千早「収録後プレイ」 (56)
立ったら
春香「こんにちわー」ピンポーン
千早「いらっしゃい、春香。まぁあがって?」
春香「えへへ、お邪魔しまーす。ふぃ~今日も疲れたぁ」
千早「お疲れ様。何か飲む?」
春香「えっと、じゃあお願い。なんでもいいよ」
千早「少し待ってね、準備するから」
春香「はーい……」ガサゴソ
千早「春香ー?」
春香「何ー?」
千早「こっちから見えないからってタンスの中を漁ったりしないでね?」
春香「……しないよー」
千早「ならいいのだけれど」
春香(クローゼットはセーフだよね)
千早「はい、お茶とお菓子」
春香「ありがとー。いやぁでも疲れたね」
千早「春香はいつでも一生懸命だから」
春香「余裕無いからね、私」
千早「そういう意味で言ったんじゃないのよ?」
春香「知ってる知ってる。ねー千早ちゃん」
千早「どうしたの?」
春香「膝枕して?」
千早「……もう、しょうがないわね」
春香「やっほーい千早ちゃんのおひざ~」
千早「もう……ふふ」
春香「えへへ……ふへへへ」
千早「笑い方が音無さんに似てる……」
春香「おっと」
千早「ねぇ、膝枕しながらで悪いけど、ゲームしてもいいかしら」
春香「いいよ~、邪魔だったらどくけど」
千早「多分大丈夫、RPGだし」
春香「……しかし千早ちゃんがゲームかぁ」
千早「……まぁ、言いたいことはわかるわ」
春香「プロデューサーさんのせいだね」
千早「プロデューサーのせいなのよ」
春香「でもそれ以外の機械はダメなんだよね」
千早「まぁ、ゲーム機は複雑でもないし……ね」
春香「で、何やるの?」
千早「ミンサガよ」
春香「あっれそれ一ヶ月前もやってなかった!?」
千早「やることが多いから……」
春香「え、だって一ヶ月前の時点で全員完走したって言ってたよね?」
千早「そうね」
春香「全員って……えーと8周?」
千早「そうね」
春香「で、今は?」
千早「……」
春香「千早ちゃん!?」
千早「本当にやることが多いから」
春香「こっち見て言ってくれるかなそれ」
春香「この主人公いいよね、地図が多くて」
千早「ええ、最近はもっぱら彼をメインにしてるわ」
春香「あ、なんか嫌な予感する」
千早「……」
春香「なんで今ソフトリセットしたかな」
千早「財宝が……ちょっと」
春香「千早ちゃん、それって」
千早「このルートだと多分3時間切れると思うのよね」
春香「千早ちゃん、ダメ。それはダメ」
千早「まぁ閃き運が響くルートだから実際どのくらいかかるかは」
春香「RTAは魔境だから!まだ間に合うから戻ってきて千早ちゃん!」
千早「私、何事にもストイックに取り組まなきゃダメだと思うの」
春香「ゲームは楽しくやろうよ」
千早「あれはあれで楽しいのよ」
春香「まぁ……そうかもしれないけど……私別のゲーム見たいな」
千早「ごめんなさい、ソフトこれしか無くて」
春香「そのミンサガに対する実直すぎる姿勢は何なの」
千早「というかこれもプロデューサーに借りてるのよ。本体は買ったのだけど」
春香「あーそっか。とりあえずこれやってみてって渡されたのをひたすらやってるんだね」
千早「やれる事がある内はやろうと思って」
春香「ゲームって性格出るよね。千早ちゃんはそういうとこあるから」
千早「褒められているのかしら」
春香「……多分、褒めてるよ。今度来る時はなにか持ってくるね」
千早「楽しみにしてるわね」
春香「千早ちゃんってRPG以外は嫌いなの?」
千早「やったこと無いだけで嫌いじゃないと思うわ」
春香「そっかー。例えばさ、STGってあるでしょ?」
千早「ええ、あるわね」
春香「自機の判定が真ん中だけみたいなのあるよね」
千早「そうなのかしら」
春香「うん、戦闘機の羽根とかは当たり判定無くて、真ん中だけなの」
千早「へぇ……羽根でも弾が当たったら落ちそうだけど」
春香「そう思うよね。けど平気なんだよねぇ」
千早「特殊な装甲だとか、そういう事なのかしら」
春香「だったらそれで全部作ったら良くない?」
千早「ああ……盾の素材で全身作ったら最強、みたいな」
春香「モビルなんちゃらの話ではないんだけどね」
千早「……」
春香「あ、重い?」
千早「……ほんの、少しだけ」
春香「ご、ごめんね?今どくから」
千早「寝転がりたいならベッド使ってもいいから」
春香「んー、ありがとう。でも重いはひどいなぁ」ボスッ
千早「えっと、その……少しよ?」
春香「フォローできてないよ千早ちゃん」
千早「春香はスタイル良いと思うわ。なんというか、適度というか……くっ」
春香「なんで私のフォローで千早ちゃんがどんどん下がっていくかな?」
千早「足が痺れてしまったわ」
春香「えい」
千早「ひぅっ!?」ビクゥッ
春香「……ふふっ」
カッチコッチカッチコッチ
千早「……閃かないわね」
春香「……」
千早「あ……こんな時間。春香、春香?」
春香「んー……」
千早「もう。春香、そろそろ帰らないと遅くなってしまうわ」
春香「んぁ……うわっ、私寝てた!?」バサッ
千早「いつの間にかね」
春香「うわー……ごめんね千早ちゃん!」
千早「疲れていたのね、仕方ないわ。で、時間」
春香「ほんとだ、もうこんな……じゃあ帰るねっ!」
千早「ええ。また明日事務所で」
春香「うん!それじゃまたね!千早ちゃんもゆっくり休んでね!」バタンッ
千早「……ふぅ。慌ただしいわね、春香は」
千早「……」チラッ
千早「ベッド……」
ボフッ
千早「……っすぅ」
千早「は……ぁ」
千早「……」
千早「なにしてるのかしら、私」
千早「馬鹿馬鹿しい、春香はただの友達……」
千早「すぅ、はぁ……んっ……」
千早「もう少し、だけ……」
春香「持ってきましたよ!ゲームソフト!」
千早「いらっしゃい。玄関先で言わなくても良いから、あがって?」
春香「お邪魔しまーす」
千早「それで、何を持ってきてくれたの?」
春香「えっとねぇ、これ」
千早「……」
春香「え……ダメだった?」
千早「またRPGね?」
春香「そうだけど」
千早「ジャンルを変えるようなことを言って!」
春香「言ったけど、面白いから!」
千早「まぁ、なんでもいいですけれど」
春香「なんか懐かしいねそれ」
千早「というか、またサガなのね」
春香「アンリミテッドな方のね」
千早「春香、少しやってみてくれない?見てみたいから」
春香「それは無理」
千早「え?」
春香「無理」
千早「……何故?」
春香「その方が面白いからね」
千早「予備知識無しの方が楽しめるという事かしら」
春香「ソウデスネ」
千早「春香?」
春香「いや、面白いって……多分」
千早「……とりあえず、やってみるわね」
千早「宝箱も開けられないし戦闘も敵と連携するし全くわからないのだけど」
春香「そうなると思った」
千早「ねぇ、春香」
春香「はい」
千早「私、結構楽しみだったの。恥ずかしい話だけど」
春香「そんな事ないよ。ゲームだって立派な趣味だもん」
千早「そう言ってくれるのは嬉しいわ。でもそれとこれとは話は別」
春香「千早ちゃん、ちょっとなんか……圧力感じるんだけど」
千早「こういうゲームをやらせるのならきちんと説明すべきよね?」
春香「ご、ごめんって!」
千早「許さないわ」
春香「そんな楽しみにしてると思わなくて……でもシステムわかったら遊べるから!」
千早「ならそれを説明してくれるかしら」
春香「よ、喜んで!」
千早「なるほど……確かにわかれば面白いわね」
春香「でしょー」
千早「……で、何故プレイ画面で無くて私の方を見るの?」
春香「あ、なんでもないんだけどね?」
千早「照れるわ」
春香「やー、なんかさ……やっぱりなんでもない!」
千早「そう言われると気になるわね」
春香「なんでもないって。それより続き続き」
千早「っと、ホールドし過ぎたみたい」
春香「あー……チンチンクラッシュ」
千早「春香!?」
春香「え?いや連携名が」
千早「このゲームは危険ね……」
春香「どう?面白いでしょ?」
千早「そうね、好きよ」
春香「え!?」
千早「どうかしたの?」
春香「ああ、ゲームがね、ゲームが……ふぅ」
千早「春香?」
春香「なんでもないっ!」
千早「顔が赤いけど、熱でも……」
春香「無い無い、大丈夫だから!」
千早「そう……?」
春香「うん、大丈夫。……大丈夫」
千早「なら、いいけど……」
春香「……」
千早「……」
春香「ねぇ、千早ちゃん?」
千早「え?」
春香「千早ちゃんはさ、私の事好き?」
千早「な、急にどうしたの?」
春香「聞いてみたくなって」
千早「えぇ……?言わないと、ダメかしら」
春香「ダメだよー、せっかくゲーム持ってきてあげたのにっ」
千早「そう言われると弱いわね……一度しか言わないから、ちゃんと聞いてね?」
春香「うん……はい、どうぞ!」
千早「すっ……きよ?」
春香「え?」
千早「っ、もう!」
春香「えへへ、ありがと」
千早「もう……余り、からかわないでちょうだい」
春香「からかってないよー」
春香「やー、真っ赤な千早ちゃんも可愛いなぁ!」
千早「誰のせいでっ」
春香「えへへ、ごめんね?」
千早「……まぁ、いいわ」
春香「ふふ、あ、そうだ。千早ちゃんも膝枕する?」
千早「ええ?」
春香「この前のお返し。どう?」
千早「い、いいわよ、そんな……」
春香「まぁまぁ遠慮せずに。どうぞー」ポンポン
千早「っ……す、少しだけね」ソッ
春香「ひゃっ!?」ピクッ
千早「あっ、ごめんなさい!?」
春香「あ、違うの!ちょっと髪の毛がくすぐったかっただけ!」
千早「そ、そう……ふぁ……」
千早(……これ、すごく気持ちがいいわね)
春香「どうかな?」
千早「どうって……良いんじゃないかしら」
春香「そっか、よかった」ナデ
千早「っ!?」
千早(ぅあ……ダメ……これ……はぁ……)
春香「よしよし、千早ちゃんは良い子だね~」ナデナデ
千早「……」
春香「ふふっ」
千早(あぁ、これはもう……ダメかもしれない……)
千早「ぁっ」
春香「ん?」
千早「なんでもないっ」
春香「……?」
春香「あ、もう時間だ。帰らなくちゃ」
千早「え……あ、そうね……」
春香「ごめんね千早ちゃん。膝枕おしまい」
千早「そう……」
春香「そんなに落ち込まなくても……またしたげるから」
千早「約束よ?」
春香「うん、約束!それじゃまたね!」
千早「また明日」
春香「ばいばーい」
バタン
千早「好きよ。好き。……大好き」
千早(言えない……わよね)
春香「千早ちゃん!」
千早「春香!」
春香「千早ちゃん!」
千早「春香ー!」
春香「千早ちゃーん!」
千早「……」
春香「えへ」
千早「で、突然やって来て何かしら」
春香「あ、うん。カードゲームやろうよ」
千早「カードゲーム?」
春香「そうそう」
千早「これは……誰発かしら」
春香「律子さんです」
千早「ああ……」
千早「私、カードゲームは全くわからないのだけど」
春香「私もそうだったんだけど、そんなに難しくないから大丈夫だよ」
千早「これは……TCGというヤツかしら」
春香「そうそう。ブースター買ってきました!」
千早「デッキ?というのは必要無いの?」
春香「えっとね、ブースターから出たカードだけでデッキ組む遊び方があるんだって」
千早「へぇ……それなら資産の差はつかないわね」
春香「私も初心者だけど、ルールはひと通り覚えたからさ。やろうよ~」
千早「わかったわ。じゃあ少しルールを説明してもらえるかしら」
春香「うん。えーと、おおまかに言うと……20点削るか山札をなくすか迷路を走破するか牛歩カウンターを」
千早「待って?おおまかに言って欲しいわ」
春香「色々あるんだよ、色々」
千早「……?」
春香「でも今は優しくなった方なんだって」
千早「結構複雑な気がしたけれど……特にスタックの概念が」
春香「うーん、でも昔はダメージもスタックに乗ったんだって」
千早「ダメージが?」
春香「うん。ダメージを受けた後とか前に呪文使うタイミングがあったみたい」
千早「さっぱりね……」
春香「あとマナバーンとか」
千早「マナバーンって?」
春香「過剰に余ったマナはダメージになるんだって」
千早「自分の魔力なのに?」
春香「うん」
千早「……?」
春香「今はどっちも無いから安心だね」
千早「……まぁ、そうね」
春香「で、こうやってパックから欲しいカードをピックしていくの」
千早「なるほど。それと土地カードを使ってデッキを組むのね」
春香「土地は律子さんにいっぱいもらったからね」
千早「なんとなく強そうなカードを取れば良いのかしら」
春香「私も正直良くわかんないから、感覚になるねー」
千早「あと、一つだけ気になったのだけど」
春香「ん、なに?」
千早「この遊び方……多分、三人以上でやるべきじゃないかしら」
春香「……全く同じこと思ってた」
千早「どのカード抜いたか丸分かりだもの」
春香「対策も妨害もし放題だね」
千早「……とりあえず、やってみましょうか」
春香「千早ちゃんが負けたらちゅーしてね、ちゅー」
千早「!?」
春香「勝ちました」
千早「……負けね」
春香「さぁ!千早ちゃん!いつでもいいよ!」
千早「えっ、あ、あっ……」
春香「んー」
千早「……ごめんなさい、春香。無理よ、出来ない」
春香「えー?」
千早「ごめんなさい」
春香「……だったらいいや」
千早「その、本当に」
春香「いいよ、ただの冗談だし。謝らないでよ~」
千早「……ごめんなさい」
春香「いいって」
千早「あのね、春香」
春香「んー?」
千早「……少し、変な話をするわね」
春香「珍しいね、千早ちゃんがそういう事言うの」
千早「真面目に聞いて」
春香「ん」
千早「例えば、ね。ある女の子が」
春香「女の子が?」
千早「とても仲の良い……と、本人が思ってる女の子の事を」
春香「友達をね」
千早「好きに……なってしまった、と、して」
春香「……友達としてじゃ、なくて」
千早「そう、ね」
春香「うん……」
千早「それは……春香から見れば、どうなのかしら」
春香「どう、かぁ」
千早「……」
春香「まぁ……普通では、ないよね」
千早「そうよね」
春香「女の子同士だし、友達関係も……ぎくしゃくしそうだし」
千早「そう……よね」
春香「もし私がその子だったら……好きに、なられた方」
千早「……だったら」
春香「何となく察してても、ダメだよって……態度で、表すと思う」
千早「そう……」
春香「……時間だし、帰るね」
千早「あ……そうね。じゃあ……」
ギッ……バタン
千早「……何を、聞いてるのかしら」
千早「……」
千早「わかっていたじゃない。変だって、おかしいって」
千早「だから……」
千早「……」
千早「……っ、あ」
……。
春香「……」
春香「……」
春香「……はぁ」
春香「……」
ピンポーン
千早「いらっしゃ……あ……」
千早「はい、ありがとうございました。それでは」
ガチャッ バタン
千早「宅配便、ね」
千早「……」ブンッ ボスッ
千早「……何で、あんな事言ってしまったのかしら」
千早「……春香」
「千早ちゃんはさ、好きな人とかいないの?」
「いきなり何を言うの!?」
「ちょっと気になったの。いる?」
「……いると言えば、いる……かしら」
「へぇ~!事務所の人?」
「うちの事務所の男性だとかなり限られてくるわよね」
「社長かプロデューサーさんだよね。で、どっち?」
「どっちでもないわ」
「そっかぁ……でも千早ちゃんに好きだって言ってもらえる人、幸せだよね!」
「そうかしら……そうは思わないけれど」
「そんな事ないよ。千早ちゃんの良い所、私いっぱい知ってるよ」
「春香……」
千早「あ……眠ってしまっていたのね」ムクッ
ゴチッ
千早「あ痛っ!?」
春香「痛ぁ~……」
千早「あっ、春香!?」
春香「お、おはよう千早ちゃん……いたたた……」
千早「え、あ、ええ?どうして春香が……?」
春香「あ、えっと……鍵、開いてたから」
千早「……宅配便を受け取った時に、閉め忘れたのね」
春香「勝手に入ってごめんね?」
千早「ううん、構わないけれど……」
千早「何故膝枕されていたのかしら」
春香「だって、約束したじゃない」
千早「……もう、来ないのかと思っていたわ」
春香「そうしようかとも思ってた」
千早「なら、どうして?」
春香「……あの話、ね」
千早「……」
春香「変だなって思ったのは、本当。ふつうじゃないなって。でも……」
春香「私も、普通じゃないんだと思う。千早ちゃん」
千早「……はい」
春香「女の子同士だけど、友達だけど、私、千早ちゃんが好き」
千早「……も」
春香「え?」
千早「私も、春香が好き……大好き」
春香「女の子同士でこんな風に思うなんて、おかしいよね」
千早「そうね」
春香「でも、しょうがないよね?我慢出来ないんだもん」
千早「そうね」
春香「誰にも言えないね」
千早「……そうね」
春香「ねぇ、千早ちゃん」
千早「なに、春香」
春香「キス、してもいい?……したい」
千早「……」
春香「先に、謝っとくね?」
千早「え?」
春香「止まれなくなったらごめん」
千早「ちょ、春香っ……!?あっ!?」
千早「ん……朝……?」
春香「おはよう千早ちゃん。今日は天気良いね」
千早「……泊まるつもりで来てたなんてね」
春香「えへへ」
千早「もう……これからどうしましょうか」
春香「んー……どうもしなくていいんじゃないかな。誰かに言うわけにいかないし」
千早「表面上はただの友達のまま、ね」
春香「でももうお互いの気持ちがわかってるし」
千早「そうね……ふふ」
春香「えへへ……事務所、一緒に行こうよ」
千早「そうね、そうしましょうか。あ、春香」
春香「何……!?」チュッ
千早「お返し」
GO!
おしまい。あんまりイチャイチャさせらんなかったな。
ミンサガじゃなくてアンサガ薦めてたスレだったら多分書いたの俺だわ。とりあえずおやすみ
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