モバP「起こさないでください」 (32)
P「ん~…」コキコキ…
P「(今日もお勤めご苦労様っと…)」
P「(…っと、もう日付が変わってたか)」
P「(今日はこのまま仮眠室で寝かせてもらおうかな…)」
P「(その前にシャワー浴びて、軽くテレビ観て、ビール飲んで…)」
P「(…ほとんど自宅と変わらないな)」
P「(あっ、そういや俺って明日はオフだったっけ)」
P「(久々に熟睡することが出来るぞ!)」
P「……」
P「(アイドルのことを信用していないわけじゃないけど…)」
P「(一応「起こさないでください」とでも張り紙をしておくか…)」
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翌朝
ちひろ「おはようございますっ!」
ちひろ「……」
ちひろ「(そうでした…)」
ちひろ「(今日はプロデューサーさんがオフだからアイドルの子達が来るまで私一人なんですよね…)」
ちひろ「(…ちょっとさみしい)」
ちひろ「……」
ちひろ「(アイドルの子達が来るまで、まだ少し時間ありますよね…)」
ちひろ「(それまでちょっと仮眠でも取りましょうか…)」
ちひろ「…あら?」
「起こさないでください」
ちひろ「……」
ガチャ…
ちひろ「…お邪魔しまーす?」ソロー…
P「…くぅくぅ」
ちひろ「…あっ」
ちひろ「(プロデューサーさん…?)」
ちひろ「(…もしかして昨日残業してそのまま?)」
P「…すぴー」
ちひろ「……」
ちひろ「…ふふっ」
ちひろ「(よく眠っていますね…)」
ちひろ「(普段働きづめだからよっぽど疲れてるんでしょうね…)」
ちひろ「…いつもお疲れ様です♪」
ちゅっ…
P「…ん」
ちひろ「…えへへ♪」
ちひろ「…ゆっくり休んでくださいね♪」
ちひろ「(…さてと、私はソファーでうたたねでも)」
ガチャ…
薫「おっはよーございまーっ!!」
ちひろ「あら、薫ちゃん。おはよう」
ちひろ「今日はとっても早いわね?」
薫「あっ、ちひろおねーちゃん!」
薫「おはようございまーっ!!」
ちひろ「ふふっ、薫ちゃんは朝から元気いっぱいね」
薫「そういうちひろおねーちゃんは、ちょっとおねむ?」
ちひろ「うーん、ちょっとだけおねむかなー?」
薫「ふふー♪寒いとおふとんから出たくなくなるよねー♪」
ちひろ「ねー♪」
薫「…あれ?ちひろおねーちゃん?せんせぇは?」
ちひろ「あー、えっとね…」
ちひろ「(プロデューサーさんなら仮眠室でおねむなんだけど…)」
ちひろ「(起こさないで…って書いてあったからなぁ…)」
ちひろ「せんせぇはね、今日はお休みなの」
薫「あっ…そーなんだぁー…」
薫「かおる、しょんぼり…」
ちひろ「……」
ちひろ「(ちょっと、かわいそうかな…)」
ちひろ「…ねぇ、薫ちゃん?」
薫「んー?なぁに?」
ちひろ「薫ちゃん、せんせぇの寝顔見たくなーい?」
薫「えっ??」
ちひろ「せんせぇのこと起こさないって約束出来るなら、せんせぇに会わせてあげるわよ♪」
薫「ほ、ほんとっ!?せんせぇに会える!?」
ちひろ「うんっ♪」
薫「かおる、おやくそくするーっ!!!」
ちひろ「じゃあ今から、しーっ…!ね?」
薫「う、うんっ…!しーっ…!」
ガチャ…
ちひろ「じゃあ、行ってらっしゃい…♪」
薫「うんっ…♪」
薫「おじゃまー…」ソローリ…
P「…ぐぅ」
薫「わぁっ…」
薫「せんせぇ、おねむー…♪」
薫「ふふーっ…♪ねぼすけさん…♪」つんつん…
P「…ん、んんっ」
薫「…あっ」
薫「(起こしちゃだめって、ちひろおねーちゃんが言ってたよね…)」
薫「……」
薫「……」ぶるっ…
薫「…さむー」
薫「……」もぞもぞ…
薫「……」
薫「……すぴー」
ちひろ「……」
ちひろ「(あらあら…お布団にもぐりこんで一緒にお昼寝始めちゃった…♪)」
