藍染「茶渡泰虎、君か」 チャド「……」 (36)

藍染「てっきり黒崎一護が来るかと思ったが、君とはね」

チャド「……」ゴオォォ…

ギン(ああ……強い眼になった。良かった、今の君になら……任せて……いける……)

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啓吾「ちゃ、チャド……なのか?」

チャド「……啓吾、みんな、後は俺に任せて退がっていてくれ」

啓吾「あ、ああ……」

チャド「さて……藍染。まずは場所を変えるとしようか」

藍染「……くくく、よくもまぁそんな余裕を見せられるな。今の君からはまるで霊圧を感じない。
そんな状態で私と戦うつもり……」

ドッ!

藍染「!!」

ザッ!

チャド「……ここなら、どれだけはしゃいでも問題ないだろう」

藍染(馬鹿な……目の前にいたはずだ。それなのに、触れられるまで気づけなかっただと!?)

チャド「恐いのか? 藍染。俺のような雑魚に意表を突かれたのが恐ろしいか?」

藍染「……くくく、調子に乗るなよ人間が。そうやってあまり強い言葉が使うなよ、弱く見えるぞ」

チャド「俺の自信が本物かどうか、試してやろう。いくぞ、あいぜ」

藍染「破道の九十! 黒棺!」


ズドーン



一護「チャドの霊圧が……消えた……?」




藍染「ふははははは! 君程度が私に敵うはずがないだろう! 大人しく他の者に任せておけばよかったものを! 力のない者が吠えるからこうな……」

「何を笑っているんだ?」

藍染「!?」

ドゴッ!

藍染「ぐっ! ば、馬鹿な!?」

チャド「戦闘中に油断するとは感心しないな、藍染」バァーン!

藍染「ありえない……霊圧は完全に消えていたはずだ、貴様一体……!?」

チャド「勘違いしているぞ、藍染。お前の攻撃で俺の霊圧が消えたわけじゃない……」



チャド「俺が自分で霊圧を『消した』んだ」



藍染「なん……だと……?」


藍染(意図的に自らの霊圧を消すだと!? そんなことができるはずがない! 霊圧の消失はイコール死そのもの! 一時的に自分を殺すことと同義だ!)

藍染「茶渡泰虎……」

チャド「驚いたか? 藍染。これが俺の新しい力。霊圧を消され続けることでしか手に入れることのできない極限の技……」



チャド「『消えゆく存在意義(ロスト・アイデンティティ)』だ」

藍染(なるほど、それでさっきは近づかれたことに気ずけなかったわけか。霊圧がゼロになれば存在感は限りなく薄くなる……。厄介な技だが……)

藍染「君は先ほど私に触れた。つまり存在そのものが消えるわけではないということだ。
そして……」ズオォォ!

チャド「!」

藍染「周囲一体全てを吹き飛ばせば、姿が見えなかろうが関係はない」

藍染「滲みだす混濁の紋章 不遜なる狂気の器 沸き上がり・否定し・痺れ・瞬き・眠りを妨げる 跛行する鉄の王女 絶えず自戒する泥の人形 結合せよ 反発せよ 地に満ち己の無力を知れ!!破道の九十 黒棺!」

ズオォオォオオオオオオォォ!!

チャド「……」

藍染「虚も死神も超越した私の放つ完全詠唱の黒棺だ! 時空が歪む程の重力の奔流だ! 君如きでは理解することすらできまい!
茶渡泰虎!!」

チャド「……」スッ…


パリィィイイィン!


藍染「……馬鹿な」

チャド「……いったいいつから」





チャド「『消えゆく存在意義(ロスト・アイデンティティ)』は自身にしか使えないと錯覚していた?」

チャド「終わりにしよう、藍染」

チャド「お前は人を殺めすぎた。そして俺の仲間を傷つけすぎた」

チャド「どんな目的でそんなことをしたのか、聞く気はないし、興味もないがーー」

チャド「俺はお前を許さない」

チャド「お前を倒す。それが俺の為すべきことであり、BLEACHという作品における俺の」

チャド「最後のーー存在意義だ」

チャド「お前を倒せば、俺は自分の持つ存在感を全て失う」

チャド「最後というのは、そういう意味だ」

藍染(何もーー感じない)

藍染(黒棺を破ったというのに、それっぽいセリフを喋っているのに)

藍染(奴からはーー何の存在感も感じられない)

藍染(私はーーそんな奴に負けるのか?)

藍染「……」

藍染「……ふざけるなよ昼行灯が!!」ダッ!

チャド「……」スッ…





チャド「ーーーー『打ち切り』」




ドッ






サァァァァァ…


チャド「終わった、か……」

「茶渡君!?」

チャド「!」

織姫「やっぱり茶渡君だ……藍染を倒したんだね。素敵! 抱いて!」ヌギヌギ

夜一「大したもんじゃのぉ。どれ、儂が一つ褒美をやろう」ヌギヌギ

乱菊「あなたは尸魂界(ソウル・ソサエティ)の英雄よ! 私も一肌脱いじゃおうかしら」ヌギヌギ

勇音「うぅ…恥ずかしいですけど頑張ります…」ヌギヌギ

卯の花「大丈夫ですよ、勇音。あなたもなかなかいいものを持っていますから、恥ずかしがることはありません」ヌギヌギ

空鶴「はっはっは! 幸せ者だな、デカイの!」ヌギヌギ




チャド「……ふっ」



パフパフパフパフパフパフパフパフパフパフパフパフパフパフパフ…






チャド「……」

チャド「……」ニヤァ





一護「うわ……チャドの奴また一人でニヤニヤ笑ってやがる」

織姫「気持ち悪いよね……最近やたらと私の胸を凝視してくるし」

石田「気持ちは分かるけどね」

一護・織姫(……キモッ)



ー完ー

ハンターハンター読んでたら思いついた一発ネタでした。

誰でも一回はこういう妄想しちゃうよね。

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