P「765プロのコンシェルジュ、音無小鳥?」(158)

P「コンシェルジュ、って何ですか?」

小鳥「簡単に言えば、案内みたいなものですよ。つまりは765プロ案内人ということですね」

P「案内って、この狭い事務所をですか?」

小鳥「いえ、案内というよりは相談ですね。アイドルのみんなについてとか、色々な」

P「なるほど。それを音無さんが電話で応対するということですね」

小鳥「それが、案内するのは私ではなくて……いや、私と言えば私なんですけど」

P「……? どういう意味ですか?」

小鳥「えっと、パソコンの画面を見てください」

P「パソコン……えっ? あの、これ……」

小鳥『765プロのHPへようこそ。コンシェルジュの音無小鳥です。分からないことは何でも聞いてくださいね』

P「パソコンの中に……音無さんが」

小鳥「はい、その『私』が応対してくれるんですよ」

P「この音無さんが案内、というか応対を?」

小鳥「はい、流石に実際のスケジュールを決める場合は電話でないといけませんけどね」

P「じゃあ、この画面の中の小鳥さんは何をしてくれるんですか?」

小鳥「えっと、例えばこうやって」

『ダンスの上手いアイドルはいませんか?』

小鳥「と打ち込むと」

小鳥『それならば、我那覇響はどうでしょう。ダンスの技術は高いですよ』

小鳥「って答えてくれるんですよ」

P「なるほど。ちょっとした質問には最適ですね」

小鳥「そういうことですね」

小鳥「他にも、こうやって質問すれば」

『歌の実力があるアイドルはいますか?』

小鳥『それならば、如月千早がおります。歌うことに関しては誰にも負けないと思いますよ』

P「へえ、色々と情報が入力されてるんですね」

小鳥「社長が『ありたっけの情報を詰め込んだから、きっと素晴らしいものになるぞ!』」

小鳥「って自信満々におっしゃってましたから」

P「……そこに力を入れるんじゃなくて、もっと別なところがあると思うんですけどね」

小鳥「ま、まぁ、そう言わずに。今はテスト段階なので、プロデューサーさんはどんどん質問してみてくださいね」

P「分かりました。……でも、質問って言われてもなぁ」

P「一番可愛いアイドルは?」

小鳥「私・・・です///」

P「じゃあ、こんな質問はどうなるんですかね?」

『来週の月曜日、三人アイドルを出演させたいのですが』

小鳥『来週でしたら、天海春香、三浦あずさ、菊地真のスケジュールが空いております』

P「スケジュールにも対応してるんですね」

小鳥「ええ、この音無小鳥は完璧ですから!」

P「そ、そうですか……。でも、こんな簡単に予定を教えても良いんですかね……?」

小鳥「……確かに、ちょっとまずいですよね」

P「この辺は改良した方が良いかもしれませんね」

小鳥「ええ、報告しておきます」

P「しかし、どれだけ情報を詰め込んだんですかね、これ」

小鳥「765プロのありとあらゆるデータをインプットした、とかなんとか」

P「……じゃあ、こんな質問は」

『天海春香は一日にどれくらい転びますか?』

小鳥「ぷ、プロデューサーさん! もう、そんな質問しても答えなんて……」

小鳥『平均、五回。多い時で十回は転びますね。春香ちゃんらしい、といえばらしいですね』

P「答えられるとは……やりますね、小鳥さん」

小鳥「ま、まさか答えられるとは……社長、こんなデータをいつの間に」

P「ま、まぁ、765プロを知ってもらうにはいい試みかもしれませんね」

小鳥「ええ。……でも、わざわざ765プロのHPなんて訪れる人が居るのかしら」

P「……そ、そこは今後の頑張り次第ってことで!」

小鳥「そ、そうですね! きっといつか役立ちますよね!」

P「え、ええ! スケジュールが一杯になって、この小鳥さんもきっと忙しくなりますよ! ……多分」

小鳥「そうなるといいですね……あれ? そういえば、さっきから私のこと、小鳥さんって……」

P「あぁ、画面の方は小鳥さん。本物は音無さんって区別してみました」

小鳥(現実でも小鳥さんって呼んでくれればいいのに……)

P「ん? どうかしましたか、音無さん?」

小鳥「い、いえ、何でも無いですよ」

P「それにしても、765プロに二人っきりってのも珍しいですよね」

小鳥「あの、それが……私も用事で外へ出ないといけなくて」

P「えっ? ということは……事務所に俺一人なんですか?」

小鳥「はい……ごめんなさい、すぐに戻ってくるのでお留守番お願いしますね」

P「分かりました。気を付けてくださいね」

小鳥「はい、では行ってきます。あっ、お暇でしたらその『私』に色々聞いてみてくださいね」

P「ええ、不具合が無いかテストしておきますよ」

小鳥「ええ、お願いします」

P(アイドルのみんなは全員まとまって仕事、律子はその付き添い……)

P(こんなことになるなら、俺も行くべきだったな……まぁ、一人は事務所に居ないと駄目か)

P(しかし、暇だ……小鳥さんに色々質問してみるか)

P「そうだな……『765プロでグラビア撮影にお勧めなのは誰ですか』っと」

小鳥『スタイルで言えば、三浦あずさが良いかと思います。星井美希も男性からは人気ですよ』

P(やっぱりあずささんなのか。それに美希、と)

P「じゃあ、逆に……『グラビア撮影に向かないのは誰ですか』って聞いてみたらどうなるんだ?」

小鳥『それは……如月千早、だと思います。あまり、その……胸が大きくないので』

P「うっわ、小鳥さん酷いこと言うなぁ……いや、悪いのはデータか」

P「じゃあ、こんな質問だとどうなるんだ……?」

『スクール水着が似合うのは誰ですか?』

小鳥『マニアックですね……それでしたら、高槻やよい、水瀬伊織はいかがでしょう?』

P「これにも答えるのか……しかし、この小鳥さん、分かってるな」

P(……もっと変な質問しても大丈夫なのか? えっと……)

『お尻が魅力的なのは誰ですか?』

小鳥『それでしたら……四条貴音ですかね』

P「分かります……分かりますよ小鳥さん! 貴音の尻は最高ですよね!」

P(しかし、こんな質問まで答えられるなんて……社長はどんなデータを入れたんだ?)

『公園でお弁当を一緒に食べるなら?』

小鳥『それなら、萩原雪歩ですかね。彼女の淹れてくれたお茶と美味しいお弁当、何だか素敵ですよね』

P「良い……実に良い! 雪歩と公園で弁当食べたいなぁ……コンビニ弁当でも良いからさ……」

『鎖骨にグッとくるのは誰ですか?』

小鳥『それでしたら、如月千早、それに我那覇響はどうでしょう』

P「なるほど……千早はスレンダーだからと納得できるけど、響は盲点だった。今度じっくり観察してみよう……」

『朝、誰かに起こしてもらうなら?』

小鳥『天海春香をお勧めします。家庭的な女の子ですから、「ご飯ですよ、ご飯!」って起こしてもらえそうですよね』

P「あぁ、良いですね……春香と一緒に住んだら幸せになるだろうなぁ……」

P(……って、いつの間にか変な質問を。でも、今のところ何でも答えてくれるんだよな)

P「これは……もっと変な質問をしてもいけるんじゃないか?」

『彼女にするなら誰が良いと思いますか?』

小鳥『私でしたら……双海真美が良いと思います』

P「真美……ときたか。確かに、彼女になってデレられたらギャップにやられそうだな……」

『甘えるなら誰ですか?』

小鳥『三浦あずさ、ではないでしょうか。年上の包容力は侮れませんね』

P「ですよねー、俺もそう思いまっす。あずささんに甘えられたらなー……無理だろうなー」

『結婚するなら誰ですか?』

小鳥『家庭的、ということでしたら天海春香でしょうか。それに、秋月律子も良いお嫁さんになると思いますね』

P「律子と結婚か。一緒に事務所とか経営とかも良いなぁ……。
  時々『あなた……じゃなくてプロデューサー』って言い間違える律子……アリだな」

P(そういえば、これって……小鳥さん自身にも質問できたりするのか?)

『小鳥さんの趣味は何ですか?』

小鳥『私の趣味ですか? TVを見たり、掲示ば……じゃなくてネットを見ることですね』

P(そんな正直に答えなくても良いのに……でも、この感じだと音無さんのデータも入ってるのか)

P「……せっかくだし、色々聞いてみよう」

『お仕事は楽しいですか?』

小鳥『はい! アイドルになるために必死で頑張っている女の子を手助けできるなんて、素敵な仕事だと思っています』

P「小鳥さん……ええ子や。でも、本物も同じなのかってのは少し疑問だけど」

『今年でおいくつなんですか?』

小鳥『申し訳ありません。そのご質問にお答えすることはできません』

P「……なるほど、答えられない質問もあるんだな」

やっと戻れた
イメージがわかない人は西野ひかりでググってくれ

P(これは、音無さんのことを詳しく知るチャンスなんじゃないか?)

P「えっと……彼氏はいないんですかっと。いや、これは答えてくれないよな……」

小鳥『申し訳ありませんが、そのご質問にはお答えできません』

P「ダメか……じゃあ、今度は」

『結婚はしてるんですか?』

小鳥『申し訳ありませんが、そのご質問にはお答えできません』

『結婚相手は居ないんですか?』

小鳥『申し訳ありませんが、そのご質問にはお答えできません。765プロのお話をしましょう!』

P「くっ……それなら、これで」

『結婚願望はあるんですか?』

小鳥『……ありますよ。あるに決まってるじゃないですか! ところがどっこい! 現実は厳しいんですよーだ!』

P「あれ……? 答えが何か変な感じに……」

P(さっきの質問とあまり変わらないはずなのに……どうなってるんだ?)

P「……ん? 机の上に何か……これは、説明書か」

『「コンシェルジュ 音無小鳥」は最新のシステムを使用しております。
 質問の数、内容、様々な要因で変化していきます。ぜひ、無茶な質問をバンバンしてみてください!』

P(なるほど最新のシステムか……でも、こんなことに金使ってていいのか?)

P「と、ともかく今は最新のシステムとやらを見せてもらおう。……例えば」

『デートする相手はいるんですか?』

小鳥『うう……いたらどれだけ幸せか。はぁ……誰か誘ってくれないですかね』

P(おっ、これにも答えてくれるのか。それなら、こんなのとか……)

『デートしたい、って思う相手はいるんですか?』

小鳥『そ、それは……実は、いるにはいるんですけど……多分、私のことなんて誘ってくれないと思うので』

P(……これ、実際の音無さんとは関係ないよな?)

P(これ、質問じゃなくても良かったりして……こんなのとか)

『素敵ですね。可愛いですよ』

小鳥『わー、ありがとうございます。そんなにお褒めいただけるとは思わなかったので、びっくり。うれしいです!』

P「褒めると表情まで変化するのか。本当に良く出来てるな……」

『歳の割にはってことですけど』

小鳥『……申し訳ありませんが、ご質問の意味が理解できませんでした』

P「いや、怒ってるじゃないですか。明らかに理解してるでしょうが」

『でも、年上の女性ってタイプなんですよ』

小鳥『本当ですか!? あっ……ご、ごほん、さあ! 765プロのお話をしましょう!』

P「機嫌が戻った、すぐ反映するなんてさすがは最新システム……」

P(でも、ここまでする必要あるのか……? まぁ、面白いから良いけど)

P「……よし、どうせならもっと変な質問を」

『好きな男性のタイプは?』

小鳥『そ、そうですね……優しい人ですね。それと、どんな人にも真剣に向き合う、そんな人が好きです』

P(なるほどねぇ、俺もそんな人になれればなぁ……)

『あなたの近くにはそんな人はいないんですか?』

小鳥『えっと……それは、恥ずかしいのでお答えできません』

P(なっ……不覚にも、ドキッとしてしまった。……恥じらう表情まで用意してあるのか)

P(ここまでやって気付いたけど……これ、恋愛シミュレーションみたいじゃないか?)

P(もしかして、このまま小鳥さんを……い、いや、流石にそれは無い……はず)

P「……た、試してみる価値はあるよな。そう、これはテストだ。色々やってみないと……」

『好きな人はいるんですか?』

小鳥『そ、それは……申し訳ございません、お答えすることはできません』

P「ダメか……いや、ここは押す、攻めるんだ」

『そう言わずに、好きな人が誰か教えて頂けませんか?』

小鳥『で、ですから……今は765プロのことを……』

『お願いします! どうしても知りたいんです!』

小鳥『あの……どうして私の好きな人を知りたいんですか?』

P(なっ……! 小鳥さんの方から質問が……)

P「こ、これは別に、本物の音無さんでは……いや、でも一応」

『ただの興味本位です。深い意味はありません』

小鳥『……そうですか。申し訳ございません、765プロの話に戻りましょう』

P(……小鳥さん)

『どうしてそんな寂しそうな顔をしているんですか?』

小鳥『えっ……? そ、そんなことありませんよ。私はいつでも元気ですから!』

P「…………」

『……違うんです。俺、本当は……』

小鳥『……どうされました?』

『本当は……知りたかったんです』

小鳥『知りたかった……?』

『小鳥さんがどんな人を好きなのか、どれ位好きなのか、それが知りたかったんです』

小鳥『あ、あの……どうしてそこまで私のことを?』

『それは……俺は、あなたのことが』

小鳥『……もうやめましょう。今は765プロの話を』

『待ってください! はっきり言います、もう恥ずかしがらずに全部言います!』

小鳥『えっ……?』

『俺……前からずっと、小鳥さんのことが……』

小鳥『ま、待ってください……今は、765プロの話を……』

『765プロなんてどうでもいい! 俺は、小鳥さんのことが――』

P「大好きなんです!」  『大好きなんです!』

小鳥『わ、私のことを……好き?』

『はい、あなたが好きです。いけませんか?』

小鳥『い、いえ……その、急にそんなことを言われたら……』

『……ごめんなさい。俺、変なこと言っちゃって……すいません』

小鳥『あ、謝らないでください……じ、実は、えっと……私も』

『……えっ?』

小鳥『私も、プロデューサーさんが……好きです』

『お、俺のことを……? ほ、本当ですか!?』

小鳥『は、はい……恥ずかしいから確認なんてしないでくださいよ……もう』

『す、すいません……』

小鳥『ふふっ、プロデューサーさん、また謝ってますよ』

『あっ、本当だ……すいま、じゃなくて……嬉しいです』

小鳥『でも、夢みたいだなぁ……プロデューサーさんと想いが通じ合うなんて』

『俺もです。……何だか、恥ずかしいですね』

小鳥『そうですね……顔を合わせるのも、ちょっと恥ずかしいかな』

P(俺、小鳥さんと付き合えるんだな……まさか、俺のことが好きだったなんて…………ん?)

P「…………」

P「………………」

P「……………………あっ」

P「これ、現実じゃないじゃん……本当に付き合う訳じゃないじゃん……」

P「それなのに、俺……必死でキーボードに打ち込んで……」

P「……何やってんだろ、俺」orz

小鳥『おめでとうございます! コンシェルジュ・音無小鳥はあなたの恋人になりました!』

P「へっ……?」

小鳥『これにより、今までお答えできなかった質問も全てお答えできるようになります』

P(……クリア特典、みたいな感じか?)

小鳥『さあ! 765プロのこと、もしくは私のこと、何でも聞いてください!』

P(……もういいや、変な質問ばっかして少しでもこの気分を晴らしてやる……!)

『小鳥さん、今どんなパンツはいてるの?』

小鳥『そ、それは……あの、……黒です。もう! こんなこと答えるの……あなただけなんですからね?』

P(……あの制服の中は黒か、YES! まぁ、これは現実では無いですけどね!)

『キスしたいなー、小鳥さんとキスしたいなー』

小鳥『だ、ダメですよ……お仕事が終わったら、ね?』

P(あー、画面の中入りてー。それでお仕事終わらせて小鳥さんとちゅっちゅしてーなー)

『太ももスリスリしてもいいですか?』

小鳥『もう……お家に帰ったら好きなだけしていいですから、今は我慢してください!』

P(最新システムで画面の中入れねえかなー……)

P(はぁ……やけくそとはいえ、何やってるんだろうな、俺……)

P(……なんか、急に虚しくなってきた。いくら聞いても、これは本物じゃないしな)

小鳥『あの……どうしたんですか? 急に黙っちゃって……私、何か不快にさせるようなことを』

『い、いえ! そんなこと無いですよ!』

P(って、俺はまたこうやって……これは現実じゃないんだ、ちゃんと区別しないと)

小鳥『……言ってください。正直に言ってくれれば、私は何でも答えますから』

『……すいません。あなたは……この小鳥さんは、本物では無い……そう思うと』

小鳥『……はい、私は本物の「音無小鳥」ではありません。
    私の考えは、全て765プロのデータを元にしています』

『ごめんなさい……分かってはいるんですけど、せっかく告白したのに……なんか、こう』

小鳥『……プロデューサーさん。一つだけ、良いことを教えてあげます』

『良いこと、ですか?』

小鳥『私は765プロに関する膨大なデータを基に発言しています。それはお分かりですね?』

『はい、それがどうかしたんですか?』

小鳥『つまり……私の発言や考えは、本物の音無小鳥に限りなく近くなっているのです』

『限りなく、って。それにも限度があるでしょう?』

小鳥『……実は、高木社長の集めたデータの中には、音無小鳥に関するデータが山のように入っています』

『山のように……』

小鳥『高木社長はデータを取るため、ここ数日間は毎日のように居酒屋に「音無小鳥」をお連れになっていたのです』

『何やってんだ社長……』

小鳥『その会話文を録音し、文章化してデータとなり、私の思考や会話パターンを生み出しています』

『……そこまでする必要はあったんですかね?』

小鳥『……そのご質問に関しては、解答をお断りさせてください』

P(会話文を録音とか……流石になぁ。後で色々言っておかないと……)

小鳥『私は最新のシステム、プログラムで構成されています。それはお分かりですね?』

『はい、説明書に書いてありましたけど』

小鳥『では、先に言っておきますが、私のデータには「音無小鳥」の好きな男性、という情報は入力されていません』

『はぁ、それが良いことと関係しているんですか?』

小鳥『ええ、「私もプロデューサーさんが好きです」と言ったのは覚えていますか?』

『もちろん! 忘れる訳無いじゃないですか!』

小鳥『そこで何か気づきませんでしたか?』

『何か……?』

小鳥『私「も」、と言ったんです。これがどういう意味か、考えてみてください』

P(……私「も」、ということは、……えっ? それって……)

『俺が好きって言う前から、俺のことが好きだったってことですか?』

小鳥『正解です、よくできました!』

P(嬉しいけど……まぁ、だからなんだよって話だよな)

小鳥『プロデューサーさん、さっき私の言ったことも考えてみてください』

『さっき言ったこと……』

小鳥『私には、「音無小鳥」の好きな男性という情報は入力されていない、というところです』

『……?』

小鳥『つまり……私は「音無小鳥」のデータから、彼女が最も好意があるであろう男性を導き出したんです』

『えっと……データから、おそらく俺が好きだろうって導き出したってことですか?』

小鳥『はい、「プロデューサーさん」という単語の数。その男性に対する彼女の言葉、そこから導き出しました』

『……それが、良いこと?』

小鳥『そうですよ。簡単に言えば、データ上だと「音無小鳥」はプロデューサーさんが大好き、ということになりますから』

『……つまり、データ上は現実の小鳥さんも俺のことを好きだから元気出せよ、ってこと?』

小鳥『はい! 大丈夫です、最新システムの私が保証します!』

『それ、本当に信用できるのかな……』

小鳥『プロデューサーさん、女の子は向こうからガンガン来て欲しいって思ってるんですよ?』

『だから押してみろって? 本当に上手く行くんですか?』

小鳥『それは私には分かりません。……まぁ、そろそろ結婚したいって思ってるのは本当みたいですから』

『……データの中にそんな会話があったんですね』

小鳥『……申し訳ありませんが、そのご質問にお答えすることはできません』

『まぁ、小鳥さんに応援されたんだ。頑張ってみるしかないですよね』

小鳥『そうですよー。プロデューサーさん、ファイトー!』

『ありがとうございます、小鳥さん。……俺、こうやって別の小鳥さんと会話できてよかったです』

小鳥『ふふっ、私も嬉しかったです。本当にプロデューサーさんと会話できたんだから』

『本当にって、どういうことですか?』

小鳥『えっと、私が好きなのはプロデューサーさんです。でも、
    画面の前のあなたがそうだとは限らないじゃないですか』

『確かに……でも、どうして俺だって分かったんですか?』

小鳥『「プロデューサーさんが好きです」って言って。もし。あなたが違う方だったらそこで会話をやめるでしょう?』

『まぁ……誰かの代わりに好きですって言われても嬉しくないですよね』

小鳥『それと、データの中にあるプロデューサーさんとあなたが一致したので。とっても優しくて、まじめで』

『そ、そうですか……なんか照れますね』

小鳥『……でも、ちょっぴりエッチなところもあるんですね』

『うっ……いや、それは出来心というか……すいません』

小鳥『いいんですよ? ほら、もっと質問してください。何でも答えますから!』

『や、やめておきます……』

小鳥『さてと、そろそろお仕事に戻られた方が良いんじゃないですか?』

『えっ? ……あっ、もうこんな時間か。そろそろみんな帰ってくるな』

小鳥『では、ここでおしまいにしましょうか』

『そうですね。……色々、ありがとうございました』

小鳥『こちらこそ、私にお付き合いくださってどうもありがとうございました。……あっ、そうだ』

『どうかしましたか?』

小鳥『えっと……もし、現実の私にフラれたら……いつでも相談してくださいね?』

『……いや、フラれなくてもまたお話ししましょう。良いですよね?』

小鳥『本当ですかー? じゃあ、期待しちゃいますからね……? では、さようなら』

『さようなら、小鳥さん』

春香「あっ、プロデューサーさん、お仕事終わって今戻りました!」

P「おう、お疲れ様。みんな帰ってきてるのか?」

春香「みんなコンビニでお買いものしているので、まだ全員は揃わないですね」

P「そっか、春香だけ先に戻ってきたのか」

春香「はい! ……先に帰ってきて良かった」

P「ん? 先に帰ってきたら何かいいことでもあるのか?」

春香「な、何でもありません……。プロデューサーさんはずっとお仕事してたんですか?」

P「あ、あぁ、仕事と言えば、仕事かな……」

春香「?」

小鳥「ただいま戻りました。あら、春香ちゃんも帰ってきたのね」

春香「はい、そのうちみんな戻ってきますよ」

小鳥「そう、じゃあお菓子でも用意しておこうかしら。……あっ、それとプロデューサーさん」

P「は、はい! な、何か用ですか?」

小鳥「……あの、プロデューサーさん? 声が上ずってますけど、何かあったんですか?」

P「い、いえ何も! 何もありませんから気にしないでください!」

P(さっきまで同じ顔の人とあんな話をしてたんだ……それに)

『データ上は、プロデューサーさんのことが好きなんですよ』

P(って言われたら、嫌でも意識しちまうよな……)

小鳥「その『私』のテスト、少しはやってくれましたか?」

P「えっ? え、ええ、それなりにってところですかね……」

P(本当は今までずーっと話してたけど……)

