翔太郎「スマイルプリキュアだと?」(119)
立ったら書く
まったく、やっかいな事件が続きやがる。
ミュージアムの脅威が去ったかと思えば、風都はまた怪人騒ぎだ。
ピエロ面の妙なドーパントが現れて街の人たちから生気を抜き取ってるっていうじゃねぇか。
「この街を泣かせる奴は、どんな野郎だろうが許さねえ」
そう意気込んで一人現場周辺で調査をしていた最中、まさかあんなことになるとは……。
数時間前。俺はドーパントに襲われた。いや、正確には〝ドーパントに似た怪物〟にだ。
???「……」
翔太郎「なっ、ありゃナスカじゃねぇか!?」
突如俺の前に現れたのは倒したハズのナスカ。俺を一瞥すると、ヤツは無言で背を向け立ち去った。
もちろん、俺はすぐにフィリップに連絡してハードボイルダーでヤツの後を追った。
今思えば、あれは俺たちをおびき寄せる為の罠だった。
フィリップ「大丈夫かい? 翔太郎」
翔太郎「ううっ……す、すまねえな、フィリップ」
フィリップ「幸い、怪我自体は大したことはなさそうだ。だけど……」
大敗を喫した俺はリボルギャリーで駆け付けてくれたフィリップに助けられた。
そして――
翔太郎「本当にすまねえ」
俺たちはダブルのメモリを全て失った。
ピエロの顔をしたナスカには、こちらの攻撃が一切通用しなかった。サイクロン、ヒート、
メタル、ルナ、トリガー。そして、ファングですらも。
エクストリームになるしかないと思ったその時、第三者が乱入してきた。
???「ウルッフッフー、お前か。最近、俺たちのことを嗅ぎまわっているっていうや
つは」
ダブル「なんだ、テメーは!」
ウルフルン「誰だっていーじゃねぇか。ここでテメーは倒されるんだからよ! やっちま
え!アカンベェ!」
宙に浮いた狼男はガイアメモリを二本取り出すと、それに赤い玉を二個くっ付け放り投げ
た。
スミロドン・アカンベェ「グルルルル!」
ビースト・アカンベェ「ガオオオオ!」
ピエロのビーストとスミロドンに面食らっていた俺たちは、襲いかかって来たナスカの一撃でエクストリームメモリを手放してしまった。
そこからは、ただただ無様なもんだった
ダブル「ぐっ……くそっ」
ウルフルン「おいおい、お前本当にこの街のヒーローかぁ? とにかく強えーって聞いて
たんだが、噂ってのはアテになんねぇモンだな」
ウルフルン「なになに? サイクロンにヒート? おい、人間。お前、肉獣っぽいメモリ持ってねーのかよ」
翔太郎「俺たちのメモリをどうするつもりだ! 返しやがれ!」
ウルフルン「ああ? いらねーよこんなメモリ。だが、返してもやらねーがな」
狼男は俺たちのメモリを全部掴むと、大きく振りかぶって遠くへとブン投げやがった。
訂正:肉獣→肉食獣
ウルフルン「これに懲りたら、二度と俺たちの邪魔すんじゃねーぞ。じゃーな。仮面ライ
ダーさんよ」
狼男はそれだけ言い残すと、闇夜に姿を消した。
翔太郎「他もメモリはわかるが、エクストリームもファングも帰って来ねぇってのはどういうことだよ」
フィリップ「可能性は二つ。敵の手に渡ったか。或いはメモリの機能が停止した、か」
メモリの機能の停止。
俺は以前この街を襲った、とあるテロリスト集団のことを思い出していた。
フィリップ「まあ、後者の可能性は低いだろうね。エターナルのメモリはあの時僕らが破壊したんだから」
翔太郎「前者だとも考えたくはないがな。っていうか、お前の検索でメモリの場所の特定は出来ねえのかよ?」
フィリップ「あれから何度も試しているんだが、どうも上手くいかないんだ」
翔太郎「どういうことだよ?」
コンコン
フィリップ「地球(ほし)の本棚にアクセス出来ないんだ。代わりに別の場所へ飛んで
しまう。木の中に作られたとても不思議な空間に」
翔太郎「なんだそりゃ。つーことはなにか? もう、どうしようもねぇってコトかよ」
コンコン、コンコン
翔太郎「って、さっきから誰だようっせーな。今こっちは取り込み中――」
みゆき「あ、あの……。こ、ここって鳴海探偵事務所……ですよね?」
翔太郎「……そうですけど」
扉を開けると、そこには見知らぬ学校の制服を着た五人の少女が立っていた。
