上司「てめぇはこんな簡単なことも出来ねぇのか!」 (53)

僕「すいません……」

上司「あぁ!? すいませんだぁ!?」

僕「ご、ごめんなさい!」

上司「ちげぇよボケ! す"み"ませんだろうが!」

僕「すっ、すみませんでしたぁっ!」

上司「で?」

僕「え?」

上司「え? じゃねぇよ! ミスしたんだろ!? どうすんだよ!」

僕「えっと、えっと……」

上司「目の前に上司がいるのに悩んでんじゃねぇ! 指示を仰ぐんだよォ!」

僕「は、はいぃっ! すいませんでしたぁ!」

上司「す"み"ませんだっつってんだろうが!」

上司「なんでケツの穴にいれられないんだ!!!コラ!!」

僕「HIVとか怖いですし」

僕「うっせぇぇぇんだよハゲがぁぁぁぉぁぁぁぁぁあ!!」ドゴッ

上司「んほおおおおおおおおおおおお」

僕「わっせ、わっせ」カタカタ

上司「おい、例の件どうなった」

僕「あ、大体修正出来ました、もうそろそろ言いに行こうかと」上司「なめてんのかゴルァ!!」
僕「ひぃっ!」

上司「何が大体修正出来ただ! 指示受けたらまずは少しやって方向性の確認くらいしろよ!!」

僕「ごっ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいッ!」

上司「だからすみませんだっつっただろ!!!」僕「ふひゃあすみませんすみません!」

上司「それで修正出来たのか?」

僕「こ、これが修正したものです……」

上司「…………」

僕「あ、あの」上司「うるせぇ!! てめぇは五秒で全部読めんのか!?」

僕「すいません!」上司「"み"!!!」僕「すみませんっ!!!」

上司「おい、こことこことここ、この三点直せ」僕「はひぃっ!」カタカ

上司「指示の途中に手を動かすんじゃねぇ!!!!」

僕「ごめっ、あっ、いやすい、す、すみません!」
上司「すみませんくらいサラっと言えよ!!!!」

この無能上司

僕「上司さん、し、修正しました……」

上司「見せてみろ」

僕「ど、どうぞ」上司「お願いしますな」

僕「お願いします」スッ

上司「……」

僕「……」

上司「やっとまともになったな」

僕「は、はい!」

上司「これからはホウレンソウをしっかりとな」

僕「は、はい……?」

上司「よし、今日はこれで帰って良いぞ」

僕「はいっ! お疲れ様です!」

僕「ほうれん草しっかり食べろって言われたから今日から毎日食べよう」

僕「胡麻和えにお浸しに……あ、お弁当も作ろうかな?」

僕「社会人生活頑張るぞー!」




二日後

上司「ホウレンソウはどうしたァ!!!」

僕「お、一昨日から食べはじめました!」

上司「そのほうれん草じゃねぇ!!! 報告連絡相談だ馬鹿野郎!!!!」

僕「すっ、すみませんでしたぁっ!!!」

一年後

僕「ようこそ後輩君、私もまだまだ至らないところばかりだけどこれからよろしく」

後輩「はい! よろしくお願いします先輩!」

僕(ああ、僕にも遂に後輩が出来たのか……)

上司「早速だが後輩、お前にはこの仕事をやってもらう」

僕「!? 上司さんいきなり仕事なんてそんな無茶苦茶な!」

上司「うるせぇ! 何のためにお前を付けてると思ってんだよ!!」

僕「えっと、教育係として……」上司「教育とサポートの両方に決まってんだろ!!」

僕「は、はいっ!!」

後輩「ええと……これからよろしくお願いします!」

後輩「……」カタタタタタタタタタタ
僕「……」カタカタカタ

後輩「……」カタタタタタタタタタタ
僕「……」カタカタカタ

後輩「あの先輩、30%くらい作ってみたのですがこのような方向でよろしいでしょうか?」

僕「えっ、あっ、今見るね、えっと……」

後輩「……」

僕「うん、これで大丈夫だと思うよ」

後輩「思う、ですか……」

僕「えっ?」

後輩「いえ、何でもありません、ありがとうございます」

僕「ううん、気にしないで良いよ」

後輩「はい」

僕「よし……あれ?」(どこまでやってたっけ?)

後輩「……」カタタタタタタタタタタ

僕「今日はもう帰って大丈夫だよ、お疲れ様後輩君」

後輩「はい、お疲れ様です先輩、今日はありがとうございました、失礼致します」

僕「ばいばい」フリフリ

上司「おい」

僕「はひゃぁっ!! な、なんでしょうかっ!?」

上司「話し掛けただけで悲鳴あげるのやめろ。それより後輩はどんな感じだ?」

僕「は、はい、品行方正で、ホウレンソウや方向性の確認も出来て、いい子だと思います、仕事も早いですし」

上司「そうだな、後輩についてはまあ置いておこう」

僕「?」

上司「大丈夫だと思う、じゃねぇよ馬鹿野郎!!!」

僕「ひぃっ!!!」

上司「初めての仕事の相談に先輩がはっきりYESかNOか答えねぇでどうすんだ!!!」

僕「すっ、すみませんでしたぁ!!」

上司「お前は今まで俺に何とかだと思うとか言われたか!!? 言われてねぇだろうが!!!」

僕「ひ、ひゃいっ!!」

上司「言い切るところは言い切らねぇとマイナスにしかならねぇんだよ馬鹿野郎!!! わかったか!!?」

僕「わ、わかったと思います!」

上司「わかってねぇだろ馬鹿野郎!!!!!」

数ヶ月後

僕「おはようございまーす」

上司「おう」

僕「上司さん上司さん」

上司「なんだ?」

僕「今日も他の人よりも早く出社しました!」

上司「うるせぇ! 俺より早く出社して俺が来たらすぐホウレンソウ出来るようになってから言え!!」

僕「はっ、はいっ!」

上司「この間の後輩なんて俺がこっから外に出るまでの間ずっと着いてきてホウレンソウしてたぞ」

僕「え、流石に帰るときまで迷惑じゃ……上司さん最近忙しいし……」

上司「馬鹿野郎!!! 忙しいんだから一瞬でも良いから隙を見るんだよ!!!」

僕「わかりました! そうします!」

上司「おう!」

僕「さーて、朝のメールチェックしよーっと」

上司「今!!! 今の内にホウレンソウしろって言ってんだよ馬鹿野郎!!!」
僕「は、はいっ! すみませんっ!!」

数ヶ月後

A「えー、それでは会議を始めます」

僕(会議が始まったぞ)

B「そこで、この案を提示します」

僕(会議が進んだぞ)

A「えー、以上で会議を終わります、お疲れ様でした」

僕「お疲れ様でしたー」



上司「おい」

僕「はい、お呼びでしょうか」

上司「次の会議からは必ず発言しろ、いいな?」

僕「はい、わかりました」




僕「……発言って、何言えば良いんだろう?」

僕「私も彼の案に賛成です!」

僕「彼女の意見は素晴らしいです!」

僕「さんせー!」



上司「お前はどうしていつもこう……」

僕「これは私もわかってました、申し訳ございませんでした」

僕「えっと、例の件はああでこうでああやってそうやってそれから」

上司「長い」

僕「ふぇっ?」

上司「これからは要点三つにまとめてこい、それからそれを話したらどうやったらどうなると考えているかを話せ、いいな?」

僕「はい、わかりました」

上司「よし、じゃあ今日は飲みにでも行くか」

僕「今日は行けません。一つ目に今の私の財政は厳しいです、二つ目に私はアルコールは得意ではありません、三つ目に明日は一日中ゲームをしたいため早く寝たいです」

僕「しかしこういうことで上司さんが奢ってくれる可能性が高くなるため、行けるようになると考えます」

上司「……」

僕「……」ドヤッ

上司「全く仕方ないな、早速実践したのに免じて奢ってやるから来い」

僕「あ、今日は早く寝たいんで遠慮しますー」

上司「よぉしわかった、朝まで飲ませてやるからなッ!!!」

僕「ちょっ、上司さん! 本当に遠慮しますから! 引っ張らないでくださいよー!」

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