「…ありがとうドラえもん」
のび太は限界を感じていた
20××年、ロボット工学の分野ではもう、野比のび太の名前を知らないものは居ない
源静香と大学で運命的な再会、そして交際を続け結ばれた
彼はドラえもんの望む『立派なのび太君』になったのだ
しかし、ドラえもんが居ない
元々、高校の時にのび太は気付いていた
ロボット産業の限界、低迷を
確かにロボット産業は発展の一途を辿り、彼が二十歳を過ぎる頃にはあらゆる分野での
ロボット従業員の採用が盛んに行われていた
しかし、反発は起きた
雇用問題に対する意見や、一向に慣れないロボットによる接客は所謂『コミュニケーションを主とするロボット』の発展を大きく妨げた
のび太はその時、気付いた
あぁ、ドラえもんは違う未来から来たんだ
と
勿論、賢明なのび太は自分のその発想が侘しい、なんとも他人任せな発想だとも気付いた
ドラえもんを知っているのは僕たちだけだ
だったらドラえもんを作れるのも僕たちだけじゃないか
海外に留学し、生物学を学んでいた出木杉やのび太と同じ大学で経済を学んでいるスネ夫に声をかけ、のび太は動き出した
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