ちひろ「(時間になったら薫ちゃんだけ回収してきましょう…♪)」
ちひろ「……」
ちひろ「(薫ちゃんがいないと、一気に静かになっちゃいますね…)」
ちひろ「(誰か来ないかな…)」
ガチャ…
聖「……おはよう、ございます」
ちひろ「あら、聖ちゃん。おはよう♪」
ちひろ「なんだかお久しぶりね」
聖「…クリスマスパワー……溜まってきました…」
ちひろ「そ、そうなんだ?良かったわね…?」
聖「…はい♪」
ちひろ「(クリスマスパワーってなんだろう…)」
聖「随分と……静かですね……」
聖「…あの、良かったら…私の歌…聴いてもらえますか……?」
聖「これだけ静かなら……声、きっと響くから……」
ちひろ「あら、私で良いなら構わないわよ♪」
聖「ありがとう……それじゃあ―――」
聖「―――♪」
ちひろ「…♪」パチパチパチパチ…
聖「あ、ありがとう…ございます…」
ちひろ「流石は聖ちゃん。うちの事務所きっての歌姫ですね♪」
ちひろ「(聖ちゃんはアイドルデビューしてから、たくさんの人に歌を聴いてもらえることが幸せになったって言ってましたね…)」
ちひろ「(それがよく伝わるほどに、聴いていて楽しくなる歌声でした♪)」
聖「歌姫…よくわからないけれど…」
聖「聴いてくれる人が…笑顔になってくれるのは…嬉しいです……」
聖「今年も聖夜のステージ……楽しみにしています…」
ちひろ「(今年の聖ちゃんの衣装はどうなるんでしょう?)」
ちひろ「(去年はスパロボのガンエデンみたいな衣装だったけど…)」
ちひろ「(…この子、そのうち紅白の名物アイドルになったりするんじゃないかしら)」
聖「…?」
聖「……あ」
ちひろ「ん?どうしたの、聖ちゃん?」
聖「…今日はPさん、お休み……」
ちひろ「あ、そうね。今日はプロデューサーさんはオフの日よ」
聖「……Pさんにも…歌、聴いてほしかったな…」
ちひろ「聖ちゃん…」
ちひろ「(そうよね…聖ちゃんにとってプロデューサーさんは多くの人に歌を届けるキッカケを作ってくれたサンタクロースだもの…)」
ちひろ「(いつだって歌を聴いてほしいはずよね…感謝の気持ちと一緒に…)」
ちひろ「んー…」
ちひろ「…あっ」
ちひろ「ねぇねぇ、聖ちゃん…」
聖「?」
ちひろ「あなたって―――」
聖「えっ…?」
ガチャ…
ちひろ「それじゃあ、ごゆっくり…♪」
聖「は、はい…」
聖「…おじゃま、します……?」ソローリ…
P「…うーん」
薫「…すやー」
聖「……」
聖「(薫ちゃんも…寝てる…)」
P「…う、うぅ」
聖「……!?」ビクッ…
P「…あつみぃ…だめだよぉ…ぼく、おとこのこだよぉ…」
聖「……」
聖「(……うなされてる)」
聖「……ふぅ」
聖「……―――♪」
P「…もう、およめに…」
P「……」
P「……ぐぅ」
ちひろ「(…いやー、ホントに綺麗で優しい声ですね聖ちゃん…)」
ちひろ「(安心して眠れる子守唄って感じです…♪)」
聖「―――♪」
P「うぼぁー…」
薫「むにゃぁ…」
聖「……ふぅ」
聖「……」
薫「んー…♪」すりすり…
P「…ん、んっ」ぎゅっ…
聖「(……いいなぁ)」
聖「……」もぞもぞ…
聖「……」ぎゅっ…
聖「……くぅ」
ちひろ「……」
ちひろ「(聖ちゃんも一緒になってお昼寝を始めちゃいましたね…)」
ちひろ「(…いっそ私も、いやでも…)」
ちひろ「(…冷静に考えてみると聖ちゃんって年齢のわりに結構グラマラスな体型してるから…)」
ちひろ「(もしかして強敵になりうる…?)」
ちひろ「……」
ちひろ「(いやいや、聖ちゃんは一回りも下の子なんだから、そう焦ること…)」
ちひろ「(そ、それに胸なら私も…)」
ガチャ…
早苗「おっはよー!!」
ちひろ「……」
早苗「…あれ?どうしたの、ちひろちゃん。アタシの顔になんか付いてる?」
