吉良吉影「ブラック...ラグーン?」 (65)
吉良「...」
吉良(私の名前は『吉良吉影』、年齢33歳、自宅は杜王町北東部にあり...結婚はしていない)
吉良(仕事は「カメユーチェーン店」の会社員でタバコは吸わず、酒は嗜む程度だ)
吉良(そして私は『勝ち負け』にこだわったり、夜も眠れないといった『敵』をつくらず...戦ったとしても負けんがね...つまり常に『心の平穏』を求めている...)
吉良「そう...求めていた筈なのに...」
レヴィ「あ?なんか言ったか日本人?」
吉良(...どうしてこの私がこんな頭を抱えるような『トラブル』に巻き込まれなくちゃぁならないんだッ!!)
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吉良「海外...出張?」
課長「うむ、なんでも本社から連絡が来てね、海外での取引に我が支部の社員を一人派遣してほしいそうだ」
吉良「...それなら、他の社員に適任者がいるのでは?」
部長「取引と言ってもね、会社の重要な情報が入っている『フロッピーディスク』を海外の支社に届けるだけだから、まさに君が適任だよ」
部長「もちろんボーナスはきちんと弾む、どうかね?」
吉良「...分かりました、引き受けましょう」
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吉良(あの時は海外で新しい『彼女』を見つけるのも一興かと思ったが...まさか乗っていた船を海賊に襲われるとは思ってもなかったぞッ!)
吉良(クソッ...どうするか!?)
レヴィ「ダッチ。こいつ、さっきから黙り込んだままだ。面倒くせぇ、一発膝に撃ち込むか?」
ダッチ「いや、そんなことをして壊れたラジオみたいになっても困る。
おい、日本人。持ってきたのはこれだけか?」
吉良「...会社から渡されたのはその『フロッピーディスク』だけだ」
ダッチ「そうか、これだけ聞き出せりゃ十分だ。レヴィ」
吉良(よしッ、此奴らの目的が何か知らんが、これで大人しく帰ってくれれば、また『平穏な生活』に戻れ...)
レヴィ「何、安心してんだ?お前も一緒に来るんだ」
吉良「....なんだと?」
~洋上、ブラックラグーン号~
ダッチ「レヴィ、お前なぁ!こんなの拐ってどうするんだ!」
レヴィ「うるせぇ、ダッチ!バラライカの姉御はな、こっちの足元を見てやがるんだよ!!こんな仕事で、たったの二万ドルだぞ! ちょこっとボーナスを稼いで何が悪い!?」
ダッチ「いったい誰が、どこと交渉する気だ!? いい加減頭冷やせ!」
吉良(喧しい...少しは黙ることもできんのか、この『クソカスども』が...いや、そんなことよりこれから『どうするか』だな...)
吉良(この『クソカスども』を私の『能力』を持ってすれば殺すのは容易い...だが私は船は運転できない上...ここで殺しては万が一警察に救助されて海賊はどこにいったかと問われた時に不審に思われてしまう)
吉良(とりあえず...今は様子見をしている他ないか...)
レヴィ「あぁ、わかったよこのタコ!!」
レヴィ「ぶっ殺して海ン中、叩きこめばいいんだろ!!」バンバンバンッ
吉良「うおっ!」
ダッチ「やめろ馬鹿!船を壊すな!!」
レヴィ「うるせぇ!」バンバンバン
吉良(あの女っ、この私にこんな屈辱の『生きっ恥』をかかせるとは...覚えておけ!!)
レヴィ「あ~、気分悪い!先に寝る」スタスタ
ダッチ「しょうがねぇなァ、おい大丈夫か?」
吉良「...お前は...この私がまるで病院から退院したかのように『大丈夫』に見えるのか?」
ダッチ「オーライオーライ、そんな減らず口を言えりゃぁ、大丈夫だな。一服するか?」
吉良「...遠慮しとくよ、それより...この私はこれからどうなるのかね?」
ダッチ「お宅の会社と連絡つけて引き取ってもらうさ、その前にお前さんから貰った『フロッピーディスク』を依頼主に渡すのが先だがな」
ダッチ「さて、これからタイの港に入る。そっからはあんたの運だめしだ」
吉良「...もし私に『運』がなかったら?」
ダッチ「同情するし、祈ってやってもいい」
吉良「...」
吉良(...なんとかして...なんとかしてこの危機を乗り切らなくては...)
~ロアプナラ 酒場"イエローフラッグ"~
ワーワー! パリィンッ!
ダッチ「どうだい、ここの酒場は?」
吉良「...少なくとも『平穏』と相反している所だというのは確かだな...」
ベニー「ハハハ、確かに。まるで地の果てだよココは」
レヴィ「そういえばさっきから日本人、少ししか飲んでねぇじゃねぇか?そんな調子じゃぁ酔えやしねぇよ」
吉良「....いや、私は酒はあまり飲まないようにしているんでね。遠慮しておくよ」
レヴィ「つまんねぇなぁ、女の勝負も受けられねぇ玉無しか?」
吉良「.........」キラリ
吉良(...確かレヴィとか言ったな...粗暴だし、口も悪いが顔と手は美しい女だ。この女を『彼女』として迎えるのもいいかもしれないな...)
