僧侶「え・・聖水なんてもってませんけど・・・・」
勇者「おしっこのことだよ」
僧侶「ぉ・・・おしっ!?」
勇者「ということでこれからおしっこするときはこの瓶にするように」
僧侶「そんなぁ・・・」
勇者「はいこれ瓶」
僧侶「うぅ・・・無理ですってこんなのに」
勇者「でもやってみるしかないだろ?」
勇者「MPも体力もあんまり残ってないし、魔物よけの聖水もなくなっちゃった以上」
勇者「次の街にたどりつけないよ」
僧侶「た、戦いましょう!」
勇者「ムリムリ。はいおしっこ早くしてきて」
僧侶「・・・」ウグ
僧侶「あっ、でも私のでなくても勇者さまのお小水でも大丈夫なんじゃないですか!?」
勇者「は?」
僧侶「ね!? 勇者様だって神の使いですし」
勇者「俺のはだめだ血尿しかでないから」
僧侶「・・・・」
勇者「ほら早く。夜になったらこのあたりは魔物が増えてくるよ」
僧侶「はい・・・行ってきます」
草陰
僧侶「この瓶に・・・」ゴクリ
僧侶「・・・ん」
チョロッ
僧侶「あっ、むずかs」
チョロロロ
僧侶「きゃっ」
ピチョピチョ
僧侶「やだっ、な、なにか拭くもの」
・・・
勇者「おかえり」
僧侶「・・・・入れてきました」
勇者「へぇ・・・これが聖水」
勇者「随分たっぷんたっぷんに入れてきたんだねw」
僧侶「う・・・」
勇者「こぼれないようにそっと運んできたの?」
僧侶「はい・・・」
勇者「偉いねよくできたね」
僧侶「もー! バカにしてるでしょ!」
僧侶「多いほうがいいかなっておもってわざわざいっぱいまで入れてきたのに!」
勇者「ありがたく使わせてもらうよ」
僧侶「それで、どうやって使うんですか?」
勇者「そりゃまずは普通の使いかたするしかないよ」
僧侶「普通の使い方って・・・ま、まさか・・・」
勇者「体にかけるんだよ」
僧侶「ぃ、いやー!!」
勇者「もしくは水で薄めて体内に」
僧侶「もっと嫌です!!」
勇者「なにいってんの? 僧侶ちゃんのおしっこだよ?」
僧侶「自分のを飲めるわけないでしょ!」
勇者「俺はのめるよ?」
僧侶「・・・・」ゾッ
勇者「辺りにまくには量がたりないしなぁ」
僧侶「もう諦めましょう、命を」
勇者「君はそれでも僧侶かな」
勇者「俺は絶対にあきらめない! 魔王をぶったおして僧侶ちゃんと結婚するって誓ったから」
僧侶「おしっこ飲めちゃう人と結婚なんてしたくありません」
勇者「あ、日がくれる・・・」
僧侶「! あわわわどうしましょう」
勇者「僧侶ちゃんコップを」
僧侶「覚悟をきめるしかないんですね・・・」
勇者「・・・」コポコポ
勇者「はいこれ僧侶ちゃんの飲む分ね」
僧侶「・・・」
勇者「大丈夫。見ようによってはパイナップルの果実酒に見えなくもない」
僧侶「・・・無理、です」
勇者「じゃあ俺の血尿飲むか」
僧侶「嫌です死にます」
勇者「明日の朝日を拝めることを祈って」
僧侶「か、乾杯」
勇者「・・・」コクン
僧侶「・・・」チロッ
勇者「 」
僧侶「 」
・・・
勇者「はっ!」ガバッ
勇者「恐ろしい夢を見たような気がする」
王「おお勇者よ死んでしまうとは情けない」
勇者「!! えっ、ここは」
王「死んでしまうとは情けn」
勇者「俺は・・・死んだのか・・・」
勇者「結局僧侶ちゃんの聖水に効果はなく、意識を失った俺は魔物たちに襲われ・・・」
勇者「くそ・・・またこの街から出直しだ・・」
勇者「そうだ僧侶ちゃんは・・・?」
王「それが・・・」
勇者「ど、どうしたんだよ王様・・・まさか!」
王「・・・」フルフル
勇者「そん・・・な・・・」
王「落ち着け、生きてはおる」
勇者「・・・」ホッ
王「だがもうお主と一緒に旅には行けんそうじゃ」
勇者「そんなにひどい怪我を・・・?」」
勇者「でも王様! 俺には大きな外傷はないんだけど」
王「それがわからんのじゃ」
王「お主らを見つけた者の報告によると」
王「魔物や毒物によって死んだわけではないらしい」
王「全身から光を放ちながら二人抱き合って死んでいたそうじゃ」
勇者「なんだって!」
勇者「僧侶ちゃんはどこにいる! あわせてくれ」
王「別室で寝ておる」
・・・
勇者「僧侶ちゃん・・・」コンコン
勇者「入っていいかな」
「・・・」
勇者「入れるね。違う、入るね」
僧侶「・・・勇者様」
勇者「よかった無事で・・・」
僧侶「うぅ・・・勇者様」
勇者「不思議なこともあるもんだ」
勇者「俺たち、魔物に襲われたのに傷ひとつないんだぜ」
勇者「きっと神の加護ってやつだな」
僧侶「違うんです・・・」
勇者「?」
僧侶「私たちは魔物に殺されたんじゃないんですよ」
勇者「えっ、でもどうして」
僧侶「ふたりとも・・・私の・・・おしっこを飲んで死んだんです」
勇者「そ、そんな・・・」
僧侶「私は勇者様を殺して・・・しま・・・・うわああああ」
勇者「お、おちつけよ!」
僧侶「こんなのいやあああああ」
勇者「大丈夫俺は生きてる! たしかに言われてみれば僧侶ちゃんのおしっこで即死したような気もするけど生きてる!」
僧侶「いやああああああ!!」
勇者「僧侶ちゃんのせいじゃないよ」
僧侶「私のおしっこは聖水なんかじゃありません劇薬です」
勇者「いや、聖水だったよ」
僧侶「そんなわけありません! そんなわけありません!」
勇者「一口味わった時、まるで天に召されるかのような気分だった」
僧侶「・・・・う」
勇者「とっても・・・・おいしかったよ」ニコッ
僧侶「・・・」ゾッ
勇者「それに実際に効果はあった」
勇者「僧侶ちゃんのおしっこが俺たちの肉体をまもってくれたんだ」
勇者「魔物に食い散らかされなかったのが何よりの証拠」
勇者「僧侶ちゃんのおしっこはまさしく聖水だったんだよ!」
僧侶「・・・」
勇者「泣かないで」
僧侶「おしっこで勇者様を死なせてしまったなんて、恥ずかしすぎて死にます」
勇者「だからいいんだって! 気にしてないよ」
僧侶「殺人おしっこです・・・こんなものが私の中につまっているなんて」
僧侶「うええええん」
勇者(相当ショックだったんだな・・・)
勇者「わかった。僧侶ちゃんのおしっこが劇薬なんかじゃない、純粋な聖水なんだってこと俺が証明してやるよ」
僧侶「え・・・」
勇者「だからもう一杯ください」
僧侶「ひっ・・・きもちわるいくらい前向き」
勇者「そしては俺は重大なことに気づいた」
僧侶「な、なんでしょうか変態」
勇者「聖水ってのは、空気にさらされると聖なる力が拡散してしまって効力が落ちる」
僧侶「つ、つまり採取した後きちんと瓶に蓋をしてということでしょうか」
勇者「ちがう! 俺は二の鉄は踏まない」
僧侶「え・・・・な、なんですかなんで顔ちかづけてくるんですか」
勇者「直飲みだ」
僧侶「!」
勇者「わかってくれ僧侶ちゃん。空気に触れないように直接体内にとりこむにはこういう方法をとるしかないんだ」
僧侶「な、なっ、なにを」
勇者「俺がこの身をもって証明してあげる」
僧侶「結構です!」
勇者「それとも僧侶ちゃんは一生を不安をかかえていきていくのか?」
勇者「これからおしっこをするたびに昨日の惨劇を思い出すことになるんだぞ? 自分のおしっこで俺を殺した過去を」
勇者「そんな人生でいいのか? おしっこにめちゃくちゃにされる人生って、僧侶ちゃんそれでいいのか?」
僧侶「そ、それは・・・」
勇者「さぁ、俺は命をかけるんだ。覚悟を決めた」
僧侶「命・・・」
勇者「俺の目を見て。俺は本気だよ。僧侶ちゃんの心を救いたいんだ」
僧侶「どうしてそこまで・・・」
勇者「どうしてかって? そんなもん・・・俺は勇者だからな?」
僧侶「!!」
勇者「さぁ、ベッドに腰掛けて下着を脱ごうか」
僧侶「・・・」スルリ
勇者「いい子だね」
僧侶「は、はずかしいので、早く・・・」
勇者「早く飲んでほしいんだね?」
僧侶「ちがいますっ」
勇者「わかってる。先に祈りを捧げていいかな?」
僧侶「は、はい」
勇者「神よ・・・・今日私は愛する彼女の暗く閉ざされた心を救います。どうかお力添えを」
僧侶「神様・・・お願いします・・・」
僧侶「私のおしっこで勇者様が死にませんように・・・」
勇者「いくぜ・・・」
僧侶「!」ドキドキ
勇者「これが、僧侶ちゃんの・・・」
僧侶「いやぁ、見ちゃだめです」
勇者「どうして? 見ないとどこから出るのか俺わからないよ」
僧侶「でもぉ・・・死ぬほど恥ずかしいので」
勇者「じゃあ早速。いただきます」
ハム
僧侶「ひゃっ・・・ぅ」
勇者「?」
僧侶「・・・う・・・」
勇者「おいおい出してくれないと」
僧侶「緊張してしまって」
勇者「やれやれ・・・じゃあ少し緊張をほぐしてやるか」
僧侶「・・・え?」
チュムッ
僧侶「きゃっ、あっ、なに!?」
勇者「ちゅっ、チロッ」
僧侶「ぅ、あぁ、あ、そこはダメです」
勇者「バブルスライムみたいにヌルヌルしてきたよ」
勇者「もしかしてこっちがほんとの聖水かな?」
僧侶「ち、違っ」
勇者「僧侶ちゃんの匂いがする」
僧侶「やだっ、もう嫌ですっ」
勇者「じゃあ早く、ちゅっ、ちゅぅ。しちゃいな」
僧侶「ぁぁ、あ、う、ぅ」
勇者「俺の口んなかにおしっこするんだよ。安心して全部出すんだよ」
僧侶「は・・・・ぁ、やっ、あ」
僧侶「うぅ・・・だめ・・・なめちゃだめ」
勇者(もうちょっとかなー・・・)
ちゅむ、チロッ
僧侶「はぅっ、あ、あ・・・・だめ、だめです勇者さま」
僧侶「だめ、だめ・・・・でちゃう」
僧侶「ぁ・・・・あぁ!」
勇者(きた!)
僧侶「ああああっ!」ジョボッ
勇者(やべっ、量がおおすぎるっ)
勇者「もごっ、ぼぼおぼぼ」
僧侶「あぁぁぁ! だめ勇者様やっぱりのんじゃだめですー!!」
勇者(は、鼻にっ!)
勇者「がぼぼぼおがおおおごごごぼ」
僧侶「いやぁ、止まって! 恥ずかしいですっ!」
勇者「ぼぼぼぼごぼぼ」
勇者(だめだ・・・意識が・・・)
勇者「 」
僧侶「はぁ・・・はぁ・・・やっと止まった・・・」
僧侶「ごめんなさい勇者さま。私すこしおしっこ長くて」
僧侶「勇者様・・・?」
勇者「 」
僧侶「勇者さま!!?!?」
・・・
勇者「はっ! 俺は!!」
勇者「うれしいような苦しいような夢をみたような・・・」
王「おお勇者よ死んでしまうとは情けない」
勇者「王様! 俺は一体!」
王「部屋で突然死したのをお主の仲間が連れてきたのじゃ」
勇者「なんだって」
王「一体おぬしに何があったのじゃ」
勇者「そ、それは・・・」
王「時におぬし、死んだときに小便でももらしたか? ほのかに臭いが」
勇者「はっ! そ、僧侶ちゃんはどこへ!?」
王「ワシに伝言を残して出ていったよ」
勇者「な、なんて?」
王「もう一緒に旅には行けません・・・とな」
勇者「なんてこった・・・」
王「時におぬし・・・なぜ体が光っておるのじゃ」
勇者「・・・」
勇者「やっぱり聖水の効果があるのは間違いないようだな」
勇者「僧侶ちゃん・・・すごいよ・・・さすが俺のお嫁さん」
勇者「とにかく探してこなきゃ」
勇者「まだ遠くには行ってないはずだ」
勇者「うおお僧侶ちゃんまってろよー!」
おわり
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