八幡「陽乃さん、あなたが苦手です。」 (189)
陽乃「ひどいなー比企谷君は」グリグリ
この人は苦手だ、仮面も本性も溢れるカリスマも、全部苦手だ。なのに陽乃さんは俺に告白してきた。信じられんが本当だ。まあ、それも嘘ということも有り得るが。俺のゴーストは囁かない。
八幡「酷くはないと思いますよ、何せ仮面に本心を語らせるとは思えませんから。」
陽乃「・・・家庭の事情でね、仮面は外しにくいんだよ。だけど、比企谷君が好きな気持ちは本当だよ。なんなら押し倒してあげようか?」
この人なら演技のために抱かれるぐらいやらかしそうだ、信用できん。
八幡「・・・信用できませんね」
陽乃「何回言わせるの?いい加減怒るよ。」
こええよ
八幡「怒られてもなんでも信用しません。それだけです」
陽乃「手強いなぁ、そんなとこも可愛いけどね♪」スリスリ
この場から逃げたい、千葉市内からも。転校したい。この人に目をつけられて生きていける自信がない。関西らへんまで逃げたら追ってこないかもしれんな。
ってなんでやねん!
思わずセルフ関西ツッコミ入れちまった
八幡「離れてください、ほんとに苦手なんで。アレルギーにでもなりかねません。」
陽乃「蕁麻疹でも出たら離れてあげる♪」スリスリギューーーーッ!!
離す気ねえなこりゃ、でもそれじゃあ困る。なぜなら精神的なアレルギーだから、体は無事でもSAN値が減っていくのだ。
当社比三割増で目の腐敗が進んでいる
誰か助けて!ぼっちだから絶望的だけど
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雪ノ下もタイミングよく現れてはくれない
このままではマズイ、本当に誰もいないのか。
静「そのへんにしてやれ陽乃」
救いが来た!もう貰ってあげたい!養ってくれるなら!
陽乃「やーん♪静ちゃんの頼みでもイヤよ。比企谷君は誰にも渡さないんだから♪」
静「はあ・・・場所をわきまえろと言ってるんだ。学校から程近い場所でいちゃつかれても困るんだよ。」
陽乃「それなら場所変えるね?それでいいよね?静ちゃん?」
終わった・・・陽乃さんに壊れるまでオモチャにされるんだ・・・飽きたらゴミのように捨てられるんだ・・・そんな人生だろうな・・・
陽乃さんにドナドナされていくのを抵抗出来なかった。
連れていかれた先は何故か俺の家だった
八幡「あの、なんで俺の家なんですか?」
陽乃「ご両親にご挨拶?あと、小姑ちゃんを味方にしたいからかな。」
おい、誰と誰が結婚するんだ?小町はやらんぞ?マリアさまが見てるだろうが!
八幡「共働きなもんで、帰り二人とも遅いですし。」
陽乃「それなら、小町ちゃんだけでも味方につけるからお邪魔するね!」
やめてよして上がらないでお願いだから!
願い叶わず
小町「お帰りお兄ちゃ・・・・・・ってえええええええ!?なんで!?なんでお兄ちゃんと陽乃さん腕組んでるの!?そういうこと!?ねえ!?そういうことなの!?」
うるせえよ・・・
八幡「あー、違うぞ?
陽乃「ねえ小町ちゃん?お姉ちゃん欲しくない?あたしなんかオススメなんだけど。」
小町「大歓迎!大歓迎ですよ!今すぐ式の手配ですか!?」
俺まだ17だし
陽乃「どうする?八幡?比企谷姓がいい?雪ノ下姓がいい?式だけ先に挙げとく?」
ツッこんだら負けツッこんだら負け・・・
八幡「・・・・・・」
小町「おーい?お兄ちゃーん?」
陽乃「お腹すいたのかな?」
ガンジーよろしくノーガードノーリアクション戦法を採用
しばらくゾンビだ
あ、いつもゾンビ扱いか。グスン
小町「今のうちに晩御飯作っときましょうか」
陽乃「あたしが作る!」
小町「いいんですか?」
陽乃「自信あるし♪胃袋から掴むのは定番でしょ?」
俺がゾンビであるということを念頭に入れるなら、そのつかむ胃袋はどっかのフランクさんみたいなつかみ方なんだろうな・・・物理的な。
着々と逃げ場を潰されてってるのが目に見えている、それが余計この人の恐ろしさを教えてくれる。
・・・やっぱ関西まで逃げなあかんかもしれへんわ
小町のチョロさは異常、もはや詰んだのだ。
孤立無援の状態で俺は死んでいくのだ
陽乃「なに食べたい?」
八幡「は?」
陽乃「だから、リクエスト聞いてるの♪」
辞世の句を考えている最中そんなことを聞かれた、最後の晩餐なんだろうな。
八幡「それなら、優しい家庭料理がいいです。」
陽乃「抽象的過ぎるけど分かった!楽しみにしててね♪」
分かっちゃうのか・・・さすがは究極超人
小町「冷蔵庫の中の食材じゃ足りなそうだからお兄ちゃん買ってきてー?」
なんか知らんがお使いくらい行くか
陽乃「あたしも、行くよ♪」
八幡「別に一人で
陽乃「行 く よ ♪」
八幡「ハイ・・・」
なし崩し的に買い出しすることになった
スーパー
陽乃「肉じゃが、味噌汁、唐揚げ、サラダ、これくらいかな。」
わりと本気メニューで考えてくれてる!
八幡「・・・なんでそんなノリノリなんですか?」
陽乃「んー?好きな男の子を振り向かせるからね。楽しくないわけないじゃない♪」
やはり信用できない
八幡「そうですか」
適当に流すことにする
陽乃「そうだよ、いつか八幡から好きって言わせるんだ。」
・・・聞こえない聞こえない・・・
陽乃「まあ、楽しみにしててね」
料理スキルは本物だから、楽しみではあるが。
会計を済ませ、自宅に戻る。
自宅
コマチチャン、チョットショウユトッテ
ハイハイオネエチャンドウゾ
デキタイモウトダナー
やべえよ、なんかあの二人姉妹になってるし!
俺が終いになるからやめて!
こういう精神的な辛さからはリアルヒッキーになって逃げるんだがそれができない、何故なら自宅に苦痛の種がいるから
誰も頼れない、小町にすらだ。
恐らく陽乃さんの策だろう
(戸塚以外)唯一といってもいい心を開いている小町を手中に納めて、俺を追い込むつもりだ。
・・・なんで?
わからん、頭の良い人の考えなんざ俺ごときヒキガエルが分かるわけねえじゃねえか!
涙が出てきた
もし!あの陽乃さんの言うことがホントだとして!釣り合わんだろうが!?主に俺がマイナス過ぎて!
一億の品物は一億の対価じゃねえと他所に示しがつかんだろ!?
馬鹿か!?陽乃さん!?
専業主夫とかのたまってるけど、年収一千万以上とかうそぶいてるけど、実際のとこ高望みはしてねえからな?
俺みたいなクズにあんなあからさまなゴッドスペックが寄ってくる時点でおかしい、親父が優しく美人局だと諭してくれるレベル!
こええ、何を血迷ってあんな高値の華が俺みたいな雑草以下の有機物に恋慕の情があると言っているのか、そして求める対価が気になる。
陽乃「対価?八幡の人生ってことになるのかな、添い遂げてもらいたいし・・・キャッ!」///
ちくしょう、可愛いな。
小町「お兄ちゃん、そろそろ観念しなよ。二度とこんなチャンス無いよ?」
八幡「どう考えてもおかしいですよ、俺と陽乃さんなんて、釣り合いません。」
陽乃「卑屈だなー、あたしに値札がついてるわけじゃないのにそんなこと気にしなくていいじゃない。」
うめえ・・・なんて心に染み渡る料理なんだ。
八幡「いや、だから一般的な
小町「お兄ちゃんが一般的だとか言わないの!」
八幡「スミマセン」
陽乃「・・・じゃあさ、言い方を変えるよ。あたしが八幡を好きになったんだからさ、その時点で八幡とあたしは五分なの、分かる?」
理解はしたが納得をしたくない
八幡「わかりません、詐欺で二束三文の品物を破格で買い取る羽目になったようにしか見えません」
小町「ホント、捻デレなんだからごみいちゃんは」
捻れてんのは比企谷八幡の為替相場だってば、上場しちまったよ。今までカス以下だったのにだ!
陽乃「別に八幡がどう思っててもあたしには大した問題じゃないよ?諦めないし。」
だからこええよ
小町「あー、陽乃さん?」
陽乃「なあに?小町ちゃん?」
小町「小町からもごみいちゃんを何とか説得しますんで、陽乃さんはごみいちゃんを逃がさないように外堀を埋めておいてください。」
陽乃「もう大分済んでるよ?」
え?
陽乃「雪乃ちゃんもガハマちゃんも八幡にいまいち踏み込めてないし、あたしの敵じゃないなー♪」
小町「ほうほう!正妻の余裕ですね?」
陽乃「キャッ!///はっきりいっちゃって!そういうことだから八幡、他の女の子達のことはあたしは気にしないよ?きっちり真正面から受けてたつし。」
あんたもうラオウとかサウザーとか名乗ってくれねえかな?
でもラオウなら愛など要らぬとか言い出すよな
あ、でも俺が死んでからになるのか。だったらイヤだな。
八幡「そもそもあいつらはただ部活が一緒なだけですから」
小町「うわー、ないわー」
事実だろ?由比ヶ浜とのフラグはほぼほぼへし折って来たし、雪ノ下はそもそも俺をサンドバッグとしか見てないしな。
陽乃「まあ、そんな八幡だからあたしは好きなんだけどね」
なんで、あんたのフラグはそんな強靭なんだよ!?
とっくに折れてるはずだろ!?
陽乃「あ、あとあたしちゃんとバージンだから。」
いらんわ!そんなトリビア!
明日使えない分余計いらん!
野郎なんざ、いくらでも集まりそうなもんだがな。
陽乃「小町ちゃん、泊まってっていいかな?」
小町「既成事実ですか!?」
陽乃「ちがうよ、旦那さんと出来るだけ一緒に、いたいだけだよ。」
なにいってんだ、この人?
八幡「ダメです」
陽乃「そ、じゃあ泊まるね?」
話聞いてたか!?
小町「おお!遂にお兄ちゃんの攻略法を編み出しましたね、お義姉ちゃん!」
マジで泊まるなら夜出掛けよう
陽乃「夜出掛けてもいいけど、三十分以内に戻らなかったら一生尻に敷くから覚悟しててね?」ニコニコ
すでに敷かれてるようなもんじゃねえか!
陽乃「ほら、背中流してあげるから」スッポンポン
八幡「・・・・・・はあああああ!?」
何で風呂場にまで入ってくるんだよ!?
チン○コ勃っちゃうだろ!?タオルも巻かずになんなんだよ!
テンパって下ネタ口走ったじゃねえか!!
陽乃「いいからいいから♪」ムニュッ
ああ・・・最高にパイってやつだ
八幡「ハッ!今すぐ上がってください!なにしてんですか!」/////
小町「クスクスクス・・・(お兄ちゃんは巨乳が好きだからね、陽乃さんにうっかり喋っちゃったよ)」ニヤニヤニヤニヤニヤニヤ
イイジャナイノ、アタシモハズカシイカラオアイコッテコトデ!
ノリコンデキタニンゲンガナニイッテ・・・ヤワラカイ・・・
ハチマン、アタシノコトキライ?
イヤ、アノ、ソノ・・・
ダッタライイジャナイセナカナガシッコネ
小町「(叔母さんにはまだなりたくないからそこは頑張ってねお兄ちゃん)」ニヤニヤニヤニヤニヤニヤ
八幡「もう疲れたよパトラッシュ・・・」
カマクラ「ニャー」
うちには猫しかいなかった
ガチャ!
陽乃「もうお互いの体は知り尽くしたし、次は一緒に寝よう♪
八幡「もう、好きに・・・やっぱしないでください。」
野郎で貞操の危機を、こんなとびきりの美人で味わえるなら悪くないのかも知れんが、あいにく俺はTOLOVEるはあまり好きじゃない。
きまぐれ☆オレンジロードの方が好きなのだ
古いな
絶倫でもない人間が何人も女を侍らせるのは正直地獄なんじゃないのか?
体が持たんだろあれ・・・
一人で十人前くらいの属性なら付けられそうな人間を相手するには俺には向いていない。
姉属性、年上、先輩、痴女、積極的、腹黒、スポーツ万能、天才、音楽、挙げ句に許嫁属性(無理矢理)ときた。
ハードすぎんだろ
どうせ逃げられんのだろうが、抵抗の意思は見せておかねば。
八幡「一緒には寝ませんよ、一人で寝てください。」
NOと言えることは大事です
陽乃「だから?一緒に寝るけど?」
NOが通じる相手ならな!!
八幡「寝ません!」ゴソゴソ
陽乃「知りません♪」ダキッ!
ええい、寒いから暖かくて気持ちいいなちくしょう。
八幡「離れてください、俺が出ますから」
陽乃「ダメ」スリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリ
逃げるコマンドが通じないって、魔王かなんかなのか?
八幡「・・・・・・はあ・・・・・・お休みなさい。」
陽乃「おやすみ、八幡。」ギュッ
冷静に考えて、この状況はヤバイ。
ドキドキしっぱなしだ。
陽乃「八幡、ドキドキしてるね♪」スリスリ
八幡「・・・」ドキドキ
陽乃「あたしも、ドキドキしてるよ?」カオニムネギュッ
ドッドッドッドッ!
陽乃さんの鼓動が早いのが分かる
陽乃「ねえ、八幡。ホントにあたしが養うから、あたしを選んでよ。」/////
八幡「・・・どうして俺なんですか?」
陽乃「最初は何とも思ってなかったけどね、文化祭の頃から気になってた。そこからどんどん八幡に惹かれてたんだよ。」
八幡「なにも大したことは
陽乃「してたよ、あそこまでやれる人間は八幡だけ。めぐりも驚いてたよ。」
八幡「城廻先輩ですか?」
陽乃「あ・・・言うつもりなかったんだけどな。めぐりも八幡のこと気にしてたし。」
そんなフラグが!
サウザーだったか、すまんこ
八幡「別に誰とも付き合う気はないですよ俺は」
陽乃「それは困るからこうやって八幡を落としにかかってるんじゃない。」スリスリ
八幡「知りません」
陽乃「あたしも知りません、勝手に八幡を口説いちゃうから。」スリスリ
仮面が剥がれてるよな?やっと素顔を見せてくれたか
八幡「それはそうとして、仮面ないほうが素敵ですよ。」
陽乃「////お姉ちゃんをからかわないの////」ギュッ
抱き締められると安心して急に眠気が・・・
八幡「・・・・・・」ウトウト
陽乃「可愛いな、八幡。おやすみ、好きだよ」チュッ
陽乃「はっちまーん?起きようよー」ペロペロ
八幡「・・・起きましたよ、何で舐められてるんですか?」
陽乃「八幡のヨダレが勿体無くて?」
やべえよ、この人ちょっと常軌を逸してるよ。
八幡「・・・そうですか、おはようございます」
下手に反応すると逆効果だ
陽乃「うん、おはよう八幡」チュッ
八幡「頬でもキスなんかしないでくださいよ。」
陽乃「えー?いーやーだー!」スリスリ
この人やっぱこええ
コンコン!ガチャッ!
小町「昨夜はお楽しみでしたね?」ニヤニヤニヤニヤニヤニヤ
やかましい、宿屋にかえれ。
八幡「朝飯出来てるのか?」
小町「うん、お義姉ちゃんと作ったんだよ。」
朝食を食べることにする
あと小町、お義姉ちゃんって呼ぶな。
八割方本気になってやがるぞ!
陽乃「味はどう?」ニコニコ
相変わらずうめえ!
八幡「うまいです、小町と同じくらい。」
小町「妹としてはポイント高いけど義妹としてはポイント低いよ?はっ!これが中間管理職の苦悩!?」
大体あってんじゃねえの?働いたことないし働くつもりないけど。
陽乃「優しい感じのお味に仕上げてます♪」
もう少し言うこと聞く方に優しさの数値を振り分けなさいよ。
陽乃「そしたらいつまでも八幡攻略できないじゃない?」ニコニコ
俺はダンジョンかなんかなのか?そのうちマギとか出てくんじゃねえの?もしくはチョコボとか。
あ、それと心を読まれるのは想定してました、なので驚きません。
八幡「・・・」ムシャムシャ
味は最高、かわいい妹と、綺麗な同級生のお姉ちゃんと朝飯。
これなんてエロゲ?
