ほむら「もういやだわまどかなんてどうでもい」(710)

ほむら「どうせあなたは私が契約すればとか魔法少女になれば自信がつく人が救えるとかいって契約するんでしょう」

ほむら「しね!おまえのせいでわたしがどれだけくろうしてきたか・・・契約しないでと何回いったらいいの!?」

まどか「うう・・・・・」

ほむら「すこしはわたしのこともかんがえて!自分の考えで人がどれだけ苦労するか・・・」

まどか「・・・・それはほむらちゃんにもいえることだよね?」

ほむら「・・・?なによ・・・」

まどか「かってにわたしに契約するのがわるいことだとかいって、
かってに契約しないことをおしつけて・・・なんなの?ひとのこといえるの?」

ほむら「くっ・・・・」

まどか「あなたが契約させたくなくてもわたしは契約してみんなを助けたいの
それが偽善だとかおごりだとかいわれてもかまわない・・・わたしはみんなを助けたい!」

ほむら「あなた魔法少女がどうなるかしったうえでいっているの!?」

まどか「しってる QBから全部きいた・・・ それでも私は契約したい」

ほむら「・・・・・」

まどか「ほむらちゃんわかってよ いやわからなくてもいい
あなたに契約するかどうかなんてきめらたくない」

ほむら「ッ・・・・・・・」

ほむら「ふざけるなこのくそアマァ!!!」バシッ

まどか「いてっ!ああん?論破されたたからって暴力か?くそアマはどっちだよメンヘラァ!」ドゴォ

ほむら「くっ・・・・」

まどか「調子こいてんじゃねえぞカス・・・・勝手な偽善を人におしつけるんじゃねえ・・・
人の人生かってにきめるんじゃねえ・・・わかったかメンヘラァ・・・」ドゴォボゴボゴォボgォ

ほむら「アガァ!やめて!まどかわかってもうなにもいわないから!」

まどか「わかればいいんだよほむらちゃん♪じゃあQBと契約してくるね♪」トットッ

ほむら「・・・・・・・・・・」

バキューン

まどか「えっ・・・・・・・・かはっ・・・ほむ・・・ら・・・」バタッ

ほむら「クケケケケケケケケケケケケッケケッケッケ!!!」

ほむら「わたしのいうこときかないまどかなんていらない!思い通りにいかないまどかなんかいらない!フヒヒヒ!
そうだぁ!忠告もきかないばかまどかだったら殺せばいいんだぁ☆
だって何回もループできるんだしね☆ストレス発散にもなるわ!私天才☆」

まどか「くずがっ・・・・」

ほむら「・・・・」ドキューンバキューンドコーン

まどか「」

ほむら「まどかがミンチになっちゃった☆いうこときかないまどかがいけないんだよ?わかるよね?」

ほむら「さーて時間もどしましょうかーくけけけけけけけけけk!!」

そうしてほむらはキチガイとなりループしてマドカを殺しまくったが一向にワルプルは倒せない
そうしてさらに狂ったほむらは魔法少女の殺人・強盗・放火を繰り返しやばくなったら時間を戻るということをおこなうようになった

ほむら「くけけけけけけけけk!さやかうぜぇ!!1しねwwwwww」

さやか「ぐえっ!」

ほむら「ヒェッハーーーーー!」

おわり

とりあえずそこまで行きつく前に此岸の魔女爆誕ルートに強制連行なわけですが

ほむらがループ中にまどかのこと嫌いになれば割りと色々解決できそう
ワルプル倒してもらったあとはまどか殺して平凡な魔法少女として……

で、なに?>>1-4はガン無視で書いていいの?

ほむまど和解じゃなければ読みたいなぁ

ほむら「………」

いつもの病院、いつもの病室、いつものベッドの上で、わたしは目を開けた。

ほむら(………また……)

また、ダメだった。まどかがワルプルギスの夜を目の前にして、キュゥべえと契約。
ワルプルギスの夜を一撃の元下し、その後すぐに魔女化。
そう、これも『いつも通り』と言えば『いつも通り』だ。

ほむら(……どうして、わかってくれないの……?まどか……)

ほむら「だからあなたなんか嫌いなのよ~」てやつ思い出すな

ほむら(これで一体わたしは何回繰り返したの……?)

もう、回数なんて覚えていない。
ただ、あの時のまどかとの約束。それだけを道しるべにして、わたしは戦い続けた。
でも、わかってくれない。

ほむら(……わたしだって……あなたと同じ、中学二年生なのよ……?)

ああ、ダメだ。こんなことを考えていたら、ソウルジェムは濁る一方だ。
ポケットにしまってあるソウルジェムを取りだす。

ほむら(………)

わたしの心に広がる絶望に、敏感に反応している。

ほむら(確か、盾の中に以前のループで手に入れたグリーフシードが……)

盾の中に収納してあるグリーフシードを取りだし、自身のソウルジェムを浄化する。

ほむら(……こんなことをして、一体なんの意味があるのかしら……)

まだ、わたしはまどかの為に戦うことが出来るのだろうか。
これだけの嫌な思いをさせられて、それでもわたしは戦えるのか?
自問自答を繰り返す。

ほむら(………)

ひとしきり自問自答を繰り返したところで、手の中のソウルジェムをもう一度確認する。
……まただ。これじゃ、いくらグリーフシードがあったって足りやしない。

ほむら(いい……考えないようにしよう)

思考を停止し、ベッドから起き上がる。そして『いつもの様に』眼鏡を外し、魔力で視力を回復。
みつあみを解き、わたしの決意の姿へと着替える。

ほむら(………いいわ。もういい……)

わたしは少しばかり、頑張りすぎたのかもしれない。

ほむら(このループを……わたしとまどかの、最後のループにしましょう)

あるいは、『最期』か。それは、この時間軸でのわたしの頑張り次第だ。

数日後。見滝原中学に、転校生としてわたしはやってきた。
まどかの姿を直視する。

ほむら(………)

大丈夫。まだ、まどかは魔法少女にはなっていないはずだ。
今日の放課後。そこで、キュゥべえはまどかと接触しようとするはず。
わたしは今回、それはあえて止めない。

ほむら(問題は……巴マミね)

彼女にわたしを信用してもらえるかどうか。そこが鍵となるに違いない。

さやか(ねぇまどか。あの転校生、まどかにガン飛ばしてない?)
まどか(えっ?そ、そうかな?気のせいじゃない?)

ほむら「………」

まずは休み時間、巴マミに接触を試みよう。

休み時間。多数のクラスメイトに囲まれる前に、いち早くわたしは教室を出る。

モブA「暁美さーん……って、あれ?」
モブB「いない……どこ行ったんだろ?」

さやか「まどか、見てた?」
まどか「う、うん。なんか、すぐに教室から出て行っちゃったね」

―――

三年の教室が並ぶ階に到達する。

ほむら『………巴マミ。聞こえる?』

―――

マミ「……!」
ほむら『聞こえているなら、廊下へ出てきてちょうだい』
マミ『誰かしら?こうしてテレパシーで話しかけて来ると言うことは……』
ほむら『……話は、直接顔を合わせてしたい』
マミ「………」

誘導成功。マミは教室から廊下へ姿を現した。

マミ「……廊下で出来るような話では、なさそうね?」
ほむら「………」
マミ「いいわ、屋上へ行きましょう」

屋上に出たところで、休み時間終了を告げるチャイムが鳴り響く。

マミ「さぁ、ここなら思う存分話が出来るでしょう?」
ほむら「………」
マミ「あなた、魔法少女ね?」

警戒心を隠そうともせず、マミはわたしに向かい合っている。

ほむら「ええ、そうよ」
マミ「新しく契約したばかり?わたしのことは誰から聞いたのかしら?」
ほむら「あなたの質問にひとつひとつ答えていたら、時間がいくらあっても足りないわ」
マミ「っ……」

もう、本当にめんどくさい。マミは魔法少女として長い間一人で戦い続けている為か、妙な余裕を常に見せている。
そして、わたしのような突然のイレギュラーには、対処法がわからない。

ほむら「キュゥべえ。聞こえているならあなたもわたしたちの話に同席してちょうだい」
QB「……やれやれ」

キュゥべえが、物陰から姿を現した。

マミ「キュゥべえ!あなた、この子のことを……」
QB「僕と話をするよりかは、直接その子と話をした方が早いんじゃないのかな、マミ?」
ほむら「………」

これで、舞台は整った。

ほむら「回りくどい話は無しにしましょう。わたしはわたしの目的を、あなたたちに聞いて欲しいの」
マミ「……人の縄張りに唐突に現れておいて、目的を聞いて欲しい?ずいぶんと勝手なのね、あなた?」
ほむら「………。まずは、自己紹介をしておくわ。わたしの名前は暁美ほむら」

そうしてわたしは、わたしの目的を洗いざらい話す。
まどかの魔法少女の契約の阻止。今から一ヵ月後に訪れる、ワルプルギスの夜を、撃破すること。

マミ「………っ」
QB「暁美ほむら……何者なんだい、キミは?」
ほむら「何者でもないわ。ここにいるのは、たったひとつの道しるべを頼りに戦う、ただの魔法少女」
QB「……」
ほむら「あなたがまどかを勧誘するのは自由よ。ただし、わたしはそれを阻止する」

それが、わたしの目的なのだから。
キュゥべえとマミを屋上に残し、わたしは校舎の中へ戻る。

もうちょっと好意的にさ
まぁ、コミュ障と言われる所以か…

                              ~巴マミ~

暁美ほむら。……一体、彼女は……?

QB「マミ、深く考えることはないよ」
マミ「キュゥべえ……?」
QB「少し考えればわかることだ。普通の魔法少女なら、新しい魔法少女が生まれるのは嬉しいことではないはず。彼女も、その例に漏れることはないだろう?」
マミ「……でも、ワルプルギスの夜がこの町に来るって……」

ワルプルギスの夜。
超弩級の大型魔女。歴史に名を残す程の、強大な魔女だ。

QB「キミは、彼女の言うことを全て信じると言うのかい?」
マミ「それ、は……」
QB「確かに、暁美ほむらという存在は不可解だ。僕も契約した記憶はないし、ワルプルギスの夜が現れるということも知っている」
マミ「! やっぱり、ワルプルギスの夜が来るの?」
QB「………。可能性の話だよ、マミ」

キュゥべえが言葉を濁した?なぜ?

マミ「………」
QB「とにかく、鹿目まどかを魔法少女に勧誘しよう。彼女も、それは自由だと言ってくれたからね」
マミ「え、えぇ……」

                              ~暁美ほむら~

ショッピングモール。ここに、魔女が姿を現すはず。
そしてキュゥべえは、ここにまどかを呼びよせるはずだ。

ほむら「………」

何をしているんだ、わたしは。
キュゥべえとまどかの接触を、止めるつもりはなかったのではなかったのか?

ほむら「巴マミが一緒ならば……まどかにも危険は及ばないはずよね」

そうだ。危険はないはずなのだ。
なのに、この不安感はなんだ?わたしは何かを見落としている?

ほむら「………」

この場を去ろうとしても、その不安感によって動けずにいる。

ほむら(……いいわ。この場に留まって……万一、まどかに危険が及ぶことになれば、わたしが守ればいい)

そう決め込んだところで、魔女の気配が訪れた。

魔女結界の中へ侵入する。

QB「! 暁美ほむら……?」
ほむら「………」

結界の中には、キュゥべえがいた。

ほむら「何をしているの、あなた?」
QB「魔女の動向を探っていたところだよ」
ほむら「……」

嘘ばかり。ここで自身を危険に晒し、それを口実にしてまどかを呼び寄せようとしているだけでしょう、あなたは。

QB「僕がまどかを勧誘するのは、自由なんだろう?」
ほむら「ええ、自由よ」

まどかが魔法少女の存在を知ったところで、わたしは魔法少女の真実を全てまどかに話すつもりだ。
そうすれば、まどかはきっと契約を躊躇うに違いない。

QB「……さて、と」
QB『助けて、まどか!』

ほむほむの目の前で自作自演するQB想像したらなんかワロタ

                              ~鹿目まどか~

まどか「……?」

何かが、聞こえた。

QB『まどか、助け―――』
まどか「だ、誰?」

周囲を見渡しても、声の主は見当たらない。

さやか「ん、どうかしたのまどか?」
まどか「わたしを呼ぶ声が……」
さやか「は? 声?」

ふらふらとその言葉に導かれるように、わたしは歩きだす。

さやか「あ、ちょっとまどかーっ!?」


ついた先は、関係者以外立ち入り禁止の扉。それを躊躇いながらも開き、更に声を頼りに歩いて行く。

QB『お願い、まど―――』
まどか「どこにいる……!?」

あれ。なんだろう、これ。おかしい。どこ、ここ?

                              ~暁美ほむら~

ほむら「………。わたしは行くわ」
QB「おや、いいのかい?このまま順調に行けば、まどかはすぐにでも僕と契約するかもしれないよ?」
ほむら「何を怯えているのかしら、キュゥべえ?」
QB「……!」

感情のないはずのキュゥべえが、僅かに狼狽する。

ほむら「巴マミも、近くにいるのでしょう?大丈夫よ、彼女がいれば。この魔女は、彼女の敵ではないもの」
QB「キミは……」

うろたえるキュゥべえを横目に、わたしは歩きだす。

ほむら(………)

不安感は、まだ拭えない。マミがいるのだから、大丈夫。そう、大丈夫だ。
自分に必死に言い聞かせる。


後ろ髪を引かれながらも、わたしは結界の外に出る。

ほむら「………」

結界を出たところで、わたしは足を止めた。

ほむら(………)

やはり、不安は拭えない。
なんだ?一体わたしは何に不安を覚えている?

ほむら「……巴マミ……?」

そうだ。彼女は……仲間が増えると思うと……―――!!!

ほむら(しまった!!!)

こんな簡単なことを……っ!!
一度は脱出した結界に、再度侵入する。

魔法の言葉で仲間が増えると思うと……

                              ~巴マミ~

キュゥべえの言うとおり、鹿目さんと美樹さんは結界に誘い込まれた。
正直、魔法少女じゃない一般人を魔女結界に誘い込むやり方には関心しなかったのだが。
キュゥべえ曰く、そうした方が説明の手間が省ける、とのことだった。

まどか「魔法……少女……」
マミ「ええ、そう。興味はあるかしら?」
さやか「うーん、なんでも願いが叶うっていうのは魅力的ではありますけど……」
マミ「今すぐというわけではないわ。でも、いずれは、ってことで納得できないかしら?」
まどか「考えておきます」
QB「話はそこまでだよ、三人とも。魔女だ」

キュゥべえの言葉を聞き、正面に向き直る。
魔女の姿を見上げる。

マミ(……大きい、わね)

でも、問題ない。リボンを束ね、巨大な大砲を召喚する。

マミ「とりあえず、わたしはこの子たちと話がしたいの。あなたには悪いけれど、決着をつけさせてもらうわ!」

召喚した大砲を手に、跳躍する。

ゲルトルート「ギャオオオオオオオ!!!」
マミ「ティロ・フィナーレッ!!」

魔女目掛け、大砲を撃ち放つ。

使い魔1「&%$#)(’」
使い魔2「@^-;:&$¥」
マミ「っ!? な……っ!?」

わたしと魔女の間に、多数の使い魔が躍り出て来る。
その使い魔に、わたしの魔女への攻撃は防がれていた。

ゲルトルート「グオオオオオオアアアア!!」

思いがけない事態に動揺したわたし目掛けて、魔女が多数の触手を伸ばしてきた。

マミ「しまっ……!」

そのまま、地面に強く叩きつけられた。

マミ「あぐっ……!!」

呼吸が途切れる。痛みを堪え、ゆっくりと立ち上がる。

マミ「つっ……」

額を切ったのか、血がたらりと流れてきていた。

まどか「ま、マミさんっ!」
さやか「大丈夫ですかっ!?」
マミ「し、心配ないわっ……ちょっと油断しただけ……つぅっ!」

右手に妙な違和感を覚える。

マミ(……っ?)

