じるって・・・)」シャーッ

結衣「そ、そうだな(やっぱ照れるな・・・こうやってくっつくと・・・)」ギュッ

京子「どんどん飛ぶばすぞ~!」キコキコ シャーッ

結衣「うん」ギュッ

あかり「京子ちゃん!!結衣ちゃん!!(ダメだ・・・全然届いてない・・・!)」タッタッタッタ

ちなつ「あかりちゃん!!」タッタッタッタッタ

あかり「・・・っ・・・・(道まで出て・・・)」タッタッタッタッタ

あかり「!!」

あかり「(すごいスピードで下ってってる・・・!)」ハァハァハァハァ

ちなつ「あかりちゃんってば!」

あかり「なんとかして・・・止めなきゃ・・・!」ダッ

ちなつ「あかりちゃん・・・」

あかり「このままじゃ・・・グスッ・・・・」タッタッタッタッタ

ちなつ「・・・」タッタッタッタ

京子「気持ち良い~!」シャーッ

結衣「おい京子、ちょっとスピード出しすぎだって・・・(ますますくっついちゃうじゃないかー)」ギューッ

京子「大丈夫、大丈夫♪(だってスピード上げれば上げる程、結衣がくっついてきてくれるんだもん♪)」

シャーッ

結衣「あ、カーブだな。(しかもすごい角度だ・・・)」

京子「マリオカートばりに曲がるぜ~!」

結衣「おい、しっかりスピード落とせよ」

京子「はいはい、わかってますよー」ギュッ

京子「・・・あれ?」カシュッ

結衣「ん・・・?」

京子「あれれ?」カシュッ カシュッ

結衣「お、おい・・・」

京子「あー・・・これは・・・(あー・・・完全に壊れちゃってるわ・・・)」カシュッ カシュッ

結衣「まさか・・・」

京子「・・・てへへ」

結衣「・・・」

京子「・・・ごめんね、結衣。最期の最期まで一緒だったね」

ズガガガガガ

京子「!!」

結衣「馬鹿!なに諦めてんだよ!」足ズガガガガガ

京子「結衣!」

結衣「くっ・・・止まれ・・・!」ズガガガガガ

あかり「ハァ・・・ハァ・・・」タッタッタッタ

あかり「あぁ!!!(あのカーブに差し掛かってる・・・!)」

あかり「京子ちゃん!!!結衣ちゃん!!!」

あかり「京子ちゃんーー!!!結衣ちゃんーー!!!」

あかり「(ダメだ・・・)」ヘタッ

あかり「(声が届く距離じゃないし・・・届いた所で・・・もう・・・)」

ちなつ「あかりちゃん・・・」

あかり「・・・」

あかり「(残る手段は・・・)」

あかり「・・・」

あかり「(でも・・・さっき・・・失敗した・・・)」ポロ

あかり「・・・」

あかり「(もう・・・使えないんじゃ・・・)」ポロポロ

あかり「・・・」ブンブン

あかり「(きっと・・・落差が足りなかったんだ・・・!絶対そうだよぉ・・・!)」ダッ

あかり「・・・」スッ

あかり「(なにより・・・他にもう・・・方法が無いんだから・・・!)」ダッ

ちなつ「あかりちゃん!?(ガードレールの方に・・・!?)」

あかり「(この崖から・・・落ちれば・・・!)」ダッ

ちなつ「あかりちゃん!」ダッ

あかり「(恐がるなあかり・・・!)」ピョンッ

ちなつ「あかりちゃん!!」

カシッ

ブラーン

あかり「!!」

ちなつ「んっ・・・」

あかり「ち、ちなつちゃん・・・!」

ちなつ「絶対・・・手・・・離しちゃ・・・ダメだよ・・・?」ギュッ

あかり「こ・・・これには事情があるの・・・!!だから、お願い・・・!!!」

ちなつ「ダ・・・ダメだよ・・・」

あかり「本当なんだよぉ!!」

ちなつ「ダメだって!!ただ死んじゃうよ!」

あかり「!」


ちなつ「もう戻れないんだよ・・・!」


あかり「え・・・!?」


ちなつ「腕の数字、0になってるじゃない!!」

あかり「え・・・ど・・・どういう・・・」

ちなつ「・・・事情を話してる暇は無いわ。・・・体力もね・・・」グッ

あかり「えっ・・・」

ちなつ「ごめんね・・・身体接触してる状態だから・・・一緒に連れていっちゃう事になるけど・・」

あかり「い・・・一緒に・・・?」

ちなつ「・・・なんてのは言い訳かな。一番は・・・あかりちゃんにだけは覚えておいて欲しいっていうわがままだね。・・・本当にごめんね」

あかり「ど・・・どういう・・・」

ちなつ「・・・」スッ

あかり「!?(なにあの・・・機械みたいなの・・・)」

ちなつ「・・・」ピッ

グルグルグルグルグル

あかり「!!」

あかり「・・・!」パチッ

あかり「・・・こ・・・ここは・・・!?」

ちなつ「部室だよ」

あかり「ぶ、部室・・・!?(外が暗い・・・)」

ちなつ「うん」

あかり「時計・・・」バッ

あかり「よ・・4時!?」

ちなつ「うん、朝のね」

あかり「朝・・・!?朝まで戻ったって事・・・?」

ちなつ「うん。でもね・・・朝は朝でもね」

あかり「・・・?」

ちなつ「入学式の日の、早朝だね」

あかり「!!」

あかり「ど・・・どういう事・・・?(入学式・・・?)」

ちなつ「対面に座って」

あかり「う、うん・・・」

ちなつ「それで・・・」

あかり「・・・」

ちなつ「・・・落ち着いて、私の話聞いてくれる?」

あかり「う、うん・・・」

ちなつ「私ね、」

あかり「う、うん」


ちなつ「・・・未来から、来たんだよ」ニコッ

あかり「・・・」


ちなつ「ここまでは・・・何度もタイムリープしてるあかりちゃんなら、信じてくれるよね?」

あかり「・・・う、うん」

ちなつ「でも私はね、あかりちゃんみたいなタイムリープとは違って・・・」

あかり「・・・」

ちなつ「ずーーーっと未来から来たんだ。世紀っていう単位の年月を跨いでね」

あかり「!!」

ちなつ「私ね、実は大学生なんだ」

あかり「!!・・・だ・・・大学生・・・?」

ちなつ「うん。でもね、年齢はあかりちゃんと一緒だよ」

あかり「今年で・・・13歳って事?」

ちなつ「うん。つまり、飛び級って事。こう見えて、優秀なんだ。てへへ。所謂天才児って奴だね」

あかり「・・・あ・・・そ・・・そう・・・だったんだ・・・」

ちなつ「ごめんね、信じられないよね」

あかり「うっ・・・」

ちなつ「じゃあ、これ」スッ

あかり「・・・?」

ちなつ「学生証だよ」

あかり「!」

あかり「と・・・東京大学・・・文学部・・・歴史文化研究学科・・・」

ちなつ「えへへ。すごいでしょ」

あかり「・・・間宮・・・ちなつ・・・?」

ちなつ「あ、そっかそっか。名字は違うんだね」

あかり「違う・・・?」

ちなつ「吉川ってのは、こっちで居候させてもらってる私の先祖の家の名字なんだよね」

あかり「せ、先祖・・・?」

ちなつ「うん。あかりちゃんのお姉ちゃんともお友達の、吉川ともこは私の先祖。まだ結婚前だから、子孫の私とは名字が違うんだ」

あかり「って事は・・・」

ちなつ「うん。だから、本当はお姉ちゃんなんかいないよ。実際にいるのはお兄ちゃんだね。夏生まれの私がちなつで、お兄ちゃんは秋生まれだからちあきっていってね。かっこいいんだよ~」

あかり「そ、そうなんだ」

ちなつ「それでね。私が所属してる研究室は「部活動」を研究していてね」

あかり「部活動・・・?」

ちなつ「そうだよ。何世紀も後には、今の中学や高校で行われてる部活動ってのも学者の研究対象になってるんだよ」

あかり「そ、そっか・・・そっちの時代から見たらもう「歴史」なんだもんね・・・」

ちなつ「そうそう。だから、基本的には文献や写真や映像資料から、当時の部活動ってものの内情を類推していくんけど・・・」

あかり「う、うん」

ちなつ「私みたいな飛び級生は、見た目が中学生だから、タイムリープして実際に交じっても大丈夫でしょ?」

あかり「そ、そうだね」

ちなつ「実際に交じって体験するなんて、これ以上ないフィールドワークなんだよ。だから重宝されててね」

あかり「う、うん」

ちなつ「今回は、茶道部を研究するって事で・・・この平成の時代の七森中に飛ばされたんだ」

あかり「そ・・・そうだったんだ・・・」

あかり「でもなんで・・・今の時代の・・・うちの中学だったの・・・?」

ちなつ「タイムリープには遡れる年数に限度があってね。もちろん、わざわざ直に行ってフィールドワークをするわけだから、出来るだけ古い年代に行かせるんだ。それで、その最可遡年数の先が今年だったんだよ。」

あかり「そ、そうなんだ・・・」

ちなつ「でも来てみたら、茶道部が無くなっててね。」

あかり「あ・・・」

ちなつ「それでそのまま、流れでごらく部なんていう実体のない部活動に入っちゃって・・・」

あかり「・・・こ、公認されてる部活ではないんだよね・・・」

ちなつ「もちろん、すぐに帰ってくるようにって未来からなんども要請が来たんだけどさ・・・」

あかり「う、うん・・・」

ちなつ「・・・」

あかり「・・・?」

ちなつ「実はね、要請を無視して帰らないっていうのは、完全な違法行為なんだ。

あかり「!!い・・・違法!?」

ちなつ「時間を越えるってそれくらい大袈裟な事なんだよ。でも、私は数少ないフィールドワークが出来る飛び級生だから、ずっと研究室がかばってくれてたんだけどね」

あかり「そ・・・そうだったんだ・・・」

ちなつ「でもね。さすがにもうかばいきれなくなってきたみたいで・・・昨日、最後通牒みたいな形で、未来からさっきの機械が送られてきてね」

あかり「さいご・・・つうちょう・・・?」

ちなつ「うん。この機械を使うか、時空犯罪者として司法の介入を受けるかどっちか選べって言われてね。」

あかり「は・・・犯罪者・・・!?」

ちなつ「うん。この機械を使えば、大学内での処分だけに抑えてやるっていうから・・・つまり、この機械を使えって事なんだけどね」

あかり「・・・使うと・・・どうなるの・・・?」

ちなつ「とりあえず、今起こったみたいに、私が来た時点まで時間が戻るんだね。」

あかり「あ・・・」

ちなつ「それで、」

あかり「・・・?」

ちなつ「その1時間後に、私は未来に強制帰還させられるんだ。」

あかり「!!」

あかり「って事は・・・って事は・・・!」

ちなつ「だから、落ち着いて話そって言ったんだよ」

あかり「ちなつちゃん、嫌だよ!!ちなつちゃん!!」

ちなつ「落ち着いて!」

あかり「嫌だよ!帰っちゃ嫌だよ!!ちなつちゃん!」

ちなつ「お願いだから落ち着いて!!」

あかり「!」

ちなつ「最後なんだから・・・話したい事話そうよ?」

あかり「ちなつちゃん・・・」ポロポロポロポロ

ちなつ「あまり時間無いからさ。・・・とりあえずこっちから話すべき事は話したから、逆にあかりちゃんが聞いておきたい事とかある?」

あかり「グスンッ・・・グスンッ・・・」

ちなつ「なにかない?未来の事とかさ」ニコッ

あかり「グスンッ・・じゃあ・・・」

ちなつ「うん?」

あかり「ちなつちゃんの・・・大学内での処分ってのは・・・どうなっちゃうの・・・?」

ちなつ「3年間停学だね」

あかり「!!さ、3年間・・・!?そ・・・そんなに重いの・・・!?」

ちなつ「もう一度言うけど、時間飛び越えるってそれくらい大きな事なんだよ」

あかり「じ・・・時間を飛び越える・・・」

あかり「!!(・・・って事は・・・)」

あかり「ま・・・まさか・・・」

ちなつ「・・・?」

あかり「あかりが勝手に使っちゃったのも・・・」

ちなつ「・・・」

あかり「ちなつちゃんの・・・」

ちなつ「(あぁ・・・バレちゃったか・・・)私がうっかり落としておいたから悪いんだよ。あかりちゃんが悪いんじゃないよ」

あかり「そんな・・・!あかりが悪いんだよ・・・!」

ちなつ「違うってば」

あかり「あかりが・・・勝手に・・・」ポロポロ

ちなつ「あかりちゃんが悪いんじゃないってば」ポンポン

あかり「どうにか・・・処分は軽く出来ないの・・・?三年なんて・・・」ポロポロ

ちなつ「研究室が散々かばってくれた結果だからね。普通だったら懲役だよ。少なくとも、私が成人するくらいまでは。」

あかり「・・・!!」

ちなつ「だから、本当に恵まれてる方なんだってば。今日も、この機械使ってこうやって人の所一緒に連れて来ちゃったって見ないふりしてくれてるし」

あかり「どうして・・・そんなに・・・罪重くなっちゃうまで・・・」ポロポロ

ちなつ「・・・」

あかり「・・・」ポロポロ

ちなつ「だってさ。」

ちなつ「なんかここにいると・・・送れてる気がしてさ」

あかり「・・・送れ・・・て・・・る・・・?」グスン

ちなつ「飛び級のせいで経験出来なかった・・・」グスンッ

ちなつ「青春ってものが・・・送れてる気がしてさ」グスッ

あかり「・・・!」


ちなつ「グスンッ・・・グスンッ・・・」


ちなつ「ごらく部にいるのが・・・あんまり楽しくってさ・・・!」

ちなつ「だから、ごめんね。あかりちゃんだけつれてきちゃって」

あかり「・・・」

ちなつ「このままあの日々が無かった事になるのは・・・あまりにも辛くってさ・・・」

あかり「・・・」

ちなつ「京子先輩や結衣先輩の記憶には残れないけど・・・せめてあかりちゃんだけでも、覚えてて欲しいなって・・・!」

あかり「・・・」

ちなつ「本当に、ごめんね」ポロポロ

あかり「・・・」

ピーッ ピーッ ピーッ

ちなつ「・・・そろそろ時間だね。」


あかり「・・・最後に質問して良いかな?」


ちなつ「・・・?」

あかり「・・・三年後には、またタイムリープ出来るようになるんだよね?」

ちなつ「停学が開けたら・・・出来るけど・・・。・・・でも、さっきも言ったように、遡れる年数は限られてて・・・」

あかり「・・・来れる年代はどんどん未来にずれてくって事だね?」

ちなつ「う、うん、そういう事。今以上の技術革新の目途は全く立ってないから、このままそれがどんどん未来にずれてくって事だね。未来の来年には、この時代の来年まで来れるって感じで・・・」

あかり「・・・そっか」

ちなつ「だからもう、一緒にごらく部は出来ないんだよ」ポンポン

ピーッ ピーッ ピーッ ピーッ ピーッ

ちなつ「じゃあ私、行くね」

あかり「・・・待って」ポロポロポロポロ

ちなつ「・・・?」

あかり「最後にあかりと・・・約束してくれる?」ポロポロポロポロ

ちなつ「約束・・・?」

あかり「うん」

あかり「・・・」ゴシゴシ

あかり「・・・」キリッ

あかり「しっかり聞いてね」

ちなつ「・・・!」

あかり「あのね、」

ちなつ「・・・」

あかり「知ってると思うけど、七森は中高一貫なんだよ。キャンパスも隣接していてね」

ちなつ「そ、それは・・・知ってるけど・・・」

あかり「京子ちゃんの事だから、」

ちなつ「・・・」

あかり「高校に入ってもこの部室に居座ると思う。・・・あかりからわがままを言ったって良いし」

ちなつ「・・・!」

あかり「・・・」キリッ

あかり「3年後って事は・・・あかりが高校生になる年に来られるって事だよね。ちなつちゃんも高校生になる年齢になって・・・!」

ちなつ「!」

あかり「それまでに・・・しっかり茶道も練習しておくよ・・・!少なくとも・・・研究対象になれそうな部活にしておくよ・・・!」

ちなつ「・・・」グスン グスンッ

あかり「だから・・・」


ギュッ


ちなつ「んっ・・・」



あかり「3年後の今日、ここで待ってるから」



ちなつ「・・・!」


ピーーーーーーーーーーーーーッ

京子「今日からあかりも中学生かー」

結衣「とりあえず・・・」

京子・結衣「「ごらく部入部おめでとう~!!」」パンパンッ

あかり「ありがとう~!!」

京子「・・・って言っても・・・」パタンッ

結衣「・・・この部活、やる事無いんだけどねー・・・」パタンッ

あかり「・・・」

京子「楽で良い部活だろ~?」

あかり「あ、あのさ・・・!」

京子「んー?」

結衣「どうしたのー?」

あかり「あの・・・せっかく、道具ある事だしさ、」

結衣「道具・・・?まさか茶道の?」

あかり「うん。だから・・・茶道らしい事してみようよぉ。」

京子「え~?」

結衣「本気で言ってるのか~?」

あかり「週一でも良いからさ・・・!」

京子「まぁ・・・やる事無いから・・・別に良いけどさー・・・」

あかり「ほ、本当?」

結衣「でもなんでいきなりー?」

あかり「・・・」

京子「あかり、茶道になんか興味あったの~?」

あかり「・・・あのね。」

京子・結衣「「・・・?」」



あかり「なんか、すっごく楽しい未来につながってる気がするんだ」



京子「さ・・・茶道が~・・・?」

結衣「まぁ・・・上品な女性になれるに越した事は無いけどさ・・・」


短いエピローグだけ入れるわ

京子「とりあえず・・・」

結衣「あかり、高校入学おめでとう~!」

京子「引き続き、このごらく部でやっていくわけだけど・・・」パタンッ

結衣「今日は茶道の日じゃないしな~・・・」パタンッ

あかり「そうだけどさ~・・・なにもしないの~・・・?(相変わらず過ぎて・・・こんな所見られたら恥ずかしいよぉ~・・・)」ドキドキドキドキ

結衣「もう三人ではやれる事やりつくしたよー・・・このまま高校生活どうなる事やら・・・」

京子「あー・・・新入部員でも来れば変わるのになー・・・」

結衣「まぁ・・・まず来ないだろうなー・・・」

ガラッ

京子・結衣「「?」」

あかり「!」


「すいません、ここ茶道部ですか?」

京子「あーごめんなさい、違いまーす!(まぁ・・・そこらの茶道部より・・・)」

結衣「茶道部はかなり昔に廃部になっちゃったんですよねー・・・。(茶道には詳しいけどさ・・・)」

京子「だから残念だけど・・・」ムクッ

京子「!!」

結衣「・・・?」

京子「(あ・・・あれは・・・)」キラキラ

京子「ちょっと大人なミラクるん!?」キラキラ

結衣「(確かに似てるけど・・・)」

京子「茶道もやってまーす!!!ぜひ入部して下さーい!」ダッ ピョーン

ちなつ「・・・」サッ

結衣「(なんだ今の回避・・・?まるで何回も見て来たような・・・)」

ちなつ「・・・」トコトコ

ちなつ「・・・」スッ



ちなつ「あかりちゃん」

あかり「ようこそ、七森高校ごらく部へ」ニコッ



結衣「あれ?あかり、知り合いなのかー?」

あかり「うん。同じクラスの吉川ちなつちゃんだよぉ」

結衣「なんだそうだったのか~なら話は早いなー」

あかり「ごらく部の実態は充分知ってるから大丈夫だよぉ。ね?」

ちなつ「うん!」


京子・結衣「「・・・」」


京子「でもなんか・・・」ジーッ

結衣「うん。なんか・・・」ジーッ


あかり・ちなつ「「・・・?」」


京子「昨日今日会ったばかりとは思えない空気感だなー・・・」

結衣「確かにー・・・」


あかり・ちなつ「「・・・」」カァッ

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