千早「アイドルとしての自覚」 (61)
昨日のリベンジ
立ったら
今日もダメでした
プロデューサーに何とかお願いしてセッティングしてもらったオーディション
仕事の規模としてはそこまで大きくないのですが、私の得意分野である筈の、歌の仕事に関するオーディションでした
小さな仕事だからと手を抜いていたわけでは決してないのです
今日もいつも通り全力で取り組み、いつも通りに落選しました
なぜ私はいつもこうなのでしょう
合格した回数こそごく少数ですが、私はこの手のオーディションは何回も経験済みで、今更緊張したり慣れきった気がして気が抜けたりはしないのです
だからと言って単純な歌の技術、完成度が、合格した方より劣っていたとも思えません、
客観的に見て、私は本来の実力を発揮し、誰よりもレベルの高い歌唱を披露できていたと思います
一体何が悪かったのでしょうか
以前までならこのような日は、
プロデューサーとその日の敗戦とこれからの戦略についての意見を交わしながら、自宅なり事務所なりまで車で送ってくれたものですが、
プロデューサーは最近では他のアイドルの世話で忙しく、ひとり仕事のない私にかまっている時間など中々ないのです
今日もオーディション会場前で私を車から降ろすと、一言二言私に励ましの言葉をかけて、そのままどこかへ行ってしまいました
ですから今日もいつも通りひとりでオーディションに挑み、ひとりで負け、自分の何が悪かったのかをひとり考えながら、ひとりで事務所へ帰らなくてはなりませんでした
オーディションでいつも通りに落選したことをプロデューサーに報告しなくてはなりませんからね
今日は月曜日、きれいな秋晴れの午後です
義務教育は終了しているとは言え、高校にも行かず、仕事もせず、平日の昼間から往来をトボトボ歩いている私は一体何者なのでしょうか
慣れてきたと思っていましたが、オーディションで落ちた日は十分に暗い気分になる自分に少し驚きました
私は去年から765プロというアイドルプロダクションに所属しています
私が今ひとり街を歩きながら向っている事務所がそこ、アイドルが12人、社員が社長含めて3人の小さな芸能事務所です
小さな事務所と言えど、所属しているアイドルは毎日のようにテレビや雑誌を賑わす一流ばかりです
いえ、紛らわしい言い方はやめましょう
765プロの私を除く11人はアイドルとして成功し、私は一人取り残されているのです
思えば去年は私たち765プロにとって躍進の年でした
私たちみんなより一足先にメジャーデビューを果たした3人組のアイドルユニット、『竜宮小町』のヒットを踏み台に、
765プロに所属するアイドルの面々は一気にスターダムを駆け上がりました
今でも皆アイドルとしての定点は守りながらもそれぞれの分野、
例えばグラビア、ダンス、演劇、モデルなどで活躍しています
私はもともと歌手志望でした
私もこの波に乗り、唯一の心の拠り所である歌で成功を収めようと目論んでいましたが、残念ながらその枠は私のものではなかったのです
「あっ、千早ちゃん!お帰り~」
「ええ、ただいま。春香、今日は来ていたのね」
事務所の急な階段を上りドアを開いて中に入った私にニコニコと声をかけてきたのは、同じ765プロ所属のアイドルである天海春香という娘です
私と春香は同い年で、そのせいなのか仲が良く、私にとっては唯一心を許せる友と言っても過言ではありません
春香も私のことを何かあるごとに親友だと言ってくれて、本当にありがたい限りです
しかし屈託なく私のことを親友だと断言してくれる春香に対し、私は親愛の情以外に後ろめたい、暗い感情を持っていたのです
「今日は春香だけ?プロデューサーに用があるのだけれど」
「プロデューサーさんなら奥でお茶飲んでるよ
さっき車で迎えにきてくれて、一緒に帰ってきたんだ。
今日は現場がちょっと遠かったから……そうそう現場といえば今日ね…」
「そう、ありがとう。今からプロデューサーに用事があるから」
私は春香の言葉を遮りその場を後にしました
本当はプロデューサーに大した用事などありませんでした
いつも通りにオーディションに落選した報告などちっとも重要ではありません
私はただ、春香の仕事の話を聞きたくなかっただけなのです
何故なら、彼女こそが去年の765プロ躍進のときに、私と歌の枠を争った張本人、
今では765プロが誇る歌姫として活躍し、アイドルとして成功を収めている春香に、私はたまらなく嫉妬していました
去年の春先から夏の終わりにかけて、殆ど仕事がなかった頃、私と春香はよく一緒にレッスンをしていました
当時の春香は、お世辞にも歌が上手いとは言えず、しばしば私にここができないアレがわからないと泣きついてきたものです
私は当時から歌にはそれなりの自信があり、春香のためにトレーナーの真似事をしていました
ニコニコと楽しそうに調子っぱずれの歌をうたう春香を見て、
ああ、歌っている時の春香は頭の弱い小学生みたいだな
こんなヘタクソな歌でアイドルを名乗っていいのか
などと、密かに思っていたものです
私はそんな失礼なことを考えながら、やれピッチがずれている、やれ喉が開いていないなどと細々と文句をつけ、
その度に春香は素直に感心し、なにやらメモをとったりスコアに書き込みをしていました
そして歌のレッスンが上手くいった日などは、
「千早ちゃんの歌はやっぱりすごい」
「いつか一緒にステージに立とうね」
などと、いつも通りにころころと笑いながら言ってきたものでした
私はそれ対し適当に返事をしながら、一緒にステージ?春香は私のバックダンサーにでもなるつもりなのかしら…
などと密かに考え、春香のことをアイドルとしては心底見下していました
ですから、私と春香が歌売り路線の座を巡って争っていたという見解は、私の身勝手な視点から見た場合のもので、
春香は私と競争をしていたつもりはなかったと思います
今ここにあるのは、私が密かに見下していた春香は歌路線の正統派アイドルとして成功し、
対して私は箸にも棒にもひっかからない三流アイドルであるという事実だけです
「すいません、今回もダメでした」
「そっか、お疲れ様…」
「千早、しつこいようだけど歌の他にもまずは違う仕事をしてみるつもりはないか?」
「すいません、私には歌しかありませんから…」
「…」
事務所の応接室でのプロデューサーへの報告はすぐに終わりました
いつもと同じ、もう何度目かも思い出せないほどに慣れ親しんだやりとりです
プロデューサーは私にモデルや芝居の仕事などもさせたいようですが、私には歌しかありません
いつもはこの定型の会話の後、事務の音無さんが淹れてくれたお茶を飲んで解散なのですが、今日は勝手が違いました
プロデューサーは湯飲みをテーブルに置き、私の顔を真っすぐに見て言いました
「千早、春香の仕事を見学してみないか?」
「は?」
私にとっては青天の霹靂でした
プロデューサーが私の眼を睨んで口を開いた時、
いつまでたっても結果が出せない私への解雇なり移籍なりのペナルティかと思って一瞬身構えたのですが、
実際は例の通りで一瞬意味が理解できず、間抜けな声が出てしまいました
「千早には春香の仕事振りをつきっきりで見てほしい」
「え…」
「春香は正統派アイドルとして、今では歌も高評価だ。
歌でのヒットを目指している千早にとっては、春香の仕事の仕方は参考になるんじゃないかな」
私は思わずうつむいていまいました
私と春香の格差
ステージでライトに照らされ、大観衆を熱狂させ歌う春香、観衆に混じり指を咥えて見ているしかない私…
そんなイメージが勝手に湧いてきて私の心を黒く染めました
「…」
「それに俺も最近別の仕事で忙しくてさ、
春香につきっきりではいられないんだけど春香は春香で近々大きいライブがあるからひとりにはさせたくないんだ」
「くっ…」
要は付き人の真似事をしてほしいということらしいです
いくら私が仕事は無いにしても所属しているタレントへ頼む仕事ではありません
プロデューサーも結局は私のことをアイドル未満の中途半端な存在だと思ってなめているのでしょう
私は腹がたってしまい、無言でその場を立ち去ってやろうかと思いましたが、ふと思い立ちました
確かにプロデューサーの言うことにも一理ある
春香の今の立ち位置は私の目指している場所に近い、春香のように歌が評価されれば歌手に転向することも叶うかもしれない
私は現時点でも春香より自分のほうが歌の実力は上だと思っています
春香の成功の秘訣が分かれば春香に並ぶことも、いや、とってかわることもできる可能性すらある…
私はそのような都合の良い打算を胸に秘め顔をあげました
「わかりました。しばらくは春香の付き人をやってみます」
「マジか!いや~ありがとう。春香には俺から連絡しておくから!
たぶん2日くらいしたら俺も手が空くと思うから、それまでは春香のこと、よろしく!」
冷静に考えると、2日間で春香の成功の秘訣を盗めるとは思えませんでした
しかし私にはある種の焦りがあったのだと思います
意味はないかも知れない、でも何かをしていないと不安で呼吸が浅くなるような、そんな焦燥感が
「プロデューサーさんから聞いたよ!これからよろしくね!」
「こちらこそよろしく。勉強させていただくわ」
翌日、プロデューサーから事情の説明を受けたらしい春香は、いつも通り無邪気に笑いながら私を歓迎してくれました
早速春香のスケジュールを見せてもらいます
「うわ…」
「えへへ、そろそろライブがあるからね、告知とかリハとか色々することがあってちょっと忙しいんだ
だから千早ちゃんが見に来てくれて嬉しいよ!」
さすがはトップアイドル、カラフルに彩られた手帳からもその風格を感じます
私は整理して管理するほど仕事がなく、スケジュールを書き込むためのシステム手帳を用意していません
そのことが私と春香の格差を思い知らせるようで、また暗い気分になってしまいました。
「千早ちゃん大丈夫?ほらほらっ!今日はそこまで忙しくないから平気だよ!」
どうやらあからさまに暗い表情をしていたようで、春香に心配されてしまいました
私は短く返事をして再び手帳に目を落としました
春香はいつも以上に言葉少ない私を心配してか、せっせと声をかけてくれます
これではどちらが付き人なのかわかりません
「今日の予定はえーっと…午前中は取材、お昼から午後はバラエティの収録だけだよ
昼はTV局からお弁当が出るけど夜は時間があるね。一緒に夜ごはん食べにいこうよ!」
「そうね…」
「うんうん!この前食レポの仕事で雪歩と行ったレストランがおいしかったんだ!
イタリア料理のお店でね…」
「春香が羨ましいわ」
「えっ?」
春香といるとついつい本音が漏れだしそうになってしまいます
春香の笑うと線になってしまう柔和な目を見ていると、何を言っても許してもらえそうな錯覚を抱くからでしょうか
私は、本当は春香のような快活で朗らかでかわいらしい娘になりたいのかもしれません
春香は去年の仕事がない時期も今と変わらずに心やさしい天使のような人物でした
私はあの時も竜宮小町に嫉妬して、律子や竜宮のメンバーに素っ気ない態度をとったりしていました
結局私は春香より人間としての器が驚くほど小さいのです、春香のすべてが妬ましい…
「いいえ、なんでもないわ
今日は一日よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いしますっ」
こうして私の2日間の付き人生活が始まったのでした
今日は一日歩きまわって疲れました
一日の仕事が終わり、今は例のイタリアンレストランで料理が来るのを待っているのですが、
疲れているせいかテーブルに突っ伏して寝てしまいそうです
春香は慣れているのかスタミナがあるのかピンピンしています
「千早ちゃん、お疲れ様」
「ごめんなさい…私より春香のほうが疲れているはずなのに…」
「そんなことないよ、千早ちゃんは自分の仕事で来ているわけじゃないから色々と気を使うこともあるだろうし、
やっぱり精神的に疲れちゃうよね…」
春香はやはり優しい娘なのでした
本来は私が春香に色々と気を使わなくてはいけない立場なのに、
それをしない私を非難せず、嫌な顔ひとつせず、逆に私の世話を焼いてくれる…
「いいえ、今日は初めての体験が多くてすこし驚いただけよ
すぐに慣れるわ」
「それならいいけど…何かあったらすぐに私に言うんだよ?」
「…そうするわ」
「今日は取材とテレビの収録だけだったけどね、明日はライブのリハーサルがあるからね
生歌ですよ!生歌!
千早ちゃんも見てて楽しいと思うよ!」
「歌…」
歌…春香は歌が好きでアイドルになったはず
今日は一日歌を一切うたいませんでした
それなのに春香とても楽しそうで、いつもと同じ可愛らしい笑みを振りまいていました
仮に私が春香と同じくらいの売れっ子になっても、今日のような仕事で春香のようにモチベーションを保てるとは思いません
「春香…」
「ん?なにかな?」
「春香は、今日の仕事楽しかった…?」
「え?」
私はいつも言葉足らずで、今のようにわけの分からないことを唐突に言ってしまうのです
「ごめんなさい、今のは忘れて…」
「楽しいよ」
「え?」
春香は口元に微笑を湛えながら真っすぐに私のほうを向いていました
「今日だけじゃないよ。アイドルの仕事はどれも、楽しい」
「でも春香は歌が好きでアイドルになったんじゃ…!」
「そうだねえ。確かにライブや歌番組みたいな仕事は思い入れあるね。
でも今日みたいな仕事が楽しくないわけじゃないよ」
アイドルの仕事も色々とあるしねえ、と呟き、昔を懐かしむように微笑んだ春香が、私はとても年上の女性のように感じられました
老けていた、と言いたいわけではありません
その時の春香の微笑には、確かに経験や思い出に裏打ちされた大人っぽい魅力がありました
「私は小さい時からアイドルになりたくてね、今私は夢を叶えてる。
私はきっとすごい幸せ者だよ」
「…」
「そりゃあ嫌なこともたまにはあるよ?でもそれはどんな仕事でも同じだろうしね」
「…」
「どんな仕事にも楽しみはあるよ。だから今日も、楽しい。
特に今日は千早ちゃんもいてくれたしね」
私は子供だったのかもしれません
アイドルを歌手になるための踏み台と公言し、歌以外の仕事はしないなどと抜かす生意気な小娘、それが私…
「それに取材でもテレビのほうでもライブの告知しに行ったようなものだしねぇ」
アイドルという仕事を語る春香が、私の目にはとても大人で、素敵に映りました
やっぱり春香が羨ましい、私も春香のようになりたい…
私の意識から、春香に対する嫉妬は消えていました
その代わりに生まれた感情は尊敬、羨望、そしてアイドルとして輝く春香への強い憧れ
その時からでしょうか
私の中でアイドルとしての自覚が芽生え始めたのは
「おっ、やってるやってる」
翌日の夕方、リハーサルスタジオの一室で春香がバンドの面々とライブのリハーサルをしているのを見学していると、
プロデューサーがふらりとやってきました
「仕事が忙しいのではないのですか」
「まあ色々とあって早く終わってね
俺も春香のリハ見ておきたかったし、どっこいしょっと…」
プロデューサーは大きく息を吐きながら私の隣に腰掛けてきました
私は、春香や他のみんなをトップアイドルに育てた彼を尊敬していますが、このような馴れ馴れしい所はあまり好きではありません
「お疲れ様です」
「うんお疲れ…
それでどうだった?春香の仕事っぷりは」
「春香はやっぱりすごいです
どんな仕事にも一所懸命で、前向きで…」
「そうだな、それが春香のいい所だ」
「はい…」
「俺が思うに、春香はアイドルとしての理想像なんだ
いつも一生懸命で前向きで、誰の前でもどんな仕事でもニコニコと笑顔を振りまいている
それを見た観客やテレビの視聴者も自然と笑みがこぼれて心に余裕が生まれる…そんなイメージだな
千早にはそれを間近で見てもらいたかったんだ」
「…!」
「千早のアイドルとしての成功のための鍵は春香にある
それをこの2日間で少しでも見つけてくれればと思ってね」
「千早はきっとすごいアイドルになれるよ」
驚きました
プロデューサーがそんなことを考えていたなんて
私は、プロデューサーが私のことをアイドル未満の中途半端な存在だと思っていると考えたことを恥じました
プロデューサーは私がアイドルとして成功すると信じてくれている…
私は今の思いをプロデューサーに伝えるのには、ある種の覚悟が必要でした
今までやってきたことの否定、昨日までの自分を切り捨てる覚悟…
しかし私は春香の輝きを間近で浴びてしまった
私もああなりたい…いや、私はトップアイドルにならなくてはいけない
「プロデューサー」
「おっ、なんだ」
「私、歌の仕事に拘るの、やめます」
「そうか」
「私はアイドルとしての自覚がまるでありませんでした…
今までわがままばかり言ってすいませんでした」
「…」
プロデューサーは一昨日の午後、私に春香の付き人をするようにと云いつけた時と同じ顔で、私の眼をじっと見つめてきました
私は椅子から立ち上がり直角に頭を下げました
「これからはどんな仕事でもやります!
ですから…、ですからよろしくお願いします!」
「…そっか」
声と同時に何かでぽんと肩を叩かれたのを感じました
人間の手ではない、ちょっとした硬さを持った何かです
私が恐る恐る顔を上げると、プロデューサーが新品のシステム手帳を指でつまんで私に差し出していました
「これ…春香が持っていたのと同じ…」
「これからは千早も忙しくなるからな
こういうのが必要だろう
春香が今使ってるのはコレと同じヤツで俺が前に勧めたものだからな、
機能面は問題ないだろうから当面はこれを使ってくれ」
「プロデューサー…」
それは暗い緑色の表紙の手帳でした
私はザラザラとした感触の表紙をなでながら、涙がこぼれるのを必死でこらえていました
もし春香が、私が泣いているのを発見したら、リハーサルを中断して私の世話を焼きにきてしまだろうから
優しい親友と信頼できるプロデューサーがいる、私は本当に幸せ者です
これから始まるアイドル活動の中で、辛いことや腹が立つことは何度もあるでしょう
しかしこの手帳があれば、どこまでも前向きに、希望を持ってやっていける
「せっかくだし春香のリハ、最後まで見ておこうかな」
プロデューサーは少し照れくさそうでした
春香と一緒に行動することで私の心境に変化が生じることを前もって予想し、システム手帳を用意しておく…
やはりプロデューサーはいくらか馴れ馴れしく、そしてキザったい人です
しかもキザな男を貫けず最後に照れてしまう、そんな人でした
私は袖で素早く涙を拭うと自然に口元が緩んできました
「はい!」
私とプロデューサーが並んで見る先には、春香がいつも通り笑顔で歌う姿がありました
私も今日からアイドル、目の前で歌って踊る春香は目標でありライバルです
私は春香のその姿を目に焼き付けようと、じっと睨みつけました
私は今、プロデューサーに呼び出されて事務所の会議室にいます
あれから数カ月、プロデューサーや事務所のみんなの協力のお陰で、アイドルとしての私の知名度も少しずつ上がっていました
最初は765プロのアイドルのおまけとして扱われることが多かったのですが、今では1人での仕事も増えてきています
歌の仕事も順調で、インディーズレーベルながらミニアルバムを発表し、小さい会場なら単独ライブを開催できるようにもなりました
確かに嫌なこともあるけれど、プロデューサーからもらった春香とお揃いの手帳もあるし、何より信頼できる仲間がいる…
優、色々あったけど、私は元気です
「おっ、千早もう来ていたのか。ごめんごめん」
「プロデューサー遅いです、もう約束の時間を10分も過ぎています」
「ごめんごめん、ちょっと道が混雑しててさ…」
「もういいです、早く本題に入ってください」
「つめたいなー、まあいいや
千早にCMの仕事のオファーが来てる」
「CM…コマーシャルですか?」
「そうだ、これは中々大きな仕事だぞ
商品はかなり有名だし全国放送で流れるだろうしな
このCMが成功すれば知名度も上がるしランクも上がるだろう、
メジャーデビューの話を進めてくれると言ってくれているレコード会社もある」
「メジャーデビューですか!?」
メジャーデビュー、これはまたとないチャンス
メジャーデビューできれば露出もCDの売り上げも増える…
ゆくゆくは私も春香のように大きい会場でライブをしたり、有名な歌番組に出演できるかも…
私は期待に胸を膨らませました
「やります!やらせて下さい!!何のCMなんですか!?何でもやります!!」
「そう焦るなって
そう言うと思って先方にはもうOKしておいたから」
「はい!ありがとうございます!
それで、結局何のCMなんですか?」
「ああ、聞いて驚くなよ…
千 早 が 出 演 す る の は 食 器 洗 い 洗 剤 ジ ョ イ の C M だ ! 」
【765プロファンクラブ会報 三面】
『765プロ如月千早、食器洗い洗剤ジョイのCMに出演』
P&G社の主力商品、食器洗い洗剤『ジョイ』の冬の新CMで“まな板”役を務めるのは、
『石原の情婦』、『勘違いハゲ』等の愛称で知られる765プロ所属のアイドル、如月千早(72)だ。
撮影現場に到着するなり『ジョイ』のイメージキャラクターである『ジョイくん』に対し、
「うちの事務所にもいるが兄弟タレントは所詮イロモノ、大成できない」「子供タレントは将来落ちぶれる運命、浪川のようにな」
などと罵倒しながら強姦し絶頂射精、持ち前の萎びた喘ぎ声を見せつけた。
やりたい放題の如月千早であったが、そこへ現れたのはトゥリアビータ所属のアイドルマスター如月千早。
ゼノ千早のB89/W55/H82の均整の取れた肉体を見た765如月は謎の頭痛に襲われ発声能力を喪失しノックアウト、
その隙に本CMの主役である麻生久美子の手によりキッチンの調理台に運ばれた765如月は、胸板の上で生肉を食べやすい大きさにカットされる芸を披露、
その後シンクにぶち込まれると、生肉の破片がこびり付いた胸板の傷に『ジョイ』を塗りこまれ激痛により失禁。悶絶の末、無事死亡が確認された。
これに対し大正義やよいおりの一角、高槻やよい氏は
「千早さんとのハイタッチは道化の材料にされているようで嫌だった」
「あのレベルの歌唱力で歌姫キャラを気取っていいのか」
「いなくなって初めて千早さんの存在のクソさみたいなものに気づくんじゃないですか」
と、言葉少なに故人を悼んだ。
なお、来年1月公開の劇場版には間に合う模様
完
くぅ~疲れましたw
劇場版公開がだんだんと近づいてきていてもたってもいられず
いつの間にか書いてしまった
じゃあの
キャラdisのゴミSS
>>58
いつまでたっても胸の平らな千早さんサイドに問題がある
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