聖「先輩、今日も新しい変化球の練習するのか?」
パワプロ「ははっ、悪いねいつもいつも付き合わせちゃって」
聖「別に構わない。新しい事を身に付けようとするには時間がかかるものだ。そう上手くはいかない。それに私は先輩のキャッチャーだからな」
パワプロ「……聖ちゃん」
聖「なんだ先輩?」
パワプロ「いつもありがと」テヲギュッ
聖「なー!」
聖「せ、先輩。別に気にしてないから、て、手を……離してくれ」
パワプロ(かあいい)
パワプロ「あっ聖ちゃんお昼食べてるの?」
聖「少し早めに食べて昼休みは練習にあてたいのでな」
パワプロ「これ手作り?」
聖「そうだが……まぁ我ながら下手くそであると思うが」アーン
パワプロ「…………」
パクッ
聖「なー!」
パワプロ「ふむふむ。凄く美味しいけどなこの卵焼きとか。甘さが絶妙だし」モグモグ
聖「そ、そうか。それはよかった」
パワプロ(かあいい)
ククッ
聖「ナイスボール!」
パワプロ「今のはよかったかな」
聖「うむ。最初の頃に比べたら天と地の差だな」
パワプロ「聖ちゃんに昼休み誘われてからピッチングに割ける練習時間が増えたからね。そりゃ嫌でも上手くなるよ」
聖「私は別に何もしていない。先輩が自主的に参加しただけだ。これも自分の努力の成果だと思えばいい」
パワプロ「そういえば聖ちゃん昼休みは制服で練習してるけどボール怖くないの?」
聖「先輩はコントロールはいいからな。バッターが打席に立たないなら特に問題はない」
パワプロ「……制服で野球してる聖ちゃんって可愛いよね」
聖「なー!」
聖「……もう今度からちゃんとユニホームに着替えてから練習するぞ」
パワプロ(かあいい)
聖「あっ先輩」
パワプロ「よっ、聖ちゃん。またきんつば買いに来たの?」
聖「そうだ」
パワプロ「俺も今きんつば買ったんだ。少しおすそ分けするよ」ホイ
聖「本当か!?ありがとう先輩」
パワプロ「あとこのきんつば。今月から期間限定のきんつばなんだ。一つ試しに買ったんだけど凄く美味しいよ。一口食べなよ」
聖「す、すまないが今は先輩から貰ったきんつばと私の買い物袋で両手が塞がってて……」
パワプロ「大丈夫。ほら、あーん」
聖「なー!」
パワプロ「ほら、あーん」
聖「せ、先輩……そういうのは……」
聖「…………」チラチラ
聖「あ、あーん」パク
パワプロ(かあいい)
聖「ほら、ベースまだ片付いてないぞ。あとティー用のボールも」
モブ「は、はい」
聖「ふぅ」
パワプロ「聖ちゃんいつもありがとね。後輩達の世話とか見てくれて」
聖「先輩はキャプテンであるが同時にピッチャーでもある。負担はなるべく軽減してピッチングに集中してもらいたい。試合でも普段の練習でも」
パワプロ「聖ちゃんのリーダーシップにはいつも助かるよ。やっぱり聖ちゃんは……」
聖「なんだ?」
パワプロ「料理も美味いし気配りも出来るし、いいお嫁さんになりそうだよね」
聖「なー!」
聖(そ、それはどういう……)
聖「せ、先輩。まだ練習は終わってないんだぞ。先輩も片付けに協力するんだ」プイッ
パワプロ(かあいい)
聖「ナイスボール!」
パワプロ「うーん疲れた。今日はもう上がろうかな」
聖「ストレッチなら付き合うぞ」
~~~
パワプロ「あぁー気持ちよかった。次は聖ちゃんの番だよ」
聖「えっ。わ、私は別にいい」
パワプロ「ダメだよ。ピッチャーじゃなくても柔軟は大切なんだから」
~~~
パワプロ「聖ちゃん体柔らかいねー」ググッ
聖「硬いと怪我の元だからな」
パワプロ(あっ、髪のいい匂いと汗の匂いとが絶妙のコントラストで……)クンクン
聖「どうした先輩、背中押してく」フリムキ
聖「なー!」
聖「どうして私の髪の匂いを嗅いでいるんだ!」
パワプロ「あっ……聖ちゃんいい匂いだからつい」
聖「っ!そんなこと褒められても全然嬉しくないぞ」プイッ
パワプロ(かあいい)
パワプロ「えっ?聖ちゃんが熱が出て保健室に?」
モブ「そうなんだ。少し見てきてくれ」
~~~
聖(情けないな。普段の練習疲れから熱が出るなんて)
パワプロ「聖ちゃんいる?」ガラガラ
聖「先輩か。すまない、野球部のみんなを少し騒がせてしまったようだ」
パワプロ「気にしないで。きっと疲れが溜まってたんだよ。今日と明日は部活休んでゆっくり治しな」
聖「……私はダメだな。私が女なばっかりに野球部のみんなにも先輩にも迷惑をかけて。男だったら体力ももっとあったんだろうな」ハハッ
パワプロ「……聖ちゃん」
聖「なんだ?」
パワプロ「……好きだよ」
聖「なー!」
聖「なななな何を言うんだせせ先輩!」
パワプロ「い、いや、ちょっと違くて」
聖「ど、どういうことなんだ」ドキドキ
パワプロ「野球部のみんなが聖ちゃんの事を好きってこと」
聖「…………」
パワプロ「聖ちゃんは女の子でも男の子の俺達以上に練習する。厳しくもあるけど理不尽な怒りは一回もない。みんなの事を思って接してくれてるのも分かるし、その事をみんなも分かってる」
聖「…………」
パワプロ「だからさ、女の子とか男とか関係ないよ。聖ちゃんの実力を、人柄を、みんな認めてる。自信持ちなよ!」
聖「……先輩」
パワプロ「何?」
聖「ありがと。心配かけてすまない。明後日から練習に参加するから」ニコッ
パワプロ「……うん」
パワプロ(笑顔かあいい)
パワプロ「聖ちゃん一緒に帰ろうよ」
聖「別に構わないが……」
~~~
パワプロ「で矢部君がさー」
聖「ふふっ」
パワプロ「あっそうだ聖ちゃん」
聖「なんだ?」
パワプロ「す、好きだよ」
聖「っ!い、いやそれはもう保健室の時にも聞いたぞ。そのことは十分理解し」
パワプロ「いや、そうじゃなくて」
パワプロ「俺が一人の女の子として可愛い聖ちゃんが好きってこと……かな」
聖「な、な、ななななな」
聖「なー!」
終わり
そろそろ疲れたんで
以下あおいちゃん聖ちゃんみずきちゃん画像
私は持って無いんで持ってる人お願い
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません