穏乃「玄さーん、今日も自殺の練習するよーwwww」(255)

玄「ひっ……!」

憧「ああ、そういえば今日はまだしてなかったねー」

穏乃「さあ玄さん、ちゃんと自殺できるように練習しよう!」

玄「い、イヤ……いやあ……」

憧「イヤじゃないの。玄は自殺しなきゃいけないんだから」

穏乃「そうそう、そのための自殺の練習だよ」

憧「さて、今日はどういう練習にしよっかなー」

おい…これ確か最近のニュース

階段

憧「よし、今日はここで練習しよう」

穏乃「どういう練習なの?」

憧「飛び降り自殺の練習だよ。ほら玄、飛んで」

玄「ええっ、と、飛ぶって……何段目から……?」

憧「は? 一番上からに決まってんじゃん」

玄「そ、そんな……無理だよ……」

穏乃「もー、なにビビってんのさ玄さん。20段くらいしかないから余裕だって」

玄「いや、いやだよ……」

憧「はあ~、玄さぁ、こんな高さで怖がってたら飛び降り自殺なんてできないよ?」

穏乃「そーだよ、本番はもっと高いところから飛ばなきゃいけないんだし」

憧「ほら、勇気出して。私たちは玄がちゃんと自殺できるように応援してるから」

穏乃「みんなの気持ちに答えなきゃだめだよ玄さん」

玄「やだよお、自殺なんてしたくない……」

憧「ったく……今更嫌がっても仕方ないでしょ」

穏乃「そうだよ、玄さんは自殺しないと」

憧「だって玄があんなに失点したせいで負けちゃったんだからさ」

穏乃「その罪はちゃんと償わないといけないよね?」

憧「そうそう、死をもって責任を取らないと」

穏乃「私たちの夢を潰した罪が自殺するだけで許されるんだよ、安いもんだよ」

玄「う、うう……」

憧「ほら、分かったら早く飛んで」

玄「む、無理だよ……怖いよ……」

穏乃「頑張って、玄さん。これは本番じゃないし、練習だし」

憧「そうそう、もっと気楽に。リラックスして臨めばいいよ」

玄「でも……でもでも……」

憧「いいからとっとと飛べよ!」

玄「ひいっ!」

憧「早く飛ばないと、もっと高い階段から突き落とすよ?」

玄「い、いやあ……」

憧「それが嫌ならここから飛び降りたほうがいいよね」

穏乃「それくらいなら玄さんの頭でも理解できるでしょ」

玄「ううう……」

憧「ほら、カウントダウンいくよー」

穏乃「3……」

憧「2……」

穏乃「1……」

憧「はい、ジャーンプ!」

玄「うっ……うわああああああっ!!」ピョーン

穏乃「うおお、ほんとに飛んだwwwwwww」

憧「あはははは、あはははは!」

玄「いたい、痛いよお……」

憧「あはははは、あーははははは!」

穏乃「ちょっと着地失敗しちゃったね、玄さん」

玄「いたい、いたい……グスッ」

憧「あー、腕と脚を打ったんだ。でもそれじゃダメだよ」

穏乃「そうそう、地面に頭をぶつけないと死ねないからね!」

憧「ま、今日の練習は60点ってとこかな、あははは」

穏乃「昨日は40点だったからちょっとは進歩してるね」

玄「はあ、はあ……」

憧「はーあ、笑った笑った。この後どうする?」

穏乃「鷺森レーンいかない? 体動かしたいし」

憧「またあそこか。まー、そこ以外に遊ぶ場所もないか~」

穏乃「さあ玄さん、いつまでうずくまってんの。早く行くよ」

玄「でも、体中痛くって……」

憧「痛いのはアンタの自業自得でしょ、ほら早く立てよ」ゲシゲシ

玄「け、蹴らないで……」グスッ

鷺森レーン

灼「いらっしゃいませ」

憧「おー、灼~。今日も来たよ~」

穏乃「最近部活来ないけど、どーしたんですか?」

灼「……店番しないといけないから」

憧「そんなのお婆ちゃんに任せとけばいいのに~」

穏乃「灼さん、いつものボウリングシューズ貸してくださーい」

憧「私も~」

灼「勝手に持ってっていいよ」

