スーパーロボット大戦A.C.E.【Another Century's Episode】 (26)

「コード133から138を省略……」

薄暗い部屋に女性の抑揚のない低めの声が響く。その女性は、声と同じように全く表情が無く、美しいが、まるで機械のような無機質な雰囲気を醸し出していた。

「プログラム起動準備完了。起動パスコード確認」

その女性は銀色の髪を一つに束ね、金色に輝く瞳で眼前のディスプレイを瞬きすらせずに凝視している。

「承認、プログラム《ジェネシス》起動」

そう女性が口にした瞬間、女性の周りに置いてあったディスプレイに明かりが灯り、そこにいくつもの文字が踊るように映し出される。

「プログラムの正常な起動を確認。これより最終フェイズに移行、多元平行世界から有機生命体、及び、一定の戦闘力を有する兵器の召喚を開始」

その言葉と共に女性がいる建物から莫大なエネルギーの塊が上空に設置された歯車のような装置に向かって発射される。

「……………エネルギーの正常な受け渡しを確認。次元転移装置《Deus Ex Machina》始動」

三つの歯車が繋がったような姿をした装置はゆったりと動き始め次第に回転速度を上げていく。

そして回転速度が頂点に達した時、幾つもの光が装置が飛び出し宇宙の闇に消えていく。

そしてその光は救世主達を呼び寄せる。

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〜sideコードギアス〜

鈍色に輝く剣が悪逆皇帝《ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア》の体に突き刺さる。

「スザク、お前は英雄になるんだ」

ルルーシュの声が正義の仮面を被った《枢木スザク》に重くのしかかる。

「世界の敵、皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアから世界を救った救世主に………」

「っ………ルルーシュ…」

「これはお前にとっても罰だ………お前は正義の味方として仮面を被り続ける。枢木スザクとして生きることは、もう無い…」

ルルーシュの息が次第に荒くなり、今にも呼吸が止まってしまいそうになる。

「人並みの幸せも、全て世界に捧げてもらう…そう……永遠に」

「………そのギアス、確かに受け取った」

ルルーシュの体を貫いた剣が血を滴らせながらゆっくりと引き抜かれる。

支えを失ったルルーシュの体が血の跡を付けながら崩れ落ち、粗末な服を着た少女の前に倒れる。

その少女は自分の手がルルーシュの血で汚れるのも気にせず、ルルーシュの華奢な体に触れる。

「そんな…お兄様は今まで…お兄様!お兄様ぁ!」

何かを理解したのか、少女は冷たくなっていくルルーシュの体に抱きつき、大粒の涙を流す。

「ずるいです………私はお兄様だけで良かったのに、お兄様の居ない明日なんて…………そんなの…そんなのっ!!」

もはやルルーシュの耳に少女の声は届かない。全ての悪意をその身に抱いてルルーシュは静かな眠りにつく。

(これでいい。これで、俺は…………)

そしてルルーシュの視界が白い光に覆われ……………

〜sideガンダムUC〜

純白と真紅の美しい機体、『ユニコーンガンダム』と漆黒と黄金を基調とした機体『バンシィ』がビームサーベルを手に、激しく火花を散らす。

「違うよ!!アナタは、アナタは…マリーダさんだ!!」

「違う。私はプルトゥエルブ。マリーダなどという名では、ない」

少年…バナージの必死の叫びもまるで届かず、女性…マリーダは淡々と攻撃を続ける。

「何を言ってるんです!キャプテンやみんなも心配して……!」

「気安く……話しかけるな!!」

バンシィの絶大な膂力を奮い、バナージが乗るユニコーンを宇宙船の外壁まで吹き飛ばす。

「目を覚ましてくれ!あなたのマスターは、キャプテンはそんなこと…!!」

バナージの叫びが次第にマリーダの心を揺り動かし始める。

「プル……トゥエルブ……マスターは……アルベルト・ビスト……」

「違うよ!あなたはマリーダさんだ!あなたのキャプテンは、ガランシェールのジンネマン大尉だよ!!」

「プルトゥエルブ!落ち着いて私の言葉だけを聞け。それ以外は、すべてお前を混乱させる敵の言葉だ!」

バナージの説得を消し去ろうと、アルベルト・ビストが通信に割り込む。

「思い出してくれ!あなたとキャプテンは、あんなに信じて支え合って…」

「うるさい!!」

マリーダの激情にサイコフレームが反応し、辺りに強力なフィールドが形成され、淡い光がバンシィを包み込む。

「マリーダさん、やめてくれ!」

「光……そう。光だ……私を救ってくれる光……誰にも奪わせはしない!!」

「違う!これは違うよ、普通じゃない!これは危険な光だ!」

ユニコーンもバナージの感情の高ぶりに反応して、サイコフレームが赤く染まり始める。

「ダメだ!!引きずられるな!!堪えろ、ユニコーン!!」

バナージはなんとかユニコーンの暴走を止めるが、その隙をマリーダは見逃さなかった。

「墜ちろ!!ガンダム!!」

「っ!?」

バンシィの左手の特殊武装である金色に輝く爪がユニコーンを抉り取ろうとするが寸前のところで左手首を掴み攻撃を止める。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「くそっ!!……やるしか、無いのか!?」

ユニコーンとバンシィが互いに干渉しあい赤い光と金色の光が混ざり、そしてその光に反応したかのように上空から白い光がユニコーンやバンシィそして、足場になっていた飛行船に降り注ぐ。

光が消えた後、そこにあったモノは全て消えていた。

ユニコーンもバンシィも、飛行船も。まるで初めから存在しなかったかのように。

〜sideフルメタル・パニック!〜

「……説明、してくれるわよね?」

「…………緊急事態だった。すべては千鳥、君を守る為だ。下駄箱の周辺において危険を感知した。よって最も手早く、かつ安全な対応として」

「下駄箱を爆破した、と?」

「肯定だ」キリッ

学校の正面玄関の石畳に正座させられたら少年『相良宗介』が宗介を絶対零度の視線で見下ろす少女『千鳥かなめ』に煙を上げる下駄箱を背に説教をされている。

「肯定だ。じゃないわよ!!」スパーン!!

「ふぐ!?」

いつの間にか、かなめの手に握られていたハリセンが宗介の頭頂部を直撃する。

「あんた、ちょっとは考えなさいよ!!だいたい、下駄箱に潜む危険って何!?」

「千鳥の下駄箱から何やら甘い匂いがした。甘い匂いのする爆発性ガスを使った爆発物の可能性があった。早朝だったことが幸いし、他の生徒への被害を最小限に食い止めることに成功した」キリッ

「あ、あんたねぇ………今日が何の日か知ってる?」

「2月14日だが………何か特別な日なのか?」

「はぁ………今日はバレンタインよ。だから多分下駄箱にはチョコが入ってたんだと思う」

「チョコ?……何故下駄箱に………っ!!そうか、下駄箱周辺に罠を仕掛け千鳥を甘い匂いで誘って暗殺を」

「違うわよ、バカ!!」スパーン!

「ったく、あんたはもう少し常識ってものを身に付け……」

「っ!?千鳥!!」

「ちょ、いきなりなにを!?」

説教されていた宗介が突然立ち上がり千鳥を抱きかかえその場から逃げるように走り出す。

「宗介!?お、降ろしなさいよ!!」

「《アレ》から逃げ切れたらな」

「《アレ》?………な、何なのあの光の塊は!?」

千鳥を抱きかかえ走り続ける宗介の背中を大きな白い光の塊が追いかけている。

「速すぎる……こうなれば千鳥だけでも!!」

そう言って宗介は近くにある茂みに千鳥を投げようとするが、一瞬間に合わず、その光は宗介と千鳥を容易く飲み込んでしまう。

そして光は一瞬で消えてしまい、それと同時に宗介と千鳥も消えてしまう。

フルメタは原作終盤クライマックスのアレのタイミングじゃないのか

>>12
フルメタについては最近見出したもので……キャラ変じゃないですか?

〜side交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい〜

「起きて。レントン」

エメラルドグリーンの髪色をした女性…《エウレカ》が茶髪の青年《レントン》を優しく揺り動かす。

「エウレカ……あと、5分…」

「だーめ。早く早く」

「う、うーん……」

中々起きないレントンに業を煮やしたのか、エウレカは頬を膨らませ、布団を被っているレントンに馬乗りになる。

「起きないと朝ご飯片付けちゃうよー」

「うぅ……わかったよ。エウレカ……とりあえず、降りて……」

「ん。よろしい」

ニコニコと笑顔を見せるエウレカを見て自然とレントンも笑顔になる。

「じゃ、朝ご飯食べたら洗濯、手伝ってね?」

「りょーかい」

レントンの返事を確認してエウレカは洗濯物を持ち家の外に出て行く。

「ふぁ……ねむ……いただきます」

もそもそと朝食を採るレントン。しばらくして朝食を食べ終えるとレントンはエウレカに言われた通りに洗濯の手伝いに家の外に出て行く。

レントンは小高い丘に建つ家から外に出ると、洗い終わった洗濯物を干していたエウレカに歩み寄る。

「この世界に来てから、もう三年も経つんだな……」

「……寂しい?」

「まぁ、ずっと一緒だったニルヴァーシュが居なくなったのは寂しかったさ。でも、俺にはエウレカが居る……だから、寂しくないよ」ニカッ

「うん…………あれ?」

「どうかした?」

「あそこ、何か白い光が」

エウレカが雲一つ無い青空を指差す。その先には確かに純白の光を放つ白い球体が浮かんでいた。

「なんだ……?」

その球体は段々と高度を下げ、レントン達に向かって来ているようだった。

「………エウレカ、家に入ろう」
そう言ってレントンがエウレカの手を引き、家に入ろうとした次の瞬間、

「っ?! エウレカ!!」

「きゃっ!?」

突如として光の球体がスピードを上げ、エウレカとレントンを飲み込む。

そして球体は段々とサイズを縮め、遂には消えてしまう。

安価取ります。
今までみたいなプロローグを書いて欲しい作品を下から選んでください。

安価>>21-23の方

ガンダム《00 種死 08小隊》 マクロス《7 F》 ゾイド アクエリオンEVOL グレンラガン

参加予定の作品はまだまだ増やす予定です。それもいつか安価で決めたいと思います。

EVOL

〜side機動戦士ガンダム00〜

「行こう、彼らの……ELSの母星へ。俺たちは分かり合う必要がある……」

「いいのか?」

ヴェーダとリンクしたティエリアの声が刹那の脳内に直接聞こえる。

「良いも悪いもない。ただ俺には、生きている意味があった!」

その瞬間、ダブルオークアンタのGNドライブが光を放ち始める。

そして真のイノベイダーに覚醒した刹那とティエリアはELSとの対話を開始する。



「なまじ知性があるから、些細なことを誤解する」



「それが嘘となり、相手を区別し、」



「分かり合えなくなる」



だが、それでも、と刹那は声を上げる。

「ただ、気づいていないだけなんだ………だから、示さなければならない!」

刹那の叫びと共にダブルオークアンタが今までにないほどの輝きを放つ。

「世界は、こんなにも簡単だということを!!」

GNドライブの光が空間を満たす。

そして、その光に引き寄せられた白い光の球体がGNドライブの光に飲み込まれ………

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