小町「お兄ちゃん、これには実はふかーい理由がありましてね」
八幡「なんで猫耳つけてるかにそんな深い理由があってたまるか。猫地蔵の首でも飛ばしたわけじゃあるまいし」
小町「お兄ちゃん、それちょっと何言ってるか分かんない」
八幡「んで、その猫耳はどうしたかって聞いてるんだ」
小町「いやー、実はこれ朝起きたら生えてて……」
八幡「猫耳妹とか何年前の流行りだよ、猫耳モードとかもう覚えてるやついないんじゃねーの」
小町「まぁそんな冗談はさておきですね」
八幡「普通に取りやがったよ、今の前置きはなんだったんだよ」
小町「ハッピー、ハロウィーン!」
八幡「色々突っ込みたいところは山ほどあるが、てかもう終わっただろそれ」
小町「えー、いーじゃんやろうよー。どうせお兄ちゃん出不精なんだから、家の中で出来るイベントくらいならいいでしょ?」
八幡「俺が仮装させられるわけじゃないんだよな」
小町「そうそう、お兄ちゃんはただお客様に用意されたお菓子を出すだけでいいんだよ」
八幡「どうせお前のことだから、もう他のやつらには根回ししてあるんだろ?」
小町「さっすがお兄ちゃん、理解が早い」
八幡「もう慣れた。んで、俺はどうすればいいんだ?」
小町「お兄ちゃんは居間で小町が用意してきたお菓子を来てくれた人に渡せばいいだけ」
八幡「そんだけか?」
小町「もちろん、ハロウィンだもん」
八幡「……本当に本当だな?」
小町「もー、疑り深いなぁ。大丈夫だって。小町にお任せ!」
八幡「安心出来る要素がないな……」
ピンポーン
小町「あ、来た来た」
八幡「はいよーっと」
小町「あ、お兄ちゃんは座ってゆっくりしてて。小町が出てくるから」
八幡「さっさと玄関で済ませたほうが早いだろうに」
小町「外から衣装を着てくるわけないじゃん、小町の部屋で着替えるんだよ」
八幡「どんな衣装を用意したんだ……つーかハロウィンとちょっと違わないか」
小町「やだなー、細かいこと気にしてるとハゲるよ?それと衣装は見るときまで秘密に決まってるじゃん」
八幡「とてつもなくろくでもないことを考えていそうだな」
小町「お菓子はここに置いておくから、来た人に好きなものを渡してね。んじゃ小町はちょっと行ってくるよ」
八幡「さて、鬼が出るか蛇が出るか……なんにせよろくでもないことになりそうだ」
結衣「と……トリック・オア・トリート!」
八幡「……由比ヶ浜。お前、それ」
結衣「トリック・オア・トリート!」
八幡「分かった分かった、無理すんなっての。ほら、お菓子だ。トリートだ」
結衣「あ、ありがとう……。ねぇ、ヒッキー?」
八幡「どうした?」
結衣「この格好、似合ってる……かな?」
八幡「待て。……その前にそれはなんの仮装なんだ?」
結衣「何って……狼男?」
八幡「いつ性転換したのかは知らないが、どこから突っ込んでいいのか……」
結衣「やっぱ変かなぁ……なんか楽しそうかもーってつい着ちゃったけど……」
八幡「……いや、似合ってるんじゃないか?……知らんけど」
結衣「ほ、本当!? 前も似たような格好してたけど、ヒッキーってば反応薄かったからこういうの好きじゃないかもーって」
八幡「つーか秋と冬の境目なのに、そんな格好で寒くないのかよ」
結衣「室内だからね。ちょっと肌寒いけど……」
八幡「毛むくじゃらになった水着みたいだな……あと耳と尻尾を無理矢理足したような。てかどうして女って下着は恥ずかしがるくせに水着は恥ずかしくないんだよ。生地の厚さと防水性くらいしか変わらんだろうに」
結衣「うう……なんかそう改めて冷静に観察されると恥ずかしいよ……」
八幡「……とにかくなんか着てこい。お菓子も渡したし、やることやっただろ」
結衣「う、うん。そうするね。じゃあまた後でね、ヒッキー」
八幡「おう、風邪ひくなよ」
八幡「小町のことだ……流れ的にも次は雪ノ下辺りだろうな」
コンコン
八幡「……ノック?空いてますよー。つか鍵なんてものリビングにねぇよ」
先生「は、入るぞ……」
八幡「……先生、何やってんすか」
先生「これは、だな。どうしてもと言われてな……」
八幡「まぁいいですけど。先生はなんの仮装ですか」
先生「ヴァンパイアだな。ドラキュラだとブラムストーカーという作者が書いた小説の吸血鬼のことになってしまう。吸血鬼だと血を吸う怪物全般を指すから日本にもいるな」
八幡「なんかいつものスーツの上に白衣着てるところを、白衣の部分だけ黒マントにした感じですね。中身見えないですけど」
先生「……見たいのかね?」
八幡「見たいって……中身、ですか?イメージ的にはスーツだと思うんですが。ほら映画とかだと」
先生「いや、それがだな……謀られたようだ……」
八幡「……小町のやつですね」
先生「あぁ……」
八幡「……ま、先生が嫌がってるくらいですし、別に見ませんよ。気にはなりますけど」
先生「そ、そうか。さすがの私もいい大人がこの服装はどうかと思っていたところだ」
八幡「というわけで、お菓子をどうぞ」
先生「そうだな、言い忘れていたが、トリック・オア・トリートだ」
八幡「良いハロウィンを。……もう結構時期過ぎてますけどね」
先生「まったくだ」
八幡「小町のやつ、一体何人巻き込んでるんだよ……」
コンコン
八幡「またノックか……入ってまーす」
雪乃「あら、いるのが分かっているからノックをしているのにわざわざそこにいることを自己主張するなんて、自己アピールに必死なのね」
八幡「雪ノ下か……」
雪乃「トリック・オア・トリート」
八幡「ほら、お菓子だ。つーかその恰好、ピッタリじゃね」
雪乃「……今のこの格好は魔女なわけだけれど、それがピッタリだなんてどういう意味なのかしらね、比企谷君」
八幡「いやもうなんつーかその衣装がお前に着られるために作られたとしか思えない似合ってる」
雪乃「そ……そう。そうなの。あ、ありがとう……」
八幡「…………(なんか間違った方向に勘違いしてないかこいつ)」
雪乃「……?なにか言ったかしら?」
八幡「いや、なんにも。よく似合ってるなーと思っただけだ」
小町萌えは需要ないかなやっぱ
落とすか
小町「お兄ちゃん」
八幡「小町か。もうこれで全員か?」
小町「いんや、私も。というわけで、トリック・オア・トリート!」
八幡「朝の猫耳はそのためか。猫耳水着って由比ヶ浜と被ってるんじゃ……」
小町「もー、そんなこと言ってたらハゲるよ」
八幡「うっせ。んじゃまお菓子を……って小町?お菓子足りないんだけど……」
小町「ふっふっふ……お菓子がないんだったら、イタズラされるしかないよね?」
八幡「なっ……お前まさかそれを狙って……」
小町「お兄ちゃん、覚悟!」
八幡「おい小町、本気かよ……」
小町「小町はいつだって本気だよ」
八幡「だからってお前、これは……」
小町「さーて、お兄ちゃんも年貢の納め時だねぇ」
八幡「イタズラの域を超えてるような気がする」
小町「いやいや、妹にイタズラをされる兄。なにも間違ってないじゃない」
八幡「字面だけ見るとなんか……いややっぱりなんでもねぇ」
小町「さっさと観念するべきだよ、お兄ちゃん」
八幡「だからってこれは、なぁ……」
小町「でも気持ちいいんでしょ?こういうとことか……」
八幡「やめろって。なんか変な気分になる」
小町「お兄ちゃん、それはちょーっと危ない発言だけど小町的にはポイント高いかも。妹としては微妙なところだけど」
八幡「これは……いや、マジで気持ちいいかもしれん」
小町「小町のテクニックにお兄ちゃんはメロメロだね」
八幡「いつの間にこんなうまくなったんだよ……耳かきなんて」
小町「いやぁ、小町の日ごろの特訓の成果ですよ」
八幡「なんの特訓してんだよお前……」
戸塚「僕の順番まだかなー」
川崎「大志のためとは言えなんで私が衣装作りを……」
陽乃「えー、私の出番これだけー?」
戸塚と陽乃さんはなんかしゃべらせにくかった
川なんとかさんも喋らせにくかった
オチ要員はこの人らかなって
ここで終わっていいよね
ノックもしないで入ってくるのが平塚先生の悪い癖だったはず
>>38
マジか、次からは気を付ける
今回は気が動転してたってことで
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