小椋「にしし…早速メール送っちゃおっと♪」カタカタ
小椋「ん~…どんな文面にしようかなぁ…」
小椋「こんにちは…とかで始めればいいかなぁ」
小椋「突然ごめんなさい、とかの方がいいかな?」
小椋「ええいっ、とりあえず書いてみるっきゃないわ!」
榊原「さてと、メールチェックしとくかな」カチカチッ
榊原「相変わらず迷惑メール多いなぁ…」
榊原「ん…?知らないアドレスからメールが来てる…」
From<ogu-bridge@meil.yomikita.ne.jp>
Sub:小椋ですっ☆
本文
榊原くん、こんにちは!小椋由美です(^o^)/
ば、バカにしないでよねっ!アタシだってパソコンぐらい使えるもん(><)
らんらんらららんらんらん♪らんらんららららん♪
くっくっく・・・。思わずナウシカを口ずさんじゃったよ
ん~。赤沢さんって怖いよねぇ。とっつきにくいし・・・・。
大した用はないんだけど、突然こんなメールしてごめんねっ!
好きな映画とかあるの?私は「カリートの道」。榊原くんもみなよ!
きっとアル・パチーノのファンになるよ。
小椋「榊原くん気付いてくれるかなぁ…」
小椋「アタシの愛のメッセージ…」
小椋「でも榊原くん、結構鈍感なところあるしなぁ…」
小椋「…ま、そんなところも含めて好きなんだけどさ」
榊原「小椋さんから…?」
榊原「何で僕のアドレス知ってるんだ??」
榊原「…とりあえず、返信しないとなぁ」
小椋「おっ、返信来てる!」
From 榊原きゅん
Sub:メールありがとう!
本文
僕のアドレス知ってて驚いたよ。どこで聞いたの?
もしかして赤沢さん?クラスでは赤沢さんしか知らないはずだし・・・。
小椋さんのアドレスも、とりあえず登録しておいたよ!
ぐったりするほど暑い日が続いてるけど、小椋さんは大丈夫?
らんらんららららん♪ いけねっ、僕もナウシカ口ずさんじゃったよ(><)
さっき見てたところだよ、「カリートの道」。面白かった!
んん~。でも僕はやっぱデ・ニーロ派かなぁ・・・。
好きな俳優で言うと、他にはエドワード・ノートンとかも好きかな。
きらいな俳優はフルメタルジャケットのデブ
小椋「!? ちょ、ちょっとこれって…つまり…」
小椋「アタシの愛のメッセージを受け取った…って認識していいわよね…?」
小椋「いや、絶対そうよ!」
小椋「…にしても」
小椋「赤沢さんも榊原くんのアドレス知ってたの…?」
いけねっmailだったorz
何も頑張ってない
なんだったかな?
このメールの縦読みが繋がるっての
前にAnotherSSのどれかであったのは覚えてるんだが
赤沢「ふふっ♪恒一くんからメール来てるかな~?」カチカチッ
赤沢「来てなかった……」
赤沢「さ、寂しいよぉ…恒一くん…」
赤沢「いや、変なプライドなんて捨てて、ここは私からメールを送信するべきだわ!」
赤沢「待っててね、恒一くん」カタカタ
>>16
サカキと和久井が親友の設定だったアレね
榊原「おっ赤沢さんからメールが来てる」カチッ
From 赤沢さん
Sub:今度
本文
一緒にサイクリングでもしない?
明日、日曜だし、暇?
暇なら行きましょうよ!
榊原「サイクリングかぁ…楽しそう。」
榊原「『いいよ、じゃあ明日の午後1時に校門で待ち合わせね』っと…」カタカタ
小椋「ま、とりあえず赤沢さんは置いといて…」
小椋「榊原くんと相思相愛が判明したことだし、早速デートの約束しなくちゃね//」
小椋「うふっ//」カタカタ
榊原「ん、また小椋さんから届いてる」
From 小椋さん
Sub 愛しの榊原くんへ
本文
榊原くんの愛のメッセージ、ちゃんと受け取ったよ!
明日デートしよう!
榊原「え?」
榊原「愛のメッセージ…って何のことだ?」
榊原「ははぁん、小椋さんイタズラ好きっぽいし、さては僕をおちょくってるな」
榊原「そうだ、小椋さんもサイクリングに誘おう」
榊原「『明日サイクリング行くんだけど、小椋さんも一緒にどう?』っと…」カタカタ
小椋「返信がキタァ!」
小椋「サイクリングか…さすがダーリン!中学生らしい爽やかデートってことね!」
榊原「そうだ!せっかくだし、ワッ君や中尾くんも誘おう!」
榊原「電話しよう」
榊原「あ、ワッ君?」
和久井『バラッちどうしたの?』
榊原「明日、サイクリングでもどう?」
和久井『サイクリングかぁ。楽しそうだけど、ほら僕喘息持ちだし…』
榊原「知ってるさ、だから僕の後ろに乗せてあげるよ」
和久井『バラッち…』
榊原「あ、順くん?」
中尾『ようサカッキー。何か用か?」
榊原「明日サイクリング行こうよ!どうせ暇でしょ?」
中尾『決めつけてんじゃねぇ!……まぁ確かに暇だが』
榊原「じゃあ行こうよ。それに…」
中尾『それに?』
榊原「赤沢さんも来るよ?」
中尾『何!?』
榊原「これで来ないとは言わせないよ?順くん」
中尾『サカッキー…ありがとう…!』
~翌朝~
赤沢「うーん…どうしよぉ…」
赤沢「赤いリボンがいいかな…それとも水色にしようか…」
赤沢「初めて二人きりで会うんだし、どのリボンにするか迷うわね」
赤沢「うーむ……」
赤沢「水色にしよう!」
赤沢「ふふっ。今日は楽しい一日を過ごせそうだわ!」
榊原「よし、じゃあ行こうかワッ君。後ろに乗ってよ」
和久井「うんっ」
榊原「校門で皆と待ち合わせしてるから、まずはそこへ行くね」
和久井「了解!」
榊原「よーし、出発!」キコキコ
榊原「しっかりつかまっててね、ワッ君」
和久井「おう」
榊原「あと、発作が起こりそうだったら、遠慮なく言ってね」
和久井「分かってるって。バラっちは心配性だなぁ」
榊原「はははっ」
~校門~
小椋「ダーリンまだかなぁ♪」ワクワク
シャーッ キキーッ
赤沢「あら、小椋さんじゃない」
小椋「赤沢…さん?」
赤沢「こんなところで何してるの?」
小椋「赤沢さんこそ…自転車なんか乗ってどこに行くの?」
赤沢「私はサイクリングよ。そっちは?」
小椋「アタシはデートよ」
赤沢「デート!?だ、誰と?」
小椋「ふふっ。それはね…」
榊原「やあやあ、遅れてごめん」ギコギコ
和久井「おはよう、ザワっち、グラっち!」
小椋「あっ!おはようダーリン♪」
赤沢(なんだ、小椋さんの彼氏って和久井くんだったのか)
小椋「ダーリン、何でワッ君を後ろに乗せてるの…?」
赤沢(えっ?も、もしかして…和久井じゃないの?)
榊原(ダーリン…?)
和久井「ほら僕、喘息持ちじゃないですか」
小椋「なるほど」
小椋「えっ」
和久井「えっ」
小椋「そうじゃなくて、何でワッ君まで来てるのよ」
和久井「皆でサイクリングでしょ?」
小椋「皆で…?」
榊原「そうだよ。僕とワッ君、小椋さんと赤沢さん。…と順くん」
小椋(ははぁん…ダーリンってば、二人きりだと恥ずかしいのね…)
榊原「え?別にいいよね?」
小椋(こう言う可愛らしいところが、母性本能くすぐるのよね…//)
小椋「ええ、いいわよ」
赤沢「それはともかく、今『順くん』って聞こえたんだけど…気のせいよね?」
榊原「順くんも来るよ?」
小椋「えぇー?中尾の野郎まで来るのぉ!?」
赤沢「最悪だわ!早いとこ逃げましょう!」
榊原「ちょっと待ってよ、それじゃ順くんがかわいそうだよ」
小椋「そうよね♪赤沢さんサイッテー…」ジロ
赤沢「あんたも否定的だったじゃないっ!」
中尾「おまたせー!」
赤沢「うわ…来ちゃった…」
和久井「やあカオっち」
榊原「これで皆揃ったね」
榊原「ところで…小椋さん、自転車は?」
小椋「え?アタシ、チャリ持ってないよ?」
榊原「え?」
小椋「ダーリンに乗せてもらおうと思ってたから」
榊原「えーと…まず、そのダーリンって何?」
小椋(そっか…皆の前じゃ恥ずかしいのね……んふっ可愛い//)
小椋「榊原くんの後ろに乗せてよ!」
赤沢「!?」
中尾「おー、俺の後ろなら空いてるぞー?」
小椋「ワッ君、中尾の後ろに乗りなさいよ」
中尾「俺は無視か?」
和久井「えー?」
小椋「いいからどけよテメェ!」
和久井「わ、わかったよ…」
小椋「ふふっ♪よいしょっと。うふ♪」
榊原「はは…」
中尾「和久井ー、しっかりつかまってろー」
和久井「了解!」
赤沢(ぐぬぬ…)
中尾「とりあえず、新しくできたサイクリングコースまで行こうぜー」
和久井「あ、それ昨日テレビでやってたよね。僕も見てたよ」
小椋「アタシは榊原くんとならどこでもいいよ?//」
榊原「あ、そう…はは…」
赤沢「よし、出発ぅ♪」
中尾「おっしゃー!飛ばして行くぜー!」
和久井「あんまり無理しないでね」
中尾「まかせろー!」
榊原「じゃあ小椋さん、しっかりつかまっててね?」
小椋「うんっ!」
榊原「へぇ…小椋さん、やっぱ軽いね」
小椋「そ、そうかな//」テレッ
赤沢「そりゃそうでしょ。余計な脂肪ないし。…主に胸とか」
小椋「テメェ!今なんつったコラ!」ガンガンッ
赤沢「ちょっと!私の自転車蹴らないでよ!高かったんだかね、これ!」
中尾「赤沢さーん//」
赤沢「誰こいつ」
中尾「…」
榊原「赤沢さん、中尾くんがかわいそうだよ」
赤沢「中尾ごめん。で何?用があるなら10秒で済ませて」
中尾「おっと段差だ。みんなー気をつけろー!」
和久井「ちょっと尻を浮かせて…っと」
榊原「段差が来るよ、小椋さん」
小椋(ダーリンの背中あったかい…//)
榊原「…聞いてる?」
ガタンッ
小椋「いでっ!!」
榊原「だ、大丈夫?」
小椋(股打った…)
榊原「皆は先に行っててよ」
中尾「まかせろー!」
赤沢「早く追いついてね」
榊原「うん」
榊原「小椋さん、ごめんね。大丈夫?」
小椋「ダーリンのせいじゃないよ…いてて…」
榊原(股間打っちゃったのかな…)
小椋「ダーリン、患部さすって…?」
榊原「えっ?」
小椋「ほらっ」グイッ
榊原「だ、駄目だってそれは…」
小椋「あ…痛い…痛いなぁ」チラチラ
榊原「じゃあ…引き返すしかないか……」
小椋「あっ、治っちゃったっ」
榊原「えっ?」
小椋「ほらほら、早くしないと皆に置いて行かれちゃうよっ」
榊原「わかった!」
榊原「おーい、みんなー」
中尾「よー、追いついたか」
和久井「ねえ、あそこの休憩所で休んで行かない?」
赤沢「そうね、ちょっと疲れてきたし」
中尾「赤沢さん、俺がマッサージしてあげるぜ?」
赤沢「へぇ、食堂とかお土産物屋とかもあるみたいね」
榊原「サービスエリアとか、道の駅みたいなところみたいだね」
小椋「じゃあ、お茶もしていこうよ♪」
赤沢「賛成」
~休憩所~
榊原「何飲もうかな…」
赤沢「恒一くん、ここコーヒーの種類豊富みたいよ?」
榊原「ふぅん……あ!」
小椋「どうしたの?」
榊原「ハワイコナのエクストラファンシーがある!」
赤沢(覚えててくれたんだ//)
榊原「じゃあ僕これにしようかな」
赤沢「私も同じのでいいわ」
中尾「お、俺も!」
小椋「あ、あたしも!」
和久井「じゃあ僕はオレンジジュース」
赤沢「あれ?小椋さんもコーヒー飲めるの?」
小椋「ば、バカにしないでくれる?飲めるわよコーヒーぐらい!」
赤沢「へぇ…」
小椋「ハワイコナのエクストラファンキーと言えば、アタシの大好物よっ!」
榊原「ファンキーじゃなくてファンシーだけどね」
小椋「あ//」
赤沢「プッ…」
榊原「小椋さん可愛いね」
小椋「えへへ//」
赤沢(ぐぬぅ…)
中尾「俺は正直、コーヒーとかよく分からん。強いて言うならネスカフェ知ってるぐらいだ」
店員「おまたせしました」
赤沢「来たわね」
榊原「飲んでみなよ、小椋さん」
小椋「うん」ゴクゴク
小椋(うげぇ…苦い……)
赤沢「ふふっ、やっぱり小椋さんにはまだ早かったみたいね」
小椋「そ、そんな事ないわよ!」ゴクゴク
中尾「うげー、何だこの苦さはよー」
和久井「♪」チュー
小椋「さて、んじゃ再出発と行きますか」
赤沢「あ、恒一くん。私の後ろに乗りなさい」
小椋「はぁ!?」
赤沢「恒一くん、まだ激しい運動は駄目なんでしょ?だから乗せてあげるわよ」
榊原「ありがとう赤沢さ…」
中尾「…」
榊原「…いや、それより、中尾くんを乗せてあげなよ」
赤沢「…は?」
榊原「中尾くん、さっき足挫いちゃったみたいなんだ」
中尾(おぉぉ!さすが心の友!)
赤沢「嫌よそんなの!」
榊原「お願い、赤沢さん…」
赤沢「わ、わかった//」
小椋「じゃあ今度はアタシが漕ぐね。榊原くんは後ろに乗って!」
和久井「僕も、あとの距離なら自転車漕いでも平気そうだ」
赤沢「んじゃ中尾、乗りなさい」
中尾「は、はい!//」
小椋「ん…」
榊原「どうしたの?」
小椋「足が地面につかない…」
榊原「あっ、ごめんごめん。今サドル下げるね」カチャッ
小椋「ふふっ。ありがとう榊原くん♪」
小椋「いざ!」ガシガシガシガシッ
榊原「ちょ、ちょっと小椋さん…スピード出しすぎなんじゃ…」
小椋「しっかりつかまっててよ、榊原くん♪」
榊原「は、速すぎるよ小椋さんっ」ガシッ
小椋「やっ…さ、榊原くん、そこ胸だよ//」
榊原「ご、ごめんっ//」
中尾「ははwww平だから腹だと思ったのか?」
小椋「この野郎!!」ゲシゲシッ
中尾「うわぁぁぁぁぁ!」
赤沢「中尾が落ちたっ!?」
榊原「うう…何で、何でこんな事に…」
赤沢「これも…きっと現象なのよ…」
和久井「中尾氏…君のこと、きっと忘れないよ。きっと…」
榊原「だから今は…成仏してくれ…」グスッ
小椋「そうね…。さ、早く目的地に向かいましょ!」
赤沢「そうね」
和久井「海が僕らを待ってる!」
榊原「日本海が、夢で見たのと同じような青さならいい…。希望を持とう」
中尾「ころすなー!」
赤沢「あ、生きてた」
中尾「赤沢さん、乗せてくれ!」
赤沢「しょうがないわね…」
小椋(チッ…しぶとい奴め)
榊原「よかったぁ…本当によかった…順くんが生きてる、確かに生きてるんだ」
和久井「バラっち、これで涙拭いて」
榊原「ありがとう…」フキフキ
中尾「よーし、行こうぜー!」
赤沢「ちょっと、あんまりくっつかないでよ!」
小椋「みてみて榊原くん、海が見えてきたよ!」
榊原「すごい!」
和久井「ここからは海岸線だね」
中尾「あぁ…赤沢さん、あったかい//」
赤沢「次変なこと言ったら振り落とすわよ!」
小椋「せっかく海まで来たんだし、このまま泳ぎたいわね」
榊原「でも水着持って来てないし…」
和久井「それなら僕のあげるよ、新品2枚持って来たんだ」
榊原「えっ、いいの?」
和久井「もちろんさ」
小椋「実は私も持ってきてあるんだ♪」
赤沢「私もよ」
中尾「ちょ、俺持ってきてないんだが…てか皆用意いいな」
中尾「おい和久井!もう1枚ないのかよ」
和久井「持ってないよ…ごめん」
赤沢「ワッ君が謝ることじゃないわよ。全部中尾が悪いから」
中尾「で、ですよね」
榊原「近くのホテルなら売ってるかもね」
小椋「とうちゃくー♪」キキーッ
榊原「よし、自転車はこの辺に置いておこう」
赤沢「じゃあ中尾は水着買って来なさいよ」
中尾「まかせろー!」
タッタッタッ…
赤沢「さ、私は先に行ってましょう」
小椋「そうね」
赤沢「んーっ、夏の日差しが気持ちいいわ」
榊原(おっ…赤沢さんは前と同じ水色のビキニか)
榊原(相変わらずスタイルいいなぁ。そりゃ順くんも惚れるわけだよ)ウンウン
小椋「榊原くーん♪」タタタッ
小椋「じゃーんっ♪」バッ
榊原(小椋さんはピンクのパレット水着か…これはこれで…)
和久井(やっぱ胸が…とか言ったら殺されるし黙っておこう…)
中尾「おまたせー!」
赤沢「特に待ってないけどね」
中尾「おー、小椋その胸ロードローラーにでも轢かれたのかー?」
小椋「お前をロードローラーで轢いてやろうか…!」
和久井「…」ヌリヌリ
中尾「お、日焼け止めかー?」
和久井「うん」ヌリヌリ
榊原「背中、塗ってあげようか?」
和久井「ありがとう、助かるよ」
榊原「いいっていいって」ヌリヌリ
小椋「わ、私の背中も塗って!」
赤沢「私も私も!」
中尾「赤沢さんは俺にまかせろー」
赤沢「触ったらスライシングするわよ」
中尾「お、おう」
そして…
榊原「海に夕陽が沈む…」
小椋「綺麗ね…」
和久井「まるで、夏の終わりを告げているようだ…」
赤沢「今年の夏も終わるのね…」
中尾「赤沢さん、好きだ…」
小椋「榊原くん、好きよ…」
赤沢「私だって恒一くんが好き…」
和久井「僕は藤巻さんが好きだ…」
榊原「僕は中島さんが好きだ…」
小椋「えっ」
小椋「なかじ…え?」
赤沢「恒一くん…嘘よね、冗談よね?」
榊原「冗談なもんか、僕は…榊原恒一は、中島幸子さんを愛してる!」
中尾「おー、お前ずっと前から言ってたもんなぁ」
小椋「え?」
和久井「そうそう、告白しろって言ってるのに、まだしてないんだよね」
赤沢「え?」
榊原「今はまだね。でも、卒業までには…」
榊原「僕の気持ち、ちゃんと伝えるつもりさ」
中尾「おうっ、応援するぜ!」
和久井「僕だって!」
榊原「ワッ君…順くん…」ジワッ
赤沢「ちょ、ちょっと待ってよ…」
中島「あれ?赤沢さん…それに皆も。こんなところで何してるの?」
小椋「!?」
赤沢「!!?」
榊原「中島さん…?//」キュン
和久井「バラっち、チャンスチャンス」ヒソヒソ
中尾「言ったれ、サカキ!」ドンッ
榊原「わわっ」
中島「? どうしたの?榊原くん」
榊原「あ、いや…その…//」
中島「?」
榊原「僕は…僕は中島さんのことが……」
榊原「す、好きです!!」
中島「榊原くん……」
中島「ありがとう、榊原くん。とっても嬉しいわ」
榊原「! じゃあ…!」
中島「…でもね、私も…他に好きな人がいるの」
榊原「え……」
中島「その人は……」
中島「中尾くん、あなたです」
中尾「俺かよー!」
榊原「そ、そんな…」ガクッ
赤沢「良かったじゃない中尾」
小椋「祝福するわ」
中尾「お、おう//」
中尾「お?おう?俺はこれで…いいのか?」
赤沢「いいと思うわ」
その日から、順くんと中島さんの交際は始まり…
僕はそう、失恋した哀れな男になっていた…
榊原「ハァ…」
赤沢「恒一くん…あれからずっとあんな調子ね…」
和久井「うん……さすがに掛けてあげられる言葉も見当たらないよ」
小椋(榊原くん……)
中島「はい、順くん♪あ~ん」
中尾「あ、あーん//」
榊原「ううっ…」
榊原「うわあああああああ!!!!」
ダダッ ガラッ
和久井「ば、バラっち…!」
赤沢「そりゃショックよね…あんな場面見せられちゃ…」
小椋(追いかけなきゃ…!)
~屋上~
ガチャッ
小椋「榊原くん!!」
小椋「…!?榊原くん…何してるの…?」
榊原「止めないでよ!もう僕は…ここから惨めに一人で飛び立つんだ!!」
小椋「フェンスから降りて!お願い!」
榊原「僕は死ぬ!」
小椋「そんな事言わないで!」
榊原「どうせ…どうせ小椋さんだって心の中では笑ってるんだろ!?」
小椋「そ、そんな事…!」
榊原「もうほっといてよ!」
小椋「……………………降りろカス」
榊原「えっ?」
小椋「さっさと降りろっつってんだろ!このクソ野郎!!」
榊原「は、はい…」ガクブル
小椋「ざけんなよテメェおい…分かってんのかコラ」
榊原「は、はい…」ガクブル
小椋「アタシが心の中で笑ってるだ?んな訳ねぇだろ!?」
榊原「す、すみません」
小椋「たかが失恋したぐらいで甘ったれんじゃねえぞ!」
榊原「おっしゃる通りです…」
小椋「失恋したぐらいで……死ぬとか…言わないでよ…」
榊原「小椋さん…?」
小椋「榊原くんが死んだら…アタシ嫌だよ……」
榊原「え…?」
小椋「アタシだって…失恋したんだよ?」
小椋「好きな人が、目の前で別の女に告白してさ…」
榊原「そ、それって…」
小椋「すごく…悲しかった。悔しかった。その瞬間は、アタシだって死にたいって思った…」
榊原「……」
小椋「…もう、死ぬなんて言わない?」
榊原「うん…ごめんね、小椋さん」
小椋「…」チュッ
榊原「んっ……むふぅ…!?」
小椋「ん…//」
小椋「一人じゃない…一人じゃないから、ね?//」
榊原「小椋…さん…」
小椋「飛び立つなら、私と一緒に飛び立とうよ//」
榊原「うん…ありがとう//」
ガチャ
中島「こっちよ、順くんっ!」
中尾「おうっ!」
榊原「中島さんに順くん」
中尾「よう!お前らもここにいたのか」
小椋「ふふっ…それじゃあ4人で…」
中島「行きますか!」
中尾「まかせろー!」
榊原「羽ばたこう明日へ!!」
小椋「無限大の空へ!!」
中島「あの雲を突き抜けて!!」
中尾「大気圏さえ乗り越えよう!!」
和久井「皆…幸運を祈ってるよ」
完
乙
ただ1つ惜しい
>>193で小椋さんの一人称が「私」になった点
今までの小椋さんメインで正しかったことがないって、昨日キャラスレの方で話題になってたから
>>205
ちくしょおおおおおおおおお
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