狐娘「おなか……へったなぁ」 (458)

コッコッコッコッコッ

狐娘「もう、どれくらいお肉たべてないだろう……」

コッコッコッコッコケーッ

狐娘「にわとり、おいしそうだなぁ……」

コケーッコッコッコッコッ

狐娘「……だめだめ、これは人間さんが育てたにわとりなんだから」

コケッコケッコッコッコッコッ

狐娘「…………」



狐娘「……卵だけでも」

人間「なにしてるんだい」

狐娘「ひゃう!?」ビクッ

狐娘「っ…………あ」クラッ

人間「! あぶない!」

…………


……

…………


狐娘「…………」

狐娘「……ん」モゾ




狐娘「……………………あ、れ、わたし……」

人間「気が付いた?」

狐娘「……」


狐娘「……!? う、あ……」ヘナ

人間「あっ、無理しないで」

人間「具合が悪いんだろう? 少し休んだいくといい」

狐娘「…………っ」ビクビク

人間「そんなに怯えなくても」


グー


人間「……」

狐娘「!」



人間「あはは、おなかが減ってたのか」

狐娘「……ぅ」

人間「今年は寒い夏だったからね、お山も実りが少なかったんだろう?」

狐娘「……」

人間「大したものは出せないけど、何かご馳走させてよ」

狐娘「……」



グー

狐娘「あっ」

人間「あはは、ちょっと待ってて」

…………

人間「さ、どうぞ」コトッ

狐娘「……」クンクン

人間「うどん、っていうんだけど」

狐娘「……うろん」

人間「うどん」

人間「ズルズルっ」

狐娘「おぉ……」

人間「まずくはないはずだから。さ、食べてみて」

狐娘「……」カチャ


カランッ


狐娘「…………」

人間「……そっか。いきなり箸は難しかったね」

人間「じゃあ…………はい、あーん」

狐娘「っ!」ビクッ

人間「ほら、口あけて」

狐娘「…………っ」



狐娘「はむっ!」

人間「おっ」

狐娘「ちゅるん!」





狐娘「あ………………おいしい」

人間「よかった。冷めないうちにどんどん食べて」

狐娘「…………うん」

人間「はい、あーん」

狐娘「あー……」


…………


……

……

人間「気をつけて帰るんだよ」

狐娘「うん……」



狐娘「あの…………」

人間「ん」

狐娘「……」キュッ




狐娘「あり……がと」

人間「……」


人間「どういたしまして」ナデナデ

狐娘「……」ギュ

…………

……

人間「ふうぅ、最近一段と寒くなってきたな……」ガラ

人間「ん?」




狐娘「……」ポツン




人間「あれは、昨日の……」

狐娘「!」ピクッ

タタタタ

人間「こっちに来る……」


タタタ…ピタッ


狐娘「……」

人間「……」

狐娘「……」

人間「……? どうしたの?」


狐娘「……っ」ギュ

狐娘「き、きのう……」

人間「うん」

狐娘「…………っ」ギュウ




狐娘「うろん、たべさしてもらった……だからっ…………これっ」サッ

人間「これは、あけび?」

狐娘「んっ!」サッ

人間「うわっ、と」


タタタタ…


人間「お礼、なんだよね」

……ガラ

人間「あ、今日もいる」

狐娘「!」ピクッ


タタタタ…


人間「おはよう」

狐娘「……っ」



狐娘「お……はよ」

人間「うん、おはよう」ナデナデ

狐娘「……っ」

人間「そうだ。昨日はあけび、ありがとうね」

狐娘「…………」



狐娘「こ、これ……」スッ

人間「あ、今日も持ってきてくれたんだ」

狐娘「……お、お礼」ギュ

人間「ありがとう。嬉しいよ」ナデナデ

狐娘「…………っ」ギュウ

人間「でも、これもらっていいのかい? 食べ物に困ってるんだろう?」

狐娘「だ、だいじょぶ! うさぎとかいっぱいたべてるし」


グー


狐娘「あっ」サッ

人間「あ」

狐娘「……っ」モフッ

人間(あ、尻尾で顔隠した)

人間「そうだ、ちょっとあけび貰いすぎな気がするし、僕からもお礼させてよ」

狐娘「……?」

人間「はい、おにぎり」

狐娘「……おじぎり」

人間「おにぎり」

狐娘「……」クンクン

狐娘「……」


狐娘「はむ、あむ……」モクモグ

人間「本当は何か具を入れたかったんだけど、何も入ってなくてごめんね」

狐娘「……」プルプル

狐娘「これも、おいしい……」

人間「……そっか。ありがと」ナデナデ

狐娘「ん……」

………………

ガラ




人間「あれ、いない……」

人間「狐も寝坊とかするのかな?」

……

ザクッ…ザクッ…ザクッ…

人間「ふー、腰痛ぁ」トントン

人間「狐ちゃん、今日は来ないのかな」

人間「おにぎり、ひとつ余っちゃうな……」



ザクッ…ザクッ…ザクッ…

カー…カー…カー…


人間「結局、来なかったな……」

人間「…………猟師に撃たれ、いや、まさか……」




人間「……もうちょっとだけ待とうかな」

ホー…ホー…


人間「……はぁ」

人間(狐ちゃん、大丈夫かな……)




トン…トン…

人間「ん、はーい」

ガラ

人間「! 狐ちゃん……」

狐娘「……」

人間「どうしたんだい、こんな夜更けに」

狐娘「……っ」ギュウ




狐娘「ご、ごめ……なさ…………」ポロポロ

人間「え」

狐娘「う、うう……ぐすっ…………」ポロポロ

人間「ど、どうしたの? なんで謝るの?」

狐娘「いちにち、い……いっしょけんめいさがしたけど、うう……」ポロポロ

狐娘「も、もう……たべもの…………なくて……」ポロポロ


狐娘「わたし……わたし……お礼……」ポロポロ



人間「狐ちゃん……」

人間「よしよし、泣かないで」ナデナデ

狐娘「うっ、うう……」グスグス

人間「狐ちゃん、毎日毎日、山の恵みをありがとうね。本当にうれしいよ」

人間「だけど、一番うれしいのは狐ちゃんの気持ちなんだ。食べ物じゃない」

狐娘「きもち……?」

人間「うん。食べ物を持ってきてくれるのもうれしいけど、狐ちゃんが会いに来てくれるだけで、僕は十分幸せなんだ」

狐娘「…………」

狐娘「そう、なの?」

人間「うん。だから約束。危ない事は絶対にしないこと」

狐娘「……うん」

人間「…………無事でよかった」ギュ

狐娘「わっ」






狐娘「……ごめんなさい」ギュ

……

人間「ほら、傷見せて」

狐娘「ん……」

人間「体中傷だらけにして……」

狐娘「ごめんなさ……へくちっ」

人間「身体も冷やしたの?」

狐娘「川、おっこちて……」

人間「この季節に!? ……本当に無事でよかった」

狐娘「ごめんなさい……」シュン

人間「反省してるならいいよ。僕を想ってくれての事だし」

狐娘「へくちっ」

人間「すっかり冷やしちゃったみたいだね。お風呂入ろうか」

狐娘「?」

人間「準備してくるから、そのまま囲炉裏で暖をとってて」

…………

……

人間「で、このお湯に浸かってあったまるわけなんだ。わかった?」

狐娘「???」

人間「駄目かー。狐って水浴びとかそういう習慣無いのかな……」

パサッ

狐娘「脱いだ」

人間「!」

狐娘「……違った?」

人間「合ってるけど…………まあ、いいや」

ザパーッ

狐娘「んんっ」プルプルプル

人間「わぷっ。背中、流すからね」

狐娘「うん」


ゴシゴシゴシ…


人間「痛くない?」

狐娘「ん」

人間「おんなじように腕とか自分でやってごらん」

狐娘「ん」

ゴシゴシゴシ…

ゴシゴシゴシ…

人間「……」

人間(どう見ても人間にしか見えないけど、本当に尻尾が生えてるんだなぁ……)

人間「狐ちゃん、尻尾も洗って方いいかな?」

狐娘「!」


ガタッ

バタバタ


狐娘「だ、だめ! しっぽはだめ!」モフッ

人間「な、なんで?」

狐娘「し、しっぽは……はずかしい…………っ」モフゥ

人間(裸は恥ずかしくないのに尻尾を触られるのは恥ずかしい……のかな)

人間「そ、そっか。ごめんね、変な事言って」

狐娘「……」モフモフッ

人間「じゃあ尻尾は自分で洗ってね。洗い終わったらまた身体を流して、お湯に浸かってあったまること」

狐娘「……わかった」モフッ

人間「じゃあ、ごゆっくり」


ガラ…


人間「文化の違い、かなぁ」

ザパーッ

狐娘「んっ」プルプルプルプル

狐娘「つぎは、このお湯につかって」

狐娘「うう……」チャプ

狐娘「ひゃうっ!?」ビクッ



狐娘「うう……」チャプ

狐娘「ひゃうっ!?」ビクッ

狐娘「う……くぅ……」チャプ…

チャポ…

狐娘「ふうぅ……」プルプル




ザプ…


狐娘「はっ…………あぁ……ふぅ」チャプ

狐娘(……あったかい)

狐娘(まるで、かかさまにぎゅってしてもらってるみたい……)

狐娘(こんなに、あったかい場所がこの世にあるなんて……)


狐娘(夢……みたい…………)


プクプクプク…

狐娘「ん……」

人間「気が付いた?」パタパタ

狐娘「…………」

人間「湯あたりしてお風呂に沈みそうになってたんだよ。危なく溺死するところだったんだから」パタパタ

狐娘「…………」



狐娘「……かかさまに」

人間「ん?」パタパタ

狐娘「かかさまに、会った気がする」

人間(会った気がする、っていうのは……)



狐娘「おふろ、きもちよかった。またいつか入りたい」

人間「それぐらいいつでも貸してあげるよ。その代わり、たまに水汲み手伝ってね」

狐娘「ん」

人間「さて、今日はもう遅いから泊まっていきな。布団、そのまま使っていいから」

狐娘「……人間さんは?」

人間「僕は囲炉裏にあたりながら床で寝るよ。狐ちゃんはそのままおやすみ」

狐娘「人間さん、冷えちゃう」

人間「なに、一晩くらい大丈夫さ」

狐娘「だめ」

人間「……狐ちゃん?」

狐娘「人間さんが病気なったら……かなしい…………だから」



人間「うん、僕が悪かったよ。ごめんね」

人間「灯り、落とすね」

狐娘「ん」

フッ


…モゾ

人間「じゃ、おやすみ」

狐娘「おやすみ……なさい」





狐娘(人間さんのにおいがする……)

狐娘(……あったかい)

ドン!

狐娘「!!」

ばたり・・・

人間「おや」

狐娘「」

人間「狐娘、お前だったのか。いつも、あけびをくれたのは」

チュン…チュンチュン…

コッケコーッ


人間「ん……」

モフッ

人間「ん? これは……」モフモフ

狐娘「すぅ、すぅ」モフモフ

人間「! 狐ちゃんの尻尾か!」モフモフ

狐娘「すぅ、すぅ」モフモフ

人間「と、とにかくこの尻尾から脱出を……」モフモフ

狐娘「んぅ……」ギュ

人間「で、出れない」モフッ

狐娘「ん……」モゾ

狐娘「くあ……ぁ」ノビ

人間「おはよう」

狐娘「……人間、さん?」



狐娘「あ、きのう泊めてもらって……」

人間「うん」



狐娘「……おはようございます」ペコ

人間「うん、おはよう」

人間「もうちょっとで朝御飯できるから待ってて」

狐娘「うん」



狐娘「……」クンクン

狐娘(人間さんのにおいだ)

人間「はい、豪勢ではないけど」コト

狐娘「……」クンクン

人間「里芋の味噌汁に味噌漬け野菜、小さいけど焼き鱒、それと」コンコン

パカッ

狐娘「おぉ……」

人間「たまごかけごはん。かき混ぜて醤油をかけて食べよう」

人間「いただきます」

狐娘「いただき……ます」カチャ

ブスッ

人間「あ、そうだった。箸、教えないとだったね。狐ちゃん?」

狐娘「あー……ん?」パク

人間「箸はね、そうやって刺して使うものじゃなくてね、こう挟めるよう動かすものなんだ」カチャカチャ

狐娘「む?」

人間「持ち方はね……」ピト

狐娘(……あ)

……

人間「ごちそうさま」

狐娘「ごちそうさま……」

人間「箸、ちょっとずつ練習しようね」

狐娘「……うん」


人間「さて、働きに行きますかね」

狐娘「あの……」

人間「ん」

狐娘「なにか……てつだう。てつだいたい」

人間「……」


人間「ありがとう。じゃ、お願いしようかな」ナデナデ

狐娘「……ん」

人間「その前に、おにぎり握っていこうね」

狐娘「おじぎり」

人間「手に水をつけて、ご飯をこれぐらい取って、塩をつけながら……こう」ギュギュ

狐娘「ん」ガッ

人間「おっと、そんなにいっぱい取って大丈夫?」

狐娘「これ、人間さんの」ギュギュ

人間「おっと」

狐娘「いっぱいたべて」

人間「いやぁ、まいったな」

………………

…………

……


狐娘「人間さーん」タタタ

人間「はいよー」ズボ

狐娘「じゃがいものしゅうかく、おわりました」

人間「ご苦労様。こっちも蕪の収穫終わりそうだよ」ズボ

狐娘「じゃあわたし、土落としておきますね」

人間「うん、お願い」

人間「いやぁ、今年は狐ちゃんのおかげで大助かりだったよ。本当にありがとうね」

狐娘「ううん、ごはんを分けてもらってるし、おふろも借りてるし、これぐらい……」

人間「いやいや、いつも粗末なご飯とぼろい風呂を提供してるだけでこんなに助けてもらって、感謝しきれないよ」

狐娘「そんな、そまつなんて。人間さんのごはん、わたしあったかくて好きです」

人間「そ、そう?」

狐娘「…………はい」ギュ

人間「……そう言ってもらえると、料理のし甲斐があるなぁ。ずっと一人で暮らしてたからさ、なんだか家族が増えたみたいで、嬉しいんだ」

狐娘「家族……」ギュ

人間「……」



人間「……狐ちゃん」

狐娘「……なんでしょう」

人間「出会って三ヶ月程度の人間が聞いていいことか、わからないんだけど…………さ」

狐娘「……」



人間「狐ちゃんの家族は、今どうしているんだい」

狐娘「……」

人間「はじめて会った時もだけど、狐ちゃん、常に食料に困ってたし……」

人間「それに、毎日会いに来てくれるのは本当に嬉しいけど、狐ちゃんにも僕以外の……家族や仲間が」



狐娘「妖狐族は滅びました」



人間「……」

人間「滅ん……だ」

狐娘「はい」

人間「それって、僕達人間が何かして……」

狐娘「……」フルフル


狐娘「だれが悪い、とかじゃないんです。ただ、お山がちょっとずつわたしたちにとって住みづらくなっていっただけなんです」


狐娘「ととさまは一年前にたおれ、かかさまも半年前にたおれ、みんな……みんな弱るようになくなっていきました」

狐娘「狐の里はすたれ、弱いわたしひとりではうさぎ一羽まんぞくにつかまえられず……」

人間「そんな事が……」

狐娘「……ごめんなさい」

人間「……どうして、謝るの?」

狐娘「わたし、人間さんのやさしさにあまえて、あわよくばこの家で冬越ししようと思ってました」

狐娘「ううん、今だってそう。仲間の、家族のさいごの話をしていても、こころのどこかにそういう期待をもっていました」

人間「……」

狐娘「……」



人間「でも……」


人間「でも、それだけじゃないから、全部話してくれたんでしょ」

狐娘「…………」


ギュ


