綾野ちゃん大勝利でお願いします!
まだかね
体育の授業の後だったので、汗まみれで密閉空間にいるせいで体が臭わないか気になるあやのんとか
急に尿意が襲ってきてそれを必死に我慢してもじもじしちゃうあやのんとか
おしっこ我慢してるのを体調が悪いのかと勘違いして「大丈夫?」と聞いてくるこういっちゃんに焦った風に「大丈夫だから気にしないで!」と必死にごまかすあやのんとか
そして結局我慢できずに漏らして大泣きするあやのんとか
それを見てどう声をかけたらいいか困っちゃうこういっちゃんとか
漸く落ち着いた後にとりあえず濡れたままの下着とブルマを履いたままなのはあれなので脱がせるところまでは妄想した
放課後 体育倉庫
恒一「……」キョロキョロ
綾野「あ、こういっちゃん! どうしたの、こんなところで?」
恒一「! あ、綾野さん……そ、そっちこそ、どうしたの?」
綾野「ん? こういっちゃんが見えたから追っかけて来たの。で、倉庫なんかに何の用事?」
恒一「え、えーとね……文庫本を落としちゃったみたいなんだよ。僕見学の代わりに用具係でしょ? その拍子に、ね」
恒一(言えない……勅使河原に借りたエロ本を安全のためにここに置いてるだなんて……)
綾野「へー、じゃあ私もさがしてあげようか?」
恒一「えっ」
恒一(くっ、こうなったら隙を見てバッグの中に隠すしかないのか……)
恒一「そ、そう? じゃあお願いしようかな」
これと>>12を組み合わせるんだ
綾野「じゃあ私はこっち探そうかなっと」
恒一(な、なぜピンポイントにエロ本のある方にっ!)
綾野「んー……あ、これって……んんっ!?」
恒一(見つかった……)
恒一「どうしたの? 綾野さん?」
綾野「い、いや、なんでもないよ、なんでもないっ! こ、こういっちゃんはあっち探しててよ!」
恒一(明らかに僕の目に入れないようにしている……いったん遠ざかるのを待つしか、いや、近づいたら近づいたで……)
綾野(こ、これって薄暗いからはっきりとはわからないけど、あれだよね? うわぁ、どうしよう……)
室外
千曳「体育倉庫の鍵を閉めて今日は終わりだな」
ほら、これでいくんだ
恒一「そういえばこの学校って七不思議とかあったりするの?」
勅使河原「唐突だな、ていうか現象の時点で七不思議も吹っ飛ぶと思うんだが」
風見「でも現象は3組だけで起こることだからね。他のクラスの生徒にとっては七不思議と並列で語られてるんじゃないかな」
望月「そういえば、体育倉庫にまつわる噂があったような……」
中尾「ああ、確か好き同士の男女が体育倉庫に入ると鍵が閉まるとか、そんな話だったか」
恒一「そんな漫画みたいな……」
勅使河原「いっそ今度七不思議探検とでもいかないか? 災厄も今年はなかったみたいだしさ」
望月「興味本位でやってると痛い目に遭う気がするけど……」
風見「案外災厄って、そういうのに首を突っ込んだら起こることだったりしてね」
放課後 体育倉庫
恒一(携帯を落としちゃった。ここになかったらあとはどうしたものか……)
綾野「あれ、こういっちゃん。どうしたの?」
恒一「ん? ああ、綾野さん。実は携帯を落としちゃってさ、ここに心当たりがあるから探してみようってことでね」
綾野「電話すれば着信音でわかったりしないの?」
恒一「あいにくサイレントモードにしてるからね」
綾野「ふーん。じゃあ私も探してあげるよ」
恒一「本当? ありがとう」ニコッ
綾野(ここでこういっちゃんとの距離をすこしでも縮められれば、私にとっても得だしねっ)
恒一(そういえば……あの時の噂話)ガサゴソ
中尾『確か、好き同士の男女が体育倉庫に……』
恒一(……ま、まさかな……)チラッ
綾野「うーん、見当たらないねー」ガサゴソ
恒一(綾野さん、屈んでると体のラインが……いや、邪念は抑えるんだ……)
恒一(で、でも確認くらいなら……)
恒一「そ、そういえば、この学校って七不思議ってあったりするの? 花子さんがいたりとか、13階段とか」
綾野「ん? ああ、噂くらいならねー。旧校舎に正体不明の足音が聞こえたりとか、美術室の絵がなにかしてくるとか」
綾野「でもそれも所々細かい部分が変わってたりしてさ、話す人によってまちまちだったりするんだよね。大抵は面白半分だと思うよ」
恒一(なんだ……がっかりしたような安心したような……)
綾野「そもそもなんであんな噂流れたりするんだろうね?」
恒一「噂話が人の無意識の中に残ってたりするんじゃないかな? そのせいで見えるはずのないものが見えたり、きっと見た人がいるだろう、っていう固定観念を生んだりして」
綾野「あー、なるほどねー。じゃあ災厄もそんなものだったりするのかなあ」
綾野「こういっちゃんはそういう話、興味あったりするんだ?」
恒一「まあね。ホラー小説を読んでたりすると、そういう話には事欠かないから」
綾野「きっとここには忌まわしい過去が、とか思っちゃったりするんだねえ。なるほどなるほどー」
綾野「……あ、そういえばこの体育倉庫にもそんな噂あったっけな」
恒一「! へ、へえ……」
綾野「昔体育倉庫に閉じ込められちゃった生徒がいるらしいんだよ。見ての通り窓もなくて、放課後だから助けも来なかったんだって」
綾野「しかも何かの拍子で学校がしばらく休みで、部活動もなかったから、ずっとそのまま。そしてしばらくして運動部の部員が開けてみたら……」
恒一「……」
綾野「……ま、そんなことがあったら真っ先にここの窓が取り付けられてるだろうけどねー」
恒一「はは、だよね」
恒一(やっぱり噂は噂、か……)
綾野「それよりほら、手を休ませない。なんで私ばっかりに働かせてるのさ」
恒一「ああ、ごめんごめん」
綾野「みつからないねー。他に心当たりは?」
恒一「うーん……2時間目に使った覚えはあるんだ。でも昼休みにはなくなってた。だから、3時間目か4時間目、って考えで体育倉庫を探したんだけど……」
綾野「こういっちゃんは……ああ、見学だから着替えてないんだよね。教室とか職員室……は行ってるか。うーん」
室外
三神「はー、疲れた……家に帰ってすぐビールが飲みたい気分ね……」
三神「体育倉庫……なんて人を確認するまでもないわよね。部活の子達も帰っちゃってるし」
ガチャガチャ
恒一「……ん?」
綾野「……なんか、不吉な音がした、よね……?」
三神「あの九官鳥の前で焼き鳥でも食べて憂さ晴らししようかしら……」コキコキ
ガチャッガチャガチャッ
綾野「あ、開かない!?」
恒一「落ち着いて、綾野さん! 扉を叩けば音でわかってもらえるはずだ!」
ドン! ドンドン! ドンドンドンドン!!
三神「ん? 何か音が……」
ピュ~! ドン!ドンドン!
三神「ああ、カラス除けの録音か。紛らわしいのよね、本当」スタスタ
恒一「……頼む、来てくれ……」
綾野「こ、こういっちゃん……」ガクガク
恒一「大丈夫だよ、綾野さん。きっと逃げられるはずだから」ギュッ
綾野「! う、うんっ」
恒一「はぁ、はぁ……」
綾野「こ、こういっちゃん、一旦休憩しよう? 体力無くなっちゃったら、きっとこれから辛くなるし……」
恒一「でも、この機会を逃したらあとは夜を越すのを待つだけだよ。僕はどうでもいいけど、綾野さんは……」
綾野「わ、私だって大丈夫……だと思う」ギュッ
恒一「! そ、そっか……」
恒一(必死になって忘れてたけど、抱きしめちゃってたんだな、僕。綾野さんの顔が近くで……)
恒一(あの噂……い、いやいや、今はそんなことより綾野さんを安心させないと)
恒一「……とにかくもう少し叩いてみるよ。さっき鍵を掛けた先生でなくても、他の先生が気づくかもしれない」
綾野「……うん」
ドン! ……ドンッ!
綾野「こういっちゃん、もういいよ……次に足音が聞こえた時を待とう?」
恒一「……そうするしか、ないみたい、だね……」ゼェゼェ
恒一「はぁ、はぁ……」ガクッ
綾野「大丈夫? タオル貸してあげる。それに飲み物もさっき買ったばっかりのポカリがあるから」
恒一「ありがとう……でも長丁場だから、ある程度配分しないと」
綾野「そうだね。他には……あ、キャンディがある。でもこれだけじゃ……」
恒一「いや、一日くらいなら大丈夫。それに僕のカバンにも……あった、ポテトチップス。これだけあればなんとかなるよ」
綾野「そっか、よかった……」ギュッ
恒一「! あ、綾野さん?」
綾野「……ごめんね、本当はすごく、怖いの……」
恒一「あ……」
綾野「さっき、ああいう怖い話したでしょ? だから、もしかしたらって」
綾野「でも、でもこういっちゃんが頑張ってくれてた姿を見て、私がくじけちゃったら……だから、こんなの駄目なはずなんだけど」フルフル
恒一「大丈夫だよ」ギュッ
綾野「ふえっ」ドキッ
恒一「絶対大丈夫。誰かが見つけてくれる。見つけてくれなくても、一日くらいなら耐えられるよ。僕も、一人だったらきっと辛かっただろうけど」
恒一「あ、綾野さんが隣にいるなら……」
綾野「うえっ、う、うん……私も、頑張るっ」フルフル
恒一「……」ナデナデ
綾野「……こ、こういっちゃん、流石にそこまでは……」
恒一「えっ? あっ、ご、ごめん」
綾野(こ、こんな状況でなくてもやってほしいことでは、あるけどっ)
恒一「……」
綾野「……」
恒一(落ち着いて考えてみると……僕は綾野さんが好きなんだろうか……)
恒一(綾野さん、かあ。確かに元気があるし、真っ先に声をかけてくれた女子ではあるし……)
恒一(普段特別話が弾むわけでもない見崎や、ちょっと距離がある赤沢さんに比べても……)
綾野「すぅー……はぁー……」
恒一(……噂が本当だと決まったわけじゃないじゃないか。それに綾野さんが、僕を……)
綾野(汗がほんのりと漂ってくる……もうちょっとひっつきたいな。でも、そんな場合じゃ、ああでも……)ギュッ
恒一(……だとしたら、どうしよう……?)
恒一(……なんていうんだっけ。心臓の拍動を恋をしてるときのドキドキと勘違いしてっていう話。うん、きっとそれだ。落ち着こう)
恒一(綾野さん、髪の毛から良い匂いがするな。体も柔らかいし……)
恒一(……あ、あらゆる意味で落ち着けない……っ)
綾野(……ちょっとくらい、強くしがみついても、いいよね?)ギュッ
恒一「!(いや、ここで反応しちゃったら綾野さんが遠慮しちゃうかもしれないし……)」
綾野(優しいな、こういっちゃんは……きっと私じゃなくても、女の子だったらこうしてあげるんだろうな……)
恒一「そ、そうだ、携帯!」
綾野「え?」
恒一「思えば携帯電話を取りに僕達はここに来たんだよ。あれさえあれば、ここから簡単に助かるはずだよ」
綾野「あっ、そっか!」
恒一「可能性は、まあ分が悪いけれど最善は尽くしてみよう」
恒一(綾野さんには悪いけれど一旦頭を冷やそう……きっと僕も動揺してるんだ……)
綾野「うん。じゃあ私はあっちを……」スッ
恒一(か、かがんだことでスカートがめくれてっ)
恒一「あ、綾野さん、スカート、スカート!」フイッ
綾野「え? ……う、うわぁっ!?」
恒一(僕はすこし悟った気がする……落ち着け、だなんて無理だということを……)
恒一「……」カリカリ
綾野「……」モジモジ
恒一(オーケー、一旦認めよう。仮に我々がお互いを好きであることでこの体育倉庫に閉じ込められたということを)
恒一(避けようとするからかえって意識することになるのだ。だから一旦考えに考え抜いて答えを出せば邪念はなくなるだろう)
恒一(我々はそんな理不尽な事件に巻き込まれたことで何が起こるというのだ? 我々ではなく、外的な要因によって何か恐ろしいことでも起こるというのか?)
恒一(起こらないとしたら? こんな狭く暗い部屋で、思春期の男女が、二人でいることで、何が起こる……?)
綾野「な、なんか暑いねっ。ちょっとベスト脱ぐよ……」パサッ
恒一「……水色……」
綾野「えっ? ……っ」バッ
恒一(……本当に何が起こるんだよ……)
綾野「み、見つからないねー……どうしよっか……」パタパタ
恒一(どうしようかって……どうしよっかって……)
綾野「こ、こういっちゃん?」
恒一「そんな、そんな……」ブツブツ
綾野「こういっちゃん! ねえ、ねえってば!」ユサユサ
恒一「はっ! ……あ、綾野さん? 僕は、一体……」
綾野「よかった……そうだよね、こういっちゃんも辛いよね……」ギュッ
恒一「!(か、顔に胸の柔らかい感触がっ)」
綾野「私が、私がしっかりしてないからだよね、ごめんね、こういっちゃん……」ギュウッ
恒一「」
綾野「こういっちゃん、落ち着いた?」
恒一「うん」
綾野「よかったぁ……私が言える立場じゃないかもしれないけど、無理しないでね? 一緒に力を合わせていこう」
恒一「うん」
綾野「そ、それじゃ、私離れるね……」
恒一「うん」
綾野(い、今になって考えてみたら、汗かいてたところにあんなことしちゃったんだよね……うわあ、どうしよう……)
綾野(部活終わった後にスプレーはやってきたけど……まさかこんなところでもう一回つけるわけにもいかないし)
綾野(何より私からも抱きしめて……あぁ色々と恥ずかしいよぉ……)
恒一「うん」
恒一「……」パリッ モグモグ
綾野「……」ペロペロ コロコロ
綾野「ごくっ……はい、こういっちゃんどうぞ」
恒一「うん」
綾野(あ、間接……でも正直、今更だよね……)
恒一(自分と他人とは結局一対なのだろう。自分なしでは他人もない、他人なしでは自分もない……)ゴクゴク
綾野「……っ?」モゾッ
綾野(あ、あれ、もしかして……)モジモジ
恒一「どうしたんだい、綾野さん」
綾野「んっ? ううん、なんでもないのっ」
恒一「そう。困ったことがあったらなんなりと言い合おうね、僕らはここでは一つの存在みたいなものだからさ」ニコッ
綾野「う、うん……」
綾野(これって……うわぁ、どうしようどうしようどうしようっ)
綾野(が、我慢するしかないよね、窓もないんだし……)モジモジ
恒一「綾野さん、大丈夫? ちょっと震えてるけど」
綾野「えっ、う、うん大丈夫大丈夫!」
恒一「目がうろたえてるよ? そっか、僕がさっき醜態をみせちゃったもんね。ごめん。僕もまだまだだ」
綾野「ち、違うよっ、こういっちゃんのせいじゃないよっ」
恒一「僕は未熟者だ……綾野さんと一つの存在にならなくちゃいけないのに、自分だけで勝手にうろたえて、その結果綾野さんまでも……」
綾野「な、何言ってるのかわかんないよ……?」
恒一「綾野さん、僕らはここを乗り越えた時にこれまでの僕らではない僕らになれると思うんだ」ズイッ
綾野(わっ、顔近っ! は、恥ずかし……あ、力抜けて……)チョロッ
恒一「綾野さん、落ち着いて。心をクリアにするんだ。色即是空の空とはそういうことだと思うんだ。そして空になった時自他の境は……」ギュッ
綾野(何言ってるのか本気でわかんないっ! わかんないから顔に集中しちゃって恥ずかしくなっちゃう!)
綾野(こういっちゃんの目、すごく澄んでてきれいで、こんな弱い私なんかどうでもよくなって、力が、力が……)チョロッ
チョロロロロ……
綾野「あっ、あっ……」ポロッ
恒一「あ、あれっ、綾野さん、太股から何かが垂れて……」
ポタポタ……
綾野「う、うえっ、えぐっ、と、止まんない……」グスッ
恒一「こ、これって……」
ピチャッピチャッ
綾野「いやぁ……みないでぇ……」シクシク
恒一(綾野さんは僕に隅っこを向いて立つように言って、倉庫内にある雑巾で水たまりを掃除した)
恒一(綾野さんはずっと泣いていた。水の撥ねる音にまじって、嗚咽する声が聞こえた。僕はどうしていいかわからなかった)
恒一(掃除がおわってからも、綾野さんは僕からはなれて膝をかかえ顔をうずめて泣きじゃくっていた)
綾野「ぐすっ、えうっ……」メソメソ
恒一「綾野さん……しょうがなかったんだよ、遅かれ早かれ……」
綾野「あうっ、ふえっあっ……」メソメソ
恒一「僕は、大丈夫だから。こうなった以上は、どんなことでも受け止めて見せるし……」
綾野「ぐすんっ、ふぐっ……」メソメソ
恒一(全然泣きやむ気配がない……時と場合とか、僕が気にしないとか、そういうんじゃ解決できないんだろうな……)
恒一(純粋に、我慢できなかった自分に対して情けないと思ってるんだろう……)
恒一「綾野さん……」ギュッ
綾野「ふぇっ……くぅっ……!」グスッ
恒一「落ち着くまでずっと泣いてていいよ。自分の中で整理がついたら、その時は僕がちゃんと話を聞いてあげるから」
綾野「ごっ、ご、ごめ、ごめんなさ、いっ……」シクシク
恒一「……」ナデナデ
勢いのままにイチャラブセックス書くつもりだったんだけどなー……
寝る。のっとるならのっとって
綾野「ぐすっ……ごめんね、迷惑ばっかり掛け続けて……」
恒一「ううん、こちらこそ、だよ」
綾野「なんていうか、もう、恥ずかしくて……こんなどうしようもない姿見せて、失望させちゃったよなあ、とか」
恒一「失望とかするわけないじゃないか。だって、人間だれしもあることなんだから。むしろそれをわかってあげられなかった僕のほうが、申し訳ない」
綾野「……嫌いになったり、しない?」
恒一「なんで嫌いになる必要が?」
綾野「だ、だってこういっちゃん、こんなふがいない女、お荷物で、いてもしょうがなくて……」
恒一「かえって好きになるんじゃないかな」
綾野「えっ」
恒一「もし駄目なところがあったとしても、僕も駄目なところがあるとわかってるから、一緒なんだな、って思うし」
恒一「大体、人間ってそういうものなんだと思うよ、偉そうに話しちゃったけどさ、ははっ」
綾野「こういっちゃん……」
恒一(勢いで言っちゃったけど……もう、いいよね)
こっからセックスに持っていけばいいんだ、簡単だろう?
眠気なかったけどちょっと休憩する。
展開のつながりも危ういしどうやって出るかとかほとんど考えてない
綾野「すぅー、はぁ……うん、収まったっ。ごめんね。それから、ありがとう」
恒一「うん、どういたしまして」
綾野「これからも迷惑掛けない保証は、なかったりするけど……」
恒一「それはこっちも同じだよ。それに、迷惑をかけられたところで受け止める他ないんだしね」
綾野「そっか。じゃ、改めてよろしくっ」ニコッ
恒一(まあ、とはいえやっぱり綾野さんは笑顔の方が良いよなあ)
綾野「で、なんだけどさ? そのー、さっきはずっと勢いでやってたもんだから注意力が散漫になってたもので……」
恒一「?」
綾野「その、パンツが、ビショビショだったりするんだ、うん」
恒一「あ、あぁ……わかったよ」クルッ
綾野「……」スルッ
恒一(そういえばこっちの危険は何にも解決されてないんだった……)
綾野「よっ、と……」スルッ
恒一(あの時の色も覚えてるから細部がくっきりと想像できてしまう……)
綾野「うん、いいよ」
恒一「うん」クルッ
綾野「……」
恒一「……」
恒一(スカートにノーパンの女子が正座で向かい合ってる時ってどうすればいいんだろう……)
綾野「そ、そういえば、さ」
恒一「う、うん?」
綾野「私のこと、好きって、言ってくれた、よね?」
恒一「! あ、うん……」
恒一(本当は好きになれるって言ったと思うんだけど……状況からすれば意味は同じ、だよなぁ)
綾野「……」
恒一「あの、さ。別に勢いとか、状況のせいとかじゃないんだ。それが助けになってるってことはあるけど」
綾野「う、うんっ」
恒一「その、綾野さんと一緒にいることも嫌では全くないし、むしろ綾野さんの方がどうかなって……」
綾野「う、ううん、そんなことないよっ!」
恒一「そ、そっか……やっぱりそれって」
綾野「う、うん……わ、私も、こういっちゃんのこと……」
恒一「……」ゴクッ
ガサガサッ!
恒一・綾野「!?」
綾野「い、いまの、何っ?」
恒一「風? なわけないか、ネズミ……でも今相当大きな音が……」
綾野「! ひょ、ひょっとしてあの噂の……」
恒一「噂? ああ、あのここで亡くなったっていう……」
綾野「ど、どうしよう……」ガタガタ
恒一「落ち着いて、なにか前々から置き方が悪くてズレた拍子に音が鳴ったのかもしれないし……」
ガタガタッ!
恒一「地震……じゃないよな」
綾野「ふえぇ……」ガタガタ
恒一「こっちから音が……」
ドサッ
綾野「あっ、段ボールがっ! あぶないっ!」ガッ
ドサッ
恒一「うう、マットがクッションになって……ありがとう、綾野さ……」
綾野「よ、よかったぁ……だいじょ……」
恒一・綾野(ち、近いっ!)
綾野「わっ、ごめんなさいっ」
恒一「あ、綾野さん立ちあがっちゃダメだ、せめて物の落ちてこない真中で伏せてっ!」ダキッ
綾野「! ご、ごめんっ」ギュッ
恒一(恥ずかしいのは抑えられないけど状況が状況だけに……)
綾野(ぁっ、こういっちゃんの足があそこに擦れてぇ……)
シーン……
恒一「……やっぱり偶然、だったのかな……」
綾野「……」
恒一「? 綾野さん?」
綾野「! あ、ごめんっちょっと、緊張しすぎててっ」
恒一「そっか。もう大丈夫だと思うよ」
綾野「うん……それと、さ、こういっちゃん、この体勢……」
恒一「あっ」
綾野「わ、私は、いいんだけど……」
恒一「えっ」
綾野「その、いいそびれたんだけど、ね。私も、こういっちゃんのこと、好きだから。はじめから」
恒一「……」
綾野「あはは、色々と段階すっとばしてるよね、あははっ」
恒一「……綾野さん、僕も改めて言うよ。綾野さんのことが、好きだ」
綾野「……うんっ」
綾野「……嬉しい。一応訊くけど、こういう状況だから、じゃないんだよね?」ギュッ
恒一「うん」ギュッ
綾野「そっかぁ……そっかぁ」ギュウッ
恒一(初めて遠慮なく抱いてみると、柔らかいだけじゃなくて硬いんだよな、ちょっとした筋肉とか、骨とか。それだけじゃないものがある……)ギュウッ
綾野「で……まだ付け加えることはあるんだけど……」
綾野「その、こういっちゃんの足が、私の股のあたりにピンポイントで来ちゃったりしてるんですよ……」
恒一「えっ!?」バッ
綾野「あっ、にげないでっ。いいから、私は。むしろ、もっと……」
恒一「綾野さん……でも……」
綾野「こういう状況でするのは、嫌? でも、はじめからだったんだよね?」
恒一「そうだけど……」
綾野「私が、したいって言ったら?」プチッ
恒一「あ、綾野さんっ」ムクッ
綾野(あ、足の他にも何かあたって……)
綾野「……ね、こういっちゃんも脱いでみない?」
恒一「え、えっと」
綾野「私は、恥ずかしいとこ一杯みせちゃったし、きっとこういっちゃんの恥ずかしい部分も、受け止めてあげられると思うけど」ジロッ
恒一「!」ピクッ
綾野「さっきからお腹の当たりに当たって動いてるの、これってさ……」サワッ
恒一「あ、綾野さんっ! せめて心の準備を!」
綾野「私は心の準備をしないまま痴態をみせてしまったのだっ、てことでえいっ」カチャカチャ
恒一「うわっ」ボロンッ
綾野「あっ、こ、これはこれは……」ドキドキ
恒一「うう……」フイッ
綾野「こ、これって全力? それとも……」
恒一「一応、名誉のためにいえば、半分くらい……」
綾野「へ、へぇー、そうなんだー……」ジィ
綾野(すくなくとも中指でも軽々と越しちゃうよね……これが倍ってことは、掌全部……)
綾野「……」サワサワ
恒一「っ! 綾野、さん……」ムラムラ
綾野(わあ、おっきくなってきた……どうすればいいのかな、触るの、気持ちいいみたいだし……)
綾野「んっしょっと……」スリスリ ナデナデ
恒一「くぅっ……」ゾクゾク
綾野(あ、パンパンになってきた……これで全力なのかな? ところどころに筋があってミミズが膨らんでるみたい……)スリスリ
恒一(撫でるだけなのがまた……引き返すなら今だけど、でもっ……)
綾野(あ、そういえば……)
綾野「こういっちゃん、好きだよ」ズイッ
恒一「えっ」
チュッ
綾野「えへへ、順序ってあるしね、やっぱり」
恒一「……綾野さん、ごめんね」ガバッ
綾野「きゃっ!?」ドサッ
恒一「ちゅっ、ちゅぷっ」
綾野「ふむぅっ!?」
綾野(口の中、入り込んできたっ)
恒一「ちゅぷ、はむっ、ちゅっ」
綾野「ふっ、ふぅっ!?」
綾野(唇で、舌とか歯とか撫でられて……)
恒一「ちろっ、れろっ、ちゅっ、れろぉっ」
綾野「あふっ! んぅ、ちゅっ、ちゅぱぁっ」
綾野(このあったかいのって、舌……? あ、でも柔らかくて、気持ちよくて……)
恒一「ぷはっ、ふぅ、ふぅ……」
綾野「はぁーっ、はぁーっ、っんくっ、はぁっ」
綾野(あっ、こういっちゃんの舌の感触が残って、そんな奪い取るような目で見つめられたら……)
恒一「……」プツップツッ
綾野「こ、こういっちゃん、もう一回キスして……」ハァハァ
恒一「うん。ちゅっ」プチッ、スルッ
綾野「れ、れろっ」
恒一「ん、れろっ、ちろちろ、ちゅうっ」スルッスルッ
綾野(キスされながら脱がされて……自由がなくなって、私、こういっちゃんに呑み込まれて……)
恒一「ちゅぱっ、ふぅ」スルッ、パサッ
綾野「はぁ、はぁっ、っ、あ、あうぅ……」
綾野(胸、見られてる……これも脱がされちゃったら、私もう……)
恒一「……」スルッ ズルッ
綾野(あっさり下から手入れられてズラされちゃった。私のものなのに、こういっちゃんに半分くらい渡しちゃった気がする……)
恒一「……」モミモミ
綾野「ん、ふっ……」
……あかん
恒一「……」モミッモミッ
綾野「こ、こういっちゃん、そんな胸ばっかり……」ハァハァ
恒一「あ、あぁそうだね……」パッ
恒一(だってこんなに感触が良いと……)
綾野(もう頭おかしくなりそ……)ハァハァ
恒一「綾野さん、足広げて」グッ
綾野「う、うん……あっ、やっぱりだめっ」ギュッ
恒一「? ……あ、そうか……」
綾野(うう、いきなり見せるなんて……でも広げないと進まないし……)
綾野「ご、ごめんね……ど、どうぞ」スッ
恒一「……ごくっ」
綾野「そ、そんなに見ないでっ」
恒一(いや、こんなに綺麗なピンクを見せられちゃ、どうしようもないよ……)ドキドキ
恒一「……」サワッ
綾野「ひうっ! あ、あのさこういっちゃん、黙っちゃうのは、正直怖いから……」
恒一「あ、うん……」
恒一(といっても、何をしゃべれば……)
恒一「……綾野さんのここ、きれいだね。手触りもいいし……」サワサワ
綾野「そ、そんなこと言われてもぉ……」
恒一「柔らかくてちょっと濡れてて……ちょっと興奮する」
綾野「あうぅ……」
恒一(実況みたいになってきた……でも、綾野さんの恥ずかしがる顔もいいな)
チュプッ
綾野「あっ!」
恒一「ん、ちょっときつい、かな。でも、指がほどよく締められて、なんか心地いい」チュプクチュ
綾野「そんな風に言わないでぇ……」ハァハァ
恒一(なんか本当に興奮してきた……)
綾野(こういっちゃんに私の全部が見透かされてる……こういっちゃんに、全部預けちゃってる……)
恒一「だんだんほぐれてきた、ね。力抜けてきたんだ」クチュクチュ
綾野「はうっ、くぅ……」ゾクゾク
恒一「奥から液がいっぱい出てくる……糸も引いてきたし」ピチュッ トロォ
綾野「ふ、ふあぁ……」ハァハァ
恒一(綾野さん、気持ちいいのかな? だとしたら嬉しいな、僕の手でこんな風に……)
恒一「奥からこそぎ取ってみようか」チュクチュクッ
綾野「あっ!? あぁぁっ!」ビクビクッ
恒一「今すごく脈打った……ここ、いいんだ?」チュッチュッ
綾野「ふああっ、ああぁっ」ビクッビクッ
恒一(綾野さん……もっと僕の手で気持ち良くなって欲しい……)
綾野「だめぇ、もうっ、もうっ……!」ビクビク
恒一「もう? ……そっか、イっていいよ、綾野さんっ」クチュッ
綾野「はうっ、あ、あ、ああぁぁっ!!」ビクゥッ! ビクッビクビクッ
恒一「うわ、すご、中がトロトロしてひくついて……」トロッ
綾野「はっ、はぁん、はぁっ」クタッ
恒一「……ぺろっ……苦いし、しょっぱいな」ペロペロッ
綾野「あ、あうぅ……」ハァハァ
綾野(私の愛液舐めて、でも嫌ってわけじゃないし、もう、どうなってもいいや、もう……)
恒一「綾野さん、僕ももう……」
綾野「はぁ、はぁ……いいよ、こういっちゃんが、好き勝手にしても……」クタァ
恒一「ん、それじゃ……」クイッ
綾野(あれ、こういっちゃんの……あれが、入ってくるんだぁ……)
恒一「ここ、だよね……んっ」グイッ チュプッ
綾野「あうっ?」
グググッ ミチミチッ
綾野「あっ、あぁっ!?」ズキズキ
ブチッ
綾野「あぐぅぅっ! う、えっ!」ズキズキ
恒一「あっ……ご、ごめんっ!」
綾野「かっ、ふっ、えぐっ」ポロポロ
綾野(中が、あそこだけじゃなくて全部破けちゃったみたいなっ、痛い、痛いよぉっ……)
恒一「綾野さん、ごめんね……」ギュッ
綾野「はうぅ……」ギュッ
綾野(また私、こういっちゃんに迷惑かけて……)
綾野「はっ、ぐすっ、いいよ、痛いけど、こういっちゃんのこと、すきだからっ! こういっちゃんに、好きなだけしてもらいたいからっ」
恒一「っ……くっ!」グイッ
綾野「うあっ! はぁっ、つぅっ!」ズキッズキッ
恒一「ちゅっ、れろっ」
綾野「ふうっちゅう、ちゅぱ」
綾野(キスされてる、痛いし、でも好きだから頑張らなきゃ……)
ジュプッ……ズチュッ……
恒一「ふうっ……はぁっ……」
綾野「つっ、はぁっ……あうっ、ふっ……」ズキッ ズキッ
綾野(ちょっと痛み、収まってきた、でも頭ぼんやりして……)
恒一「んっ、はむっ、ちゅっ、ふぅ、ちゅぱちゅうっ」ギュッ
綾野(キス、気持ちいい……ずっとこのまましてたら、どうでもよくなって、痛くなくなってくるかも……)
綾野「んう、ちゅうっ」ギュウッ
恒一(足が背中にまわされて……でも、心なしか楽そうだよな、このまま……)
ズチュッズチュッ
恒一「ちゅう、ちゅぷっ、れろれろっはぁっ」
綾野「ふむっ、ふぅんっ、れろちゅぱ、くふぅ」キュンキュン
綾野(奥から、なんか来てる、あ、イっちゃうんだ、また……)
綾野「ぷあっ、はぁ、こういっちゃん、いいよね、私、イっても……」ハァハァ
恒一「はぁ、えっ?」パンパンッ
綾野「あうっ、はぁっ、っ、あぁ……っ」ビクウッ、ビクッビクッ
恒一「あっ……」
綾野「はぁ、はぁっ、こういっちゃん、もっと、もっとしよう……?」ヒクヒク
恒一「っ!」グイッ
綾野「あんっ!」
ズチュックチュッジュプッ
綾野「あっ、はぁっあぁん!」
綾野(さっきよりも速くなってもっと擦れて、あっ、キス忘れちゃダメ……)
綾野「はっ、はあん、くはっ」キュンキュン
恒一「んっ……綾野さん、僕も……」パンパンッ
綾野「んうっ? っ、くあっ」キュンキュン
綾野(あ、また……)
恒一「くっ、ああっ!」ビュルビュッ!
綾野「はっ、あぁぁんっ!!」ビクゥビクゥ!
数十分前
プルルル……
千曳「はい、千曳です。ああ、三神先生、どうしました」
千曳「榊原君が? ……同じクラスの女子も。わかりました、私は学校とその周辺を。三神先生は、他のクラスメイトのお宅やその周辺を連絡して回ってください」
千曳「……えっ? 体育館の中から何かが聞こえた? ……いいえ、まだ決まったわけではない。とにかく、向かってみます」
千曳(体育館か……そういえばあそこは……)
学校 体育倉庫
千曳「手当たり次第に探してみるしかあるまい」
ガチャガチャッ
千曳「おおい、誰かいるかっ……」
恒一「すう、すう……」
綾野「むにゃ、ふふっ……」ギュッ
千曳「……」プルプル
千曳(落ち着くんだ……昔のことじゃないか……)
恒一(僕と綾野さんは千曳先生によって救い出され、そのまま自宅へと送られた)
恒一(察しがついたのだろう、千曳先生はお互いのために口実を考えてくれた。綾野さんは嘘偽りなく体育倉庫に閉じ込められたことに)
恒一(僕は街のゲームセンターに入り浸って連絡が遅れてしまった、ということで話を通すことになった)
恒一(念のため綾野さんはすぐに自宅に送り、僕は千曳先生にご飯をおごってもらうことで時差を作ることになった)
恒一(家から離れたところで僕を下ろした時、千曳先生はすこし遠い目をしていた……呆れられたのだろうか)
恒一(まだ時間も8時半とさほど遅くなかったので言い訳は上手く通った。携帯をなくしたことや定食屋でタバコの臭いもつけられたことも辻褄を合せるには好都合だった)
恒一(もっとも、怜子さんはずっと疑いの目を向けてきたけれど……)
綾野「おっはよー!」
小椋「彩! 大丈夫だったの、体育倉庫に閉じ込められたって聞いたけど……」
綾野「あ、あぁそれね、うん怖かったよ~真っ暗でさぁ、誰も来なかったし……」
赤沢「災難だったわね……でもその割に引きずってないみたいだけど」
綾野「あはは、すぐ助かったしねぇ、もっと長かったら、どうかなって感じだけど」
小椋「とにかくよかった……まさか災厄で、とか考えたんだから」
綾野「あぁ~……確かにうちのクラスは、シャレにならないよねぇ……」
赤沢「恒一君もいなくなってたみたいだし、偶然もあるものね」
綾野「えっ、へ、へえ、こういっちゃんも……」タラタラ
小椋「そうなの? 私なにも聞いてないけど」
赤沢「なんでも街のゲームセンターに入り浸ってたとか。都会育ちだからそういうのには慣れっこなのかしら。全く」
綾野「ほ、ほんとだよねぇ、でも仕方ないんじゃないかなあ、うん」
小椋「……」
見崎「ねえ、榊原君、昨日はどこに行ってたの?」
恒一「え? あぁ、ゲームセンターで遊んでたよ」
見崎「……へえ、珍しいね。なにで遊んでたの?」
恒一「ん、まあ色々かなあ、メダルゲームとか格ゲーとか。東京にいた頃は、結構友達と遊びに行ってたりしたしね」
見崎「……綾野さんも昨日いなくなったって連絡があったんだ。体育倉庫に閉じ込められたんだって」
恒一「えっ、それは知らなかったな……でも来てるところをみると大丈夫だったんだね、よかった」
恒一(昨日怜子さんからの尋問で鍛えられたんだ、ちょっとやそっとのことでは……)
見崎「……私体育倉庫に行ってみたんだ、そうしたら、その……」
恒一「……み、見崎……?」
見崎「臭いが、ね……」
恒一「ちょ、ちょっと見崎っ」
見崎「カビの臭い。ひどかったわ」
恒一「な、なんだ……でもあそこカビの臭いなんてしないはずだよ、たとえ閉めきってても……」
見崎「……そうね、私の気のせいかもしれない……」
恒一(……な、なにもまずいことはいってないはず、だよね?)
恒一(綾野さんとはすこしの間今まで通り接することになった。少なからず僕との接点にまつわる噂も飛び交っており、それが収まるまでは、ということだ)
勅使河原「サカキ、そういえばこの間七不思議がどうこうって言ってただろ?」
恒一「あぁ、言ってたね。それが? もしかしてあったの?」
勅使河原「五十歩百歩のうさんくさいものばっかりだったけどな。でも、皆知ってる噂もいくつかあったんだ」
勅使河原「てことで今週の日曜日に肝試し大会と称して、この学校の怪談を検証しようかと思う!」
綾野「へぇ、なになに面白そう!」
勅使河原「おっ、なんだったら女子も何人か呼ぶか?」
赤沢「またあんたは……でも好き勝手されたら困るから、見張り役として私も行くわ」
杉浦「素直に楽しそうだからって言えばいいのに……」
見崎「私も行く……」
勅使河原「お、見崎も来るのか。ふん、風見に望月も来てっと、女子が一人多い程度か。もう一人誰か呼ぶか」
桜木「それで、どんな噂があるんですか?」
勅使河原「うん、まずはな、血ぬられた体育倉庫!」
綾野「! な、なにそれ……」
中尾「好き同士の男女が、って話じゃなかったのか」
勅使河原「いやあ、実はあの体育倉庫に閉じ込められて死んだ生徒がいてな。そいつは未練を残して死んだんだよ、主に異性に対して、な」
恒一「……」
勅使河原「それで夜な夜な誰かを倉庫に閉じ込めては、未練をぶつけるが所詮死者の思惑なんざ生きてる人間にとって無理でしかない」
勅使河原「そして後に残るのは血だけ……今も体育倉庫のどこかを探すと……」
赤沢「それ、彩の例で検証済みじゃない。彩は生きて帰れたし、まさか血なんて」
綾野「! う、うんそうだよ、こわいこといわないでよっ」
赤沢「それに閉じ込められた生徒がいるなら、あの体育倉庫に窓がついてるはずだし。どれも眉唾なんじゃない?」
勅使河原「ぐっ……ま、まあでも肝試しにはなるだろうし……」
綾野「ははは、てっしーはツメが甘いなぁ、あははっ」
小椋(……言葉の割に特別怖がってる様子にも見えないんだけど……)
風見「で、どうするんだ? 予定は決行?」
勅使河原「そりゃあもちろんだ。他はどうかわからないしなっ!」
望月「ヤブヘビにならないといいけど……」
見崎「ねえ榊原君」チョイチョイ
恒一「? どうしたの?」
見崎「私、血を見た覚えがあるかもしれない。縄跳びとか色々なものがゴチャゴチャ入ってる、段ボール」ボソボソ
恒一「えっ、あ、あれっ!?」
見崎「……どうしたの、榊原君」
恒一「な、なんでも、ないよ……ちょっと怖いなって……」
見崎「ふうん、ホラーが好きでも、こう言うのには弱かったりするんだ……」
恒一(なんだろうな、見崎の右目がすごく睨んでる気がする……)
綾野「……」チラッ
恒一「あ、あはは……」タラッ
赤沢「まあいいわ、それじゃあ日時を決めましょうか」
勅使河原「おいおい何仕切ってんだよ、まあいいけど。学校の鍵自体は簡単に開けられるんだよ、だから……」
END
もう乗っ取るなんて言わないよ絶対
色々とごめん
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