陽乃「放課後、奉仕部に遊びに行くからね?」
来んな!
八幡「やめてください!」
陽乃「・・・ダメだよ、他の女から八幡取られちゃうかもしれないもん。」
寝起き一発で分かったが、陽乃さん多分ヤンデレの気があるな
監禁される前に逃げなきゃ!
最悪関西に!
陽乃「ど こ ま で も 追 い か け る か ら ね ? 」ニコニコニコニコ
ストーカーやないか!
小町「あちゃー・・・お兄ちゃん、開いちゃいけない扉開いたなこりゃ。」
八幡「逃げませんよ、無駄なのが今分かりましたから。」ブルブルブルブルブルブルブルブル
陽乃「わかればいいよ♪」ニコニコ
隠し属性(ヤンデレ)まで完備!もうやだこの人
重い、それはもうとても重い気分のまま登校することになった。
戸塚「はちまーん!やっはろー!」キラキラ
あんなに重たかった気持ちも
天使にかかれば羽の軽さになった
八幡「おはよう戸塚、一緒に関西まで逃げよう。」キリッ
戸塚「なにから!?」
おっといかんいかん、天使を困らせるなんざ、男の風上にも置けんな
八幡「何でもない、昨日から疲れててな。」
戸塚「大変なんだね?」
八幡「全然へっちゃらだ、何故なら戸塚に会えたから」キリッ
戸塚「もう、からかわないでよ。怒るよ?」
鼻血でそう!なにこの可愛い生き物!?
結衣「やっはろー、ヒッキー、さいちゃん!」
戸塚「やっはろー、由比ヶ浜さん」
八幡「うっす由比ヶ浜」
アホの子のせいで戸塚との貴重なアバンチュールが・・・
まあしゃあない
結衣「ゆきのんが放課後必ず奉仕部に来なさいって言ってたよ?ヒッキー無断で休んじゃうんだもん、どしたの?」
八幡「奉仕部全員集まったら説明してやるよ。」
結衣「?」
言わなきゃならんよなぁ・・・陽乃さんに告白されて、今や小町も敵の手に落ちたことをな。
イヤだなぁ
放課後奉仕部
雪乃「それで?あなたは姉さんをだまくらかして告白を強要して、おめおめと姉さんに餌付けされて、なおかつ下劣な視線を姉さんに浴びせ、挙げ句には同じ寝床まで連れ込んだというわけね?」
八幡「なんでそうなる!?あくまで俺は被害者だ!!小町も陽乃さんの味方だしよ・・・」ウジウジ
結衣「小町ちゃんで一番落ち込んでる!?」
雪乃「そんなことより、何故姉さんを名前で呼んでいるのかしら?さすがに身の程を知るべきだと思うのだけれど。」
ひどい部長さまですよホント
・・・そうだ、京都行こう。
戸塚と一緒に
結衣「たしかに、何で名前で呼んでるの?」ムー!
八幡「・・・あの人にしつこく呼べって言われて・・・プレッシャーが半端なくて・・・ウッ・・・グズッ・・・怖くて・・・グスッ・・・呼びました・・・」グスッグスッヒック
数分あのプレッシャーが続けば胃に穴が空くだろうな・・・グスン
結衣「泣くなし!怖かったのは分かるけどさぁ!」オドオド
陽乃「誰が怖いのかな?」
もうやだ!京都行く!戸塚と!
陽乃「泣かないの、男の子でしょ?」ヨシヨシ
すげえマッチポンプなのに逆らえない!これが魔性の女!?
雪乃「原因は姉さんのようなのだけれど。姉さんが比企谷君をほうっておいて帰れば済む話よね?」イライラ
結衣「あ、あたしもそう思います!」
いいぞ!俺じゃ無理だったが、何とか一矢報いてくれ!
陽乃「あたしは、八幡のために生きるって決めたの。」ナデナデスリスリ
雪乃「何をいっているのかしら?」イライライライラ
陽乃「八幡はあたしのものだからね、誰にもあげないよ♪」ギュッ!ナデナデスリスリ
結衣「(うらやましい!)」ムカムカ
陽乃「八幡から聞いたの、二人ともただ部活が
一緒なだけだって。」ナデナデスリスリ
結衣「!・・・」
雪乃「!・・・言い返せないわね」
陽乃「でしょう?雪乃ちゃんもガハマちゃんもそんなだから、あたしが八幡を貰うんだよ♪」ギュッ!
雪乃「・・・いわ」
ん?
陽乃「んー?聞こえないなー?」スリスリ
雪乃「姉さんが比企谷君を飼い慣らせるなんて思わないことね、私の方が適任なのだけれど。」ドヤァ
こいつら俺をペットとか思ってねえよな?
結衣「それならあたしもサブレ飼ってるし!あたしのがてきにんだし!」
やっぱペット扱いか!?
クソ、いつから俺は犬になったんだ!?
ハサミは使いようだが、俺は使われんぞ?
何故なら働かないから。
陽乃「それで?比企谷君?デートしよっか?」スリスリ
雪ノ下達をスルーしやがったぞこの女!?
八幡「いきませんよどこにも」
陽乃「まあいいけどね、またお泊まりするだけだし」ナデナデ
雪乃「私が面倒見ると言っているのだけれど?」イライライライライライライライラ
結衣「あたしがみるし!!」ムーーーーーーーーー!
陽乃「あたしよ」
雪乃「私なのだけれど」
結衣「あたしだし!」
八幡「(三十六計逃げるにしかず)」コソコソ
陽乃雪乃結衣「逃 げ な い !」ガシッ!
嘘だろ、最後のチャンスが・・・戸塚との京都旅行が・・・
八幡「」チーン・・・
陽乃「埒が明かないからあたしの一人勝ちってことで♪」グイグイ
雪乃「そもそも学校の部外者がここにいることに問題があるのだけれど」グイグイ
結衣「そうですよ!立ち入り禁止ですよ!」グイグイ
拝啓
ラブリーマイエンジェル戸塚君へ
木枯らしが木々を紅く染めてしばらく経ちましたが、京都の嵐山に紅葉狩りへ出掛けませんか?戸塚君と見る紅葉は、きっと彩り豊かな山々を更に際立たせてくれることでしょう。
つきましては
陽乃「八幡!」ペシペシ
雪乃「比企谷君!?」ペシペシ
結衣「ヒッキー!?しっかりして!!」ペシペシ
はっ!!何だ?俺は京都で戸塚と・・・あれ?・・・ああ、夢か・・・やはり俺は人間だな、こんなにも儚い甘い夢を見ていたんだからな。
だから、間違ってもペットじゃねえぞこのやろう!!
八幡「陽乃さん!」
陽乃「なあに?」ニコニコ
八幡「昨日、五分であると言ってもらえましたが、明らかに一方的です!もう少し落ち着いてください!それと雪ノ下!」
雪乃「何かしら?」
八幡「さっき俺の面倒を見るのは自分が適役みたいなことをいっていたが、そりゃ間違いだ!小町に勝る俺の面倒を見れるやつはいねえ!断言するぜ!!・・・最後に由比ヶ浜ァ!」
結衣「なんだし!?大きな声出して!?」
八幡「俺は人間だ!お前のとこのアホ犬と俺の面倒を一緒にするんじゃねえ!!分かったか!このアホビッチが!!」
こんだけ啖呵切ったら落ち着くだろう
こいつらはほっといて戸塚と京都に・・・
陽乃雪乃結衣「待ちなさい」ガシッ!
京都に・・・
小町「お兄ちゃん、三股は小町的にポイント低いんだけど?」
八幡「お前はどこをどうみて三股だと判断した?詳しく聞かせてくれ。」
小町「雪乃さんの家まで小町呼び出してさ、結衣さん、お義姉ちゃん雪乃さん揃えてたら三股疑うじゃん。」
どこにも何一つ俺の意思は反映されていないがな
雪乃「小町さん、ごめんなさい、この男が小町さんがいないと寂しくて死ぬなんて言うからきてもらったのよ。」
小町「ほうほう!それは小町的にポイント高いですね!」
結衣「ヒッキーマジシスコン・・・」
八幡「あのお前らのやりとりで、よくわかったよ、俺はシスコンだ。認めるよ。」
小町「おお!?また小町的にポイント高い!!」
陽乃「妬けちゃうなー?」グリグリ
八幡「つつかないでください」
陽乃「それなら」ドサッ
八幡「」
陽乃「押し倒しちゃう♪」ギューッ!
結衣「あーーーーーー!!陽乃さんズルい!!あたしも!!」ギューッ!!
雪乃「負けるのは嫌いよ」ギューッ・・・
小町「小町帰った方がいい?」
八幡「残っててくれ!頼むから!」ジタバタ
陽乃「抵抗しても無駄だよー?」スリスリスリスリ
結衣「ヒッキーの匂い・・・」スリスリスリスリ
雪乃「少し寒いから暖をとらせてもらうわ」スリスリスリスリ
小町「小町は叔母さんってまだ呼ばれたくないからね?」
だったらもう少し協力してくれよ!
小町「いいこと思い付いた!」
そうだ!お兄ちゃんを助けて小町!
小町「小町が膝枕したげる!小町的にポイント高ーい!」ニヤニヤ
え?
小
雪八結
陽
状況が悪化してるんですが小町ちゃん、悪ノリは八幡的にポイント低いですよ?
小町「どう?ポイント高いでしょ?」ナデナデ
陽乃「小町ちゃんもなかなかやるね?」スリスリ
雪乃「・・・(なにかいけない気持ちになるわね)」スリスリ
結衣「ムー・・・!」スリスリ
小町「なんか暇なんでつい」テヘペロナデナデ
八幡「離してくれ!」ジタバタ
陽乃雪乃小町結衣「ダメ」
八幡「」
陽乃「大人しくしてればいいの♪」スリスリスリスリ
雪乃「まだ寒いから悪いけどもう少しこうさせてもらうわ」スリスリスリスリ
結衣「陽乃さんには負けたくないからまだ離さないよ!」スリスリスリスリ
小町「お兄ちゃん、諦めて小町たちに甘えといたほうがいいよ?」ナデナデナデナデ
どうしてこうなった
身動きが取れないまま一時間は経っただろうか
小町「」スースー
雪乃「」スースー
結衣「」スースー
陽乃「」スースー
全員寝やがった、今のうちに抜け出す。
帰りたいが小町がいるので全員起きるまで待つことにする。
てか小町よ、膝枕の体制のまま寝るって器用だなおい。
さすがに足が痺れるだろうから小町を仰向けにしておく
八幡「ふう、世話のかかる妹だ」
暖房がかかっているので風邪をひく心配はあまりないだろうが、念のため全員横並びなので一枚布団をかけておく。
陽乃「(優しいな、八幡////)」スースー
雪乃「(いいところあるわね比企谷君////)」スースー
結衣「(ヒッキーありがと////)」スースー
小町「(小町的にポイント高いよお兄ちゃん♪)」スースー
早く起きてくれねえかな
八幡「・・・寝顔は皆可愛いんだがな、もう少し身動きとれると有り難いんだが。」ハァ・・・
陽乃雪乃結衣小町「(無理、・・・可愛い////)」スースー
帰りたいなぁ
さらに一時間後
小町「んん・・・お兄ちゃん?」ゴシゴシ
八幡「起きたか小町」
陽乃「あたしも起きたよ?」
この人があんな無防備に寝入るとは、少し驚いた。
八幡「おはようございます」
陽乃「布団ありがとね?」
八幡「大したことじゃないですよ」
小町「お義姉ちゃん、今日はうち来るの?」ワクワク
陽乃「そのつもりだけど?」ニコニコ
拒否権がない俺にはなにも言えねえ
小町「いい加減諦めなよー?」ニヤニヤ
うぜえ、楽しんでやがる。
雪乃「私が比企谷君の面倒を見ると言っているのだけれど。」
起きたのか・・・またややこしくなるな。
結衣「あたしがみるし!」
こいつもか
八幡「だから、面倒を見るもなにもねえだろ・・・」
雪乃「聞き捨てならないわね、あなたみたいな生き物があっちへフラフラこっちへフラフラされることのほうがよほど迷惑だもの。私が責任をもって監視するわ。」
陽乃「あたしなら雪乃ちゃんより上手に管理出来るんだけどなぁ?」
結衣「ヒッキー!あたしは自由にさせてあげれるよ!」
八幡「・・・自由・・・」キラキラ
雪乃「急に目が輝いたわね・・・」
陽乃「そっか、管理は嫌かぁ。ならあたしも自由にさせてあげる!」
雪乃「不本意なのだけれど、私も比企谷君の尊厳のために自由は保証するわ」
八幡「なら戸塚と遊んでも・・・」
陽乃結衣「いいよ」ニコ
雪乃「ダメよ」
小町「雪乃さん、脱落ですね!」
雪乃「」ガーン
陽乃「なんなら、今からでも戸塚君?ちゃん?と遊んできてもいいよ?」
八幡「!!」キラキラ
結衣「あ、あたしもさいちゃんとなら遊んでもかまわないし!」
急に優しくなったな、あとが怖いから羽目を外さんようにしねえと。
小町「結衣さんとお義姉ちゃんとの一騎討ち!さて、どちらが生き残るのか!?」ワクワク
八幡「って、ちょっとまて。もうこんな時間だからな。今からは無理だろ・・・」
すでに七時前だ
八幡「とりあえず、勝負とやらは持ち越しな。小町、帰るぞー。」
雪乃「待ちなさい」ガシッ
え?なんで?
雪乃「あなたは自由をプラスの方向で珍しく考えているようだけれど、それは大きな間違いだわ。なぜなら戸塚君と遊ぶこと自体はあなたの選択の自由なのだけれど、あなたのような孤独だった人間がいきなり戸塚君と遊んでも嫌われる可能性が高いわ。自由には責任というとものがつきものなのよ。あなたに戸塚君に嫌われる覚悟があるのかしら?だから許可をしなかったのだけれど」
八幡「確かに、戸塚に嫌われるのだけはイヤだ!」
陽乃「八幡チョロすぎない?」
小町「ちょっと戸塚さんへの愛が尋常じゃないですねぇ」
結衣「ヒッキー・・・」
八幡「俺はどうすれば・・・」
雪乃「安心しなさい、私が責任をもって比企谷君をまっとうにしてあげるわ」キラキラ
普段の雪女っぷりからは考えられないほどの後光が見える!
あなたが女神か・・・
陽乃「はい、雪乃ちゃんストップ!八幡もホイホイ洗脳に引っ掛からない!」パンパン!
小町「さすがお義姉ちゃん」キラキラ
結衣「小町ちゃんが陽乃さんに洗脳されてる!?」
八幡「ハッ!いかんいかん、雪ノ下の理屈に丸め込まれちまうとこだった!」
雪乃「戸塚君は今のあなたでは荷が重いわ、私ならなんとかできるのだけれど。」
八幡「騙されないぞ雪ノ下!」
陽乃さんのおかげで助かった
小町「お兄ちゃんー?帰るんじゃないのー?」
そういやそうだった
帰ろ
八幡「ほんじゃ、俺と小町は帰るんで、お邪魔しました。」
陽乃「ただいまー♪」
ナチュラルにただいまとか言わんでください
小町「ただいまー!」
お帰りなさい小町
八幡「ただいま・・・」
雪乃結衣「た、ただいま」
挙げ句の果てはこの様である
八幡「招かざる客人が三名いるん
小町「お帰りなさい!三人とも!!ご飯ですか!?お兄ちゃんですか!?それともお兄ちゃんですか!?」
陽乃雪乃結衣「八幡(比企谷君)(ヒッキー)で」
なんでだよ
八幡「・・・」ゲッソリ
陽乃「お疲れだね?」
あんたらのせいだよ!
さんざんおもちゃにされた、もうお婿におけない
雪乃「比企谷君・・・」スウスウ
結衣「ヒッキー・・・」スウスウ
こいつらはさっさと寝まうし俺も寝よう
陽乃「八幡?夜はこれからなんだけどなー?」ヌギヌギ
八幡「なにしてんですか!?」
陽乃「なにって、脱いでるに決まってるじゃない」
八幡「」
喰われる!
これが第一の感想である
スルッ・・・パサッ
綺麗だ・・・
これが第二の感想である
陽乃さんのダイナマイトバディが露になった感想である。
とんだSEX BOMB だ
トム・ジョーンズもマックス・ラーベも飛び付くレベル
陽乃「2回目だね・・・裸見せるの」///
八幡「服を着てください!」////
直視できねえ!
陽乃「なんで、あたしが雪乃ちゃん達を連れてくるの許したと思う?///」ギュッ!
八幡「分かりません!」グイグイ!
わかってるけどわかりたくない!
陽乃「雪乃ちゃんたちにさっさと諦めてもらうためなんだよ?」/////
蠱惑的な表情で俺に迫る陽乃さん
突き放せずに
チュッ・・・
大人の、キスをした
陽乃「ねえ八幡?女に恥をかかせるのって、すごく失礼なことなんだよ?/////」レロ・・・チュッ・・・
八幡「知りません!やめてください!////」ジタバタ!
逃げられない!この先を知りたい俺に勝てない!
陽乃「・・・とりあえず、イタズラしちゃうから////」チュパッ・・・アム・・・
八幡「なにを・・・ッ!」///
陽乃さんは俺の指をねぶりだした
快感が背筋を走る
陽乃「八幡も指舐めてよ・・・/////」
抵抗の意思を見せれば見せるほど燃え上がると判断した俺は、陽乃さんの指を舐めることにする。
八幡「ッふう・・・ん・・・」チュパッ・・・グポッ・・・チュルッ・・・
陽乃「んっ!・・・上手だよ、八幡/////」プチップチッ
指をねぶりながら陽乃さんは俺を巧みに脱がしていく
開き直って陽乃さんの指をさらに強く舐める
陽乃「あっ・・・あっ・・・」
指を舐めあうだけでここまで乱れるとは、この先どうなるんだ?
八幡「可愛いですよ、陽乃さん」チュッ・・・グポッ・・・チュルッ・・・
陽乃「ズルいよ八幡・・・あっ・・・」チュルッ・・・
雪乃「なにを・・・しているの・・・?」フルフル
快楽に流されて完璧に忘れていた、雪ノ下も由比ヶ浜もいたのだ。
結衣「そんな・・・」グスッグスッ
陽乃「んー?雪乃ちゃん、ガハマちゃん、こういうことだから八幡は渡せないなぁ」////
女の表情で、陽乃さんは非情な言葉を二人にぶつける。
雪乃「ッ!」キッ!
由比ヶ浜は放心状態にあるが、気丈にも雪ノ下は食い下がろうとする。
陽乃「まだ諦めないのかなー?」
クチュッ・・・レロ・・・
今度はキスをしてきた、俺はされるがまま弁解する気力すらなかった。
雪乃「・・・今日は帰るわ」
結衣「ゆきのん!待って!」
ガチャッ!バン!
勢いよくしまったドアの音が轟く深夜
追いかけることはしない、出来ない。
こんなことをした人間があの二人を追いかける権利を俺は持っていない
陽乃「これで、八幡は私のものだってわかったよね?」スリスリ
この人は、俺の想像以上にえげつない手を使って雪ノ下と由比ヶ浜を蹴散らした。
この事実に気づいたときにはすでに遅く
陽乃「もう逃がさないからね♪」スリスリ
俺は事実上陽乃さんのものになってしまっていた
俺は戦慄する他なかった
翌朝
陽乃「八幡起きて♪」ペロペロ
八幡「おはようございます」
さすがに興が削がれたのか、あれ以上のことはしてこず、ベッドで大人しく寝ていた陽乃さんだったが、朝起きるといつもの通りだった。
顔を舐めるのはやめてもらいたい
陽乃「朝御飯、出来てるよ」ニコニコ
学校行きたくねえ
そういうわけにもいかないので、支度をすることにする。
雪ノ下の姉なだけに仮面はしてても虚言は吐かないとは思うが、根本的に、というより精神的に天敵と認識しているのでなんとかこの関係を打破したいのが本音である。
気まずい奉仕部に相談もできない、なによりぼっちの矜持として一人でいつものように解消せねばならない。
陽乃「あたしってもう八幡の彼女ってことでいいよね?」ニコニコ
八幡「断じて彼女なんかじゃないです」
通じなくても、手強くても怖くても、抵抗しないことには活路は見出だせない。
陽乃さんからすれば、淡い抵抗なのだろうが、それをせずにはいられない。
優秀な女史の雪ノ下雪乃ですら歯が全く立たない相手を俺がする、絶望的だな・・・。
陽乃「ひどーい!あんなことしたのにー!」グリグリ
・・・この鉄仮面の綻びを見つけなければ、掌で躍り続ける人生が待っている。
腹は括った、あとは頭をもっと使わなければ。
朝食を食べに、リビングへ降りた。
小町「おはようお兄ちゃん!」ニヤニヤ
心の拠り所は皆無、これを忘れていた。
小町を手中に納めたのは俺に早いところ諦めさせるつもりだったのか。
つくづく恐ろしい人だ
こんな恐ろしい人が、どうしてこんなにも優しい食事を作るのだろう。
八幡「今日も美味しいです」
陽乃「八幡のためだからね、腕によりはかけなきゃ♪」
小町「果報者だねー、お兄ちゃんは」ニヤニヤ
因果応報者の間違いだぞ、小町よ。
誰にも相談できないぼっちの立場、フラグをへし折ってきたツケ、最初の段階で小町を絡めとられた迂闊さ、これを因果応報と呼ばずに何と呼ぶ?
正真正銘の孤独な戦いをしていくしかなかった。
ひたすら寝たフリをして放課後まで待つ
由比ヶ浜の視線を感じたが、気づかぬフリを通した。
奉仕部
正直行きたくないが、悲しい社畜根性なのか、奉仕部に向かう。
八幡「うっす・・・」
雪乃「!・・・・・・こんにちは」
一瞥だけくれてまた本を読む雪ノ下、今はこういう態度がありがたい。
雪乃「・・・」チラッ
八幡「・・・」
雪乃「・・・」ジーーーーーーー
八幡「・・・」
気づかないフリ気づかないフリ・・・
雪乃「・・・」ガタッ
ツカツカ
雪ノ下が近づいてきた
雪乃「比企谷君、昨日の姉さんの事なのだけれど。」
ガラガラ!
結衣「やっはろー!ヒッキー!ゆきのん!」
ナイスタイミングだ由比ヶ浜
八幡「陽乃さんのことなら忘れようとしてるんだ、蒸し返さないでくれ。」
雪乃「あなたが姉さんに捨てられたようなものの言い方ね・・・」
結衣「ヒッキー陽乃さんにフラれたの!?きのうあ、あんなことしてたのに・・・///」
さすがアホの子、単純さはピカイチだ。
でもまあ、たしかに近いうちに俺に飽きて離れるだろうな。
雪乃「落ち着いて由比ヶ浜さん、恐らく姉さんは比企谷君を諦めてないわ。この男がどういうつもりか聞きたかっただけよ。」
八幡「どうもこうも、あの人からなんとか逃げ切るつもりだ、後のことは考えてない。」
雪乃「そう」(ホッ)
結衣「そっかぁ・・・安心したよ!」
八幡「こええ姉ちゃんだよな、ありゃ俺の人生のヤバイ人ランキング不動の一位だわ。」
こちらの想定を上回る周到さ、行動力、観察眼、先見性、魅力、どれをとってもとんでもない逸材だ。
妹の雪ノ下雪乃は女史と言えるが、雪ノ下陽乃は女傑という人種だろう。
しかも胸が
雪乃「なにか不愉快なのだけれど」ギロッ
この姉妹心を読めるのか、雪ノ下家に生まれついたオプションか何かなの?