ちひろ「(リアルな強敵、来ちゃったなぁ…)」
早苗「?」
ちひろ「あ、い、いえ!おはようございます、早苗さんっ!」
早苗「うん、おはよ……あ、もしかして、まだちょっと寝てる?」
ちひろ「あ、そ、そうかもしれないですねっ…あははっ…」
早苗「今日はPくんもオフだし、そのぶん事務員のちひろちゃんの負担も増えるんだからちゃんと体調は万全にしとかなきゃよー?」
早苗「まだ時間あるし、ちょっと仮眠室で軽く寝てくれば?」
早苗「時間になったらお姉さんが起こしてあげるわよ♪」
ちひろ「あー、えーと…」
ちひろ「…やましいことは何もないんですが…今はその…」
早苗「あれ?ベッドの空き無いの?」
ちひろ「まぁ、そんなところですかね…あははっ…」
早苗「早起きしたのに結局ベッドにダイブしちゃうねぼすけさんは誰だー?タイホしちゃうぞっと☆」スタスタ…
ちひろ「あ、ちょ、ちょっと早苗さん!?」
早苗「「起こさないでください」…なかなか徹底してるわね…」
ちひろ「これを見る限りよっぽど疲れているみたいですので…その…!」
早苗「取り調べ開始ー♪」
ちひろ「って、容赦ない!?」
ガチャ…
早苗「…あら?ベッドの空きはあるじゃない?」
ちひろ「えっと、そうなんですけど…」
早苗「さって、ねぼすけな容疑者は誰かなー…」
早苗「…って」
P「…たこ」
薫「たまごぉ…」ぎゅー…
聖「あまえび…」ぎゅー…
早苗「……」
ちひろ「あ、あのですね…」
早苗「ねぇ、ちひろちゃん」
ちひろ「は、はい…」
ちひろ「(プ、プロデューサーさんがあらぬ誤解でシメられちゃう…)」
ちひろ「(ごめんなさい、プロデューサーさん…)」
早苗「見て見て♪Pくんの寝顔ってなかなかかわいいんだ~♪」
ちひろ「…へっ?」
早苗「いや~、薫ちゃんや聖ちゃんがかわいいのは当たり前だけど…」
早苗「こうして見るとPくんもなかなかあどけない……いや~やっぱ年下っていいな~♪うっひっひ♪」
ちひろ「……」
ちひろ「(は、犯人はおまわりさんでした…)」
早苗「よっこらしょと…」もぞもぞ…
P「……ぬお」
ちひろ「…!?な、なにしてるんですか!?」
早苗「いや、なんかあったかそうだったし」
ちひろ「だ、だからって…!!」
早苗「あら♪ちひろちゃん、もしかしてお姉さんにジェラシー感じちゃったー?」
ちひろ「な…な…!?」
ちひろ「……」
ちひろ「…私も入りますっ!」
早苗「えっ?」
早苗「(…あらやだ。ホントにジェラシーだったの…?)」
ちひろ「……」もぞもぞ…
P「…さなえ…さん…むにゃ…」
早苗「…おっ♪」
ちひろ「…!!」がーん
ちひろ「……っ!」ぎゅーっ…!
P「……むえ」
薫「……ふにゃ」
聖「……んぐ」
早苗「……」
早苗「あははっ♪」
早苗「…そんな睨まなくても、とったりしないってば♪」
早苗「(まぁ、将来的にどうなるかはわかんないけどねっ♪)」
ちひろ「うー…!」
ちひろ「(私の名前も呼んでくれたら良いのにぃ…!)」
ちひろ「(プロデューサーさんの、ばかぁ……)」
ちひろ「……むにゃ」
P「―――ん、んん…」
P「……」
P「(仮眠室の天井…)」
P「(目が覚めたのか…今、何時…)」
P「……ん?」
ちひろ「プロデューサーさん…すきぃ…」
早苗「Pくん…すきよぉ…」
薫「せんせぇ…だぁいすきぃ…」
聖「あまえびぃ…」
P「……」
P「(ど、どういう状況なんだ…これ…?)」
ガチャ…
P「…!」
きらり「……」
P「…!?」
きらり「きらりもー!!!」ぴょーん…!
P「にょわーっ!?」
P「(この日以降…仮眠室で俺の姿を見た者はいない…)」
おわり
かわいいちひろさんが書きたかった
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