妹「るんば」

兄「お…おう」

姉「……」

妹「…」

妹「るんば」

父「ｳﾞｧﾘｴｰﾙｧｧｧｧ」

母「ﾝﾓﾓﾓﾓﾓﾓﾓｯﾓｯﾓﾓﾓﾓﾓｯ」

妹「るんば」

兄「しぬか？」

姉「いや」

兄「しぬか？」

妹「死なないけれども」

兄「そうか」

妹「うん」

姉「……」

妹「るんば」

数年前


姉「ねえ、出てきた？」

兄「いや、今日も出てこない」


妹『……』


姉「ねえ、妹出てきて」

兄「もう一度俺たち、話し合おうぜ？」


妹『……』

姉「今日はね、カキをいっぱいもらったから、カキフライにしてみたの」


妹『……』


姉「あっ、もちろんおねえたんのことじゃないのよ」


妹『……』


姉「って、それは姉やろがーい！なんて」


妹『……』


姉「はは、は…」

――――――

兄「どうだった」

姉「だめ。今日もでてきてくれなかった」

兄「そうか…」


姉「……」

兄「……」


ｶｷｰﾝ ｳｪｰﾊﾊﾊﾊ

姉「お父さん」

父「なんだ」

姉「その、やめてよ。こんな時に」

父「なにがだ」

姉「その……、野球」

父「……」

兄「…」

母「それじゃあ、行ってきます」

姉「はい」

兄「行ってらっしゃい」


ﾊﾞﾀﾝ


ｶｷｰﾝ ﾜｰﾜｰ

兄「今日は、何にする」

姉「カキフライ」

兄「またか」

姉「しかたないでしょ。こんなにいっぱいもらったんだから」

兄「まあ、そうだけど」

姉「腕によりをかけて作ってみるんだからね」

兄「はいはい。お願いします」

ｳｨｰﾝ

父「なんだ、これは」

兄「ああ、それね。なんだっけ」

姉「自動掃除機。懸賞で貰った」

兄「だって」

父「やるじゃん」

姉「まあね」

兄「あれって、最近話題のるんばってやつ？」

姉「ちがう。あれは、なんとかってやつ」

兄「にせもの？」

姉「ううん。似たような商品」

兄「世の中そんなもんか」

姉「うん」

ｺﾞﾂﾝｯ ｺﾞﾂﾝｯ

父「つっかかってるぞ。うるさいから二階にでも持っていけ」

姉「おとうと」

兄「はいはい」

ｳｨｰﾝｳｨｰﾝ

兄「暴れるなよ」

二階


ｳｨｰﾝ

兄「うお、めっちゃ掃除している」

ｳｨｰﾝ

ｺﾞﾂｯ

兄「お」


妹「……」

妹「なに、これ」

兄「おめでとう」

妹「…」

兄「今日からそいつは、君のものだ。存分に可愛がれ」

妹「……」

兄「じゃあな」

妹「…」

ｳｨｰﾝ

妹「…」

ｺﾞﾂﾝｯ ｳｨｰｨｰｲｰ

妹「……」

妹「るんば…」

そして現在

兄「いい加減にしねえと、それ取り上げて外に投げっちまうぞ」

姉「そうだよ」

妹「うー」

兄「う～じゃねえよ馬鹿野郎。現実を見ろ現実を」

妹「るんば」

兄「てめえ！！いつまでもいつまでもるんばで解決できると思うなよ馬鹿が！！」

姉「まあまあおとうと。妹ちゃんもるんばを気に入ってるんだし」

兄「るんばじゃねえよ馬鹿野郎。こいつは偽物だよクソが」

姉「にせものじゃないよ。ちょっと似てるってだけで」

兄「それをにせものっていうんじゃねえかデカ乳」

姉「死ねやデカマラ」



妹「………………………………………」

妹「これはるんばじゃない」ｶﾞｼｬｧｧﾝ

姉「ちょ。妹ちゃ」

妹「これはるんばじゃない」

妹「これはるんばじゃない」

妹「これはるんばじゃない！！！」ｶﾞｼｬｰﾝ


兄「…ｯ！」ｶﾞﾊﾞｯ

妹「！！？」

兄「これはるんばだ」

妹「………ッ！」

兄「これはるんばだ！！！！」ﾊﾞｯｷｬ

姉「おとうと！！」

ｽﾞｯｼｬｧｧ