八幡「どっちにしろ、あの人に勝つのは諦めてるからな。」
雪乃「いってることに繋がりが見出だせないのだけれど。」
八幡「勝たなくていいだろうが、逃げる時点で勝つもクソもねえしな。単純に諦めさせたらいいってわけだ」
雪乃「また何かろくでもない案があるのかしら?」
結衣「どうせ斜め下なんだろうなぁ」
八幡「上下左右でいうなら、平行線って感じだな」
雪乃「まためちゃくちゃなことを・・・」ハァ
結衣「だから、どうする気なの?」
八幡「教えてやろう、名付けて・・・」
雪乃結衣「・・・」ゴクリ・・・
八幡「待たせて待たせてその内飽きられて呆れられて愛想を尽かされちゃった大作戦だ!!!」キリッ
結衣「ものすごいクズだ!?」
雪乃「誠意の欠片も感じられないわね・・・」ハァ・・・
あの人に通じそうな画期的な素敵アイデアがあるわけねえだろが。
八幡「三つ、あの人に関しての分析結果がある。一つ、陽乃さんに地頭で勝てるやつは俺らの世代には居ない。二つ、陽乃さんに対して精神的もしくは物理的攻撃とは自殺することと同義である。三つ、あの人に良心があるのかは知らないが少なくとも自分の目的のために人を気遣う様子は見られない。」
雪乃「・・・否定しきれないのが怖いわね」
八幡「つまりだ、まともな勝負では確実に負ける、かといって怒らせたら命が危ない。だったらあっちの熱が冷めるまでやり過ごすしかねえだろうが?」
結衣「台風みたいだなぁ・・・」
いい例えだな由比ヶ浜。そう、自然災害と何ら変わりないのが雪ノ下陽乃である。
ちなみに、これは雪ノ下陽乃の分析結果のその二の自殺うんぬんに抵触しているので、実はすげえビビりながら二人に考えを伝えているのだ。
八幡「とにかく、この路線で陽乃さんから逃げて見せる」キリッ
雪乃「逃げる宣言なのに立派に見えるわね・・・」
結衣「ヒッキー・・・斜め下なところでカッコよくなっても意味ないし・・・」ハァ・・・
陽乃さんも幸いこっちに来なさそうだが、念のために奉仕部から引き上げるか。
八幡「雪ノ下、すまんが陽乃さん来るかも知らんから、もう帰るわ。」
雪乃「ええ、さようなら」
結衣「バイバイヒッキー」
久しぶりに一人で帰れそうだ
校門前
ザワザワガヤガヤ
なんか騒がしいな
陽乃「あ!!比企谷くーん!!待ってたよー!!」ダキッ!
待ち伏せされてた、しかしあの作戦を聞かれてなくてよかった。まだなんとかなる。
八幡「いいから離れてください」グイグイ
陽乃「ダーメ♪八幡の彼女だし、良いじゃない♪」スリスリ
ザワザワ!
オイ!アンナメノシンダヤツガナンデダァ!!
八幡「違います、勝手にそんな話に進めないでください」グイグイ
外野がうぜえ
陽乃「今夜はどうする?ホテルにデートなんて・・・素敵と思わない?///」キュッ・・・
またこの顔か、魅力的ではあるが。
八幡「付き合ってない相手とそんなとこ行くわけないでしょう。」////
この人のエグい部分まで知っているとなんとか理性が働いてくれるな。
陽乃「まだ付き合ってないっていってるー!そろそろ認めてよ!!」ウルウル
ザワザワ!
トンドモネエヤツダタアイツ!
オレガテンバツヲクダシテヤリテエ!
くそ、大衆の心をこんな簡単に掴むとは、さすがだ。
手はないじゃないが
八幡「俺は陽乃さんじゃなくて他に好きな人がいます、だから付き合えません!」
陽乃「だ れ ?」
この手は使いたくなかった
八幡「言えません」
陽乃「だ れ ?」
八幡「陽乃さんの知らない人です」
陽乃「どうして嘘つくの?」
しまった、俺にそんな知り合いがいるわけなかった!
墓穴掘っちまった
八幡「・・・嘘は嘘ですが、俺と陽乃さんが付き合ってるのも嘘ですよね?」ジリジリ
陽乃「嘘じゃないよ?だって一昨日も昨日も八幡の家に泊まって、同じベッドで寝たじゃない?それって付き合ってるでしょ?ねえ?そうよね?」
ザワザワ
シュラバダ・・・
アンナキレイナヒトモテアソブナンテ・・・サイテー!
冷静になれ、数、不利、地頭、勝てるわけなし
あれ?これ詰んでね?
いや、あれするか。
八幡「陽乃さん!!」ガシッ
陽乃「////やっとあたしと
八幡「あなたは俺にはもったいなさすぎる!!明らかに釣り合いません!!なので俺から身を引かせてください!!」
ガヤガヤ
タシカニツリアワネーヨナー
ヨクワカッテンジャン
場の空気をなんとか変えてやったぜ
陽乃「・・・」ポカーン
よし、何とかなりそうだな。
陽乃「・・・八幡」
八幡「わかってくれましたか、最初からあり得ない話だったんですよ。」
バチン!
え?ビンタ?なんで?
陽乃「バカなこと言わないの!!釣り合う合わないなんかまわりが勝手にいうことでしょ!?
あたしは最初からまわりなんか気にせずに八幡に近づいたのに!!」
八幡「え?」
陽乃「どうして・・・そんな建前だけで逃げるのよ・・・」ポロポロ
陽乃さんが泣いた・・・
陽乃「普段の仮面のことなら謝るから!だから八幡だけはそんなこと言わないで!!」グスッグスッ
八幡「・・・すみません、そんなつもりは」オロオロ
陽乃「グスッ・・・ヒック・・・」
八幡「泣かないでください」オロオロ
陽乃「じゃあ、グスッ・・・頭撫でて?・・・ヒック・・・泣き止むまで・・・グスッ」
俺は、今までとんでもない勘違いをしていたのかも知れない。
八幡「・・・」ナデナデ
頭はキレる、仮面は分厚い、目的のための手段は選ばない。
だけど普通の・・・普通ではないが、なんにせよちゃんと女の子だったのだ。
人並みに恋をした野郎ってのがたまたま俺だったのだ。
策略はあるが、単に恋の競争相手に焦ってあんな真似をしたのだろう。
・・・そう思うとなんか陽乃さんがすげえ純粋な天使に見えてきたんですけど
可愛すぎだろ・・・
八幡「・・・泣き止みそうですか?」ナデナデ
陽乃「まだ・・・グスッ」スリスリ
なんかめっちゃ甘えられてる!
陽乃さんに恐怖以外の感情で心拍数が上がるとは・・・
認めるしかないな
俺は、雪ノ下陽乃が好きだ。
比企谷家
小町「お帰りお兄ちゃん、お義姉ちゃん!」
八幡「ただいまー・・・」
陽乃「ただいま♪」
小町「今日もアツアツですな・・・なんかほんとにアツアツだね?」
八幡「え?そ、そうか?」アセアセ
陽乃「アツアツに決まってるじゃない♪」スリスリ
小町「ほほう」ニヤニヤ
なんかバレてる気がする
八幡「晩飯なんなんだ?」
陽乃「あたしが美味しいのつくってあげるから、楽しみにしててね♪」
陽乃さんが好きだと自覚はしたが
・・・告白できねえ!
なんでこんな怖いんだよ!?
これは勘違いじゃねえ!はっきり分かる!
なのにすげえこええ!
よく昔フラれたとはいえ告白してたな俺!
悶々としたまま陽乃さんの料理を待つことにする
陽乃さんのことは好きだ、自覚してしまったのだからどうしようもない。
小町が俺の陽乃さんへの態度が変わったのを見抜いたのだ、本人が気づかない訳がない。
青いイナズマが俺を責めそうだ
炎が体を焼き尽くすまである
せっかくだから、告白はムードよくするとしよう。
奉仕部
雪乃「ねえ、チョロ谷くん昨日のあれを説明してほしいのだけれど?逃げるはずなのにあやしてたわよね?」ニコニコ
結衣「ヒッキー、結局陽乃さんにデレデレじゃん。そういうの良くないよ?」ジーーーー
ヤンデレだらけか!こええよ!
八幡「いや、陽乃さんも悪い人ではないからな。だからつい・・・」
雪乃「あんなもの、姉さんの演技に決まってるでしょう?何度姉さんに遊ばれたら気が済むのかしら?そういう趣味なのね?」
八幡「騙してなんか
結衣「あの人の演技力はすごそうだからね、あり得るよ。」
淡々と事実(仮)を伝えられてる気がする、
たしかに、言われてみればあり得ない話ではないが・・・なにか違うな。
陽乃「ひゃっはろー!八幡!今日も来たよー!」スリスリ
雪乃「姉さん」
陽乃「なあに雪乃ちゃん?八幡は渡さないよ?」スリスリ
雪乃「いつまで比企谷君を騙せば気が済むのかしら?」
陽乃「騙すなんてそんなことしないよ?さすがに雪乃ちゃんでも怒るよ?」
もはや誰が正しいのか分からない
だけど、陽乃さんを信じてみよう。
これでダメなら、その時考えるか。
八幡「雪ノ下、いい加減にしろ。」
雪乃「なにかしら比企谷君」
結衣「ヒッキー・・・」
八幡「黙って聞いてりゃ陽乃さんを一方的に悪者呼ばわりしやがって、証拠もねえのにギャーギャーいってんじゃねえよ。」
陽乃「八幡////」
八幡「たしかに、この人は平気でエグいマネはするわ仮面だけで二十面相でも作れそうな人だが、俺を貶めるメリットのある人間じゃねえだろうが?好意はたしかに疑う余地はあるかも知らんが、悪意は疑うまでもねえよ。」
雪乃「だけど、あなたも昨日は逃げるつもりで!
八幡「もう逃げねえよ、この人に惚れちまったんだ。」
結衣「もう、やめようよゆきのん・・・」 ポロポロ
雪乃「まだよ、私は諦めないわ」
八幡「陽乃さん、あなたが苦手です。」
陽乃「そっか・・・」
八幡「だけど、あなたが好きです。俺と付き合ってください。」
陽乃「・・・あたしの計画通りだね♪」
もうちょっとだけ続くんじゃよ
八幡「計画って、俺を陽乃さんのものにする作戦ですよね?」
全てお見通しってわけでもないが、陽乃さんを信じ、なおかつこの人の癖を鑑みれば答えは簡単。
最初に告白をして意識を向けさせ、雪ノ下と由比ヶ浜をギリギリ俺に好意を伝えさせない程度に煽り、程々(いや、すげえ過度だけど)にスキンシップをとり、あとは大事な部分で本音をぶちまける。
練ったのか閃いたのかは知らんが、よくできた計画であるといえる。
俺の性格や雪ノ下と由比ヶ浜の性格をも把握して目的を果たしたのだ。
とんでもない大悪党である。
陽乃「八幡にはバレてるね」カラカラ
バレていてもどこ吹く風といった様子で陽乃さんは笑う
八幡「あれですよ、結果を見れば答えが分かるみたいな、そんな感じですね。」
雪乃「ッッ!!」フルフル
結衣「グスッ・・・グスッ」
どこまでも容赦のない人だ、この二人がもう少し勇気を出してくれていたら違った結果だったかもしれない。
八幡「陽乃さん、答え聞いてませんよ。」
陽乃「そうだったね・・・・・・あたしは八幡のことが好き、腐った目も、ひねくれた小悪党なところも、そのくせ平気で泥を被る真似をするところも。だから告白を受けます。」
仮面を明らかに外した陽乃さんは俺との交際を受けてくれた。
さすがに雪ノ下達のいる前にいつまでもいられないので無言で方奉仕部をあとにする
後味は悪いが、陽乃さんといられるならそれでいい。
八幡「本当に俺なんかでいいんですか?」
陽乃「しつこい!八幡だからいいの♪」
八幡「雪ノ下と気まずくなったりとかしませんかね?」
陽乃「あたしは大丈夫だけど、八幡こそ大丈夫なの?」
八幡「俺には陽乃さんと小町がいればいいんですよ。」キリッ
陽乃「シスコンだなぁ」グリグリ
八幡「その言葉はそのまま返しますよ」
陽乃「それもバレてる?」
陽乃さんは、あえてあの二人に憎まれるように俺との交際を見せつけたのだ。
まるで俺のやってきたやり方のように
八幡「俺のやり方への皮肉でしょう?」
陽乃「・・・テヘッ☆」
かわいいなチクショウ
恐らく、この人を越えることは難しいだろう。
だけど、支えていくことはできるのだ。
これから先の人生を陽乃さんと歩んでいきたい。
やはり俺は雪ノ下陽乃が苦手だ
これにて終了
お疲れっす
そんなに続きが欲しいのか?いやしんぼめ!
八幡「それにしても、付き合うったってなにしたらいいのか分からんのですが。」
陽乃「デートとか二人の子供の名前考えるとか住むところを話し合うとか?」
八幡「最初以外気が早すぎませんかね?」
陽乃「またまたー、あたし逃がしたらもう誰も相手いないよ?」グリグリ
八幡「そりゃそうなんですがね、とらぬタヌキの難とやらって言うじゃないですか。」
陽乃「・・・ふーん、ちゃんとあたし一筋なんだ・・・」ボソッ
八幡「なんですか?悪口なら泣きますよ?」
陽乃「なんでもないよ♪ただ八幡なら浮気の心配とか無さそうだから安心してたの。」
八幡「・・・浮気って、陽乃さんみたいな人捕まえてたらする気が起きませんよ。」
陽乃「またまたー♪ポイント高いこと言っちゃってー♪」
八幡「まあ、心配事はあるんですがね。」
陽乃「雪乃ちゃんとガハマちゃんのことよね?」
八幡「そうです、部活も辞めるってのも考えたんですが・・・」
陽乃「続けたらいいじゃない?」
おいおい、マジかよ。針のむしろに突っ込めと申すかこの彼女さんは。でもまあ、あの二人で奉仕部は回らん可能性もあるしな。
八幡「・・・続けたとして、陽乃さんは気にならないんですか?」
陽乃「なるに決まってるよ?だけどあたしもシスコンだし、雪乃ちゃんが心配なのよ。」
ずいぶん本音が聞けるようになったもんだな
彼氏甲斐の見せどころかもな。
八幡「それなら、俺は普段通りあいつらを支えますよ。シスコン同士、助け合いでいきましょう。」
陽乃「雪乃ちゃんをお願いね。」
八幡「何とかしますよ」
二人の関係もな
翌日 奉仕部
八幡「うっす」
雪乃「!!!」
結衣「え!?」
八幡「なんだよ、来たらまずかったか?そんなら帰るけど。」
雪乃「いえ、大丈夫よ。問題ないわ、むしろ助かるくらいよ。」
結衣「そうだし!もう来ないかと思ってたし!驚いただけだし!」
八幡「いやな、よくよく考えたらお前ら二人がなにか解決策を出したためしないじゃん?だから俺超必要かなと思ってな。」
雪ノ下の毒舌が久しぶりにうなるな
雪乃「・・・たしかに、その通りだわ。」
は?
八幡「おいおい、今のツッコミどころだぞ?関西人ならハリセンが出てくるレベルの」
雪乃「そもそも関西人では無いのだけれど・・・これは事実を重く受け止めた結果よ。他意はないわ。」
結衣「そうだし!ちゃんとあたしたちで考えた結果だし!」
素直過ぎてこええよ
八幡「・・・まあ、そういう考えもあるだろうよ。」
雪乃「姉さんのことは気にしてないわ、あなたの選んだ女性だもの。」
結衣「あたしはまだ諦めないけどね。」
雪乃「もちろん私もなのだけれど。」
陽乃さーん!こいつら心配ないよー!てか陽乃さんが言ってた浮気の心配が増えましたよー!
八幡「・・・今のお前らなら奉仕部もなんとかなりそうだな!俺やっぱ部活辞めるわ」ソソクサ
雪乃結衣「待ちなさい(待つし!)」ガシッ
またこの流れかよぉ!
雪乃「男の二言を私は認めないわ」
結衣「辞めさせないし!」
泥沼になる予感しかしねえよ・・・
雪乃「比企谷君、紅茶を淹れたのだけれど。」
結衣「ヒッキー!クッキー食べない!?買ってきたやつだけど!」
なんなんだこの状況は?今までこんなことなかったじゃねえか。
八幡「ありがとな」モサモサズズー
雪乃「いいのよ、比企谷君のためなのだから。」
お前、そんなキャラじゃなかっただろうが。
結衣「おいしくクッキー作れるようになったら渡すから待っててね!」
こいつはいつも通り、に近くはあるか。
少し積極性が増した感があるが。
そろそろ釘を刺すか
八幡「いいかお前ら、俺は陽乃さん一筋だからな。こんなことでお前らに鞍替えするような安い男じゃねえぞ。」
雪乃「知っているのだけれど」
結衣「だからなに?こんなの浮気に入んないじゃん。」
俺が心配なのはエスカレートする可能性があるからだよ!
雪乃「当然、エスカレートするわ。」
確信した、雪ノ下家は人の心が読めやがる。
八幡「彼女を大事にする姿勢を揺るがすような・・・
雪乃「こんなことで揺らぐような愛情なら端からなかったようなものよ?そのなかったものを私が埋め合わせれば、すごく素敵なことだと思わないのかしら?」
結衣「ヒッキーはあたしが貰うし!」
今のこいつらになにいっても暖簾に腕押し、糠に釘か。
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は高嶺の華を地で行く雪ノ下雪乃がここまで露骨に好意を表すとは、信じられんな。
ちなみに本来なら
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花
なので間違えないように。
ブーンブーン!
メールか、ぼっちだから携帯が連絡手段であることを忘れてた。
陽乃さん
注意事項
もし、雪乃ちゃんやガハマちゃんと浮気したら
悲しい結末が待ってるよ☆
陽乃さんからのメールだが、こええよ、ひたすら怖い。
浮気とは気持ちが浮わつくから浮気というが、要するに蝶のように舞い、蜂のように刺せばいいわけだ。
モハメド・アリは素晴らしいボクサーでした。
って、刺しちゃいかんわな、ブスリされるのは俺になる。
八幡「今日は依頼もなさげだし、帰るわ。」
撤収せねばマジでブスリされかねない、なにより彼女に会いに行くということ自体に意義がある。
放課後に大学生のお姉さん(彼女)とデート、これ以上ない幸せだ。
雪乃「そう、分かったわ。」
結衣「バイバイヒッキー!」
なんかあっさりと帰れそうなのでひと安心だ。
帰る道すがら待ち合わせの段取りでも決めるか
比企谷家
八幡「結局家なんですね」
陽乃「実家より居心地良くてねー、・・・もしかしてどこか行きたかった?」
八幡「家が一番です、ただ陽乃さんの方がどこか行きたかったのかと思って。」
陽乃「そういうのも良いんだけどね、どうしても外は仮面被っちゃうから。」ニコニコ
裕福な家庭なりの事情なのだろう
八幡「そういえば、雪ノ下のことなんですけど、陽乃さんの策のお陰か意外と普通でしたよ。」
陽乃「そっかー!雪乃ちゃんのことこれからもよろしくね♪あ、でも浮気はダメだからね!」
八幡「・・・本当にあれで良かったんですかね?」
俺でも身内にあんなマネはしない、というより出来ない。どうでもいい他人のために暴言虚言は吐けるが、血を分けた人間にあそこまで悪役に徹することは俺には出来ない。
あくまでも俺の上を行く人だ
だから惚れたのだが
陽乃「正直、辛いけどね。体力が無いだけで根性のある妹だから、あれ位しないとダメなんだよ。・・・それに、心から八幡が好きだからってのもあるしね♪」スリスリ
八幡「俺は納得してません。・・・だから、俺がなんとかしてみせます。時間は掛かるかも知れませんが。」
心というものにも限界というものが存在する。
屈強で尚且つ優秀な才能を持ち合わせた人間にも、いずれ訪れる。
チンギスハーンだってヒトラーだって毛沢東だって、先程のモハメド・アリにだって心折れることがあったに決まってる。
折れるのは構わない、だけど折れたあとにどうしようもならなくなることが、本当に怖いのだ。
支える、支えられるがないと生きていくのは難しいだろう。
俺も小町に支えられた、だから卑屈なりに生きてきたのだ。
ぼっちではあったが孤独ではなかった、これは小町に、感謝し続けなければならない。
あとでアイスでも買ってきてやろう。
八幡「そういや、小町が見当たりませんね。いつもなら「お義姉ちゃーん」とかいって来るのに。」
陽乃「そういえば・・・」
小町「お義姉ちゃーん!」
噂をすればなんとやら、小町は帰ってきた。
雪乃「お邪魔します」
結衣「お、お邪魔します・・・」
とんでもない手土産を連れて
小町「いやー、なんか二人にすごい気迫で家に行きたいとか言われちゃってー。断れなかったんですよねー。」プルプル
軽く言っているが膝が笑っている、どんな頼み方をしたら小町がこんなに怯えるんだよ。
雪乃「ごめんなさい、小町さん。」
結衣「ほんっとごめん!小町ちゃん!」
八幡「そこまで謝るような脅迫をしたのか・・・」
陽乃「それで?なにか用?」
この人はこの人で悪役モードだしよぉ!
雪乃「そうだったわ、・・・姉さん、私は分かってるから。」
結衣「あたしもゆきのんから教えてもらいました」
陽乃「・・・え?」
八幡「ハハハハハ!!」ゲラゲラ
陽乃さんが強烈で忘れていたが、雪ノ下も相当なタマだったな。
陽乃さんの考えを看破して、それをわざわざ「バレてるぜ」って伝えに来たのか。こりゃ傑作だ。
雪乃「比企谷君、静かにしなさい。」
八幡「すまん、すぐには無理だわ。」ゲラゲラ
やはり、この姉妹は優秀だ。俺なんかが首を突っ込む必要が無かった。
姉の陽乃さんなりの優しさを、妹の雪ノ下は知っていたのだ。
雪乃「・・・半分、そこの笑っている男がヒントになったのだけれど。姉さん、私のためにそこまで辛い思いをしないでほしいの。」
陽乃「雪乃ちゃん・・・」
八幡「ここは意地を張るところじゃないですよ」ナデナデ
陽乃「うん・・・分かってる」
結衣「でも、ヒッキーより質悪いですよ!」
そこは由比ヶ浜でも分かったか
陽乃「ごめんね、雪乃ちゃん、ガハマちゃんも」
雪乃「いいのよ、私達も悪いのだから。」
姉妹の確執は、姉妹の手によって取り払われた。
以前以上に二人の仲は良いものになるだろう
そんな気がする
陽乃「八幡、ありがとう。」
雪乃「私からも感謝するわ。」
結衣「あたしも!ありがとね!」
百合百合しい光景を拝めたんでお礼とかいいです
とは言えないので
八幡「気にすんな、雪ノ下も由比ヶ浜も陽乃さんの想定を越えてたんだからな。」
陽乃「あたしも少し驚いたかな」
雪乃「私でも気づくわよ、比企谷君への皮肉を姉さんが忘れるわけがないもの。」
結衣「あたしはわかんなかったけどね」
アホの子はとにかく、姉妹で結構似通うところもあるもんだな。
陽乃「でも八幡は渡しませんー!残念でしたー!」
雪乃「・・・」グヌヌ・・・
結衣「・・・」ムー・・・
けっこう独占欲つええな陽乃さん
八幡「浮気するわけないでしょう、俺が。」
小町「お兄ちゃんだしねー」
八幡「そういうことだ」
陽乃「まあ、部活には八幡貸してあげるからさ。」ニコニコ
雪乃「・・・ええ、それで構わないわ。(今は、だけれど)」
結衣「あたしもそれでいいです(後で何とか・・・)」
陽乃「ねえ、二人とも。」ニコニコ
雪乃結衣「何かしら?(何ですか?)」
陽乃「八幡が本当に欲しいなら、あたしを何とかしないとどうにもならないからね?」ニコ!
雪乃「」ダラダラダラダラ
結衣「」プルプルプルプル
やっぱ陽乃さんこええ!こういう人が外交とかしたほうがいいんじゃねえの?
小町「お義姉ちゃんはやっぱお義姉ちゃんだなー」
陽乃「二人とも、今日はもう帰った方がいいかもねー?」
雪乃「そうね、今日はもう帰るわ。お邪魔しました。」
結衣「お邪魔しました!」
脱兎の如く二人は帰っていった
小町「小町も部屋に戻るねー!」ニヤニヤ
バタン!
このSSまとめへのコメント
美談にまとめようとしてるが結局陽乃が二人から八幡を奪っただけなんだよな
そもそも陽乃が八幡を好きになること自体がおかしいだろ
おもしろかった
これからもっと文を上手くなって欲しい
ほんとはるのん大好き!
終始顔がにやけてキモがられるわ!!
>>1なに創作物にリアリティ求めてんだよ。
ありえないことが起こってなんぼだろ。
右に同じ
見ていて可哀そうでならない
はるさんは攻略対象外だったが…
イケるなこれ
>>5 右って誰だよ。 俺は普通に良いと思った。ただラストがテキトー過ぎた気がするけど
結局最後手前荒らし来てだいぶあれたからなぁ…書く気なくなったのかもね
>>8
中学生から国語やり直せ。
>>4
はるのが八幡を好きになる過程が全く書かれてなくて、物語が稚拙だと言われてんだぞ。