みゆき「だーかーらー、キャンディとデコルデコールが!」
あかね「ホンマやねんて! 信じてや!」
やよい「それと、私たちのスマイルパクトも!」
なお「早くしないと悪の皇帝ピエーロが!」
れいか「もはや一刻の猶予もありません。是非ともお力添えを」
やってきて早々マシンガンのような口ぶりで捲し立てる五人の少女。必死さは伝わるが、もう少し落ち着いて話せないもんか。
三人どころか五人では、かしましいどころの騒ぎではない。
翔太郎「あー、お嬢ちゃんたち。悪いんだけど俺たち今そういうお遊びに付き合ってるほどヒマじゃないんだけど」
あかね「お遊びちゃうて言うとるやろ! 全部ホンマなんやて」
翔太郎「つってもなぁ。いきなりキャンディだのデコルだのって言われても」
れいか「確かに。一般の方にはご理解いただけないのも無理はありません。ですが、私たちにはもうどうすることも出来ないのです」
フィリップ「要するに、大事なものと友人を悪いやつらに奪われてしまった。そしてその悪者がどこへ行ったかわからない……ということかい?」
やよい「は、はい」
言っていることはサッパリだが、彼女たちの焦りは痛いほどよくわかる。それほど、今の俺たちの境遇によく似ていた。
みゆき「あ、あの、これ……」
そう言うと、ピンクの髪の少女はポケットから数枚の札と小銭を取り出した。
みゆき「私たちのお小遣いを集めて、今用意できる精一杯のお金です。全然足りないかもしれませんけど。足りない分は後日必ず」
目には今にも降り出しそうなほどいっぱい涙を溜めていた。俺は机の上に雑多に広げられた金を集めて少女に返してやる。
翔太郎「ほら、ちゃんとサイフに閉まっとけ。無くしちまうぞ」
みゆき「えっ」
背中でフィリップの奴が笑っているのがわかる。どーせまた「女に甘いハーフボイルド」だって言いたいんだろ? でも、今回はこれでいいんだよ。何故って?
翔太郎「まずは自分の足で調査する。これが探偵の基本だ。行くぞ、お嬢ちゃんたち」
〝この街には涙は似合わない〟
そう思っただけさ。
まずは聞き込みだ。俺はいつもの様に風麺へと足を運んだ。
翔太郎「こんなカンジのもんらしいんだが、知らないか?」
俺はやよいが描いた絵とみゆきが持っていた「スマイルパクト」ってのを二人に見せた。
ウォッチャマン「うーん。ごめんよぉ翔ちゃん」
サンタちゃん「見たことないなぁ」
翔太郎「そっか……。わかった。ありがとな」
フィリップ「その様子じゃそっちもダメだったみたいだね」
翔太郎「お前もか。クィーンとエリザベスたちも知らねぇとなると、こりゃガイアメモリ探しより骨が折れるかもな」
フィリップたちと合流して成果を報告し合うが、手掛かりすら掴めず一向に進展がない。
翔太郎「そもそも、お前たちの大事な物を盗んだやつってのはどんな風貌だ? 特徴とかあるのか?」
あかね「特徴だらけや。あんな、こー、ピエロのみたいなカッコしてけったいな仮面つけとんねん」
翔太郎「ピエロみたいな……」
フィリップ「仮面?」
れいか「ご存じなのですか?」
翔太郎「なあ、ひょっとしてそいつって、狼男みてーなやつか?」
みゆき「それ、きっとウルフルンだ!」
なお「そいつもその悪者の仲間だよ」
みゆきたちの話では、そいつらはバッドエンド王国と呼ばれる異世界からやって来た連中で、「バッドエナジー」と呼ばれる未知のエネルギーで封印されている親玉を復活させようとしているらしい。
俄かに信じ難い話だが、俺は実際にその幹部と一戦交え、そして敗れた。それが現実だ。
フィリップ「それにしても、何故彼らがガイアメモリを持っているのだろうか? それもビーストやスミロドンなどのT2以前のメモリを」
翔太郎「んなもん、直接本人たちに聞いてみるしかないだろ。とっ捕まえてでもな」
???「ならやってみるオニ!」
突如、空を暗雲が覆い、通行人たちは皆打ちひしがれるように地に倒れた。見上げれば、そこには日本昔話に出てくるような金棒を担いだ鬼が宙に浮いていた。
アカオーニ「ウルフルンから話は聞いているオニ。力を失ったお前たちが俺たちを捕まえるなんて無理に決まってるオニ!」
翔太郎「てめぇもあの狼男の仲間か。人を見下して好き放題笑いやがって。上等じゃねぇか。いくぞフィリップ。変身だ!」
