コンコン
シャア「?」
エマ「クワトロ大尉、今ちょっと宜しいでしょうか?」
シャア「ああエマ君か、入りたまえ」
エマ「失礼します」ガチャ
エマ「っ!」ビク
エマ「あの…すみません!」
ダダダッ
シャア「しくじったな…」
シャア「いつもの癖で部屋に招き入れてしまったが」
シャア「私は今オナニーをしていたのだったな…」
シャア「どうする…?」
カミーユ「大尉、いらっしゃいますか?」
シャア「カミーユ、どうした?」
カミーユ「失礼しま…わあっ!」
シャア「どうしたカミーユ!?」
カミーユ「どうしたもこうしたも無いでしょう!
大尉はこんな時に何やってるんです!」
シャア「カミーユ…分かるのか?」
カミーユ「何が!」
シャア「とぼけても無駄だ!」
シャア「私がついさっきまで何をしていたのか、という事だ」
カミーユ「そりゃ分かりますよ!」
シャア(早くもニュータイプの片鱗を見せ始めたか…)
カミーユ「パンツも穿かずに下半身を丸出しにしてりゃあ誰だって!」
シャア「! よく見ている」
カミーユ「あなたって人は…!」
シャア「カミーユ、落ち着け」スタスタ
カミーユ「その格好のまま近寄らないで下さい!」
シャア「ではどうしろというのだ」
カミーユ「っ!」イラッ
バキィ!
シャア「ぐう!」ドサッ
シャア「何を!」
カミーユ「パンツを穿けって言ってんだよ!」
シャア「しかしカミーユ、それは聞き入れられない」
カミーユ「!」
カミーユ「あなたは自分が何を言っているか分かって…」バッ
シャア「やめろカミーユ、軽々しく大人に手をあげるものではない!」
シャア「事情があるのだ」
カミーユ「事情って…!」イライラ
シャア「勢い余ってパンツを精液で汚してしまっている」
バキィ!
シャア「ぐう!」ドサッ
シャア「カミーユ、大人になれ!」
カミーユ「その言葉そっくりそのまま大尉に返しますよ!」
シャア「新しいパンツを取ってくる、待っていてくれ」スタスタ
カミーユ「…」
シャア「カミーユ、コーヒーでも煎れようか?」
カミーユ「まずはパンツでしょう!」
シャア「…! しまったな…」
シャア「まさか替えのパンツが全て洗濯中とはな…」
洗濯機<ゴウンゴウン
シャア「もどかしいものだな」
シャア「目の前にパンツがあるというのに、
それは未だ洗濯機の中で高速で回転している…」
シャア「いささか濡れてはいるが、洗濯機から取り出すしかあるまい」
シャア「多少乱暴ではあるが…手を捩じ込む!」バッ
バシャバシャバシャ!
シャア「ええい!水が飛び散る!」バシャバシャ
シャア「パンツめ、何処だ!」バシャバシャ
シャア「あった、これか…むっ!?水で足が滑る!」ツルン
ズデン!
シャア「ぐう!よくやる!」
シャア「このままでは埒があかん」
シャア「カミーユ!いるか?」
タタッ
カミーユ「どうしたんです大尉…うっ!?」ビクッ
カミーユ「水浸しじゃないですか!何をやってるんです!」
シャア「洗濯機の中からパンツを取りたいのだが上手くいかん」
カミーユ「洗濯機止まらないんですか?」
シャア「訳の分からない事を言う。止まらない洗濯機など無い」
カミーユ「じゃあ何故洗濯機を止めないんです?」
シャア(なるほど…確かに)
シャア「これが子供の持つ想像力というものか」
カミーユ「だいたい濡れたままのパンツを穿こうだなんて!」イラ
シャア「子供がよく言う…避けて通れん道だ!」
カミーユ「じゃあもうパンツは諦めて直接ズボンを穿けばいいでしょう!?」
シャア「むう、それもそうか…少し待っていてくれ」
スタスタ
スタスタ
シャア「待たせた」
カミーユ「…」
シャア「私に何か用があると言ったな」
カミーユ「あ、はい」
シャア「一体何があった?」
カミーユ「あ、いえ…。さっきエマ中尉が…」
シャア「中尉がどうかしたのか?」
カミーユ「不潔!って叫んで泣きながら廊下を走って行ったから…
その、何かあったんじゃないかな、って」
カミーユ「大尉、何か心当たりとかありませんか?」
シャア「全く無いな」
カミーユ「そうですか…」
シャア「ふむ。だが」
カミーユ「だが?…何です?」
シャア「先程中尉がこの部屋に来て私と会った時は
酷く狼狽している様にも見えた」
バキィ!
シャア「ぐう!何を!?」
シャア「カミーユ!軽々しく大人に手をあげるなと言った!」
カミーユ「大尉!」
シャア「何だ!」
カミーユ「大尉!」
シャア「焦らすなカミーユ!言いたい事があるなら…」
カミーユ「あなたオナニーを見られたんでしょう!」
シャア「何処でそれを!?」
カミーユ「此処ですよ!」
シャア「落ち着けカミーユ!今ここで揉めても仕方無い」
カミーユ「エマ中尉に謝って下さい!」
シャア「確かに中尉には悪い事をしたと思っている」
シャア「しかしだカミーユ、ここは私の部屋であって中尉の部屋ではない」
シャア「私が私の部屋で何をしようと、それは私の勝手だろう」
カミーユ「…」
シャア(やはり子供は議論の仕方を知らんな…ふふ)
カミーユ「…つまりエマ中尉が勝手に大尉の部屋に入ってきた」
カミーユ「そう言いたいんですね?」
シャア「それは違うな。私が中尉を部屋に招き入れたのだ」
シャア「私とした事が迂闊だっ…」
バキィバキィ!
シャア「やめろカミーユ!馬乗りになって殴るなど…ぐう!」
カミーユ「なんでオナニーしたんです!?」イライラ
シャア「子供が下世話な事を聞く!アマガミの七咲逢だ!」
カミーユ「ズリネタの話をしてんじゃないんだよ!」バキィ
カミーユ(というかアマガミみたいなソフトなもので抜くなんて!)
カミーユ「いい大人が!」バキィ
カミーユ「アマガミでオナニーしました、なんて!」バキィ
シャア「ええい!人の嗜好にまで口を出すか!」ガバッ
カミーユ「うっ!?しまった!」グラッ
シャア「七咲は私の母になってくれたかもしれない女性だ!」バキィ
カミーユ「ぐっ!」
カミーユ「あんたは母親でオナニーするんですか!」
シャア「説明したところで子供には理解出来ん話だ!」バキィ
カミーユ「何をどう説明したって!」ガバッ
シャア「むう!?また馬乗りに!」ドサッ
カミーユ「あなたはアマガミでシコシコしてたんでしょう!」バキィ
シャア「ぐう!シコシコなどと稚拙な言葉はやめろカミーユ!」
カミーユ「うるさい!シコシコ!シコシコと擦っていたんでしょう!」バキィ
シャア「シコシコと言うな!」
カミーユ「シコシコ野郎!」
シャア「カミーユ!」
シロッコ「不愉快だな…この感覚は…」
シャア「はぁ、はぁ…」
カミーユ「ぜぇ、ぜぇ…」
シャア「…すまなかった」
カミーユ「いえ、俺の方こそ取り乱してしまって…」
カミーユ「あの、大尉」
シャア「どうした」
カミーユ「俺だけじゃなく、エマ中尉にも謝って下さいよ」
シャア「分かっている」
カミーユ「じゃあ俺はこれで。失礼します」
シャア「ああ」
シャア(確かに中尉が泣き出したのは私の不注意のせいだ)スッ
シャア(オナニーを見られた直後に会うのは気まずいが)スタスタ
シャア(やはり中尉には一言謝っておくべきだろう)スタスタ
シャア「…」スタスタ
シャア「…?」スタスタ
シャア「むう…?これは…」スタスタ
シャア(パンツを穿いていないせいで、歩く度にズボンと亀頭が激しく擦れる…!)スタスタ
シャア(いかんな、気持ち良すぎる。このままでは…)スタスタ
シャア「む、あれはエマ中尉か」
シャア「エマ中尉」スタスタ
エマ「あ、クワトロ大尉…」
シャア「少し話をしたいのだが…むう!」スタスタ
エマ「クワトロ大尉、どうしたんです?」
シャア「むう…実はなエマ中尉。話せば長くなるのだが」
エマ「は、はい」
シャア「いや、少しかいつまんで話そう」
シャア「エマ中尉、私はパンツを穿いていないせいで気持ちが良いのだ」
エマ「」
シャア「先刻に中尉の見ての通り、私はパンツを汚してしまっている」
シャア「しかもその時私は替えのパンツが無い、という事が念頭に無かった」
シャア「それで今は仕方無くパンツを穿かずに行動している訳なのだが」
シャア「どうやら歩く度に亀頭がズボンに激しく擦れている様なのだ」
シャア「簡潔に言おう。私は今非常に気持ちが良い」
エマ「」ダッ
シャア「!? エマ中尉何処へ行く!?」ダッ
シャア「見失ってしまったな…」ハァハァ
シャア(やはりあの様な恥態を見たショックで
私とまともに顔を合わす事すら出来なくなっているのだろう)スタスタ
シャア(女性の繊細さというものに気を遣ってやれなかった)スタスタ
シャア「それにしても随分遠くまで来てしまったな。ここは…」
シャア「河原か」
シャア「むっ、これは」ガサッ
シャア(エロ本…!河原によく落ちている、などというのは
作り話だとたかをくくっていたが、まさか実際にお目にかかれるとは)
シャア「む、あそこにも落ちているな。向こうにも落ちている」
シャア「人は居ないようだな」
シャア「…」
シャア「…」ヌギヌギ
シャア(夜も更けて人一人通らんのだ、この方が色々と都合が良い)スタスタ
シャア(この河原に落ちているエロ本の中から
最も私の好みにあった物を選び、その場で即オナニーをする)スタスタ
シャア「ふふ、柄にも無く興奮しているな…」スタスタ
ガサガサ!
シャア「! 何だ!?」
シャア(人か?取り敢えずこの足元にあるエロ本を回収し撤退する!)ガシッ
シャア(むっ!?エロ本が取れない!誰かに邪魔をされている!)グイグイ
シャア「何者だ、姿を見せろ!」グイグイ
アムロ「その声!シャアか!」グイグイ
シャア「! アムロか!」グイグイ
アムロ「ふ、ふふ、赤い彗星ともあろう者が笑わせる!
真夜中に河原でエロ本探しだなんて!」グイグイ
シャア「そういう貴様こそこんな時間にこんな所で一体何をしていた!?」グイグイ
アムロ「ご、ごみ拾いさ!」グイグイ
シャア「嘘をつけ!この雑誌なら私が拾って処分する!
早くその手を離せアムロ!」グイグイ
アムロ「騙されないぞ!処分するのはお前自身の性欲だろうに!」グイグイ
シャア「ええい!」
アムロ「第一お前が手離すのはこのエロ本だけじゃないだろう!」グイグイ
シャア「ほう、初耳だな。これはエロ本という物だったのか
私は新聞か何かかと思っていたのだがな」グイグイ
アムロ「話を逸らすな!お前はいつになったら返すつもりだ!?」グイグイ
シャア「何を!」グイグイ
アムロ「アマガミに決まっている!もう全ルートやったろぉ!」グイグイ
シャア「下世話な事を聞く!私はまだ七咲ルートしか攻略していない!」
アムロ「貸してやってから何ヵ月経ったと思っているんだ!」
シャア「何人もの女性を手にかけ不幸にする…
それが貴様のやり方か、アムロ!?」
アムロ「ゲームをゲームと割りきれない可愛そうな奴!」
アムロ「そんな事だからこんな夜中に下半身を露出して
エロ本を探し求めて徘徊する羽目になるんだ!」
シャア「何故私が下半身裸だと!?」
アムロ「見れば分かる!」
アムロ「そこ!」バキィ
シャア「ぐう!」ドサッ
シャア(しまった!エロ本が!)