右手を確認する。人差し指が、ありえない方向に曲がっていた。

マミ(少し、油断したかしら……っ?)

傷を治そうとするが、魔女が続けて攻撃を仕掛けて来る。

ゲルトルート「ガアアアァァァァァ!!」
マミ「うくっ……はぁ、はぁっ……!」

なぜ、ここまで苦戦を強いられているのだろうか。
油断?余裕を見せたから?それとも……。

マミ「………」

考えを巡らしていたからだろうか。それとも、これが元々のわたしの運命だったのか。
目を離した一瞬の隙を突いて、魔女が大きく跳躍する。一体なにをしようとしているのだろうか?

マミ(……何をしようと?ふふ、簡単なことじゃないの……)

もしもわたしがあの魔女の立場だったなら、どうするか。
決まっている。素早い動きが出来ないわたしを、その巨体で押しつぶそうとするだろう。
あの魔女は、それを実行しようとしているに過ぎない。

マミ(………魔女を目前にして、浮かれたわたしが悪いのよね……)

少しずつ迫ってくる魔女の巨体を、どこか穏やかに眺めている自分がいた。

瞬間。わたしの目の前に、黒い影が姿を現した。

マミ「……え?」

その影は、迫りくる魔女に対し攻撃を繰り出していた。

ゲルトルート「……っ!!?」

無数の爆発によって、魔女の体が大きく吹っ飛ぶ。
魔女の攻撃を阻止出来たことを確認した影は、わたしの方に向き直った。

ほむら「大丈夫、マミ!?」
マミ「……あ、暁美……さん……?」
ほむら「まどか、さやかっ!!いるのでしょう!?」

その影―――暁美さんは、物陰に隠れているであろう鹿目さんと美樹さんにも話しかける。

まどか「え、え?」
さやか「て、転校生……?」

                              ~暁美ほむら~

ほむら「まどか、さやかっ!!いるのでしょう!?」

体裁など気にせずに、二人の名を叫ぶ。

まどか「え、え?」
さやか「て、転校生……?」

二人は、何が起こったのかわからない様子で、わたしにその姿を見せてくれた。

ほむら(……あぁ、よかった)

思い出すのは、いつかの時間軸で起きた出来事。
相手は違えど、魔女を相手に窮地に陥ったマミを助ける為だけに、まどかが契約した時間軸。
今回もそれと同様の出来事が起こっているのではないかと危惧したが、その心配は無いようだった。

ほむら「……油断しすぎよ、巴マミ」

冷静さを取り戻し、マミに話しかける。

マミ「………」

ほむら「………」

盾の中から無数の手榴弾を取り出し、全てのピンを引き抜く。
それら全てを、吹っ飛ばされて態勢を崩している魔女向けて放り投げる。

ゲルトルート「………―――!!!?」

全ての爆発をモロに受けた魔女の体が、はじけ飛ぶ。

ほむら「ほら、早く傷を癒して立ち上がりなさい、マミ」
マミ「……っ」

ゆっくりと傷を癒し、マミは立ちあがった。

マミ「助かったわ……暁美さん」
ほむら「傷を癒したのなら。まどかとさやかを連れて、早々にここから逃げなさい」
マミ「……え?」
ほむら「はっきり言わせてもらうわ。まどかを危険に晒したあなたを、わたしは許すつもりは無い。
      ここでまだまどかをその場に置いて戦いを続けるつもりであるなら……あなたから先に始末しても構わないのよ?」
マミ「………っ」

思ったことを全て言わせてもらう。マミは何かを言おうとしていたが、結局は何も言わず、魔女に背中を見せる。

ほむら(そう……それでいい)

マミ「鹿目さん、美樹さん……ここは暁美さんに任せて、行きましょう」
まどか「で、でもまだ魔女が……っ!」
マミ「……ごめんなさい、鹿目さん。暁美さんが、それを望んでいるの」
さやか「………っ」

マミは、まどかとさやかを連れて逃げて行く。

QB「………これが、キミの狙いだったのかい?暁美ほむら」

ただ一人……いや、一匹残ったキュゥべえが、わたしに話しかけて来る。

ほむら「そんなわけないでしょう。これは本当に偶然よ。……いえ、ある意味では『必然だった』とも言えるけれどね」
QB「………」

魔女から目を逸らさず、キュゥべえの質問に答える。
魔女を覆っていた砂塵が引いて行く。そこには、体の無数を爆弾によって吹き飛ばされながらも、かろうじで生き長らえている魔女の姿があった。

ゲルトルート「オ……グオオオオオオオ……」
ほむら「しぶとい魔女ね」

盾の中から、今度は機関銃を取りだす。

ほむら「………ふふふ、蜂の巣にしてあげるわ」

引き金を引く。放たれた無数の弾は、魔女とその周囲にいる使い魔の体を次々と貫いて行く。

>>61
ゆまがいたときは立ち直ってたじゃないか

>>65
いなかったら発狂します

ゲルトルート「グオオオオオオオオオガアアアアアアアアアギャアアアアアアアア………」
ほむら「………」

魔女は断末魔の悲鳴をあげ、その姿を崩壊させていく。
結界も魔女の体同様、少しずつ崩れ去って行く。

ほむら「ふん……」

結界が完全に崩壊し、周囲は元の光景に戻る。
わたしの足もとには、グリーフシードが転がっていた。

マミ「……暁美さん」
ほむら「あら?まだ近くにいたの?」

そのグリーフシードを拾い上げると同時に、マミに話しかけられる。

マミ「その……なんて言ったらいいか……」
ほむら「謝罪の言葉なんて求めていない。ただ、まどかを……いえ、一般人を巻き込むというのがどういうことを招くのか。それをわかってくれさえすればいい」
まどか「………」
さやか「………」

マミ「………っ」

わたしの言葉を受けたマミが、踵を返して走り去っていく。

まどか「あ、マミさんっ!」
さやか「っ……!」
ほむら「やめておきなさい、まどか、さやか」

走り去ったマミを追おうとするまどかとさやかを、引きとめる。

まどか「あ、暁美さん……っ」
ほむら「………」

そうだった。最初はまどかも、わたしのことをそう呼んでいた。

さやか「でも……放っておけないよ、マミさんのこと」
ほむら「彼女の傷心は、自業自得よ。考えても見なさい?あそこでわたしがあの場に姿を現していなければ、あなたたちはどうなっていたと思うの?」
さやか「………」
ほむら「あの魔女に、マミがやられて。その後あの魔女は、あなたたちをも殺そうとしていたでしょうね。
      近くにキュゥべえがいたから、魔法少女の契約を結べば生き延びることは出来ていたでしょうけれど……」

この二人は、契約させてはダメだ。まどかはもちろん、さやかもだ。

外野臭過ぎ

まどか「ほむらちゃんかっこいい///」

まどか「私もあんなふうになりたいな!よし契約!」

みたいな可能性が常に潜んでるのがまどかの怖いところ

>>82
それはお前の認識だろう
普通は公式扱いしてるぞ

ほむら「魔法少女なんて、好んでなるものではないわ」
さやか「………っ」
ほむら「今日初めて魔法少女の事を知って、その全容もわかったでしょう?魔法少女は常に命がけの戦いを強いられる。
      やれネコを助けたいだとか、やれ幼馴染を助けたいだとか。そんなチンケな願いで魔法少女になるなんて許さない」
さやか「な、なんでそれを……っ」
ほむら「………」

何も言わない方がいいのか。それともここで全てをぶちまけるべきか、逡巡する。

QB「暁美ほむら。キミが何を思おうと結構だけれど、他人の願いを否定するのは関心しないね」
ほむら「黙りなさい、インキュベーター」

今まで物陰から傍観を決め込んでいたキュゥべえが、不意に姿を現す。

QB「! ……へぇ、僕の正体を知っているんだね」
ほむら「ええ、それはもう。わかったのなら黙りなさい。黙らないのなら、今ここであなたを始末してもいいのよ?」
QB「……やれやれ、ここは撤退を決め込んだ方がよさげだね」
ほむら「………」

それだけ言い残し、キュゥべえもこの場を立ち去った。

>>84
普通、一般的、常識…。

これら程便利で中身の無い単語はないな。
途端に尤もらしい雰囲気が出る。

あんこちゃんのうんまい棒で魔法少女がキリングマシーンになるのはまどポだけ!

漫画、小説、おりこ、かずみ、ドラマCD、ゲーム
お前らにとってどれが公式でどれが非公式なんだよ
どうせ自分に都合の良いものだけだろ?

まどか「あ、あの、暁美……さん?」
さやか「………」
ほむら「……あなたたち、これから時間はある?あるのなら、わたしの家へ行きましょう。そこで、全てを教えてあげるわ」

わたしの言葉を受けて、二人は顔を見合わせる。

まどか「……うん、暁美さんの家に、行くよ」
さやか「何を教えてくれるのか……聞きたいところだしね」
ほむら「………」

二人の決意を目前にして、わたしも決意が固まった。
うまく行こうが、失敗しようが。この世界で、わたしの時間遡行の旅も終わりにする。

ほむら「ああ、それと、もうひとついいかしら?」
まどか「?」
さやか「?」
ほむら「わたしの事は……ほむら、で構わないわ」

さやかの呼び方はともかく、まどかに『暁美さん』と呼ばれるのは違和感があるし、何より悲しい。

さやか「……ん、わかったよ、ほむら」
まどか「………」
ほむら「まどか、あなたは?」
まどか「………うん。ほむら、ちゃん」

殺風景な、わたしの家に帰ってくる。

まどか「ここが……ほむらちゃんの家、なんだね」
ほむら「ええ。何ももてなす準備はないけれど、座って」

まどかとさやかのお茶だけを用意して、それぞれ適当に座る。

さやか「………それで?話したいことって何さ?」
ほむら「まずひとつ。わたしは、この世界の人間ではないわ」
さやか「っ!?」
まどか「ど、どういうことっ?」

わたしの話を、所々質問を繰り返しながら、二人は聞いてくれる。

ほむら「………これが、わたしの知っている全て」
まどか「………」
さやか「………」

魔法少女の真実や、わたしの目的、それ以外にも今まであったことを全てをぶちまけた。

マミさんはあんこちゃんが持って言ったよ

まどか「そん、な……」
さやか「………」
ほむら「信じる信じないは、あなたたちの自由。だけど、これだけは心に留めておいてちょうだい。
      さやか、あなたの幸せは魔法少女の先にはない。
      まどか、あなたは幸せ云々以前に、わたしの目的そのもの」

これでいい……。アクシデントはあったが……とりあえずのわたしの思惑通りだ。

まどか「でも、わたしたちの幸せって……ほむらちゃんは、それで幸せなの!?」
ほむら「わたしのことなんてどうでもいい。わたしの全ては、まどか。あなたなのだから」
まどか「っ……」

これだけ言ってもまだまどかが契約するのなら。それはもう、わたし一人の力ではどうにもならなかったことだったと言うだけの話になる。

さやか「でも、それじゃ、恭介は……っ!」
ほむら「………彼についてなら。ひとつだけ、可能性がないこともない」
さやか「えっ?」

ほむら「巴マミが魔法少女となった経緯、話したでしょう?」
さやか「えと……確か、交通事故で失われそうになった自身の命を繋ぎとめる為……だったっけ」
ほむら「彼の左腕の症状は?」
さやか「……事故で、神経がボロボロになった……って言ってた」
ほむら「……そう、マミの祈りは『繋ぎとめる』為の祈り」

これは、今までの時間軸では一度も試されたことのないことだ。

ほむら「彼女の魔法なら、あるいは……ボロボロになった彼の神経を、『繋ぎ合わせる』ことが出来るかもしれない」
さやか「ま、マミさん……?」
ほむら「試してみる価値はあるんじゃないかしら?それでも治らないのなら。それが彼の運命だったと言うことになる」

あくまで『試してみる価値はある』程度のことだ。現代医学では治らない、奇跡か魔法でしか治らないというのなら……。

さやか「………でも。今更、マミさんに頼むことなんて……」
ほむら「彼女も、今は傷心しているものね。しばらくは、そっとしてあげた方がいいかもしれないけれど……。
      彼女が落ち着いたなら、頼んでみるといいんじゃないかしら?」
さやか「う、うん。……ありがとう、ほむら」

でもさやかが命を賭けて願った奇跡がマミさんの魔法やアメリカの名医に負けるのはな

美樹さやかはこれでいい。後は……

ほむら「まどか……いえ、鹿目まどか」
まどか「っ……」

あえて、フルネーム呼びをする。

ほむら「どう?全てを知って、それでも魔法少女になる勇気はある?」
まどか「……わかんないよ。ほむらちゃんの言ってること」
ほむら「………」

わからない?何がわからない?わたしは丁寧に説明したはずだ。

まどか「どうして……わたしとの約束の為に、そこまで頑張れるの?」
ほむら「………」

今度は、わたしが考える番だった。
どうして、まどかの為にここまで頑張れるのか?そんなこと……

ほむら「………」

いけない、考えては。また、わたしのソウルジェムが濁ってしまう。

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SS誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

朝鮮人はほむらことヒョ・ミヨム

名無しをNGに入れると静かになるよ

幾多のキュゥマミSSを見たがいまだにこのネタを使ったキュゥマミSSはない
パターン1
マミ「あなた誰なの?」
QB「確かに “この僕” は、三時間ほど前まで君のそばにいたのとは別の個体だよそちらは暁美ほむらに撃ち殺された」
黒い魔法少女。暁美ほむら。あの女だけは、絶対に許さない。
まどか「わたしの願いでマミさんのそばにいた子を蘇生すれば、ほむらちゃんのこと許してあげられませんか?」
マミ「今日も紅茶が美味しいわ」
パターン2
QB「うううっ……マミ、どうして、死んじゃったんだよ、マミを蘇らせて欲しい」
まどか「私の願い事はマミさんの蘇生。叶えてよインキュベーター!」
パターン3
マミ「あなた誰なの?」 QB「前の個体は処分した」
QB「『前の僕』、は精神疾患を『患い』かけていたからね。『僕達』にとっては、『煩わしい』存在でもあったしね」
こんな感じの旧QB蘇生キュゥマミ魔法少女全員生存ワルプルギス撃破誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

ほむら「どうしてか、なんて。理由なんてない」
まどか「………」

そうだ。あの時には、まどかを助ける為に、ただそれだけの為に、わたしは契約を決意したんだ。
今も、その想いが消えたわけじゃない。

ほむら「お願い、まどか。わからないなんて、言わないで?」
まどか「………」
ほむら「あなたに理解してもらえなければ……わたしが今まで頑張ってきた理由が、なくなってしまう」

眼を閉じて、契約した時の事を思い出す。
あの時は、確かにわたしとまどかの気持ちは伝わりあっていたはずだ。
なのに、今は。わたしとまどかの心の距離が、こんなにも遠い。

さやか「………ほむら?」
ほむら「……っ…ひっく……」
まどか「………」
さやか「……ごめん、まどか、ほむら。なんだかあたし、邪魔者みたいだね。先に、帰ってるよ」

さやかは、最後にわたしの姿を一瞥して。この場を去って行った。

>>141
コテと忍者以外全員消えるからやめるんだ

Live2chなら空白をNGにするだけで静かになるぞ
コテや忍者、そして名無しすら居らず、自分さえも見失う、白の世界(ブラン・エ・カルマ)へと誘われる。

>>146

     ノ´⌒`\           ∩___∩    ━┓     /  
  γ⌒´     \          | ノ\     ヽ.   ┏┛   /
 .// ""´ ⌒\ \       /  ●゛  ● |   ・    /.    ___   ━┓
 .i /  \   ,_ i )\      | ∪  ( _●_) ミ     /     / ―  \  ┏┛
  i   (・ )゛ ´( ・) i,/ \    彡、   |∪|   |    /     /  (●)  \ヽ ・
 l u   (__人_).  | .   \ /     ∩ノ ⊃  ヽ /     /   (⌒  (●) /
_\  ∩ノ ⊃ /  ━┓\  ∧∧∧∧∧∧∧/     /      ̄ヽ__) /
(  \ / _ノ |  |.  ┏┛  \<         >    /´     ___/
.\ “  /__|  |  ・     <   ━┓   >    |        \
―――――――――――――<.   ┏┛   >―――――――――――――

      ___    ━┓     <    ・     >.          ____     ━┓
    / ―\   ┏┛     <         >        / ―   \    ┏┛
  /ノ  (●)\  ・       /∨∨∨∨∨∨\      /ノ  ( ●)  \   ・
. | (●)   ⌒)\      /            \     | ( ●)   ⌒)   |
. |   (__ノ ̄  |    /    / ̄ ̄ヽ  ━┓  \   |   (__ノ ̄   /
  \        /   /    / (●) ..(● ┏┛   \  |            /
    \     _ノ  /      |   'ー=‐' i  ・      \ \_   ⊂ヽ∩\
    /´     `\/        >     く          \  /´    (,_ \.\
     |      /      _/ ,/⌒)、,ヽ_         \ |  /     \_ノ
     |     /         ヽ、_/~ヽ、__)  \        \

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/17(火) 21:58:05.80 ID:oKJIWVI80
ほむらちゃん。

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/17(火) 22:20:41.53 ID:oKJIWVI80
ほむらちゃん!!

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/17(火) 22:25:15.36 ID:oKJIWVI80
ほむらちゃん・・・!

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/17(火) 22:27:39.83 ID:oKJIWVI80
お前ら黙れよ


ワロス

>>146
おまえマミさんだろ?

まどか「ほむらちゃん……?」
ほむら「………」

言葉が、出てこない。何を言ったら伝わるのか?どう言葉にしたら、まどかはわかってくれるのか?
思考がめちゃくちゃになる。

まどか「わたし、わたしは……」
ほむら「まどか……っ?」
まどか「ほむらちゃんが、どれだけわたしの事を大切に思ってるか……それは、わかったよ」
ほむら「っ! そ、それじゃあ……っ」

涙を拭い、まどかの顔を直視する。

まどか「今は、わたし、この命を対価にしてまで叶えたい願いはない。でも、これから先、もしそれが見つかったら……」
ほむら「そ、それは……っ」

正論だ。確かに、全てを知って、それでもまどかが叶えたい願いを持つことがあったなら。
それは、もう、わたしの力ではどうしようもないことになってしまう。

>>151
ブタさんはイタリア贔屓だろ

                      (ω・` )

                       {  人 ゙ヽ、
                      ノ´r‐''''ヽ、} ヽ
                    - '´ ,ノヽ   i   }
                    / ,'      }  ,{
                   ! :      ,∧ノ ゙i
                   、 .{     , '"´、 ∨, }
         >>155        ヽァ-、,/i    ヽ∨! 
        ( ´;ω)-=- o゚ 。 i r'´  } ,.-‐'" ',.}'
      (⌒二二二二⊃二⊃  i._,.ゝ- 、     /|
     /  ノ-‐-、, ――― ' /´     ',   / |
     (  〉   `ヽ`ー‐‐''''''''",,... -‐‐‐-.ノ  /   |
     ヽ ヽ、 >/..__ `ー‐--.. -‐ ''"´,. .リ ,...ノヽ

      ヽ \_>―--=、._      ,..-‐'"´ヽ.  ',
       \ \  ̄\   〉ー---‐'" / ノ   ',  }
          \ \`\ \ / 〉 、"´ /′/     ', }

                      (ω・` )

                       {  人 ゙ヽ、
                      ノ´r‐''''ヽ、} ヽ
                    - '´ ,ノヽ   i   }
                    / ,'      }  ,{
                   ! :      ,∧ノ ゙i
                   、 .{     , '"´、 ∨, }
         >>155        ヽァ-、,/i    ヽ∨! 
        ( ´;ω)-=- o゚ 。 i r'´  } ,.-‐'" ',.}'
      (⌒二二二二⊃二⊃  i._,.ゝ- 、     /|
     /  ノ-‐-、, ――― ' /´     ',   / |
     (  〉   `ヽ`ー‐‐''''''''",,... -‐‐‐-.ノ  /   |
     ヽ ヽ、 >/..__ `ー‐--.. -‐ ''"´,. .リ ,...ノヽ

      ヽ \_>―--=、._      ,..-‐'"´ヽ.  ',
       \ \  ̄\   〉ー---‐'" / ノ   ',  }
          \ \`\ \ / 〉 、"´ /′/     ', }


      (´;ω;`)>>156 ウッ…
    γ⌒    ⌒ヽ
    / )ヽ 、_、_, \ \

    {  ⌒ヽ-'巛(  / /
    . ''' ――‐‐'^ (、_ノ
         / //  /

      (´;ω;`)>>157 ウッ…
    γ⌒    ⌒ヽ
    / )ヽ 、_、_, \ \

    {  ⌒ヽ-'巛(  / /
    . ''' ――‐‐'^ (、_ノ
         / //  /

しかも見ず知らずの過去の魔法少女たちにまで同情して、
過去も未来も全ての魔女をこの手で消し去る可愛い
ちょいと病的っすよ…

まどか「わたしね、守れない約束は、したくない」
ほむら「………っ」
まどか「だから、絶対に契約しない、って、言いきることは出来ない」
ほむら「まどかぁっ……」

わたしは知っていたはずだ。まどかが意外と頑固であること。

まどか「ごめんね、ほむらちゃん。ほむらちゃんの気持ちは嬉しいけど……」
ほむら「………」
まどか「……わたし、帰るね。話してくれて、ありがとう、ほむらちゃん」
ほむら「………………」

何も言い出せないわたしを置いて。まどかも、わたしの家を後にする。

>>161
    _, ,_  
ヤダァ(`Д´(ω・´)<おじさんが君の布団でオナラしてあげるよ
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄|
|  | ̄ ̄ ̄ ̄|  |

|  |  @  @|  |
|  |@  @  |  |
|  |____|  |

|__________|



(⌒ ⌒;:゙:ヽ.' 。    /.    ゚
从 `(´⌒;`:;ノ:人;;⌒`:" / 从 。
.(´;(´⌒(;・"⌒`);/`):';⌒`)`)。.' ゚
。((;;; _, ,_). " :';))’: (⌒ ⌒;:゙:
  (`Д´(ω・´) ゚(⌒ ;:゙。:ヽ.'/)
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄|`):';⌒`)`)。.' ゚
|  | ̄ ̄ ̄ ̄|  |⌒`).(´;(´⌒(;・"⌒`);

|  |  @  @|  | ブボボ!ブボボボボボボボボボボボボ!!!
|  |@  @  |  |⌒`) :; 从 )
|  |____|  |(⌒)) \ ))

|__________| ヽ

>>167
               ,-=-,、
              .i   |
              |l   |     /~'i

      _       .|ヽ ノi     /   |
     /  ~ヽ,      |   |    /ヽ,, ./
     ヾ   \     .|ヽ ノi    /   /
      \ノ  ヽ,    |   |   /ヽ ,,,./
       ヽ   ヽ   |   'l~-ノ  ../
        \、ノ ヽ,,ノjヽ  ノ "  ノ
          ヽ,  丶     ヽ,, ヽ
     ___/ヾ ノ          .ヽ,
  / ̄ ̄    ~-:;;:;             \,,.
 /~' )_ソ_ )         /         ~=,,,,,
 \ノ   ̄ ̄|~        /         /   ̄^^~ヽ

        i,       /ヽ  _,,,,,    (,,,      i
        |ヽ,,-,,   ノ   `   _,,,,,/i ̄ ~`──-"~"''丶,
        ヽ  ̄=二=-----"~~^/     ./.゙゙゙゙゙   .l゙~゙゙゙゙ ヽ\

         \ヾ-=-  ___ノ      .i´ ri⌒.'li、 .'⌒ヽ  'i::`i,
           ~-,,,__,,,,...ノ/ '"=-.;,,,. _ | ′ .゙゜  .゙゙゙″ .:::l::::::!
             ~~~~~^^          .|,   ,r'!ヾ・ ヽ,  .::::.|:::::::i
                  ̄¬-、       .i,  ./,r──ヽ, :::::::i::::,r'    お前ももう消した!
                      ̄¨\ .  ゙ヽ、  .ヾ!゙゙゙゙゙゙'''ヽ、_ノ `ヽ
                         ヾ.   `'''゙i ._____ l /ヽ    \

                          ヽ    .゙ヽ ___ノ’      \

まどかはじつにばかだなあ

ほむら「………」

日が落ちた。わたしの部屋も、闇に包まれている。
文字通り、詰みだ。
わたしが出来ることは…………………多分、もう、何一つとして残されていない。

ほむら(どこで間違ったの、わたし……?)

重い気持ちで、それでも頭を回転させる。
どこで間違ったのか?多分、答えなんてない。
だって、わたしは、わたしが正しいと思ったことだけをしてきたのだ。
その正しいと思ってしてきたことを否定することなんて、わたしには出来ない。

ほむら(わたしは……本質は、弱いままだもの)

何も出来なかった。魔女の結界に閉じ込められ、殺されそうになったところを、マミとまどかに救われた。
何も出来なかった。ワルプルギスに立ち向かうマミとまどかを、ただ見守るしか出来なかった。
何も出来なかった。契約しても、幾度時を遡ろうとも、まどかを救えなかった。
何も。何も。何も。
ああ、じゃあ、わたしは一体何をしてきたんだろう?
周囲の闇は、わたしの心さえも蝕んでいるようだった。

マミ
デブ
ブタ
ピザ
マブ
デミ
ブミ
ピミ
マザ
デザ
ブザ
ピタ
マタ
デタ
ブブ

ほむら(もう、もう、わたしは……)

そうだ、わたしは。

ほむら(何も出来ない……まどかを救うだなんて、一人の人間を救うなんて、そんな大それたこと……)

そんな、大それたこと。わたしには、出来るはずなんてなかったんだ。
後は。まどかがその魂を対価にして叶えたい願いが見つけられるのを、待つしか出来ないんだ。

ほむら(待つだけ……?ふふ、それもいいんじゃないの、わたし……?)

闇が、わたしの心を捕まえたのだろうか。どす黒い感情が、渦を巻いて滲みだしてくるようだった。

ほむら(まどかが契約をするのなら……そんな世界のまどかなんて……)

どうでもいい。どうでもいい?まどかが?どうでもいい?

ほむら「もういやだわまどかなんてどうでもいい」

何の違和感も伴わずに。その言葉が、すんなりとわたしの口を通って出て来た。

うへへへへへいえいひひひひひひひひひぎひひひひあがははあははははははははは!!!!!!

いきなり「あなたを救うために何度も時間をやり直してる」とか言われて
はいそうですかで納得できたら概念化もいらないな

>>188
じゃあ俺が言ってやる
今 す ぐ 死 ね

マミさんは杏子ちゃんがオナホにしてるよ

ほむら「ふふ……あははは……」

何故だか、笑いがこみ上げて来た。
何がおかしい?何故わたしは笑っている?
全てを諦めたから?そうだ、きっとそうだ。もう、わたしの心は。

ほむら「あははははははははははは……」

さっきの言葉を形にした時点で、壊れてしまったに違いなかった。

ほむら「そうよ!どうでもいい!まどかを救えないわたしになんて、祈りが成就しなかった魔法少女なんて……!!」










ほむら「この世に、必要なんてないじゃない!!!」

ピシリ。
わたしの耳に、何かにヒビが入る音が聞こえた。
音の出所は、わたしの魂。わたしのソウルジェムからだった。
そして、それが。わたしが『暁美ほむら』としての意識で受け止めた、最期のものだった。

>>189
無関係の単発IDになんて事言うんだ!!
死…いや…

生 き な が ら の 業 苦 を 味 わ え

はいホムリリーさん来ました~
http://i.imgur.com/kfYuL.jpg

あ、ミスった
こっちだ

http://i.imgur.com/Vhl9G.jpg

>>197
酷いミスだwwwwwww

べーべーで上げる奴は今死ね
直ぐ死ね
骨まで砕けろ

                              ~巴マミ~

薄暗い部屋の隅に、うずくまっていた。
わたしは、何を成そうとしていたのか。
それが、わからなくなっていた。

マミ(……一般人を巻き込むだなんて、わたしは何を考えていたの?)

わたしは、正義の魔法少女を志していたはずだった。
わたしの思い描く正義の魔法少女は、一般人なんて巻き込まないはずだ。
なのに、なぜ、今日はそんなことをした?

マミ(…………)

答えは簡単だった。長い間一人で戦っていたわたしは、佐倉さんという仲間が出来て嬉しかったのだ。
そして、佐倉さんはとある事情を伴って、わたしの元から去ってしまった。
また、一人ぼっちに逆戻りしたのだ、わたしは。
だから、仲間が欲しかった。一緒に並んで戦ってくれる仲間が。

マミ(………そうよね。孤独に耐えられる人間なんて……いるわけないもの)

そして、今日。一緒に戦ってくれそうな魔法少女が、一人、姿を現してくれた。
暁美ほむら。
キュゥべえは『彼女はイレギュラーであり、油断ならない存在だ』と言っていたけれど。
例えイレギュラーであろうと。わたしは、それでも仲間が欲しかった。

マミ(でも、その暁美さんにも、わたしは突き離された)

わたしが、わたしの勝手で、鹿目さんと美樹さんを巻き込んでしまったせいで。
わたしは知っていたはずだ。暁美さんの目的は、鹿目さんの魔法少女の契約の阻止である、ということを。
それを知った上で、それでもわたしは、彼女を巻き込んだ。
わたしのワガママで。

マミ(突き離されても……おかしくないわよね)

それだけのことを、わたしはしたのだ。
もう、どうしたらいいのかわからなくなった。わたしの目的って、一体なんだったんだろう?