狐娘「あ……」

人間「怖かったね。辛かったね。でも、もう大丈夫。ひとりじゃない」ギュ

狐娘「う…………っ」グス

人間「大丈夫、大丈夫」ナデナデ

…………

人間「あらためて、今日からここが君の家だ」

狐娘「は、はい」

人間「おかえり」

狐娘「あ……」



狐娘「…………た、ただいま」

……………………

…………


ビュォォッ

ガタッガタガタッ


人間「すごい風だなぁ」

狐娘「外は猛吹雪ですね」

人間「これだけ風が強いと、この小屋が飛ばされないか心配になるな」

狐娘「家がなくなるのはこまります」

人間「ああ、早く収まって欲しいな」

ビュォォ ビュゥゥッ

人間「うう……寒いな」サスサス

狐娘「!」


狐娘「あ、あの……」スス…

人間「ん?」

狐娘「よ、よかったら……その…………」モジモジ


狐娘「つ、使って下さい……っ」モフッ

人間「し、尻尾を?」

狐娘「……」コク

人間「いいの……?」

狐娘「……」コク

人間「触られるの、恥ずかしいんじゃ……」

狐娘「…………っ」ギュウッ




狐娘「人間さんになら……その…………いい、かな……って」カアァ

眠くて何書いてるかわけわかんなくなってるので寝ます

ごめんなさい……

人間「じゃ、じゃあ……触っちゃお……かな?」

狐娘「は、はい……触っちゃってくださいっ……!」

人間「……」

狐娘「……っ」

人間「……………」モフッ

狐娘「ひゃっ」ビクッ

人間「ご、ごめん。痛かったっ?」


こんな感じで誰か続き書け下さい

人間「……」

狐娘「……ぅ」ピクッ

人間「じゃ、じゃあ……いいかな?」

狐娘「あ…………はい」


……モフ

狐娘「ん……」ピクッ

人間「わ……あったかぁ」モフモフ

狐娘「……っ」ピクッピクッ

人間「狐ちゃん、とってもあったかいよ」モフモフ

狐娘「ほんとですか?」

人間「うん」モフモフ

狐娘「よかったぁ」ニコ

人間「狐ちゃんは寒くない?」

狐娘「わたしは……」



狐娘「ちょっとだけさむいです」

人間「じゃ、こっちおいで」

モフモフ…モフモフ…

人間「あったかい?」ギュ

狐娘「あったかいです。ひとりでもふもふするよりずっとあったかいです」モフモフ

人間「うん、よかった」ギュ

狐娘「……ん」ギュ




狐娘「ほんとは、結婚するまでしっぽさわらせちゃいけなかったんです」

人間「そうなの?」

狐娘「はい。母狐と、子狐と、その……だんなさまだけの、とくべつなんです」

狐娘「でも、人間さんはわたしを家族って言ってくれたし…………だから」

狐娘「うう……っ」モフッ

人間「……」



人間「ありがとう」ナデナデ

狐娘「……」ピクッ

人間「僕は狐ちゃんの家族だよ。約束する、ずっと一緒だ」ナデナデ

狐娘「…………人間さん」モフゥッ

狐娘「あ、あの……」

人間「なに?」ナデナデ

狐娘「わ、わたしも……ぎゅってしていいですか?」


狐娘「うう……」モフッ

人間「いいよ」

狐娘「ま、まいにちして、いいですか……?」

人間「いいよ。全然いいよ」

狐娘「……っ」モフモフッ

人間「……」



人間「はい、これでいい?」ギュ

狐娘「っっ」モフモフモフモフッ

人間「ほら、狐ちゃんも」

狐娘「…………ぅ」

狐娘「で、では……」



ギュ

人間「あったかいね」

狐娘「は、はい」



狐娘「……えへへ」ギュ

これから仕事行かなくちゃいけないのでここで区切らせて下さい
本当にごめんなさい
保守ありがとうございました
お付き合いいただきありがとうございました

人間「ど、どうしたの? なんで謝るの?」

朝鮮人「いちにち、い……いっしょけんめいさがしたけど、うう……」ポロポロ

朝鮮人「も、もう……慰安婦の証拠…………なくて……」ポロポロ

朝鮮人「わたし……わたし……」ポロポロ


人間「朝鮮人ちゃん……」



