ルルーシュの部屋
ルルーシュ「ただいま、ナナ―――なっ?!」
ナナリー「あ、お兄様?おかえりなさい」
C.C「その様子だと食事は外で済ませてきたな」
ナナリー「心配しました。ゼロの騒動に巻き込まれたんじゃないかって、電話も通じないし」
ルルーシュ「……」
ナナリー「ところでお兄様、このC.C.さんとは……」
ルルーシュ「あ、ああ、彼女は―――」
C.C.「将来を誓い合った関係だ」
ルルーシュ・ナナリー「!?」.
ナナリー「そ、そうなんですか?意外とお早いのですね……」
ルルーシュ「違う、ナナリー。彼女は冗談が―――」
C.C.「嫌いだ」
ルルーシュ「……!?」
ナナリー「ま、まあ……あの、私は応援しますから……」
ルルーシュ「い、いや、待ってくれ。えっと……C.C.か……C.C.、変なことを言うな」
C.C.「はぁ?」
ルルーシュ「そんなこと誓ってないだろ」
C.C.「いやいや。誓ったぞ?でなければ、こんなことを言うものか」
ルルーシュ(こいつ……あのシンジュクのときにいた……女だよな……)
ナナリー「あの、C.C.さん?いつ、どこでお誓いに?」
C.C.「それは、私とルルーシュだけの秘密だ。な?」
ルルーシュ「誓っていないといっているだろうが!!」
ナナリー「あの……どっちなのですか?」
ルルーシュ「ナナリー、これは冗談だ。彼女なりのな」
C.C.「冗談じゃない。お前は乙女の純真を踏み躙るのか?悲しくて涙も出ないよ」
ルルーシュ「黙れ!!」
ナナリー「お兄様?約束したことを忘れたとかじゃないですよね?」
ルルーシュ「……」
パリンッ!!
ナナリー「……っ」ビクッ
ルルーシュ「あーあー、C.C.。何をやっているんだ。服が濡れちゃったじゃないか」
C.C.「濡れてないぞ?おまえこそ、いきなりカップを床に叩きつけるとは何事だ?」
ルルーシュ「(空気よめ!!)」
C.C.「婚姻届も用意した。ほら、ここにサインしろ。明日には役所に提出するから」スッ
ルルーシュ「なに?!」
ナナリー「もうそこまで話が進んでいるのですか!?」
C.C.「必要事項は記入しておいた。あとはお前も直筆サインだけだぞ?」
ルルーシュ「まて……」
C.C.「なんだ?」
ルルーシュ「名前の欄のC.C.ってなんだ?!」
C.C.「私の名前だ」
ルルーシュ「本名で書け!!」
C.C.「なんだ、意外とノリ気か。嬉しいよ」
ナナリー「……」
ルルーシュ「違う!!ナナリー!!これは言葉の綾だ!!」
C.C.「じゃあ、こっちの本名バージョンの婚姻届を……」スッ
ルルーシュ「いいからこっちにこい!!!」グイッ
C.C.「初夜か。悪くない」
ルルーシュ「黙れ!!!」
ナナリー「お兄様……」
C.C.「なんだ?」
ルルーシュ「貴様は何者だ?」
C.C.「その婚姻届に詳細は書いてある」
ルルーシュ「そういうことじゃない!!貴様はシンジュクで……」
C.C.「死んだはずか?」
ルルーシュ「……」
C.C.「私はお前と結婚するまで死ぬつもりはないよ」
ルルーシュ「お前には感謝している。この力のおかげで、計画が大幅に進んだからな」
C.C.「じゃあ、結婚か」
ルルーシュ「だが、それとこれとは別の問題だ」
C.C.「ほら、はやく私の横で寝ろ」
ルルーシュ「泊まる気か、貴様?!」
C.C.「今日から我が家だ」
ルルーシュ「何を言っている!?」
C.C.「何って……」
ルルーシュ「貴様とは将来を誓ったことなんてない!!いい加減にしろ!!!」
C.C.「……」
ルルーシュ「まあ、ここで匿ってやるぐらいのことはしてやるが……」
C.C.「お前……本当に何も覚えていないのか?」
ルルーシュ「え?」
C.C.「どうなんだ?」
ルルーシュ「なんのことだ?」
C.C.「え……?お前……」
ルルーシュ「なんだ?」
C.C.「……」
ルルーシュ「おい」
C.C.「もういい。話しかけるな。そして出て行け」
ルルーシュ「ここは俺の部屋だ!!」
C.C.「おやすみ」プイッ
ルルーシュ(くそ……意味が分からない……)
ナナリー「お兄様?」
ルルーシュ「なんだ、ナナリー。まだ起きていたのか?」
ナナリー「C.C.さんは?」
ルルーシュ「帰ってもらった」
ナナリー「そうなのですか」
ルルーシュ「彼女は冗談が好きなんだよ。気にするな」
ナナリー「でも、そんな感じには聞こえませんでした」
ルルーシュ「ナナリーは気にしなくていい」
ナナリー「そうですね……ごめんなさい」
ルルーシュ「さあ、もう寝ようか」
ナナリー「お願いします」
ルルーシュ「ああ」
ルルーシュ(あの女……どういうつもりだ……)
ナナリー「(着替えを)お願いします」
ナナリー「(添い寝を)お願いします」
ナナリー「(トイレを)お願いします」
翌日
ルルーシュ「……」ゴソゴソ
C.C.「ん……?」
ルルーシュ「部屋からは出るなよ?」
C.C.「どこに行くんだ……?」
ルルーシュ「学校だ」
C.C.「じゃあ、わたしも……」
ルルーシュ「意味が分からないことをいうな!!」
C.C.「押しかけ妻が転校してくる。よくある話だ」
ルルーシュ「ないっ!!!」
C.C.「あるよ。この漫画を見てくれ」スッ
ルルーシュ「このカードを使っていいから、食事はデリバリーで済ませろ」
C.C.「なぁ……本当に何も覚えて……」
ルルーシュ「行って来ます」
C.C.「……」
学校 中庭
ルルーシュ(あの女……)
ルルーシュ(だが、今は奴に構っている場合ではない。今後のゼロとしての行動を―――)
カレン「ねえ、ルルーシュくん」
ルルーシュ「カレンか。どうした?」
カレン「この前のことなんだけど……」
ルルーシュ「この前?」
カレン「ほら、シャワールームでの電話。あれの着信履歴とかわかる?」
ルルーシュ「あれは学校にかかってきたものだからな。なんとも」
カレン「そう……」
ルルーシュ「?!」
C.C.「らんらーん」クルクル
カレン「どうしたの?」
ルルーシュ(あ。あの女ぁ……!!!)
カレン「なに?後ろになにかあるの?」
ルルーシュ「……!!」ガシッ!!
カレン「ぐぇ?!」
ルルーシュ「……」
カレン「え……あの……なに……?」
C.C.「……」
ルルーシュ(早くどこかに行け……!!)
C.C.「……」
カレン「ねえ……手を離して……」
ルルーシュ「待て。まだ、このまま」
カレン「はぁ……?」
C.C.「……」
ルルーシュ(何のつもりだ……!!!)
カレン「いや、あの……ルルーシュくん……周囲の視線もあるし……」
ルルーシュ「え?」
女生徒「あれ、カレンさんとルルーシュくんだ……キスするのかなぁ……」ヒソヒソ
ルルーシュ「……っ」
カレン「あの……えっと……」
C.C.「……」
ルルーシュ(あいつ……移動する気がないどころか、こちらを睨んでいる……!!)
