【テスト版】荒野を渡る鳥になりたい【安価とか】 (181)
キャラクターをメイキングします
・性別
↓
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1386318086
性別:男
特殊設定ポイントを集計します
↓のコンマ1と10を合計した数字
特殊設定ポイント:10
どれか一つ選んでください
・出自
・経歴
・所有
↓
ポイントを消費して以下の設定が取得できます
・造られた生命(10)
・先天的因子適合者(8)
・王家の血筋(7)
・良家の出自(4)
・秘術の里の民(6)
↓選択、または他のジャンルから選ぶ(経歴・所有)
とりあえず、経歴と所有が見た後、再選択はOKです?
だめなら安価下
>>9
テスト版なのであまり悩まずに決めてもらいたいと思いこの様に
【秘術の里の民を取得】
残りポイント:4
以下から選択できます
出自
・良家の出自(4)
経歴
・鋼の信念(3)
所有
・相棒(3~)
・技術(1~)
・知識(1~)
↓ポイント可変スキルの場合は消費量を明示
「技術」のポイント量は?
・高いほど「有用で意外」な技術を持っている事になる
↓
ポイントは指定では?
ということで2
・残特殊設定ポイントの消費量です
・つまり1~4
・1だと凄くどうでもいい能力、4なら役に立つ事がないとも言えない能力です
↓
>>15を採用:技術(2)
残りポイント:2
自動的に2ポイント分の「知識」または「技術」を取得します
↓知識か技術か
性別:男
「秘術の里の民」
「技術(2)」
「技術(2)」
↓年齢自由入力(人間の範囲内で)
性別:男
年齢:17歳
「秘術の里の民」 であり
「技術(2)」 「技術(2)」 を持っている
年齢・出自から以下のクラスを選択できます
・非戦闘クラス
マイグラントウィンド(渡り鳥)
フラッシュガジェッティア(閃きと手先の人)
・後衛系クラス
クレストソーサラー(紋章魔法使い)
フォーミュラユーザー(術式使い)
ゾアプリースト(守護獣信仰者)
・前衛系クラス
ブレードスナッパー(速さと技の剣士)
バウンティチェイサー(咎追い、禍祓い)
上記の中からクラスを選択します
↓1~3で二桁コンマが小さいもの
クラス:ゾアプリースト
「ガーディアンロア」のチカラ
「精神安定」の能力
「守護獣」の知識
を自動的に習得します
世界荒野度判定
1ほど荒野、0ほど自然
↓
2:見渡す限りの荒野
あなたの好きな守護獣(ガーディアン)を決定します。
水や火などガーディアンの司るものの名前を記入してください
↓1~3が候補
あなたの好きな守護獣は……
・風
・重力
・聖
↓
好きな守護獣:風
狼の姿をしているとかいないとか
主人公の名前
↓
あなたが生まれ育ったこの里は、世間一般から隔絶された場所である。
見慣れた光景以外にあるのは、時折訪れる旅商人くらいのものだ。
だが、それを気にしている村人はいない。誰もが古くからの伝統に従い、この場所に骨を埋める気でいる。
そんな伝統を、変わらないものを、あなたは……
・大切に守って行くべきものだと思っている
・カビの生えた時代遅れの習慣だと思っている
・どうこう思いはしないが自分には関係ないと思っている
↓
大切に守りたいものだと思っている。
世界は荒廃し、荒野化が進みつつある今のこの世界で、この里が遺して行くべきもの。
それは最後の時まで自然と共にあるという姿勢、その精神である。
守護獣の伝承もその一つだ。今では誰もが忘れてしまった大切な事。
それを人々に広めていくことは出来ないかもしれないが、せめて忘れないように。
そう信じて自分達は静かに暮らしている。
平穏な生活がいつまでも続く。これまでから、これからもずっと。
そうしていつしか自然が滅び、人心は荒み、この星が死に絶える時が来る。
