妹「今日は家に誰もいないの」 (52)
彼氏「え」
妹「……」
彼氏(これ、二人きりになれるって事だよな)
彼氏「いいの?」
妹「うん」
彼氏(うわああ! よっしゃ、よっしゃ! ついに、ついに妹ちゃんと結ばれる日が!)
彼氏「そ、そっか、じゃあ……御邪魔しようかな」
妹「……うん」
兄「FUCK、FUCK、FUCKING SHIT!!」
兄「心配になって盗聴してみれば、クソガキめ、大事に大事に可愛がってきた俺の妹にFUCK決める気でいやがる!」
兄「いいぜ、社会勉強させてやるよ……お前の息子をちょん切って母ちゃんの子宮に返してやるぜぇ……」
兄「あひゃ、あひゃひゃひゃ! オマンコ野郎、お前の人生は今日で終わりだぜぇぇぇぇ!」
彼氏「……っ」 ゾクッ
彼氏(なんだろう、風邪でも引いたかな。でも、このチャンスを逃すわけにはいかない! 頑張ろう!)
彼氏「……」
妹「……」
彼氏(どうしよう、緊張しすぎて何を話せばいいのか分からない)
彼氏(いつも俺達って何話してたっけ? やばい思い出せない!)
妹「彼氏くん」
彼氏「な、何?」
妹「私のこと好き?」
彼氏「あ、当たり前だろ! 世界で一番好きに決まってるだろ!」
妹「……私もだよ」
兄「うぎぎぎぎぎ! ぎげげげげげげ!」 ガリガリ
兄「妹の恋を素敵な思い出にしてやろうと、今日まで生かしておいてやったものをぉぉぉ!」
兄「お前には一生忘れられない思い出をプレゼントしてやる……」
兄「たっぷり絶望を与えた後で、苦しみもがいて死なせてやるよぉぉぉ……」
彼氏(やっぱり寒気がするなぁ)
彼氏(ああ、俺の彼女はこんなに可愛いって世界中に自慢したい!)
彼氏(こんなに可愛い妹ちゃんとこれから俺はエッチするって叫んでやりたい!)
妹「……」 ギュッ
彼氏「……っ」 ドキッ
妹「……」
彼氏(ああああ、このまま抱きしめたい! お、落ち着け俺! 落ち着くんだ!)
兄「臓物の色は赤い~、赤い~、トマトと同じ~♪ フフフ~ン♪」
兄「血反吐に虹が~、かかって綺麗~♪」
兄「睾丸の色はピンク~、ピンク~、モモと同じ~♪ フフフ~ン♪」
兄「漏らした小便~、 真赤で綺麗~♪」
兄「ああ、待ち遠しいなぁ! 早く来いよ彼氏くんよぉ、全身全霊で歓迎してやるぜぇ!」
彼氏「あ、黒猫だ」
妹「可愛いー! よしよしー」 ナデナデ
彼氏(いよいよ妹ちゃんの家だ)
彼氏(前に来た時はお兄さんがいたんだよな)
彼氏(お兄さん、ずっとニコニコしてて優しい雰囲気の人だったなぁ)
彼氏(……あの人が本物の兄貴になる日も近いかな)
妹「……どうぞ」 ガチャッ
彼氏「う、うん」
彼氏(そういや妹ちゃんも、よく見ればちょっと顔が赤いし、いつもより俺と目を合わせてくれてないな)
彼氏(……緊張してるんだよな)
彼氏(そうだよ、こういう時こそ男の俺がリードしてあげなくちゃ!)
彼氏「妹ちゃんの家ってさ、あったかみがあっていいよね。妹ちゃんの家って感じがするよ」
妹「そうかな。でも……彼氏くんの方が、私なんかよりあったかいよ」 ボソッ
彼氏「え?」
妹「なんでもない!」 スタタッ
彼氏「おじゃまします」
妹「飲み物出すね。何がいい?」
彼氏「なんでもいいよ」
妹「もう、うちのお兄ちゃんと同じ事言う! そういうの一番困るんだってば」
彼氏「あはは、それじゃお茶で」
妹「お茶ね」
彼氏(妹ちゃんの家で二人きりって、なんか変な気分だな)
彼氏(新婚さん、みたいな)
兄「……」 ヌラリッ
彼氏「……っ」 クルッ
彼氏(誰もいない。でも今、誰かに見られてるような感覚が)
妹「どうしたの?」 コトッ
彼氏「う、ううん、別に」
ピンポーンッ
妹「ちょっと待っててね!」 スタスタ
彼氏(ちょっと神経過敏になってるな) ズズズッ
彼氏(この家には俺と妹ちゃん以外誰もいないんだから)
カタリッ
彼氏「……っ」 クルッ
彼氏(やっぱり誰もいない)
チャポンッ
彼氏「ん?」
彼氏(今、何か水音がしたような)
彼氏「シンクかな」
彼氏(平常心平常心、俺が焦ってちゃ妹ちゃんの方が困るだろ! しっかりしろ、俺!)
彼氏(そうだ、お茶でも飲んで心を落ち着けよう) カチャッ
兄(アホめ! 俺が今お前のお茶に入れたのは強力下剤!)
兄(飲んだが最後、下痢が止まらなくなりお前は病院直行だ!)
兄(下痢に塗れた失敗初体験を胸に刻んで生きるがいい!)
兄(そしてお前に幻滅した妹を慰めてやるのが俺の仕事! 生きがい!)
妹「だ~れだ!」
彼氏「うわっ!」 ガチャンッ ダバーッ
妹「あ、ごめんなさい! すぐに雑巾持ってくるね!」 スタタッ
彼氏「ぜ、全然平気だから! そんなに急いだら転ぶよ!」
兄(俺の下剤作戦がぁぁ! でもドジな妹可愛いぃぃ! 可愛いよ妹ペロペロしたいよぉぉ!) ジタバタ
妹「本当にごめんね!」 フキフキッ
彼氏「いや、大丈夫だから。ただのお茶だし、すぐに乾くよ。それよりお客さんは?」
妹「悪戯だったみたい、誰もいなかったの」 ゴシゴシッ
彼氏(ちょ! そ、そこは男の大事な……っ)
妹「もう、全然取れないよぉ」 ゴシゴシッ
彼氏「い、妹ちゃん、本当に大丈夫だから! それ以上は……!」 ビクッ
妹「え? なんか今、ビクンって……」
彼氏「……」 カァァァッ
妹「あ、ご、ごめんなさい! 私、そんなつもりじゃ!」 ワタワタ
彼氏「お、俺の方こそ、身体が勝手に……」
兄(殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す)
妹「お兄ちゃんのズボン、サイズ大丈夫?」
彼氏「うん、ピッタリ」
妹「良かった」 ホッ
彼氏「……」
妹「……」
彼氏(また会話が途切れちゃったよ。もっと自然にしたいのに、俺ってダメだな)
彼氏(心臓がドキドキ言ってる。ダメだ、妹ちゃんの顔も見れない!)
妹「私、シャワー浴びて来るね」
彼氏「え?」
妹「……」 スタスタ
彼氏(そそそそそそそ、それって! それって!)
兄(いやあああああああああああああああああああああああああ!!)
兄(妹が、妹が、妹が! 妹がぁ!)
兄(おおおお、落ち着け俺! ちゃんとエロい雰囲気を台無しにする仕掛けはしてある! 問題ない!)
妹(うぅ、エッチな子だと思われてないかな……) ヌギヌギッ
妹(でもでも、今日は絶対に彼氏くんと、その……)
妹「あうぅ」 カァァ
妹(や、やっぱり痛いのかな。ううん、そんなの平気! 愛があれば大丈夫だもん!)
妹(私達の愛は本物なんだから!)
妹「って、あんまり遅くなると彼氏くんも心配しちゃうよね」 キュキュッ
ジャァァァァッ
妹「え?」
妹(水が赤……っ!)
妹「きゃっ!?」 ヨロッ グチュッ
妹(今、何か踏んだような……) チラッ
妹「ひっ!」
「きゃあああああああああ!!」
彼氏「妹ちゃん!?」 ガタッ
彼氏(妹ちゃんの身に何か……っ!) スタタタッ
彼氏「妹ちゃん! 妹ちゃぁん!」
妹「彼氏くん!」 ダキッ
彼氏「うわっ!?」
妹「ちちち、血が! 血が出て来て! 女の人の髪がいっぱいあって、それで、それで!」 フニフニッ
彼氏「ちょ、いいいい、妹ちゃん! はは、離れて! まずいって!?」
妹「幽霊がいるんだよ!」 ギュギュッ
彼氏「妹ちゃん! 裸ぁ! 裸だからぁ!」
妹「え? ……あ、きゃああああああああああああああああ!」 ズサッ
彼氏「おお、俺、後ろ向いてるから! その間に!」
妹「でも、でも、幽霊が!」 ギュッ
兄(生爪を剥いで指先から関節を破壊して逆さ吊りにした後に血抜きしてゴミ屑の生産者の両親に肉を御馳走した後)
兄(消化される前に両親をミンチ肉に変えて親子揃って灰になるまで焼き尽くしてその灰を豚の糞に混ぜて土に帰して)
兄(その畑で出来た野菜も出荷せずに廃棄してお前の元素一つ残らず永遠に畑と野菜を無価値のまま循環させてやる)
妹「うぅぅ」
彼氏「だ、大丈夫だよ、俺見てないから!」
妹「嘘」
彼氏「本当だって! 妹ちゃん、ぴったりくっ付いてたから見えなかったよ!」
妹「私、ぴったりくっ付いてたんだ……」
彼氏「変な意味じゃなくて!」
妹「もうやだ、こんなはずじゃなかったのに……私、いつもはこんな変な子じゃないのに……」
彼氏「俺全然変だなんて思ってないよ! 普段見れない妹ちゃんの可愛い所見れて嬉しいし!」
妹「彼氏くん……」 ポーッ
彼氏「多分さ、さっきのもお風呂場の配水管に髪が詰まって壊れてたんだよ。ね?」
妹「彼氏くんが言うならそうかも」 ニコッ
彼氏「やっと笑ってくれた。やっぱり笑ってる妹ちゃんが一番可愛いな」
妹「もう、彼氏くんのバカ!」
兄(大丈夫、俺は大丈夫。全然平気。むしろ大丈夫。大丈夫じゃないのが大丈夫。だから大丈夫) ガリガリ
彼氏(あれ。俺の鞄、何かおかしいな)
彼氏(置いてある場所が変わってるような……)
妹「あれ、メールだ。誰だろ?」
彼氏(そういや携帯も鞄に入れっぱなしだっけ。俺もちょっと見ておこうかな)
妹「嘘……」
彼氏「どうしたの?」
妹「……」
彼氏「妹ちゃん?」
妹「ひっ、ひっく……」 ポタポタ
彼氏「え?」
妹「ひっく、ひっく……」 ポタポタ
彼氏「……」
兄(妹を泣かせてしまった)
兄(すまない。本当にすまない。でもこれもお前のためなんだ)
兄(許してくれとは言わない。だが、その涙は俺が拭ってやる)
彼氏「ねえ、妹ちゃん。何かったあったなら俺に話してよ」
妹「うぅ」 グスンッ
彼氏「俺じゃ頼りにならない?」
妹「……」
彼氏「妹ちゃん」
妹「これ」 スッ
彼氏「……え、何これ?」
兄(『あの女ちょろいわ。もう今日できめちゃって肉便器コース直行ね』)
兄(その他、最低のクズ男を演出する素敵ワードをクズ友への誤送信風に散りばめておいた)
兄(これで妹も、こいつが惚れる価値のない人間だと気付く事だろう)
彼氏「……妹ちゃん」
妹「……」 プイッ
彼氏「俺、こんなメール送ってないよ」
妹「嘘」
彼氏「嘘じゃないよ。大体さ、この受信時間って、その、お風呂の件で俺達が一緒にいた時じゃん」
妹「……」
彼氏「おかしいよ。大体俺、鞄に入れたまま携帯出してないもん」
妹「でも」
彼氏「何かの間違いだよ。俺、こんな事絶対に言わない。妹ちゃんを幸せにするって決めてるから」
妹「彼氏くん……」
彼氏「信じてよ」
妹「……疑ってごめんなさい」 ペコリ
彼氏「いいよ」
妹「私、もう彼氏くんの事疑ったりしない。前よりもずっと好きになる!」
兄(なんでそうなるねん)
彼氏「一応、俺の携帯も調べておこうか」
妹「そうだね。なんでこんな変な事が起きたのか分かるかもしれないし」
兄(くくくっ、ここで俺の第二のトラップが発動!)
彼氏「え?」
妹「どうしたの、彼氏くん?」
彼氏「ななな、なんでもない!」
妹「でも、なんか変だよ?」
彼氏「本当になんでもないから!」
妹「……鞄に何かあるの?」
彼氏「そ、そんなはず」 ゴトゴトゴトッ
兄(彼氏が実はド変態で大人の玩具を鞄に入れまくってたらさ、ドン引きだよね?)
兄(はいこれで終わり、ターンエンドね)
妹「……」
彼氏「ち、違うんだよ! 俺こんなの持ってきた覚えないし!」
彼氏「信じてくれ! お願いだ!」
妹「私、その」
妹「彼氏くんがしたいなら……」 モジッ
彼氏「え?」
妹「でもでも! 初めては普通に優しくして欲しい、かな……」 カァァァッ
彼氏「う、うん」 カァァァッ
兄(死にたい)
兄(すべてが裏目裏目に出る……)
兄(何だこれは、呪われてるのか?)
兄(いや、違う。妹が天使過ぎるのがいけないんだ)
兄(何があっても妹は愛ゆえに肯定的な受け止め方をする)
兄(もうこうなれば、直接あのクソガキを殺すしかないのか……)
兄(そんな事をしたら、妹のトラウマになってしまうじゃないか!)
兄(ダメだダメだ! だがどうすればいいんだ!)
兄(今は少しでも時間が欲しい。どうにか時間稼ぎをするしかない) ユラッ
彼氏(色々あったけど、俺、妹ちゃんに愛されてるんだな)
彼氏(これって凄い事だよな。俺が好きな女の子が俺の事をこんなに好きでいてくれるって)
彼氏「俺、妹ちゃんの彼氏で良かった」
妹「私も、彼氏くんの彼女で良かった」 ギュッ
彼氏「……」 ジッ
妹「……」 ジッ
彼氏(ちょっと待てよ。そういえばアレの準備、ちゃんとしてあるか確かめないと)
彼氏「ごめん、ちょっとトイレ借りるね」
妹「う、うん」
彼氏(鞄にから落ちた財布をさりげなく拾って、と) スタスタ
彼氏「あれ、ないぞ」
彼氏(おかしいな、ちゃんと用意してたはずなのに)
彼氏「どうしよう、今から買いに行くのも……」
彼氏(とはいえ、それ以外に方法もないし)
プシュッ
彼氏「ん? うげっ、げほげほっ、うげぇっ!」 ガタンッ
彼氏(目が、鼻が、喉が痛い!? 何だこれ!)
彼氏「うぐぇっ!」 ヨロッ
彼氏(ちくしょう、息ができない! とにかくトイレから出ないと!) ガチャンッ
彼氏「げほっ、げほげほっ!」 バタンッ
妹「彼氏くん、どうしたの!?」
彼氏「うぐっ、げう……っ」
妹「しっかりして、彼氏くん!」
彼氏(ああ、すげえ心配されてる)
彼氏「だい、げほっ、だいじょ、うぶ、げほげほっ、だから……」
妹「全然大丈夫じゃないよ! 救急車、救急車呼ばないと!」
彼氏「本当に、大丈夫、すぐに治るって」 クタッ
妹「……」 スッ
彼氏「え」 ポフッ
妹「良くなるまで、私がずっと見てるから」
彼氏「う、うん」
彼氏(こ、これがあの膝枕……やべぇ、すげえ幸せだ俺……)
彼氏「ありがとう、妹ちゃんのおかげで良くなったよ」
妹「死んじゃうかと思ったんだから」
彼氏「俺もちょっと思った。何だったんだろう、あれ」
妹「病院行った方がいいんじゃない?」
彼氏「全然。今はすげえ元気なんだ」
妹「……部屋、行こっか」
彼氏「……」 ギュッ
妹「……」 コクリッ
彼氏「あ」
妹「どうしたの?」
彼氏「実はアレ、忘れてきたんだ」
妹「アレ?」
彼氏「ゴム」
妹「……も、持ってるよ」
彼氏「え?」
妹「……」
彼氏「そ、そっか」
彼氏(俺とするために用意してたのかな。か、可愛いな……)
妹「そこの引き出しに……あれ?」
彼氏「どうかした?」
妹「ない」
彼氏「えぇ?」
妹「友達に貰って仕舞っておいたのに」
彼氏「そっか。じゃあ仕方ないね。今から買って……」
妹「い、いいよ」
彼氏「え?」
妹「なくても……」
彼氏「……」
妹「彼氏くんの子供だったら、私」
彼氏「ダメだよ。今の俺じゃまだ父親にはなれないから、責任が取れるようになるまでは。ね?」
妹「でも」
彼氏「俺もしたいよ。でも俺、真剣なんだ。お願いだから分かってよ」
妹「……うん、ごめんなさい」
彼氏「いいって。それじゃ買ってくるから待ってて」 スタタッ
彼氏(ふぅ。ダチと買った時とはやっぱり違うな)
彼氏(でもこれで、いよいよ妹ちゃんと俺は……)
彼氏(落ち着け、変にがっついてる奴だと思われたら嫌われるぞ!)
彼氏「深呼吸してから妹ちゃんの家に入ろう」 スゥ ハァ
彼氏「……よし! いごげっ」
バチバチッ
彼氏「な」
バチバチバチバチッ
兄「対象は沈黙、作戦を次のフェイズに移行する」
妹(彼氏くん遅いなぁ) ソワソワ
妹(それにしても、今日はビックリする事ばっかりだなぁ)
妹(シャワーは壊れるし、変なメールは来るし、彼氏くんは倒れるし……)
妹(それに、あの鞄に入ってた、エッチなのも……) モジッ
妹(彼氏くんにされるなら嫌じゃないけど……) モジモジッ
妹「ち、違うよ、私エッチな子じゃないよ! でもでも」
スッ
妹「え? だ、誰?」
「シーッ」
妹「彼氏くん?」
「シーッ」
妹「しゃ、喋っちゃダメって事?」
スッ
妹(指でマル……ダメって事なんだ)
妹「ふ、振り向いてもダメなの?」
スッ
妹(マル。やっぱりダメなんだ)
妹「どうして? どうして、んっ」 ピタッ
妹(唇に指? 聞くなって事?)
シュルシュルッ
妹「え、え? か、彼氏くん、何するの?」
妹(目隠しされちゃってる。これじゃ何も見えないよ)
妹「やだ、怖いよ」
ナデナデッ ナデナデッ
妹「あうぅ」 モジッ
妹(いつも優しいけど、今日の彼氏くんはお兄ちゃんくらい優しい……)
妹「も、もっとナデナデしてくれたら、怖くない、かも」
ナデナデッ ナデナデッ
妹「はふぅ……」
妹(こういうのって、ちょっと変態っぽくて、なんかエッチだけど……)
妹(でも、彼氏くんがしたいなら……)
妹(ちゃんと優しくしてくれるなら……)
妹「いいよ、彼氏くんのしたいようにして」
チュッ
妹「んっ」
妹(キスされちゃった……!) カァァァッ
妹「――いいよ、彼氏くんのしたいように」
彼氏(そいつは俺じゃないんだ!) グッ
彼氏(畜生! 全身ギチギチに縛られて身動きが取れない!)
彼氏(なんでいきなりこんな事に……妹ちゃん、妹ちゃん!)
彼氏「こふぅ、ふぅ」
兄(くけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ!)
兄(もどかしいだろ? 何をしてるかも見えず、声も出せず! 俺が妹とイチャイチャしてるのを聞いてるだけ!)
兄(俺の気分がわかったか、クソガキめ!)
妹「んっ」 ピクッ
兄「……」 スッ
兄(妹に唇、指で触っても柔らかいな。このまま触り続けたいよぉ) スリスリッ
妹「くすぐったいよぉ」 ムズッ
兄(さぁて、玉無し野郎の彼氏くんに変わって俺が素敵な初体験の思い出をあげるからな) ニッ
チュッ チュッ
妹(またキス、今度はほっぺた、それに首筋) ピクッ
チュッ チュッ チュッ チュッ
妹(手の甲に、手首……それも両方)
妹(そんなに私が好き、なのかな)
妹(何も見えないと触られてる感覚ばっかり気になっちゃう) モジッ
チュッ
妹「ひゃっ!」 ピクッ
妹(ふくらはぎ!? だ、ダメだよ、そんな所にキスしたら、スカートの中見えちゃう!)
妹「ダメ! エッチだよ!」
妹「……」
妹(あれ? 終わっちゃったの?)
妹「お、怒った? 違うの、その、スカートが見えちゃうから、だから」
チュッ
妹(あ、また唇に) ピクッ
妹「――ダメ! エッチだよ!」
彼氏(一体何をしてるんだ!?)
彼氏(妹! そいつは俺じゃないんだよ! 気付いてくれよ!)
兄(なんて思ってるんだろうなぁ。今となってはどうでもいい話だが)
兄(ああ、妹の唇にキスできる日が来るなんて……) チュッ チュッ
妹「そんなにいっぱいされたら、恥ずかしいよぉ」
兄(妹が可愛すぎるのがいけないんだよ) ナデナデッ
妹「んん……」
兄(さてと、そろそろ脱がせていくか) サワッ
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