カレン「なんなの……」ドキドキ
ルルーシュ「ああ、そうだ。こっちに行こう」グイッ
カレン「ちょっと!!」
ルルーシュ「いいから!!」
カレン「う、うん……」
C.C.「……」
ルルーシュ(ついてくる気はないか……)
カレン「……」モジモジ
女生徒「いいなー、カレンさん……」
教室
ルルーシュ「色々悪かったな」
カレン「結局、何がしたかったの?」
ルルーシュ「まぁ……その……学校、久しぶりだろ?」
カレン「え?」
ルルーシュ「忘れている場所や変わったところもあるから、案内してあげようと思って」
カレン「……」
ルルーシュ「それだけ。じゃあ」
カレン「まって」
ルルーシュ「なんだ?」
カレン「……あ、ありがとう」
ルルーシュ「どういたしまして」
カレン「……変なヤツ」
ルルーシュ(さてと、C.C.を探すか)
ルルーシュ「どういうつもりだ」
C.C.「それは私の台詞だ」
ルルーシュ「なに?」
C.C.「お前、あの女に気があるのか?」
ルルーシュ「お前が出歩くから、ああするしかなかったんだよ!!!」
C.C.「どうして?」
ルルーシュ「お前は部外者だ!!目立つし、あのカレンにだけはお前の存在を見せたくない」
C.C.「愛人か?」
ルルーシュ「違う!!アイツはレジスタンスの一員で俺が利用しようと思っているからだ!!」
C.C.「ふーん」
ルルーシュ「ここにお前がいるとなれば、ゼロの正体が露見する可能性があるだろうが」
C.C.「そういうことにしておいてやろう。―――ちなみに」
ルルーシュ「なんだ?」
C.C.「私を一番に愛すなら、愛人は100人いても構わないぞ?」
ルルーシュ「……」
生徒会室
ルルーシュ「……」カキカキ
ミレイ「ルルーシュ、こっちの書類もおねがーい」
ルルーシュ「はいはい」
リヴァル「ルルーシュ、今日はこの後時間あるか?」
ルルーシュ「悪いな」
リヴァル「ちぇー」
ニーナ「こっちの書類できました」
シャーリー「……」
カレン「はぁ……」
ニーナ「あのー」
シャーリー「え?」
ニーナ「書類」
シャーリー「あ、ご、ごめん!!ありがとう!!」
ニーナ「いえ」
ルルーシュ「さて、帰るか」
カレン「……ルルーシュくん」
ルルーシュ「ん?」
カレン「さよなら」
ルルーシュ「ああ」
カレン「……」
ミレイ「匂う!!」
カレン「え?」
ミレイ「匂うわ!!甘酸っぱい香りが!!」
カレン「な、なんですか?」
ミレイ「でも、ルルーシュは狙ってる子多いから、やめたほうがいいわよー?」
カレン「そ、そんなんじゃありません!!!」
シャーリー「……」
リヴァル「ルルーシュ、マジでモテるなー」
シャーリー「そうだね……」
ルルーシュの部屋
C.C.「はむっ」パクッ
ルルーシュ「……」カタカタ
C.C.「食べるか?」
ルルーシュ「いらない」
C.C.「ピザは嫌いか?」
ルルーシュ「その空き箱の山を見るだけで腹いっぱいだ」
C.C.「そうか。すまないな。片付けるよ」ゴソゴソ
ルルーシュ「……」
C.C.「はい、あーん」
ルルーシュ「お前……なんの冗談だ?」
C.C.「え?」
ルルーシュ「将来の誓いとか、結婚とか。俺とそんな約束をしたというのか?」
C.C.「ああ、したぞ」
ルルーシュ「証拠は?」
C.C.「ちょっと、待て」
ルルーシュ「あるのか!?」
C.C.「ん」
ルルーシュ「なんだ、この箱……」パカッ
C.C.「お前からもらった結婚指輪だ」
ルルーシュ「いや……これ、玩具だろ?」
C.C.「お前が夜店で買ってくれた。本当に覚えてないのか?」
ルルーシュ「夜店だと?」
C.C.「ああ」
ルルーシュ「……」
C.C.「枢木神社だったかな……。そこで行われた夏祭りで」
ルルーシュ「枢木……神社……だと……」
C.C.「どうだ?」
ルルーシュ「……はっ?!お前……!!あのときの?!」
C.C.「おお。ついに思い出したか、ダーリン」
8年前 枢木神社
C.C.「……」キョロキョロ
ルルーシュ「スザクー、ナナリー」
C.C.「……お」
ルルーシュ「ちっ……どこ行ったんだ。金魚すくいをやってる間にいなくなって……」
C.C.「ボウヤ?」
ルルーシュ「え?」
C.C.「迷子か?」
ルルーシュ「貴方は?」
C.C.「私も迷子だ」
ルルーシュ「ふーん」
C.C.「というわけでいっしょに行こうか」
ルルーシュ「どういうわけ?」
C.C.「いいから、いいから。久しぶりに美少年に出会った。私は嬉しい」
ルルーシュ「ちょっと!!僕は別に迷子ってわけじゃない!!」
8年前
↓
7年前
訂正
C.C.「これでも買ってくれないか?」
ルルーシュ「わたあめ……欲しいの?」
C.C.「欲しいな」
ルルーシュ「すいません、ひとつください」
「あいよ」
ルルーシュ「はい」
C.C.「おお。お前は将来、素敵な男になるぞ」
ルルーシュ「……」
C.C.「どうした?」
ルルーシュ「別に」
C.C.「ふふっ。食べるか?」
ルルーシュ「いりません」
C.C.「そうか」パクッ
ルルーシュ「……」
C.C.「甘いな。飽きた」
ルルーシュ「スザクー、ナナリー」
C.C.「友達か?」
ルルーシュ「ええ。ナナリーは妹だけど」
C.C.「そうか。ちょっと待ってろ」
ルルーシュ「え?」
ルルーシュ「変な人……」
ルルーシュ「……ん?」
ルルーシュ「この指輪可愛いな。ナナリーに似合いそうだ」
ルルーシュ「これ、ください」
C.C.「―――おーい」
ルルーシュ「え?」
スザク「ルルーシュ!!」
ナナリー「え?お兄様が見つかったのですか?」
ルルーシュ「バカっ!!どこにいってたんだ!!」
スザク「ごめん。急に射的がしたくなって」
ルルーシュ「ナナリーがいるんだから勝手なことはするな」
ナナリー「お兄様、私の薬指を見てください」
ルルーシュ「え?」
ナナリー「スザクさんがプレゼントしてくれたんです」
スザク「射的の景品。これしかとれなくて」
ナナリー「きっと素敵なんでしょうね……」
ルルーシュ「……」
C.C.「見つかってよかったな」
スザク「ところで、この人は?」
ルルーシュ「……これ」
C.C.「え?」
ルルーシュ「あげます。二人を見つけてくれたお礼に」
C.C.「指輪……?」
ルルーシュ「それじゃあ」
C.C.「あ、おい……」
現在 ルルーシュの部屋
C.C.「な?」
ルルーシュ「……あのとき浴衣を着ていたから、まるで思い出せなかった……」
C.C.「さあ、ルルーシュ?結婚だ」
ルルーシュ「だが、してはないな」
C.C.「え?」
ルルーシュ「指輪をあげたのは間違いない。だが、約束はしていない」
C.C.「何を言っている?」
ルルーシュ「もういい。それはお前の勘違いだ」
C.C.「勘違い?」
ルルーシュ「あれはただの謝礼であって、プロポーズじゃない」
C.C.「……」
ルルーシュ「わかったか?」
C.C.「……お前、嫌いだ」
ルルーシュ「意味がわからん」
数日後
C.C.「……」モグモグ
ルルーシュ「おまえ、あれから何枚ピザを食っている?」
C.C.「お前は今まで食べてきたパンを数えているのか?」
ルルーシュ「……好きにしろ」
C.C.「するさ」
ルルーシュ(こいつ、誰の金だと思っている……)
ナナリー「お兄様?」
ルルーシュ「どうした?」
ナナリー「この匂い……またピザですか?」
ルルーシュ「ああ」
ナナリー「お兄様?最近、プニプニーってなっていませんか?」
ルルーシュ「絶対に触るなよ?」
ナナリー「ふふっ」
C.C.「……」モグモグモグ
屋上
スザク「ルルーシュ」
ルルーシュ「7年ぶりに使ったな。この合図」
スザク「屋根裏部屋で落ち合おう……覚えてたんだ」
ルルーシュ「お前もな」
スザク「ルルーシュ、シンジュクでのことなんだけど」
ルルーシュ「どうした?」
スザク「あの女の子は?」
ルルーシュ「ああ……すぐに見失った」
スザク「そうか……」
ルルーシュ「どうした?」
スザク「あの子、昔神社の祭りで会ってると思うんだ」
ルルーシュ「……?!」
スザク「ルルーシュは覚えてない?」
ルルーシュ「実は……最近、思い出した」
スザク「でも、似ているだけかもしれないね。僕たちも小さかったからすごく年上にも見えたし」
ルルーシュ「そうだな」
スザク「でも、あの時は驚いたよ」
ルルーシュ「なんの話だ?」
スザク「だって、ルルーシュがその人に指輪を渡しただろ?」
ルルーシュ「そうだったか?」
スザク「そのあと女の人が君を追いかけてきて……」
ルルーシュ「え?」
スザク「これは、結婚指輪か?!―――ってすごい形相できいてきたから」
ルルーシュ「そ、それは覚えてないな」
スザク「覚えてないの?じゃあ、ルルーシュがそのとき言った台詞も?」
ルルーシュ「俺はなんていった?」
スザク「そうですよ。だから、もういいでしょ。って言ったじゃないか」
ルルーシュ「な……に!?」
スザク「まあ、あの人が何度もしつこく聞いてきたっていうのもあるかもしれないけど、僕とナナリーはすごく驚いたんだ。年上の女性を口説いたことにね」
ルルーシュ「……」
スザク「ルルーシュ?」
ルルーシュ「だからか……」
スザク「え?」
ルルーシュ「あ、いや、なんでもない」
スザク「そう」
ルルーシュ「スザク、今日時間はあるか?」
スザク「どうしたの?」
ルルーシュ「家にきてくれ。ナナリーもきっと喜ぶ」
スザク「もちろんだよ、ルルーシュ」
ルルーシュ「……」
スザク「楽しみだなぁ……」
ルルーシュ(C.C.め……そんな子どもの戯言を本気にしたというのか……?)
ルルーシュ(いや、あり得ない……昔の話でからかっているだけだ……!!)
教室
カレン「……」
ルルーシュ「はぁ……」
カレン「……」
ルルーシュ「ん?」
カレン(やばっ、こっち見た!!)プイッ
ルルーシュ(なんだ、あの女……まさか、まだ俺のことを疑って……?)
シャーリー「ルル」
ルルーシュ「どうした?」
シャーリー「えっと……今度……よかったらでいいんだけど……」モジモジ
リヴァル「ルルーシュ!!」
ルルーシュ「なんだよ?」
リヴァル「実はさー、美味しい話が……あ、れ?お邪魔だった?」
シャーリー「別に!!!」
ルルーシュ「……?」
ルルーシュ(さてと、ナナリーを驚かせるための準備を……)
ミレイ「ルルーシュ」
ルルーシュ「会長?」
ミレイ「今日は生徒会くるー?」
ルルーシュ「今日はすいません」
ミレイ「なーんだ」
ルルーシュ「その代わり、リヴァルとシャーリー、ナナリー、カレンがいますよ」
ミレイ「それじゃあ楽しくないなー」
ルルーシュ「簡単な事務処理でしょう」
ミレイ「そういうことじゃなくて……」
ルルーシュ「急いでいるんで。では」
ミレイ「……」
ミレイ「いいよねえ……恋って……」
ルルーシュ(料理はどうするか……あいつの好みに合わせるか)
ルルーシュの部屋
ナナリー「―――で、そこでお兄様が悲鳴をあげたんですよ」
スザク「あはは、そうなのかい?」
ルルーシュ「ナナリー、その話は誰にもしないって約束だっただろ?」
ナナリー「スザクさんならいいじゃないですか」
ルルーシュ「誰にもいうなよ?」
スザク「言わないよ」
ルルーシュ「ああ、飲み物淹れてこよう」
スザク「それなら僕が」
ルルーシュ「座っていろ。今日は俺がホストなんだから」
スザク「……わかったよ」
ルルーシュ「お前、なんか大人しくなったな」
スザク「君はガサツになった」
ルルーシュ「はいはい」
ナナリー「ふふっ」
ルルーシュ「……!」
C.C.「よう、ダーリン」
ルルーシュ「部屋にいろといっただろ」
C.C.「あの男、ブリタニア軍人だろ?」
ルルーシュ「ああ……」
C.C.「そして、あの祭りのときお前と共にいた奴だな」
ルルーシュ「……」
C.C.「ルルーシュ、まだ思い出してくれないのか?」
ルルーシュ「……スザクに言われて思い出した」
C.C.「ほう?」
ルルーシュ「お前に結婚指輪かと訊ねられ、それを俺は肯定したとな」
C.C.「ふふ……上出来だな。さ、これにサインをしろ」
ルルーシュ「お前はバカか?」
C.C.「なに?」
ルルーシュ「あれはお前が鬱陶しかったから言っただけだ。その場の嘘だ。わかるな?」
C.C.「結婚詐欺か?」
ルルーシュ「違う」
C.C.「詐欺じゃないなら、自分の言ったことに責任を持て」
ルルーシュ「あのなぁ……」
C.C.「7年だぞ?」
ルルーシュ「は?」
C.C.「お前に結婚指輪をもらって7年も待った。その仕打ちがこれか?笑わせるな」
ルルーシュ「だから、それは……」
C.C.「……」
ルルーシュ「お前はストーカーか?」
C.C.「……もういい。寝る」
ルルーシュ「あ、おい」
ルルーシュ「全く……何を考えているんだ……あいつは……」
ルルーシュ「紅茶、淹れるか」
翌日 更衣室
カレン(ルルーシュか……)
シャーリー「……」
女生徒「あれ!?あれー?!」
シャーリー「どうしたの?」
女生徒「ないの!!私の制服!!」
シャーリー「えぇ!?」
カレン「制服……?」
ざわざわ……
シャーリー「体育の時間に盗まれたってこと?」
女生徒「そうとしか考えられないよ」
カレン(とんだ変態もいるのね)
シャーリー「とにかく先生に言いに行こうよ」
女生徒「う、うん!」
リヴァル「ルルーシュ、聞いたか?」
ルルーシュ「何を?」
リヴァル「女子の制服が盗まれたって話だ」
ルルーシュ「ああ。シャーリーが騒いでたな」
リヴァル「その子のことが好きな男子か、それとも女装癖がある強者か……」
ルルーシュ「どうでもいいが、金品は盗まれないようにしないとな」
リヴァル「シャーリーの制服が盗まれてたらどうする?」
ルルーシュ「部外者ならすぐにわかる。見つからないということは―――」
シャーリー「ちょっとみんなー!!ちゅうもーく!!」
ルルーシュ「ん?」
リヴァル「なんだ?」
カレン「……」
スザク「……」
シャーリー「廊下の防犯カメラに怪しい人が更衣室から出てくるところが映ってたの!!今からその映像写真を配ります!!」
ルルーシュ「一体誰が……ぶふっ?!」
カレン「これゼロ?」
リヴァル「すげー」
スザク「ゼロが……女生徒の制服を?」
シャーリー「多分、ゼロの格好を真似ているだけだと思うけど……」
ルルーシュ(あいつしかいない……!!)
シャーリー「もし、ゼロのコスプレをしている人がいれば生徒会まで一報を」
カレン「……」
スザク「よし」ガタッ
ルルーシュ(あのバカ……早速行動にでるのか?!)
リヴァル「転校生、出て行ったな。どこ行くんだか」
ルルーシュ「……俺もちょっと」
リヴァル「え?」
シャーリー「ルル?」
カレン「え……?」
ルルーシュ(これ以上の厄介事はごめんだ……!!)
C.C.「ふんふふーん」
ルルーシュ「待て」
C.C.「おお?」
ルルーシュ「……何をしている?」
C.C.「散歩だ」
ルルーシュ「その制服はどうした?」
C.C.「借りた」
ルルーシュ「誰に」
C.C.「落ちてた」
ルルーシュ「……」
C.C.「ホントだ」
ルルーシュ「ゼロの衣装で更衣室にもぐりこんだな?」
C.C.「いいや」
ルルーシュ「何故嘘をつく!!!」
C.C.「お前も私に耐え難い嘘を吐いたじゃないか。何を言っている?」
ルルーシュ「わけのわからないことを言うな!!!」
C.C.「いいじゃないか、別に」
ルルーシュ「制服が欲しいなら言え!!それぐらいいくらでも見繕ってやる!!!」
C.C.「……」
ルルーシュ「それは返せ」
C.C.「わかったよ」スルッ
ルルーシュ「ここで脱ぐヤツがあるか!!!」
C.C.「初心なやつだな。私は益々嬉しいぞ」
ルルーシュ「いいから、もう部屋に戻れ」
C.C.「はいはい」
ルルーシュ「なんなんだ……あいつは……!!」
ミレイ「ルルーシュ」
ルルーシュ「会長」
ミレイ「ルルーシュも制服探し?」
ルルーシュ「ええ……まあ、そんなところです」
中庭
スザク「ここには……ないか」ガサガサ
ルルーシュ「スザク、植え込みの中にはないと思うが?」
スザク「そうかな?」
ルルーシュ「ここにあるからな」
スザク「ルルーシュ?!見つけたのか?!」
ルルーシュ「ああ」
スザク「犯人は……?」
ルルーシュ「俺が叱っておいた。中等部のやつだったよ」
スザク「……」
ルルーシュ「なんだ?」
スザク「ルルーシュが盗んでないよね?」
ルルーシュ「バカ!!そんなわけないだろうが!!!」
スザク「ごめん、冗談だから」
ルルーシュ「全く……。ほら、これはお前が生徒会室に持っていってくれないか。俺は急用があるから」
スザク「いいよ」
ルルーシュ「じゃあ、頼むな」
スザク「ああ」
ルルーシュ「さてと……」
ルルーシュ(女子の制服を発注するか……)
ルルーシュ(だが、どう言い訳する……)
ルルーシュ(ナナリーはまだ時期ではないし……)
ルルーシュ「……」
ルルーシュ(業者を捕まえてギアスを使うか)
スザク「ルルーシュ……君はやっぱり変わらないな」
スザク「よし、これをもって―――」
ニーナ「あ」
スザク「え?」
ニーナ「あぁ……あぁぁぁ……」ガクガク
スザク「どうしたの?」
ルルーシュの部屋
C.C.「制服はー?」
ルルーシュ「3日後には来る」
C.C.「待ちくたびれたぞ」
ルルーシュ「待ってないだろうが!!!」
C.C.「ふふっ。楽しみだと言ったつもりだが?」
ルルーシュ「そうか」
C.C.「ふんふーん」
ルルーシュ「制服を着て、何がしたい?」
C.C.「お前と校内デート」
ルルーシュ「お前は……だから、あの指輪は……!!」
C.C.「いいよ。昔の約束は」
ルルーシュ「なに?」
C.C.「だから、またお前にプロポーズしてもらえるように一から始めることにした」
ルルーシュ「……いってろ」
翌日
リヴァル「ルルーシュ!!大変だ!!」
ルルーシュ「どうした?」
リヴァル「制服泥棒が見つかったんだ!!」
ルルーシュ「は?」
リヴァル「あの転校生だったんだよ!!ニーナが見つけたって!!」
ルルーシュ「おい、それは違う。間違っているぞ」
リヴァル「とにかく、生徒会室にきてくれ!!会長も呼んでるし」
ルルーシュ「わ、分かった」
ルルーシュ(どういうことだ?何故、スザクが……?)
ルルーシュ(まさか、制服を持っていたから犯人に仕立て上げられたのか……?)
ルルーシュ(だとすれば……)
ルルーシュ「くそっ」
ルルーシュ(俺の所為か!!)
生徒会室
ミレイ「来たわね」
ルルーシュ「会長……」
スザク「……」
ルルーシュ(スザク……)
シャーリー「ルル」
カレン「……」
ニーナ「やっぱりイレヴンは野蛮……」
ミレイ「ルルーシュ、ちょっとこの枢木スザクくんと話してくれない?」
ルルーシュ「え?」
ミレイ「男同士のほうがいいかもしれないし」
ルルーシュ「分かりました」
ミレイ「彼はただ制服を見つけたから届ける途中だったって言ってるのよね。それが本当なら―――」
ニーナ「ミレイちゃん!!この人が犯人に決まってるよ!!」
ミレイ「はいはい!みんなー、退室してー」
スザク「ルルーシュ……」
ルルーシュ「悪かったな。俺の所為で」
スザク「そんなことはないよ。でも、正直に話しても中々信じてもらえなくて」
ルルーシュ「だろうな」
スザク「どうしたら信じてもらえるかな?」
ルルーシュ「俺ができるだけ説明はする」
スザク「でも……もし、知り合いってバレたら……」
ルルーシュ「お前、そんなことを気にしている場合か?」
スザク「でも」
ルルーシュ「いいから、ここは俺に任せておけ」
スザク「……うん」
ルルーシュ(実際、俺が犯人みたいなものだしな)
スザク「ありがとう、ルルーシュ……ここに来れて良かったよ」
ルルーシュ「変態扱いされたのにか?マゾか?」
スザク「そうじゃない。君が居るからだよ」
ルルーシュ「―――というわけで、枢木スザクは犯人ではありません」
ミレイ「じゃあ、ルルーシュがもう解決していたってわけ?」
ルルーシュ「そうです」
シャーリー「ルル、その中等部の子って?」
ルルーシュ「名前は出せない」
カレン「どうして」
ルルーシュ「将来に響くだろ?」
ニーナ「嘘」
ルルーシュ「え?」
ニーナ「ルルーシュは嘘をついてる!!」
ミレイ「ニーナ!」
ニーナ「だって……だって……!!」
カレン「ルルーシュくんがこう言ってるんだし、信用してもいいと思うけど」
ルルーシュ「え?」
カレン「ほ、ほら、口は悪いけど、悪人を庇うようなことはしないと思うし……」
リヴァル「お、おれも!!そう思う!!」
シャーリー「私だって!!ルルを信じるよ!!!」
ルルーシュ「……ありがとう」
ニーナ「でも、でも……」
ミレイ「いいじゃない。そもそも、あのスザクくんを庇う理由がルルーシュにはないわけだし」
ニーナ「……」
ルルーシュ「ニーナ、信じてくれないか?」
ニーナ「……信じる」
ルルーシュ「よかった」
ミレイ「じゃあ、一件落着ってことでぇ」
カレン「よかった」
ルルーシュ「カレン」
カレン「へっ?!な、なに?!」
ルルーシュ「助かった」
カレン「べ、別に貴方のためとかじゃないから……勘違いしないでっ」
シャーリー「むぅ……」
ミレイ「ラブレースはカレン選手が一馬身リードか?!」
シャーリー「もう!!会長!!!」
ミレイ「あはははは」
ルルーシュ「じゃあ、俺はこれで」
カレン「ルルーシュくん」
ルルーシュ「ん?」
カレン「あの……また、校内を案内してくれない?」
ルルーシュ「……」
カレン「できればでいいけど」
ルルーシュ「……ああ、喜んで」
カレン「うんっ」
シャーリー「うぅぅ……!!」
ミレイ「これは三馬身ぐらいかな?」
ニーナ「……」
数日後
C.C.「来たか!!」
ルルーシュ「それで満足か?」
C.C.「ああ!!」
ルルーシュ「全く」
ナナリー「お兄様?」
ルルーシュ「どうした?」
ナナリー「C.C.さんもいらっしゃるのですか?」
ルルーシュ「あ、ああ……ちょっとな」
C.C.「ナナリー、聞いてくれ」
ルルーシュ「はい?」
C.C.「私の制服が届いた」
ナナリー「まぁ……C.C.さん、学校に通うのですか?」
C.C.「ああ、ちょっとな」
ルルーシュ「……」
中庭
シャーリー「もう……ルルってばどこに……!!」キョロキョロ
ルルーシュ「……」スタスタ
シャーリー「あ、いた。おーい、ルル―――」
C.C.「どうだ。似合うか?」
ルルーシュ「……」
C.C.「素敵だろ?」
ルルーシュ「それよりも、あまりウロウロするなよ」
C.C.「分かっている。私を誰だと思っている?」
ルルーシュ「誰だ?」
C.C.「C.C.だぞ?」
ルルーシュ「俺は教室に戻る」
C.C.「私はもう少しここで散歩しておくよ」
ルルーシュ「気が済んだら、帰れよ」
シャーリー「だ、だれ……あれ……?」
昼休み
カレン(ルルーシュくん……どこだろう……?案内してくれるって約束したのに……)
カレン「あ……」
C.C.「ほら、あーんしろ」
ルルーシュ「ふざけるな」
C.C.「上手いぞ、ピザ」
ルルーシュ「食べたくない」
C.C.「そうか」
ルルーシュ「いきなり呼び出すから何事かと思えば……」
C.C.「そろそろ、私に惚れたか?」
ルルーシュ「バカをいうな」
C.C.「残念だな。では、もっとアプローチを増やすか」
ルルーシュ「迷惑なんだよ!!」
C.C.「ならば、好きになればいいだろう」
カレン「……」
放課後
ルルーシュ「……」
C.C.「よう」
ルルーシュ「なんだ?」
C.C.「黄昏が窓から差し込む廊下をこうして二人で歩く。青春だろ?」
ルルーシュ「部屋に戻れ。誰かに見られたらどうする?」
C.C.「もう遅いな」
ルルーシュ「なに?」
ミレイ「……あ、ルルーシュ」
ルルーシュ「会長!?」
ミレイ「えっと……その隣の人は?見ない顔だけど……」
C.C.「ルルーシュの妻だ」
ミレイ「?!」
ルルーシュ「あははははは!!!何を言ってるんだ!!全く、冗談ばっかりだな!!さあ、帰るぞ!!」
C.C.「わかったから、引っ張るな」
ルルーシュの部屋
ナナリー「……咲世子さん」
咲世子「なんでしょうか?」
ナナリー「あれは、ちゃんとありますか?」
咲世子「勿論です」
ナナリー「ふふ……」
ルルーシュ「いい加減にしろ!!!!」
ナナリー「え?」
咲世子「なんでしょうか……?」
C.C.「なんだ?」
ルルーシュ「なんだじゃない!!―――ああ、ナナリー、ただいま」
ナナリー「おかえりなさい」
咲世子「おかえりなさいませ」
C.C.「何をそんなに怒っている?」
ルルーシュ「お前は自重することを覚えろ!!!」
C.C.「これでもかなり抑えているほうだけどな。お前が中々プロポーズしてくれないから」
ルルーシュ「黙れ!!!」
C.C.「もういいよ。私は怒った」
ルルーシュ「怒っているのは俺だ!!!」
ナナリー「お兄様、落ち着いてください」
ルルーシュ「もういい!!」
咲世子「……あの、C.C.様?」
C.C.「ん?」
咲世子「どうしてそこまでルルーシュに?」
C.C.「ヤツが結婚指輪をくれたからな。私はそれでルルーシュに恋をした」
ナナリー「結婚指輪?」
C.C.「ああ。7年前にな。婚約指輪といったほうがいいか」
ナナリー「……C.C.さんって……もしかして、あのお祭りのときお兄様に付き纏っていた人ですか?!」
C.C.「付き纏っていない。指輪の意味を確認したかっただけだ」
ナナリー「……そうですか。すっかりあのときの声を忘れていました……」
C.C.「お前も小さかったしな」
ナナリー「咲世子さん」
咲世子「はい」
C.C.「どうした?」
ナナリー「すいません、失礼しますね」
C.C.「……?」
咲世子「では」
C.C.「なんだ?」
C.C.「まあ、いい」
C.C.「ピザでも注文するかな」
C.C.「……もしもし、私だ」
C.C.「そうそう、いつものやつを……」
C.C.「Lサイズで3枚だ」
C.C.「頼むぞ」
ルルーシュ「くそ……」
ルルーシュ「あいつだけは……」
ナナリー「お兄様?」
ルルーシュ「ナナリー、どうした?」
ナナリー「これを」
ルルーシュ「え?」
ナナリー「どうぞ、開けてください」
ルルーシュ「これは……あのときの指輪か」
ナナリー「はい。スザクさんがくれたものです」
ルルーシュ「大事にとっておいたんだな」
ナナリー「はい。お兄様がいつか私の薬指につけてくれることを信じ、咲世子さんに頼んで大切に保管していました」
ルルーシュ「なっ!?」
ナナリー「……」
ルルーシュ「ナナリー……?」
ナナリー「ふふっ……」
ナナリー「と、言うのは嘘です」
ルルーシュ「おい、やめてくれ」
ナナリー「ごめんなさい」
ルルーシュ「で、これは?」
ナナリー「もっていてください」
ルルーシュ「どうして?」
ナナリー「あのお祭りの日、スザクさんが言ったんです」
ナナリー「―――ルルーシュはあの人に指輪をあげた。だから、次はもらわないといけない。と」
ルルーシュ「指輪交換か?」
ナナリー「はい」
ルルーシュ「悪いがナナリー、俺は……」
ナナリー「本当に必要ないのであれば、返してくれても構いません」
ルルーシュ「……」
ナナリー「でも、少しの間だけお兄様に預けておきます」
ルルーシュ「いや……だから、俺は……別に……」
翌日
C.C.「ピザがもうすぐくるぞ?」
ルルーシュ「……」ゴソゴソ
C.C.「食べるか?」
ルルーシュ「いらん」
C.C.「そうか」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ(結局、返せなかったな……この指輪……)
ルルーシュ(俺にどうしろっていうんだ)
C.C.「何をしている?」
ルルーシュ「ゼロの衣装の隠し場所だ。こういうのは物的証拠になるからな」
C.C.「そうか」
ピンポーン
C.C.「きたきた」
ルルーシュ「暢気な奴め……」
ナナリー「お兄様、またピザですか?」
ルルーシュ「好きなんだ」
ナナリー「もう、太りますよ?」
ルルーシュ「気をつけるよ」
猫「にゃぁ」トコトコ
ナナリー「にゃー?」
ルルーシュ「なんだ、猫でもまよいこん……ひゃぁ?!」
ナナリー「お兄様?」
ルルーシュ(ゼロの仮面が……!?)