朝鮮人「捏造すれば良いニダ!」

仕事代行まだか

狐娘と書かれてるだけで男の娘の可能性もある

彼女はこん、とかわいく咳をして

私のおいなりさん

これから帰宅しますので今暫くお待ち下さい

ビュゥゥ…

カタ…ガタガタ…


狐娘「……」

人間「……」



狐娘「風の音……」

人間「ん」

狐娘「なんだか、遠くなった気がする」

人間「……ん」

狐娘「……」ギュ

狐娘「……」ピコ

人間「狐ちゃんの耳、ぴょこぴょこ動いてる」

狐娘「ん」ピコ

人間「何か聞こえる?」

狐娘「……ん」



狐娘「人間さんのしんぞうの音……」ギュ

狐娘「やさしい音……」

人間「……」ギュ

狐ちゃんと赤いきつね食べたい

…………

パチ… パチ…

人間「ふーっ! ふーっ!」

人間「こんなもんかな?」


「人間さーん! そろそろいいお湯かげんですよー!」


人間「はいよー」

人間「ううっ、さむさむ」ザッザッ

ザパー…

人間「ふいー、生き返る」

狐娘「さいきん風の強い日がつづいてましたからね。ひさしぶりのお風呂、うれしいです」

人間「そうだねぇ」

ピチョ

狐娘「ひゃっ!?」ピクッ

人間「雫の冷たさも贅沢な感じがするね」

狐娘「つめたかったのはわたしなんですけど。ふふ」

……

狐娘「ふう……」チャプ…

人間「狐ちゃんと一緒にお風呂入るのも、すっかり習慣になったね」

狐娘「人間さん達はばらばらに入るんですよね。いっしょの方がうれしいのに」

人間「嬉しい?」

狐娘「人間さんと、もっとなかよくなった気がしてうれしいです」

人間「……そっか」

狐娘「背中、ながしっこしましょうね」

人間「うん」

狐娘「あたま、わしゃわしゃーってして下さいね」

人間「うん、いいよ」

狐娘「……えへへ」ピト

人間「狐ちゃん」

狐娘「? なんです?」

人間「お風呂の時の狐ちゃんは、いつもより甘えん坊だよね」

狐娘「なっ!?」ビクッ

狐娘「そ、そんなこと」





狐娘「あるかも、です……」

人間「あるね」

狐娘「……」プクプクプク

…………

狐娘「にわとりさん、ごはんだよー」キィ

コケーッコケッコケッコケーッ

バサバサバサバサバサッ

狐娘「お、おちついて! たべないから!」

コケッコケーッ バサバサバサバサバサッ

狐娘「わわっ、出ちゃだめだよ! ああっ!? 待ってー!」

人間「狐ちゃん! うしろうしろ!」

狐娘「え……あ!? みんな逃げてる!?」

…………

人間「こいつで最後だ……」パタン

狐娘「うう……ごめんなひゃい…………」ヘナ

人間「いいよ。誰にでも失敗はあるんだから」ナデナデ

狐娘「人間さん……」

人間「明日、またがんばろう」

狐娘「……うん」ギュウ

人間「よしよし」ナデナデ

………………

人間「……あむ」

狐娘「……っ」ピクッ

人間「……」モグモグ

狐娘「どう、でしょう」



人間「……ん、おいしい」

狐娘「! ほんとう!?」パァァ

人間「うん、僕のよりは確実においしいよ」

狐娘「は…………ぁぁ」ヘタ

人間「狐ちゃん?」

狐娘「あはは……安心したらちからが抜けちゃいました」

耳をあむあむされてるのかと

人間「いや、本音を言えば、短期間でこんなに上手くなるとは思わなかったよ」

狐娘「わたし、にわとりのお世話で失敗してばかりだから、せめてお料理でばんかいしたいなって……」

人間「鶏はまあ、ちょっと仕方ない部分があるけど……でも、他はすごく頑張ってくれてるし、ほんと大助かりだよ」

狐娘「そ、そう?」ピコピコ

人間「……」

狐娘「……」ピコピコ




人間「よしよし」ナデナデ

狐娘「……ぁ」ピコピコ

人間「……」ナデナデ

狐娘「えへ……えへへ……」ピコピコ



人間「……さて」スッ

狐娘「あ……」シュン

人間「……」



人間「じゃ、今日の勉強しちゃおうか」

狐娘「! はい! がんばります!」ピン

