男「安価とコンマでトライアンドエラー」 (14)

男「久しぶりの学校だ」

男「……行くか」

男「いってきます」

妹「いってらっしゃーい」

父「おう」

母「気をつけるのよ」


バタン。

男「良い天気だ」

男「空は青いし」

男「雲は白いし」

 危ない!

男「花瓶は落ちてくるし」

↓コンマ偶数で回避



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エラー
リトライ
×14


男「なんか変な夢を見た」

男「久しぶりの学校だ」

男「……行くか」

男「いってきます」

妹「いってらっしゃーい」

父「おう」

母「気をつけるのよ」


バタン。

男「良い天気だ」

男「空は青いし」

男「雲は白いし」

 危ない!

男「花瓶は落ちてくるし」

男「避けるけど」

危ない!

男「植木鉢も来たよ」

↓コンマ偶数で回避



男「おっと」

男「物騒だなぁ」

男「当たったら死ぬぜ」

男「それにしても」

男「今日は何故だか車が多い」

男「あそこの曲がり角」

男「死角になって見えないけど、車が来そうな気がする」

男「まぁ、いいか」

 危ない!

男「ホントに来たよ」

↓コンマ偶数で回避




男「危ない危ない」

猫「やぁ」

男「猫だ」

男「猫が喋ってる」

猫「喋るさ、猫だって」

猫「それより、だ」

猫「君は自覚しているかい?」

男「なにが」

猫「自分の死に、だよ」

男「へぇ、死んだのか」

男「びっくりだ」

猫「とてもそうには見えないけどね」

男「あの花瓶はセンスが悪い」

男「あんなのに当たって死ぬ人の気持ちを考えて欲しいね」

猫「よろしい」

猫「いいかい? トライアンドエラーだ」

猫「間違いだらけのこの世界で、正解を探せ」

猫「限られた試行回数の中で、ね」

男「間違いなら、もう見つけたよ」

男「猫は、喋らない」

猫「喋ろうと思えば喋れるのさ、猫だってね」



男「間違い、間違いねぇ」

男「猫が喋る以上の間違いがあるのなら、教えて欲しいもんだ」

男「花瓶、植木鉢、車」

男「なんでか知らないけど、俺は常に死を背負っている」

男「物騒極まりない」

男「ま、いいさ」

男「所詮、避けようと思えば避けられない者では……ん?」

 危ない!

殺人鬼「やぁ」

男「ちょっと待って」


殺人鬼「抜刀」

男「ガスマスクに日本刀」

男「これだよ。これが正解だ。いや、間違いか」

男「おおい、猫やぁい」

猫「呼んだかい?」

男「見つけたよ、これだ」

殺人鬼「御命頂戴」

猫「残念。それは違うよ」

男「マジかよ」

猫「さぁ、どうする?」

男「どうするって……」

1.逃げる
2.戦う
3.パンツを貰う
4.自由行動(指定)

 ↓




男「自慢じゃないが、俺は喧嘩なんぞしたことがない」

男「逃げるのも無理そうだ」

男「そして、殺人鬼さん」

男「ガスマスクに日本刀、そしてセーラー服」

男「こうなったものは仕方がない」

男「パンツ下さい」

殺人鬼「え」

男「後生です。どうか、どうかパンツを下さい」

男「パンツをくれないと、死んでも死んでも死に切れません」

殺人鬼「でも、これ、勝負下着だし」

男「パンツさえ頂けたなら、一切抵抗致しません」

男「首でも心臓でも綺麗に斬らせましょう」

殺人鬼「うーん……」

殺人鬼「ま、いいか。一日一殺だし。ちょっと待って……」

殺人鬼「はい」

男「おおおお、縞パン」

男「やったぜ」

 斬

殺人鬼「殺ったぜ」

エラー
リトライ
×13

男「俺は馬鹿か」

男「パンツを手に入れて、だからなんなんだ」

男「結局、やり直すはめになったじゃないか」

男「また家からだ」

猫「いいや、これでいい」

男「猫」

猫「君は間違い探しをしているんじゃない」

猫「間違いの中の正解だ、いいかい?」

猫「猫が喋る。街の中で殺人鬼」

猫「そんなの、どうだっていい。そうだろ?」

猫「この世界は間違いだらけなんだ。正解を探せ」

猫「いいか? 正解を探すんだ」



男「パンツを貰うのが正解だっていうのかい?」

猫「いいや、それ自体はエラーだ」

猫「だけどそれは、前に進むエラーだ」

男「なにを言って」

猫「君の右手を見てごらん」

男「うん?」

猫「そっちは左手だ」

男「ああ、ごめん……縞パン?」

男「なんで」

猫「リトライしたからって、なにもかも戻る訳じゃない」

猫「そのパンツは君の命を懸けた戦利品だ。大事にしろ」

男「よしよし……」

猫「履くな」

 アイテム:殺人鬼のパンツ
 殺人鬼から貰ったパンツ。淡い水色とピンクのストライプが可愛らしい。
 
猫「間違った世界だけれども、使いどころを間違うな」

男「なぁ、猫よ」

猫「なんだい」

男「結局、最初からやり直すのなら、またあの殺人鬼ちゃんに会うんじゃないのか」

男「それで俺はどうするんだ。このままパンツをコレクトすればいいのか?」

猫「いいや」

猫「殺人鬼のパンツは君の手元にある。それが答えだ」

男「?」

猫「ひとまずは安心ということさ。殺人鬼に関してはね」


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