Ⅲ「新パックを箱買いするよ!」 (48)

とある休日……

Ⅲ「V兄様、ちょっとパソコン借りても良いかな? ネットを使いたいんです」

V「何か調べたい事でもあるのか?」

Ⅲ「BDのHDDが壊れちゃってね。新しいの買おうと思ってるんだ」

Ⅲ「おかげで色んなものが消えちゃったよ。はぁ、特別ED……」

V「それは災難だったな。なら私はポケモンをしているからその間に好きに使うと良い」

Ⅲ「ありがとう、V兄様」

Ⅲ(そういえばもうすぐ新パックの発売日だっけ? そろそろフラゲ組が来る頃かも)

Ⅲ(ついでに調べておこう……あ、ツイッターで画像が上がってる)カチャカチャ

Ⅲ「えっ、ワールドプレミアのカードって先史遺産と紋章の新規なの?」

V「何? ワールドプレミアは我々のカオス・ナンバーズではないのか?」

Ⅲ「どうやらそれはデマだったみたいだよ。見て、画像も上がってる」

V「くっ、期待させおって……デマを流した奴は地獄の業火に焼かれてしまえ」

Ⅲ「へ~、新規のナンバーズもあるんだ」

V「アニメのカードをオリジナルで強化か……コナミはなぜこれをもっと早くしなかったのだ?」

Ⅲ「新しい先史遺産のナンバーズはまずまずの強さだね。マシュ=マックとコンボを狙えるし」

Ⅲ「ん、ネブラ・ディスク? これも先史遺産の新規か。えっと、効果は……」

Ⅲ「…………」

Ⅲ「何これ強い! サーチ効果に自己再生能力まで持っているなんて君はなんてカードなんだ!?」

Ⅲ「このカードが手に入れば僕の先史遺産デッキは一気に強化されるよ! やっぱり11月のパックは神パックだな~」

V「私のディープ・スペース・クルーザー・ナインの効果は判明していないのか? 確か収録は確定しているはずだろ?」

Ⅲ「う~ん、まだみたいだね」カチャカチャ

V「そうか……まあさすがにアニメよりは強化されているだろうな」

Ⅲ「多分ね。場の同属性の機械族1体を自身のレベルと同じにするくらいの効果は付くと思うよ?」

V「遂に私のダイソン・スフィアが大きく動く時が来た様だな……」

Ⅲ「ついでにV兄様自身も動いてくれると良いんだけどね」

V「ふっ、Ⅲよ。それは言わないお約束だ」

Ⅲ&V「「HAHAHAHA」」

Ⅲ「今回のパックはアーク・ナイトやヴェルズビュートとか強力なカードも多いからね。これは箱買い決定だよ」

V「しかし来月12月5日には待望の3DS専用ソフト『遊戯王ゼアル 激突!デュエルカーニバル!(メーカー希望小売価格・税込4980円)』の発売日だろう?
それにBDの方もあるし、予算の方は大丈夫なのか?」

Ⅲ「う~ん、1BOXくらいなら何とか……」

V「しかし1BOXでは必要なカードが全て揃う可能性は極めて低い……よし、Ⅲよ。これをお前に託そう」サッ

Ⅲ「これは1万円札! 無職のV兄様がこんな大金何処で手に入れたの?」ビックリボー

V「安心しろ、真っ当な金だ。兄たる者、たまには弟に小遣いくらいやらんとな」

Ⅲ(まさかV兄様、こっそり何処かでアルバイトを……何時までも動かない兄様じゃなかったんだね!)

Ⅲ「ありがとう、V兄様! 僕はこのお金で必ず今のデッキを強化してみせるよ!!」

…………

Ⅳ「おかしい、財布に1万円入れいたはずなのに……おい、どういう事だ、凌牙ぁ!!」

凌牙「いや、しらねーよ」

そして新パックの発売日がやってきた!

Ⅲ「V兄様、買って来たよ、3BOX! ついでにスリーブも2つ買って来た!」ホクホク

V「そうか……」ピコピコ

Ⅲ「もう、いい加減元気だしなよ。ディープ・スペース・クルーザー・ナインもまったく使えない訳じゃないんだから」

V「効果判明した途端に解散と言われた……もう私は動きたくない……」

Ⅲ「ほら、今から箱開けるから。兄様もポケモンは一旦仕舞って一緒に開封式やろうよ」

V「そうだな……努力値も振り終わったし付き合うか」

Ⅲ「しかしどんなパックでも開ける瞬間はドキドキするよね」

V「開封式はデュエリストの一大イベントだからな。そういえばⅢ、お前もツイッターをやっていたな」

Ⅲ「うん、やってるけどそれが?」

Ⅴ「どうせなら開封したカードの画像を上げて見れば良いのではないか? 他人の開封式も意外と需要があるぞ?」

Ⅲ「え、でもちょっと恥ずかしい様な……」

V「何を恥ずかしがる必要がある。お前のデッキを強化するカードが手に入るかもしれんのだぞ」

V「喜びは大勢と分かち合った方が良い」

Ⅲ「……そうだね。やってみるよ、V兄様!」

Ⅲ「さて、箱とスリーブの画像も上げたし……早速始めようかな」

V「あ、ディープ・スペース・クルーザー・ナイン当たったら私に譲ってくれ。3枚で良いから」

Ⅲ「別にノーマルだから構わないけど……一応集めるんだね」

V「半ば意地だ。デッキに3枚積みしてやる……」

Ⅲ「はは、とりあえず1BOX目を開けるね」

パサパサパサ←パックの束の上の部分を掴みながら振って中のカードを下に送ってる

トントン←パックの束を揃えてる

カチカチカチ←カッターナイフの刃を出してる

ザクザクッ←まとめてパックの上の部分を切ってる

サァァァ←パックからカードを一気に出した

V「手慣れてるな。私は1パックずつ開いているが」

Ⅲ「何時もやっている事だからね。さてどんなカードが出るかな……」ゴクリ

Ⅲ「…………」

V「…………」

Ⅲ「…………」

V「…………」

Ⅲ「……フラゲで分かってたけどワールドプレミアのカードって本当にノーマルとレアだけ何だね」

V「すでにお前が欲しがってたネブラ・ディスクは3枚揃ったな」

Ⅲ「それにしても日本先行収録って言うけど、基本的に最新パックのカードは全部日本先行だよね?」

V「それは誰もが思っている事だから今更だ。さて、そろそろウルトラかスーパーが来ても良い頃だが……」

Ⅲ「そうだよね……あ!」

Ⅲ「当たった! ヴェルズビュートが当たりましたよ、V兄様!!」

V「良かったな、さすが私がお金を出したBOXだけはある」

Ⅲ「それは関係無いと思う。でも嬉しいな、ネブラ・ディスクのおかげでランク4のエクシーズもやりやすくなったし」

V「他にどんなカードが欲しいのだ?」

Ⅲ「そうだね。ヴェルズビュートは最低1枚で良いとして……やはりアーク・ナイトは欲しいかな。
それと出来ればアストラル・フォースも。フォーク=ヒュークからアトランタルを出せますから」

V「そうか。まあどちらもウルトラレアだし、まずは手に入るだろう。
1BOXにはアルティメットレアを入れて入っているウルトラレア枠のカードは3枚……そしてそのウルトラレアも5種類しかないからな」

Ⅲ「まだこのBOXのウルトラレアも当たってないしね。仮に外れてもまだ2箱もあります」

V「余裕だな」

Ⅲ「…………」

V「…………」

Ⅲ「…………」

V「…………」

Ⅲ&V「「あ!」」

Ⅲ&V「「……あ~」」

Ⅲ「ルーツか……エクシーズで『No.』の文字が見えたから当たったと思ったんだけど」

V「しかしホープ・ルーツも決して弱いカードではないだろう?」

Ⅲ「うん、確かに弱くは無いけど……でもレベル1特化のデッキでも無い限り、ランク1のカードはV兄s、シャイニートで事足りるからね」

V「なぜ私と言い間違えた?」

Ⅲ「いちいち聞かなくても分かるでしょ? とりあえずこれは観賞用に後でファイルに入れておこう」

Ⅲ「今度は101が当たったよ……カオスの方だけど」

V「だがそれも弱くは無い。吸収効果も中々使えるぞ」

Ⅲ「そうだけど普通のデッキにカオス・ナンバーズを入れるなら打点の高い紋章死神の方が良い気がするんだよね。
それにアストラル・フォースが手に入れば、クリスタル・エイリアンから紋章死神に繋げられるし」

V「そういえば紋章死神って名前なのに光属性だったな、あれ」

Ⅲ「とりあえずこれもイラストは良いからファイル行きだね。さあ、どんどん開けて行こうか」

…………

Ⅲ「最後の1枚はツクヨミか……結局アーク・ナイトもアストラル・フォースも当たらなかったな~」

V「だから言っただろう。1BOXでは早々自分の欲しいカードは集まらないと」

Ⅲ「そうだね。とりあえずヴェルズビュートが当たっただけでもラッキーだったよ。残りのスーパーは微妙だったけど」

虹クリ&審神者「」←微妙なカード

Ⅲ「本当にお小遣いをくれてありがとうございます、V兄様」

V「気にするな。さあ、まだ2BOXある。今度こそ目当てのカードを当てようではないか」

Ⅲ「はい、兄様!」

Ⅲ「101来い……101来い……」

Ⅲ「…………」チラッ

Ⅲ「ああ、だからそっちじゃないんだってば!」

V「またカオスの方か。まあ先ほどはアルティメット、こちらはウルトラだから良いのではないか?」

Ⅲ「それはそうだけど……ああ、2BOX目からはノーマルのカードは見飽きたから完全に作業になるな~」

V「まだウルトラはこの箱だけでも2枚ある。落ち着いて行こう」

Ⅲ「それは分かってるけど……あ」

ホープ・ルーツ「(´・ω・`)やあ」

Ⅲ「…………」

…………

Ⅲ「まさかウルトラレアのカードが全部被るなんて……」

V「こういう事もあるんだな」

Ⅲ「えっと、今回のウルトラレアって5種類だよね? うん、箱にもそう書いてる」

Ⅲ「何だろう、これ……もしかして凌牙の嫌がらせなのかな?」

V「なぜそこで神代凌牙が出て来る?」

Ⅲ「だってこれ凌牙もといナッシュが表紙のパックじゃないか……絶対あついが変な念送ってんだよ、あのオタンコナッシュめ」イライラ

V(イラついているな。口調がだんだん荒くなっている)

V「スーパーでアルセイが当たったから良かったじゃないか」

Ⅲ「Ⅳ兄様ならともかく僕のデッキでランク8は正直あまり……とりあえずツイッターに上げるから写真は撮らないと」カシャ

V「落ち込むのは早いぞ、Ⅲ。まだもう1BOXあるじゃないか。それにこの世界には3度目の正直という言葉もあるのだぞ?」

Ⅲ「……二度ある事は三度あるという言葉もあるよね」

V「自分から不吉な事を言ってどうする。カードを信じるんだ、Ⅲよ」

V「まだ開封こそしていないが、このBOXのカードはお前のものだ。そしてカードは信じるものにこそ微笑む」

V「カードを信じ自らの未来を切り開くのだ、Ⅲ!!」

Ⅲ「V兄様……」

Ⅲ「分かったよ……カードを信じて開封するよ、V兄様!!」

V「うむ、それでこそ我が弟だ」

Ⅲ「よし、最後の1BOXは1パックずつ順に開けて行こう! その方がゆっくり楽しめるしね!!」

Ⅲ「さあ、まずはこのパックから開封だ!!」ビリッ





C101「m9(^Д^)プギャー」

Ⅲ「調子に乗るなよ、凌牙ぁぁぁぁぁ!!!」

Ⅲ「だからカオスはもう良いんだよ! ていうか僕の当たり具合がカオスだよ、畜生!!」

V「落ち着くんだ、Ⅲ! 可愛い顔が台無しだぞ!!」

Ⅲ「くそ、何でだよ……何で普通の101が入ってないんだよ……」

V「まだだ、まだ29パックもある! その中にお前が求めているカードがきっとあるはずだ!」

Ⅲ「いきなりダブって心が折れそうだよ……いい加減にしてくれよ、頼むから」ビリッ





ホープ・ルーツ「(´・ω・`)やあ」

Ⅲ「もう目障りなんだよ! うんざりなんだよ!!」

Ⅲ「うおぉおぉぉぉぉ……何なんだよ、本当に何なんだよ、これ……」

V「ま、まだチャンスはある。まだ28パックあるぞ、Ⅲ」

Ⅲ「28パックあってもその中にあるウルトラレア枠はもう1枚だけだよ……目的のカードが2枚手に入る事はないんだよ……」

V「ぎょ、業者の手違いでもう2枚入っている可能性も……」

Ⅲ「現実は常に非常なんですよ……ああ、いきなりウルトラレアが2枚出たせいで残りを開けるのも苦痛になって来た……」ビリビリ

V「Ⅲ……」

Ⅲ「そしてさりげなくまた出て来るなよ、虹クリボー……くそ……くそ……(半泣き」ビリビリ

…………

Ⅲ&V「…………」

V(まさか3BOXともウルトラ枠が全部被るとは……ある意味凄いな)

Ⅲ「スイマセン、V兄様。せっかくお小遣いまで貰ったのに……」

V「気にするな……それよりお前の方はどうなんだ? この結果をどう受け止める?」

Ⅲ「僕は……」

Ⅲ「……いえ、満足してますよ。元々今回は先史遺産新規の為に買おうと思ったんですから」

Ⅲ「3BOXも購入したおかげで先史遺産のカードはたくさん集まりました。欲しかったネブラ・ディスクも含めて……」

Ⅲ「いっぱい……手に入って……」ウルウル

V「…………」

Ⅲ「……ひくっ……ひくっ……」ポロポロ

V「Ⅲ……」

っハンカチ

Ⅲ「V兄様……?」

V「Ⅲよ」

V「歌おう」

チャンチャンチャン♪

V「失敗だってGood night~♪ 寝にげする事も悪くないよね~きっと~目が覚めて~忘れちゃうみんな~♪」フリフリ

Ⅲ「失敗だってDon't mind~♪ 朝のまぶしさに~消えてしまえばいいな~♪」クイックイッ

Ⅲ&V「「新しい~一日でリセット~♪」」

Ⅲ&V「…………」

V「……寝るか、Ⅲ」

Ⅲ「……はい、V兄様」

<おわり>

読んでくれた人、ありがとうございました。遊戯王ファンとして今後も池田恭祐さんを応援したいと思います。

あと少し前に『龍亞「龍可って好きな奴とかいないの?」』というSSも書いたので、もし読む機会があったらそちらもよろしくお願いします。では。

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