幼友「第115回、友の会」 男友「…」(17)

幼友「じゃあ始めるわよ」バ-ンッ

男友「とりあえずあれだ、人数が足らない」

幼友「何を今さら…それに、友ってカテゴリだと人が多すぎるし」

男友「女友に後輩友…後ろに<友>を付けさえすれば良いもんな」

幼友「そうよそれ。そのお手軽さ故に扱いが杜撰になることもしばしばなの」

男友「意味もなく男に片思いしてたりな」

幼友「それはあんまりないけど。やっぱり、男と幼がくっついてる裏で私たちもカップリングしましたーってパターンが多いわよね」

男友「もはや幼馴染SSでの日常風景だな」

幼友「それと、あんたのキャラが固定され過ぎで笑えるわ」

男友「うるせえ。普通に俺は根暗だよ」

幼友「ふふん、無個性」

男友「男に言えッッ!!」

男友「まあ、友って付いてる時点で他人ありきの存在だよな、俺らは」

幼友「私たちは一生日の目見ないのね…」

男友「いやいや、お前はことごとく無駄にハイスペックだろ」

幼友「<幼と並ぶ学校のアイドル的存在>?」

男友「お腹いっぱいだよ…」

幼友「告白された回数は30回は超えたわ」フフン

男友「…」ツネッ

幼友「むひゅっ!?や、やえあひゃい!」

男友「可愛いな」

幼友「むぅ…お世辞は聞き飽きたわ」

男友「(本音なんだがな…)」

男友「しかしそれに比べて俺の能力の低さと来たら」

幼友「完全に男の引き立て役よねー…」

男友「出る杭は打たれるんだ、つまり俺は世渡り上手って事になんだよ」

幼友「あんたの場合埋もれちゃったけどね」

男友「うるせえ、きっと誰かが掘り起こしてくれるさ…」トオイメ

幼友「(ずっと近くに居るのに…)」



幼友「…ん?ずっと近く?」

男友「どうしたよ」

幼友「いや、そういえば私たち幼なじみよね?」

男友「あ~、定番中の定番か」

幼友「なんかもうこの時点で適当に設定くっつけた感じがあるわ…」

男友「まあそう言うなよ。何だかんだ幼なじみで良かっただろ、俺ら」

幼友「なっ!?あ、あんたなんかと幼なじみで良かったとか思ってない訳じゃないんだから!」

男友「わけわかめスープ」

男友「小さい頃砂場で馬鹿みたいに競ったよな…」

幼友「ああ、どっちが大きいお団子を作れるかって」

男友「結局、夕方になったら二人してベンチで寝こけたっけ」

幼友「懐かしいわね」

母  コン「入るわよー」コン

幼友「おばさん、こんにちは」

男友「ノックしながら突入するのは全国共通か…」

母「聞かせてもらったわよ?あなたたち、昔話をしてたわね」

幼友「はい」

母「ほんと、時の流れって早いわー…幼友ちゃんが男友のお嫁さんになるって言ってた頃がなつか」

男友「…は?」

幼友「わぁぁっ!馬鹿!ばかぁぁあっ!!」バシバシ

男友「いてッ」

母「じゃ、お菓子置いとくから失礼するわね」ソソクサ

………

幼友「」プイッ

男友「あんな昔の話気にすんなよ」

幼友「む、昔だけじゃ…」

男友「(聞き取れねー…)」


男友「まあそれより菓子食おうぜ」

幼友「むぅ……カントリーマアムね…これは好き」

男友「バニラ派だな、俺は」

幼友「私はもちろんココア」

幼友「このほろ苦さが良いのに、やっぱりまだまだ子供ね」

男友「……美味い?」

幼友「うん、……あ…た、食べる?」

男友「は?い、いや、新しいの引っ張ってくる…」


幼友「ええと……あ、あーん……?」

男友「(頬染めながら小首かしげんな!ずるい!)」

男友「」パクッ

幼友「どう?」

男友「…ほろっと来る」

男友「そういえば、俺達って4人組のパターン多いよな」ボリボリ

幼友「あー、男君と幼と」ポリポリ

男友「だがな、俺は幼さんとは特に親しくない」ビリッ

幼友「ううん…私も男君、よく知らないわ」ポリッ

男友「そもそも、あの二人で事足りるよな。俺らやっぱり存在意義なくねーか」

幼友「いや、あるわよ!……群像劇…とか…?」

男友「煮詰まってんな」



男「よっ」ガチャ

男友「幼友、分厚い辞書とクッキーを取ってくれ」

男「追い返したいのか歓迎してるのかどっちなんだ!」

男友「もちろんお菓子をあげて油断させた隙に殴るつもりだよ」

男「思ったよりも陰湿だった!」


幼友「はい、カントリーマアムのココア」スッ

男「ありがとう……やっぱり幼友さんは優しいな、男友も見習いなよ」

男友「ほらよ、辞書」ドサッ

男「そんなの渡してどうしようってのさ!後さりげなく足元に落とそうとすんのやめてくれないかな!」

男友「うるせえな、騒々しい」

男「はー…誰のせいだと」

男友「で、何の用だよ」

男「いや、暇だったから」

男友「よし帰れ、自虐風自慢か」

男「何だよ自虐って!」

男友「お前普段から色んな奴と遊んでるだろ」

男「そ、そりゃそうだけど」

男友「今度相手してやるから」

男「!ほ、本当だね!?ちゃんと聞いたy」

バタ-ンッ


男友「これで良し」

幼友「良くないと思うけど」

男友「良いんだよ、あいつとはこの位で」

幼友「そうかなぁ?」

男友「とにかく、結論」

男友「友キャラは不要」

幼友「そ、そんな!安直に決めるのは…」

男友「実際な、俺が男友である必要はないんだよ」

幼友「えっ?どういう事よ?」

地味男「こういう風にな」

幼友「……っぷっ」

地味男「おい笑うな」

微乳「だって……!?」

地味男「!?……ック」


微乳「…笑ったら殺すわよ?」ニコッ

地味男「はい」ゾッ

男友「結局そういう事だ」

幼友「ん…私ってどうでもいい存在だったのかしら…」

男友「は?お前はチート性能だから違うだろ」

幼友「じゃあ男友は?」

男友「俺なぁ…何かあるか…?」

幼友「……」

幼友「……やっぱり」


幼友「あんたは地味なままで良いわ」ニコ

男友「」


幼友「(その方が…ね?)」




オツマイ

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