猫「にゃ」タタタッ
ルルーシュ「ま、まてぇ!!!」
ナナリー「あの……?」
C.C.「ナナリー!!猫の鳴き声をきいたか?!」
ナナリー「は、はい。今、出て行きました」
C.C.「くそ!!私がいながら!!!」
ルルーシュ「はぁ……はぁ……!!くそ!!こんなバカなことでバレてたまるか……!!」
猫「……」タタタッ
C.C.「待て!!」ダダダッ
ルルーシュ「C.C.!?何をしている!?」
C.C.「あれがなくなったら困るんだろ!?」
ルルーシュ「貴様は部屋にいろ!!!」
C.C.「今は制服を着ている。学生だよ」
ルルーシュ「そんな理屈が通るか!!!」
C.C.「通るよ。私はC.C.だからな」
ルルーシュ「意味がわからん!!」
猫「……」タタタッ
C.C.「ちっ。すばしっこいな」
ルルーシュ「はぁ……はぁ……はぁ……くそっ!!!」
C.C.「ルルーシュ、そっちだ!!」
ルルーシュ「な……にぃ……!?」
にゃー
リヴァル「猫?」
ナナリー「はい」
ミレイ「それを追いかけていったの?」
ナナリー「お兄様があんな素っ頓狂な声をあげるなんて、初めてです」
ミレイ「なにかあるわね」
リヴァル「何かって。もしかして……恥ずかしい秘密とか?」
ミレイ「写真ね」
リヴァル「ポエムとか」
ニーナ「証拠」
ミレイ「証拠?」
ニーナ「……ミレイちゃん!!その猫追いかけようよ」
ミレイ「そうねえ……楽しそうだし」
ニーナ「ルルーシュは絶対に何か隠してる……」
リヴァル「じゃあ、ナナリー手伝ってくれ」
ナナリー「何をですか?」
ミレイ『生徒会からのお知らせでーす!!』
シャーリー「え?」
ミレイ『猫よ!!!猫を見つけなさい!!!』
シャーリー「猫?」
ナナリー『えっと、足を怪我している猫だと思います』
ミレイ『猫を捕まえた部は、部費を優遇しまーす!!』
シャーリー「はぁ?!」
ミレイ『あと、好きな生徒会メンバーからキッスもプレゼントー!!』
シャーリー「えぇぇぇぇぇ!?!?!??!」
ナナリー『あと、こういう声で鳴きます』
ナナリー『にゃ~』
シャーリー「な、なんで……会長~」
シャーリー「見つけないと……」
シャーリー「私の初めてが奪われちゃう!!」
猫「……」タタタタッ
女生徒「なにあれ?」
C.C.「まて!!猫!!」ダダダッ
女生徒「誰、あれ?」
ルルーシュ「見たな?」
女生徒「え?」
ルルーシュ「今、見たことを忘れろ!!!!」キュィィィン
女生徒「うん。忘れたけど」
ルルーシュ「よし!!」
C.C.「便利だな」
ルルーシュ「会長も余計なことをしてくれる……!!」
C.C.「私は俄然ヤル気がでたぞ」
ルルーシュ「は?!」
C.C.「お前の初めては私のものだ」
ルルーシュ「貴様!!」
スザク「……あ」
猫「……」タタタッ
スザク「いた」ダダダッ
C.C.「おぉ!?」
スザク「君は!?」
C.C.「他人の空似だ」
スザク「あ、そうですか」
C.C.「そうだとも」
スザク「君もあの猫を?」
C.C.「お前もか?」
スザク「生徒会長さんが探せって言ってたからね」
C.C.「そうか。だが、ルルーシュの唇は渡さないぞ?」
スザク「え?」
ルルーシュ「はぁ……はぁ……スザクか?!」
スザク「ルルーシュ!?」
カレン「もう勝手に人を商品みたいに……!!」
シャーリー「カレン!?」
カレン「シャーリー!?」
シャーリー「カレンも猫、追いかけてるんだ」
カレン「そりゃあ……」
シャーリー「やっぱり、ルルにキスがしたいの?!」
カレン「はぁ?!なんでそうなる―――」
猫「……」タタタッ
カレン「猫!!」
シャーリー「待って!!」
C.C.「邪魔だ」
カレン「あんたは?!」
C.C.「どこかであったか?」
シャーリー「ルルとはどういう関係なんですか!?」
C.C.「妻だ」
飯
最近の保守間隔えらい短いんだっけ?
>>174
そんな気がする
気づくと落ちてるような
ピザ食えピザ
シャーリー「つ、つつつ、妻ぁ?!」
カレン「なによそれぇ!?」
C.C.「お嫁さんってことだ」
シャーリー「言いなおさなくてもいいです!!!」
カレン「でも、中庭ではルルーシュは嫌がってたじゃない!!」
C.C.「逢引を覗き見とは同じ女として恥ずかしいな」
カレン「ぐっ……!?」
C.C.「ふふん」
シャーリー「きっと貴方の勘違いです!!!」
C.C.「そうだな。まだ正式にきまったわけじゃない。お前たちにもチャンスはあるぞ?」
シャーリー「ここは誰よりも早く、猫を!!!」
C.C.「そうだな。あいつは童貞だ。キスしたら、コロっといく」
カレン「ええい!!!」ダダダダッ
シャーリー「はや!?全然病弱じゃない?!」
C.C.「あはははは」
ニーナ「……」
リヴァル「なあ、ニーナ!!やっぱりまずいって!!」
ニーナ「きっと、ルルーシュはあのイレヴンを庇ってる!!」
リヴァル「名誉ブリタニア人」
ニーナ「隠していた証拠を、猫に持っていかれたの……絶対にそう」
リヴァル「ニーナ!!おい!!」
ニーナ「リヴァル……邪魔、しないで」
リヴァル「ナイトメアはだめだってば!!!」
ニーナ「……」ズンズン
リヴァル「ああああ!!!」
ミレイ「リヴァル!!バイク!!」
リヴァル「会長!?」
ミレイ「私たちも猫を追うわよ!!」
リヴァル「ああ!!わかりました!!!」
ミレイ(ルルーシュの弱み、絶対に握ってやるんだから)
スザク「くそ。完全に見失った」
ルルーシュ「はぁ……はぁ……」
スザク「ルルーシュ、辛いなら休んでいたほうが」
ルルーシュ「そういうわけにもいかない!!」
スザク「そんなに誰かとキスをしたいのか?」
ルルーシュ「そうじゃ―――」
ギュルルルル!!!!
スザク「なんだ?」
ルルーシュ「え?」
ニーナ「猫ぉぉ!!!」ギュルルルル!!!!!
