綾乃「ほ、ほんとなの!?船見さん!」
結衣「うん、ほんとだよ、綾乃」ニコ
綾乃(ま、まさかそんな身近に恋のおまじないがあっただなんて……)
綾乃(早速、試さなきゃ!)
綾乃「としのーきょーこー!」
京子「ふえ?どったの、あや……」
パチンッ
京子「……の?」
綾乃(あ、歳納京子、ポカンとした顔してる)
綾乃(かわいい!)
京子「……」サスサス
京子「あや……」
パチンッ
京子「……」
綾乃「……」ニコ
京子「あ、あはは、あや……」
パチンッ
京子「……」
綾乃「……」ニコ
京子「……」ウルッ
京子「う、うう、ひ、酷いよ、綾乃、ぶつなんて……」グスッ
綾乃「あ、ご、ごめんなさい、歳納京子、泣かないで?」オロオロ
京子「わ、わたし、なにもしてないのに……あ、あやの、私のこと、きらいなの?」ヒック
綾乃「き、嫌いなはずないじゃない!」
京子「じゃ、じゃあ、どうして……」グスッ
綾乃「……ごめんなさい、本当に、こんな事すべきじゃなかったわ……」
京子「……」グスン
綾乃「も、もうしないから……ね?」
京子「ほ、ほんとう?」
綾乃「ええ、本当よ」
京子「……も、もう、綾乃、冗談がキツ……」
バチンッ
京子「……」
綾乃「……」
京子「も、もうしないって……」
バチーンッ
京子「……」
綾乃「……」
京子「……」ポロポロ
綾乃「……」オロオロ
京子「うっ、えっぐ、やっぱり、やっぱり、綾乃、私の事が嫌いなんだ……」ヒック
綾乃「ち、違うのよ、歳納京子、これには訳が……」
京子「も、もういいよ、綾乃には、もう近づかないようにするから……」ヒック
京子「ぷ、ぷりんとも、もう忘れないようにするから……いじめるの、やめてよぉっ」グスッ
綾乃「……」ゾクッ
京子「う、うえっ……うええええっ」ポロポロ
綾乃「……歳納京子」ナデ
京子「え……」
ビターンッ
京子「ひっく、ひっく……」ギュウ
綾乃(ど、どうしよう、歳納京子、うずくまっちゃった)
綾乃「……歳納京子、私はもう帰るから」
綾乃「ここに、ハンカチ置いておくわね……水にぬらして、頬を冷やすといいわ……」
京子「ひっく……ぐすっ……」
綾乃「ごめんなさい……歳納京子……」タッタッタッ
京子「ううう、ぐすん……」
京子「……」
京子「……」ヒック
京子「あ、あやの、ほんとにいっちゃった……」ゴシゴシ
京子「どうしたんだろ……綾乃、こんな事する子じゃなかったのに」グスッ
京子「……」ムクッ
京子「……ハンカチ、置いてってくれたし」
京子「……」
京子「もしかして、私が知らないうちに何かしちゃったのかな……」
京子「それで、綾乃、怒って……」
京子(きっと、そうだよね……)
京子(明日、綾乃と会ったら、ちゃんと謝ろう……)
京子(綾乃と仲が悪くなるの、嫌だし……)
京子「……」ヒック
京子「……ハンカチ、濡らしてこよう」テコテコ
~おトイレ~
~洗面台~
ジャー
京子「……」ヒンヤリ
京子「頬に当てると冷たくて気持ちいい……」
京子「ん……ちょっと腫れちゃってるかな」
京子「明日には、消えてるといいなあ……」
キィィィィ
京子(あれ、誰かトイレに入ってるのかな)
京子「ごめんね、洗面台つか……」
バッチィィィンッ
京子「……」ヒリヒリ
綾乃「……」
京子「あやの、帰ったんじゃ……」
綾乃「……」スーッ
京子「……」ビクッ
綾乃「歳納京子……」ジリッ
京子「や、やだ、ぶたないで……」ジリッ
京子「ごめんなさい、謝るから、あやの、あやまるからぁっ!」タッ
京子「ごめん、ごめん、もう綾乃に逆らわないから、叩かないでっ!許してよぉっ!」タッタッタッ
京子「う、ううっ、ひっく……」タッタッタッ
京子(あ、あやの、追いかけてきてるかな……?)タッタッタッ
京子「……」ソーッ
綾乃「……」スタン、スタン、スタン
京子「ひっ……」タッ
京子「やっ、やだっ、もうやだっ!」タッタッタッ
京子(も、もうすぐ玄関、外に逃げようっ……)
京子(やった、玄関だっ!助かった!私助かったんだっ!)タッタッタッ
ガチャッ
京子「あ、あれ?」
ガチャガチャッ
京子「う、うそ、開いてよ、あいてよぉっ!」
ガチャッガチャッガチャッ
京子「は、はやく、早くしないと、綾乃が、綾乃がっ!」
シーーーーン
京子(あ、あれ、綾乃の足音が……聞こえない……)
京子(も、もしかして、諦めて……生徒会室にでも戻ったんじゃ……)ソーッ
ビッッッッッッッタァァァァァァァァァァァァァンッ
京子「うっぷ……」フラッ
綾乃「……」
京子「あ、あやの……」ヘタッ
京子「もう、許して……」
綾乃「……」ウルッ
京子(綾乃、泣いてる……?)
パチーーーンッ
京子「あうっ……」
京子(そっか、綾乃も、悲しいんだ……)
京子(良く判らないけど、私をぶつ事で、苦しんでるんだ……)
京子(可哀そうだな、綾乃……)
京子(そんな辛そうな顔しなくても……)
京子(いいのに……)
京子「……あやの」フラッ
綾乃「……!」ビクッ
京子「わたしは、だいじょうぶだから……」
綾乃「としのう、きょうこ……」
京子「いたいけど、がまんするから……」
京子「あやのが辛い分まで、いっぱいがまんするから……」
京子「だから、わらって……?」
綾乃「としのうきょうこ、あなたって……あなたってひとは……」グスッ
京子「ね?」
綾乃「……」
京子「……」
綾乃「……」ブンッ
京子(ぶたれるっ)ギュ
ペタリ
京子(あ、あれ……?)
京子(頬に、触られただけ?)
綾乃「う、うっ……ひっく……」
京子「あやの?もうぶたないの?」
綾乃「あ、あんなこと、言われて、ぶてるはず、ないじゃないっ」グスッ
綾乃「大好きな歳納京子に、あんな事……」ヒック
京子「え……」
綾乃「ごめんなさい、歳納京子……ごめ……」グスッ
綾乃「ふええええええええええええんっ!」ビー
京子「え、え、綾乃?綾乃?」
綾乃「ごめんなさああああああああああああぃっ!」ビービー
京子「ごめん、綾乃、ごめんね、私、怒ってないから、謝らなくてもいいから、ね?」オロオロ
綾乃「……ひっく」
京子「綾乃、落ち着いた?」
綾乃「……」コクン
京子「そっか……」
綾乃「……」
京子「……綾乃がなんで私をぶったのかは判んないけど」
京子「わたし、ちょっと嬉しかったんだ……」
綾乃「え?」
綾乃(歳納京子って、ドMなの?)
京子「だって、綾乃が私のことを大好きって、言ってくれたし」
綾乃「あ……」
綾乃(そ、そういえば、さっきついつい口走っちゃった///)
京子「……」
綾乃「……」ドキドキ
京子「……私ね、綾乃」
綾乃「は、はいっ///」
京子「わたしも、綾乃のこと……」
綾乃「え、え?」
京子「大好きだよ」
~翌日~
結衣「綾乃ー、例のおまじない試したんだって?」
綾乃「ええ!頑張ったわ!」
結衣「結果はどうだったの?」
綾乃「そ、それは……」
京子「おはよう!しょくん!」
結衣「あ、おはよう、京子」
綾乃「お、おはよう、としのうきょ……」
パチンッ
綾乃「……うこ」
結衣(うわあ、京子がいきなり綾乃をぶった)
京子「ごめんね、綾乃、大丈夫だった?」
綾乃「え、ええ、勿論よっ///」
京子「痛いの痛いの、飛んでけしてあげる……」
綾乃「と、としのうきょうこ……?」
チュッ
綾乃「あふん///」
京子「い、痛み、なくなった?」
綾乃「え、ええ///」
京子「じゃあ、もう一回……」
パチーンッ
綾乃「ひゃんっ」
結衣「ちょ、ちょっと待って、京子何してるの」
京子「え、ビンタだけど」
結衣「ビンタは判るけど……え、そのあとに、キスしてるのはどうして?」
京子「だって、おまじないの為とは言え、ぶたれた綾乃が可愛そうじゃん」
綾乃「と、歳納京子、あの、もっとぶっていいのよ///」
京子「もう、綾乃ったら、癖になっちゃったの?」
綾乃「だ、だって、ぶったら歳納京子がキスしてくれるんですもの///」
京子「しょうがないなあ、綾乃は……」
ペチーンッ
ペチーンッ
ペチーンッ
チュッ
チュッ
チュッ
京子「えへへ、綾乃、大好きっ!」
綾乃「わ、わたしも、大好きよっ///」ヒリヒリ
京子「えーいっ♪」ビターン
綾乃「やぁー♪」ビターン
京子「やったなぁ♪」ビターン
綾乃「もう、歳納京子ったら♪」ビターン
結衣「……いいなあ、あの二人」モジモジ
結衣「私も、いっぱいビンタしてほしいなあ……」モジモジ
結衣「2人に頼んでみようかなあ……」モジモジ
結衣「あんなに楽しそうにしてるんだし、私がドMだって告白しても引かないで聞いてくれるよね……」モジモジ
完!
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