玄「…………」

灼「……」

玄「あ、あらたちゃ……」

灼「……」プイッ

玄「あ……」

憧「玄ー、何やってんの、早く来なよ! まったくのろいんだからー!」

玄「ごめん……遅くなって」

穏乃「遅いですよー、玄さん……あれ? なんで靴借りてるんですか?」

玄「えっ?」

憧「はあーあ、もう……玄も一緒に投げていいなんて一言も言ってないよね?」

玄「あ、そ、そうなんだ……ごめんなさい」

憧「私とシズだけで投げるから、玄はそのへんで見てて」

玄「うん……」スッ

憧「あ、ちょっと! 誰が座ってもいいって言った?」

玄「えっ……」

穏乃「そうだよ、玄さんはずっと立ってなきゃ」

玄「で、でも……さっき飛び降りてから足と腰が痛くて」

憧「それがダメなんだよ、玄は。すぐ言い訳して、甘えようとして」

穏乃「そうそう、もっと鍛えなきゃ。だから先鋒戦であんな負け方するんだよ?」

玄「ご……ごめんなさい」

憧「ほら、分かったら立って」

穏乃「でも、ただ立たせてるだけってのも面白くないよね」

憧「だねー」

穏乃「そうだ、シェーのポーズで立っててよ」

玄「しぇ、シェー? こ、ここで……?」

憧「当たり前じゃん」

玄「は、恥ずかしいよ……」

穏乃「これは玄さんの精神を鍛えるために必要なんことなんだよ」

憧「そうそう、麻雀で大事なのは心をしっかり持つことだからね!」

穏乃「そこへくると玄さんは大事な先鋒戦で終始涙目で……」

憧「あれは酷かったよね~」

穏乃「だから玄さんはちゃんと心を鍛えなきゃダメなの。わかる?」

玄「うん……ごめんなさい……」

憧「ほら、シェーして」

玄「こ、こう……?」

憧「ぷっ」

憧「そうだ、普通の表情だとつまんないから、変顔もしてよ」

穏乃「それいいねー! 人から笑われることで心を強くしよう、玄さん!」

玄「へ、変顔って……」

憧「ほら、早くやれよ」

玄「は、はい……こう……?」グニュ

憧「あはははは、あはははは!」

穏乃「ブハハハははあ、玄さんすげえー!」

憧「あははは、私らがボウリング終わるまでずっとそのままね!」

穏乃「おもしれー、写メとっとこ!」カシャ

憧「ほら、先にシズが投げる番だよ」

穏乃「はいはーい」

「うわっ、なんだよあの子……」
「なんかの罰ゲームか?」
「バカみたいだな、かわいそう」

玄「う、ううう……」

玄(片足立ちじゃ足が痛い……)

玄(腰もさっきぶつけてすごく痛いよ……)

玄(いつまでもこんな体制で立ってられない……)

穏乃「やったー、2連続ストラーイク!」

憧「あんたすごいなー、私スペアも出ないよ~」

穏乃「コツがあるんだよコツが~」

憧「はーあ、運動じゃアンタに勝てないわー」

玄(さいわい二人ともボウリングに夢中だ)

玄(こっちのほうを見る気配もないし)

玄(ちょっとくらいならシェーを解いてもばれないよね……)

穏乃「よーし、3連続ストライクいっくぞー」

憧「3連続ストライクは、私たちの一大目標です!」

穏乃「あはは、似てねー」

玄(はあ……普通に立っててもつらいけど、さっきよりはマシだ)

玄(いつまでこんなこと続けなきゃいけないんだろう……)

穏乃「はー、遊んだ遊んだー」

憧「結局シズのスコアに追いつけなかったよ~」

穏乃「あははは、まあそのかわり勉強のスコアじゃ憧に勝てないし~」

憧「偏差値70なめんなよー」

玄「…………」

灼「ありがとうございました、またのお越しをお待ちしてます」

憧「あ、そうだ灼~」

灼「なに」

憧「玄がさあ、シェーのポーズしてたでしょ? それずっとやってた?」

玄「えっ……」

憧「ここからだと玄のこと見えてたよね? どうだった?」

灼「…………」

玄(やめて、灼ちゃん……どうかごまかして……)

灼「ときどき、普通に立ってた」

玄「!!」

憧「ふーん、そっかそっかー」

穏乃「あーあ、ズルしてたんだねー」

憧「私たちの言うこと聞いてなかったんだ」

玄「あ……その……」

憧「これはちょっとお仕置きが必要かな」

穏乃「そうだよねえ、私たちの命令に背いたわけだし」

憧「はーあ、玄ってばどこまでポンコツなんだか……」

穏乃「困るよねえ、出来の悪い先輩を持つと」

玄「あ……ああ……」ガクガク

憧「じゃあ公園にでも行こっか」

穏乃「そうだね。この時間ならもう誰もいないだろうし」

憧「玄、たーっぷりお仕置きするから。楽しみだね~」

穏乃「私たちの愛だよ、愛」

玄「いや……いやあ……」ブルブル

憧「おらっ、来いよ!」

公園

憧「もう5時も回ってるし誰もいないね」

穏乃「じゃあ心置きなく玄さんにお仕置きできるってわけだ」

玄「…………」ガクガク

憧「うーん、で、どうする?」

穏乃「ん~……ぶっちゃけネタ切れ気味だよねえ」

憧「大車輪ブランコは前にやったし、逆すべり台もやった」

穏乃「両手後ろ縛りジャングルジムもやった、シーソー顎叩きもやったよ」

憧「うーむ、まあ無理に凝ったことする必要もないか」

穏乃「そうだね、じゃあシンプルに」

憧「玄~、お仕置き決まったよ~」

玄「ひいぃ、嫌……大車輪ブランコはもう嫌……」

穏乃「前と同じことはしないって」

憧「今日はねえ、砂場の砂を食べるだけでいいよ」

穏乃「うん、そろそろお腹空いてるでしょ? 食べなよ」

玄「えっ、す、砂なんて……」

憧「なに、食べられないの?」

穏乃「ここの公園の砂は綺麗だから安心しなよ~」

憧「そうそう、このまえ野良ネコがウンコしてたくらい綺麗だから」

穏乃「ほらー、早く食べなってば」

玄「た、食べるって、どれくらい……」

穏乃「そうだなー、どれくらいにしようかな」

憧「あっ、あそこにバケツ落ちてるじゃん」

穏乃「どっかの子供が忘れてったのかな?」

憧「サイズもちょうどいいし、このバケツ一杯分の砂を食べるってのどう?」

穏乃「お、いいね~」

玄「む、無理だよ……そんなに食べられないよ……」

憧「なにそれ、量の問題なの? もっと少なかったら砂を食べられるってこと?」

穏乃「ぶははははは」

玄「そ、そういうことじゃ……」

憧「ちょっとまってて、バケツに砂入れるから」ザックザック

穏乃「食べやすいように柔らかい砂にしよう」ザックザック

玄「う、いやあ……」

憧「ようし、できた!」

穏乃「はい玄さん、これが今日の玄さんの晩御飯だよ!」ドサッ

玄「…………」

憧「ほら、食べなよ。お箸とかないから手づかみだけど」

玄「で、でも……」

憧「さっさと喰えっつってんだろがよ!」

玄「ひっ、ひいいっ!」

穏乃「おっ、砂に手を伸ばした」

玄「あ、あ、あぁぁぁ…………」プルプル

憧「そう、そのまま口に持っていけ!」

玄「うわあああああああっ!!」バクッ

穏乃「おおおお、マジで食べたwwwwwwww」

玄「うあああ、ううう……」ジャリジャリジャリ

憧「あーはははは、あはははははは!!」

穏乃「食べてるー、ほんとに砂食べてるー!」

憧「どうなの、美味しいの? 美味しいわけないかー、あはははは!」

玄「うえええ、ううう、うあう……」ジャリジャリジャリ

穏乃「一心不乱に食べてるよ」

憧「心頭滅却ってやつだなー。こういうことされると見ててつまんないんだけど」

玄「うっ……うえっ、うげえええええええっ」ゲロゲロゲロ

穏乃「うわっ、もどした!」

憧「きったないなあー、普通後輩の前でゲロ吐く? 最低の先輩だねえ」

玄「おえっ、おええええええええ」

憧「ちっ……汚いなあ、なんか興冷めしちゃった」

穏乃「私も~。もう帰ろっか~」

憧「そうだねえ、今日はこの辺にしとこっか」

玄「ううっ……うえええ……」

松実家

玄「ただいま……」

宥「……」

玄「あはは……砂食べさせられちゃった……」

宥「……」

玄「制服も……ゲロまみれだよ……」

宥「……」

玄「お風呂あいてるかな……」

宥「……」

玄「なんとか言ってよ……お姉ちゃん……」

宥「……玄ちゃんに優しくしたのがバレたら」

玄「……」

宥「私も……いじめられちゃうから……」

玄「……お姉ちゃん…………」

宥「…………」

やめろ

翌日

憧「はーあ、暇だなあ~」

穏乃「部活にももう全然人来ないしなー」

憧「晴絵はとっととプロに行っちゃったし」

穏乃「私たちほんとにただの踏み台だったんだね……」

憧「灼は晴絵がいなくなったから来なくなったし」

穏乃「晴絵さん目当てで入部してたしねー」

憧「宥姉は受験のために引退」

穏乃「このままじゃ来年廃部だよなー」

憧「まあいいんじゃない、全国で和に会うっていう目標は叶ったし」

穏乃「会うっつったって……試合で和と当たったわけじゃないじゃん」

憧「あー、まあそれも全部玄のせいなんだけどね」

穏乃「そうだよ、玄さんがもっとしっかり打ってたら決勝まで……」

ガチャ
玄「……」

憧「お、噂をすれば」

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      ,|:{ .::/l| .:小≧==' '^     ´` ̄´`!:.:.: |' }:.:.:..|: . {   \ \/ /    _| |_/ )
     八| :ハ| .:.:{:.i xxx   ,     xxx |:.:.:.:|_,}:.:.:..|: . .i    .>  /    (__  __ ヽ  __
       (__) | .:. 八            |:.:.:.:}V:.:.:..:: . . {   / 〃        | |  ) } (_  ヽ
      .イ   i! .:.:| :i::..     丶 ノ     ,:.:.:./:i::.:.:. :i: . .   { {____.     | |  (_ ノ    )  }
     〃{   .}: :.:.{ :|::::i:>...      イ/.:.:/i:,′:.::.八 : .l  乂 ___ )    ._ノ         (__ノ
     {:i.:{   ハ:.:.:V :::|l:.:.:.}:.r } ̄ __ ノ/:.:./:./:.:.:.:. ::i{: . . {
.    八从 ,: .∧ :.{:::::リ::::::ノ 入_/'i{  /ィ /::/:.:.:.:. /::{:. . . .
       ∨ .:.:.:.\V‐≦ムイ  /》___.ノイ 7:.:.:.:. /廴:.. . .八
       /;..:.:.:.:.:./ \}!  r‐〉ォ´ ̄  }ノ /::.:.:.:./  , ヽ: .∧

穏乃「遅いよ玄さーん」

玄「ごめんなさい……」

憧「今ちょうど玄の話してたんだよね。玄のせいで全国大会敗退したって」

穏乃「そうそう、そのせいで私たちが和と対局できなかったんだよ」

玄「でも……大会終わった後ホテルに呼んで打ってた……」

憧「バカだな、全国大会っていう大舞台で打つことに意味があんの!」

穏乃「ほんっとに何もわかってないなあ、玄さんは」

玄「ごめんなさい……」

憧「ったく……ちゃんと自殺して責任とってもらわないとね」

穏乃「全然反省が見えないもんねえ」

憧「よし、今日からはもっと本格的に自殺の練習しよっか!」

穏乃「うん、そのほうがいいよ! もっと実践的なことしなきゃ!」

玄「ひっ……!?」

憧「今日は何にしよっかな~……あっ、そうだ! アレがあった」ゴソゴソ

穏乃「アレってなんだよ?」

やめろおぁぉおぁおおおおお

憧「じゃーん。バッファリンでーす」

穏乃「それをどうすんの?」

憧「うん、今日は服毒自殺の練習をしてもらおうかなって」

玄「ひっ…………」

憧「これは身体を良くする薬だけど、いっぱい飲んだら毒になるっしょ?」

穏乃「なるほどー、さすが憧! よく思いつくな~」

憧「はっはっはー、褒めるな褒めるなー」

玄「う、うう……」

憧「えーっと、中身は……10錠あるね。さあ玄、これ一気に飲んじゃって」

玄「いやっ、いやあ、無理だよお……そんなのほんとに死んじゃう……」

憧「大丈夫大丈夫、今ググったらバッファリンの致死量は20錠~200錠くらいだって」

穏乃「幅広過ぎだろ」

憧「だから10錠くらい飲んだって死にゃしないよ、ほらほら」

玄「や、やだよお……無理だよお、そんなの……」

憧「ほら、玄のための自殺の練習だよ? ちゃんとやらなきゃ練習にならないよ」

憧「しずー、飲み物持ってる?」

穏乃「お茶ならあるよ、はい玄さん」

憧「さあさあ、このお茶でぐいーっと流し込んじゃって」

玄「む、無理だよ……こんな……」

穏乃「んー、仕方ないなー……えいっ!」ガシッ

玄「いやっ、は、離して……」

穏乃「玄さんがいつまでも呑まないからこうするしかないんじゃん」

憧「グッジョブしず、そのまま押さえといてね!」

穏乃「おうよ!」

玄「い、いや……いやあああ!!」

ガチャ
宥「み、みんなー……久しぶり~……」

玄「お、おねえちゃ……」

憧「宥姉じゃん、どしたのー?」

宥「あ、その……みんなどうしてるかなーと思って」

憧「えー、みんないつもどおりだよー?」

穏乃「宥さん、今日はなんか用事ですか?」

宥「あ、ううん、塾がお休みだからちょっと息抜きに……」

憧「宥姉、受験勉強がんばってんですねー」

宥「ま、まあそれなりにね……それより麻雀打とう、久々に4人揃ったから」

憧「お、いいねえー」

穏乃「なんか麻雀うつの久々な気がする~」

宥「私も久々……腕がなまってなきゃいいけど」

穏乃「それはお互い様ですよ~」

玄(よ、よかった……宥姉が来たおかげでなんか有耶無耶な感じに……)

宥(ごめんね玄ちゃん……私に出来るのはこれくらい……)

憧「ほら、玄も早く座りなよ。もう始めちゃうよ」

玄「う、うん、ごめん……」

穏乃「よーし、勝つぞー」

宥「フフ、私だって負けないから」

玄(こうしてると……いつもどおりの麻雀部なのに……)

帰り道

憧「いやー、久々に打った打った」

穏乃「やっぱ麻雀やってる時が一番楽しいなー、ねえ玄さん」

玄「うん、私も皆と打てて楽しかった」

憧「は? なに友達ヅラしてんの?」

穏乃「皆と打てて楽しかった、だってー。ぷぷっ」

玄「…………」

憧「あっ、そういえば今日の自殺の練習、結局やれなかったね」

穏乃「ああ~、宥さんが来たせいで流れちゃってたね」

憧「どうする? 今からもう1回やろっか」

穏乃「バッファリンあるの?」

憧「いつのまにか失くなってたけど……まあ服毒以外にも自殺はいっぱいあるし」

穏乃「じゃあ何にしよっか」

憧「うーん、そーだな……あ、そうだ!」

玄(痛いのじゃありませんように……)

憧「ほら、ここって車いっぱい通るじゃん」

穏乃「大通りだしな」

憧「スピードも結構出てるし、飛び込んだら自殺できるよね」

玄「ひっ……!?」

穏乃「おおー、なるほど。でもそれって運転手に迷惑かからない?」

憧「まあ死んじゃえばそんなの関係ないでしょ。逆に慰謝料貰えるかも」

穏乃「慰謝料も死んだら関係ないじゃん」

憧「そっか、あははは」

穏乃「あはははは」

憧「とゆーわけで玄、走ってくる車に飛び込んでみよっか?」

玄「えっ、む、むりむりむり! そんなの絶対無理だよお!」

憧「無理とか言うからダメなんだって! ほら、練習だから」

穏乃「そうそう、玄さんのために色々考えてあげてるんだから」

憧「私たちの好意をムダにするわけ?」

玄「そ、それとこれとは……」

ブオオオーン  ブオオオオオオオ

憧「ほら、次こっちの車線に走ってきた車に飛び込んで!」

玄「む、無理だって! 絶対死んじゃうって!」

穏乃「死んだら今日が本番だったってことで」

玄「や、やだよおそんなの……!」

憧「あっ、車来たよ! ほら位置について!」

玄「やだ、やだ、やだやだ……」

憧「イヤイヤしてても意味無いでしょ! 勇気出して!」

穏乃「もう近づいてきた、今だよ玄さん!」

玄「い、いやあああ……」

憧「あーもう、じれったいなあ!」ドンッ

玄「ひ、ひやああああああああ!!」

キキーッ
運転手「てめえ、いきなり飛び出してくんな!」

玄「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ……」

憧「あちゃー、惜しいな」

憧「でも今のでコツは掴めたよね?」

穏乃「飛び出すタイミングとか、瞬発力とか」

憧「じゃあ今度は一人でやってみよっか」

玄「い、嫌……無理だよ……死ぬよ……」

憧「死ぬんだからいいんじゃん」

穏乃「そうだよ、どうせ玄さんは自殺して罪を償わなきゃいけないんだから」

憧「そうそう、今死ぬか、あとで死ぬか。その違いだよ」

玄「うう、う……」

玄(そうだ……二人の言うとおり……)

玄(いっそ死んでしまったほうが……楽になれるのかな……)

玄(お母さん……私、もうそっちに行ってもいいのかな……)

玄(もうこれ以上毎日の仕打ち耐えたって……しかたがないよ……)

玄(私は……私はもう……)

憧「おっ、またよさげな車が来たよ」

穏乃「いっけー、玄さ~ん!」

ブオオオオオオオ

玄「…………」フラリ

穏乃「おー、ついに一歩踏み出した!」

憧「ね、ねえシズ……なんか玄の様子が……」

穏乃「え、何が?」

玄「…………」フラフラ

キキイイイイイイイイイッ

ドオン

私の体は宙を舞った
しかし死ぬには至らず
運転手がブレーキをかけた上に当たりどころも良かったらしい
これなら階段から飛び降りた時のほうが痛かった……

穏乃ちゃんと憧ちゃんのパニクった顔……
あんなに青ざめるなんて、他人を自殺させようとしていたとは思えない
そうだ、あの2人だって所詮はただの高校生
いじめという遊びには興じても、一線を越えると立ち竦んでしまう
弱くて程度の低い人間なのだ

車から冷や汗だらけの運転手が降りてくる
私はそんな彼を横目に立ち上がり
そのまま家に帰った……

いや病院行けよ
てか強制的に連れてかれるだろwww

あのあと警察が来て色々あったらしいがよくは知らない
病院にも行かされて大仰な装置で全身を精密検査されたものの
ただの軽い打撲と擦り傷しかなかったので
翌日もいつもと変わることなく普通に学校に登校した
そして放課後は部室へと向かう

玄(まだ誰も来てない)

玄(そうだ、久しぶりに掃除でもしよう)

玄(あの大会が終わってから、掃除なんてしてなかった)

玄「…………」


ガチャ
憧「ちょりーっす」

穏乃「あ、玄さんもう来てたんだ」

憧「掃除してんの? 玄はそういう汚れ役似合うね」

穏乃「玄さん自体汚れてっからね……」

憧「あー、なんか薄汚いよね~、くさいし……」

玄「あ、あはは……」

憧「そうだ、私たちで玄を掃除してあげようよ」

なんということだ…
俺の穏乃が真性のクズだったとは…

ワハハの次は玄さんか・・・

>>103
さっきワハハの画像貼ろうぜスレが2レスで落ちた
既に放置プレイにまで事は及んでいる

>>105
なん…だと・・・?

穏乃「おおー、それは名案だねー」

憧「玄、モップ貸してー」

玄「や、やめてよお……汚いよお……」

痛みを伴わないイジメならば苦痛はない
心を殺してしまえば何も感じなくて済むから
でも無感情になりきってしまうと2人は喜ばない
形だけでも嫌がり、抵抗を見せて2人を満足させてあげなければならない

憧「大丈夫、玄よりモップのほうが綺麗だし!」

穏乃「はーい、玄さんきれいきれいしようねー」

憧「シズ、玄のことちゃんと抑えておいてね!」

穏乃「ほいきた!」ガッシ

憧「よーし、いくよー……そりゃっ!」ベチャッ

玄「ふぐ、ふむー! ふぐぐぅ……」

憧「おりゃ、おりゃおりゃ!」グイグイグイ

玄「んっふ、ふむぅ、ううむう……」

憧「あはははは、あはははは!」

穏乃「そうですかー玄さん、お掃除されてますけど!」

>>106
蒲原智美ちゃんの画像ください

ちなみに>>2は俺だ…誰か貼ると思ったのにこれだぜ…ワハハ…

そういえば、穏乃とか憧の画像ってあんまり出ないな~(チラッ

憧「まあこんなもんかな~」

玄「はあ、はあ、はあ……」

穏乃「どう、綺麗になった?」

憧「うーん……なってないねえ……汚れがこびりついてるしね」

穏乃「ああ、確かに……これは落ちないタイプの汚れだね……」

憧「こんな汚い顔のままで一生生きてくなんて可哀想過ぎる……」

穏乃「ほんとにね……しかもちょっとくさいし……」

玄「…………」

憧「もういっそ自殺したほうが楽になるよね」

穏乃「そうだね、そのためにも今日も自殺の練習しよっかー」

昨日のことはまったく懲りていないらしかった
本当にサル並の知能……そして男のことしか頭にないビッチ脳
寝て起きれば何があったかすっかり忘れてしまうらしい

憧「今日はこれでーっす。じゃじゃーん」

穏乃「おお、デカイカッターナイフ」

玄(刃物か……ちょっとやばいなあ……)

そのうち、コンクリ事件を玄ちゃんに置き換えたSS出てきそうだな

憧「これで腕を切ってさ、水につけるとどんどん血が流出していくんだよね」

穏乃「ああ知ってる、名探偵コナンで見た」

憧「ちょっと腕切るだけで、あとはほっとけば死ねるんだよ? 楽じゃない?」

穏乃「おおー、ヘタレの玄さんにはぴったりだねえ」

憧「はい、玄! 腕出して~」

玄「えっ、いや無理無理……そんなの……」

憧「いいから早く出しなって」

玄「い、いやだよ……人に切られるなんて」

憧「あー、じゃあ自分で切る? そのほうがいいっしょ」

穏乃「そーだね、そのほうが本番にも役立つしね」

憧「そうそう、本番は自分で切らなきゃいけないし。はい、カッター」

玄「うん……わかった……」

憧「お、すんなり切っちゃう?」

玄「切らないよ……刺すんだよ」

ザシュッ

やったか…

憧「あ…………え…………?」

穏乃「あ、あこっ!!」

憧「い、痛い……痛い……いいい……っ」

玄「はあ、はあ、はあ、はあ……」

刺した
この手で人を刺した
自分でも驚くほどあっさりと……
他人を傷つけてしまった

いや、違う……
傷つけたわけではない
今まで自分が受けた痛みを
ちょっと返してあげただけなんだ
痛みを、罪を、分かち合っただけなんだ

穏乃「玄さん! いったい何を考えて……!」

玄「うるさいいっ!!」

穏乃「ひっ……!」

玄「私に口答えしないで……また憧ちゃんを刺すよ……」

穏乃「わかった、わかったから……カッター向けないで……」

憧「いたい、痛いよおー……しずぅ~……」

アカン

これは抜けないわ

>>135
カッターナイフがか

玄「灼ちゃん……」

穏乃「えっ」

玄「灼ちゃんをここに呼んできて……今すぐに」

穏乃「な、なんで」

玄「許せない……私がいじめられてるの……見て見ぬふりして……」

穏乃「灼さんのことも、さ、刺すの?」

玄「刺してやる、みんな刺してやる……穏乃ちゃんも、灼ちゃんも……
  もう憧ちゃんを刺しちゃったから、何人刺しても一緒だよ……」

穏乃「おかしいよ、ちょっと落ち着いてよ、玄さん……何をそんなに怒ってるのさ」

玄「何に怒ってるって……穏乃ちゃんたちが私にやったこと忘れたの……?」

穏乃「忘れてはないけどさ、何でそんなに怒るのかな……ただの遊びだよあんなの……」

玄「えっ……!?」

穏乃「だからさ、そういうキャラじゃん、玄さんは……
   全国大会での敗因になって、そういう……戦犯キャラっつーの?」

玄「…………」

穏乃「そのキャラいじりをしてただけじゃん……そんなマジにならないでよ……」

やめろ…それ以上穏乃をクズに描かないでくれ…

怜「人が死んでんねんで!」

玄「殺してやる……」

穏乃「えっ」

玄「な、なにがキャラいじりなの……なにが戦犯キャラなの……
  そんなくだらないことで私はあんな、あんな目に……」

穏乃「だからさ、そんな怒らないでって……
   玄さん的にも美味しいポジションだったっしょ?」

玄「うるっさあああい!」ザシュッ

憧「ひぎゃああああ!」

穏乃「あ、憧!」

憧「し、しずぅ……これ以上玄を刺激、しないで……い、痛い……」

穏乃「わ、分かった……」

玄「はあ、はあ、はあ、はあ……」

穏乃「く、玄さん、とにかく落ち着いて……玄さんの気に触ることしてたなら謝るよ、ごめん」

玄「今更ゴメンで済むと思ってるのっ!」ザシュッ

憧「ぎゃああああ!!」

穏乃「そ、そんな……どうすりゃいいんだよ」

穏乃が憧を盾にしている状況が思い浮かぶ

阿知賀一可愛い憧ちゃんにばかりダメージいってて泣いた

>>165
あん?誰が阿知賀一だって?

玄「いいから穏乃ちゃんは早く灼ちゃんを連れてきて!!
  このまま私の眼の前にいたら、今度は穏乃ちゃんを刺すから!!」

穏乃「わ、わかったよ……灼さん連れてくればいいんだね」

玄「そうだよ……早く行って!」

穏乃「す、すぐ行くよ、カッター向けないでよ……」タタタッ

玄「はあ、はあ……やっと行った……」

憧「痛い、痛い、痛いよぉ……痛いよお……」

玄「…………」

憧「も、もう刺さな、いで……本当に、痛いの……痛い……」

玄「痛いのなんて分かってるよ……同じようなことずっとされてきたんだから」

憧「ごめんなさい……ごめん、なさい……ごめん……」

玄「憧ちゃんも穏乃ちゃんと同じこと考えてたの?」

憧「ちょ、ちょっとやりすぎてるかな、って、思った、ことも、あったけど……
  シズと二人で、やってると、気が大きくなるっていうか、罪悪感、忘れるっていうか……」

玄「そう」

憧「もうやらないよ、ごめん、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」

>>168
ごめん。奈良県一可愛いの間違いだった……

>>176
お前ちょっと若草山に来い

なら灼はボウリングの玉で撲殺だな

玄「謝っても許さないよ……
  全国大会で負けた時、私何度も謝った……でも許してくれなかった」

憧「はあ、はあ、はあ……」

玄「でもみんなが私を本気で怒ってるなら、憎んでるなら、
  それは全部私のせいだから……甘んじて受け入れるつもりだったよ」

憧「はあ、はあ、はあ……」

玄「でもそれが……戦犯キャラとして、いじるためだったなんて……
  あなたたちのお遊びのために、怒られて憎まれて許されなかったなんて……!」

憧「ごめん、ごめん……ごめん……」

玄「灼ちゃんが来たら、まず灼ちゃんを真っ先に殺す……
  次に憧ちゃんを……穏乃ちゃんも……じっくり傷めつけて殺してやる……」

憧「やめで……殺さないで……お願い……お願いだから……なんでもするから……」

玄「宥姉だけは見逃すけど、他の部員はみんな殺してやる……
  赤土さんも見つけだして殺してやるから……」

憧「……やめて……そんなの……玄らしく、ないよ……」

玄「麻雀部なんて、なくなってしまえばいいんだ……!」

ガチャ
穏乃「た、ただいま!」

殺れ、薙ぎ払え!

玄「やっと帰ってきた……遅かったね」

穏乃「灼さんも、つれてきたよ」

灼「玄……ごめんなさい、今まで」

玄「謝ったって許さない……なんで今まで助けてくれなかったの……
  穏乃ちゃんや憧ちゃんと一緒に私のキャラいじりを楽しんでたの……?」

灼「……いや、キャラいじりというよりイジメだっていうのは分かってた……でも……」

玄「でも……何?」

灼「そういうことに関わるの……怖かったから……」

玄「自分が怖かったら、私がどうなってもいいの……?」

灼「それは……違うけど……」

玄「じゃあどうしてずっと見て見ぬふりをしてたの!?」

灼「ごめん……!」

玄「謝ったって許さないって言ってるじゃない……!」

灼「ひいいっ!」

ザシュッ

玄「…………」

血に染まった麻雀部室…

そこには、紅く染まった十五萬牌が

やさしく、鈍く、光を照らしていた…ってか

玄(あ……あれ……?)

玄(どうして体から力が抜けていくんだろう……)

玄(私いま、灼ちゃんを刺したのに……灼ちゃんは無傷……?)

玄(なんで……なんで、私のお腹……こんなに熱いの……?)

玄(穏乃、ちゃん……? その手に、持ってるのは……)


穏乃「は、あははは……無防備なままで戻ってくるわけないだろっ」

灼「間一髪……」

憧「し、しず……よくやった……!」


玄(そうか……私、頭に血が上ってて、そんな簡単なこと思いつきもしなかった……)

玄(こんな肝心なところで抜けてるから……いじめられちゃうのかなあ……)

玄(私ってホント……ダメだなあ……)


穏乃「こ、この殺人狂、人非人! 憧を刺したりしてっ!」

玄「みんな……も……私を……刺したよ……」

灼「この場合は、正当防衛」

おい…俺の穏乃が殺人犯になっちまったぞ…

憧「はあ、はあ、はあ……よくも、やってくれたわねっ……」ゲシッ

穏乃「私たちに逆らったらどうなるか、分かってたでしょっ」

灼「玄は切れたら危ないタイプだと思ってた」

玄「はあ、はあ、はあ…………」

穏乃「おとなしく私らにいじられてれば良かったのに!
   毎日の暇つぶしの道具になってれば良かったのに!」ゲシゲシ

憧「玄のくせに、玄のくせに、玄のくせに、玄のくせに……!!」

灼「惨めだな。大会終わった時点で、部活やめてればよかったのにさ」

玄「……わた、しは……みんなと、一緒に……いたく……て……」

憧「そういうの、マジで、ウザいんだよっ……!」

灼「いまどきそういうの流行らないよ、玄」

穏乃「ああ、もういいや。もう一発刺して、黙らせちゃお」

憧「私に、やらせてよ、しず……」

穏乃「その体でちゃんと刺せるの?」

憧「大丈夫、だよ、こんな奴、一人殺すくらい……!」

ザシュッ

全員L5患者なのか

池田ァ「上級生には敬語使え」


―――――――――――――

――――――――――

―――――――


玄「あれっ? ここは……」

玄「麻雀卓……全国大会の対局室……?」

玄「どうしてこんなところに……」


怜「あんたもここに来たんか」

玄「お、園城寺さん!? ここは何なんですか……?」

怜「簡単に言えば、死後の世界かな。ちょっと違うかもしれんけど……
  まあ、私らが既に死んだっていうんは、間違いないことや」

玄「死んだ…………そうか、あの時、憧ちゃんに刺されて……」

怜「なんかえらい壮絶な死に方したみたいやな」

玄「色々ありまして……で、ここは一体……」

怜「私もよう分かってへんのやけど……
  あんたが来たことでひとつの仮説に確信が持てたわ」

トキ…病んでさえいなければ

次に>>215に来るのは池田だな

>>218
??「ワハハ。あれー?ここどこだー?」

??「ん…あれ?なんで衣達はこんな場所にいるんだ?さっきまでみんなと楽しくドライブしてた筈…」

http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3168667.jpg

穏乃「…っていう夢を見たんだよ」

というオチになっていただきたい

玄「仮説? なんですか?」

怜「私らはここから人生をやり直せるっちゅうことや」

玄「どういう……ことですか?」

怜「私は、全国大会のあと、回復することなく死んでしもうた……
  あの先鋒戦で先の手を読む力を使いすぎてしもたのが原因や」

玄「は、はあ……そうだったんですか……」

怜「そしてあんたも、この先鋒戦で点を取られすぎたせいで、
  阿知賀を敗北に導いてしまった」

玄「はい、そのせいで、私は皆からいじめを受けて……死にました」

怜「やっぱりそういうことか」

玄「そういうことって、なんですか?
  人生をやり直せるっていうのはいったい……」

怜「ここが死後の世界なら、いずれは宮永照や花田煌もやってくる。
  そうしたら、あの忌まわしい先鋒戦の再現が出来上がりや」

玄「……もう一度、あの4人で打つ……?」

怜「そう、あの時とは違う結果を、違う未来を狙って打つんや。そうしたら……」

玄「そこから新しい人生をやり直すことが出来るってことですか」

怜「まあ、あくまで仮説やけどな。
  でもこんなお膳立てがされてたら、それ以外に考えられへんやろ」

玄「ですね……」

怜「私はなるべく力を使わんように打つ。
  あんたも頑張って失点せんように打ったら、結果は変わってくるわ」

玄「私が戦犯キャラになっていじめられることもなくなりますね……」

怜「そうや。変えるんや、未来を……いや、過去って言うたほうがええかな?」

照「どちらでも構わない」

玄「宮永さん!」

怜「あんたも死んだんか」

照「ああ……あの先鋒戦でコークスクリューを使いすぎたせいで、
  右腕が動かなくなり……麻雀が打てなくなった。そして……」

怜「自殺か?」

照「…………」

怜「まあ、なんでもええわ」

玄「宮永さんもこの先鋒戦がきっかけで人生が……」

怜「呪われた運命の集約点がここっていうわけやな。因果なもんやで」

煌「みなさんお揃いで。すばらです」

玄「花田さん……」

煌「いやはや、私もあの先鋒戦のあと色々ありましてね。
  あれからずっと捨て駒を任されるもんですから、流石に嫌になって。
  学校から飛び出して道路に出たところをボカーンですよ」

怜「それはそれは」

照「そんな身の上話はどうでもいい。始めよう」

煌「ええ、我々の人生を取り戻すために」

怜「未来を変えるために戦う……そう、私らは言うなればFuturistic Player」

煌「なんかカッコいいですね。すばらです」

玄「今度は、負けません」

照「コークスクリューがなくても勝ってみせる」

怜「2巡先を読む程度にとどめておくわ」

玄(これは私のためだけじゃない、みんなのためのチャンスでもある……絶対負けられない!)


    『さあ、準決勝、先鋒戦……スタートです!』 

        裂 -Saki- 阿知賀編   完

長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいました!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです(正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じています。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸れたのか、それは人それぞれだと思います。
少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちになってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にありがとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお願いします!ではこれにて。
皆さんお疲れ様でした!

誰が実況してんの?

アラフォーとこーこ?

やっぱ玄ちゃん意外クズしかいないよな

>>253
ID通り、お空にぶっ飛ばしてやろうか?

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