スザク「ナイトメア!?」
ルルーシュ「あれは学園祭用だ。ニーナめ……本気か?」
スザク「……なら!!」ダダダッ
ルルーシュ「おい、スザク!!」
ルルーシュ「くそっ!!」ダダダッ
正門前
セシル「ロイドさん。今、ガニメデが走ってましたよ」
ロイド「そうなの?それにしてもランスロットごと追い出さなくてもいいのにね」
セシル「ナンバーズは風当たりが―――」
スザク「セシルさん!!」
セシル「スザクくん?」
ロイド「あれ~?どうしたの?」
スザク「ランスロットの稼動実験をさせてください!!」
ロイド「え?なんで?」
スザク「学園内でナイトメアが暴走しているんです!!」
セシル「やっぱり、さっきのが」
ロイド「……」
スザク「お願いします」
ロイド「あは~!いいよ~、乗って乗って~」
スザク「はい!!」
猫「……」タタタッ
ミレイ「リヴァル!!いたいた!!」
リヴァル「よっしゃぁ!!」ブゥゥン
猫「にゃ!?」
ニーナ「いたぁぁぁぁ!!!!」ゴォォォォ!!!!
リヴァル「やばぁ?!」
ミレイ「ニーナ!!落ち着きなさい!!」
ニーナ「絶対に証拠をみつけて……あの事件の真相を……!!!」ゴォォォ
ランスロット「やめるんだ!!!」ギュルルルル!!!!
ニーナ「え?!」
ランスロット「うぉぉぉ!!!」ガキィィン
ニーナ「きゃぁぁ?!」
ルルーシュ「あれは……白カブト!?」
カレン「どうして、あいつが……?!」
シャーリー「あー、猫が逃げちゃう!!」
C.C.「騒々しいな」タタタッ
猫「にゃー!!」
C.C.「よし……この間合いなら……!!」バッ!!
カレン「さるかぁ!!!」ズサァァァ
C.C.「きさま!?スライディングなんてするな!!」
カレン「シャーリー!!」
シャーリー「とうっ!!」
猫「にゃ!」ササッ
シャーリー「逃げられた!?」
カレン「ドジ!!」
シャーリー「なんですって?!」
C.C.「仲間割れは醜いな」
カレン「待ちなさい!!」
シャーリー「ルルの唇!!」
カレン「山分けだからね!!」
ルルーシュ「む?」
猫「……」タタタッ
ルルーシュ「よし」ダダッ
C.C.「よう」
ルルーシュ「C.C.?!」
C.C.「この上に行ったのか?」
ルルーシュ「ああ」
C.C.「行くか」
ルルーシュ「まて!!」
C.C.「こういうチャンスはモノにしてこそ、人生が輝く。そう思わないか?」
ルルーシュ「もっと人生を左右するチャンスならな」
C.C.「左右するさ」
ルルーシュ「なに?」
C.C.「結婚が掛かっている」
ルルーシュ「かかってない!!」
猫「にゃー」タタタッ
C.C.「鐘のところに行ってしまったな」
ルルーシュ「ちっ、また随分と高いところを選んだな……」
C.C.「私なら落ちても平気だ。お前はここにいろ」
ルルーシュ「なに?!」
C.C.「よっと」
ルルーシュ「ちっ……まあ、あいつならこの高さから落ちても大丈夫なのだろうが……」
C.C.「もうすこし……」
猫「にゃー」
C.C.「ふふ……そうだ……いい子だ……」
猫「……」
C.C.「これで手が―――」
ポロッ
C.C.「あ……」
ルルーシュ「C.C.のポケットからケースが……?!」
C.C.「あれは!!!」
ルルーシュ「やはり指輪か!!」
C.C.「くそ!!」
ルルーシュ「お前は猫を捕まえろ!!!」
C.C.「なに!?」
ルルーシュ「ふっ!!」バッ
C.C.「バカ!!」
ルルーシュ「……」パシッ
C.C.「ルルーシュ!!!」
シャーリー「ルルゥゥゥゥ!!!!」
カレン「落ちる!?」
ルルーシュ(何をやっているんだ……俺は……バカか……?)
ルルーシュ(奴の指輪なんてどうでも―――)
ナナリー「お兄様!?」
ランスロット「ルルーシュゥゥゥゥゥ!!!!!」ギュルルルル!!!
ルルーシュ「なに……?!」
ランスロット「……」パシッ
ルルーシュ「ぐ?!」ポロッ
ルルーシュ「しまった!!ケースが!?」
ランスロット「ルルーシュ、大丈夫かい?」
ルルーシュ「お前、スザクか?」
ランスロット「うん」
ルルーシュ「そうか……お前だったのか……」
ランスロット「とにかく、降ろすよ」
ルルーシュ「まて!動くな!!お前の足下には―――」
ランスロット「……」ズンズン
グシャ
ルルーシュ「あぁ……」
ランスロット「え?ルルーシュ?」
ルルーシュ「もういい……終わった……」
シャーリー「ルル!!大丈夫?!」
カレン「怪我は?」
ルルーシュ「大丈夫だ」
ランスロット「じゃあ、これで」
ミレイ「たすかったわ。スザクくん」
ランスロット「いえ」
ニーナ「証拠は?!」
リヴァル「ニーナ、まだ言ってるのか?」
ニーナ「だって……もう二人は……確実に……!!」
ルルーシュ「そうだ……俺とスザクは親友だ」
ニーナ「やっぱり。だから、ルルーシュは庇ったんでしょ?!制服を盗んだのはあのイレヴンなのに!!」
ルルーシュ「違う!!」
ニーナ「じゃあ、違うって証拠はあるの?!」
ルルーシュ「それは……」
ゼロ「ふははははは!!!!!」
ミレイ「え?」
カレン「ゼロだ!!」
シャーリー「うそ……」
ルルーシュ(あのバカ……!!)
ゼロ「私が制服を盗んだ」
ニーナ「え?!」
スザク「みんなー」
ニーナ「え!?」
ゼロ「このように今日も一着、盗んだ!!」バッ
スザク「ゼロ!!!何が目的だ!!!」
ゼロ「学校の制服に憧れがあった。ただそれだけだ!!」
シャーリー「じゃあ、ゼロって女の子!?」
カレン「うそ?!」
ゼロ「しかし、多大な混乱を招いたようだな。深く謝罪すると共に、これは返却しよう。―――さよなら、私の青春」バッ
スザク「まて!!」
ミレイ「この制服は……?」
ルルーシュ(C.C.め……自分の制服を捨てただけだろうが……)
リヴァル「そっか……ゼロはうちの制服を着てみたかったんだな」
カレン「そっか……ゼロって女の子なんだ……これからはもうちょっとフレンドリーに話せるかな……」
ルルーシュ「……」
シャーリー「ニーナ」
ニーナ「は、はい……」
スザク「ゼロに逃げられた……」
ミレイ「スザクくん!!かっこよかったわ!!」
リヴァル「ルルーシュを助けてくれてありがとう!!」
シャーリー「うん!!ホントに!!」
ルルーシュ「助かった」
スザク「そんな……僕は……」
ニーナ「あの……疑って……ごめんなさい……」
スザク「いいよ。疑われるようなことをした僕にも原因はあるから」
ミレイ「きーめた!!枢木スザクくん、君を生徒会に入れます」
スザク「え?」
ミレイ「この学園では必ず部活動に参加しないといけない決まりがあるの。スザクはまだ入ってないでしょ?」
スザク「え、ええ……」
ミレイ「なら、生徒会に入りなさい」
シャーリー「歓迎するよ!!」
ナナリー「スザクさん、いっしょに生徒会でお仕事をしましょう」
スザク「……」
ニーナ「……はいろ」
スザク「はい!」
ルルーシュ「解決だな」
ミレイ「じゃあ、さっそく歓迎会の準備ね!!」
リヴァル「俺、がんばります!!」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ「粉々だな……C.C.の指輪……」
生徒会室
ミレイ「そういえば、結局猫はどうなったの?」
シャーリー「そういえば」
カレン「キスの権利は向こう?」
ルルーシュ「こいつのことですか?」
猫「にゃ」
ミレイ「ルルーシュが捕まえてたの!?」
ルルーシュ「さっき、そこの廊下を暢気に歩いてましたよ」
ルルーシュ(C.C.が逃がしたんだろうがな)
スザク「ルルーシュ」
ルルーシュ「俺はキスなんていりません」
カレン「な……」
シャーリー「そうなんだ……」
ミレイ「残念」
シャーリー「え?!」
カレン「キスの権利は向こう?」
↓
カレン「キスの権利は無効?」
ルルーシュの部屋
ルルーシュ「……」
C.C.「おかえり」
ルルーシュ「お前、制服はいいのか?」
C.C.「ああ」
ルルーシュ「どうして?」
C.C.「もう十分楽しんだ」
ルルーシュ「そうか」
C.C.「ところで……指輪、返してくれないか?」
ルルーシュ「……」
C.C.「ん」
ルルーシュ「ない」
C.C.「え?」
ルルーシュ「……落ちて、粉々になった」
C.C.「……」
ルルーシュ「まあ、安物だ。気にすることはない」
C.C.「そうだな」
ルルーシュ「……」
C.C.「夜店に並んでいた……やつだしな」
ルルーシュ「そうだ。子どもの小遣いで買えるほどのものだ」
C.C.「うん……」
ルルーシュ「……ピザは?」
C.C.「いらない」
ルルーシュ「の、飲み物は?」
C.C.「別に」
ルルーシュ「……」
C.C.「寝るよ」
ルルーシュ「もうか?」
C.C.「眠たい」
ルルーシュ「……」
C.C.「……」モゾモゾ
ルルーシュ「……」
C.C.「電気消して」
ルルーシュ「あのな……」
C.C.「男は床で寝ろ。慰めるなら一緒に寝ろ」
ルルーシュ「C.C.……」
C.C.「もう死にたい……あ、私、死ねないな……なんだこれ、辛すぎて笑える」
ルルーシュ「……」
C.C.「あはは」
ルルーシュ「……左手を出せ」
C.C.「なぜだ?」
ルルーシュ「いいから」
C.C.「……ほれ」
ルルーシュ「これで我慢しろ」スッ
C.C.「これは……ゆび、わ……?」
