聖「先輩、ピッチングに付き合うぞ」

パワプロ「いつもありがとね聖ちゃん」

聖「気にするな。先輩が誰よりも一人で自主的に練習しているのは知っている。実践感覚に一番近い練習の投げ込みくらい遠慮なく言ってくれた方が嬉しい」

パワプロ「そんな遠慮してるつもりはないんだけどな、はは。……聖ちゃん」

聖「なんだ？」

パワプロ「手出して」

聖「こうか？」

パワプロ「ありがとう｣ｷﾞｭ

聖「なー！」

パワプロ「聖ちゃんには感謝ばかりで頭が上がらないよ。甲子園目指して頑張ろ」

聖「せ、先輩……分かった。分かったからて、手を……」

パワプロ(かあいい)

モブ「お疲れ様です」

パワプロ「おう。気をつけて帰れよ。……さて、聖ちゃーん」

聖「ん？なんだ先輩」

パワプロ「一緒に帰ろうよ」

聖「どうしてだ？いつもは矢部先輩と帰ってるはずじゃ」

パワプロ「いや、まぁ。女の子と一緒がいいんだよね」

聖「別に構わないが……別に私なんかよりみずきと一緒の方が会話も楽しいぞ」

パワプロ「……ごめん言い直すよ。聖ちゃんと一緒がいい」

聖「なー！」

聖(な、なんでだ？私と一緒のほうがいいなんて言い方。まるで……)ﾄﾞｷﾄﾞｷ

パワプロ「帰りに聖ちゃんオススメの和菓子屋寄りたいんだよね。聖ちゃんが一緒ならお得意様だから一個くらいおまけしてくれるんじゃないかと」

聖「っ！……先輩なんか知らないぞ｣ﾌﾟｲｯ

パワプロ「えぇー！(棒)」

パワプロ(かあいい)

みずき「しっかりしなさいよねパワプロ君」

パワプロ「はい……」

みずき「ふふっ。しょうがないから許してあげる。今度までにしっかり練習しておくのよ！じゃあね！｣ﾀﾀﾀﾀﾀ

聖「みずきは相変わらずだな」

パワプロ「うん。でも多少口うるさくても言ってることは正しいのがみずきちゃんの良さであると思うよ」

聖「うん。それにみずきは私と違って女の子らしくて可愛いからな。多少のワガママも先輩には可愛いもんだろう」

パワプロ「…………｣ｼﾞﾄｰ

聖「な、なんだ？」

パワプロ「俺は聖ちゃんの方がワガママ言われたいけど……」

聖「なー！」

聖「わ、私はこういう性格だ。ワガママなんて先輩には……うぅ」

パワプロ(かあいい)

聖「タイムお願いします」

審判「タイム！」

聖「大丈夫か先輩。この回から球が少し浮き気味だ。1、2番は抑えられてもクリーンアップは持って行かれるぞ」

パワプロ「うん、ごめん聖ちゃん。もっと集中しなきゃね」

聖「別に責めてるわけじゃない。それに球自体は走っている。だから多少打てれても長打にはならないと思う。ただ一発になりやすい高めへのコントロールにだけは注意しようと言いたかっただけだ」

パワプロ「ありがとう……聖ちゃんってさ」

聖「なんだ？」

パワプロ「前にも似たような事言ったかもしれないけど、聖ちゃんって夫を立てるのが上手そうだよね」

聖「ど、どういうことだ？」

パワプロ「いやー、だからさ、要するにいいお嫁さんになりそうだなーって」

聖「なー！」

聖「こ、こんな時に何おかしな事を言ってるんだ先輩！前言撤回だぞ！絶対打たれることは許さないからな！｣ｽﾀﾀﾀﾀ

パワプロ(かあいい)