フィリップ「待つんだ翔太郎! メモリが無ければ戦えない」
翔太郎「だぁー! そうだった。くそっ。どうすりゃいいんだよ!」
アカオーニ「わっはっはっは! 諦めて絶望するオニ!」
みゆき「プリキュア、スマイルチャージ!」
みゆきがコンパクトを手にした瞬間、眩い閃光が辺りを包みこんだ。
心底驚いたぜ。なんせ、目を開けるとそこには〝変身〟したみゆきが立っていたんだからな。
みゆき「キラキラ輝く未来の光。キュアハッピー!」
アカオーニ「な、なんでプリキュアがここにいるオニ? 俺様、聞いてないオニ!」
翔太郎「マジかよ。みゆきが変身しやがった」
れいか「驚かれるのも無理はありません。私たちは皆、バッドエンド王国の侵攻から世界を守る為に立ちあがった伝説の戦士、プリキュアなのです」
翔太郎「てことは、お前らもあんな感じに変身できちまうってことか?」
なお「うん。だけど、私たちハッピー以外はスマイルパクトを奪われてしまったから……」
翔太郎「そっか。だから必死に取り戻そうとしてたんだな」
メモリを失った俺には、彼女たちの思いが痛いほどよくわかった。
キュアハッピー「キャンディを……私たちの大切なものを返して!」
アカオーニ「フン。返せと言って返す馬鹿はいないオニ! それにお前一人しかいないのに新たな力を手にした俺に勝てるはずないオニ! 出でよ、アカンベェ!」
フィリップ「あ、あれは!? 若菜姉さんのメモリ!」
アカオーニがメモリと赤い玉を投げたと同時に現れたのはピエロの顔をしたクレイドール。赤い鼻のコミカルな顔が醜悪に笑っていた。
アカオーニ「やってしまうオニ!」
クレイドール・アカンベェ「アカンベェ!」
C・アカンベェの繰り出す息もつかせぬ高速の連打の前に苦戦を強いられるみゆきは、一旦下がって距離を取るとアニマル浜口が憑依したかのように「気合いだ!」を連呼し始めた。
あかね「っしゃー! いったれーみゆきー!」
アカオーニ「わーっはっはっはっ! 残念だったオニね。このドーパント・アカンベェはお前らプリキュアの攻撃なんかビクともしないオニ」
なお「そ、そんな」
C・アカンベェ「アカンベェ!」
翔太郎「うおおっ! 危ねぇ!」
あかね「ちょーっ、そんなんありなんかぁー!?」
敵の両手から放たれた重力の球から身を守る為に咄嗟に物影へと避難したが、肝心のみゆきはその場から動けないでいた。
フィリップ「翔太郎! もしかしてみゆきちゃん、疲れて動けないんじゃ……」
あかね「せやった! 必殺技は一回撃つとメッチャ体力消耗して動けんようになるんやった!」
翔太郎「なんて燃費の悪い技なんだ。仕方ねぇ。俺が囮になってその隙に――」
立ち上がった俺よりも先に飛び出したのは一番臆病そうな少女。やよいだった。
やよい「やめて! ハッピーに手を出させないで!」
アカオーニ「んん~? 変身もできないクセにノコノコ出て来るなんて。この状況が怖くないのかオニ?」
やよい「怖いよ。今だって気を緩めると腰が抜けそうなほど怖い」
そう言うやよいの膝は、ガクガクと震えていた。
やよい「だけど、友達を見捨てて逃げる方がもっと怖い」
アカオーニ「フン。何が友達だオニ。なら、その大事な友達を庇ってお前が痛い目に合えばいいオニ! やれ、アカンベェ!」
キュアハッピー「私のことはいいから早く逃げて! やよいちゃん!」
しょうがないよ
だってつまらないんだもの
アカオーニ「な、なんだオニ!?」
やよいの眼前で眩く光る金色の物体。俺とフィリップはそれに見覚えがあった。
フィリップ「翔太郎! あれは」
翔太郎「ルナメモリじゃねぇか!」
⌒ ヾ 、ミ川川川彡
r/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ、 ヽ ミ 彡
/. ノ( (゚ッ)/  ̄ ̄~ヽ ヾ 三 こ 駄 三
/ ⌒ ト、.,.. \丶。 三 ら め 三
彳、_ | ∴\ ヽ 三. え だ 三
| ) r‐ / ノ( \\ |∴ 三 る 三
| ⌒|⌒ ヽ ヽ | 。o 三. ん ま 三
ノ( / | | / 三. だ だ 三,.
