王将「国内で異国の者に民が虐殺されている?」 (27)

王将「それはまことか?」

金将「はい。確かな情報にございます。わずかここ数日の間にすでに犠牲者は千名以上……」

王将「……それが本当なら我が国の一大事だな。直ちに国内を探索し……」

銀将「失礼いたします!」

金将「なんだ騒々しい! 今は……」

銀将「緊急事態にございます! ここより北西に十数キロ先に異国人を目撃したとの報告が!」

王将「……直ちに隊を編成し、討伐にむかえ。討伐隊の編成及び指揮は金将に任せる」

金将、銀将「はい!」

銀将「金将殿、編成はどのように……」

金将「分かっている情報は、異国の者ということと戦闘能力が異常に優れているということのみ。気は一切抜くことができん」

銀将「そうですね……」

金将「私が指揮をとる。飛車! 貴様も共に来い」

飛車「はあ? なんで俺がそんなことしなくちゃならねえんだよ」

金将「貴様……上官の命令に逆らうつもりか?」

飛車「大体、どんな奴らだろうが近くに来たら俺が蹴散らしてやるよ」

金将「角行、貴様は……」

角行「わ、私はその……飛車が行くなら行こうかなーって……。べっ、別にこいつのことが心配ってわけじゃないんだけど」

金将「……」

金将「編成隊の人員を発表する。桂馬!」

桂馬「へーい」

金将「歩!」

歩「はっ、はい!」

金将「以上。私が指揮をとり異分子をこの国より排除する」

銀将「き、金将殿! わずか三人では……。私も……」

金将「貴様は私の遠征中、軍の指揮をとる役目がある」

銀将「し、しかし……」

金将「心配には及ばん。私がこの命に替えても必ず異国人を抹殺する」

歩「(はじめての任務だ! 必ず軍功をたててやる!)」

金将「……」

金将「それでは行って参ります」

王将「任せたぞ。金将」

金将「はっ!」



角行「ちょっ、ちょっと飛車!」

飛車「なんだよ。うるせえな」

角行「あ、あんたなんで討伐隊に参加しなかったのよ!」

飛車「ああ? どうせ異国人なんざ雑魚に決まってるだろ? 最強の俺が出る必要もねーよ」

角行「ま、またそうやってすぐ調子に乗るんだから!」

飛車「調子になんかのってねーよ。例えどんな相手が来ようが一瞬だ。俺に勝てるのは俺だけだ」

金将「そろそろ目撃情報があった場所に近いな……」

歩「あれ? あそこに誰か倒れてる」(タタタッ

金将「待て歩! 単独行動は……」


民「……」

歩「」ガタガタガタガタ

金将「歩?」

歩「し、死んでる……」

金将「なんだと?」

??「まずは一匹!」

キィーン

桂馬「遠征中に気抜いたらアカン言うたやろ」

歩「た、助かった。ありがとうございます」

??「チッ」

金将「……貴様がこれをやったのか?」

??「ああ、そうだよ」

金将「……その確認がとれただけで十分だ。今ここで貴様を抹殺する!」

桂馬「金将はん、俺もやるで」

金将「敵は一人。私一人で十分だ。……貴様、一体何者だ?」

ポーン「ポーンって言うんだよ。よろしくねー。あ、あとこっちは二人いるよ。ほら出てきなよ! ナイト!」

ナイト「……」

ポーン「これで2対2だね。あっちのおチビさんは戦力にならないみたいだし」

歩「な、なんだと! ぼ、僕だって!」

金将「下がっていろ! 歩!」

歩「で、でも金将さん……」

金将「お前は戦わなくていい。代わりにすぐに戻ってこのことを王将様に伝えろ」

歩「でも二人だけなら僕ら三人でやれば……」

金将「そこの馬面を見て思い出した……」

歩「えっ?」

金将「貴様ら、“チェス”だな」

ポーン「せーかーい!」

金将「……」

桂馬「金将はん、“チェス”ってなんなんや?」

金将「六人組の戦闘集団だ……」

桂馬「ろ、六人組!? ってことはたった六人で数日のうちに……」

金将「やるぞ。桂馬。こいつらはなんとしても仕留める」

ナイト「……」シュンッ

金将「(速っ……!? こいつ歩を狙って!?)」

キィーン

ポーン「へえ。すごいじゃん。初見でナイトの太刀筋を読むなんて」

歩「あっ、あああ……」

金将「行け……歩」

歩「はっ、はい!」(タタタッ

金将「(太刀筋が桂馬のそれに似ていたから防げた。もし本当に初見なら……)」

桂馬「金将はん!」

ポーン「おっと! お前の相手はこっちだよ!」

桂馬「くっ……」

金将「(桂馬とはいつも訓練で刃を交えている! その太刀筋と太刀筋が似ているならば!)」(ズシュッ

ナイト「むおっ……」

金将「(勝つことは容易だ……!)」

ズバッ

金将「ぐっ……」ポタポタ

ナイト「……」(ズシュッ

金将「ぐはぁっ……」

ナイト「……」

金将「(なっ、なんだ今のは……太刀筋が全く……)」




ポーン「ぐっ!」

桂馬「なんやあんさん、偉そうにしとった割にはあんまり強くないやんけ!」

ポーン「チィッ」

キンキーンッ

桂馬「(だがここまで初見の相手に俺の太刀筋を読まれるとは……こいつら……)」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom