エレン「恩師」(32)

原作の設定を変えています

今から、約100年以上前、人類の天敵、巨人が現れた。

人類は、突如として現れた巨人の圧倒的な力に、なす術もなく絶滅の危機に追いやられた。

しかし、人類は強固な壁を作り上げ、100年近くの平和を取り戻した。

そして、壁の中で、人類はある画期的な発明をした。

立体機動装置だ。

これにより、人類は不可能とされた巨人の討伐に成功した。

それは人類にとって、偉大な進歩であった。

その後、立体機動装置は多くの兵士によって扱われるようになった。

しかし、それでもなお、巨人と人類には圧倒的な力の差が存在していた。

また、巨人の討伐に必要とされる立体機動装置の技術には、かなり高い難易度が存在していた。

そこで、調査兵団から王政府にある提案が出された。

それは、将来、調査兵団への入団を希望し、なおかつ訓練兵団に入る前の子供たちを対象に行う、立体起動装置の訓練の要請であった。

実際、訓練兵団の3年間で立体起動装置を上手く扱える者は、5本の指で数える程度しかいなかった。

調査兵団は常に人材不足に悩んいた。

また、壁が壊されるまでは、調査兵団の活動目的は、巨人の生態調査、または討伐、そして壁外拠点の設置などといったものであった。

そのため、新人の調査兵にも巨人を相手に優位に戦える技術が必要とされた。

しかし、そのような技術、言い換えれば、巨人を討伐するための技術を持つ者は、憲兵団に所属するのが当たり前だった。

それは王政府が訓練兵団の成績に応じて、待遇の差を作っていたためでもあった。

そういった背景の中、調査兵団に入るも、約6割近くの者が入団からたった1年で命を落としていった。

調査兵団にとって、一番痛いのは何より仲間、つまり調査兵を失うことであった。

この問題を解決するにあたって、調査兵団は、その要請を王政府に懇願したのであった。

王政府は、初めこそ、その要請に対して反対の立場をとったが、人類の復権を願う革新派が王政府に対し反論を行った。

また調査兵団側は、その要請に対する資金を惜しみなく協力して出すことを約束した。

その結果、王政府は、ついに立体機動装置のみの訓練施設の建設を認めた。

これにより、調査兵団の新兵の生存率は、飛躍的な上昇傾向に転じていったのであった。

そして、845年、今に至るのである。

~845年~シガンシナ区~訓練所~

教官「今日の訓練はこれまでだ!」

エレン「な?!もうそんな時間に・・・」

アルミン「楽しいことをしているときは、時間の流れを早く感じるらしいよ、エレン」

エレン「へぇ~、そうか。なるほどな~」

ミカサ「エレン!アルミン!」

アルミン「ミカサ!」フリフリ

ミカサ「エレン、アルミン。二人とも怪我はなかった?」アセアセ

エレン「ねえよ。いつものことだろうが」

アルミン「僕も無いよ。心配してくれてありがとうね、ミカサ」

ミカサ「うん。怪我がなくて何より。安心した」

エレン「じゃあ、帰ろうぜ。腹が減ったしな」

アルミン「そうだね、じゃあ二人ともバイバイ!」

ミカサ「また明日」

エレン「またな」

アルミン「うん!」

アルミン「ルンルン♪ルンルン♪」スキップ スキップ

エレン・ミカサ「・・・・・・・」

ミカサ「アルミンは最近、機嫌がいい・・・何かあった?」テクテク

エレン「えーっと・・・よく俺にも分かんねけど、機嫌がいいに越したことはねえから変な心配をする必要はねえよ」テクテク

ミカサ「うん、エレンの言う通り・・・・・でも気になる」

エレン「何だよ・・・それじゃあ明日にでも聞けばいいじゃねえか」

ミカサ「言われなくてもそうするつもり」

エレン「はいはい、そうですか」

ミカサ「・・・・・・・」

エレン「何だよ、人の顔をジロジロと」

ミカサ「エレンはアルミンと違って、最近、機嫌が悪い気がする」

エレン「気のせいだろ」

ミカサ「そうかな・・・?」

エレン「そうだよ」

ミカサ「悩み事があるなら、私かカルラさんやグリシャさんに相談したほうがいい。一人で抱え込むのは、いけない」

エレン「あぁ分かってるよ。そうするつもりだ」

ミカサ「うん・・・」

~翌日~

カルラ「エレン!起きな!」

エレン「んあぁ?」

ミカサ「エレン。早く用意して。遅刻する」

エレン「あぁ~、急がなくちゃな」

カルラ「朝食の準備は出来てるわ」

エレン「はいはい」

ミカサ「あと10分」

エレン「分かってるって」

カルラ「無駄口せずに食べる」

エレン「」ムシャ ムシャ

カルラ「エレン、そう急いで食べて、喉に食べ物がつっかかったりでもしt」

エレン「!!」グフッ

ミカサ「エレン!」

カルラ「言ってるそばから!!」

エレン「ゴホッ!ゴホッ!」

ミカサ「エレン!しっかり!」

エレン「ふう~助かった」

カルラ「ったく世話の焼ける子だよ」

エレン「じゃっ!いってきます!」

カルラ「いってらっしゃい!ケガするんじゃないよ!」

ミカサ「いってきます!」

カルラ「いってらっしゃい!」

カルラ「エレンを頼んだわよ」ボソボソ

ミカサ「うん」

エレン「ミカサ、母さんに何か言われなかったか?」

ミカサ「ううん、別に」

エレン「そっか。じゃあ先を急ぐぞ!」


~訓練所~

エレン「ふぅ~、今日の訓練もまた一段とキツイぜ!」ハアハア

ミカサ「エレン!ケガは!?」

エレン「・・・・ねえよ」

ミカサ「そう、良かった」

エレン「・・・」

ミカサ「アルミンは?」

エレン「アルミンなら教官に指導を受けてる」

ミカサ「アルミンにケガは?」

エレン「アルミンにもねえよ」

ミカサ「そう。良かった。それじゃあまた!」バシュッ

エレン「速すぎだろ・・・・」

教官「イェーガー!!何をしている!!訓練に戻らんか!」

エレン「はっ、はい!!」

~昼休み~

教官「お前らに伝えておくことがある!!」

ザワザワ ザワザワ ナンダロウ

教官「今日の午後の訓練より、調査兵団のお偉いさん方がここの訓練所にお見えになるそうだ!」

エレン「調査兵団だと!?」

ミカサ「エレン、落ち着いて」

教官「まあ、礼儀として挨拶はしっかりするように」

教官「以上だ!」

ハッ!!!

エレン「聞いたかよ!?調査兵団が来るってな!」

アルミン「うん」

エレン「もしかして、ここで立体起動装置の技術を見せつければ、すぐに調査兵団に来てくれって言われるかもな!」

アルミン「さすがにそれはないよ・・・僕たちはまだ、10歳だし・・・・」

ミカサ「それに馬にも乗れないから、どう考えても無理」

エレン「まあ・・・確かにそうだが・・・・・あれだ!入団後の出世に関わってくるぞ!」

アルミン「まあ・・・なきにしもあらず・・・だね」

ミカサ「うん。とにかく頑張ろう」

エレン「おう!当たり前だ!」

~午後の訓練~

教官(イェーガーは心なしか気合いが入ってるな)

教官(ん?あれは調査兵団の団長・・・・)

教官(キース・シャーディスか!?)

教官(それと隣にいるのが・・・ヅラっぽい人だが・・・・あれは確か・・・・・)

教官(時期団長最有力候補のエルヴィン・スミスか!?)

キース「やはり来ていてよかったな、エルヴィン」

エルヴィン「そうですね。未来の金の卵を見ているようなものです」

キース「その金の卵をお前が将来、食い尽くさんようにな」

エルヴィン「はっはっ・・・冗談にしては酷過ぎやしませんか?」

キース「そうか、それは、すまんすまん」

エルヴィン「団長は、この中で誰か気に入った子はいますか?」

キース「う~ん、そうだな・・・・お前はどうだ?」

エルヴィン「私ですか?・・・・・やはり頭ひとつ飛び抜けた実力の・・・あのマフラーを巻いた女の子ですかね」

キース「そうか、あの子はリヴァイを超える実力を持っているかもしれんぞ」

エルヴィン「私もそう思います。まあ、ここにリヴァイがいなくて良かったですね」

キース「はっはっ、そうだな」

エルヴィン「で、団長もやはりあの子が?」

キース「ふっ・・・・どうだろうな・・・もう少し眺めるとするか・・・」

エルヴィン「そうですか、意外な返答です」

キース「・・・・・・・・」

キース「・・・・・・・・・!」

書き溜が終わった。また、溜めて投下します

>>25で誤字脱字を発見
時期じゃなくて、次期だった。

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