恒一「女の子達に突然ビンタしたらどうなるか」(186)

恒一「やっぱり何の前触れも無くビンタしたら怒るだろうか…?」

恒一「でも突然ビンタされて呆気にとられてしまう表情も見てみたい…」

恒一「……」

恒一「とりあえず望月で試してみよう」

恒一「ねぇ、望月。ちょっと良いかな?」

望月「ん?どうしたの榊原くん?」

恒一「うん。美術部のことについてちょっと聞きたいことがあるんだ」

望月「えっ!?もしかして榊原くん、入部してくれるの!?」

恒一「まだ入部するかどうかは決めてないんだけど、一度見学とか出来たら良いなって…」

望月「うん!大歓迎だよ!」

望月「良かったら今日の放課後にでも…」

パチン!

望月「へうっ…!?」

恒一「……」

中尾 「まかせろー」バチン

中尾 「あべしっ」バタン

望月「え…ふぇっ…?」

恒一「……」

望月「さかき…ばら…くん…?」

恒一「……」

望月「あ…う…」ジワァ…

望月「い、痛いよぉ…」グスッ…

恒一「なるほど」

恒一「やっぱり突然ビンタされると驚いて呆気に取られちゃうんだね」

恒一「それに叩かれた痛みのせいで怒りよりも悲しみの方が先にくるんだ」

恒一「女の子みたいな顔してる望月がぐずるんだ」

恒一「きっと女の子にやったら大泣きとかされるかもしれないな」

望月「あ…あの…榊原くん…?」グスッ…

恒一「あぁ、望月、ありがとう」

恒一「もう大丈夫だよ」

望月「…え?」

恒一「おかげで良いデータが取れたよ。それじゃあね」

望月「えっ?えっ!?」

恒一「さてと…」

恒一「とりあえず望月は男友達だから気軽にビンタすることが出来たけど…」

恒一「いざ本物の女の子をビンタしようとなると、やっぱり気が引けちゃうな…」

恒一「……」

恒一「いや」

恒一「男友達感覚で付き合える綾野さんなら、きっと僕も躊躇わずビンタが出来るはずだ!」

恒一「綾野さんのところへ行こう」

恒一「ごめんね、綾野さん。屋上なんかに呼び出したりしちゃって」

綾野「ううん!全然大丈夫だよー♪」

綾野「それに私がこういっちゃんのお誘いを断るわけないじゃーん♪」

恒一「綾野さん…ありがとう」

綾野「それで私に用事って何かな、こういっちゃん?」

恒一「うん…僕、綾野さんにどうしても伝えたいことがあってさ…」

綾野「えっ…」

綾野「(そ、それって…もしかして…)」

綾野「(愛の告白…!?)」ドキドキ…

恒一「……」モジモジ…

綾野「(二人っきりの屋上…)」

綾野「(もじもじしてるこういっちゃん…!)」

綾野「(これはもう!間違いなく愛の告白だ!!)」

綾野「(うわぁー///そっかぁ、そうなんだぁ///)」

綾野「(こういっちゃんも私のことを…///)」

恒一「…綾野さん!」

綾野「は、はいっ///」

パチン!

綾野「あうっ…!?」

恒一「……」

綾野「(えっ…?)」

綾野「(い、今、私…こういっちゃんに…)」

綾野「(ビンタ…されたの…?)」

綾野「…こ」

綾野「…こういっちゃん…?」グスッ…

恒一「……」

恒一「(涙を堪えて、遠慮がちな上目遣い…)」

恒一「(なるほど…これが…)」

恒一「(女の子にビンタをする感覚なのか!)」

綾野「あ…あはは…?」

綾野「こ、こういっちゃん…」

綾野「わ、私、なにかこういっちゃんを怒らせるようなことしちゃったかなぁ…?」グスッ…

恒一「(涙を堪えながらも、僕に笑顔を向けてくれる綾野さん…)」

恒一「(なんて健気な子なんだろうか…)」

綾野「も、もしそうなら…私、こういっちゃんにちゃんと謝りた…」

恒一「…ごめん、綾野さん」

綾野「…えっ?」

恒一「僕、いつも元気で笑顔な綾野さんの泣き顔を一度見てみたくって…」

恒一「だから興味本位でこんなことをしちゃったんだ…」

恒一「ごめん…僕、最低だよね…」

綾野「……」

綾野「(そ、それって私はこういっちゃんを怒らせるようなことはしてないってこと…?)」

恒一「本当にごめん…僕…」

綾野「な、なーんだ!そうだったんだぁ!」

綾野「こういっちゃんも人が悪いなぁ!」

恒一「綾野さん…?」

綾野「てっきり、私こういっちゃんを怒らせるようなことしちゃったのかなって不安になってたところだよぉ!」

恒一「綾野さん…怒って無いの…?」

綾野「ん?ぜーんぜん♪」

綾野「だって私の泣き顔が見てみたいってことは、それだけ私に興味を持ってくれてるってことっしょ?」

綾野「ビンタは痛かったけど…それはちょっと嬉しいかも///」

恒一「綾野さん…」

綾野「(うん!こうやって話してると、やっぱりいつもの優しいこういっちゃん!)」

綾野「(泣き顔が見てみたかったって聞いた時は驚いちゃったけど…)」

綾野「(男の子なら、そういうセーヘキがあっても、おかしくは…)」

パチン!

綾野「う、あ…!?」

恒一「……」

綾野「…うぅっ」グスッ…

綾野「え、えっとね…こ、こういっちゃん…?」

綾野「わ、私、演劇部なんだよ…?」

綾野「だ、だからビンタなんてされなくても泣き顔を作ることぐらい朝飯ま…」

パチン!

綾野「えっ…!?」

恒一「……」

綾野「…うっ」

綾野「うわぁぁぁ…」

綾野「うわぁぁぁぁん…」トボトボ…

恒一「(完全に泣かせてしまった…)」

恒一「(僕はなんて酷いことを…)」

恒一「さて、元気な女の子をビンタしても、やはり怒りよりも悲しみの方が強いことはわかった」

恒一「となると、次は大人しめな清楚な感じの女の子を…」

恒一「……」

恒一「よし」

恒一「多々良さんを呼びだそう」

多々良「お待たせ、榊原くん」

恒一「多々良さん、わざわざ来てくれてありがとう」

多々良「いえ、そんな…」

多々良「他ならぬ榊原くんからのお誘いだもの…///」

恒一「多々良さん…」

多々良「そ、それで、私に用事ってなにかしら…?」

恒一「うん…」

恒一「ちょっとまどろこっしい言い方になっちゃうんだけどさ…」

多々良「…?」

恒一「多々良さんって…凄く美人だよね」

多々良「…!?」ドキーン

多々良「え、えっ…!?」

恒一「初めて多々良さんのことを見た時から、ずっとそう思ってたんだ…」

多々良「そ、そんな…」

多々良「私…なんて…///」

多々良「(え?えっ!?な、なにこれ!?)」

多々良「(あの榊原くんが私のことをいきなり褒めだして…!?)」

恒一『ちょっとまどろこっしい言い方になっちゃうんだけどさ…』

多々良「!!」

多々良「(も、もしかして…これって…)」

恒一「だから、今思えばさ、この気持ちは…」

恒一「一目惚れ…だったのかな」

多々良「(あ、愛の告白!?)」ドッキーン

多々良「え、えっ…あの…///」

多々良「わ、わたし…///」ドキドキ…

恒一「…多々良さんって肌も色白で綺麗だよね」

恒一「ほっぺた…触ってみても良いかな…?」

多々良「!?!?」

多々良「……」

多々良「は、はい…」

多々良「ど、どうぞ…///」プシュー

恒一「ありがとう…それじゃあ…」

多々良「(あ、憧れの榊原くんに、触れられちゃう…!)」ドキドキ…

多々良「(で、でも、私…榊原くんになら…!)」

多々良「(だって私も!榊原くんが!好…)」

パチン!

多々良「…きゃっ!?」

恒一「……」

かーちゃんが飯だって

多々良「……」ジンジン…

多々良「……」スリスリ…

恒一「(多々良さんがビンタされた場所を手で撫でている…)」

恒一「(流石清楚で美人な多々良さん)」

恒一「(そんな姿も絵になるな)」

多々良「え、えっと…?」

多々良「さ、榊原…くん…?」

恒一「(それに流石は多々良さんの綺麗な肌)」

恒一「(叩かれた場所がリンゴにみたいに赤くなってるよ)」

多々良「(わ、私…なにか榊原くんを怒らせるようなこと…したかしら…?)」グスッ…

多々良「あ、あの…」

多々良「さかき…ばらくん…?」オズオズ…

恒一「ごめん…多々良さん…」

多々良「えっ…?」

恒一「僕、美人な人の泣き顔に凄く弱くてさ…」

恒一「だから多々良さんの泣き顔を是非一度見てみたくて…」

恒一「それで思いついたのが多々良さんのほっぺたを叩くことで…」

恒一「…ごめん」

恒一「自分の欲求を満たす為とはいえ、こんなの最低だよね…」

多々良「……」

多々良「(き、嫌われているわけじゃ…ない…?)」

恒一「しかも、好きな人にこんなことをしてしまうなんて…」

多々良「…!!」ドッキーン

恒一「僕は…」

多々良「(そ、そっか…)」

多々良「(さ、榊原くんは私のことがす、好きで…)」

多々良「(私に興味を持ってくれてるからこそ、こんなことを…)」

多々良「(それなら、私は…)」

恒一「本当にごめん…」

多々良「…大丈夫よ。榊原くん」

恒一「…えっ」

多々良「そういう理由なら私は平気…ううん、むしろ嬉しいの」

多々良「だって、それって私に興味を持ってくれてるってことだもの」

多々良「それにね榊原くん…」

多々良「わ、私も…榊原くんのことが…///」

パチン!

多々良「あぅっ!?」

恒一「……」

多々良「……」

多々良「そ、そのね!わ、私も榊原く…」

パチン!

多々良「あぐっ…!」

多々良「さ、榊原くんのことがぁ…好…」グスッ…

パチン!

多々良「ひうっ!!」

多々良「……」

恒一「……」

多々良「ひぐっ…ううっ…」

多々良「ううっ…!!」ダッ…

恒一「(ごめん…多々良さん…)」

恒一「多々良さん…あれだけビンタをされても文句の一つも言わないなんて…」

恒一「心まで清楚な女の子だったな…」

恒一「正直、罪悪感が凄まじいよ…」

恒一「次は罪悪感をあまり感じないような女の子…」

恒一「強気な感じの女の子に声をかけてみよう…」

恒一「……」

恒一「小椋さんなんてどうだろう」

小椋「榊原くん、おまたせ」

恒一「小椋さん、わざわざこんなところまで呼び出しちゃってごめんね」

小椋「別に気にしないで大丈夫だよ」

小椋「それで、私に用事ってなに?二人きりじゃないと言えないこと?」

恒一「(強気なタイプの小椋さん…)」

恒一「(先に仕掛けなければ…やられる!)」

恒一「小椋さん!」

小椋「ん?」

パチン!

小椋「…!」

小椋「……」

恒一「……」

恒一「(少し驚いた表情を見せたけど、すぐにいつもの凛々しい顔つきに戻った…)」

恒一「(加減が弱かったかな)」

恒一「(次はもう少し強く…)」

パチン!

恒一「うぐっ…!?」

小椋「おっ、良い音が鳴ったわね」

恒一「(なっ…!?カウンター…!?)」

恒一「(しまった…僕は強気タイプな女の子を侮っていた…!)」

恒一「(なら、次はカウンターも出来ないくらいの重い一撃を…!)」

ベチン!!

小椋「…っ!!」

恒一「(…!しまった!強く叩き過ぎた!)」

恒一「(小椋さんの唇が切れて血が…!)」

小椋「……」ペッ

小椋「おらぁ!!!」

ドコォッ!!!

恒一「ごふっ…!?」

恒一「ぐうっ…!!」

恒一「ま、まだだ!!」ザッ…!

小椋「はぁぁっ!!」ザッ…!

ベチン!!
ドコォ!!

恒一&小椋「…っ!!」

恒一&小椋「……」ハァハァ…

小椋「…私が殴ってるんだから、榊原くんもビンタにこだわらなくたっていいのに…」

恒一「…流石に、女の子を殴るわけにはいかないよ…」

小椋「ふふっ…優しいんだ?」

恒一「そんなんじゃ…」

小椋「…男だね、榊原くん」

小椋「楽しかったよ。またやりましょ」スタスタ…

恒一「(正直、彼女の一撃で僕の膝はもうガクガクだ…)」

恒一「(完敗だよ、小椋さん…)」

恒一「小椋さん…」

恒一「とてもたくましい女の子だった…」

恒一「今の時代、女の子も強い方が安心だよね…」

恒一「……」

恒一「強気タイプな女の子にはもう手を出さないようにしよう…」

恒一「となると、赤沢さんは除外か…」

赤沢「えっ?」

恒一「あとビンタをしておくべき女の子のタイプは…」

恒一「……」

恒一「クールでミステリアス系…」

恒一「となると見崎か」

恒一「見崎を呼び出そう」




赤沢「……」

赤沢「えっ」

かあちゃんが紅茶入ったから飲めって




かーちゃん「……」

かーちゃん「えっ」

恒一「食事の時以外に見崎と屋上で話のは久々だね」

鳴「そうね」

鳴「それで?なんの用なの?」

鳴「わざわざこうやって呼び出すんだもの」

鳴「なにか特別な用事なんでしょ?」

恒一「うん…そうだね…」

恒一「二人っきりじゃないと頼みづらいっていうか…」

鳴「……」

恒一「……」

恒一「見崎!」

鳴「なに?」

恒一「見崎のほっぺたにビンタをさせてくれないか?」

鳴「……」

鳴「えっ?」

鳴「ビンタ?」

恒一「そう」

鳴「私に?どうして?」

恒一「見崎の反応が見てみたいんだ」

鳴「私にメリットは?」

恒一「僕が喜ぶ」

鳴「……」

恒一「だから、見崎…僕に一度そのほっぺたにビンタをさせてくれないかな?」

鳴「…暴力は嫌い」

恒一「……」

鳴「でも、今日は特別に…」

恒一「…!」

鳴「許すわけないでしょ?」

恒一「そんな…!!」

鳴「榊原くん…私の左目…義眼が入ってること覚えてる?」

恒一「もちろんだよ。少し前に見せてもらったじゃないか」

鳴「ビンタの衝撃で義眼が飛んだりしちゃったらどうしてくれるの?」

恒一「あっ…」

鳴「義眼とは言え、お母さんが作ってくれた大切なモノなの」

鳴「私の身体から離れるようなことがあったりするのは、イヤ」

恒一「そ、そうだよね…」

恒一「ごめん…僕、そこまで気が回らなかった…」

鳴「……」

鳴「わかってくれればそれでいいの」

鳴「さぁ、ビンタを始めましょう?」

恒一「……」

恒一「…えっ?」

恒一「えっ…で、でも見崎にビンタをするのはダメなんじゃ…?」

鳴「誰が私にビンタして良いって言ったの?」

恒一「で、でも…ビンタを始めようって…」

鳴「ええ。そうね」

鳴「もう、みんな揃っているわ」

恒一「えっ?」



望月「榊原くん…僕にビンタされるのと美術部入るのどっちがいい?」

綾野「やっぱ亭主関白なのは良くないよ、こういっちゃん!」

多々良「綺麗な顔にビンタしたい…今なら榊原くんの気持ちわかるわ!」

小椋「さぁ、リターンマッチよ!」

赤沢「せっかくなので私も参加」




恒一「!?」

鳴「さてと、それでは準備は良いかしら?」

恒一「ま、まさか…ビンタを始めるって…?」

鳴「榊原くんを…」





鳴&望月&綾野&多々良&小椋&赤沢「女の子達(僕)がビンタ(ぶん殴ったら)したらどうなるか!」



恒一「う、うわぁぁぁぁぁぁ!?」

勅使河原「おっす、サカキ!」

勅使河原「…って!?どうしたんだよ、そのツラ!?」ギョッ…

恒一「あ、あはは…」

恒一「て、天罰…かな…」ヒリヒリ…



中尾「俺も赤沢にビンタしてもらいたい…」


かーちゃんが終われって

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