ちひろ「桂木、学校行くよー」(129)
ちひろ可愛い
ちひろ「ほら、前向いて歩く!」ヒョイッ
桂木「な!僕のPFP返せよ!」
ちひろ「悔しかったら追い掛けてきな!」
桂木「まぁ、予備のがあるし」ピコピコ
ちひろ「こいつめ…」
ちひろ「桂木、お昼食べようよ」
桂木「そんな暇はない」ピコピコ
ちひろ「全く、あんたって奴は…」
ちひろ「ほら、私が食べさせてあげるから、あーんして」
桂木「…」
桂木「あーん」ピコピコ
ちひろ「ほれ」
ヒョイ、パク!
桂木「んむ…」モグモグ
ちひろ「どう?この煮物、私が味付けしたんだー♪」
桂木「醤油が足りない」
ちひろ「えー?そうかなー?」
ちひろ「ふぃー。今日も充実した練習だったー」
桂木「…」
ちひろ「おろ?桂木、どうしたのさ、こんな時間まで」
桂木「別に、ゲームしてただけ」ピコピコ
ちひろ「ふーん」
ちひろ「じゃ、一緒に帰る?」
桂木「…」ピコピコ
ちひろ「…もー、さっと歩け!」グイグイ
桂木「ちょ…引っ張るなコマンドミスる!」ズルズル...
ちひろ「あ、桂木の話してたゲーム発売してるよ」
桂木「あれならもうクリア済みだ」
ちひろ「嘘。私昨日やっと1ステージクリアしたばかりなのに」
桂木「………やってるのか?」
ちひろ「あんたが煩く語ってくれるもんだから、嫌でも興味沸いちゃうのさ」
桂木「ふむ。ならば僕がレクチャーしてやろうか」
ちひろ「え、やだ」
桂木「な…!?落とし神の生レクチャーだぞ!!」
ちひろ「だって、あんた教える時スパルタなんだもん」
ちひろ「口だし無しで、横で見てるだけならいいよ?」
ちひろ「わ、わ、何これ!?ガード無視!?」
桂木「違う、そこはさっき覚えた特殊ガードで…」
ちひろ「何ー?どうやんのさー!」
チュドーン
ちひろ「あー…死んじゃった」
桂木「ちなみに1落ちごとに各ヒロインの好感度は3減るからな」
ちひろ「嘘ッ!?」
ちひろ「桂木ぃ~」
桂木「抱き着くな、教えてやるから…!」
ちひろ「やった!倒したよ!」ダキッ
ちひろ「あ…」
桂木「ふん、まぁ当然だな」
ちひろ「そ、そだね…」オズオズ
桂木「よし!この調子で次のステージも行くぞ!」ガバッ
ちひろ「う、うん…!」モジモジ
ちょっと会食中だから遅いです
もう少しかかる…
すまぬ
ちひろ「送っていこうかー?」
桂木「いらんっ」
桂木「それより、明日までにはクリアしとけよ」
ちひろ「いや、無理でしょ流石に…」
ちひろ「ま、まぁ、あんたがまた手伝ってくれるなら、明日にはできそうだけどさ…」チラッ
桂木「仕方ないな…」ブツブツ
桂木「ただし、明日は僕の家で、だ」
ちひろ「え!い、いいの?」
桂木「ああ。それが嫌なら…」
ちひろ「ぜ、全然!むしろ…」
桂木「よし、じゃあ決まりだからな」
ちひろ「うん!」
ちひろ「桂木ー!」
ガチャ
桂木「………」
ちひろ「桂木、おはよっ」
桂木「ん…」
ちひろ「何眠そうな顔してるのさ。早く学校行くよ!」グイグイ
桂木「あぁ…」ポケー
ちひろ「あーるーけー!」
ちひろちゃんが背表紙の巻が最高だよ!
ちひろ「桂木、昼休みだぞー」
桂木「んぁ…」
ちひろ「全く、昨日遅くまで何やってたのさ?」
桂木「未プレイのギャルゲの消化を…」
ちひろ「呆れた…。その情熱をどこか別の物に向けられないの?」
桂木「仕方ないだろ…。昨日はちひろにいろいろ教える方に時間割きすぎて、予定量を消化できなかったんだから…」
ちひろ「私のせいって訳」
桂木「いや、ギャルゲよりちひろを優先した僕が悪い……」ムニャムニャ
ちひろ「………私のせいじゃん。ばか」
ちひろ「帰るよ、桂木」
桂木「部活はいいのか?」
ちひろ「今日はおやすみ。それより、早くっ!」
桂木「わかったから、引っ張るなって…」
ちひろ「もぉ、早く!こんな所、誰かに見られたら恥ずかしいんだから!」
桂木「そんなに焦らなくたって、僕の家は逃げないだろ…」
ちひろ「早くしないと、私の決心が逃げるの!」
桂木「はぁ…?」
ちひろ「ったく、本当はわかってるんでしょ!?落とし神!」
桂木「わかるかそんなもの。お前のフラグもルートもまるでわからん」
ちひろ「もう、こんな時ばっかり…」ブツブツ
桂木「おい、僕の家通りすぎたぞ?」
ちひろ「え?嘘!」
桂木「ちょ、急に止まるな…」
ドンッ!
ちひろ「うわちっ!」
桂木「っぎ…!」
ムギュ..!
桂木「………ベタな展開だ」
ちひろ「…何でもいいから、早く胸から手を離してよ」
ちひろ「桂木の部屋、前も見たけど、意外と綺麗にしてるよね」
桂木「おまえ、僕を何だと思ってるんだ…」
ちひろ「オタメガ」
桂木「…」
ちひろ「ぁ………嘘だよ!?冗談なんだから!」
桂木「……まぁいい。とりあえず適当に座ってろ」
ちひろ「桂木は?」
桂木「飲み物と菓子くらい持ってきてやるよ」
ちひろ「あ…サンキュ」
デレデレになってディアナ株急上昇したわ
ちひろ「………」
ちひろ「えっへへ、桂木の部屋かぁ…」キョロキョロ
ちひろ「やっぱりベッドの下とかにエロ本あるのかな?」ピラッ
ちひろ「………何もない」
ちひろ「じゃあ、エロゲーとか…」
桂木「そこにはないぞ」
ちひろ「ぅひゃあ!!」
桂木「なんだ、エロゲがしたかったのか?」
ちひろ「ち、ちがわい!あんたがどんだけ趣味の悪いゲームをしてるのか見てやろうとしただけだっての!」
桂木「…それもいい趣味とは言えないだろ」
ちひろ「うぐ……」
ちひろ「むー…勝てないよ?桂木ー」
桂木「そいつがラスボスだ。最後くらい自力で倒してみろ」ピコピコ
ちひろ「うむぅ…」
ちひろ「くっそぉー!攻撃が避けられなーい!」
桂木「………特殊ガード」ボソッ
ちひろ「え?…………あ」
ちひろ「……」チラッ
桂木「…」ピコピコ
ちひろ「えへへ…」
ちょい離席します
ちひろ「やった!倒した!」
ちひろ「やったよー!桂木!!」ダキッ
桂木「む…」
ちひろ「えっへへ。ありがとうね、桂木」
桂木「わかったから離れろ…」
桂木「ゲームがしづらい」ピコピコ
ちひろ「何のゲームしてるのさ?」
桂木「ギャルゲ」ピコピコ
ちひろ「ふーん。桂木はこのヒロインが好きなんだ」
桂木「ああ」ピコピコ
ちひろ「…この子、私に似てない?」
桂木「………さあな」
ちひろ「あれ、怒らないの?」
ちひろ「いつもなら、リアルと一緒にするな!とか訳わからない事言う癖に」
桂木「………」ピコピコ
ちひろ「うわ、もうこんな時間かー」
桂木「送ってくよ」
ちひろ「ん…んー…」
ちひろ「あの、さ」
桂木「?」
ちひろ「今日、泊まっていってもいいかな…?」
桂木「おい、それは…」
ギュッ
ちひろ「……ね、お願い」
桂木「…………はぁ」
桂木「またギャルゲの消化が滞るじゃないか、まったく」
ちひろ「それって、いいって事?」
桂木「…好きにしてくれ」
ちひろ「よっしゃあー!」
桂木「で、わざわざ僕の家に泊まって何してるんだ?」
ちひろ「見てわからない?」
桂木「……僕のPFPを返せ」
ちひろ「まぁまぁ、データ上書きしないから」
桂木「本当だな?」
ちひろ「当然♪」
桂木「……わかった」
桂木「僕は風呂入ってくるから、出たら返せよ」
ちひろ「へーい」ピコピコ
桂木「ふぅ…」ホクホク
ちひろ「出た?じゃ、次私入るから」
桂木「おい、着替えなんてうちには…」
ちひろ「ちゃんと用意してあるもーん」トテテテ
桂木「……最初から泊まる気だったのか」
桂木「…ん?ちひろの奴、PFPの電源いれっぱなしじゃないか」
桂木「………?」
桂木「………」ピコピコ
ちひろ「ふぅ。スッキリー」
桂木「………」ピコピコ
ちひろ「って、あ…」
ちひろ「桂木、それ…」
桂木「………」
コトン
桂木「今、クリアした」
ちひろ「ふ、ふーん…」チラッ
『ちひろ:好きだよ、桂馬。世界で一番、ね?』
ちひろ「あ……」
桂木「……まったく」
桂木「誰か知らないけど、勝手にヒロインの名前を変えるなよな」
桂木「………リアルとダブるなんて、クソゲーにも程がある」
ちひろ「………」
ちひろ「あ、あのさ…」
桂木「ちひろ」
ちひろ「……何?」
桂木「…」
桂馬『勝手な事するなよ、危なっかしいから』
桂木『お前はもう、僕の傍から離れるな』
ちひろ「あ、えっと…」
桂木「………」
桂木「湯冷めする前に布団入れよ」
桂木「ベッドはエルシィの使っていたのがある」
桂木「今夜はそこで寝ろ」
ちひろ「う、うん…」
ちひろ「桂木、さっきのって…」
桂木「……単なるゲームの台詞だろ」
ちひろ「……うん」
桂木「………」
桂木「…………」
<桂木、起きてる?
桂木「…」
<…………。
ガチャッ
ちひろ「…桂木」
桂木「…」
ちひろ「…寝てる、か」
ちひろ「……寝顔は可愛いんだ」
ちひろ「………」
ちひろ「桂木、あのさ、私…」
桂木「………」
ちひろ「…大好きみたいなんだよね、あんたの事」
ちひろ「って、我ながらよくわからない話なんだけどさ」
ちひろ「ねぇ、あんたは私の事、好き?」
桂木「………」
ちひろ「……よく寝てるなぁ」ツンッ
桂木「………」グイッ
ちひろ「へ?」
ドサッ
桂木「ちひろ」
ちひろ「ひゃ、え?桂木っ?」
桂木「おまえに選択肢をやる」
ちひろ「な、なにさ…!」
桂木「僕の周りをうろつくモブになるか…」
桂木「僕を攻略してみせるか、だ」
ちひろ「………」
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