アスカ「シンジ!特別に私を可愛がることを許可するわ!」(65)

シンジ「今手が離せないから後でね」

アスカ「え?」

シンジ「だから忙しいんだってば」

アスカ「?」キョトン

シンジ「あの……なんでそんな不思議そうな顔してるの?」

アスカ「聞こえなかった?」

シンジ「いや、聞こえてたけど」

アスカ「こんなに可愛いアスカちゃんを可愛がるチャンスよー」

シンジ「分かったけど、後で」カリカリ

アスカ「……なにやってるわけ?」

シンジ「宿題の読書感想文。明日までだから今日終わらせないと」カリカリ

アスカ「遅い! 私なんてとっくに終わってるわよそんなの」

シンジ「アスカは家に帰れば時間あるからだろ……」カリカリ

アスカ「でも日本語で書くのよ。あんた、ドイツ語や英語で作文できる?」

シンジ「そっか……言われてみれば、やっぱりアスカは凄いや」

アスカ「ふふぅん」

シンジ「とにかく、僕はこれやるからしばらく静かにしててね」

アスカ「ぁ……」


アスカ「いいわよっ、出かけてくるから!」

バタン!

トボトボトボ

アスカ「バカシンジのバカ」

アスカ(せっかく私をだっこしたり頭撫でたりさせてやろうと思ったのに)

アスカ(暇になって可愛がりたくなった時に私がいなくてガッカリしても知らないんだから)

アスカ「ん……あれ?」

レイ「……」

アスカ「なにしてんのあんた。こんなとこで」

レイ「……ネルフから帰るところ」

アスカ「へー。訓練無い日でもネルフ行くのね、さすが優等生」

レイ「どいて」

アスカ「ん」

レイ「……」スタスタ

アスカ「……」テクテク

レイ「……どうしてついてくるの?」

アスカ「暇つぶしに、あんたの家でも覗いていこうかと思って。どーせ殺風景だろうけど」

レイ「帰って」スタスタスタ

アスカ「やだ」テクテクテク

アスカ「―――んなぁによっこれ!」

レイ「私の部屋」

アスカ「分かってるわよ! じゃなくて、なんで壁が剥き出しなわけ!?」

レイ「さっき言ってたわ。殺風景だろうって」

アスカ「ここまでとは思わなかったわよ……はぁ」

レイ「……」

アスカ「あれ? でも紅茶なんかあるんだ。好きなの?」

レイ「置いてあるだけで、以前は飲まなかったけど……」

レイ「碇くんが淹れ方を教えてくれたから」

アスカ「……シンジが?」

アスカ「なんでバカシンジがそんな事」

レイ「碇くんはバカじゃないわ。部屋に来た時に、たまたま」

アスカ「へ、へぇ。あいつも来たことあるんだ?」

レイ「ええ、時々」

アスカ「ってことは一回じゃないんだ。ふーん。ふーん」

レイ「碇くんのカップもあるの」

アスカ「ふーんふーんふーんふーん」

レイ「見る?」

アスカ「ムキーーーーっ!!」

レイ「っ」ビクッ

アスカ「ふんっ! 時々立ち寄るからなによ! 私なんて一緒に住んでるから毎日よ毎日」

レイ「……」

アスカ「まー、あんなのと顔合わせても嬉しくもなんともないんだけど」

レイ「……」

アスカ「なにしろ一つ屋根の下だから、紅茶くらい……ええっと」

レイ「……」

アスカ「紅茶は飲まないけど」

レイ「飲まないのね」

アスカ「で、でもあれよ! 私がちょっと許可すると、喜んで撫でてきたり膝に乗っけたり!」

レイ「……」

アスカ「アスカアスカぁってもう、うるさいんだから! ふふーん」


バタン

アスカ「……追い出された」

テクテクテク

アスカ「街に出ても買うものないなぁ」

ヒカリ「アスカ?」

アスカ「え……ヒカリ!」

ヒカリ「やっぱり。偶然ね。アスカも買い物?」

アスカ「私はただぶらぶらしてたとこ。ヒカリは?」

ヒカリ「本を買おうと思って」

アスカ「本か……一緒に行っていい?」

ヒカリ「うん」

アスカ「さてっと。で、なんの本買うの?」

ヒカリ「お料理の……もっとレパートリー増やしたくて」

アスカ「ヒカリは偉いわねー」

ヒカリ「ほら、お弁当のおかずも似たようなのばっかりだと飽きちゃうかなって」

アスカ「お弁当って……あのジャージバカのため……?」

ヒカリ「えへへ ///」

ヒカリ「あ、これどうかな? たくさん載ってるみたい」

アスカ「うん、説明も丁寧っぽいし、美味しそう。でもちょっと高くない?」

ヒカリ「仕方ないわよ」

アスカ「……ヒカリには悪いけど、ヒカリみたいないい子がなんであのジャージにそこまで」

ヒカリ「勝手にしてることだし、私が楽しいからいいの。でもアスカは大変だよね」

アスカ「私? なんで?」

ヒカリ「だってほら、碇君は自分でなんでもやれちゃうじゃない」

アスカ「シンジが~?」

ヒカリ「……葛城さんの家で、料理って誰が作ってるの?」

アスカ「シンジ」

ヒカリ「お掃除やごみ捨ては?」

アスカ「シンジ」

ヒカリ「洗濯は」

アスカ「シンジ」

ヒカリ「お風呂」

アスカ「朝と夜に二回、シンジが用意してる」

ヒカリ「……確か、一番出撃回数が多いのも」

アスカ「……シンジだけど」

アスカ「だ……っ、だけどアレよ。シンジったら家では結構甘えたがりなんだから」

ヒカリ「え、碇君が?」

アスカ「そうよ! すぐ私に、ジュース欲しいーとか、だっこーとか」

ヒカリ「ホントに?」

アスカ「ウソジャナイワヨー」

ヒカリ「なんだか意外」

アスカ「イガイデショー」

―――

アスカ「じゃね、ヒカリ」

ヒカリ「うん。また学校でね」



テクテク

アスカ「ふぅ……結構食べちゃった」

アスカ(でもケーキ美味しかったし、ヒカリのおかげでだいぶ時間潰せたわ)

テクテク

アスカ(―――ん?……・あれって)

カヲル「フンフンフンフン♪フ~ンフフ~ン♪」

アスカ「ホモホモホモホモ♪ホ~モホモ~ォ♪」

カヲル「……」

アスカ「……」

カヲル「妙な歌詞をつけないでくれないかな」

アスカ「こんなトコでなにやってんのよホモ」

カヲル「湖を眺めていたのさ」

アスカ「それは見れば分かる……って言いたいけど、あんたの場合そのまんまなんでしょーね」

カヲル「君のほうは?」

アスカ「私も見たまんま、うろうろしてたとこ」

カヲル「ところで、シンジ君は元気かい?」

アスカ「元気に決まってんでしょ。昨日会ったばっかじゃない」

カヲル「今日、体調を崩したかも知れないからね」

アスカ「……さっすがガチね」

カヲル「……」

アスカ「なによ文句あんの」

カヲル「ここは……初めてシンジ君に出会った場所なんだ」

アスカ「へー。そういえばあんたらっていつの間にか知り合ってたっけ」

カヲル「あの時も僕はここに座っていて。シンジ君はあそこに」

アスカ「ふぅん」

カヲル「先に名乗ったのは僕なんだ。そしてシンジ君は少しうつむいて」

アスカ「……」ピク

カヲル「その繊細さを滲ませながら頬を染め、そう、上目遣いで―――ぶばっ」

アスカ「てい、ていっ」ジャバジャバ

カヲル「なにを、ぶっ、冷たっやめ」

アスカ「そりゃそりゃそりゃ!」ジャバジャバジャバ

カヲル「ぶぼぼぼ」

アスカ「ぬわぁにが上目遣いよ。私だってそんなの見たこと無いっちゅうの」ジャバジャバジャバ

カヲル「ぐば、がほぼ」

アスカ「ほれほれほれほれ!」ジャバジャバジャバジャバ

―――ピキーン!

アスカ「……え? これって」

カヲル「はぁ、はぁ、はぁ」

アスカ「AT……フィールド!?」



青葉「芦ノ湖沿岸で高エネルギー反応! パターン青、使徒です!!」

リツコ「なんですって」

青葉「……あれ? は、反応、途絶えました」

アスカ「あんた……使徒だったっての……!?」

カヲル「ふぅ。相変わらず加減を知らないな、君は」

アスカ(って、こんないきなりじゃエヴァも無いってのに)

カヲル「……さて」

アスカ「く……っ。上等じゃないの、かかってきなさい!」

カヲル「……」

アスカ「言っとくけど私の右ストレートは痛いわよー」シュッ、シュッ

カヲル「……」

アスカ「……」シュッ、シュッ

カヲル「……帰るよ。ここはすぐに調査が来るだろうから、君も退散したほうがいい」

アスカ「あ、帰るんだ」

アスカ「ま、悪さしてないうちは見逃してあげるわ」

カヲル「ありがとう」

アスカ「いい? 使徒だからって……あんたがおかしな真似したら、シンジが悲しむんだからね」

カヲル「肝に命じておくさ。それじゃ」

アスカ「……」



アスカ(びしょびしょになっちゃったし、私も帰ろ)

ミサト「私も見たことあるわよ? シンちゃんの上目遣い♥」

アスカ「ウソ!? いつどこでよ!」

シンジ「僕は覚えがないけど……」

ミサト「ほら、あの時よ。初めてここで『ただいま』を言った時」

ミサト「照れて赤くなっちゃってさ~、あれは可愛かったわ」

シンジ「ああ、そういえば、そんな事もありましたっけ」

アスカ「むぅぅぅぅぅぅ゛」

ガタガタッ

シンジ「なにやってるの?アスカ」

アスカ「私が立つ足場作り。んしょっと」ヒョイ

アスカ「よし準備オッケー! さ、シンジいいわよ」

シンジ「いいって言われても、なんのことだか」

アスカ「あんたバカァ!? 上目遣いに決まってるじゃない」

ダメだ寝る

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