息子ビン

……………………

…………



人間「すぅ……すぅ……」

狐娘「……ん」モフ



狐娘「ふ……ぁぁ」




狐娘「…………あ、春のにおい」

……

人間「今日から春?」

狐娘「はい、春です。春のにおいがします」

人間「そっかぁ、ようやく冬も終わるんだね……」

狐娘「やさい、いっぱい作りましょうね」

人間「そうだねぇ。それにはまず、麓に下りて種を買わないと」

狐娘「人間さんの里?」

人間「いっしょに行く?」

狐娘「…………」

人間「ん、無理しないで。すぐ帰ってくるから留守番しててね」

尻尾モフモフ

狐娘「……すぐ?」

人間「うん、すぐ」

狐娘「……どれくらいです?」

人間「うーん……半日、はかかるかな」

狐娘「はんにち!?」ガーン

人間「……狐ちゃ、うわっ!?」

狐娘「すぐって! すぐって約束したじゃないですか!」モフモフモフモフッ

人間「わっぷ!? 狐……しっぽがっ」モフモフモフモフッ

……………………

…………


人間「じゃ、行ってくるよ」

狐娘「気をつけて……下さいね」

人間「……」



狐娘「うきゅっ」ワシャ

人間「走って帰ってくるから、ちょっとだけ待っててね」ワシャワシャ

狐娘「……うん。待ってる」ピコピコ

……

人間「結構浮いたなぁ。狐ちゃんのおかげで沢山作付けできたからだな」

人間「何かお礼でも……お礼かぁ。なんかずっと昔の事みたいだ」


「もし、そこのお方」


人間「ん? 僕ですか?」

「そうです、貴方です。突然申し訳ない」

人間「いえ。あの、僕に何か?」

輪姦するなら俺にしろ!

「こういう事を言ってもなかなか信じてもらえないのですが、よろしければ話半分にでも聞いて下さい」

人間「はあ」

「私、都で陰陽師をやっている者で、この方々の龍脈の異変を調べに此方に来ております」

人間「陰陽師、ですか?」

「はい。まあ、占い師や僧侶みたいなものと思って下さい」

破ァ!

「私の経緯はさて置き……単刀直入に申します。貴方、狐に憑かれてます」

人間「!!」

「その顔、心当たりがお有りですか」

人間「……」





人間「いいえ。家族が増えたことぐらいしか変わった事はありません」

「家族、と」

人間「はい」

人間「素直で恥ずかしがり屋で、頑張り屋で、甘えん坊で……可愛らしい僕の大事な家族です」

「…………」




「それは良い。是非、大事になさるといい」

人間「良い、ですか?」

「貴方は余程、御狐様に馴憑かれていると見える。その縁を大事になされば、御加護もあろう」

狐娘「こん」

人間「ドーム」

狐娘「こん」

人間「ドーム」

狐娘「あ、あの…?」

人間「…」ニッコリ

「絆は金糸が如く強く結ばれ、決して切れる事無し」

人間「……」

「まあ、自称陰陽師の事と話半分に聞いて下され」

人間「いえ……」

「龍脈の乱れは収まりつつある。いずれお山にも活気が戻りましょう。それでは」ペコ

ザッザッ…




人間「……」ペコ

…………

人間「ただいま」ガラ

狐娘「!」タタタ



人間「ごめん、遅く……わっ!?」

狐娘「……っ」ギュ

人間「狐、ちゃん……」

狐娘「…………」ギュゥゥ



人間「ただいま」ナデナデ

もふっ

人間「待たせてごめんね」ナデナデ

狐娘「……ん」ギュゥ

人間「……」ナデナデ






人間「…………?」


人間「……狐ちゃん、その尻尾……」

狐娘「? しっぽ?」


狐娘「! 増えてる!」

人間「尻尾が二本に……」

狐娘「……」

人間「……狐ちゃん?」

狐娘「そっか、春が来たんだ」



狐娘「春が来たから、わたし、今日からおとなになりました!」

人間「大人……」

狐娘「かかさまが言ってました。わたしたち妖狐族はしっぽが二本になったら一人前だって」

尻尾が増えたお陰で寝る時も暖かくなるよ!

人間「じゃあ、今日はお祝いしないとね」

狐娘「そんな…………うれしいです」モフ…

人間「里で油揚げも買ってきたし」

狐娘「あぶらーげ? それごちそうなんです?」

人間「多分ね。なにせ、きつねうどんの主役なんだから」

……

狐娘「~~~っ!! おいひいれふ~!」ピコピコ

人間「狐ちゃん、さっきからそればっかり」

狐娘「らって、これ、おいひいんれふもん」モクモク

人間「あはは、全然うどん食べてないね」

狐娘「はぁぁ…………ひあわへ」ピコピコ

……

狐娘「はぁぁ……」ピコピコ

人間「まだ夢見心地だね」

狐娘「……しあわせ」

人間「はいはい」クス





狐娘「人間さん」

人間「なに?」

狐娘「だいすきです」

ちょっと赤いきつね買い占めてくる

………………

ポツ…ポツ…

サァァ…




狐娘「雨、ですね」

人間「晴れてるのにね」

狐娘「……」

人間「……」





狐娘(晴れ空から降る雨をいっしょに浴びた男女は、末永くしあわせになれる…………狐の言い伝え)

狐娘(どうか、人間さんとのしあわせな時間がずっと、ずっと続きますように)

以上です
長い時間お付き合いいただき、本当にありがとうございました

次はスレ立てのタイミング間違えないよう気をつけます

結局狐ババアと坊主のSSってなんだったんだ
気になってしょうがない

もふ、いや乙



>>416
狐と坊主だと
狐娘「お主どんだけ出したら気がすむんじゃ。もう子種で溢れとるぞ」
とかかな

いきなりだが
狐=エキノコックスという認識がある
しかしこれは実は誤りである
エキノコックスに感染した狐は北海道並びに東北地方にのみしか存在しない
これは寒冷地でしか生き延びれないという理由からである
実際、東北以南の狐(ホンドギツネ)にはエキノコックスは確認されていない

すみません。幼少期に狐を飼っていたので、狐=エキノコックスという認識を取り払いたかったんです

>>432
坊主ではないなこれ

>>437
>>105

>>437
ちょっとそのキツネ飼ってたエピソード詳しく
なついてた?

>>439
すまん。何を意図しているのか分からない

>>442
ケモナーはエキノコックスなんかどうでもいいと言いたいのでは
俺道民できつねよくさわるけどエキノコックスなったことないは

>>441
リアルでも話したこと有るから多少改変加える
小さい頃は山に祖父母と住んでてな
春になる前の頃なんだけどさ
山の中で狐が死んでたんだよ
でよく見ると周りにちっこいのが4匹いたんだ
勿論警戒された
で、爺さんが何をしたのか分からんけど逃げ惑う子狐を捕まえたんだ
家に連れ帰って暫くは世話しようって事になって、餌をやったんだな
でも、3匹は水も飲まなければ餌も食わない
このままじゃ餓死するって事でその3匹は山に返した
残りの1匹(何故か警戒せず)は犬と一緒に育てた
性格はそっくりそのまま犬になった
まあこんな感じか
まあ、7年程で死んだけどね

>>445
エキノコックスになる原因は糞を食うことだ
エキノコックスに感染した生き物の糞の中に虫の卵がある
別に触ったら手をよく洗えば感染もしない
つまりだな
エキノコックスになった奴は基本うんこが近くにあったりする土を弄ったりして、よく手を洗わずに物を食うから感染したことになる

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