.⌒ / ヽ|/゙U 三 吐 三
/ u 三. く 三
三 な 三
彡 ミ
彡川川川ミ.
ヾ .。 . 。
,゙ ./ / ./ / , -―-、
く ./ / ./ /./ ヽ __Д__
/./ ./ ̄ / /゙i⌒ヽ、| \_,√、へノ
ノ / ,ヽ '/ /゙ヾ/ ノ/ | ,| __._._、 Λ, ∩
/ 、/ ,ー´-/ // | .| く_,,,. ,,,._9 ___,,,、_,_,....,_ | .| | |
=彳 |‘゚。、` ヽ。..,..o く/ ノ,ノ | | く_,,,._,,,_,,.,_....,_て | .| ,.| |
/ ゙, ,( ゙゚、。、。、o\ `` _,ノ しへ、 凵, .し
/ | |ヽ ヽU o \ .く_...,_...,_♭ ,▽,,.▽
/ | │ \ o ∴ `ヽ8 \
│ \\U 。 ゙ 。 U 、 :l
/ ゙し、、 ・ 。 、 。 |:!
。 U\..\ o ○ U
やよい「なっ、なにこれ。えっ、えっ?」
アカオーニ「ええい、なにをやってるオニ! もう一度攻撃するオニ!」
アカオーニの指示を受け、C・アカンベェは再び両腕をやよいに向ける。直後、メモリは更なる光を放った。やよいは光り輝くメモリに手を伸ばした。
キュアピース・L「ぴかぴかピカリン。じゃんけんポン(チョキ) キュアピース・ルナ!」
<(´・ω・`)> 三 ねえねえねえねえ
( ) 三
\\ 三
..三 <(´・ω・`)> しかと?しかと?
三 ( )
三 //
. <(´・ω・`)> 三 ねえねえ?
( ) 三
\\ 三
.三 <(´・ω・`)> しかと?なの?ねえねえねえ
三 ( )
三 //
..三 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) 三
..三 // // // // // 三
ねえねえー しかとー? ねえねえー しかとー?
..三 <(´・ω・`)><(´・ω・`)><(´・ω・`)><(´・ω・`)> <(´・ω・`)> 三
.三 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) 三
..三 \\ \\ \\ \\ \\ 三
みんなー ねえねえ なんでしかとするのー?ー ねえー
..三 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) 三
..三 // // // // // 三
ねえー ねえー ねえねえねえねえ しかとしないでよーー
なお「スマイルパクト無しで変身した!?」
れいか「でも、やはりデザインがいつもとは少し違いますね」
あかね「なんやようわからんが、いてまえー、やよい!」
アカオーニ「フ、フン! 変身出来ても無駄オニ! このアカンベェは脅威の再生能力を持っているオニ。一発しか撃てない必殺技なんかじゃ――えっ!?」
ピース、マキシマムドライブ!
キュアピース・L「一度でダメなら、何度でも! えいっ!」
幾人ものキュアピースがクレイドールへ突撃していく。雷で作られた分身はC・アカンベェを次々と攻撃し、ぽっかり穴が開いた腹部からはクレイドールのガイアメモリが剥き出していた。
翔太郎「やよい! メモリブレイクだ!」
キュアピース・L「プリキュア! ピースサンダー・イリュージョン!」
今北産業
>>92
面白い?
面白くない?
俺は面白くないと思う
ピース本体が放つ変幻自在の雷撃がガイアメモリを直撃。ガイアメモリを破壊されたC・アカンベェは砂のように崩れ落ちた。
アカオーニ「くそっ、ここは一旦引き揚げるオニ!」
やよい「イケメンで強いのね!嫌いじゃないわ!」
>>95
ただのビッチじゃないすかw
じゃあピースがレズならいいんだな?
>>97
ゾクゾクするねぇ
なお「ふー、なんとかなったね」
れいか「大丈夫ですか、やよいさん?」
やよい「うん。私は平気。それより、みゆきちゃんは」
みゆき「私も平気だよ。それよりすごかったねー、やよいちゃん! 分身してバリバリ~って」
あかね「うち、弟の格ゲーであんなん見たことあるで」
やよい「え、えへへ」
翔太郎「どーなってやがるんだ。ルナメモリにあんな力があるなんて聞いてないぞ」
フィリップ「おそらく雷は彼女自身の潜在能力。メモリはあくまでそれを引き出す為に機能したのだろう。僕たちがドライバーでメモリの力を引き出して変身するようにね」
翔太郎「メモリをベルトの代わりにしたってことか?」
フィリップ「そういうことさ」
フィリップ「ドーパントでもライダーでもない存在、プリキュアか。実に興味深いね」
やよい「あ、あの。お二人はこれを知ってるんですか?」
フィリップ「それはガイアメモリ。地球の記憶が収められている生体感応端末さ。それはその内の一つでルナメモリ。中には〝幻想〟の記憶が入っていて、さっき君が雷で分身を作り出したのは、そのメモリの力さ」
エナジー「電撃的なのと言えば私の出番が来る、そう思っていた時代が私にもありました」
ウェザー「悔しいでしょうねぇ!」
翔太郎「俺たちはそいつを使ってメモリを悪事に使う奴らからこの街を守っていた。ついこの間、狼野郎に襲われるまではな」
やよい「それじゃあ、これは探偵さんが持っていた方がいいですよね」
俺とフィリップはお互いに顔を見合わせる。まあ、確認するまでもなかったな。
翔太郎「いや、そいつはしばらくやよいが持っていてくれ」
やよい「えっ、でも」
フィリップ「僕たちにもみゆきちゃんにも倒せなかった敵を君だけが倒せた。今後も奴らが襲って来るということを考えると、今は君に預けておいた方が得策だ。第一線に立たせてしまうことになるけれど、やってくれるかい?」
やよい「は、はいっ!」
~バッドエンド王国
ウルフルン「なっさけねーなぁ、負けておめおめと戻って来るなんてよ」
アカオーニ「うるさいオニ! 聞いていた話とまるで違ったオニ! プリキュアまでメモリを使えるなんて!」
ジョーカー「それはヒジョーに興味深いお話。詳しく聞かせてもらえますか?」
アカオーニ「どうもこうもないオニ! いきなりメモリが飛んできて、それから……」
ジョーカー(スマイルパクト無しで変身? これもあの妖精が知っているであろうミラクルジュエルの秘密と何か関係があるのでしょうかねえ? これは早急に口を割らせる必要がありそうだ……)
アカオーニ「――って、そっちから聞いておいて無視かオニ!」
ジョーカー「ああ、いえいえ。ちゃあんと聞いていましたとも。それはそれは大変でしたねぇ」
アカオーニ「これも、お前からもらったクレイドールのメモリが弱かったせいオニ!」
ジョーカー「それは大変失礼しました。でしたら、アカオーニさんには特別にコレをさしあげましょう」
アカオーニ「これは?」
ジョーカー「数あるメモリの中でもとても強力な力を秘めたメモリです。アカオーニさんならば使いこなせるかも知れません」
照井夫妻は出ないのか
>>113
嫁の方には出演予定はございません
ウルフルン「そういや、お前が攫ってきたあの妖精。あいつどーすんだよ」
ジョーカー「少々聞きたいことがありまして」
ウルフルン「あと一回分のバッドエナジーでピエーロ様も蘇るんだ。今更なんもビビるこたぁねーだろ」
ジョーカー「念には念を、というやつですよ。懸念材料はどんな些細なことでも潰しておく。例え毛ほどの奇跡も起こさせません」
ウルフルン「はー。お前の完璧主義っぷりには頭が下がるねぇ」
ジョーカー「恐れ入ります」
ウルフルン「ならよ、やつらをこのままにしておくってワケねーよな?」
ジョーカー「もちろんですとも。我々に歯向かう愚かなムシケラ共には、最大級の絶望を以って購っていただきますよ」
マジョリーナ「なら、その役目は任せるだわさ。イイ作戦があるだわさ」
敵の強襲を退け、偶然にもメモリを回収できた俺たちは一旦事務所に戻ることにした。そしてダメ元でもう一度地球の本棚へアクセスを試みることにした。
みゆき「フィリップさん、目を瞑って何しているんですか?」
翔太郎「こいつには常人にはない特別な力がある。地球の本棚っつー、この地球の記憶みてーなもんにアクセスして必要な時に必要な情報を得ることが出来るんだ」
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません