塞「私たち、似たもの同士ね」 怜「せやなぁ」 (38)

※立て直しました(前のは依頼済)

もし塞さんが副将戦で倒れてたら、あったかもしれない未来





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?2回戦副将戦?

「副将戦終了~~!」

和「お疲れ様でした」

和(いい位置で咲さんにバトンタッチできましたね)

絹恵「お疲れさん…」

絹恵(なんとか一位、守れたな) フゥ

初美「お疲れ様でしたぁ…」

初美(うぅ…全然稼げなかったですよー) グスッ

塞「はぁ…はぁ…」

塞「お疲れ…さま…」

塞(ラスで豊音にバトンタッチだなんて…)

塞(はは…こりゃ胡桃にどやされるかなぁ…)

絹恵「あの…臼沢さん? 大丈夫ですか?」

和「ひどくお疲れに見えますけど…」

塞「えっ…うん、だいじょーぶ」

塞(誰のせいだと思ってるのよ…)

塞「これくらい、いつものことだから…」 フゥゥ

塞「全然…ラクショー…」 ガタッ

フラッ…

塞(あ…やば…っ!)

ドサッ

初美「ふぇ…!?」

絹恵「臼沢さん!?」

和「だ、大丈夫ですか? しっかりしてください!?」

塞(うぅ…た、立てない…)

塞(今日はちょっと、塞ぎすぎたかな…)

初美「た、大変ですよー!!」

塞(ごめん、みんな…)

塞(迷惑…かけ…) フッ

絹恵「臼沢さんっ!!」

和「早く、救急車を…っ!」

ピーポーピーポー

2日後、病院

塞「……」

塞「うっ…うぅ…」 パチリ

胡桃「…っ! 塞!!」

エイスリン「サエ! 」

豊音「塞ー!」

塞「ここ…どこ…?」

エイスリン「ココハ、ビョウインダヨ」

塞「病院? そっか、私副将戦で…」

胡桃「塞、倒れてから2日も寝てたんだよ!」

胡桃「ホント、心配したんだからね!!」

塞「ご、ごめん…胡桃」

エイスリン「デモ、ヨカッタ」

豊音「目が覚めて、ホントよかったよー」 ウワァァァン

胡桃「豊音、泣かない!」 グスッ

エイスリン「クルミモ、ナイテルヨ…」 ポロポロ

胡桃「エ、エイちゃんだって!」 グスッ

塞「みんな…」

ガラガラ

トシ「塞、目が覚めたんだね」

塞「トシ先生…」

トシ「まったく、あんたが倒れた時は寿命が縮むかと思ったよ…」

塞「すいません、ご迷惑をおかけして…」

トシ「でもまぁ、あんたが無事でひと安心だね…」


塞「そうだ…試合はどうなったんですか?」

エイスリン「…ッ!」 ビクッ

胡桃「……」

豊音「…グスッ」

塞「み、みんな…?」

トシ「…負けたよ、私たちは」 ハァ

塞「…え?」

トシ「あの後、豊音が奮闘してくれたんだけどねぇ…」

胡桃「結局、清澄と姫松に追いつけなかったんだ…」 グスッ

塞「そう…なの…」

豊音「うわぁぁぁぁん、私が悪いんだよーー!!」

豊音「私が…私が大将戦でもっと頑張ってれば…」 ヒック

エイスリン「ウウン、トヨネハワルクナイ…」

カキカキ、パッ

塞「これ、エイちゃんと…清澄の次鋒?」

エイスリン「ワタシガ、ヤラレチャタセイデ…」 ポロポロ

エイスリン「ゴメンナサイ、サエ…」 ポロポロ

胡桃「2人とも、泣かないっ!」

胡桃「塞の前では泣かないって…決めたじゃない…」 ウルッ

塞「……」 ギュ


塞「…あれ?」

塞「そういえば…シロは?」

エイスリン「シロ、ホテルデネテル」 グスッ

塞「…は?」 ピキピキ

豊音「ま、待って、塞!」 アタフタ

エイスリン「コレミテ!」 パッ

塞(これは…ベッドで寝てる私だ)

塞(その横にいるのは…シロ!?)

胡桃「シロ、塞が運び込まれてからずっと、寝ずにつきっきりで看病してたんだよ」

塞「えっ…あのシロが!?」

トシ「で、今日はその疲れが溜まって、ちょっとダウンしちゃったのよ」

胡桃「驚きだよね、いっつもダルダル言ってるシロが…」

塞(…シロ)

トシ「…おっと、もう面会時間が終わっちゃうねぇ」

トシ「塞、先生の話だと…体力消耗が激しいから、もうしばらくは入院してなくちゃいけないみたいだよ」

塞「そうですか…」

トシ「だから、いまはしっかり身体を休ませておくんだよ」

塞「…はい」

トシ「じゃあね…行くよ、あんたたち」

胡桃「はい…じゃあね、塞」

エイスリン「ゲンキデネ!」

豊音「また明日、来るよー」

塞「うん、またねみんな」

ガラガラ

塞(……)




塞(そうか…)

塞(負けちゃったんだ…私たち…)

塞(寝てたから、全然知らなかった…)

塞(……)

塞(私が…)

塞(私が、副将戦でもっと清澄を警戒してれば…)

塞(もっと、点数を稼いでいれば…)

塞(もしかしたら、豊音は逆転できてたかもしれない…)

塞(……)

塞(何やってんだろ、私…)

塞(あんな試合して…)

塞(挙句の果てに、倒れて入院までして…)

塞(私たちにとって、最初で最後のインターハイだったのに…)

塞(一番みんなに迷惑かけたの、私じゃない…っ!) ギリッ

塞(部長なのに、何してんだろ…)

塞「……」

塞(……) ポロポロ

塞「…グスッ」

塞「…グスッ…ヒック」

塞(……)

塞(もう…寝よ…) ゴソゴソ

塞(……)

塞(……) ポロポロ

塞(涙…止まんないや) グスッ

塞(枕、ずぶ濡れになっちゃうかな…)

グスッ…



数日後

塞(あれから…胡桃たちのほかにも、いろんな人たちがお見舞いに来てくれた)

塞(姫松の人たちは、即興で漫才みせてくれた…)

塞(永水の人たちは、大量に果物くれた…)

塞(…1人で食べ切れそうに無いけどね)

塞(清澄は、大将の子が迷子になってトラブってたなぁ…) クス

塞(……)

塞(…だけど)

塞(…シロは、まだ来てない)

塞(夏風邪ひいたって聞いたけど、大丈夫かな?)

塞(…はぁ)

塞(…そういえば、今日はBブロックの準決勝ね)

塞(もう、私には関係ないけど…)

コンコン

塞「どうぞ」

看護士「臼沢さん、失礼します」

塞「あれ、点滴変える時間ですか?」

看護士「いえ、実は折り入って相談があるんですが…」

塞「なんですか?」

看護士「実は…急に個室が必要な患者さんがいらしまして、もしよかったら、ここから相部屋に移っていただけませんか?」

塞「別に、構いませんよ」

看護士「ありがとうございます」

看護士「あっ、部屋の相手なんですけれども、その子も高校生です」

看護士「だから、大丈夫だと思います」

塞「はぁ…」

塞(何が大丈夫なのよ…)


看護士「ここです」 ガラガラ

塞(あっ…誰かいる)

塞(よかった…女の子みたいね)

「あ、どうも」

看護士「園城寺さん、こちら臼沢さんです」

看護士「今日から二人でこの部屋をつかってください」

塞「臼沢 塞です、どうぞよろしく」 ペコ

怜「園城寺 怜です、こちらこそよろしゅう」 ペコ

塞(口調からして、多分関西の人ね…)

看護士「それでは、何かあったらまた呼んでください」

ガラガラ

怜「……」

塞「……」

シーン

塞(…気まずい)

怜「……」

塞「あ、あの…園城寺さんって、関西の人なんですか?」

怜「ん…そうやで。 生まれも育ちも大阪や」

塞「そ、そうなんですか! 」 アタフタ

塞「わ…私は、岩手出身です」

怜「岩手? またエライ遠いとこから来たなぁ」

塞「あはは…そうなんですよ」

怜「……」

塞「……」

シーン

塞(か、会話が続かない…)

怜「……」 ジー

塞(あれ、なんか私のことジッと見てる)



