真尋「 ニャル子が鬱病になった」(105)

ニャル子「…」

ニャル子「死んだら、楽になれるんでしょうか…」

ニャル子「どんな死に方がいいでしょうか…」

ニャル子「オーソドックスに首吊りとか…」

ニャル子「飛び降りとか…」



ニャル子「…死にに行く気力も湧かない」

ニャル子「…真尋さんに一目惚れして地球に来たけど」


ニャル子「真尋さんはぜんぜん振り向いてくれない」

ニャル子「そりゃそうですよね、かわいくもない、性格も悪い初対面の女が突然押しかけてくるとか、ストーカーですよね、恐怖ですよね、死ねって感じですよね」

ニャル子「フォーク刺すくらいですませてくれる真尋さんは本当に優しい人です」

ニャル子「生きるだけで人に迷惑をかけて…嫌われて…」

ニャル子「私、なんのために生まれてきたんでしょうか…」

ニャル子「クー子も、私のことを好いてくれてるのに、私は応えられない…ひどいよね…消えたほうがいいよね…」

ニャル子「あ、ダメですね。もっと前向きにならないと…また皆さんに迷惑をかけてしまいます…」

ニャル子「なにかやらないと…なにか…、あ、おうちの掃除をやろう…いや、みんなの食事の用意も大事ですよね」

ニャル子「あ、その前に買い物に行かないと…あ、勉強もしなきゃ」

ニャル子「なにかやらないと、なにかやらないと、なにか…」

ニャル子「うう、ぐすっ、くっ、私、ダメだ、ダメなんだ…!早く、早く死なないと、また真尋さんにご迷惑を…うううう、くっ…」


真尋「ただいまー」


ニャル子「あっ…(ゴシゴシ)よし。真尋さーん!おかえりなさーい!ご飯にします?お風呂にします??それとも…?むふふ!」


真尋「あー、もう!お前は!(ぐさっ)」

ニャル子「ぎゃー!真尋さんひどいです!」


真尋「まったくこいつは…(スタスタ)」


ニャル子「真尋さんのいけずー!」




ニャル子「…はあ、死にたい」

クー子「ニャル子」

ニャル子「ん、なんですかクー子?」

クー子「…何か悩みがあったら、
私に言って」

ニャル子「クー子…」

クー子「私が受け止めるから。ニャル子の、心も、体も…(ハァハァ)」

ニャル子「ちょっ、おま!(ドカッバキッ)」

クー子「ううーん、ニャル子、大好き…(バタッ)」

ニャル子「まったく…」




ニャル子「でも、こいつも、私のことを心配してくれてるんですよね…それなのに、私、最低です…生きている価値ないです…ごめんクー子、ごめん…死にたい…死にたいよお…」