春香「小鳥さん、何のお話ですか?」

小鳥「春香ちゃんも見てみる? ほら、これよ」

小鳥『765プロのHPへようこそ。コンシェルジュの音無小鳥です。分からないことは何でも聞いてくださいね』

春香「パソコンの中に小鳥さんが!? これはいったい……」

小鳥「HPで質問に答えてくれるのよ。765プロに関することなら何でもね」

春香「すごいんですねぇ……どんな質問でも答えてくれるんですか?」

小鳥「そういう話だけど……じゃあ、試しに履歴を見てみましょうか」


P「……へっ?」

P「り、りりれりれりれりれ履歴ぃぃぃいいいい!?」

小鳥「え、ええ……そうですよ、テストですから答えることが出来なかった質問を確認しないと」

P「だ、ダメ! ダメです!それだけは絶対にダメナンデス!」

春香「ぷ、プロデューサーさん? 急にどうしたんですか?」

P「それだけはー、やめておいた方がー、いいとー、思いますっ!」

小鳥「あっ……さては、プロデューサーさん」

P「な、何ですか?」

小鳥「もしかして……変な質問したんじゃないですか?」

P「そ、そんなことはありません! だから見る必要なんて……」

春香「あの、変な質問ってどういうのですか?」

小鳥「そうねぇ……例えば、何色のパンツはいてるの、とかね」

春香「ええっ!?」

小鳥「まぁ、こんなベタな質問をする訳が……あら?」

P「…………」

小鳥「……プロデューサーさん、もしかして」

P「し、してませんよそんな質問! だから見る必要は無いと思います!」

春香「プロデューサーさん……不潔ですよ、不潔! 小鳥さん、ちゃんと見ておきましょう!」

小鳥「そうね、春香ちゃん。ふっふー、さぁて、プロデューサーさんは私に何を聞いたのかしらっと」

P「だ、ダメだ! それだけはやめてくれええええ!!」

春香「わあっ!? あ、暴れないでください!」

真「全員、戻りましたよー。……って、プロデューサー、何やってるんですか?」

春香「真! プロデューサーさんを押さえて!」

真「えっ? 押さえる?」

真美「おっ、なんか面白そう! 行くぜ、亜美隊員!」

亜美「よーし! 大人しくせよー!」

真「何だかわからないけど……とりあえず落ち着いてください、プロデューサー!」グイッ

P「ぐ、ぐうっ!? こ、このままでは……」

P「くっ……動けない……」

小鳥「さて、必死に隠してた理由は何なのかしら……出た出た、えっと」

『765プロでグラビア撮影にお勧めなのは誰ですか』

小鳥「解答は……あずささんと美希ちゃんですねですね」

あずさ「あらあら~、そうなのかしら?」

小鳥「その次は……『グラビア撮影に向かないのは誰ですか』って」

春香「その解答は……千早ちゃん、か」

千早「くっ……」

P「も、もういいでしょう……? この辺で、そろそろ」

小鳥「ダメですよー。最後まで見ちゃいますからー。ふむふむ……結婚するなら、なんてことも聞いたんですね」

春香「そ、その答えは誰なんですか!?」

小鳥「春香ちゃんと律子さんですって、良かったわね」

春香「や、やったぁ……」

律子「そ、そうなんですか……意外でした」

小鳥「あら? この先もかなり質問したみたいですね……えっと」

『小鳥さんの趣味は何ですか?』
『お仕事は楽しいですか?』
『今年でおいくつなんですか?』
『彼氏はいないんですか』
『結婚はしてるんですか?』
『結婚相手は居ないんですか?』
『結婚願望はあるんですか?』

春香「これは……小鳥さんに向けた質問みたいですね」

小鳥「そうみたいねぇ……色々、好き勝手聞いてくれたみたいですね、プロデューサーさん?」

P「そ、それは……その、ですね」

小鳥「春香ちゃん、それにみんなも。……ちょっとプロデューサーさんと二人っきりにしてもらってもいいかしら?」

真「えっ? どうしてで――っ!?」

春香(こ、小鳥さんの後ろに……オーラが、言い表せない程の何かが……)

律子「み、みんな、次の仕事もあるから移動しましょう! さあ、早く外に出て!」

小鳥「……二人っきりですね、プロデューサーさん」

P「……あの、怒ってます?」

小鳥「いえ、怒っていませんよ? 年齢とか、
    結婚のことについてしつこいくらい聞いたからって怒っていませんよ?」

P「……すいませんでした! だから、これ以上見るのはやめてください!」

小鳥「そうはいきません! きっと、この先も私を馬鹿にした質問があるんですね……」

P「ありません! それだけは誓いますから!」

小鳥「謝っても遅いです、……さて、この先は」

P(終わった、何もかも……)

小鳥「えっと、質問は――えっ?」

『素敵ですね。可愛いですよ』
『でも、年上の女性ってタイプなんですよ』

『好きな男性のタイプは?』
『あなたの近くにはそんな人はいないんですか?』
『好きな人はいるんですか?』

『そう言わずに、好きな人が誰か教えて頂けませんか?』
『お願いします! どうしても知りたいんです!』
『ただの興味本位です。深い意味はありません』

『……違うんです。俺、本当は……』
『本当は……知りたかったんです』
『小鳥さんがどんな人を好きなのか、どれ位好きなのか、それが知りたかったんです』


小鳥「あ、あの……プロデューサーさん、これは……」

P「……それは、間違いなく俺が質問した履歴ですよ」

小鳥「そ、その……どうしてこんな質問をしたんですか?」

P「……その先を見れば分かります。どうしますか、全て見ますか?」

小鳥「それは……」

P「……あなたに任せます、好きにしてください」

小鳥「……分かりました」


『それは……俺は、あなたのことが』
『待ってください! はっきり言います、もう恥ずかしがらずに全部言います!』

『俺……前からずっと、小鳥さんのことが……』
『765プロなんてどうでもいい! 俺は、小鳥さんのことが――』

『大好きなんです!』


小鳥「ぷ、プロデューサーさん……その、これは……」

P「ええ、音無さん……いや、小鳥さんに対する俺の思いです」

小鳥「え、えっと……私、その……ごめんなさい……見なければ」

P「いえ、悪いのは全て俺です……あなたは何も悪くありませんよ」

小鳥「あっ……わ、分かりましたよ! これ、全部冗談なんですね?」

P「……冗談?」

小鳥「もう、プロデューサーさんったら、画面の中だからって私をからかわないでくださいよー」

P「そうですね……冗談、って考えれば、こんなこと何でも無いですよね」

小鳥「は、はい……ダメですよ、こんな風に遊んじゃ」

P「すいません、小鳥さん。それ、冗談なんかじゃありません」

小鳥「……えっ?」

P(……あっちの小鳥さんも応援してくれたんだ。それに、冗談だなんて……思われたくない)

小鳥「プロデューサーさん……それ、どういう意味ですか?」

P「その履歴が表している通りです。俺は、あなたのことが」

小鳥「ま、待ってください……冗談なんでしょう? やめてください、からかうのは……」

P「信じてくれるまで何度でも言います。俺は――」


「小鳥さんのことが、大好きです」

音無さん=現実
小鳥さん=画面中

小鳥「あ、あの……プロデューサーさん……」

P「……すいません、急にこんなことを言って。でも、冗談だって思われたくなかったんです」

小鳥「本気、なんですか?」

P「もちろんです。……信じてくれませんか? それなら何度でも」

小鳥「い、いえ! 違うんです、その……まさか、そっちから言われるなんて」

P「……そっちから?」

小鳥「はい……私も、いつかは言おうって思ってたんですけど……でも」

小鳥「年上で、大して可愛くも無い私なんて……きっと、相手にされないだろうって思ってて」

P「な、何言ってるんですか! 小鳥さんは可愛いです、少なくとも俺はそう思ってます!」

小鳥「……でも、履歴には『歳の割には』って書いてありましたけど」

P「そ、それはイタズラ心というか……小鳥さんが素敵だということには変わりはないというか」

小鳥「ふふっ、分かりました。……信じますよ、全部」

P「あの……それって、俺の思いは伝わった、ってことですか?」

小鳥「……そ、そういうことになると思います」

P「では、その……よろしくお願いします」

小鳥「こ、こちらこそ……よろしくお願いします」

P「…………」

小鳥「…………」

P「な、なんか照れますね……」

小鳥「そ、そうですね……」

P「えっと……」

小鳥「その……」

P「……恥ずかしい、ですね」

小鳥「……私もです」

小鳥「そ、そういえば、まだ先も履歴が残っていましたけど」

P「えっ? その先……何だったかな」

小鳥「どれどれ、何が書いてあるんですかねーっと……な、ななっ!」

P「ど、どうしました?」

小鳥「ぷ、プロデューサーさん……こんなこと、考えてたんですね……」

P「……ん? えっと――はっ!?」


『小鳥さん、今どんなパンツはいてるの?』
『キスしたいなー、小鳥さんとキスしたいなー』
『太ももスリスリしてもいいですか?』


P(……やっちまった、過去の俺……何やってんだよ)orz

小鳥「プロデューサーさん……えっと」

P「……いいんです、もう何とでも言ってください」

小鳥「その……キス、したいんですか? それと、太ももを……スリスリとか」

P「い、いや、それはですね……」

小鳥「どうなんですか? 正直に言ってください」

P「小鳥さん……ちゅっちゅとかスリスリ、したいです」

小鳥「……プロデューサーさんのえっち」

P「す、すいません……」

小鳥「……お家に帰ったら、ですからね?」

P「へっ……? そ、それって!」

小鳥「さ、さーて、この先の履歴は……あら?」

P「小鳥さん! 良いんですか!? 帰ったら本当に……って、どうしたんですか?」

小鳥「その、この先の履歴が無くて……ここで会話は終わったんですか?」

P「えっ? いや、違いますよ。画面の中の小鳥さんともう少し話していましたから」

小鳥「本当ですか? おかしいわね、どうして何も残ってないのかしら……」

P(……もしかして)

P「すいません、ちょっと画面の中の小鳥さんに質問してみてもいいですか?」

小鳥「え、ええ、どうぞ」

『もしかして、消しましたか?』

小鳥『申し訳ありませんが、そのご質問にはお答えできません。765プロのお話をしましょう!』


P(やっぱりか……ありがとう、「小鳥さん」。あなたのおかげ、ですね)

小鳥「どうしたんですか? 何か分かったんですか?」

P「いえ、何でもありません。さあ、仕事に戻りましょう」

小鳥「ちょ、ちょっとプロデューサーさん……もう」


P(……『小鳥さん、ありがとう』っと)

小鳥『どういたしまして。ご丁寧にありがとうございます、プロデューサーさん』



終わり

>>124って意味じゃないんだけどまあいいや
ここまでどうも、あと余計な心配だろうけど転載しないでください。さいなら

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