怜「なぁ、臼沢さん」

塞「はい…?」

怜「もしかしてあんた…宮守女子の副将さんやないか?」

塞「…っ! どうしてそれを!?」

怜「いやなぁ…私んとこの副将が、あんたにえらい興味持っとったから…」

塞「じゃあ、園城寺さんも麻雀を…」

塞「…ん?」

塞(大阪…麻雀…園城寺…?) モヤモヤ

塞「……あっ!!」 ピーン

塞「も、もしかしてあなた…千里山のエースの園城寺 怜っ!?」

怜「なんや、私のこと知っとったんか」

塞「そ、そりゃ…うちの監督も、あなたのことマークしてたから…」

塞「『千里山の先鋒は、まるで一巡先が視えてるようだねぇ』って」

怜「あはは、私もエライ有名人みたいやなぁ」


塞「でも、驚いたわ」

塞「まさか、こんなところで千里山のエースに出会えるなんて…」

塞「友達が聞いたら、きっとサインを欲しがると思うわ」

怜「いやいや、私そんな大物やないって」 ヒラヒラ

塞「またまたー」

塞「あ、そうだ、園城寺さん…」

怜「怜でええで」

塞「へ…?」

怜「いや、あんたも私も同い年やろ?」

怜「せやから、そんな堅っくるしい呼び方はやめようや」

塞「…そうね、わかったわ」

塞「じゃあ…私のことも塞って呼んでね!」

怜「わかったで、塞」 ニコッ

塞「話は戻すけど…怜、果物食べない?」

塞「お見舞いに来てくれた人からもらったんだけど、私1人じゃ食べ切れそうもなくて…」

怜「そうなんか…ほな、いただくわ」

塞「じゃあ、いま用意するね…よいしょっと」 ゴトン

怜「うわ、ホンマに大量やなぁ…」

塞「あはは、でしょ? …あ、何食べたい?」

怜「せやなぁ、じゃありんごでも」

塞「りょーかい。 いま皮剥くね」

怜「あ、わるいなぁ…」

塞「いいっていいって、それくらい」


怜「そ、そんな怒らんといてや…」

怜「ジョークやって、ジョーク」

塞「やっていいことと悪い事があるでしょ」 ゴゴゴゴ

怜「わ、わかったわかった…せや、お詫びに私も一発ギャグするから…」アセ

塞「むぅ、それなら…」

怜「じゃあ、バナナ2本貸してくれへんか?」

塞「ものボケ? まぁいいけど…」

怜「おおきに…」

怜「それじゃあいくで」 ←頭の横にバナナ

怜「一発ギャグ、新道寺の先鋒のマネ…」

怜「…すばらっ!」

塞「……」

怜「…ど、どや?」

塞「…プッ」

塞「なにそれ…すばらっ!、って」 ククッ

塞「あはは、変なの」

怜(ホッ…ウケたで)

塞「ウフフ…いいわ、さっきのこと、チャラにしてあげる」

怜「あはは、どうも…」

怜(ウケんかったら、どうなっとったんやろ…?)


ミスった…

>>12は無視してください

怜「美味いなぁ、このリンゴ」 シャリシャリ

塞「結構蜜が詰まってるね」 シャリシャリ

怜「せやなぁ…」 ジー

怜「……」 ←塞のお団子を見つめる

塞「どうしたの?」

怜「なぁ塞…ミカンある?」

塞「ミカン? あるけど…」 ゴソゴソ

塞「はい、どうぞ」

怜「おおきに…あ、ちょっとそのままでおって」

塞「えっ、なんで…?」

ポスッ

塞「……は?」 ←お団子の上にミカン

怜「…鏡餅」 ボソ

塞「…怜?」 ピキピキ

怜「ごめん塞、わたし大阪人やろ?」 プフッ

怜「なんか塞の頭、見逃せんでなぁ…」 ククッ

塞「…どうゆうことなの?」 ゴゴゴゴ



怜「そ、そんな怒らんといてや…」

怜「ジョークやって、ジョーク」

塞「やっていいことと悪い事があるでしょ」 ゴゴゴゴ

怜「わ、わかったわかった…せや、お詫びに私も一発ギャグするから…」アセ

塞「むぅ、それなら…」

怜「じゃあ、バナナ2本貸してくれへんか?」

塞「ものボケ? まぁいいけど…」

怜「おおきに…」

怜「それじゃあいくで」 ←頭の横にバナナ

怜「一発ギャグ、新道寺の先鋒のマネ…」

怜「…すばらっ!」

塞「……」

怜「…ど、どや?」

塞「…プッ」

塞「なにそれ…すばらっ!、って」 ククッ

塞「あはは、変なの」

怜(ホッ…ウケたで)

塞「ウフフ…いいわ、さっきのこと、チャラにしてあげる」

怜「あはは、どうも…」

怜(ウケんかったら、どうなっとったんやろ…?)

書き留め終わり

一定量書けたらまた投稿します

怜「なぁ塞、ひとつ聞いてもええか?」モグモグ

塞「んっ、なに?」

怜「塞は…なんで入院しとるんや?」

塞「…」 ピクッ

怜「…ごめん、なんか気に障るようなことやったか?」

塞「ううん、なんでもないの」

塞「…私さ、ちょっと変な力を持ってて」

怜「…力?」

塞「うん、私…見つるだけで相手の能力を塞げるの」

怜「妨害できるってことか…?」

塞「そういうこと」

塞「それで、2回戦では永水の薄墨を塞いでたの」

怜「あぁ…あの四喜和をよくアガるっていう…」

塞「でも、これには欠点があってね…体力をかなり使うんだ」

塞「何回か止めようかと思ったんだけど、清澄が全然永水を警戒しなくって…」

塞「それで、塞がざるを得なくて…」

塞「体力使い過ぎて…このザマよ…」 フフッ

塞「まぁ、結局負けちゃったんだけどね…」

怜「…」

塞「…わたしたちの部さ、去年まで3人しかいなかったの」

塞「…でも今年、やっと5人揃って念願のインターハイに出れたの」

塞「みんな3年生だから、これが最初で最後のインターハイだったんだよね」

怜「…そうやったんか」



怜「いっしょやな、私と…」

塞「えっ…?」

怜「わたしな…ホンマに視えるんや、未来が」

塞「ま、マジで….!?」

怜「おおマジや」

怜「病気で一回死にかけてな、その時にこの能力が目覚めたんや」

塞「そ、そうなんだ…」

怜「一巡先はもちろん、集中したら二つ先や三つ先も視えるんやで」

塞「す、すごい…」

怜「でもな、使うたびに体力めっちゃ消耗するんよ」

塞「…っ!」

怜「それにわたし病弱でな、あんま体力ないねん…」

塞「……」

怜「…でも、準決勝では無理せざるを得んかったんよ」

怜「なんせ、相手があの宮永 照やったからなぁ…」

塞「み、宮永 照っ!?」

怜「すごかったで、一巡先視て邪魔しても、平気でアガるんやから」

怜「わたしもチームの点守るために、必死でがんばったんよ」

怜「その無理がたかって、今ここにおるんよ」

塞「……」


怜「…わたしもな、これが最初で最後のインターハイやったんよ」

塞「…えっ!?」

怜「わたしな、この能力得る前はずっと三軍やったんや」

塞「…っ!?」

怜「でも…わたしの友達は、変わらずにわたしと一緒にいてくれた」

怜「それで、いつか絶対一緒にインターハイに行こうって言ってくれたんや」

怜「その後…この能力得て、その夢が叶って、すごく嬉しかったんや」

怜「まぁ…結局わたしたちも負けてしもうたんやけどな」

塞「…そうなんだ」

塞「わたしたち、似たもの同士だったんだね…」

怜「ふふ、せやな…」



塞「でも、悔しいなぁ…」

塞「できることなら、みんなで優勝したかった」

塞「…いや、せめてもっと、みんなと麻雀したかった」

塞「…なのに」

塞「わたしがしっかりしてなかったせいで…」

塞「それに…みんなに迷惑までかけちゃった…」 ウルッ

塞「…グスッ」

怜「塞…」

塞「ホント…みんなに顔向けできないや…」 ポロポロ

怜「……」

塞「グスッ…ヒック…」

怜「……」

怜「こんなこと、わたしが言っていいんかわからんけど…」

塞「…なに」

怜「きっと、アンタんとこのメンバーは、誰も塞を責めたりしないと思うで」

塞「……」

塞「…なんで、怜がそんなことわかるのよ…っ!」 キッ

怜「わたしが…そうやからや」

塞「は…?」


怜「わたしの友達も部長でな、大将務めとったんや」

怜「その友達…竜華はな、わたしが倒れてから自分の試合が始まるちょっと前まで、ずっとそばにおってくれたんや」

怜「試合の時も、わたしのためにも頑張ろうって思っとったはずや」

怜「けど…負けてもうた」

怜「竜華も…塞みたいに責任感強いから、きっとわたしに申し訳ないって思っとると思う」

塞「……」

怜「けど…わたしは竜華を責めようとは思わへん」

塞「…えっ?」

怜「もちろん…負けて悔しくないって言ったら、それは嘘になるで」

怜「けど、さっきも言ったけど…わたしはセーラや竜華と一緒にインターハイに出れたことが、何より嬉しかったんや」

怜「やから寧ろ、わたしは竜華に感謝しとるんや」

怜「…いままで一緒におってくれてありがとう、って」

塞「…怜」

コンコン

塞「…っ! どうぞ」

ガラガラ

セーラ「元気かー、怜?」

怜「あっ、セーラ」

セーラ「おっ、顔色良さそうやな!」

怜「まぁ、ぼちぼちやわ…」

怜「…ん、セーラだけなんか?」

セーラ「ああ、それはな…」

セーラ「…ほら、いつまでそこにおんねん」 ガシッ

「…あっ!」

怜「…っ! 」

怜「…竜華」

竜華「…怜」

塞(この人たちが、怜の…)

セーラ「…せや、あんた、臼沢さんやったっけ?」

塞「え…あ、はい」

セーラ「あんたにもお客さん、おるで」

塞「えっ…?」

胡桃「塞、元気?」 ヒョコ

塞「あ、胡桃…」

胡桃「あともう一人…ほら、早く入る!」

「…ダルイ」

塞「あ…!」

塞「…シロ」

白望「久しぶり…塞」

セーラ「あ…来て早々悪いけど、俺なんかジュースでも買ってくるわ」

竜華「え、ちょっ、セーラ!?」

セーラ「やから怜は竜華とゆっくり話でもしとってな」

怜(セーラ…)

胡桃「わたしも何か買ってくるね」

塞「く、胡桃!?」

胡桃「だからシロとゆっくり話しながら待っててね」

セーラ「なんや、宮守のおチビさんもついてくるんか?」

胡桃「そこ、うるさい!!」

セーラ「ジョークやて、ジョーク…ほな、行くで」

胡桃「じゃ、塞、後でね」

ガラガラ

塞(胡桃…)