QB「マミ!大変だ!」
マミ「………」

ああ、この忙しい時に。キュゥべえは、本当に空気の読めない子だ。

マミ「どうしたの、キュゥべえ……?」
QB「つい先ほど、強力な魔女が出現したんだ!」
マミ「強力な魔女……?」

珍しい。一日に、二体も魔女が出現するなんて。

QB「キミのソウルジェムも……っ!」
マミ「………」

キュゥべえが、わたしのソウルジェムを見て言葉を失った。

マミ「どうかしたの、キュゥべえ?」
QB「………どうやら……キミに頼ることも、もう出来なさそうだ」
マミ「……え?」

キュゥべえの言葉の意味が、理解出来なかった。キュゥべえの視線の先。そこには、わたしのソウルジェムがあったはず。
テーブルに置いてある、わたしのソウルジェムを見る。

マミ「………?」

なんだ。おかしい。確かに『そこ』にはわたしのソウルジェムがあったはずなのに。
わたしが見た先。そこにあったのは、わたしのソウルジェムではなく、魔女の卵。
『グリーフシード』があった。

QB「………さようなら、マミ」
マミ「キュゥ……べえ……?」

唐突に、別れを告げられた。

QB「そして、ようこそ」

テーブルの上に置かれているグリーフシードは、孵化寸前だった。
……いや、もう孵化しているのかもしれない。

マミ「キュゥべえ、わたしのソウルジェムはどこに……?」
QB「キミの視線の先にあるじゃないか。まぁ、それはもうキミのソウルジェムではなくなってしまっているけれどね」
マミ「……まさ、か……?」

グリーフシードが、疼き始める。
それと同時。わたしの意識が、少しずつ遠のいて行く。

マミ「こ、れ、が……わたしの―――」

『わたし』の言葉は、そこで途切れた。

                              ~美樹さやか~

ほむらの家を後にしたあたしは、家に帰る気にはなれなかった。
どこかで、気分転換をしよう。
そう決め込んだわたしの足は、自然と恭介が入院する病院に向かっていた。
その道中。

さやか「………?」

商店街の方が、なにやら騒がしかった。
道の向こうから、一人の……多分、あたしと同い年くらいの女の子が走り抜けて来る。

??「っと……」

あたしの横を走り抜ける一歩手前で、ポケットから『ある物』を取りだした。

さやか「! そ、それ……」
??「あん?なんだ、お前?」

それは、マミさんやほむらが持っていたものと似ていた。
似てる、なんてもんじゃない。色だけが違う、綺麗な宝石。

さやか「ソウルジェム……?」
??「……あんた、魔法少女を知ってんのか?」

さやか「新しい魔法少女……?」
??「マミの知り合いかなんかか?悪いけど、あたし、急いでるから。んじゃな!」
さやか「あ、ちょっと……!」

あたしの制止も気に留めず、その女の子は再度走り去って行った。

                              ~佐倉杏子~

ほんの思いつきで見滝原に帰ってきたが、どうやら大正解だったみたいだ。
見滝原の中に、少なくとも二体の魔女がいる。

杏子(ははっ、やっぱこうでなくっちゃな……!)

さて、どっちから行ってやろうか。走りながら、考える。

杏子(……?こっちの方角って、確か……)

片方の魔女の気配がする方向。覚えがあった。

杏子(なんだよ、マミの奴。見滝原を守るとか言っといて、魔女放置しまくりじゃん。自分の家周辺にいる魔女すら放置してるだなんて)

よし、決めた。最初はそっちから行ってやろう。
マミとはち合わせたなら……今のあたしなら、きっとマミにだって勝てる。
その自信があったからこそ、こうして見滝原に来たわけだしな。

杏子(待ってろよ、魔女!)

足取りは軽やかに。マミの家に向かって、走り続ける。

あんあんの本気が見れると聞いて

杏子「……………どういうことだよ、オイ……」

魔女の気配を追って、辿りついた先。
そこは、マミのマンションの前だった。

杏子(この建物の中から……だよな、間違いなく)

手のひらに乗っけたソウルジェムを、そのマンション向けて掲げる。
ソウルジェムは、そこに魔女がいるということを示唆するかのように、強く光を放っている。

杏子(マミの奴、どこかに行ってんのか……?)

まぁ、深く考えることはねぇか。邪魔者はいないし、魔女の気配はすぐそこにある。
何を迷うことがあろうか。ささっと狩ってささっと退散を決め込めばいい。

マンションの部屋の前を、宝探しをするかのようにうろつく。
ソウルジェムがより強く反応する部屋。そこに、魔女が結界を張って待ち受けているはずだ。

たまにはマクロスもビックリの超大空中サーカスをする魔法少女アニメがあってもいいと思うんだ

QB「ワルプルギスの夜を倒せるのはまどか、君だけなんだ」

コブラ「こんなかわい子ちゃんに戦いは似合わないぜ!」バーン

ワルプルギスの夜「」

まどか「コブラさんすごーい」




ほむほむ「まどか取られた」

さやか「ザマァwwwwwwww」

より一層強く反応した部屋の前で立ち止まる。
………嫌な予感がして、その部屋の表札を見る。


『巴マミ』


杏子「……………」


疑念が、強まって行く。何故、マミの部屋から魔女の気配がする?
もう辺りは暗い。マミの部屋の電気はついていない。と言うことは、マミはここにはいないか、既に就寝した後か。
いや、後者はありえない。夜とは言っても、まだ時刻は八時を回っていない。いくらなんでも寝るには早すぎる。

杏子「………」

思考を中断し、魔女結界に侵入する。

杏子「……あいつが、魔女か」

結界の中枢。そこには、小さな魔女がふわふわと浮かんでいた。

キャンデロロ「ウフフフフフフ。アハハハハハハ」
使い魔1「………」
使い魔2「………」

杏子「……」

魔女は、二種類の使い魔と一緒に茶会を開いているように見えた。
その使い魔のウチの一種。赤色をベースにした、槍兵。
似ている。誰に?誰でもない、あたしにだ。

杏子(おい、マミ……一体何があったってんだよ……。………?)

ふわふわと浮かぶ魔女の、さらに向こう。誰かが倒れているようだった。
眼を凝らして、その姿を確認する。

杏子「………―――!!」

それは、まぎれも無く、巴マミだった。

もう1種類の使い魔は何モチーフなんだろ?

杏子「てめぇっ!!!」

思わず叫んで、その魔女の前に立ちはだかる。

キャンデロロ「アハハハ?」
使い魔1「……」
使い魔2「……」

魔女と二種の使い魔が、あたしの方に向き直る。
片方は赤い槍兵。そしてもう一体の使い魔は、黒をベースにした、盾のようなものを腕に付けた奴だった。

杏子「マミに何をしやがったっ!!?」

激情を押さえることなく、槍を持って突撃を仕掛ける。

あかいろさん「……!」
杏子「! ちっ……!」

赤い使い魔が、あたしの前に立ちはだかった。その手に持った槍で、あたしに攻撃を仕掛けて来る。

キャンデロロ「アハハハ。ウフフフフフフ」

魔女はその後ろで、ふわふわと浮かびながらあたしと使い魔の戦いを傍観していた。

杏子「邪魔だっ!!」

槍を引きのばし、多節根を展開する。

あかいろさん「……!?」

引き延ばした多節根は使い魔の体にぐるぐると巻きつき、その動きを止めた。

杏子「どいてろぉっ!!」

手に持っていた部分を大きく横に凪いで、使い魔を放り投げる。

杏子「っ!? 魔女はどこに……!」

いつの間にか、魔女が姿を消していた。代わりに、黒い使い魔が光を放っていた。

杏子「な、何を……っ!?」

少しの迷いが、命取りだった。
黒い使い魔は飛びあがり、どこから出したのか大砲をあたし目掛けて放ってきた。

杏子「ぐっ……があああああぁぁぁぁっ!!?」

砲撃をモロに食らい、結界の壁まで一気に吹き飛ばされる。

杏子「ぐぅっ……くそっ……」

今の攻撃。覚えがあった。
マミが使っていたはずだ。確か、名前は……。

杏子「ティロ・フィナーレ……っ!!」

手に持った槍を支えにして、立ち上がる。
目の前に佇む黒い使い魔に視線をやると、その体の中からちっこい奴が飛び出て来た。
……魔女だ。

キャンデロロ「アハハハハ!ウフフフフフフ!」

ふわふわと浮かびながら、嫌な笑い声を響かせていた。

杏子(なんだってんだ……っ!)

この魔女は、あまりにもマミを連想させすぎる。
あたしに似た、赤い槍兵の使い魔。
大砲による砲撃。
そして何より、先程の使い魔たちとの茶会の光景。

あかん、あんこがオフィっちまう

杏子(ちっ……分がわりぃ。一時撤退しかねぇか……っ!)

実際の戦いの分も悪いが、それ以上に。
冷静に思考を巡らせたかった。
何が起こっているのか?マミはどうしたのか?

杏子(すまねぇ、マミ……!)

魔女の後方に倒れ込んでいるマミを一瞥し、あたしは撤退を決め込んだ。

キャンデロロ「アハハハハハ!」

しかし、それは叶わなかった。
ここまでやって来た時の道のりが、消え失せていたのだ。

杏子「………ハン。にがさねぇってか?そんなとこまでマミそっくりたぁな……!」

覚悟を決めるしかない、か。
出来る限り、体の傷を癒す。先程吹き飛ばした赤い使い魔も、いつの間にか復活していた。

杏子「いいぜ、来いよ……!」

槍を構え、臨戦態勢を整える。

これだよこれ
俺が読みたかったのはこういう鬱なんだよ
まあでも最後はハッピーエンドなんだろ?な?

杏子「はぁっ、はぁっ……!」

あれから、どれくらいの時間が経過したのだろうか。
魔女本体にも、何回か攻撃を当てることは出来ていた。
しかし、それ以上に。二体の使い魔が、あたしを妨害してくるのだ。

杏子「くそっ……!」

胸元のソウルジェムを確認する。魔法の使いすぎで、かなり濁っていた。

杏子(ははっ……予備としていくつかグリーフシードを持ってくりゃあよかったな……)

今更そんなことを悔いても遅かった。

杏子「ならっ!」

槍を地面に突き刺し、壁を作る。
これで、あいつらはあたしに近づけねぇはずだ。
あたしの思惑通り、奴らは壁の隙間からこちらを見ているだけだった。

杏子(これで、少しは休めるな……)
QB「誰が戦っているのかと思ったら、キミだったのか、杏子」
杏子「っ!?」

後方から、声が聞こえて来た。

QB「やあ」
杏子「ンだよ……キュゥべえか……」

QB「強いだろう、あの魔女は?」
杏子「ああ……強いのもそうだけど、なんてーのかな。戦いにくい。

その理由までは、言わない。あたしはこいつのこと、信用してねぇんだ。

QB「戦いにくい?何故だい?」
杏子「おめーにゃ関係ねぇよ」







QB「あの魔女が、マミと似た攻撃をしてくるからかい?」
杏子「……………。どういうことだ」

こいつ……何を知ってやがるってんだ?

もしここにエンジェル隊がいたら

これって全インキュベーターの消滅を願えば一人の犠牲でトゥルーエンドじゃね?

だってほむほむは既にリリってるし・・・

QB「どういうも何もないさ。見ていたらわからないかい?」
杏子「………」

わからないわけない。

QB「何故そうなのか、気にならないかい?」
杏子「……やめろ」
QB「キミも、魔法少女の真実は知らなかったよね?」
杏子「やめろって言ってんのが聞こえねぇのか」
QB「この機会に、教えてあげるよ。あの魔女は―――」
杏子「うるせぇっっ!!!」

饒舌にしゃべるキュゥべえを、槍で貫く。

杏子(ああ、そうだよ、わかってるさ!!この状況で、わかんねぇわけねぇだろうがっ!!)

ようやく、全てのピースが繋がった。
あの魔女は………―――マミ、そのものだ。

君の亡骸よ

杏子(ははっ……今更じゃねぇかよ)

あたしには、希望なんてもう何も残っちゃいない。
今のあたしの人生は、高すぎる買い物の釣銭を稼ぐ為だけの人生だ。

杏子「………」

魔女とあたしを隔てていた壁を、取っ払う。
しかし、魔女も使い魔も、あたしに攻撃を仕掛けて来る気配はなかった。

キャンデロロ「………」
あかいろさん「……」
くろいろさん「……」

あたしの出方を窺っているようだった。

杏子「おいマミ……お前、こんな姿になってよかったのかよ……?」
キャンデロロ「………」
杏子「お前、正義の魔法少女じゃなかったのかよ……」
キャンデロロ「………」
杏子「はは、あたしの言葉もわかんねぇのかよ……参ったな……」

魔女の横を通り抜け、マミの亡骸に近づく。

杏子「………」

ゆっくりと、安らかに眠っているように見えた。

杏子「あたしがいなくなって、また一人ぼっちで、寂しかったのか、マミ?」
キャンデロロ「………」
杏子「寂しかったんだろうな……だからこそ、そんな使い魔を生み出したんだろ?」
キャンデロロ「………」
杏子「もう一人の方はなんだ?あたしの後に出て来た魔法少女を写してんのか?」
くろいろさん「……」

高すぎる買い物の釣銭……もう、十分かな。

杏子「悪かったな、マミ……一人ぼっちにして」
キャンデロロ「………」

魔女結界が、微かにうごめいた。

杏子「……?」
キャンデロロ「………」

魔女が、道を開いた。
その向こう。無くなっていたはずの道のりが、再び姿を現していた。

杏子「なんだ?逃げろって言いてぇのか?」
キャンデロロ「………」
杏子「はんっ……お人よしなのは相変わらずだな」

キスしたら目覚めるざます

>>272
その後のグリーフシードの処理は?
などなど結局バットエンドだよなぁ~

再び魔女の横を通り抜け、結界中枢から出る。

キャンデロロ「………ウフフフ。アハハハハハ」
あかいろさん「……」
くろいろさん「……」

あたしが出て行ったのを確認したのか。中枢への道を閉ざしながら、魔女はまた使い魔と一緒に茶会を開くようだった。

杏子(………)

とりあえずは、この結界から出よう。
態勢を立て直して、再度戦いを挑んでやるよ、マミ。

後ろ髪を引かれる思いをしながら。あたしはマミの元から再び逃げ出した。

>>281
うまく願えばいいと思う
例えばその時点の消滅じゃなく、歴史からの完全消滅
となると今消えるのではなく『存在しなかった世界』に作り変えないと因果律の崩壊で世界が滅ぶ
もしこの願いで世界が保っていられるなら、世界にはいあいあふたぐんなマキナがいるはずだから
そうなれば『願いを無効化してインキュベーターを存続させるか、魔法のない世界にするしか道がない』
ここで更に賭けに勝てば完全に魔法の存在しなかった世界になるのだが
当然人類は魔法によって進化してきた設定なので、辻褄を合わせるために歴史が大きく変化してしまう
最悪人類が消滅するかも知れないが、それもまた美徳
何をもってトゥルーかなんて知ったこっちゃない、とりあえず人類がいない世界は俺にとってハピネスエンド

夜の公園。ねぐらのホテルに帰る気にもならなかったあたしは、ベンチに座って空を見上げていた。

杏子(……なんだかなぁ)

見滝原に来た時は、こんなことになるとは思っていなかった。
ただ、魔女を倒してグリーフシードを手に入れるつもりだっただけなのに。
そして、マミとも……仲直り出来たらな、なんて考えてたはずだったのに。

杏子(………そいや、もう一体の魔女の気配は……)

いつの間にか、もう一体の魔女の気配は消え失せていた。
どこかへ消えたのか?

杏子(……まぁ、いいか。あたしにゃ関係ねーし……)

結局その日は、公園のベンチで一夜を明かした。

さあ続けるのだ……

>>283
長ぇしうるせぇよ

じゃああたしを追い出したら?くすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくす

                              ~美樹さやか~

恭介のお見舞いには、結局行かなかった。
CDを持って行っても恭介を苦しめるだけだ。
なら、もう。あとは、あたしに出来ることはなにもない。

さやか(………はぁ)

深夜の公園に辿りつく。家には、友達の家に泊まるとだけ連絡を入れていた。
今日は、本当に色々なことがあった。
魔法少女の事も知った。恭介の腕がもう治らないと言うことも、知った。
それは、ほむらの言うとおりマミさんに頼めばなんとかなるかもしれないけれど。

QB「やあ、さやか」
さやか「………キュゥべえ」
QB「こんな夜中にどうしたんだい?」
さやか「……別に」

あたしが魔法少女になれば……今すぐにでも恭介を救うことは出来る。らしい。
でも、それは……ほむらに止められているし。

QB「キミに教えておかなければならないことがあるんだ」
さやか「……なにさ」

QB「巴マミが、魔女となった」
さやか「…………………。え?」

今、なんて……?マミさんが、魔女に……?

QB「それだけじゃない。暁美ほむら。彼女もまた、魔女となってしまったよ」
さやか「う、そ……?」

つい数時間前に会っていた二人が……魔女になった?

QB「これで、キミの想い人の腕を治すことは叶わなくなってしまったわけだ」
さやか「………うそ、でしょ?」
QB「僕は嘘はつかないよ。そんなことをしても、僕にはなんのメリットもないからね」
さやか「………そんな……」
QB「でも、ひとつだけ、まだ希望は残されているよ、さやか」

嘘だ。うそだうそだうそだうそだうそだ。

QB「キミが魔法少女になれば、今すぐにでもキミの想い人の手は治るだろう」
さやか「で、でもそれは………」

まどか以外魔女化は面白そう

ほむらから聞いたこと。
あたしの幸せは、魔法少女の先にはない。

QB「よく考えるんだ、さやか。キミの幸せとは、一体なんだい?」
さやか「あたしの、幸せは……」

あたしの幸せ。ほむらはああ言っていたけれど。あたしの幸せは、一体なんなの?

QB「彼の腕が治れば、キミはそれだけで幸せなんじゃないのかい?」
さやか「………」

混乱してくる。そりゃ、恭介の手が治ればあたしは嬉しいけど。
でも、でもそれは。

さやか「あたし、は……」
QB「素直になるんだ、さやか。キミの幸せは……?」

さやか「恭介の手が、治れば……それは、あたしの幸せ、なのかな……」
QB「もしそうなら。キミが少し望むだけで、キミは幸せになれるよ、さやか」

幸せに、なれる……?
本当に……?

さやか「本当に、あたし、幸せになれるのかな……?」
QB「もちろん!キミがほんの少しだけ、手を伸ばせばね」

手を、伸ばす。そこには、あたしの幸せが―――

QB「さあさやか、聞かせてくれ。キミの願いは………?」
さやか「あたしは……恭介の手を、治してほしい………」








QB「契約、成立だね」

なんという営業スキル

ついさっき自分に忠告してくれた人がもう死んでるって状況でよく契約できるよな

さやかも自分を犠牲にする覚悟云々って何かで読んだな

朝日の眩しさで、あたしは眼を覚ました。

さやか(あれ……あたし、どうしてたんだっけ……?)

ふと、手の中にある感触に気付いた。

さやか「………」

それを、空に掲げる。
青いソウルジェム。あたしの……魂。

さやか(ああ、そうだ……あたし、契約したんだったっけ……)

昨夜の出来事を思い出す。
ふらりと立ち寄った公園。そこに、キュゥべえが姿を現した。
そこで、キュゥべえの言葉を信じて、あたしは………。

さやか(………ふふ。バカみたい、あたし……)

あたしは、一体何をやってるんだろう。
ほむらの忠告も、結局はなんの意味も成さなかった。

さやか(………)

こんなことをしたって。意味なんてない。あたしの幸せは……魔法少女の先にはない。
その言葉だけが、あたしの頭の中をぐるぐると回っていた。

  /\___/\
/ ⌒   ⌒ ::: \

| (●), 、(●)、 |    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|  ,,ノ(、_, )ヽ、,,   |  < はやく
|   ト‐=‐ァ'   .::::|    \_____
\  `ニニ´  .:::/
/`ー‐--‐‐―´´\

??「おい」
さやか「……?」

誰かに話しかけられていることに気付き、あたしはベンチから起き上がる。

??「なにやってんだ、お前は?」
さやか「……あんた、昨日の……」

話しかけて来たのは、昨日の商店街ですれ違った女の子だった。

??「それ……ソウルジェムか?」

手のひらに乗っかっている青い宝石を指さし、そう聞いて来る。

??「へぇ……マミ以外にも、この町に魔法少女なんていたのか」
さやか「いや、あたしは昨日の夜に契約したばっかりだよ」
??「んだよ、新米か」
さやか「そういうあんたは?」
杏子「ん?ああ、あたしは佐倉杏子。前に、この町にいた魔法少女と一緒に戦ってた魔法少女だ」

佐倉杏子……。

さやか「この町にいた魔法少女って……マミさん?」
杏子「なんだ、マミのこと知ってんのか」

                _∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_
     デケデケ      |                         |
        ドコドコ   <  お前らうるさいぞ          >
   ☆      ドムドム |_  _  _ _ _ _ _ _ _ _|
        ☆   ダダダダ! ∨  ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨
  ドシャーン!  ヽ         オラオラッ!!    ♪
         =≡= ∧_∧     ☆

      ♪   / 〃(・∀・ #)    / シャンシャン
    ♪   〆  ┌\と\と.ヾ∈≡∋ゞ
         ||  γ ⌒ヽヽコ ノ  ||
         || ΣΣ  .|:::|∪〓  ||   ♪
        ./|\人 _.ノノ _||_. /|\
            ガッガッガッ
         ドチドチ!

さやか「………」

マミさんの昔の仲間……。

杏子「まぁ、これでも食いな」

そういって、リンゴを投げ渡してくる。

杏子「しっかし、この町は一体どうなってやがんだ」
さやか「………」
杏子「おい、聞いてんのか?」
さやか「………あはは」
杏子「ど、どうしたんだよ?急に笑ったりして?」
さやか「聞いて、杏子」
杏子「……お前の名前、まだ聞いてなかったな」
さやか「ああ、あたしは美樹さやか」

丁度よかった。この子に、聞いてもらおう。
バカなあたしの話を。

名無しと◆をNGにいれると幸せになれるよ

杏子「さやか……な」
さやか「うん。マミさんのこと……知ってる?」
杏子「あん?まぁ、一応はな」
さやか「マミさん、魔女になったんだって」
杏子「……………ちょっと待て」

この事は知らなかったのかな?

杏子「まさかお前……それを知った上で、契約したってーのか?」
さやか「うん、そうだよ」
杏子「っ……はぁ。なんなんだ、全く……」

杏子は、あきれ果てたとでも言うように頭を掻いていた。

さやか「それだけじゃないよ。他にも、色々知ってる」
杏子「………」

無言。でも、一応はあたしの話を聞いてくれるらしい。
あたしは、ひとつずつ、じっくりと話し始めた。
杏子はそれを、黙ってただただ聞いていた。

ダメだ限界
寝る
落ちてたらまた明日最初から投下するから許してくれ

                  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\

                 /:.ノ(          \           ,,              ,,.    ,.
                /: : : ⌒             \        / |   /| /|     _,,.r':/  /::|
                / : : : : ._          _    \     /:::::i  /::i |:::::i  ./'''"´:::::/ ./:::::::|
               | : : : :   ´⌒\,, ;、  、、/⌒`.  l     /::::::::i  |::::! .i::::::i /::::::::::,,.//:::::::/
.                  |: : : ::;  ( ◎ ) ノヽ ( ◎ ).;;:: |    i::::::::::i  i::::i i:::::::i/:::;.r''" /:::::::/
               |: : : : :   ´"''" ,      "''"´  l     i:::::::::i. i::::i,/i:::::/'"´ ./:::::::/
                \ : : :     (    j    )  /      i:::::::::i. i:::/::::i:::/  /:::::::/
               ,r''"\: :   .`ー-‐'´`ー-‐'′/         i:::::::::i i/:::::::i/:| /::::::::/   
              f!: : : : :: : :           ト、        i:::::::::"::::::::::/ |:::::::/
              i!: : : !: : : : :             ヽ.       i:::::::::::::::/  i::/      
           ! i ./: : .i i: : : : :: : ;!ii:::i:      :i:i  i       i:::::::::/     i/      
            | i!i/: : : : !l|r"-'"-i| i`i|‐、     :i'   i,        i::::::::i            
            |,イ|,,..r''"!l|  i!  |ヽi  `i    :,./.   ',     / .  i:::::::i         
           ,r'''! |i!       ii |  | |`i  i: :// ',   ヽ.,.r"/.    i:::::::i
    i、     /  !       ,,,,.i! l-ー|--i!、 .i:/ ./ :'i,'.,.,,,.r'" /    .i:::::::i
\   i \  /i     ,,..r''"  i! i.   !  i! l .i  ./:: ;;ir''"  /ヽ  .   i::::/
  \ !  .\/ .:i.              |   i ヾ、./:r''"    /  ヽ.   i/
   `'    / .::/             .!|,,.rヾ、,,ノ       /ヽ.   ヽ、
.      〈 .::::i  i  |    ,,..-‐ ''"|i   i       /  ヽ、   .ヽ、
       ヾ;::ヽ、i  !            /      /,,,,..... --''' "´

 ―-―――ヾ;::::i   !   !|i        !|/ヾ;― ==
          ヾ:i,  |i.  !||    i |i ,,.r"!|   〉
           `i、 ||  |i   i ||'"    /
            .ヽ||           i|'
.              i'ヽ、      ,,.r''"!i
            ....:::::::::ヽ|i,,,,,|,,..r''":::::::.......

言い忘れてたけど、明日仕事だから投下開始は夕方五時以降になる
無理に保守しなくてもいいよ

夜が明けるまでは任せろ

>>341
俺のソウルジェムが砕けた

ゆっとゆっとりーん

でもゆとりのない社会のおかげで自殺者が減らないよね
お米の国の自殺者が少ないのは餓死と病死が極めて身近にあるからだよあの国は潜在的自殺者の宝庫だよ

保守程度で落ちないVIPが悪い

むしろこの文章ならまとめてSSろだに上げる価値があるんじゃないかと思う

散々メアリースーと叩かれている藍花だが、
それでも「おりこ」に比べればまだ可愛いもん
あれが公式から出たらおまえら「おりこ」みたいに絶賛してたんじゃね?

お前等が言う地の文(笑)があるなら百合板でもエロパロでも行けばいいんじゃないかと
VIPは台本形式しか書けないかわいそうな子の餌場なのよ

おりこは「悪くない」とか「意外と面白い」って評価は稀に聞くけど
絶賛してる奴なんて見たことないぞ

それもそうだな。絶賛というのは言い過ぎた。
個人的には「悪くない」どころか、
まどマギ愛が冷める出来だったがな「おりこ」は。

落とそうぜ

刺々しくっていうか、昔は2chであっても考察の違いで争いなんて起こらんのよ
最近はほんの少し対立しただけで、敵対されてると錯覚する子が増えてる気がする

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  ●            ●            ●
    ●         ●           ●
      ●       ●         ●      __( "''''''::::.
        ●    ● ●      ● ____,,,,,,---'''''''"""" ヽ   ゛゛:ヽ
         ●  ●    ●  ●:""""  ・    ・  . \::.    丿エ~デルワ~イス
          ● ●    ● ●:::        ・......::::::::::::彡''ヘ::::....ノ    エ~デルワ~イス
           ●       ● ::::::::::;;;;;,,---"""
            ●●●●●

本質的には変わってないんだろうけど、昔の場合は個人ではなく家や血統とした組織体に依存していたから
否定されても敵対する必要がない程度には後ろ盾があったのも確か
今はより意識が個人化してきたせいで、メンタルの弱さが際立ってしまっている
確か遺伝子と意識の関係の本をどっかで読んだ事があるな、思い出せん

落とせよ

落とさないよ

落ちていなければ立てられないという概念を超える

派閥争い怖いわぁ

ここはブラン・エ・カルマ

まさか残ってるとは
保守感謝

さやか「………」
杏子「……っ」

あたしは、ほむらから聞いた話を全て杏子に話した。

杏子「お前、バカだろ?」
さやか「………うん。自覚はあるよ」

キュゥべえの言葉に流されただなんて、そんな言い訳じみたことは言わない。
だって、あたし、全部知ってたんだもん。

杏子「このソウルジェムが……あたしたち魔法少女の魂、ねぇ……」
さやか「信じられない?」
杏子「まぁ、にわかには信じられねぇかな」
さやか「はは……まぁ、確かにあたしも実際に見たわけじゃないし」

無理に信じてもらおうだなんて、そんなつもりはなかった。

さやか「でもさ。ひとつだけ、確かなことはあるよね?」
杏子「?」
さやか「こうして、あたしが契約したってことは……恭介の腕は、治ってるよね」
杏子「そりゃ、まぁ……でも、買いものと言うにはでかすぎるもんを払ってるんだぜ、お前?」
さやか「………わかってる」

やった、大勝利

杏子「甘いな。なんもわかってねぇよ、お前は」
さやか「………そうかもしれない、ね」
杏子「で?お前はこれからどうすんだ?」
さやか「………」

そうだ。もう、人間とは呼べない体になって。あたしは……これから、どうするつもりなんだろう?

さやか「………」

答えは、出てこなかった。ただ、恭介の腕が治るんなら。
あたしは、命を掛けてもいいって、そう思っただけだったんだ。

杏子「……なんも、考えてなかったか?」
さやか「ホント、バカみたい。何やってんだろ、あたし」

魔法少女になることなんて、正直言うと二の次だった。
恭介の腕を治す対価として、あたしは、あたしの魂を支払った。
ただ、それだけのつもりだった。

杏子「うし、わかった。今のお前、放っておけねぇ」
さやか「え?」
杏子「あたしたち魔法少女が絶望したら、魔女になるってんなら。今まさに絶望を迎えようとしてるお前を放っておくことはあたしには出来ねぇよ」
さやか「……杏子……」

杏子「とりあえず、その坊やんとこ行くぞ」
さやか「恭介の、ところに?」

こんな体になって、恭介のところに?

さやか「一体、なんの意味があるってのさ?」
杏子「今でもあんたは、その坊やの事が好きか?」
さやか「っ……」
杏子「人間じゃなくっても、自分の想いを、伝える覚悟はあるか?」
さやか「それ、は……」

そんな覚悟は、無い。ほむらが言っていたことだ。
『あたしの幸せは、魔法少女の先にはない』
あたしは、それを、受け入れればいいのかな。

さやか「ううん。この気持ちは、もう、あたしの中に永遠にしまっておく」
杏子「なら、別れを言わなきゃな」
さやか「……どっちにしても、行くことには変わりないんだ」
杏子「当たり前だ。ほら、行くぞ」

そう言って、杏子は。あたしの手を引っ張って、立ちあがらせた。

ほっしししし

病院の中、通い慣れた病室に辿りつく。

さやか「………」
杏子「何怖気づいてんだよ、さやか?」
さやか「……ありがと、杏子。優しいんだね、あんた」
杏子「礼を言われるようなことなんてなんもしてねぇよ。ほら、ドア開けろ」

杏子のひと押しを受けて、そのドアを開ける。
中では、恭介がいつものようにベッドに腰かけていた。

恭介「?」

ドアが開かれたことに気付いた恭介が、あたしたちに視線を向ける。

恭介「さやか?学校はどうしたの?」
さやか「っ……」

いつも通りだ。いつもの……恭介だ。

さやか「あ、あははっ!サボってお見舞いに来ちゃった!」

だから、あたしも。
いつも通りを装って、恭介に返事をした。

さやぁぁん……

恭介「サボりって……はは、どうしたのさ、さやか?」
さやか「な、なんかおかしかったかな?」

漠然とした質問にさえ、あたしの心臓が跳ねる。

恭介「そんなに、僕に会いたかったの?」
さやか「え、えっと……」

返答に詰まる。なんて答えたらいい?
会いたかったのかと聞かれれば。そんなのは当然だった。
でも……ダメだ、考えるのはやめよう。

恭介「今日は、友達も一緒なんだ?」
杏子「……」
恭介「こんにちは。名前、教えてもらってもいいかな?」
杏子「……佐倉杏子だ」

杏子も、無愛想ながら質問に答える。
そうして、あたしと恭介と杏子の三人で。
他愛も無い話を、続けた。

杏子「さやか。そろそろ行くぞ」
さやか「………うん」

まだ。もっと話したい。
だって、これが最後なんでしょ?
だったら。あと、少しだけ。

恭介「? これから、何か用事でもあるの?」
杏子「ああ、大事な用がな」
さやか「ゴメンね、恭介。もうちょっとゆっくりしたいんだけど……」

そうだ。ちょっとと言わず、ずっと。
ずっとこの時間が続いて欲しい。

恭介「……さやか?」
さやか「っ……」
恭介「どうしたの、さやか?なんだか……様子、おかしいよ?」

ああ。
恭介。
ありがとう。ゴメンね。好きだよ。
伝えたいことはたくさんあったけれど。どれも、言葉にすることは許されない。
今は、ただひと言だけ。

さやか「…………さよなら、恭介」

    /\___/ヽ

   /    ::::::::::::::::\
  . |  ,,-‐‐   ‐‐-、 .:::|
  |  、_(o)_,:  _(o)_, :::| うわぁ……
.   |    ::<      .::|
   \  /( [三] )ヽ ::/
   /`ー‐--‐‐―´\



 _| ̄|_    //ヽ\

 |      '|/ / ノ  "´ ̄ ̄''''‐-...ノヽ
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よし、上条さんを魔法少女にしようか

杏子「よかったのか?あんな別れ方で」
さやか「………」

あの後。唐突に別れを告げられた恭介は、なにがなんだかわからないと言った様子で。
そんな恭介を置いて、あたしと杏子は病院を後にした。

さやか「いいんだよ。これで」

あたしは、ただ恭介の腕が治ってくれればそれでいい。
後悔は……たくさんあるけど。それでも、なんだか清々しい気分だった。

杏子「……さやかが納得してんなら、あたしは口出しはしねぇけどさ」
さやか「……うん」
杏子「そしたら、次だな」

杏子は、懐からソウルジェムを取りだした。
淡い光を放っている。

さやか「………魔女の気配?」
杏子「ああ……マミの魔女、だ」
さやか「………」

そうか。放っておくわけにも、いかないもんね。

杏子「もう一人……お前の知り合いの、ほむらっつったか?そいつの気配はねぇけど……」
さやか「………とりあえず、マミさんのところにいこっか」
杏子「……そうだな」

杏子の後について、マミさんのマンションまでやってくる。

杏子「昨日から、移動してねぇのか……」
さやか「……ここ、に?」
杏子「そうだ。お前も、自分のソウルジェムを見てみろ」

ポケットから、あたしのソウルジェムを取りだす。
あたしのソウルジェムも、杏子同様の反応を示していた。
……いや、それ以上の光?