バァン!!
傭兵隊長「イェア!楽しく飲んでるかクソ共?おれからの素敵なプレゼントだ。受け取れ!」
吉良「!?」
吉良(何だあの武装した連中は!? 連中はまるで飼っている犬にボールを投げるように『手榴弾』を店に投げ入れた! ここにいるのは不味い!)ダッ
バグォォン!!
傭兵隊長「野郎共、パーティタイムだ!! 全員ぶっ殺しちまえ!!」ズガガガガガ
吉良(こっちに弾が...! 不味いッ)
吉良「キラークイーン!!」 ズゥォオン
吉良「防御しろッ!」バシィーン
ダッチ「クソッ、来るのが早えぇ! レヴィ無事か?」
レヴィ「生きてるよ」
ダッチ「ベニー!」
ベニー「不思議と生きてる」
吉良「...」ガリガリガリガリ
ベニー「ヨシカゲ...は無事だね(なんで爪齧ってるんだろう?)」
ダッチ「レヴィ! 路を開くぞ!!二挺拳銃の名は伊達じゃねぇってところを見せつけてやれ!! 」
レヴィ「OK!」 バンバン
吉良(...あぁ、これは...『夢』だ...植物のように生きたいと願う...この吉良吉影に...こんなことが起こるなんて...)
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傭兵B「報告、今の突入で部隊に多数の死傷者が出ました。これでは奴らへの追撃は...」
傭兵隊長「...」
傭兵B「...隊長?いかがなさいました?」
傭兵隊長「...おい、今逃げた奴らの中にこういう場所にゃぁ似合わねぇスーツをきた奴がいただろ」
傭兵B「はっ? 確かに『一人』、おりましたが...」
傭兵隊長「あいつはなぁ、俺の勘が正けりゃ、とびっきりの『殺人鬼』だ。俺はこういう奴を待っていたんだ」ニッ
>>1
今日はここまでです。
本日はこのssを読んでくれてありがとうございましたm(_ _)m
>>1
起きたので再開します。
~洋上 ブラックラグーン号~
ダッチ「...ようやく軍の警戒水域を抜けたか、やれやれだ」
レヴィ「こっちも問題ねぇよダッチ。このまま行けばもうすぐ目的地に着く」
吉良「...」
ダッチ「...さてヨシカゲ。今、お前さんとこの会社と連絡をつけている最中だ。交渉が上手くいかなかったときは適当に何処かに置いていく、分かったか?」
吉良「......別にそれで構わないよ」
レヴィ「へぇ、温室育ちの日本人の割りには随分と割り切ってるな」
吉良(確かに...大変かもしれんが...ようやく君たちのような『トラブル』の固まりから助かることを考えればな...)
ベニー「ダッチ、今繋がった。ヨシカゲの上司からだ」
吉良「部長! 申し訳ありませんッ、『フロッピーディスク』の件なのですが...」
部長「吉良君、そのことなんだが...」
部長「君、すでに死んでいることになっているんだ、分かるかね?」
吉良「はっ?」
部長「君が渡す予定だった『フロッピーディスク』は禁輸国への密貿易計画のデータが入っているものなんだよ。吉良君!我が社の為に南シナ海に散ってくれ」
吉良「.........」
ダニー「おいダッチ! こっちに向かって何かが飛んできている!」
部長「すでに荒事専門の奴が向かっている。後のことは何も心配しなくていい、それじゃぁな」ガチャ
ババババッ!!
レヴィ「おいおい...ありゃぁ、『ガンシップ』じゃねぇか!」
ダッチ「くそったれ、戦闘ヘリだと!? レヴィ! 早く外出て対戦車ライフルで応戦しろッ!」
吉良「............」ドドドドド
レヴィ「分かってるよ! つーか突っ立てるんじゃねぇ! 邪魔だ日本じ...」
吉良「...あのクソカスがぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
レヴィ「」ビクッ
吉良「...確かダッチとか言ったな。何でもいい、何か『爆発』する物はないか?」
ダッチ「...それを何に使う気だ...」
吉良「質問に質問で返すなぁー!!貴様は学校で疑問文には疑問文で返せとでも習ったのか!? 」
ダッチ「...確か『手榴弾』がいくつか残っているが...ヘリが相手じゃぁ、何の役にも立たねぇぞ?」
吉良「ならそれがあればいい...ではそこのアマ...レヴィ、だったね...さっきの大型ライフルを使ってなるべくあのヘリを引きつけてくれ」
レヴィ「...テメェ、いったい何を考えてる?」
吉良「オイオイオイオイ。『何をする』だって? 決まっているじゃないか」
吉良「あのくそったれ『ヘリ』を落とすんだよ」
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傭兵B「船より男女2名が出てきました!」
傭兵隊長「ん?...なんだぁ~、女の方は対戦車ライフルを持ってはいるが、男の方は何も持ってねぇじゃねぇか...上等だ、高度を落として遊んでやるか」
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レヴィ「あのヘリ、高度を落としてきたぞ! 」
吉良(よしッ、やはりあのヘリは高度を落としたぞッ...あとはタイミングだけだな)
吉良(私の『能力』...『キラークイーン』は無敵だが...難点は対人はともかく対兵器となると...考えたことはないが...やはり威力不足だということだな...フフフ)
レヴィ「お前の言ってた秘策とやらはまだかッ!?」
吉良(えぇい、少しは黙ってろ...こういう時こそ焦らず...冷静にすれば...トラブルは回避出来ることを知らんのかッ!?)
吉良「...よしッ、今だ!」ブゥォン
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ドォン! ドォン! ピシッ
傭兵B「たっ、隊長! 敵がッ!」
傭兵隊長「焦るんじゃねぇよ、今のは『手榴弾』だッ!操縦席に正確に当てられたのはさすがだがなぁ、せいぜいガラスにヒビが入れられるかどうか、ってところだッ!」
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吉良「...と、誰もが思うだろうが...手榴弾は...貴様らを落とすためではない...ガラスに『ヒビ』を入れて割れやすくしただけだッ!」
吉良「キラークイーンッ!!」
吉良「『第二の爆弾』...シアハートアタックッ!!」ブゥオォン!!
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傭兵隊長「よぉし、遊びはここまでだ...ミサイルをぶち込んで仕留め...」
バリィン!!
コッチヲミロォ~!!
傭兵隊長「!?」
傭兵隊長(な...なんだ...突然ガラスが割れて...『何か』が入って...きた?)
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吉良「シアハートアタックに...」
ドバグォォン!!
吉良「弱点はない...狙った標的を必ず仕留める」
ババババ....ドバァン!!
レヴィ「ヘリが海ン中に落ちたぞ...ありゃぁ間違いなく魚の餌になるな....」
ダッチ「...信じられねぇ...あいつ...ガンシップをどうやったかは分からねぇが...落としやがった」
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バラライカ「成る程...道理でひどい格好をしているわけね」
ダッチ「別にダンスパーティーに行くわけでもねぇ...放っておいてくれ」
バラライカ「さて...カメユーチェーン店部長、先ほどお話した通り、これで遺恨はございませんわね」
部長「あぁ、仕方なかろう」
バラライカ「それでは細かい商談は後ほどにでも...」
部長「分かった...では吉良君。仕事ご苦労だったな、移動するぞ」
吉良「...」
部長「吉良君?どうかしたかね」
吉良「部長...それについてなのですが...実は今回の件を機に仕事を辞めようと思いまして...」
部長「仕事を辞める?」
吉良「はい、それで『辞表』を受理して頂きたいのですが...」スッ
部長「...受理しよう...それじゃぁ、せいぜい元気でな」スタスタ
吉良「...」
ダッチ「...で、これからどうする気だ?」
吉良「...もう私は『幽霊』同然だ...行く当てはせいぜい天国ぐらいだろうな...」
レヴィ「なら実はちょうどいいところに、水夫を『一人』求めてるトコがあるぜ。どうだい、話を聞く気はねぇか?」
吉良「...」
吉良(私の名前は『吉良吉影』...年齢33歳、元「カメユーチェーン店」の会社員...これから私はどうなるか?それは分からないが...もし彼らとの『仕事』を『生きがい』にしておけば、『心の平穏』を求められるかもしれない...)
>>1
とりあえず、このSSは書き終わりました...
吉良吉影はやはりカッコイイですね...
それでは読んで頂きありがとうございました。
乙
出来れば他のエピソードも見てみたいと思わせられる良い出来だった
~吉良が会社を辞めてから数十分後~
吉良「...まだ『作動』していないか...」ボソッ
レヴィ「どうした?」
吉良「...いや、そっちとは関係ない話だよ」
レヴィ「?」
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ーーー
ーー
部長「まだ車は『直らない』のかッ!」
部下「も、申し訳ありませんッ!今全力を挙げて『直して』おりますので、もうしばらくお待ちを!」
部長「全く...この私にはろくな部下がいないな...吉良もせっかくの私の『好意』を無下にするとは...」
部長「それにしても...あいつの辞表の中身が気になるな...」
部長「車が直るのにも時間がかかりそうだし...少し『覗いて』みるか...」ソォォ~
カチッ
部長「ん?」
ドグォォン!
部下「部長ッ!ただいま直り...あれ?部長がいないぞ?」
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吉良(...ようやく...今『作動』したか...これで精神衛生上のイラつきも...抑えられた...)
吉良「これで...今夜も落ち着いて熟睡できる...」
とても面白かったので、
続き書いて下さいお願いします!
長編にしてほしい儂
ここのっとり禁止じゃけん…
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