塞「……」

白望「…だる」

怜「……」

竜華「……」

竜華「た、体調はどうなんや、怜?」アセアセ

怜「さっきも言ったやん、ぼちぼちやって」 ハァ

竜華「そ、そうやったな、アハハ…」

怜「……」

塞「風邪ひいてたんだって、シロ?」

白望「…うん」

塞「もう、大丈夫なの…?」

白望「まだちょっとダルいけど…大丈夫」

塞「…そういえば、ずっと看病してくれたんだっけ、私のこと…」

白望「…うん」

塞「ありがとね、ほんと。…ダルくなかった?」

白望「別に…ダルくなかった」

塞「……」

竜華「…なあ、と「竜華」えっ…?」

塞「…ねぇ、し「…塞」んっ…?」

怜「久しぶりに膝枕、してくれへん?」

竜華「え…うん、もちろんやで…」

ゴロン

白望「充電…してあげる…」

塞「な、なんで…?」

白望「いいから…」

塞「じゃあ、お言葉に甘えて…」

ポスッ

竜華「どうや、怜?」

怜「やっぱエエな、竜華の膝枕は….」 ゴロン

怜「病院のベッドなんかより、ずっと柔らかいわ」

竜華「そうか…おおきに」

塞「あ、柔らかい…」 ポヨポヨ

白望「あんまり揺れないで、ダルいから…」

塞「あ、ごめん…」

白望「…ねぇ、塞」

塞「ん、なに?」

白望「お尻…大きいね…」

塞「…はぁ?」 ピキピキ

白望「…冗談」

塞「…もう」

塞「負けちゃったね…」

白望「…うん」

塞「これが…最初で最後のインターハイだったのにね」

白望「…うん」

塞「…なのにわたし」 ウツムキ

塞「あんまり、点稼げなかった…」

塞「それに…倒れて、入院して…」

塞「シロやみんなに…迷惑かけちゃったね…」 ウルッ

白望「……」

塞「ほんとに…ごめんね…」 ポロポロ

白望「……」

…ダキッ

塞「…えっ!?」 ←後ろから抱きつかれる

白望「泣かないで…ダルいから…」

塞「し、シロ…?」

白望「私たちは…誰も塞を責めたりしないよ…」

白望「試合に負けたのは、誰のせいでもない…みんな全力を出してた…」

白望「あの二校が強かった、ただそれだけだよ…」

塞「……」

白望「それに…私や胡桃、豊音にエイスリン…」

白望「みんな…塞に感謝してるよ」

塞「…っ!」

白望「部長としてみんなを引っ張ってくれて…」

白望「ありがとう、って…」

塞「……」 フルフル

塞「シロ…シロぉ…」 ポロポロ

白望「いいよ…このままで」

…ピチャン

怜「…竜華?」

竜華「ごめん、怜」 ポロポロ

竜華「怜が…体はってウチらの点数守ってくれたんに…」

竜華「…負けてもうた」

竜華「ウチの…せいで…」 グスッ

竜華「ホンマにごめんな…怜」ポロポロ

怜「……」

怜「…泣かんでや、竜華」

竜華「…えっ?」

怜「試合に負けたんは、確かに悔しいよ」

怜「でもな、わたし…」

怜「竜華やセーラと、一緒にインターハイに出れたこと…」

怜「それが…何より嬉しかったんや」

竜華「…っ!!」

怜「やからな、竜華」

怜「いままで一緒におってくれて…」

怜「ホンマに…ありがとうな」 ポロポロ

竜華「うっ…うっ…」

竜華「怜…ときぃ…っ!」 ポロポロ

怜「ふふ…」

怜「やっぱり、太ももに大雨が降ってきたなぁ…」 グスッ



ガラガラ

セーラ「戻ったでー、怜!」

胡桃「そこ、病院で大声出さない!」

怜「おー、おかえりー」

胡桃「…はっ!」

胡桃「ちょっと塞! なんであんたが充電してんのよ」

塞「え…いや、ちょっとね…」

胡桃「ちょっとじゃない!」

胡桃「それは私の専売特許よ!」

塞「いや、意味わかんないだけど…」

白望「…ダルい」

胡桃「うるさい、そこ!」

セーラ「充電っていうんか、それ…」

怜「…てか、結構いい膝しとるな、あんた」 ムクッ

塞「え…」

白望「…?」

竜華「ちょっ、怜!?」

怜「こりゃ、膝枕ソムリエとして、確認せなあかんな…」 ニヤ

塞「ちょっと怜、何言ってるの!?」

怜「心配いらんで塞、ただちょっと膝枕するだけや」

塞「だ、ダメに決まってるでしょ!」

怜「えー、減るもんやあるまいし」

塞「ダメものはダメ!」

ワーワーギャーギャー

胡桃「何あれ…バカみたい」

セーラ「あー悪い、ある意味あいつの一番重い病気や…」

竜華「怜が、他の人の膝に行ってもうた…」 ガーン

セーラ「竜華、落ち着けや…」 ハァ

白望「…ダルい」


退院の日

塞「まさか、退院の日までいっしょなんてね」

怜「ホンマ、わたしら似たもん同士やな」

塞「そうね…」

怜「…楽しかったで!」

塞「えっ…」

怜「たった数日だけやったけど、塞と一緒におれて…楽しかったで!」

塞「…うん、私も楽しかった!」

塞「……」

塞「また、会えるよね?」

怜「……」

怜「…もちろんや!」

塞「今度会った時は、絶対麻雀しよう!」

塞「わたし、怜のこと…塞いであげるから」 ニッ

怜「ふふ…わたしも一発ツモ、見せたるからな」 ニヤ

怜「あ、あと今度こそ、あの人に膝枕してもらうからな!」

塞「…まだ諦めてなかったんだ」 ハァ

サエー!

トキー!

塞「あ、みんな来たみたい…」

怜「わたしもやわ…」

塞「……」

怜「……」

塞「…それじゃ」

怜「…うん」

塞「またね、怜!」

怜「ほなな、塞!」

カン

おつー
さぁ、次は千里山と宮守の合同合宿をば

短いですがこれで終わりです

自分咲のなかでは千里山と宮守が一番好きなので、思いつきですが書いてみました

来年放送の全国編では、宮守の勇姿に期待しつつ、怜がちょっとでも出てくれることを祈ってます

>>33
考えときます

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