さやか「ねぇ、杏子……?」
杏子「なんだ?」
さやか「杏子のソウルジェムより……反応、強いような気がするんだけど?」
杏子「昨日、あたしは一度ここに来てマミと戦ってるからな。それからソウルジェムは浄化してねぇから、その時の穢れは取り除けてねぇんだ
     多分、そのせいで反応が違うように見えるんだろ」
さやか「………」

なんだか、嫌な予感がした。

さやか「急ごう、杏子!」
杏子「あ、ちょっと待て、さやかっ!」

先に飛びこんだあたしを追うように、杏子も結界に入り込む。

魔女結界の中枢に辿りつく。
そこには、黄色い光を放つ小さな何か。赤い姿をした槍を持った何か。
黒い姿をした、腕に盾をつけた何か。
それと……………もう一体。
黒いオーラを纏った、禍々しい『何か』がいた。

さやか「………あの黒いオーラを纏ってるのが、マミさん?」
杏子「…………」
さやか「杏子?」

返答が無いことに不安を覚えたあたしは、杏子の顔を見る。

杏子「………なんだよ、あいつ……」
さやか「え……?」
杏子「昨日来た時はいなかったのに………っ!!」

杏子の視線が捉えているモノ。
それは、黒いオーラを纏った『何か』だった。

杏子「さやかっ!!行くぞっ!!」
さやか「えっ!?う、うんっ!!」

槍を構えて突撃を仕掛ける杏子の後に続いて、あたしも魔女の前に躍り出る。

キャンデロロ「………ウフフフフ、アハハハハハハ」
あかいろさん「……」
くろいろさん「……」
??「――――」

あたしと杏子の姿を確認した『奴ら』は、それぞれ身構えた。
ただひとつ。黒いオーラの何かだけは、そこから微動だにしない。

杏子「てめぇらはどうでもいいっ!!おい、そこの黒い奴!!!」
??「――――」
杏子「なんだ、お前はっ!?昨日はいなかっただろっ!?」
??「――――」

黒いオーラの何かは、杏子の言葉にも全く反応しない。

杏子「ちっ……おい、聞けさやか」
さやか「な、何?」

杏子「あの黄色いちっこいのが、マミだ。赤い槍使いと、黒い盾持ちの奴は恐らくマミの使い魔」
さやか「え、じゃ、じゃああの黒いオーラの奴は!?」

??「――――」

杏子「なんだかよくわかんねぇけど……マミとは、恐らく全く別物の何かだ!気ぃつけろ、さやか!!何をしてくるかわかんねぇぞっ!!」
さやか「う、うんっ!」

杏子は右から、あたしは左から魔女たちを挟撃しようとする。
黄色い何か……マミさんはその場を動かない。
あたしの方には、赤い槍使いの使い魔が。
杏子の方には、黒の盾持ちの使い魔が。
それぞれ、襲って来た。

さやか「くっ……!」

手に持った剣を、不器用に横一線に薙ぐ。
赤い槍使いの使い魔は、そんなあたしの攻撃を、軽々といなしていた。

あかいろさん「……」

攻撃をいなした直後、その槍をあたしに向けて突きだしてくる。

さやか「っつ……!!!」

なんとか、その攻撃を剣で防ぎきる。

さやか「こんのぉっ……!」

剣を両手で持ち直し、態勢を整える。

あかいろさん「……」

使い魔は、すぐさま追撃をしてくる。

さやか「くっ……」

その攻撃を、すんでのところで回避。
しかしバランスを崩してしまった為、反撃を加えることは出来なかった。

あかいろさん「……」
さやか「まだまだっ…!」

杏子「がああああああぁぁぁぁぁっっ!!?」

さやか「っ!!?」

杏子の悲鳴が耳を貫いた。その一瞬の隙を突いて。

あかいろさん「……」

使い魔が、槍を主軸に回転し、あたしに渾身の蹴りを放ってくる。
回避は……間に合わなかった。

さやか「ぐぅぅぅううううあああぁぁぁっ…!!」

杏子とあたしは、結界の壁まで吹き飛ばされていた。

杏子「ぐぐぅっ……!!」
さやか「はぁっ……うぐっ……!」

脇腹にクリーンヒットしたせいで、しっかりと立ち上がることが出来ない。
杏子は杏子で、槍を支えにしてなんとか立ち上がれていると言った有様だった。

あかいろさん「……」
くろいろさん「……」
キャンデロロ「………アハハ」

魔女とその使い魔は、追撃を仕掛けてこない。
黒いオーラの何かが、そこで初めて動き始めた。
………マミさんに向かって。

さやか「な、にを……っ?」

よろよろと力なく立ち上がりながら、黒いオーラの何かの動きを見る。
そいつは、マミさんの前でその動きを止めた。

??「――――――」
キャンデロロ「アハハハハハ。ウフフフフ」

杏子「……おい。まさか。やめろ」
さやか「杏、子……?」

あたしには、あいつが何をしようとしているのかが全く分からないが。
杏子には、何をしようとしているのか、わかっているようだった。

??「――――――――」
キャンデロロ「ウフフフフフフフフフフフ」

杏子「やめろっ……!!」

杏子が動こうとしたところで。赤い使い魔と黒い使い魔が、杏子の両腕を封じていた。

杏子「離せ、てめぇらっ……!!」
くろいろさん「……」
あかいろさん「……」

そいつは、手をマミさんに向けて伸ばしていた。
マミさんは逃げようとしない。

そして、マミさんは。
黒い何かに、掴まれた。

杏子「やめろやめろやめろやめろっ……!!」
さやか「………え?」

マミさんを掴んだ黒い何かは。
マミさんを、その体内に取り込んでいた。

さやか「ま、マミ……さん……?」
杏子「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」






ホムリリー「―――……アハハハ」

黒い何かは。小さな笑い声を放っていた。

結界が、晴れて行く。
マミさんが形成していた、結界が。
それと同時に、杏子の動きを止めていた二体の使い魔も、ゆっくりと消滅して行く。

杏子「てめぇぇぇぇぇえええええええええっっっ!!!!」

動けるようになった杏子は、黒い何かに向かって一直線に突撃していた。

ホムリリー「アハハハ……」
杏子「マミを返せぇぇぇぇええええっ!!」

激情に任せ、槍を大きく横に振り回した。
その攻撃は、そいつに届くことはなかった。

ホムリリー「アハハハハハハハハハ……」

黒い何かは、逃げて行く。
まるで、ここでの目的は果たしたと言わんばかりに。

杏子「待てこのヤロオオオオオオオオオ!!!」

逃げるそいつ目掛けて、槍を投擲する。
それが到達する前に、そいつは姿を消した。

さやか「………」

あたしは、一部始終を見守ることしか出来ないでいた。

杏子「くそっ……くそぉぉぉぉぉっっ!!」

杏子の咆哮が、主のいない部屋に響き渡る。

さやか「杏子……何が、起きたの……?」
杏子「っ……マミは……あの黒い奴に取り込まれたんだ」
さやか「取り、込んだ?」

一体、なんの目的があって?

杏子「くそっ……せめて、あたしの手で楽にしてやろうと思ってたのに……ちくしょうっ……!!」

変身を解いた杏子は、脱力したかのようにその場に座り込んだ。
杏子の手から、ソウルジェムが転がり出て来る。
結界の中に入る前よりも、更に穢れが溜まっているようだった。

さやか「ちょっと、杏子……」
杏子「………」

そのソウルジェム……そろそろ、ヤバいんじゃない?
そう言おうと思っても、言葉が出てこなかった。

杏子「……悪い、さやか。ちょっと、一人にしてくれ……」
さやか「………」
杏子「………頼む」
さやか「……わかったよ。でも、約束して、杏子」
杏子「………」
さやか「あたしの前から……黙って、いなくならないでよ?」

今のあたしの心の拠り所は、杏子しかいないんだから。

杏子「ああ……わかってる」
さやか「それじゃ……あたし、出てるね」

マミさんのマンションに杏子を一人残して、あたしはその場を後にした。

                              ~佐倉杏子~

杏子「………」

辺りが、静寂に包まれた。
マミの遺体は……結界と一緒に、消滅しちまったらしい。

杏子(マミ……)

助けることが出来なかった。それだけじゃない。
その魂を、救ってやることすら、出来なかった。

杏子「あの黒い奴……一体、何モンだ……?」

いや、何者だろうと関係ない。
マミを取り込んだあいつは、あたしが必ずこの手で倒す。
絶対に。……絶対にだっ!!

QB「やあ、杏子」
杏子「キュゥべえ?」

まただ。なんでこいつは、ひとりで考え事をしている時に限って邪魔をしにくるんだ。

QB「ここにいると言うことは、見たんだね?」
杏子「………何の話だよ」
QB「あのイレギュラーの魔女をさ」
杏子「イレギュラーの魔女……?」

やっぱり、あの黒い奴は魔女だったのか。
まぁ、それ以外には考えられねぇんだけど。

QB「あの魔女の正体。気にならないかい?」
杏子「……知ってんのか、あの魔女がなんなのか」
QB「もちろん。で?知りたいかい?」
杏子「………お前が知ってることを、全部話せ」

あの魔女のことを少しでも知れたら。弱点もわかるかもしれない。

QB「さやかから、暁美ほむらの話は聞いているかい?」
杏子「ああ。イレギュラーの魔法少女のことだろ。魔女になっ……―――」

まさか。

QB「……どうやら、僕の口から語るまでもないようだね?」
杏子「あの魔女は……そいつが魔女化した奴だってのか……?」
QB「うん、そうだよ。何を考えているのかはわからないけれど……」
杏子「………っ」

ホントに、なんなんだ。
あたしは、ほんの軽い気持ちで見滝原に来ただけだってーのに。
次から次へと、異常事態が起こりやがる。

QB「あの魔女は強力だ。キミとさやかが二人がかりでも、勝てるかどうかわからないね」
杏子「だったらなんだ?勝ち目がなくったって、あたしはマミの仇を取る為に、あいつと戦う」

そうだ。あいつが何者だろうが、あたしには関係ない。
あたしにとって、あいつは。ただの、マミの仇でしかない。

QB「そうかい。まぁ、キミ達魔法少女は魔女と戦うことが宿命付けられているからね。僕も止めるつもりはないよ」
杏子「……もうお前に用はねぇ。消えな」
QB「やれやれ、仕方ないな」

キュゥべえの野郎、何しにここに現れやがった?
ただあたしに、情報を与える為に来ただけか?

杏子(……あいつが、そんなことをする奴かよ)

まぁ、キュゥべえのことなんてどうだっていい。
あたしの目的は決まった。
暁美ほむらの魔女。
あたしは、あいつを倒す。

杏子(………今は、とりあえず)

もう少しだけ、この部屋にいよう。
マミとの思い出が詰まった、この部屋に……。

ほんま、まどかさんは空気やでぇ

                              ~美樹さやか~

杏子をマミさんのマンションに置いて出て来たあたしは、学校へと来ていた。

さやか「………」

もう、あたしも日常に戻ることは出来ないし。
最後に、まどか達と別れを告げるのも、必要だよね。

時刻は、ちょうど帰りのホームルームのところだった。
教室のドアを開ける。

和子「? あれ、美樹さん?」
さやか「お、おはようございます」

なんと言ったらいいのかわからず、朝の挨拶をする。

まどか「さ、さやかちゃん……」
さやか「……」

席に着く。

和子「え、ええっと……美樹さんが来たけれど、帰りのHRももう終わり……なんだけど」
さやか「ああ、あたしのことはお構いなく」
和子「……美樹さんは、後で職員室に来るように。それじゃ、HR終わり!」

HRが終わると、あたしの近くにはまどかと仁美が来ていた。

まどか「なにがあったの、さやかちゃん?学校に連絡は入ってないって話だし、ほむらちゃんもマミさんも学校には来てないし……」
仁美「何か、事件にでも巻き込まれましたの?」
さやか「……まぁ、色々とね」

こんなあたしを、心配してくれる人たちがいてくれるんだ。
ちょっと、嬉しいかな。

仁美「もう少しさやかさんとお話したいのですが……わたくし、今日もお稽古事があるので、行かなければなりませんの」
さやか「ん、あたしのことは気にしなくっていいよ」
仁美「……明日、ゆっくりとお話しましょう、さやかさん」
さやか「………」

返事は出来ない。だって、今日であたしが学校に来ることは、もうないんだもん。

さやか「……………仁美」
仁美「はい?」
さやか「………恭介のこと、よろしくね」
仁美「え?」
さやか「あたしから言いたいのは、そんだけ。ホラ、急がないと稽古事に遅刻するんじゃないの?」
仁美「………」

仁美は訝しげな顔をしていたが、結局何も言わずに教室を出て行った。

まどか「さやかちゃん……?上条くんをよろしく……って……?」
さやか「………」

まどかには、全てを話そう。
それが、あたしの役目だ。

さやか「まどか、時間、ある?」
まどか「え……?」
さやか「ちょっと、話したいことがあるんだ。屋上、行こう?」
まどか「う、うん……」

まどかは戸惑っているようだったが、頷いてくれた。


屋上に出て来る。

さやか「んーっ!風が気持ちいいねぇ!」

この屋上に来るのも、今日で終わりだと思うと名残り惜しかった。

まどか「それで、さやかちゃん。お話って……?」
さやか「………うん」

さやか「あたしさ、魔法少女になったんだ」
まどか「えっ!?」
さやか「ホラ、これ」

手のひらに乗っかっているソウルジェムを、まどかに見せる。

まどか「どうして……?」
さやか「まぁ……色々とあって、ね。それも、今から話すよ。全部、ね」
まどか「………」

昨日の夜から今までにあったことを、ひとつずつ話し始める。
ほむらの家を出た後のこと。
公園で、キュゥべえが現れて、そこで契約したこと。
マミさんとほむらが魔女化したこと。
新しい魔法少女が現れたこと。
恭介に別れを告げて来たこと。
明日からは、あたしも学校には出てこないこと。

まどか「……ほ、ほむらちゃん、が……?」
さやか「……うん。その辺りは、キュゥべえが詳しく知ってるかも、ね。キュゥべえ!聞いてるんなら出ておいで!」
QB「………」

白い獣が、姿を現した。

ほむらちゃんならサイコガンを手に入れたよ

さやか「ほむらが魔女化した、って言ってたよね?」
QB「ああ、そうだったね」
まどか「ど、どうしてほむらちゃんが……?」
QB「キミと分かれた後、すぐにだったよ」
まどか「わたしと……?」

その辺りの話は、あたしも初めて聞く。
あの後、まどかとほむらに一体なにがあったんだろう?

QB「ほむらが魔女となった姿は、さやかも既に一度見ているだろう?」
さやか「え?」
QB「あの黒い魔女のことさ」
さやか「………」

ああ。あの黒いのが、ほむらの魔女だったんだ。

まどか「も、もしかして、わたし、が……?」
QB「自分を責めるのはよくないよ、まどか。彼女は、彼女の絶望に飲み込まれた。ただ、それだけのことさ」
さやか「………」

よくもまぁ、ここまで口が回るものだ。関心してしまう。

QB「それと、もうひとつ。巴マミの魔女は、暁美ほむらの魔女に取り込まれた」
まどか「そ……そん、な……」
さやか「まぁ、あたしが契約した一端がそれだしね」

マミさんが、恭介を助ける頼みの綱だった。
そのマミさんが魔女になっちゃったからこそ、あたしは契約に踏み切った、とも言える。

QB「暁美ほむらの魔女は強い。さやかと杏子では、勝てるかどうかわからない」
さやか「………」
まどか「……わ、わたしは……」
QB「まどか。キミが契約してくれれば、きっと暁美ほむらの魔女を倒すことが出来ると思うよ?」

こいつは、まどかまでをも魔法少女の宿命に巻き込むつもりなのか。

まどか「………」
QB「キミが契約しなければ、さやかも杏子も死んでしまうよ?」
さやか「まどか、やめときなって」
まどか「さ、さやかちゃん……?」

魔法少女なんて。ならなくて済むのなら、ならないに越したことはない。

さやか「ほむらのお願い、忘れたわけじゃないでしょ?」
まどか「っ……」

さやか「まぁ、もうそのほむらはいないし。自身の魂を対価にしてまでなりたいって言うんなら、止めはしないけど」
まどか「さやかちゃんは……怖くないの?」
さやか「んー、どうだろ。もう、色々と吹っ切れたって感じかな」

例え人間じゃなくなったって言っても。
今のあたしには、杏子がいるし。

さやか「怖いか怖くないかって言われたらちょっと困るけど。もういいかな、って気はするかな」
まどか「………」
QB「僕も、今すぐとは言わないよ。でも、決意が固まったなら、いつでも呼んでくれ。キミが呼んでくれれば、僕はどこにでも姿を現すからね」

キュゥべえはそれだけ言い残すと、屋上から飛び降りてこの場を去った。

まどか「………」
さやか「ま、そういうこと」
まどか「さやかちゃん……」
さやか「そんじゃ、あたしは杏子のところに帰ろうかな」

今のあたしの居場所は、杏子の隣だ。

まどか「わ、わたしも、その、杏子ちゃんに、会いたい……」
さやか「……別に構わないけど」

まどかを連れだって、あたしは学校を後にする。

まどか「さやかちゃん、職員室に行かなくってよかったの……?」
さやか「いーのいーの。もう学校には行かないんだしね」

学校からマミさんのマンションへ向かう。

まどか「ねぇ、どこに行くの?」
さやか「杏子のところだよ。多分、まだマミさんのマンションにいると思うから」
まどか「………」

まどかを連れて、道を歩く。
と、向こうから、杏子が歩いて来るのが見えた。

さやか「あ、杏子ーっ!」

ブンブンと手を振りながら、杏子の名前を呼ぶ。

杏子「………」
さやか「……?」

だが、反応がなかった。

そういやソウルジェム浄化してないな

さやか「ちょっと、杏子っ?」

近くまで歩み寄り、その名前を呼ぶ。

杏子「……え?あ、あぁ……さやかか……」
さやか「どうしたのさ、杏子?ボーっとしてるなんて。らしくないじゃん」
杏子「あの魔女の気配を、ずっと探してんだ」
さやか「……」

黒い魔女。ほむらの魔女。

さやか「……………ちょっと、杏子……そ、それ……」

杏子の手のひらを見る。
そこには、すっかり穢れ切ったソウルジェムがあった。

杏子「まだだ、まだあたしは……」
さやか「杏子っ!しっかりしてよっ!!」

肩を掴んで、激しく揺さぶる。杏子の眼には……もう、正気が宿っていないようだった。

杏子「あいつだけは、絶対に許さねぇ……例えこの体がやられようが、呪い殺してやるんだ……」
さやか「魔女になっちゃダメだよ、杏子っ!!言ったよね、あたしの前からいなくならないでって!!」

うわごとのように呟いていた。

まどか「こ、この子が杏子ちゃん……?」
杏子「なんだてめぇは……あたしの前に立つんじゃねぇよ……」
まどか「え、え……?」
さやか「杏子ぉっ……!」

まどかに向けて伸ばした手を、掴む。その手には、ものすごい力が加わっていた。

杏子「さやか、離せ……あたしとさやかの行く道を遮る奴は、誰であろうと許さない……っ!!」
さやか「この子は敵じゃないよ、杏子っ!!」

必死に杏子に呼び掛ける。

杏子「……さやかがそう言うんなら……信じてやる……」

そう言って、手からゆっくりと力を抜いて行く。

杏子「っ!!」
さやか「えっ……?」

不意に、魔女の気配が訪れた。

杏子「この反応っ……奴だっ!!!」
さやか「あっ、ちょっと杏子っ!?」

杏子は、あたしの手を振り切って、駈け出した。

まどか「さやかちゃん!?杏子ちゃん、一体どうしちゃったの!?」
さやか「まどか、話は後!杏子の後を追わなきゃ……!」

杏子が先頭を走り、あたしがその後に続く。
まどかも一生懸命追ってきているようだったが、あたしたち魔法少女の脚力についてこれるはずも無く。
あたしたちとまどかの距離は、だんだんと離れて行く。

さやか「杏子っ!この魔女って、やっぱりそうなの!?」
杏子「間違いねぇ!!あたしの勘がそう言ってやがるんだ!!」

あたしは走りながら、杏子の手に握られているソウルジェムを注視する。
穢れが、更に蓄積されて行っているように見えた。

さやか(まずい、そのままじゃまずいよ杏子っ……!)

ソウルジェム未浄化+憎悪で魔女化が進むな……

          人
          (  )
         ┌:‐┐

          `|...|´
         /i´Y´`ヽ  
        ハ7'´ ̄`ヽ.

. ━━━━Ol ,イl//`ヘヘ!━━━|>   <マミの仇を討ってやる!

     ∧,,∧リノ(! ゚ ヮ゚ノリ
    /ο ・ )Oニ)<;;>
    /   ノ lミliii|(ヾゝ
   (o_o,イ__ヽ´|(__) ノ~⌒)彡   ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
      ノllllllllヽ| | ̄ノl ノ
     / /~ヽ ノ'''''''~ヽヽ\ヽ_
     ヽニフ|_|   (_/  ヽノ
         (_ヽ

着いた先。
そこは、町外れの廃工場だった。
廃工場の中へ向けて、ソウルジェムは強烈な反応を示していた。

杏子「ぶっ潰してやる……!!」

杏子は走るのをやめ、ゆっくりと歩いて行く。

さやか「杏子、落ち着いて……」
杏子「落ち着いてられるか……!!マミの仇が、そこにいるんだ……ぜってぇ逃がさねぇ……!!」

歩きながら、魔法少女の姿へと変身する。
手には、槍を構えて。

さやか(………ダメ、杏子……)

杏子の後に続いて、廃工場の中に入る。
そこには、見覚えのある魔女の姿があった。

ホムリリー「…………………アハ」

魔女は、あたしたちの姿を確認すると。
短い笑い声を放った。

                              ~佐倉杏子~

杏子「っ……見つけたぞ、このやろおおおおおおおおお!!」

魔女の姿を確認した。
マミをその身に取り込んだ、忌々しい姿をした黒い魔女。
それと同時に、地面に槍を突きたてる。

杏子「速効だ!!」

辺りが地響きで揺れる。
突き立てた槍は、そのサイズを変えて魔女周辺の地面から次々と姿を現す。

ホムリリー「……アハハハ」

魔女は、その攻撃をいとも容易く回避していた。

杏子「まだだっ!!」

右手で地面に突き立てた槍を持ちながら、左手にもう一本槍を出現させる。
それを巨大化させ、魔女目掛けて放り投げる。

ホムリリー「……アハハ」

その槍を、魔女は受け止めていた。

杏子「んなっ……!?」
ホムリリー「アハハハハハハ」

受け止めた槍を、投げ返してくる。

杏子「ちぃっ……!」

間一髪、その槍を回避する。

さやか「杏子!そのまましゃがんでっ!!」
杏子「さやかっ!?」

言われるままに、しゃがみこむ。
と、あたしの頭の上を無数の何かが通りすぎる気配がした。

ホムリリー「アハハハ」

前方を確認する。無数の剣が、舞っていた。
魔女はそれら全ての剣をも、弾き飛ばしていた。

ホムリリー「アハハハハハ」

全ての剣を弾き落とした魔女は、両手を大きく広げていた。

さやか「っ!?な、何を……!?」
杏子「………!!」

魔女の周辺に、禍々しい気配が散乱し始める。

ホムリリー「……アハハ」

そして、両手をあたしたちの方に倒した。
まるで、何者かに『行け』と命じるかのように。
それを合図にして、無数の禍々しい気配があたしたちに迫る。

杏子「さやか、避けろ!!」
さやか「っ……!!」

あれは、強大な魔力の塊だ。
例えるなら、エネルギー弾のようなもの。
それを、あたしたちに向けて放ち続ける。

ホムリリー「………」
さやか「くっ……うぐぅっ!?」
杏子「さやかっ!!?」

無数のエネルギー弾のひとつを、さやかはモロに食らっていた。

さやか「うく……くそっ……」

壁に叩きつけられたさやかは、そのまま気を失った」

ホムリリー「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
杏子「…………何がおかしいんだ、てめぇ……」
ホムリリー「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!」

あたしの呟きなど意にも解せず。
魔女は、腹の立つ笑い声を放ち続ける。

杏子「……うあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

堪忍袋の緒が切れた。
もう、ダメだ。
あたしがどうなろうと、こいつだけは生かしちゃおかねぇ。

あたしの胸元で、ピシリ、という音が響いた。
ははは。これで『対等』だな、この野郎。

うわあああああああ

                              ~美樹さやか~

さやか「……う……」

意識を取り戻し、辺りを確認する。

さやか「……あれ……ここ、は……?」

あたしは確か、廃工場で杏子と一緒にほむらの魔女と戦っていたはず。
でも、今いる場所は、廃工場じゃなかった。
現実離れした空間。

さやか(……もしかして、魔女の結界……?)

ほむらの魔女が、結界を展開したのだろうか。
思考を巡らしていると、少し遠くで轟音が響いた。

さやか(……杏子……まだ、戦ってるの?)

音の出所へ向けて、歩きだす。

さやか「…………なに、これ……」

結界の中枢と思われるところに到達する。
そこでは、ほむらの魔女が何者かと戦っていた。
馬に乗った、赤い魔女。
それも、一体じゃない。全部で三体。
その周辺には、何かの破片が散乱している。

さやか「杏子……どこにいるの……?」

魔女同士の戦いを気にせず、杏子の姿を探す。
いない。
どこにもいない。
どこに行ったの、杏子。
あたしを置いて、いなくならないでって言ったよね?

さやか「杏子……杏子ぉ……」

杏子の名前をうわ言のように呟きながら。
魔女の周りを歩き続ける。

さやかも魔女化しちゃう

ホムリリー「アハハハハ」
オフィーリア「グオオオオオアアアア!!」

魔女の激しい攻撃同士がぶつかり合う。
それによって、周囲に鼓膜が破れるんじゃないかと言う程の轟音が響く。
それでも、あたしは意に介さない。
だって。杏子がいない。
杏子がいなきゃ。あたしはもう自分を保てなくなるよ。
どこ。杏子。
早くあたしにその姿を見せて、あたしを安心させてよ。

さやか「………」

とうとう魔女の周りを、一週してしまう。
でも、杏子の姿は確認出来なかった。
いや、まだ。
一箇所だけ、探してない場所がある。
魔女たちの足元。でも、そこは。
そこに杏子の姿を確認してしまったら。
あたしも、後戻り出来なくなってしまう。

恐る恐る、魔女の姿を真正面に捉える。

ホムリリー「アハハハ」
オフィーリア「グアアッ!?」

ほむらの魔女が、馬に乗った魔女のウチ二体を吹き飛ばしていた。
あの二体は、多分、幻覚だ。
一体だけ、未だにほむらの魔女に攻撃を繰り出し続けていた。

さやか「………」

馬に乗った魔女の足元を、やはり恐る恐る見下ろす。
そこには。
ある意味、あって当然のモノがあった。

さやか「…………………杏……………子…………………」

杏子が。倒れていた。
その胸元には………―――ソウルジェムが、無かった。

砲撃の雨が降る

さやか「杏子おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!」

腹の底から、声を張り上げる。

さやか「どけよ、お前らあああああああああああ!!!」

あたしの叫びが届いたのか。
馬に乗った魔女が、ほむらの魔女を掴んでその場から跳躍して離れる。

さやか「杏子、杏子、杏子おおおおお!!!」

倒れ込んでいる杏子に駆け寄る。
胸元をもう一度確認する。
やはり、ソウルジェムは無かった。

さやか「嘘でしょ、嘘だよね、杏子……どうして……っ!!」

杏子の体を抱き上げる。
腕も、首も、力無くだらんとぶら下がった。

さやか「杏子、そんなぁ………っ!」

もう、ダメだ。何もかも、終わってしまった。
もう、ダメだ。あたしのことを気に掛けてくれた杏子がいなくなってしまった。
もう、ダメだ。あたしは、もうこの世界にはいらなくなってしまったんだ。
ダメだ。ダメだ。ダメだ。

さやか「う、うううううううぅぅぅぁぁぁぁあああああ………」

あたしのお腹の辺りから、嫌な感触が広がってくる。
そこには、あたしのソウルジェムがあったハズ。
ああ、そうか。
魔法少女は、絶望したら魔女になっちゃうんだったっけ。
そしたら、杏子も。
マミさんやほむらと一緒で、絶望して魔女になっちゃったのかな。

さやか「………」

あたしから一定の距離を置いて、ほむらの魔女と……―――杏子の魔女が、戦いを続けていた。

さやか「杏子……あたしがやられたって思って、怒ってくれたの?」

大丈夫だよ。あたしはまだ生きてる。
でも、それも、もう、終わり、かもね。
杏子、付き合うよ。
どこまでも、どこまでも―――

ホムリリィパネェ

ここにまどか来たら手が付けられなくなるな

                              ~鹿目まどか~

まどか「はぁ、はぁ……」

さやかちゃんと杏子ちゃんを見失っても、わたしは走り続けていた。
そして、辿りついた先。
そこは、廃工場だった。

まどか「さ、さやかちゃん……杏子ちゃん……?」

恐る恐る、二人の名を呼ぶ。
当然の様に、返事は無い。

まどか「どこにいるの……?」

それでも、わたしは呼び続けるしか出来ない。

QB「まどか」
まどか「! キュゥべえ……?」
QB「さやかと杏子なら、結界の中でほむらの魔女と戦っているよ」
まどか「結界の中……?」
QB「特別だ、連れて行ってあげるよ。三人のところまで」

キュゥべえが、わたしの前を歩いて行く。
わたしは、その後を追った。

このホムリリーたくさんの魔女を取込んでワル夜殺す気か

>>562
あのさぁ…

>>562
お前・・・

ここまで来るとワルプルギスとかどうでもいい気がする

キュゥべえの連れられて、魔女結界の中に入る。
……初めて入った時の魔女結界とは違う。
光景が違うのは、当然だった。
それ以上に、静かすぎるのだ。

QB「結界の中枢は、向こうだね」
まどか「………」
QB「行ってみるかい?」
まどか「……うん」
QB「万が一ってこともある。僕も一緒に行くよ。いざとなれば、すぐにでも契約出来るように準備もしておくよ」

キュゥべえと並んで、魔女結界の中枢を目指して歩いて行く。
やはり、静かだ。
この結界は……ほむらちゃんの魔女の結界、なのかな?
ふと、わたしとキュゥべえの前に、一体の使い魔が現れた。

クラリッサ「………」
まどか「……あ、あの……」

何故かはわからなかったが、敵対する意思は感じられなかった。
その使い魔は黙って、わたしの前を歩き始めた。

QB「どうやら、案内してくれるようだね。厚意に甘えることにしようか」
まどか「う、うん……」

よく見たら俺も展開先読みしちゃってるな
すまん作者

使い魔の後に続いて、結界の中を進んでいく。
また、新しい使い魔が現れた。

先導役「……」
まどか「あなたも……案内してくれるの?」
先導役「……」

やはり黙ったまま、最初の使い魔の隣に並んで歩いて行く。

QB「ふむ……珍しいこともあるものだね」
まどか「………」

そうして、結界の中枢に辿りついた。

まどか「……………」

状況が、把握出来なかった。

QB「あの黒い魔女が、ほむらの魔女だ」
まどか「………ほむらちゃん……」

中枢に辿りついたところで、二体の使い魔はいつの間にか姿を消していた。

ホムリリー「アハハハハハハハハハハハ」
オフィーリア「グアアアアアアアア!!!」
オクタヴィア「オオオオオオオオオ!!!」

ほむらちゃんの魔女を、二体の魔女が挟撃していた。

まどか「ねぇ、キュゥべえ……さやかちゃんと杏子ちゃんは……?」
QB「何を言っているんだい?ホラ、あそこにいるじゃないか、二人とも」
まどか「……………」

そうだ。理解は出来ているはずなのに。
なんで、わたしはそんなわかりきったことをキュゥべえに聞いたんだろう?
答えは簡単だった。わたしの心が、それを受け入れようとしなかっただけ。

QB「あの馬に乗った赤い魔女が、佐倉杏子の魔女。人魚の姿をした魔女が、美樹さやかの魔女だよ」
まどか「………そんな……こんなのってないよ……」

それじゃ、この光景は。
ほむらちゃんを、さやかちゃんと杏子ちゃんが攻撃してるってことになる。

まどか「ねぇ、キュゥべえ……どうにかならないの……?三人とも、可哀想だよ……」
QB「……どうにかならないこともないけれどね」

オクタヴィアちゃんとオフィーリアちゃん二人相手に互角?に戦うほむリリィさんぱねぇ

魔女3体がバトルだもんなぁ
しかも挟撃してる2体はガチで殺す気満々だし

>>581
キャンデロロ取り込んでるからその分、強くなってるんだろ

まどか「………」
QB「キミが願えばいいんだよ。三人を、元の人間に戻してくれ、って」

こんな時でも。キュゥべえは、契約の話を持ち出すんだ。
これだってわかりきったことだ。

QB「さあ、どうする?キミが願えば、今すぐにでもそれは叶えられるよ」
まどか「………………」

どうするか、なんて。そんなの、決まってる。

まどか「キュゥべえ、わたしは……」

そこまで言ったところで。キュゥべえの体が、跡形も無く吹き飛んだ。

ホムリリー「―――」
オフィーリア「ガアアアアアアア!!」
オクタヴィア「オオオオオオアアアアアアア!!」

常に笑い声を上げていたほむらちゃんの魔女が。
その時だけは笑い声を発さずに、さやかちゃんの魔女と杏子ちゃんの魔女の攻撃も気にせずに。
わたしの方に、向き直っていた。

まどかに責任があるとはいわねぇけど、もうちょっとまどかは色々考えた方がいい

魔女になっても原初の想いは消えず……

まどか「………ほむらちゃん……」
ホムリリー「―――……アハハハ」

再び二人の攻撃に対応を始めた時には、また笑い声を発していた。

まどか「……………」

どうして、こんなことになっちゃったんだろう。
全部、わたしが悪いのかな。
わたしが、ほむらちゃんのお願いに頷くことが出来なかったから。
でも、それでもほむらちゃんは。
あんな姿になっても、まだわたしの契約を阻止するって意思だけは、残ってるんだ。

オクタヴィア「オオオオオオ―――!?」
オフィーリア「グオオオオオオ―――!?」
ホムリリー「アハハハハハハハハハ…………」

ほむらちゃんの魔女が、両手で二体の魔女を掴んだ。
そして、手から波動のようなものを放って、二体を吹き飛ばす。

オクタヴィア「オオ……オオオオ……」
オフィーリア「グ……ガ……」
ホムリリー「……………アハ」

ホムリリー強過ぎだろ
魔女2体分の強さとはいえ1対2で圧倒するかよ

ほむらちゃんが、ゆっくりと、杏子ちゃんに近づいて行く。

ホムリリー「………アハハハ」
オフィーリア「グ……ガアアアア!!」

手に持った槍を、ブンブンと振り回す。
しかし、力の籠らないその攻撃は、ほむらちゃんに軽く見切られていた。

ホムリリー「アハハハハハハハハハハ」
オフィーリア「ガガガ……グオオオオオ……」

右手で槍を捕まえて、左手で杏子ちゃんを持ちあげる。

ホムリリー「………アハハハハハ………」
オフィーリア「グガガガガアアアアアア……オオオオオ……」
オクタヴィア「オオオオオオオオオオ!!」

ようやく態勢を整えたさやかちゃんが、車輪を召喚して背を見せているほむらちゃんに攻撃を仕掛けた。
攻撃は全て命中。しかし、ほむらちゃんは怯まなかった。

ほむら「もうまどかなんてどうでもいい」

まどか「私、契約する!」

ほむら「ふん!」

QB「がはっ」

なんというツンデレ

ホムリリー「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
オフィーリア「グギ……ギャアアアアアアアアア……」

何が起こっているのか、理解が出来なかった。
ほむらちゃんが、杏子ちゃんを……取り込んでいる?

ホムリリー「……アハハハ……アハハハハハハ………」
オフィーリア「ギャアアアアアアアアオオオオオオオオオオオ………」
オクタヴィア「オオオオオオオオ!!!」

さやかちゃんはめげずに攻撃を続ける。
それでもほむらちゃんは気にする事はなかった。
少しずつ、杏子ちゃんがほむらちゃんの体内に飲み込まれて行く。

オフィーリア「オオオオオオ…………ガアアアアアアアア………―――」

やがて。その全てが、飲み込まれた。

ホムリリー「………………キャハハ」
オクタヴィア「オオオオオオオオオアアアアアアアアア!!!!!」

攻撃しながらもその光景を見ていたさやかちゃんは、激しい咆哮を上げた。

オクタヴィア「オオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
ホムリリー「キャハハハハ……」

さやかちゃんが、杏子ちゃんをも取り込んだほむらちゃんに突撃を仕掛ける。
周囲には、尚も車輪を召喚して。

オクタヴィア「アアアアア!!」

剣を、力任せに振り下ろす。
それと同時に、召喚されていた多数の車輪もほむらちゃんに向かって飛んでいく。

ホムリリー「キャハ……キャハハハハハ………」

ほむらちゃんは右手でさやかちゃんの剣を受け止め、左手で多数の車輪の全てをいなしていた。
………力の差は、歴然としていた。

ホムリリー「キャハハハ」
オクタヴィア「オ……オオオオオオ……」

ほむらちゃんの攻撃で、さやかちゃんは再度壁に叩きつけられた。

千と千尋のカオナシが脳裏に浮かんでしょうがない

ホムリリー「キャハハハ……キャハハハハハハハハハハハ……」

ゆらりゆらり、ゆっくりゆっくりと。
ほむらちゃんは、倒れ込んでいるさやかちゃんに近づいて行く。

オクタヴィア「オオ……アアアア!!」

態勢を崩されながらも、手に持った剣を横一線に薙ぐ。
その剣を。ほむらちゃんは、根元から叩き折っていた。

ホムリリー「………キャハハ」
オクタヴィア「………オオオ……」

戦意を喪失したのか。
さやかちゃんは、抵抗をやめた。
ほむらちゃんはそんなさやかちゃんの腕を掴み、容赦なく吊るしあげる。

ホムリリー「キャハハハハハハハハハハハ」
オクタヴィア「………」

さやかちゃんも、少しずつほむらちゃんの体に飲み込まれて行く。

ホムリリー「………キャハハ」
オクタヴィア「……―――」

とうとう、さやかちゃんもほむらちゃんに取り込まれた。

取り込んだのがマミと杏子という魔法少女の中でも強力な二人だから力の上昇率がハンパないんだろうな
高火力とはいえオクタヴィア1体じゃ分が悪いか

そもそもホムリリィの素の強さ自体未知数だ
何となく直接戦闘は得意そうではないけど

魔女同士の戦いが、終わった。
勝者は、ほむらちゃんの魔女。

QB「………決着が、ついたようだね」
まどか「……キュゥべえ……」
QB「残念だけれど……今となっては、手遅れだよ、まどか。取り込まれた二人までをも元の人間に戻すのは、キミの祈りでも不可能だ」
まどか「そんな……酷い……酷いよほむらちゃん……」

もう、言葉も理解できないであろうほむらちゃんの魔女に、非難の言葉を浴びせる。

ホムリリー「………キャハハハ……アハハハハハハハハハハハハハハ!!キャハハハハハハハ!!」

何がおかしいのか、ほむらちゃんの魔女は甲高い笑い声を絶え間なく発し続ける。
そして、今度はわたしの方に向かって、ゆっくりと近づいて来る。

QB「……まどか。もうさやかと杏子を助けることは出来ないけれど。この魔女を放っておいたら、たくさんの人間が殺されてしまうよ」
まどか「………グス……ヒック……」
QB「そうなる前に、ここであの魔女をどうにかすべきじゃないのかい?」
まどか「………」
QB「さあ、まどか、決断するんだ。魔法少女となって―――」
ホムリリー「――――――」

もう一度。キュゥべえの体を、ほむらちゃんの魔女が吹き飛ばした。

QB「僕が死んでも替わりはいるからね」

ホムリリー「………」
まどか「……ほむら、ちゃん……?」

ほむらちゃんの魔女が、わたしの目の前まで来る。
そしてその手を、伸ばしてきた。

ホムリリー『………ツギハアナタヨ、マドカ』
まどか「っ……!?」

頭の中に、声が響いて来る。
これは……ほむらちゃんの声?

ホムリリー『コウスレバ、アナタヲマモルコトガデキルワネ』
まどか「何を言ってるの、ほむらちゃん……?」
ホムリリー『カンタンナコトジャナイ。ワタシ、ナニヲタメラッテイタノカシラ』

怖い。ほむらちゃんが何を考えているのかがわからない。

ホムリリー『イクラアナタガツヨイソシツヲモッテイヨウト、インキュベータートケイヤクサセナケレバ、タダノムリョクナショウジョネ、マドカ』
まどか「………」

そういや某所に魔女を倒す魔女のSSがあったな
アレは「救い」が主題だったけど

ホムリリー『サア、ワタシトイッショニ、シガンヲタビシマショウ』
まどか「嫌、嫌だよ、ほむらちゃん……正気に戻ってよ……」

ほむらちゃんの手が、わたしの体を掴む。

ホムリリー『アナタノイウコトナンテ、ワタシニハカンケイナイワ』
まどか「ほ、ほむらちゃん……っ?」
ホムリリー『モウイヤダワマドカナンテドウデモイイ』

それは、ほむらちゃんが自身に言い聞かせているような言葉だった。

ホムリリー『ダッテ、ワタシトヒトツにナッテシマエバ、アナタニハモウドウシヨウモナイモノネ?』
まどか「………」
ホムリリー『サア、コレデワタシノサイショノタビハオワリ。コレカラ、アタラシイタビガハジマルワ。イツマデモイッショヨ、マドカ……』

わたしの体も、少しずつほむらちゃんの体に沈んでいく。
抵抗出来ない。決して強い力で握りしめられているわけではないのに、体が言うことを聞いてくれない。

ホムリリー『……アナタハ、ホカノヒトタチトハベツ。ワタシノカラダのチュウスウデ、イツマデモ、ドコマデモイキマショウ、マドカ』

そうして、わたしの世界は闇に閉ざされた。

ホムリリー「キャハハ……アハハハ……」

まどかをも取り込んだほむらの魔女は、その姿を変えていく。
体は大きく。姿は逆さまに。
笑い声を放つ、災厄を招く強大な魔女へと。

????????「アハハハハハ……キャハハハハハハハ……」

姿を変えながら、その魔女は宙へと浮かんでいく。
そして、かつての魔法少女の能力であった、時間遡行の魔法を発動する。

QB「………そういうこと、だったのか」

全てを理解したインキュベーターが、納得したように呟いた。

QB「時を操る魔法を使える魔法少女なんて、今まで生まれたことがなかったから考えたこともなかった。
    今、こうして眼の前にしても、まだ信じきれないよ。
   ワルプルギスの夜。その正体は、キミを中心にして集まった、無数の魔女の魂だったんだね、暁美ほむら」
ワルプルギスの夜「キャハハハ……アハハハハハ………」

笑い声を上げながら、ワルプルギスの夜はその姿を消した。
これから過去に遡り、その力で絶望を振りまくのだろう。

QB「………さて。僕は僕で、仕事を続けるとしよう。さようなら、暁美ほむら―――」



終わり

と言うわけで、ワルプルギスの夜誕生秘話でした
さすがにここまで読み切られることはなかったようで安心した

ワルプルギスの夜になった魔法少女って公式で設定されてんじゃなかったっけ…

そういや漫画版の使い魔、完全にマミさや杏だったなあ…
乙乙

保守してくれた人ありがとう
二日に渡って書いてちょっと疲れたよ
あと、スレ冒頭で指摘があったとおり、
ほむら「だからあなたのことなんか嫌いよ……鹿目まどか」
を書いたのも俺です
正直色々とすまんかった

うおぅ、ちょっと目を離してる隙に終わってた

まどかに魔法の存在が知られた時点で終わりなんだと思う
真実を話さなければゴリ押しで契約
真実を話せばアルティメット

・ほむらの想いを知らない→街やさやかを守るために契約
・ほむらの想いを知る1→ほむらにワルプルから街を守らせて死なせる
・ほむらの想いを知る2→死に掛けているほむらを放ったらかして、顔も見たことのない他人の為に契約

ほむらはまどかの何が良くてあんなに必死だったんだ?

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