それを止める手立ても、止めようとする意志も、もう誰も持っていないものだった。
そんな中、まず物語は決意と共に始まるのだ。
里から少し離れた場所に残る、太古の神殿。
信仰が廃れ里の者ですら滅多に訪れる事はないその場所は、【堕ちた聖域】と呼ばれていた。
守護獣の姿を模った大石板が遺されており、そこには自分の好きな風の守護獣の姿もある。
若くしてしっかり者の自分以外に、ここに来る者は少ない。だから気がついたのだ。
誰かが、この場所に立ち入ったのだと。
タバコ
入り口に残されていたのは煙草だ。
里では香を焚くことこそあれ、こんなものを使う人はまずいない。
余所から人が侵入したというのか?何のために?……決まっている、宝探しだ。
外の世界に蔓延る「渡り鳥」なる人種は、金の為に各地を回り好き放題するものだと聞いた。
その代表的な活動が、遺跡荒らしであるとも。
足跡を追えば、それは行き止まりに続いていた。閉じていた扉が開かれているのだ。
強引な手を使ったとみえるその惨状に、あなたは……
・盗人には容赦のない制裁を与えねばならない
・開かれている扉に興味を隠せない
・里にこの事を伝えなければならない
↓
今まで思い付く限りの手を尽くしてきたはずの扉が、こうも容易く開かれている事に興味を感じた。
見聞する限りでは、爆発性の衝撃を加えたように見える。
魔法道具の類であろうか?外にまだ魔法が残っていたのだろうか?
そしてその興味は、扉の奥へも注がれることとなる。聖域の奥深くには何が眠っているのか。
侵入者がいるという異常事態への驚きを抑え、自分の興味ゆえにその奥へと向かって足を進めた。
静謐な空気、神聖な空間。堕ちたと言われながらまだこれ程の聖性を残していたのだと感心する。
奥へ奥へと進めば進むほどに、古い時代の冷たく澄んだ空気が濃くなっているような錯覚を覚える。
暗闇に灯された光は、守護獣の力の賜物だろうか?
連綿と壁画の続く光景を横目に、足元に気を付けながら階段を下って行く。
開けた場所が見えてきたと思うと、その中央。祭壇の上には光り輝く杖を手にする人影が。
「本当にあったとは、こんな僻地くんだりまで足を運んだ甲斐があったってもんだ」
旅人然としたハット、ブーツ、その腰には怪しげな鉄の小物が提げられている。
祭壇から手にしたと思われる杖は超自然の光を放ち、この広間を明るく照らす。
アークセプター
「“支える者の光杖”、こんなオモチャで20万ギャラも貰えるんだ。こんなにボロい仕事はないぜッ!」
ハッと我に返る。相手は盗人だ。このまま見過ごすわけにはいかない!あなたは……
・猛然と飛び掛かる
・辺りの闇に隠れ、待ち伏せで不意を打つ
・急いで引き返し、里に知らせる
↓
~中断~
~続きはまたその内~
赤い服を着ているホブゴブの中でも、それはそれは赤い服を着ている者がいた。
彼は寒い季節になると寒村や農場を襲い、蓄えた肉を奪って回るのだ。
そんな彼だが、実は肉と言ってもロースに目がない敬虔なロース信者であった。
彼はいつもこう問いかけるのだ、「服従か、死か、ロースか」と。
ウソかマコトか、この話を面白おかしく万人ウケするように改変したのが三択ロースだと言う。
もっとも今は人里離れた場所で農場を営んでいるので、もうサンタクロースは現れなくなったのだが。
――――旅先で会ったとある少女の話。
誰かいたらチマチマと
誰もいないならどうでもいいことを
村の名前とか、オリジナルの名前とかを安価で募集するかどうかを悩んでおります
自分で書くとセンス不足とかなんか違うとかありそうなので
だから最初の街の名前を募集します
・レスに街の名前を書いてね
・2ndみたいな二つ名付きの命名にしてもいいよ
・思い付かないなら「おまかせ」って書いとくと仕方ないから自分で考えるよ
↓2
バスカー コロニー
秘術の民の里を出た事のない自分にとっては、あの男の足跡だけが道標だ。
どっちが右で左かは分かっても、どっちが西で東かも危ういところである。
まずは遠目に砂海を望みつつ、里を囲んでいた山脈沿いに歩いていく事にする。
乾いた地面を踏み締める度、小さく削れた砂が舞う。何故か珍しくて心が躍る。
しばらく歩くと、足元に石の踏み応え。平らに整備されたそれから砂を払ってみれば、なるほど道の後だと分かる。
道があるなら人もいるのだろうかと辺りを見回して、木の側に残るほとんど朽ち果てた看板を発見。
読むところには、「大雪の村まではまもなく!」との事。旅に疲れた身ならばどれほど喜ばしいか。
集落から一番近いだろうこの村なら、あの男が立ち寄っている可能性は高い。
それに正直、まずは外の人や暮らしに触れてみたかったのだ。面白い本や話しもあるだろう。
あなたは「雪」という言葉の意味を頭を抱えて思い出しながら、軽めの足取りを村へと向けた。
~大雪の村 ネイジービレッジ~
あなたが外に出て初めて見た村。周囲を大きく盛り土で囲まれた中には、土でも石でもない堅牢な素材で家が建っている。
大きく鋭角な三角屋根はあなたの常識にはない建築であり、とてもユニークなものだ。
家も地面から離れて上げ底、あんな構造で不安定にならないのだろうかと思う。
しかし、今は何より大切なことがある。それは……
・あの男を探す事だ
・取りあえず腹減った
・もっと色んな事を知りたい
↓
それは!……格好良く決めて何かをしようとした矢先、自分の腹の虫が蠢く。
そう言えば昼はまだだった。歩いてきて少し疲れたのもあってその決断に時間はかからなかった。
駆け足で見回り、それらしい建物を探して駆け込むとあなたは言った。
・やっぱりヤキソバ
・ヤキソバは女の子の食べ物なのでカレー
・あえてここはご飯にお好み焼き
↓
立ち上る熱気、スパイシーな魅力。それはカレー。はい、大好きです。
あなたがカレーを注文すると、店主は面倒臭そうに店の奥へ引っ込んでいく。
閑古鳥が鳴いている狭い店内だ、その理由はまあ見ての通りだ。
少しの後差し出されるカレー。煮込みが深いタイプで、ルーがドロッとしている。
大部分のイモが溶けており水分控えめだが、それはそれでご飯に良く合う。
仕方ないと言えば仕方ないが肉は少なめ。その分ニンジンとタマネギの魅力が引き立つ。
イモの味を絡めつつ全体にはやや辛目の味付け、ご飯が硬めに炊かれているのでバランスも悪くない。
思えばあっという間に完食してしまった。まっこと美味なり、御馳走様でした。
さて……満腹になり満ち足りた気持ちで席を立とうとしたあなたに、店主が鋭い眼光を浴びせる。
何か忘れていた事でもあっただろうか?カレーに対して最大限の敬意を払って食させて頂いたはずなのだが。
「お客さん……お代……150ギャラだよ」
お代……ギャラ……対価か。しまったなあ、自分はそういうものは持っていない。
里の中では必要がないし、旅商人との取引は担当の人がまとめてやっていたので自分が持っているのは……
時々拾える、このみすぼらしいコインやメダルだけだ。これで受け取って貰えないだろうか?
「……」
やっぱり駄目だろうか。困った。
「……こっちのこの硬貨……これなら一食分にしてやってもいい」
え?どういうことだろうか。曰くも知れない拾い物のコインがそんな価値になるものだろうか?
まあそういう事ならありがたい。今度はちゃんと代金を用意してくると言い残して、あなたは店を出た。
「……17年目の記念硬貨だからな」
食事して満腹、まだまだ動けそうだ。しかしカネは無い。
このままでは何かと不都合があるだろう。食事も出来ないなんてたまったものじゃない。
しかし男を追う事も忘れてはいけない。今は他にすることもないのだから、それしかないのだ。
・渡り鳥の仕事と言えば遺跡探索だ
モンスター
・こう、魔獣狩りの仕事とか無い?
・お金なんか知らない!今は駆け抜ける時!
↓
遺跡探索!なんと心踊る響きであろうか。
元々堕ちた聖域に出入りしていたのもあり、そういう古臭い遺跡の見るべきトコロは分かっているつもりだ。
素材とか、建築様式とか、意匠とか。色々な要素から遺跡本来の姿を考える事はまあ楽しい。
さっそくこの近くに遺跡とかがないか、聞き込みをしていく。
昼間から人通りの少ない村で、年若い余所者が声を掛けてもあしらわれる事ばかりだ。
それから数時間、何とかアタリを引く事が出来た。
駄目元だがベンチで日向ぼっこしていた老人に話を聞いた。
何か知っている風だったのだが、悩み、渋り、唸り、口を噤む。
それでも持ち前の押して押す会話術で頼み込むと、最後にこちらの服装をじっくりと見定めた後で話してくれた。
「この村より更に北、枯れ木の森の中に古い神殿がある。ワシの曽祖父から聞いた話じゃが、
この町に雪が降っていた頃には巡礼や村人が訪れていたそうじゃ。
……中の物はどうもしないが、良ければ様子を見てきてくれないか?」
分かりました、まあ人助けと思って。そういう事にしておこう。
リフリジレイター
~時凍る氷雪の蔵~
かつては降っていた雪も、ここ100年くらいはさっぱりらしい。
大雪で知られていた村は雪を嫌いはせず、むしろ神殿を作って祈っていた。
それが陰りを見せ始めたのは、世界が乾いていった頃。
青い海が無くなって、水に乏しい今の荒野が広がって行ったにつれて雪は止んだ。
そうして村の人の誰もが雪というものの存在を忘れた頃、この場所もまた忘れられたのだという。
林の中に佇む小さな祭壇。その奥には蓋された地下の遺跡が広がっている筈だ。
蓋をずらしただけで背筋に走る確かな冷気が、この先の情景を予感させる。
扉を開き、打ち付けられた梯子を足元に気を付けながら下る。一歩下る毎に寒さは増していく。
とうとう足が床に触れた時、目に飛び込んできたのは氷に覆われた神殿遺跡であった。
透き通る氷が、何処からか取り入れられている陽光を手当たり次第に反射して辺りを照らす。
よく見ればその遺跡構造は、かつて見慣れたその構造に非常に酷似している。
守護獣遺跡。その可能性が頭を過る。
とにかく明かりの心配が要らないのを良い事に、滑る足元に気を付けながら奥へ進んでいった。
~ここまで~
~想像しただけで寒くなってきた~
友人「好きな円盤生物は?」
自分「グローダインかな?」
友人「えっ何それ」
自分(いっけね間違えた)
久し振りに少しずつやります
氷に覆われた壁面はその状態をほぼ原形のまま留めている。
我らが懐の内にあったかの聖域奥地とは比べるべくもないが、それでも良好な保存状態と言える。
バスカー
幾つかの壁画や彫刻に見られる意匠は確かに守護獣信仰由来のものであり、関係がある事は間違いない。
見慣れたものに良く似ている、見慣れない構造に心を躍らせながらも少しずつ奥へ進むとますます冷気が強まる。
光の反射は激しくなり目を眩ませるし、冷気は収まる所を知らずに息が白む。
広間から細い通路に入り、時計回りに進んでいく。傾斜は下り、所々凍りついた足元が不安なことこの上ない。
一瞬この坂道を滑り降りて行けば、行く所まで行けるんじゃないかと危険な思考が走り始めたが、頭を振って止めた。
万が一強かに脚を打ち付けたら、もう一度ここを昇って来れる自信は無い。
あるいは終着点が無く無限に続いているんじゃないか、尻が焼けつくんじゃないかと、稚気じみた懸念は杞憂に終わる。
下りに下った先には、入口の広間と同じくらいの大広間だ。天井の高さから結構な距離を下ってきた事が分かる。
壁に彫られた無数の胸像が広間の中心、大きな鏡をじっと見つめていた。
良く見てみれば、広間にはそれ以外にも沢山の小さな鏡が据え付けられている。
中央の鏡は動かせないが、小さな鏡はなんとか向きを変えられそうだ。
天井から差す一筋の光が鏡に反射している。こう言った遺跡には誰が仕掛けたのかも分からない仕掛けがあると言うが。
さては光を中央の鏡に誘導しろと言う奴だろうか?大がかりなパズルだ。
周囲を見回しても進めそうな道は見当たらず、枠の付いた不自然な壁があるだけだ。さて……
・どうせ時間は余ってるし、適当にやってみるか(コンマ30以上で成功)
・二つ持っている「技術(2)」を一つ消費して「パズル」の技術を習得していた事に
・諦めて帰る。寒い
↓
考えるよりまず行動……と言うつもりはないが、考えた上で行動するのが自分のモットーだ。
守護獣の伝承も自然の大切さも、結局誰かに伝えなきゃいけなかったんだと今にして思う。
だからこうして里の外に出た事は必要な転機だった。だからこれからもやれる事は何でもやってみるスタイルだ。
そうと決まればまずは考えてみよう。こう言うパズルは始点と終点の周りを特に注意すべきだと決まっている。
終点の鏡から大まかな仮定ルートを立てて、それに沿って道筋を構築して……。
暫く考えて、何度か試して、なんとか差し込む光線を中央の鏡に導くことに成功した。
まさかあそこの鏡が固定されていたとは……そう言う条件があるからこそパズルとして成り立つんだが。
秘された遺跡の守りの仕掛けに対しては少々不謹慎かもしれないが、結構楽しかった。遺跡探索って癖になるかも。
光を受けた鏡は一層輝き、遺跡全体が俄かに振動する。凍りついていた部分を引き剥がしたのか、ばき、ばりと音がする。
そうして少しの後、正面の壁がゆっくりとスライドして道が開く。見つめればそこには光がなく、深い闇が続く。
封じられていたものが噴き出すように、凍える冷たさとあの日聖域で感じた様な静謐な空気が流れ出す。
・アレの判定
コンマ1
大きいほど大きい
コンマ10
小さいほど安全
↓
3:人間サイズ
で
9:マジ危険
強まる冷気、高まる神聖の残り香。恐らくはここが神殿の最深部だろう。
やはりというか何というか、間違いなく守護獣を祀っているであろう祭壇だ。
描かれている紋章は……えーと……何だったか。守護獣印なんて里でも中々見掛けないので覚えてないんだが。
そしてついこの前の様に、祭壇の前には人影が……人影?こんな奥地に?
封鎖されていた筈の、地元民ですら記憶している者は少ない、その上こんな寒過ぎて長居出来なさそうな所に先客がいるとは……
もしかしたらまた泥棒かもしれない。好きにしていいとは言われているが、荒らされるのを黙って見ているのも気に食わない。
アークセプター
支える者の光杖の様な至宝があるのならそれを守る事もバスカーの端くれの……まあ、義務だ。
およそ武器としては不適格な木製の杖を構え、警戒しながら近付くと人影の目に光が点り、その躯から音を上げる。
セキュリティレベル
「警告:この区画は機密保護段階Bに指定されています。所定の位置にIDを提示して下さい。
尚、こちらの指示に反する行動が取られた場合、警告なしに排除行動を取ります。ご了承ください。
…………IDを確認出来ません。対象へのDNAスキャンを開始します。そのままその場でお待ち下さい。
現在照合中です。現在照合中です。現在照合中です。……照合完了しました。A+指定IDとDNAデータ63%の同一性を確認。
……許可指定データとの同一性を確認出来ませんでした。特例処理により以下の手順を省略、排除処理に移ります」
何だかよく分からない言葉を発し続けるそれと、正直言葉が通じている自信は無い。
ただ分かる事は、目の前の人影が色々な意味で只者ではないと言う事だけだ。
と、人影は突然こちらに向かって駆け出した。重く硬質な足音が想定外の速さで響く。
何だかよく分からないが、友好的に握手をしようと言うつもりじゃないと見ていいだろう。喧嘩っ早い奴だなあ。
△アイアンフィスト
力強く振るわれた腕を大きく左に飛び退いてかわす。人間か化け物か分からないが、やるってんならやるだけだ!
二度、三度と拳をかわす内に分かった事(悪いニュースと、良いニュースだ)がある。
相手の膂力は桁外れであり、間違いなく一発でも貰えば動けなくなるだろう。
けれどもその動きは単純で単調、かわし続ける分には訳無いのが救いだ。
このままずっと続けるというわけにも行かないだろうが、だったらどんな解決策があるのだろうか……
・駄目元で物理攻撃だ
・回避に専念(コンマ60以上でイベント)
・付き合ってられない逃げる!
↓
当たったらさぞ痛かろうなあ、何しに来てるんだっけ、やっぱり外の世界って怖い。
回避に専念し続ける内に浮かんでは消える雑念が絞られ、徐々に精神が統一されていく。
それは行動への最適化であり、自分自身の全てをそれに駆ける。
もっと速く、もっと鋭く、もっともっと極限まで、それはあたかも……
―――――風の様にッ!
どこまでも続いている終わりのない空が好きだ。
世界の何もかもを知っている永遠たる空が好きだ。
だから自分は、何者にも縛られる事のない、あの空の下を自由に駆け抜けていくものに。
里の内から外へと吹き抜けて世界を巡り、想うままに歩みゆくものに。
全てを知ってはいないけど、知りたい事を知りに向かえるものに。
風に、なりたかった。
どうして風の守護獣が好きなのか?それは、自分の憧れだからだ。
そんな想い出が胸に去来すると、懐から僅かに風が零れた。
フェンガロン
風の守護獣を象った石板……それが守護獣の力をくれる。この大地から失われて久しい秩序の力、守る力だ。
“汝疾き者、我が叫びを解き放て”
力の使い方は知っている。どうすればいいかも分かっている。あとはそれを声に出すだけだ。
ガーディアンロア
守護獣発動ッ!
解き放たれた“風”が敵の躯を吹き飛ばす。
杖を中心に、渦巻くように集束する空気の流れは力強い打撃であると共に鋭い爪でもある。
フォース
迸る守護獣の力は無限の様に感じられ、意志を確かめると再び燃え上がる。
「損傷率12%、行動に支障なし。引き続き排除行動を続行します」
体勢を立て直しこちらに向かってくる敵。硬い手応えから人間ではない事がはっきりした。
再び杖を構え、握り手に力を込め、風を感じる意識を杖の先に集めて、叩き付ける!
ソニッククロー
△疾風の爪
物理的衝撃と舞い踊る斬撃の二つを風に乗せる闘技だ。並の生物であればひとたまりもないだろう。
ソニッククロー
そのまま疾風の爪を数十回ほど叩き付け続けて、やっとその動きを止めた。
少し様子を見ていたが、再び動き出す様子は無いようだ。金属で出来ていた躯を弄り、何かないかと探ってみる。
手に感触があるまま胸元の蓋を開けると、手持ちのものと同じ守護獣の石板が見つかった。
勇ましき獣人の姿が描かれている。手に伝わるのは冷たい感触……“氷”、いや“雪”だったか?
他を散々調べたが、これといって何かが残されている事は無かった。唯一見つかったボロボロになって読めない書類は、
リリティア
かろうじて「氷の女王」とだけ読めた。これはもしかすると……?
動きを止めた鉄の戦士を見る。相手にしてみれば余所者はこちらだった。居場所を守っただけなのだろうか。
リリティア。守護獣を守る戦士なのか、それを独占する悪人なのかは分からないが、倒した者の責任としてその名を覚えておこう。
~ここまで~
~全国130万のリリティアファンの皆様すまねぇ~
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