ルルーシュ「全然、サイズが合わないな」
C.C.「くれるのか?」
ルルーシュ「ああ」
C.C.「これ……婚約……」
ルルーシュ「違う」
C.C.「プロポーズか?」
ルルーシュ「違う。壊したから、そのお詫びだ」
C.C.「……なあ、結婚してもいいのか?」
ルルーシュ「黙れ」
C.C.「サインしてくれ……えっと……あったぞ」
ルルーシュ「あのな!!!変な勘違いをするな!!!」
C.C.「ほら、ここに名前を書くだけでいいから、な?」
ルルーシュ「やめろ!!」
C.C.「家事は一切しないが、お嫁さんになる。よろしく頼むよ」
ルルーシュ「おい!!目を覚ませ!!!」
咲世子「これをこうすると……なんと蛙に」
ナナリー「折り紙って本当にすごいんですね。ぴょんぴょん」
咲世子「蛙ぴょこぴょこ」
C.C.「ナナリー、聞いてくれ」
ナナリー「なんですか?」
C.C.「ついに私がお前のお姉さんになる」
ナナリー「え?」
ルルーシュ「こら!!ふざけるな!!!」
咲世子「あの、ご結婚なさると?」
C.C.「ああ」
ナナリー「おめでとうございます」
ルルーシュ「違う!!これは……!!!」
咲世子「C.C.さま?一つ伺いたいのですが」
C.C.「なんだ?」
咲世子「……家事は?炊事洗濯はできるのですか?」
>C.C.「家事は一切しないが、お嫁さんになる。よろしく頼むよ」
できない、じゃなくてしないのかwww
C.C.「できない。だから、しない」
咲世子「……それは困ります」
ルルーシュ「咲世子?」
ナナリー「咲世子さん?」
C.C.「私はルルーシュの傍にいるだけで幸せだ」
咲世子「ルルーシュ様の妻になる者、眉目秀麗、才色兼備、良妻賢母でなければ誰も納得しません」
C.C.「なんだと?」
咲世子「幸い、C.C.様は美麗ではあります」
C.C.「もっと褒めろ」
咲世子「しかし……家事をしない?冗談を仰らないように」
C.C.「お前……なんの権限があってそんなことを……」
咲世子「確かに一介のメイドでしかありません。が、アッシュフォード家からルルーシュ様、ナナリー様の異性関係においては注意するようにといわれております」
ルルーシュ「なんだと……!?」
咲世子「何もしない。ただ寄生だけを考えている輩をルルーシュ様、ナナリー様に近づけるわけにはいきませんので」
C.C.「だから、私は傍にいれるだけで幸せなんだが?」
いいぞサヨコ
咲世子「それは貴方の都合でしかありません」
C.C.「……」
ナナリー「さ、咲世子さん……」
咲世子「ルルーシュ様と添い遂げたければ、それだけの実力を身につけてからにしてください!!!」
C.C.「おぉ……」
ルルーシュ「咲世子、あの―――」
咲世子「ルルーシュ様もです!!」
ルルーシュ「な!?」
咲世子「このような容姿だけが整っている女性では、損をします。きちんと中身もある女性を選んでください」
ルルーシュ「あ、ああ……」
C.C.「おい!!ルルーシュ!!なんで肯定するんだ?!私は泣くぞ?!」
ナナリー「じゃあ……咲世子さんは誰がお兄様に相応しいと思っているのですか……?」
咲世子「そうですね……やはり、ミレイ様ではないでしょうか?」
ルルーシュ「おまっ!?」
咲世子「まあ、メイドですので。これ以上はいえませんが、ルルーシュ様のお嫁さんにはミレイ様が一番かと」
いや、シャーリーでしょう
ナナリー「会長ですか……」
咲世子「まあ、ナナリー様でも大丈夫ですけど」
ナナリー「そ、そんな……」
ルルーシュ「咲世子!!何を言っている!!!」
咲世子「事実です」
C.C.「お前がなんと言おうとも私はルルーシュと結婚するからな」
咲世子「させません」
C.C.「この……!!」
咲世子「このような婚姻届も……」
C.C.「いつのまに?!」
咲世子「処分です」ビリビリ
C.C.「あー!!!あぁー!!!」
咲世子「ルルーシュ様、女性はきちんと見極めましょう」
ルルーシュ「あ……あぁ……」
C.C.「ひどい……あんまりじゃないか……」ガクッ
>>267
シャーリーは料理できないからなー
翌日 生徒会室
ミレイ「さー、仕事仕事ー」
ルルーシュ「……」
シャーリー「ねえ、ルル」
カレン「……」
ルルーシュ「なんだ?」
シャーリー「なんか昨日、聞きそびれたんだけど……」
カレン「妻って誰?」
ミレイ「……」ピクッ
ルルーシュ「妻?」
シャーリー「髪がが長くて」
カレン「ツインテールにしてて……」
ミレイ「お尻の大きな人!!」
ルルーシュ「……」
スザク「もしかして、ルルーシュが昔婚約指輪渡した人のこと?」
こっちを向いてよ
シャーリー「なにそれー!?」
ルルーシュ「スザァク!!」
スザク「7年前にお祭りで出会った女性に夜店の指輪を渡したんだよね?」
カレン「本当なの……?」
ルルーシュ「昔の話だ!!今は関係ない!!」
ミレイ「本当!?」
ルルーシュ「ああ……」
カレン「ルルーシュってそもそも、どんな人が好みなの?」
ルルーシュ「好みって……そうだな……。物静かで優しくて、気遣いができて……」
ナナリー「……」
ルルーシュ「礼儀正しくて、芯はしっかりしてて、何事にも懸命に取り組む人かな……」
ナナリー「……」
スザク「つまり、ナナリーだね?」
ルルーシュ「スザァク!!!」
ミレイ「じゃあ、ルルーシュおにいさぁまぁって言えばいいわけ?」
ナナリー「私はそんな言い方しません」
ルルーシュ「いや、だが、実は昨日、条件が増えた」
シャーリー「条件!?」
カレン「なになに?」
ルルーシュ「料理ができて」
シャーリー・カレン「……」
ルルーシュ「他の家事もできて」
カレン「……」
ルルーシュ「生理整頓もできて」
カレン「……」
ルルーシュ「それなりの家柄で」
シャーリー「……」
ルルーシュ「あとは美人」
カレン「……」
ミレイ「はーい!私、全部みたしてるかもー」
>ミレイ「はーい!私、全部みたしてるかもー」
物静か……?
リヴァル「かいちょう?!」
ニーナ「ミレイちゃん、自分で言っちゃだめだよ」
ミレイ「そう?」
ルルーシュ「まあ、確かに」
ミレイ「でしょ?」
ルルーシュ「好みのタイプとは違いますけど」
ミレイ「それ本人に言っちゃう!?」
シャーリー「料理はがんばる!!」
ルルーシュ「え?」
シャーリー「たくさん働いて、お金持ちになる!!」
ルルーシュ「いや……」
カレン「掃除ぐらい余裕……だから……」
ルルーシュ「は?」
カレン「あと、お化粧もしてみる!!」
ルルーシュ「あ、ああ……がんばれ」
ギアスで物静かなの天子くらいじゃね
ミレイ「ニーナ、私、物静かじゃない?!」
ニーナ「うん。うっさい」
ミレイ「?!」
シャーリー「よーし……まずはおにぎりだ……!!」
カレン「普段、化粧なんてしないしなぁ……雑誌でも買うか……」
リヴァル「くそぉぉ!!!ルルーシュ!!!羨ましいぞ!!!」
ルルーシュ「何がだ?」
スザク「僕もじゃあ、ルルーシュの好みのタイプになれるようにがんばるよ」
ルルーシュ「お前はもうそれで条件を満たしている」
スザク「本当に?」
ナナリー「あの……お兄様」
ルルーシュ「どうした?」
ナナリー「私、お料理できないのですけど……いいですか?」
ルルーシュ「なにがだ?」
ルル鈍感すぎwww
ルルーシュの部屋
咲世子「ほら、焦げてますよ!!」
C.C.「分かっている!!」
咲世子「お鍋も見ないと」
C.C.「うるさい!」
咲世子「なんですって?」
C.C.「うぐっ……」
咲世子「ルルーシュ様のお嫁さんに認めてほしければ、これぐらいのこと目を瞑ってでこなしてください」
C.C.「わ、わかっている」
咲世子「さ、ほら。フライパン」
C.C.「くそっ……!!」
C.C.「まだ負けたくないなんて感情が残っているとは思わなかったよ―――あつっ?!」
咲世子「これではルルーシュ様のお嫁さんは、まだまだ現れそうにありませんね」
おしまい。
乙ー
ルルーシュ「…まさかお前が指輪を欲しがるとはな」
ルルーシュ「何を企んでる」
CC「ふふ、女は光り物が好きだからな」
ルルーシュ「…」
ルルーシュ「お前がねだるものなんてピザぐらいだと思ってたがな」
CC「どういう意味だ」
ルルーシュ「…それなりに良いものだ、感謝しろよ」
CC「もちろん。それに大切にするよ」
CC「ありがとう」
ルルーシュ「…当たり前だ」
CC「~♩」
ルルーシュ「ずいぶんご機嫌じゃないか」
ルルーシュ「そんなに気に入ったのか?」
CC「当然だ」
CC「お前から指輪を貰えるなんてな」
ルルーシュ「…喜んでもらえて光栄だ」
CC「照れるな照れるな」
CC「くくっ」
ルルーシュ「…?」
ルルーシュ「お前…やはり何か企んでるだろ」
CC「なあに、そんなことないぞ」
CC「そんなこと、な」
CC「…そろそろか」
ルルーシュ「は?」
ルルーシュ「CC、一体なにを
カレン「紅月カレン、参りました!」
ルルーシュ「…カレン?」
ルルーシュ「…どうした?何か用か?」
カレン「え、あなたが呼んでるって聞いて」
CC「クス」
ルルーシュ「誰がそんなことを…」
ルルーシュ「!」
ルルーシュ「CC…お前…」
CC「なに、たまには3人で遊ぼうじゃないか」
カレン「?」
今書いてるのは>>1と違う人?
CC「くくっ、カレン」
CC「今日の私だかいつもと違うところがあるんだ」
CC「気づかないか?」
カレン「はあ?」
カレン「ウソまでついて呼び出しておいて」
カレン「急に何言ってんの…よ…」
CC「クス」
カレン「…あんた、その指どうしたの?」
CC「これか?」
CC「これはな…」チラッ
ルルーシュ「…?」
CC「ルルーシュに貰った」
カレン「!?」
ルルーシュ「…CC?」
ルルーシュ(いつの間に左手の薬指に…?)
カレン「へ、へーそうなの?」
カレン「あんたってそ、そういうの好きだっけ?」
カレン「宝石とk
CC「もちろん」
CC「私だって女だ」
CC「将来を誓ったひとに指輪を貰って嬉しくないわけがないだろう」
カレン「!!」
ルルーシュ「!?」
ルルーシュ「CC!お前何を!」
カレン「しょ、将来…?」
カレン「誰が…だ誰と…?
CC「ああ」
CC「ルルーシュと」
CC「私が」
ルルーシュ「お、お前…!」
カレン「…」
カレン「本当なの?」
ルルーシュ「嘘だ!そんなわけないだろう!」
カレン「趣味の悪い嘘ねCC」
ルルーシュ「CC!」
CC「ウソだと?」
CC「お前がくれたんじゃないか、この指輪」
CC「大切にしろよ」
CC「ってな」
CC「…そうか嘘だったのか」
ルルーシュ「い、いやそれは…その…」
カレン「ルルーシュ!」
カレン「どういことよ!」
ルルーシュ「た、たしかにその指輪は俺があげたもので」
カレン「大切にしろって?」
ルルーシュ「ああ、言った」
ルルーシュ(…いや、言ってないか?)
カレン「…そう」
カレン「そうなんだ」
ルルーシュ「…カレン?」
CC「そういうことだ」
CC「悪いなカレン」
CC「だいたいお前気づかなかったのか?」
CC「日本人でもない私がなぜこの船にいるのかを」
カレン「…それは」
CC「玉城も噂してただろ」
カレン「だって…あんたあの噂に怒ってたじゃない」
CC「確かにあの態度はよくなかったな」
CC「勝手に言われたことに腹が立っていただけだ」
CC「悪かったな」
CC「これからは堂々とするよ」
カレン「……」ションボリ
CC「お前の気持ちが複雑なのは分かる」
CC「だが、友の結婚を祝福してくれないのか…?」
カレン「ご、ごめんなさい!」
カレン「おめでとうCC、それにル、ルルー…」
カレン「…」グス
カレン可哀想になってきた…
カレン「…」
カレン「幸せにね!」
CC「ありがとう、カレン」
CC「必ず幸せになるよ」
ルルーシュ「待て待て!」
ルルーシュ「なんで俺とお前が結婚することになってるんだ!」
CC「…少しは空気読め」
カレン「…ルルーシュ?」
ルルーシュ「その指輪は、その女が珍しくピザ以外のものを欲しがったから買ったまでだ!」
ルルーシュ「結婚指輪でもなんでもない!」
カレン「…じゃあなんで左手の薬指に…」
ルルーシュ「知るか!何が狙いだ!CC!」
CC「…最初に言ったじゃないか」
CC「3人で遊ぼう」
CC「とな」
ルルーシュ「!」
ルルーシュ「お前まさか最初からこのつもりでっ」
カレン「ど、どういうこと?全部嘘だったの?」
CC「ははっ良かったぞカレン、お前の涙!」
カレン「~~~~」
カレン「この女っ!」
CC「一体なんで泣いていたんだ?」
CC「なあカレン?」
カレン「えっそれは…」
CC「まさか私の結婚に感動してくれたのか?」
カレン「そんなわけっ」
CC「それとも」
CC「ルルーシュの好きなひとが私だと知って辛くなったのか?」
ルルーシュ「!」
カレン「CC!」
CC「冗談だ冗談」
CC「もっともそこの童貞は間に受けてるようだがな」
ルルーシュ「い、いやそんなことは」
カレン「…ちがうからね!」
ルルーシュ「あ、ああもちろんわかってるよ」
CC「ククっ」
CC「それにしても」
CC「まさかあのルルーシュから指輪をもらえるとはな」
CC「正直、少し意外だったな」
ルルーシュ「…お前には世話になってるからな」
ルルーシュ「たまには…な」
CC「ありがとう、ルルーシュ」
ルルーシュ「…ふん」
カレン「…」
CC「世話になっているといえば」
CC「親衛隊隊長には世話になっていないのか?」
カレン「!」
ルルーシュ「!」
CC「どうだカレン」
CC「たまにはお前もなにかねだってみたらいいんじゃないか?」
カレン「そんな…わたしはそんなつもりで…」
ルルーシュ「いや、CCの言うとおりだ」
ルルーシュ「お前にも迷惑をかけっぱなしだな」
ルルーシュ「物で釣り合えるなんて思わないが、何か欲しいものはないか?」
カレン「でも…」
ルルーシュ「遠慮するな、たまには、な?」
CC「そうだカレン、遠慮などするな」
カレン「…いいの?」
ルルーシュ「もちろんだ」
カレン「…」
ルルーシュ「…」
CC「…」
カレン「それなら…」
ルルーシュ「何かあるのか?」
カレン「……しい」
ルルーシュ「ん?」
カレン「わたしも…指輪が…欲しい…です」
ルルーシュ「」
CC「…」ニヤ
ルルーシュ「…指輪?」
カレン「ダメ…かな?」
ルルーシュ「…」
カレン「ダメならいいのっ!じゃあ何か違うっ…」
ルルーシュ「…いやダメじゃないさ」
ルルーシュ「わかった、君にも指輪を贈らせてもらおう」
カレン「ホントっ?」
ルルーシュ「あ、ああ」
CC「良かったなカレン」
カレン「ありがとう!」
カレン「ルルーシュ!」
次の日くらい
シャーリー「最近学校来てないけど何かあったの?」
ルルーシュ「ちょっと忙しくてね」
シャーリー「何が忙しいのか分からないけど…」
シャーリー「ダメよ!ちゃんと学校に来なきゃ!」
ルルーシュ「わかってるよ」
ルルーシュ「これからはなるべk
ドタバタガラガラ
リヴァル「大変だ!」
ルルーシュ「どうした?そんなに慌てて」
リヴァル「カレンが…カレンが…」
シャーリー「?」
リヴァル「左手の薬指に!ゆゆゆゆ指輪を付けてる!」
シャーリー「!?」
ルルーシュ「」
シャーリー「指輪?しかも左手の…薬指って…」
リヴァル「これってやっぱりそういうことだよな!?」
シャーリー「…そうだと思うけど」
シャーリー「…そうなんだ…カレンが…」
ルルーシュ「」
ルルーシュ(なぜ学校に付けて来た)
ルルーシュ(なぜ左手!薬指なんだ!)
リヴァル「ルルーシュは知ってた?」
ルルーシュ「」
リヴァル「ルルーシュ?」
ルルーシュ「い、いや知らなかった!もちろん知らない!」
シャーリー「…?」
なんでカレンはルルーシュがゼロだと知っているんだ?
>>378
知ったあとは学校行ってなかったな
よし終わりー
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