夏海「やばい、漏れそう」 (59)

小鞠「家まで我慢できないの?」

夏海「もう、駄目だ限界!」

小鞠「しょうがないな、じゃあいつもの場所行くか」

れんげ「うちも行くのんな」

蛍「この辺に公衆トイレなんてありましたっけ?」

蛍「ここ駄菓子屋さんの裏ですけど…」

夏海「そうだよ」

蛍「…ってなにしてるんですか!」

夏海「用を足すところだけど?」

蛍「駄目ですよ、こんなところで!」

夏海「大丈夫だって誰も来ないから」

れんげ「うちも溜まってるん」

小鞠「じゃあ、ついでに私も」

蛍「こ、小鞠先輩までそんな…」

夏海「さてと…」

蛍「ちょ、ちょっと待って下さい。立ったままするんですか?」

夏海「そうだけどなにか?」

蛍「女の子が立ったままするなんて」

夏海「え?ほたるんの家は違うの?」

蛍「普通女の子が立ちションなんてしませんよ」

夏海「そうなの?この辺では男女問わず立ちションが常識だよ」

れんげ「ねぇねぇも立ちションするのんな」

夏海「母ちゃんも、お姉ちゃんもみんなやってるし」

小鞠「座ってするなんてありえないよね」

蛍「…」

夏海「ほら、ほたるんも遠慮しないでさ」

蛍「私はしたくないのでいいです」

夏海「そうなの?まぁ、いいけど」

楓「また、お前らかあれほどうちの店の裏で立ちションはするなって言っただろうが」

夏海「だって我慢できなかったんだもん」

楓「一言言ってくれればトイレ位貸すのに」

夏海「なにも買わないのにトイレだけ借りるのも難だと思ってさ」

楓「立ちションされたほうが迷惑なんだがな」

小鞠「す、すみません私もついつられてしまって」

れんげ「駄菓子屋、すまんな」

楓「まぁ、わかればいいんだけど」

蛍(なんなんだろうこの疎外感…)

小鞠「じゃあ、お詫びになにか買って行こうか」

夏海「よっしゃ今日は奮発してやる」

れんげ「特別大サービスだのん」

楓「客とあっちゃあまりきつくも言えないな」

夏海「相変わらず変わり映えしないな」

楓「来るのはお前ら位だからな」

夏海「まぁ、それがいいんだけどね」

れんげ「うちかき氷食べたいのん」

夏海「お、いいね」

小鞠「じゃあ、私も」

蛍「私もお願いします。」

楓「300円な」

夏海「高っ!」

小鞠「去年そんなしたっけ?」

楓「氷が値上がりしててなこっちだって結構大変なんだからな」

れんげ「うちは定番のいちごで!」

夏海「私は、メロン」

小鞠「大人と言えば抹茶でしょう」

夏海「ほたるんはどうするの?」

蛍「え?私は小鞠先輩と同じで」

楓「はいよ」

夏海「うーん。やっぱ、家でやるのとは一味違うよね」

れんげ「素材本来の味がするん」

小鞠「やっぱ、イチゴ味にすればよかったかな?」

蛍(駄目だ、さっきの光景が目に焼きついて離れない)

夏海「どうしたのほたるん?首なんて振って」

蛍「いいえ、なんでもありません」

夏海「さて、これからどうするかな」

小鞠「じゃあ、うちで勉強会でもしようか」

夏海「なんで、そうなるんだよ」

れんげ「うちな凄い景色の良い場所みつけたんよ」

夏海「そうだ、そこ行こうそこ」

蛍「はい、ぜひ」

小鞠「ちょっと!勉強は?まったくしょうがないな」

れんげ「ここが入り口なのん」

夏海「すごい、茂みだな」

れんげ「多分、誰も知らないのんうちが初めて発見したん」

夏海「お手柄だね。れんちょん」

小鞠「小学生ならともかく私入れるかな?」

夏海「大丈夫だよお姉ちゃんなら」

小鞠「どうせ、私は子供体型ですよ」

夏海「いや、そんなつもりで言ったわけでは…」

夏海「やばい、漏れそう」

小鞠「えーまた?調子に乗って3杯も食べるからだよ」

れんげ「うちもおなかギュルギュルなってきたん」

蛍「まさか、大きいほうじゃないですよね」

夏海「もちろん大のほうだよ」

れんげ「もう、限界です」

小鞠「まぁ、山の中だし大丈夫でしょう。じゃあ、私も」

蛍「ストップ!ストップ!」

れんげ、小鞠、夏海「えっ?」

蛍「いくら山の中でもこんなところで大は駄目です大は!」

夏海「だってこの辺にトイレないし」

蛍「そうだ! 借りればいいんですよ」

れんげ「ほたるんそれは無理のんな」

小鞠「すぐ行ける場所に家なんてないよ」

蛍「それも、そうですね…」

夏海「できれば私だって山を汚すようなことはしたくないけどさ
   緊急事態だからしょうがないよね」

れんげ「後で山の神様に謝っておくのんな」

小鞠「まぁ、肥料代わりにはなるでしょう」

蛍(そういうことを言ってるんじゃないんだけど)

夏海「あ~、すっきりした。草で拭いたの何年振りだろう」

れんげ「なかなか激しかったのんな」

小鞠「ごめんね蛍、みっともないところ見せちゃって」

蛍「それはむしろご褒美なんでいいんですが」

小鞠「えっ?なにか言った?」

蛍「いいえ、なんでもありません。もう、日も暮れてきましたし
  早く家に帰りましょう」

夏海「そうだね、これ以上草で拭いたらお尻が持たないし」

蛍「もう、その話はやめて下さい」

夏海「そういえば、れんちょんが言ってた景色のいい場所って…」

れんげ「あっ!忘れてたのん」

夏海「まぁ、色々立てこんでたしね。また、明日行こう」

小鞠「宿題終わってからね」

夏海「また、そういう母ちゃんみたいなことを言う」

蛍(やばい、漏れそう…)

夏海「ほたるんからもなんか言ってやってよ」

蛍「…」

夏海「どうしたの?ほたるん?おーい」

蛍「えっ?どうかしました?」

夏海「なんだ、聞いてなかったの?まぁ、どうでもいい話だからいいんだけどさ」

蛍「あ、あの~、ちなみに家のある場所まであと何分位掛りますか?」

夏海「さぁ~れんちょんに聞いてみないと」

れんげ「正直うちもわからんのんな」

蛍「えっ!?それってつまり…」

れんげ「はい、道に迷ってしまったようです」

蛍「そ、そんな…なんでこんな時に」

れんげ「申し訳ないのん」

夏海「気にしなくていいいって地元なんだし
   そのうち家のあるところまでたどり着くよ」

小鞠「暗くならないうちに帰れればいいけど」

夏海「ちゃんと、用も足してきたしね」

小鞠「不幸中の幸いってか」

蛍(どうしよう、このままじゃあ私も外でするはめに
  いやもう少しすれば家のあるところまでたどり着くかもしれないし
  我慢しよう)

夏海「確か、ここを右に曲がって…」

小鞠「いや、左でしょう」

夏海「右だって!」

小鞠「左だよ!」

夏海「れんちょんはどっちだと思う?」

れんげ「うちは左だと思うのん」

小鞠「ほれ見ろ」

夏海「もし、違ってたらどうするのさ」

小鞠「じゃあ、夏海だけ右にいけば?」

夏海「そ、そりゃないよ、一人は嫌」

小鞠「じゃあ、付いてきなよ」

夏海「さすが我が姉巧みな話術で私を誘導しようというのか」

小鞠「しょうもないこと言ってないで早くしないと置いて行くよ」

夏海「ちょっと、待ってよ」

夏海「お、ここはさっきの入口じゃないか」

れんげ「やっと戻れたん」

小鞠「よかった早く戻れて」

蛍「本当によかった」ウルウル

夏海「なんでほたるん泣いてるの?」

小鞠「そんなにうれしかったのかな」

れんげ「ここまでくればもう大丈夫だのん」

夏海「夕飯には間に合いそうだな」

小鞠「そんなこと心配してたのか」

れんげ「今日は冒険できて楽しかったのんな」

夏海「連れションもできたしな」

小鞠「だから、やめろって」

蛍「じゃあ、私はここで」

夏海「じゃあね。」

小鞠「また、明日。」

蛍「なんとか無事に家までたどり着いた。
  さてと、トイレ、トイレ。」

蛍の母「今、トイレは使えないわよ」

蛍「な、なんで!?」

蛍の母「浄化槽の調子が悪いから業者の人がきてるのよ
    少し我慢してちょうだい」

蛍「もう駄目、我慢できないよ」

蛍の母「仕方ないわね。じゃあ庭でしなさい」

蛍「え~そんなの嫌」

蛍の母「誰も見てないわよ。漏らすよりはましでしょう」

蛍「私の今までの苦労はなんだったの?!」

     _,r=ミv
    ⌒≫=r宀=-ミ                                                                      /´
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   \ 八 ┌‐ ┐ ノ /  =ニニニニニニニ\                                            〃ニニニニニニニニニヽ :{ r=ミ  r=ミj : }:|
    ノ\ >r─<  イ   'ニニニニニニニニニニ\                                           rー┐ ゝニニニニニニニニニニ人:.ミ r─┐彡:イ l
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