真尋「おはよう、母さん、クー子」

ハス太「おはよう、真尋くん!」

真尋「おはようハス太。あれ?ニャル子はいないのか?」

クー子「今朝から見ていない」

真尋「なんだ、寝坊でもしてるのか?ちょっと様子を見てくるか」

真尋「おーい、ニャル子ー!…寝てるのか?入るぞー(ガチャ)」


ニャル子「…」

真尋「おい、ニャル子、早く起きないと遅刻するぞ」

ニャル子「…」

真尋「おい、ニャル子!」

ニャル子「…あ、おはようございます、真尋さん」

真尋「お前、体調でも悪いのか?なんか様子が…」

ニャル子「あ…あう、だ、だい、大丈夫です。おかまいなく…」

真尋「はあ?…熱はないみたいだけど」

ニャル子「…」

真尋「とりあえず、今日は学校休むか?」

ニャル子「…」

ニャル子「あ…はい…」

真尋「…じゃあ、先生には伝えておくからな。今日は母さんも家にいるから、何かあったら母さんにいうんだぞ」

ニャル子「…」

真尋「ニャル子…一体どうなっちまったんだ…?」

ニャル子「…」

ニャル子「…」


ニャル子「私…学校サボっちゃいました…」

ニャル子「行かなきゃ…真尋さんも心配してる…」

ニャル子「くっ、あ…体が動かない…私どうなっちゃったんでしょう…」

ニャル子「怖い…怖いよお…私このままじゃ、誰にも必要とされない…誰の役にも立てない…」


ニャル子「起きて、着替えて、学校に行かないと…真尋さんと通うって決めたんだから…あ、宿題もやってない…」

ニャル子「着替え、どこの棚だっけ…カバン…どこに置いたっけ…」

ニャル子「あ、ああ、私ダメだ、学校に行ってどうするの、真尋さんは私を必要としてない。誰も私を必要としてない」

ニャル子「…死にたい」



ニャル子「死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい」



ニャル子「う、ううううううう、死ぬしかない、早く、早く死んで、みんなの、真尋さんの重荷を減らしてあげないと…」

ニャル子「紐の固定よし…。あとは、首に巻いて、台を蹴れば、消えられる…」


ニャル子「真尋さん…みんな…」


ニャル子「ごめんなさい(ガタッ、ビシッ)」

ニャル子「グエッ」


ハス太「(ガチャ)ニャル子ちゃん、体調良くなった?…う、うわあああああ、だめええええええええええ(ガシッ)」

真尋「首吊り自殺を図ったニャル子は、ハス太の救助により一命を取り留めた」




ニャル子「…」

クー子「ニャル子、ご飯、持ってきたよ」

ニャル子「 …」

クー子「…」

ハス太「ニャル子ちゃん、もう死のうなんて考えたらダメだよ!僕、ニャル子ちゃんに何かあったら悲しいよ…!」

ニャル子「ハスター君、私がいるから、真尋さんと仲良くできないんですよね…私なんかいないほうがハスター君にとってもいいですよね…」

ハス太「えっ!?そ、そんなことないよ!何言ってるのさ、ニャル子ちゃん、なんだかおかしいよ!」

ニャル子「…うん、私おかしいですよね。やっぱり死んだほうがいいんです…」

ハス太「…」

真尋「ニャル子」

ニャル子「…あ…真尋さん…ごめんなさい、迷惑かけて…もう、私、私…」


真尋「ニャル子」

真尋「病院に行こう」



真尋「市内の精神科病院にかかったニャル
子は、重度の鬱病と診断された」

真尋「自殺の恐れが高いため入院を指示されたが、ベッドの空きが無いため、一旦帰宅することになった」


ニャル子「…」

クー子「あ…ニャル子…」

ニャル子「…クー子。ごめんなさい」

クー子「え、どうして謝るの?」

ニャル子「私、ひどいやつです。クー子に、クー子に…う、うううううう…」

クー子「…」

リビング

真尋「…」

クー子「…」

ハス太「…」

頼子「みんな、すこし休んだら?疲れてるでしょう?」

真尋「母さんこそ、目が真っ赤だよ…」

クー子「私は大丈夫…」

ハス太「僕も…」

頼子「…」

真尋「(ほんの数日前までドタバタしながらも笑顔に溢れていた我が家は、今や不安と絶望の淵にある)」

真尋「どうして、こうなってしまったんだ…」

真尋「僕が悪いのか…?」

真尋「ニャル子をぞんざいに扱って、傷つけて…」

真尋「僕のせいだ…僕の…僕がいなければ…」

クー子「ニャル子…かわいそうに」

クー子「心の病気…まさか、ニャル子が…」

クー子「どうして…?明るくて、かわいいニャル子がどうして…?」

クー子「私のせい…?」

クー子「私が、好意を押し付けて、重荷になって、それで…」

クー子「ニャル子…ごめん」

ハス太「ニャル子ちゃん…」

ハス太「僕が、真尋君にアタックしてたから…それを気に病んでたのかな…」

ハス太「ニャル子ちゃん、優しいから、辛いのをずっと隠してたんだね…」

ハス太「僕、それでも、真尋君が好きなんだ…最低だよね…」

ハス太「僕のせいだ…僕の…」

頼子「みんな、自分を責めてしまっている…」

頼子「ここは、大人の私がみんなの支えにならないと…ネットに何かいい情報ないかしら」

頼子「お昼に鬱病についての専門書もたくさん買って来たし、しっかり勉強しないとね」

頼子「うーん、あれでもない、これでもない…」




(チュンチュン)

頼子「あら、もうこんな時間、朝ごはんの準備しなきゃ…(フラフラ)」

(数日後)

真尋「…」

クー子「…」

ハス太「…」

頼子「…尋君、みんな、そろそろ学校の
時間よ?」

真尋「今日もニャル子の世話をするよ」

クー子「私も…」

ハス太「僕も…」

真尋「母さんこそ、ここ数日一睡も
してないだろう?休みなよ…」

頼子「みんなががんばってるのに、大人の私が休むわけにはいかないわ。今日もニャル子ちゃんの病気のお勉強をしないと…」

ニャル子「皆さん、私のために学校を休んでまで…」

ニャル子「やっぱり私、だめだなあ…」

ニャル子「うん。よしっ」







ニャル子「みんなに止められる前に、確実に死ぬ方法を考えよう」

ニャル子「おはようございます!」

真尋「ニャ、ニャル子!?大丈夫なのか!?」

ニャル子「今朝起きたらすごーく調子が良くてですね、治っちゃったみたいです!」

ハス太「本当!?良かった、安心したよ…」

ニャル子「と、いうわけなので、皆さん、私に構わずでかけてください!」

頼子「本当に大丈夫?私も仕事に出ちゃうけど…」

ニャル子「まだ本調子じゃないので私は学校おやすみしますけど、大丈夫ですから!」

真尋「何かあったら携帯に電話しろよ」

ニャル子「真尋さん、お優しいんですね…!デレた真尋さんも素敵ですよ!」

真尋「あー、もう、いつもどおりだな。心配して損したよ。クー子、ハス太、行こう」

ハス太「うん!」

クー子「…」




ニャル子「…これで、いいんです」

真尋「その日、帰宅すると、家の中にニャル子の姿はなかった」

真尋「テーブルの上には、僕たち一人一人に当てた、丁寧な置き手紙が置いてあった」

真尋「感謝と、別れを告げる内容だった」


真尋「その後、僕たちは二度とニャル子に会うことは無かった」


BAD ENDING

時間的に限界なので、続きまたはその他ルートはSS速報ででもゆっくり書きます。駄文失礼しました。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom