P「空白は甘え」(267)

P「また不採用か…」

P「二年も空白期間があると再就職は厳しいな」

P「まだ20代だからヨユーだろと思ってたのに」

P「はぁ~」

P「職にありつける気がしねぇ~」

P「あークソ!」

P「765プロが倒産した時にさっさと次の就職口探せばよかった」

P「なんで俺は二年も遊んでいたんだ…」

P「貯蓄もそろそろやべぇ」

『コーヒー一杯のオマージュ♪』

P「んあー?この声は…」

P「街頭ディスプレイ…歌番組の生放送か」

『コーヒー一杯のイマージュ♪』

『この青空に広がーる♪』

P「まこりん…マミマミ…超絶天使響ちゃん…」

P「う…うぅ…」

P「あの三人と俺…どうして差がついた」

P「慢心…環境の違い…」

765プロ倒産後、真と真美、そして超絶天使響ちゃんの三人は
メジャーレーベルの一つ、エルダーレコードに拾われていった。

765プロ時代は結局大きなステージに立たせてやれなかったが
今のレコード会社に行ってからは冠番組を持ったりビッグステージでプレイしたりと大活躍だ。

P「会社の金の力もあるんだろうけど、プロデューサーがいいんだろうなァ~」

言ってて虚しくなってきた。

P「あーくそ、さっさと帰ろう」


『甘い企み~あなたにあげる~♪』

自宅アパート手前

P「…」

P「うげっ…また俺の車に鳥の糞が」

P「しかも五発も」

P「クソ鳥が…殺すぞ!」

ローンの残っている糞まみれの車を眺めていたらいよいよ胃が痛くなってきた。

P「イカン」

P「さっさとシャワー浴びて今日は寝よう」

P「ただいま~」ガチャ

響「プロデューサー!おかえりなさい!」

P「うっ…響!?何故ここにいるんだ」

響「プロデューサーに逢いたくて…来ちゃったぞ!」

P「言ってくれれば部屋も綺麗にしておいたのに」

響「いいんだ。自分はありのままのプロデューサーが好きだから」

P「響…」

P「…」

P「…」

P「虚しい妄想だ」

P「響ニーしてさっさと寝よう」


P「響…響…」シコシコ

P「あああああああいいいいいいいいい響の中いいいいいいいイクうううううううううううううう」



P「俺は一体何を…」

翌朝

P「う~んこの目覚めの悪さ」

P「響ニーはハッスルしすぎてやばい」

P「もう響ニーなんてしないよ」




P「出すよだすよ!響ちゃんの中に出すようあああああああああああ」シコシコシコ

P「ふう…」

翌日

P「面接の帰りに買ってしまった」

P「真たちのユニットのライブBD」

P「…なんだか凄くみじめな気がするが気しない!」

P「ぐへへ…これで唄って踊れる響ちゃんがいつでも見れるで」

P「しゃあっ!BD再生スタート!」ピッ

P「はぁ…はぁ…」

P「うっ」

P「しまったつい!」

P「なんてことだ…こんなにも響ニーが捗ってしまうなんて…!」

P「このBDは危険だ」

P「続きを見るのはもう明日にしておこう」

翌日

P「くそっ…また不採用通知が」

P「あんなクソ会社こっちからお断りだボケ!」

P「朝から不愉快だなおい」

P「しゃーねぇ」

P「響ちゃんBD見て機分転嫁するか」


P「あー響可愛いよ響」シコシコ

P「天使すぎる…なんでこんなに可愛いんだ」シコッシコ

P「ふう…疲れたな」

P「今日は昼からハウスメーカーの中途採用の説明会があったけどいいや…」

P「響ちゃんの余韻に包まれながらもう一眠りしよう」

P「おやすみ響ちゃん」

響ちゃんの抱き枕にしがみつきながら眠りについた

一週間後

真美『会場のにいちゃんたちー!楽しんでるー!?』

P「何度見ても素晴らしいなこのBDは」

真『みんなー!今日はありがとー!』

P「やっぱり華のある人間は違うもんだな」

響『自分たち!とっても幸せだぞー!』

P「響ちゃん…響ちゃん…」シコシコ

P「ふう…」


P「駄目だ…!このままじゃ駄目だ!」

P「自分を買えないとこの生活は変わらない!」

P「自分リスタート!だっ!」

P「…」

P「新生活を始めるためにも響ちゃんの自分リスタート聴こう」

P「ぃぃゎぁ…耳が幸せ…」

ピンポーン

P「チッ…うっせーなー」

ピンポーンピンポーン

P「んだぁ…また宗教勧誘か糞が」

P「俺が欲しいのは神の愛じゃなくて職なんだよボケが」

ピンポーンピンポーン

P「うるせーボケ!さっさと失せろや!」

…シーン

P「・・・ったく」

P「折角響ちゃんのジブリ聴いてたのに耳が汚れたな」

響「うぅ…なんかどなられちゃったぞ」

真「あれれ…今日は機嫌悪いのかな?」

真美「ひびきーん、まこちーん、出なおした方がよくなーい?」

真「そうだね、日を改めてまた来ようよ」

響「うぅ…やっと居場所がわかったのに」

真美「しょうがないよひびきーん、場所がわかっただけでも良しとしよーよ」

響「…そうだな!また来るさー」



P「イイ…すごくイイ…」シコシコ

それから更に一ヶ月後

P「はぁーくそ、結局ドカタのバイトしかありつけねーか」

P「バイトでも使ってもらえるだっけマシか」

P「…しんどい」

P「さっさと帰って響ニーして寝よう」

P「ん…あれは…?」


ピンポーン ピンポーン

響「プロデューサー!いないのかー!」

P「は?」


ピンポーン ピンポーン

響「うぅ~…今日はいないのか」

響「なんかタイミング悪いなぁ」

P(何故響が俺んちの前に…)

P(何やってんの?なんでいんの?)

響「しょうがない…出なおすさ」

P(やっべこっち来る!)ササッ

P(あれ?なんで俺隠れてんの!?)

響「ちぇー」

P(おいおいおいおい隠れる理由が無いだろ!)

P(ちょっとここから飛び出して声をかけて…)

P(そんだけだろ!)

P(行け!俺!)



P「響行っちゃった…」

P「なんなんだ」

バタン

P「ふぅ…ようわからんが心臓に悪いな」

P「…」

P「…」モゾモゾ

P「ニーできそうにねぇ」

P「今日はもう寝よう…寝るんだ」

P「何かの間違いだ…こんなところに響がいるわけがない」

P「バイトして…いつかは就職して…車のローンを返すんだ…」

翌日

ドカタA「俺やっと車買ったんすわwwwwwwやっとwwwww」

ドカタB「お、ほんまか?何こうた?」

ドカタA「セルシオっすわwwwwww」

ドカタB「うわっ出たでェ田舎ヤンキー大好きセルシオwwwwww」

ドカタA「なんスかwwwwwセルシオいいじゃねぇっスかwwwwww」

ドカタB「趣味ワリィなジブンwwwwwww」

ドカタA「ウソだwwwwwPクンもセルシオ好きっしょ?wwwww」

P「あまり俺の好みじゃないですね」

ドカタA「おまえらおかしいわ!セルシオ最高やろ!」

ドカタB「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ドカタC「おまえらいつまで騒いでんでだよ…もう休憩終わっただろ」

ドカタA「サーセンwwwwwwwwww」

ドカタB「いやAがね」

ドカタC「はよいけや」

P「はい」

ドカタC「あぁ、Pはちょっと待て、ハナシがある」

P「えっ話ですか」

ドカタA「説教っスかwwwwwwwww」

ドカタC「うるせーさっさと行け!」

P「えっクビですか」

ドカタC「簡単に言うとそうなるな」

P「ホ…ホワイ…?」

ドカタC「お前全然体力無いじゃん」

ドカタC「何やらせてもすぐへばるし…」

ドカタC「最近は少しずつ体力付いてきたみたいだけど」

P「そ、そうですよ!これからですよ!」

ドカタC「でもまぁさ、会社はこれから使えるかもしれない人間よりも今すぐ使える人間が欲しいんだとさ」

ドカタC「頭使う仕事じゃねぇし、結局はそういうことよ」

P「ヒエ~ッwwwwwwwwwwwwwwww」

ドカタA「どうしたwwwwww」

P「今週イッパイでクビみたいっス」

ドカタA「ちょwwwwwwwまじでwwwwwww」

ドカタB「あーらら」

P「今までお世話になりました」

ドカタA「まだ月曜じゃんwwwww別れのアイサツはえーわwwwww」

ドカタB「辞めるまではちゃんと働いてや」

P「はい」

ドカタA「はいじゃないがwwwwwwwwwwww」

土曜

P「今までお世話になりました」

ドカタA「うぇーいwwwwwwwwwwww」

ドカタB「ほなな」



P「また無職かぁ」

P「これはまずい」

P「あっ、またマイカーに鳥のクソが」

P「んもーなんなのよ」

P「なんなんだこのクソは!」

P「いや、クソは俺か…」

P「もう寝よう」


P「えーっとカギカギ…」

「にーちゃん!」

P「えっ」

真美「にーちゃんだ!やっぱりにーちゃんだ!」ダキッ

P「うわ!?真美!?なんで」

真美「真美たちずっと探してたんだよ!にーちゃんのこと…」

P「え…」

真美「にーちゃん…」

P「真美…」

真美「くっさ!にーちゃんくっさ!」

P「ドカタやってるからな、汗はすんげーかいてるからな」

真美「オエー!」

P「そ、そこまで臭くないだろ!」

真美「上段だよにーちゃん…ups!」

P「…」

真美「にーちゃん今時間ある?」

P(ま、まずい…これじゃ逃げれない…)

P「あ、ありゅけど」

真美「じゃあさ!久々にご飯食べに行こうよ!曇る話もあるし!」

P(積もるか?)

P「あ、あー…いいけど」

真美「やった!」

P「で、でもちょっと待って!着替えて…あとシャワー浴びたい」

真美「ウンウン!それについては真美からもお願いするYO」

真美「上がって待ってていいっしょ?」

P「あ、アイドルが男の部屋にあがってはイカンでしょ」

真美「ちぇー」

シャアアア

P「どうしてこうなった…」

P「真美たち探してたってことは…他の子もだよな」

P「じゃあこの前いたのはやっぱり響?」

P「でもなんだって今更…俺なんかに用はないだろ」

P「それとも…事務所や担当プロデューサーが変わるだけで成功したぞとか言われるのかな」

P「俺の能力を否定されるの…もう嫌だなぁ」

P「お腹痛いとか適当に言って拒否ろう」

ガチャ

P「ま、まみ~」

真美「あ、遅いよにーちゃん!」

真美「っていうか何そのカッコー?ジャージじゃん」

真美「んむむ…レディーとディナーだというのにその格好は許せませんな」

P「す、すまん」

P「やっぱり俺さ今日はちょっと・・・」

真美「あ!来たよにーちゃん!」

P「え、来たって何が」

真「プロデューサー!お久しぶりです!」

P「まこっ」

響「プロデューサー!ひさしぶり!」

P「まこりん…」

P「ゑ?」

P「ちょ、真美これは」

真美「んっふっふ~、にーちゃんがシャワー浴びてる間に呼んでおいたのだ~!」

P「アカン、マジで腹痛くなってきた…」

響「ごはんどこ行こう?」

真「ちょっと遠いけどあの店とかどうかな?ほらこの前行った…」

真美「あー!あそこね!いいね行こう行こう!」

真「プロデューサー、すいませんけど車出してもらっていいですか?」

P「お、おう」

真美「うわ~、にーちゃんの車乗るの久しぶりだよ」

響「真美乗ったことあるのか?自分はじめてたぞ」

真「すっごい揺れるよ!雪歩なんて後席で吐きかけちゃってさ…」

P「え、ちょっと?どこ行くの」

真「あぁすいません!ボクが助手席で案内しますんで!」

P「そ、そうか」

P(今をときめく人気アイドルグループとドライブデートとか…ファンが知ったら血涙流すなこりゃ)

真美「あれー?こんなに狭かったけ?」

響「真美が大きくなったんじゃないか?」

P「そうだろうな。真美も今年で15だろ?」

真美「ちょっとー!レディーに年齢を言うとか礼を失してるよにーちゃん!」

P「なにっ!」

俺と結婚してるから

真「っでぇー…次の信号を右折したらしばらくまっすぐで」

P「オーウ」

真美「うぅ」

響「気持ち悪い…」

P「ちょ!おまえら中で吐くなよ!」

響「まだ大丈夫…たぶん」

真美「ロケバスとかで車酔いは馴れたと思ってたのに…」

真(案内役買って出て助手席取って良かった…)

真「この店ですよ!プロデューサー!」

P「おぅ」

真美「やっと着いた…」

響「ops…」

P「ほら!トイレはすぐそこだぞ!」

真「プロデューサー!アイドルはゲロなんか吐かないし便器に顔突っ込んだりだってしないんです!」

P「アイドルがゲロとか便器とか言うなよ…」

P「っていうか結構立派な店なんだけど…」

P「俺はってきりファミレスとかだと思ってて持ち合わせが…」

真「ダイジョーブです!ボクらが払いますから!」

P「そ、そう」

P(こんな店知ってて…金払いも問題ねーってか)

P(もう完全に違う世界の人になってんな)

響「空きなら移動中に確認したから大丈夫だぞ…」

店員「ラシャセぇ」

真「こんばんは」

響「個室で」

店員「どうぞー」

P「何この…何この常連感」

真美「今の担当プロデューサーのお気に入りの店なんだよ」

P「そ、そう」

P(ファミレスで打ち上げやるようなプロデューサーじゃないのね)

真「この中に一人、底辺がいますwww」

真美「そーーーれーーーーはーーーーwwww」

P(そんなん言われたら居づらいだろ…)

P(いじめか、おい)

真「いや~こうして話すのって久しぶりですよね!プロデューサー」

P「え、ああそうね」

響「自分たち、ずーっとプロデューサーに会って話がしたかったんだ!」

P「そ、そうなんだ」

真美「あれ?にーちゃん元気ないね、どったの」

P「そそんなことないで」(ニッコリ)

P「でもみんなアレだな!アレ!」

P「すごく美人になった!」

真「そ、そうですかぁ?」

真美「ふっふー、たしかに真美はセクシーレディになってしまったね…」

響「キャラは15になっても変わってないけどな」

真美「ぶー!そんなん言ったらひびきんだってそうっしょー?」

響「そんなことないぞ!自分はこの二年でもっとクールでダークネスサンスポット的な…!」

P「二年か」

三人「へ?」

P「俺はこの二年間ボケッと過ごしててよ…」

P「月日の流れなんてあっという間に思ってたけどさ」

P「お前らに会ってわかったよ」

響「わかったってなにが?」

P「二年は…十分長いって」

P「人が成長するには十分な時間なんだなって」

真「プロデューサー…」

P「…」

真美「もー!なにおっさんくさいこと言ってんのにーちゃーん!」

真美「まこりんもしんみりしてないでさ!たのもうよ!」

響「そ、そうだな!プロデューサー!このお店の料理とっても美味しいんだぞ!」

P(だろうね)

真美「ホラホラ!にーちゃん刺身好きだったっしょ!この盛り合わせが…!」

P「わかった、わかったから真美!」

            l
   / ̄ヽ     l               お

   , o   ', 食じ l         _     .お
   レ、ヮ __/  べゃ l       /  \
     / ヽ  よあ.l       {@  @ i   美
   _/   l ヽ う早 l       } し_  /   味
   しl   i i  速 l        > ⊃ <   し
     l   ート   l       / l    ヽ   そ
 ̄ ̄¨¨~~ ‐‐‐---─|\       / /l   丶 .l  う
      ___    |  \   / / l    } l  な
 /ニュ トーイ    l     \ユ¨‐‐- 、_  l ! 刺
 ヽ廿'  .`廿'    l      ` ヽ__  `-{し|  身
   n  .____  l           `ヽ }  だ
  三三ニ--‐‐'  l   巛ミ彡       \  
 ̄ ̄ ¨¨¨ー─‐‐--- ,,, __ ____      \

      ,, _    |         ̄¨¨` ー──---
モパ  /     `、  |          _
グク /       ヽ .| モパ    /   ヽ モパ
モパ./  ●    ●l | グク   l @  @ l グク
グク l  U  し  U l | モパ   l  U  l モパ
   l u  ___ u l | グク  __/=テヽつ く グク
    >u、 _` --' _Uィ l    /キ' ~ __,,-、 ヽ
  /  0   ̄  uヽ |    l  ヘ  ゝ__ノ-' ヽ
. /   u     0  ヽ|    ~ l   ヽ-┬ '
 テ==tニト      | ̄ ̄て'---、─----‐‐─ヽ
/ ̄) ̄        ト'    ト= -'   <ニ>

真美「ちょ!なんで泣いてんのにーちゃん!」

P「え?泣いてるか俺」

真美「う…うん」

P「はは…」

P「泣ける程美味いんだよ」

真美「…」

響「えっと…」

真(これはやばい)

P「酒はえーっと」

真「ちょ!プロデューサー!車でしょう」

P「あー、ああそうだ」

真「まったく…」

響「プロデューサー!」

P「あ?」

響「プロデューサーなんでしょ?今の会社に自分たちを推してくれたのって!」

P「…」

響「自分たちずっと…ずっとプロデューサーに会いたかったんだ!」

響「今の自分たちがあるのはプロデューサーのおかげなんでしょ?」

P「実際にエルダーと話をつけたのは社長だよ」

P「俺は社長に面倒事を振っただけだって」

響「振っただけって…でもみんなそれぞれのウリに合わせて事務所移ったじゃん!」

響「プロデューサーがみんなのこと考えて移動先割り振ってくれたんでしょ!?」

響「会社が終わってそのまますぐプロデューサーとは連絡取れなくなっちゃって…」

響「自分たちずっと言いたかったんだ!」

響「ありがとうって!」

P「…」

P「お礼言われるようなことじゃないって」

P「そもそももっと早くヨソに移ってた方がお前らのためだったろうに」

P「エルダー行ってからメキメキ頭角現したんだからよ」

P「俺が担当した一年…無駄遣いして悪かったな」

真「な…なんで」

P「?」

真「なんd」
真美「なんでそんなこと言うのにーちゃん!」

P「!?」

真美「真美はにーちゃんといた…みんなといた765プロの一年間とっても楽しかったよ!」

真美「あの一年間は真美の宝物なんだよ…!」

真美「それを無駄だったなんて…言わないでよぉ…」

響「ま、真美」

P「…そうだな」

真「ご、ごめんなさいプロデューサー!真美ちょっと興奮しちゃったみたいで」

P「いいよ」

真「でも、ボクも真美と同じことを言いたいです」

真「あの一年があるからこそ今のボクたちがあるんです」

真「楽しかったとかいい経験になったとかそんな安い言葉じゃなくて」

真「もっとこう…魂からアツくなれるというか…」

真「んー!上手く言えないな」

P「そうだな、すまなかった」

真美「うぅ…」

真「プロデューサー…」

P(やっちまった…適当に楽しくやっときゃよかったのに)

P(帰りの車内空気悪そうだなぁ)

響「…」

響「結構食べて話もしたし…今日はそろそろいいかな?」

P「そうだね」

真「プロデューサー、今日はありがとうございました!」

P「いやこっちこそ」



真「会計はカードで」

店員「はい」pi

P「ヒエ~ッwwwwwwwwwww」

ボボボボ…

真「あ!プロデューサー!ボクと真美はこの辺でいいです!」

響「!?」

P「そう?」

真「響んちはここから近いんでそのまま送ってあげてください」

P「バレたらエルダーの人に怒られそうだけど…わかったよ」

真美「にーちゃん、今日は真美のわがままに付き合ってくれたのにごめんね。ありがとう」

P「そんなしょんぼりするなよ真美。せっかくのせくちーレディーが台無しだぞ」

真美「う、うん」

真「それじゃ!失礼しまーす!」

真美「おつかれー!」

P「気をつけてかえれな、おやすみ」


ボボボボ…

P「真も真美もすんげー美人になってんだな、たまげたなぁ」

P「特に真なんて美人モデルみたいになってんじゃん」

P「いや、そこらへんのモデルよりも美人だけどさ」

響「それ真に面と向かって言ってあげれば良かったのに」

P「そんなん口説いてるみたいでなんか恥ずかしいだろ」

響「…今更そんなこと言うんだ?」

P「へ?」

P「今更ってなに」

響「べっつにィー!」

P「なんだよ…」

P(ほああああああああああああああああああああああああああ)

P(響ちゃんと車内にふたりきりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい)

P(このままっどっか行きたい!)

P(響ちゃんとどっか行きたい!)

P(響ちゃんと二人だけの世界にランデブーしたい!)

P(そして俺は響ちゃんにランデブーするの!んほおおおおおおおお)

響「プロデューサーはさ」

P「ん」

響「自分たちのこと変わったって言うけどさ、プロデューサーも変わったよね」

P「…そうかもな」

響「自分はさ」

響「ずっとプロデューサーにプロデュースしてほしかったぞ」

響「ううん、自分だけじゃない」

響「きっとみんなだってそう思ってた」

P「…」

響「プロデューサーはいつも優しかったけど優しいだけじゃなくて」

響「自分たちのためならちゃんと叱ってくれたし」

響「業界や仕事のことだけじゃない、人としての在り方とか人との付き合い方とかも教わったさ」

響「この人はちゃんと自分たちのことを見てくれてるって」

響「ちゃんと考えてくれてるんだって」

響「だから自分もみんなもプロデューサーを信じたんだと思う」

P「そう…」

響「でも今日のプロデューサーは自分たちが信じた人とはなんか違ったさ」

P「…」

響「なんていうか…プロデューサー自身がプロデューサーのことを信じてないっていうか」

響「変な言葉だけど…そんな感じ」

P「響はすごいな」

響「え」

P「可愛くて…唄も上手くてダンスも上手い、更には性格もいい子だ」

響「へへ…なんかこそばゆいな」

P「更によく人を見てるときたもんだ」

P「本当に…変わったんだな」

響「うん」

響「周りを見ずに自分のことばっかじゃいけないって教えてくれたのもプロデューサーだぞ」

P「でもまっすぐなところは変わってない」

P「人間の本質は変わらないんだな」

響「本質…?」

P「要は今のザマが俺の正しい姿ってことさ」

P「職も環境も無くなって地金が出ただけだ」

P「響が見抜いたカスが俺の本来の姿ってことだな」

響「プロデューサーはカスなんかじゃないぞ!」

P「俺はプロデューサーじゃねぇ」

響「!」

P「だから…だから逢いたくなかったんだよ…」

響「え…?」

P「こんな俺…響には見られたくなかったよ」

響「プロデューサー…?」

響「ちょっと!いきなり何を…」

P「着いたぞ」

響「プロデューサー!」

P「プロデューサーじゃねえつってんだろ」

響「…!」

P「もう十分だろ、もう来るなよ」

響「ぷろ…」

P「あんま男とフラフラ出かけたりするなよ、抜かれるとファンが悲しむ」

P「じゃあな」

響「プロデューサー!」

内心を押し殺して、格好つける様から漂う童貞臭
嫌いじゃない

響「自分はプロデューサーがこの二年どうやって過ごしてきたのかは知らない!」

響「でも!今のプロデューサーは道に迷ってるだけだと思う!」

響「自分も!東京出てきたばっかのときは周りが見えなくて迷ってたんだ!」

響「でも!その時自分を助けてくれたのがプロデューサーなんだ!」

響「だから!今度は!自分にプロデューサーを助けたい!」

響「それも…だめなのか…!?」

P「…」

P「なんでお前にそこまで言われきゃいけねんだ」

P「惨めだろ…もうやめてくれ」

響「そんな…」

P「さよなら響」

ブォン

ボボボボ…

響「なんで…なんでだよ」



P「いいんだ…」

P「これでいいんだ…」

P「もう…いいんだ」

(´;ω`)モワッ

翌朝

ピンポーンピンポーン

P「チッうるせーなー」

P「また宗教の勧誘か?ガツンと言ってやるか」

ピンポーンピンポーン

「おううるさいからやめろや!」

ガチャ

響「はいさい!」

P「」

P「あれー」

P「昨日の今日だろうが…」

P「オラッ帰れ!」

響「帰らないぞ!」

響「プロデューサーに教わったんだ」

響「一度や二度の失敗であきらめるなって」

響「大事なものは絶対に失くすなって!」

P「大事なものは失くすなって…」

P「そりゃ春香がよく忘れものや落し物をするから注意したのであって…」

響「同じだよ」

響「自分の忘れものはプロデューサーだよ」

P「!?」

響「765プロが倒産してからずっと忘れてたんだ」

響「でも昨日やっと見つけたんだ」

響「もう…なくしたくないぞ…」

P「響…」

P「そんな真っ直ぐな目で俺を見るな」

響「なんで?」

響「心が揺れる?」

P「お前は本当にまっすぐなやっちゃな…」

響「何と言われようともう決めたんだ!」

響「プロデューサーには絶対自分といてもらうって!」

P「…!」

響「ちょっとあがるね、中で話そうよ」

P「ちょっ待っ」

響「」

P「あぁあああ…」

響「なにこれ?」

P「いやそれはその」

響「抱き枕じゃん」

響「自分のだぞ」

P「いやそれはだな」

響「これアレでしょ?ピヨ子が作ったけど企画倒れしたセクシー抱き枕」

響「全部廃棄したって言ったよね?なんで持ってるの?」

響「あれあれ?」

響「昨日さんざんほっとけとかもういいとか言ってたのに」

響「なになに?ねえこれなに?」

P「」

響「え?」

P「うわああああああああああああああああああああああああああああ」

P「うわっうわっうわああああああああんあああああああああああああああああああああああああ」

P「響うわああああああああああああああああああああ」

P「響響響うわあああああああああああああああああああああ」

響「ちょ」

P「うわああああああああああああああああああああああああああああ」ダッ

響「出てっちゃったぞ…」

響「…」

響「ま、まってー!プロデューサー!」

響「プロデューサー!」タタタ…


P「ふう」コソ

P「なんてことだ…なんてことだ…」

P「でもケツのあたりの切れ目とカピカピはばれてないみたいだな」

P「今のうちに処分してしまおう」

P「まさか朝から来るとは思わなんだ…」

P「申し訳ないがアサイチの突撃はNG」

P「しっかしあの響がねぇ…」

P「友達に縁切られちゃう~ってないてた響が強くなったもんだ」

P「二年…いや三年か。俺といた一年も含めると」

P「…見たくはなったかもな」

P「今後の響ってのを」

『今言ったね?』

P「は?」

響「それは自分と一緒にいてもいい…ってことだよね?」

P「い、いつのまに俺の後ろに…!?」



NINJA END

2年後

真美「あーあ、ひびきんやっぱり辞めちゃうのかー」

真「まあこればっかりはしょうがないよ」

真「今のダンスユニット…アイドルではないけどやっぱりアイドル的なところはあるからね」

真「結婚するって言うんならしょうがないんじゃないかな」

真美「まこちんと二人かー」

真「不満?」

真美「不満じゃあないけど…寂しくなるかなーって」

真「はは…それはそうかもね」

真美「あっ!来たよー!」

真「わぁ…!」

真美「ひびきんは焼けてるから白いウェディングドレスは合わないかもって思ってけど…」

真美「全然そんなことないね!」

真「うん」

真「逆にドレスの白もうっすら見える響の肌も…お互い映えて凄く綺麗だ」

真「響…お姫様みたいだよ…!」

真美「あれ?まこちん泣いてる?」

真「え?泣いてるボク?」

真美「う…うん」

真「はは…」

真「泣ける程綺麗なんだよ」

真美(刺身食べた時のにーちゃんみたいなこと言ってる…)

真美「あ…ひびきんも泣いてるや」

真「はは…だろうね」

真「響…幸せになってね!」

真美「ひびきん本当に頑張ったんだもん」

真美「絶対に幸せになれるよ!」



     今始まる It's Brand New Days!


おわり

現実ENDお願いします

>>253
P「……夢か。ははっ最後にいい夢見れたな」

P「もう目が霞んで何も見えねぇ。響の抱き枕さえ見えない」

P「手も痺れて、動かせないし、練炭って結構苦しいじゃん。誰だよ楽に死ねるって言った奴」

P「でも、ようやく何も感じなくなってきた。次はもう目覚めないよな」

P「俺の人生なんだったんだろうな…はは…」

P「…響…響…ひび…」

END

こんな感じですか?自分で書いてて死にたくなりました
>>1

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