アムロ「このエ…雑誌は俺が処分する!」ダダッ
シャア「ちい、まんまとしてやられた…」
シャア「…」ウロウロ
シャア(やはりあれほどのエロ本にはそうそうお目にかかれないな…)ウロウロ
シャア「あの時あんなヘマさえしなければ…ええい!」ウロウロ
シャア「む、これは…」ヒョイ
シャア「VHSか…しかも損傷が殆ど見られない…」
シャア(これはひょっとしたらひょっとするかもしれん…一度部屋に戻ろう)
スタスタ
シャア「さて…このVHS、どれほどの物かな」ガシャコン
カミーユ「大尉!入りますよ!」ガチャッ
シャア「カミーユ、ノックくらいしろ」
カミーユ「! この!」
バキィ!
シャア「ぐう!何を!」ドサッ
カミーユ「また下半身裸で!あなたは一体何をやってるんです!」
シャア「勘違いするなカミーユ!私はオナニーしていない!」
カミーユ「じゃあ何故です!?」
シャア「今からオナニーしようと準備していただけだ」
カミーユ「修正してやる!」バキィ!
カミーユ「ズボンを穿けよ!」バキィ
シャア「カミーユ落ち着け!穿けるものならとうの昔に穿いている!」
カミーユ「ズボンまで精液で汚したんですか!?」
シャア「随分な言われ様だな。ただ単に河原に脱ぎ捨てて来ただけだ」
カミーユ「一体どうしたらそんな事になるんです!?」
シャア「大人には大人の事情というものがある。」
シャア「河原でアムロとエロ本の取り合いになったのだ」
バキィ!
シャア「まだ話の途中だというに!」
カミーユ「一応聞いてやりますよ!」
シャア「確かにエロ本は下劣なアムロに奪われた。
しかしそのお陰で何やら如何わしいVHSを…」
バキィ!
シャア「なぜ殴る!エロ本の方が良かったとでも言いたいか!?」
カミーユ「ズリネタの話をしてんじゃないんだよ!」バキィ
カミーユ「だいたい何が録画されてるか分からないVHSに
一体大尉は何をそんなに期待してるんです!」
シャア「カミーユ、テレビを見ろ」
カミーユ「テレビって…これは!」
カミーユ(本当にエロビデオじゃないか…!)
シャア「お前が部屋に入って来る前にビデオをセットしておいたのだ」
シャア「このいやらしいプロモーションシーンが終われば本編が始まる」
シャア「これを見てもエロ本の方が優れていると。
本当にそう言えるかカミーユ?」
カミーユ「…」
シャア「返事をしろカミーユ」
カミーユ「悪く…ありませんね」ヌギヌギ
カミーユ「大尉一人に良い格好させられませんよ…
このビデオの内容は俺もきちんと確認します」
シャア「カミーユ、よく分かっている」
シャア「…」ジー
カミーユ「…」ジー
シャア「ええい本当によく焦らす!早送りだカミーユ!」
カミーユ「冒頭部分は見ないんですか、大尉は?」
シャア「こんな大根役者の三文芝居、大人の都合だと言っている」
カミーユ(俺は結構好きなのに…)ポチ
シャア「よし、ストップだカミーユ」
カミーユ「はい」ポチ
カミーユ「始まりますよ…」ドキドキ
シャア「準備は出来ている…」ギュッ
ブツッ!
カミーユ「!?」
シャア「何だ!?画面が暗転している!」
シャア(画面右上に「ビデオ」の文字…これは…)
シャア「やはり壊れている。所詮は拾い物という事か」
ガバッバキィ!
シャア「ぐう!何故私を殴る!?悔しいのは私とて同…」
バキィ!バキィ!
シャア「ぐう!これが若さか!」 完
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