ほむら「まどかのフィルムを手に入れてやるわ」 (244)
映画館
ほむら「ついにこの日がやってきたわね……」ザッ…
ほむら「色紙はどういうわけか杏子と美樹さやかのが八回連続で出て絶望したけど、今回のフィルムこそが私の本命」
ほむら「いくら払ってでもまどかのフィルムを入手してやる」
スタッフ「こちらは8:50分から上映開始の魔法少女まどか☆マギカの入場口となっておりまーす!」
ほむら「さぁ……早速一枚目を貰ってくるわよ……!」ザッザッ
館内
ザワザワザワ
ほむら「さすがに目玉特典の日だけあって満席ね……」キョロキョロ
ほむら「きっと皆まどかのフィルムが目当てなんでしょうけど、お生憎ね。あの子のフィルムは絶対に私のものにする。あなた達の手には渡らないわ」グビグビ モグモグ
ほむら(隣の人は何が当たったのかしら)チラッ
中沢「うわ……」
http://www.imgur.com/yBWGUEM.jpeg
ほむら(フフフ……良かったじゃない、ネタとしては十分当たりよ)
ほむら「じゃ、私もとりあえず一枚目を確認してみようかしら」ペリペリ
http://www.imgur.com/TGDpW0r.jpeg
ほむら「……」
スタッフ「間もなく上映開始です。最後までごゆっくりお楽しみ下さい」
ほむら「……」
『私は……あくまでも……執事です……』
ほむら「……」
『クソガキ』
ほむら「……」
『勝ってきなさい、工藤くん』
ほむら「……」
『ビンゴだよ!まどか!』
『首尾は上々!っと』
ほむら「……」ワクワク
上映終了
ナンダコレワケワカンネー
アンサヤ大勝利…アンサヤ大勝利…
ダカラアノ場面デホムラハスデニウンタラカンタラ
ほむら「ふぅ……何度観てもまどかは可愛いわ」
ほむら「特にバスケットを持ったまどかは最高ね。あれを見て胸が高鳴らない人なんていないんじゃないかしら」
ほむら「フィルムは……まぁゴミみたいなものだったけど一回目ならこんなものよね。まだまだ戦いは始まったばかりよ」
ほむら「さぁ、二回目行かないと」ザッザッ
スタッフ「入場口はこちらになりまーす」
ほむら「……」ザッザッ
スタッフ(あれ?この子さっきもいたような……)
ほむら「……フィルム下さい」
スタッフ「あ、はい。こちら特典の記念フィルムです」スッ
ほむら「ありがとう」
ほむら「……」ザッザッ
ほむら「……」ファッサー
スタッフ(なにあれ)
ほむら「どうやら二回目も満席ね。まぁまどかが可愛いから無理もないわ」モグモグ
ほむら「早速二枚目のフィルムを確認しないと」ペリペリ
http://www.imgur.com/PR6Mcdx.jpeg
ほむら「……」
ほむら「……」
ほむら「……」
ほむら「……」
ほむら「チッ」
ほむら「自分のシーンなんて貰ってもしょうがないわ。ハズレね」
上映終了
ほむら「ああ……まどか……。何度観ても飽きないわ……。特に私の髪を弄るシーン。まどかの優しさと無邪気さがよく表れているわ……」
ほむら「フィルムの方は……ふふ……簡単に手に入ってしまってはつまらないものね」
ほむら「幾つもの時を越えてきた私にとって、これくらいどうってことないわ」
ほむら「むしろ苦難があるからこそまどかのフィルムに出会えた時の歓びも一潮なのよ」
ほむら「三回目の上映が始まる。早く行かないと」
スタッフ(うわ、またこの子だ)
ほむら「フィルム下さい」
スタッフ「ど、どうぞ……」
ほむら「……」スタスタ
ほむら「……」ファッサー
スタッフ(何なの一体……)
ほむら「ポップコーンも食べ飽きてきたわね」モソモソ
ほむら「それにしても三回目も満席なんて……ひょっとして私と同じような人も混ざってるのかしら」ゴクゴク
ほむら「さて、じゃあ三枚目のフィルムの確認ね」ペリペリ
http://www.imgur.com/LqEbmTk.jpeg
ほむら「……」
ほむら「……」
ほむら「こんなのを貰って喜ぶ人がいるわけないのに、もう少し考えられないのかしら……!」ギリッ
上映終了
ほむら「まどかの変身シーン……あぁ、どうしてあなたはそんなにも可愛いの……?」
ほむら「特に目のアップが堪らないわ。あざといのを突き抜けていてもはや全て許せてしまう……。もうまどかなら何をやっても可愛く見えてしまうんじゃないかしら」
ほむら「……お昼食べてないけどポップコーンのせいで満腹ね」ゲプ
ほむら「このまま四回目突入よ」
スタッフ(すご……この子また観るんだ……)
ほむら「フィルム下さい」
スタッフ「は、はい……」
ほむら「……」ザッザッ
ほむら「……」ファッサー
スタッフ(……よっぽどこの映画が好きなのね……)
ほむら「凄いわね。また満席だなんて。まどかの魅力のなせる業ね」ヂウウウウウ
ほむら「ウプ……さすがにドリンクを飲むのも辛くなってきたわ……。お腹も少し冷えてしまったみたいだし……」ヂウー
ほむら「……まぁいいわ。とにかくフィルムを確認しないと」ペリペリ
http://www.imgur.com/foL4DwM.jpeg
ほむら「……」
ほむら「……」ヂウー
ほむら「……」ヂウー
ほむら「……」ズッ…
ほむら「……」ズゴッ!ズゴゴゴ…!
ぐしゃっ
俺の背景オールスターズに比べれば全部当たりなんですがそれは
http://i.imgur.com/xRFphxg.jpg
http://i.imgur.com/fGq3lQh.jpg
http://i.imgur.com/xnHllVf.jpg
上映終了
ほむら「……フィルムのせいで上映中も『このシーンのまどか欲しい』とか思うようになってしまったわ……」
ほむら「これでは純粋に映画(まどか)を楽しめない……」
ほむら「……それにまずいわ。次で今日の上映は最後。何としても次でまどかを引き当てないと」
スタッフ「あら、また来たのね。はい、フィルムどうぞ」
ほむら「……///」サッ
ほむら「……」スタスタスタスタ
スタッフ(あ、やっぱりちょっと恥ずかしいんだ)
スタッフ(ていうか結局今日の上映皆勤なんて……凄い情熱ね)
>ほむら「……フィルムのせいで上映中も『このシーンのまどか欲しい』とか思うようになってしまったわ……」
わかる凄いわかる
俺なんて背景しか出ないから「この背景フィルムなら出ても許せる」と思いながら見てたわ
ほむら「くっ///まさか映画館スタッフに顔を覚えられていたなんて…!」
ほむら「……でもいいのよ。まどかのフィルムを手に入れるためなら、私はどんな仕打ちも甘んじて受け入れる」
ほむら「だからお願い……。今度こそ当たって……!まどか……まどか……!」
ほむら「……っ」ペリペリ
ほむら「……」
ほむら「……」
ほむら「……」そーっ…
http://www.imgur.com/Egeklaa.jpeg
ほむら「」
ほむら「ふ、ふふふ……」
ほむら「うふふふふふふふふ」
ビリッビリビリ
キュウベエのフィルムはマジでいらない
上映終了
ほむら「……」トボトボ
スタッフ(あ。あの子だ。どうしたんだろう。すごく落ち込んでるように見える……)
ほむら「どうしてよ……」
ほむら「どうしてまどかのフィルムが当たらないの!?」
ほむら「名シーンじゃなくてもいい!アップじゃなくてもいい!」
ほむら「後ろ姿でも……!遠くからでもいいのに……!」ガクッ
ほむら「まどかが映ってさえいえれば一生の宝にするのに……!!」ジワッ
QB「やれやれ。僕にはまったく理解できないよ。そのうち円盤が出ていくらでも好きな場面をキャプれるのに、どうして君はフィルムなんかに執着するんだい?」
ほむら「……」
QB「君が手にしたそのフィルムはただの切れ端じゃないか。そもそも君の家にはフィルムを再生する映像機器なんて無いじゃないだろう?」
QB「それに、君が求めている鹿目まどかのシーンが当たる保証もどこにもなかった」
QB「いくら中学生料金とはいえ、何度も足を運んだら君の財布の中身は目減りする一方だ」
QB「結果、君は1日という時間と五千円というお金を使って、君にとっては何の価値もないプラスチックの切れ端を手に入れた」
QB「こうなることは予測できたはずなのに、どうして君は無駄な行為を繰り返したんだい?」
QB「まったく、君達人類はお金の勘定には合理を求めてやまないのに、肝心の『使い道』にはまるで合理性がない」
QB「わけがわからn」
ほむら「……」BANG!!
QB「」
ほむら「……なぜなの……。どうして……」ポロポロ
ほむら「結局私は……まどかとは縁が無いって事なの……?」ポロポロ
杏子「いやー、わけわかんねー映画だったな」
さやか「あーもー、杏子と映画観てもこれだからつまんないのよ。何で理解できないわけ?」
杏子「おめーが映画観たいって言うから付き合ってやったんじゃん!」イチャ
さやか「休日なんだからどっか連れてけって言ったのはアンタでしょーが!」イチャイチャ
杏子「大体なんで同じ映画を二回も観なきゃなんねーわけ?せめて別のにすりゃーよかったんだよ」イチャイチャイチャ
さやか「ア ン タが!一回目でソッコー寝たから『わりぃ!もっかい観ようぜ』って言ってきたんでしょ!!」イチャイチャイチャイチャ
杏子「はは、そーだっけ?」イチャイチャイチャイチャイチャ
ほむら「……」
杏子「ん?あれ、ほむらじゃん。何だ、お前も来てたのかよ」
ほむら「ええ……。あなた達も来てたのね……」
杏子「ちょいと暇してたからね。つーかお前、目ぇ腫れてるぞ?どうかしたのか?」
ほむら「なんでもないわ……」
さやか「あ、そーだ。あたしらさ、これからご飯食べに行くけどアンタも来る?」
ほむら「……」
杏子「遠慮すんなって。ほら、早くいこーぜ!腹減ってソウルジェムが濁っちまいそーだ」
ほむら「……」
杏子がまどかのフィルムを当ててるが
指紋でベタベタにしてしまって
ほむらが「まとかああああああ!!」と叫ぶところまで読めた
ラーメン屋
さやか「女の子三人でラーメン屋とはねぇ。何か悲しくなってくるわー」ズルズル
杏子「文句言うなら食うんじゃねえ。ラーメンに失礼だ」ズルズル
さやか「あ、ごめんごめん。うん、美味しいよこのラーメン」ズルズル
ほむら「……」チュルチュル
さやか「そういやさぁ、映画館に入る時何か貰ったよね」ズルズル
杏子「ん?そーだっけ?」ハフハフ
ほむら「……フィルム」ぼそっ
さやか「そうそう、それ!せっかくだし開けて見せっこしない?」ズルズル
杏子「別にいいけど、えーと、どこに入れたっけな……」ゴソゴソ
当たってる予感
杏子「あった!これだな」
さやか「けっこう小さいよね。フィルムの切れ端が入ってるんだっけ」
ほむら「そうよ。生フィルムだから貴重なのよ」チュルチュル
杏子「切れ端って……なんだよそれ、ゴミじゃねーの?」ズルズル
ほむら「まぁ……大半はゴミみたいなものね」チュルチュル ハフハフ
さやか「まぁまぁ、記念品って言われるとちょっと価値があるような気がするじゃん?早速開けてみようよ」
杏子「んじゃ、言い出しっぺのさやかから開けてみてよ」ズルズル
さやか「おっけー!二回行ったから二枚あるね。じゃ、まずは一枚目を……」ペリペリ
http://www.imgur.com/caK4P8o.jpeg
さやか「……」
杏子「うわー……お前運があるのか無いのかよくわかんねーな……」ズルズル
ほむら「ゴミね」チュルチュル
油ベトベトになったまどかフィルム見て絶望するほむほむはよ
さやか「……あーっもう!次杏子!杏子開けてよ!」
杏子「ん」ズルズル ペリペリ
杏子「あれ?真っ黒だぞ?ハズレか?」
ほむら「光に透かせば見えるわよ」チュルチュル
杏子「なるほど。んー……これは……」
http://www.imgur.com/BBIls03.jpeg
ほむら「!?」ズヂュッ
ほむら「っ……げほっ!げほ!げほ!」
さやか「うわっ」
杏子「何いきなりむせてんだよ」
まだ観てないんだが今週末にみても何もないのか
女神まどかキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
>>67
無くなってなければ継続して配布されるはずだよ
今週末でも都内じゃなければ多分大丈夫じゃないかな
ほむら「げほ、げほ……」
杏子「あー、これ、まどかだな。どのシーンだっけ」
さやか「……本当アンタ一体何見てたの?」
杏子「いちいち覚えてねーって」
ほむら(くっ……!なんてこと……!どうして杏子みたいな物の価値のわからない人のところにまどかのフィルムが……!!)
さやか「次、ほむら開けてみてよ」
ほむら「私はもう開けたわ……。ほら、これよ」
杏子「うへぇ……こりゃほとんどハズレじゃねーのか?」
さやか「ほむら……。アンタもつくづく運が無いねー……」
ほむら「そうね。ところで杏子、もし良かったらそのまどかフィルムを私に譲」
さやか「じゃ!次さやかちゃんの二枚目を開封するよーん!」
いやほとんど当たりだろww
さやか「フフフフフーン♪フフフーン♪フフフン♪フンフン♪」ペリペリ
杏子「その鼻歌は必要なのか?」
ほむら「ねぇ杏子、あなたのまどかフィルム」
さやか「こういうのは雰囲気作ったほうが楽しいの!さーて、さやかちゃんの二枚目は何かなー?♪」ペリペリ……
杏子「もったいぶらないで早く開けろよー」
さやか「何かな何かなー?♪」ペリペリ…
ほむら「杏子、あなたのフィ」
杏子「がぁー!早く開けろって!」
さやか「何が出るかな?♪何が出るかなー?♪」ペリペリ
さやか「ジャーーーン!!」
http://www.imgur.com/mzhGbcd.jpeg
さやか(あ……やった……!杏子だ……///)
杏子「なんだ、あたしじゃん。どっちかって言うとハズレか?」
さやか「ほ、ほんとにねー。おまけフィルムでまで杏子の顔見るとかないわー。マジでないわー。残念!」ニヤニヤニヤ
杏子「それはちょっとひどくねぇ?」
さやか「ハズレハズレ!あーあ、ハズレだったかー!」ニヤニヤニヤニヤニヤニヤ
ほむら「ねぇ杏子、まどかのフ」
さやか「んじゃ、最後杏子だね!二枚目いってみよー!」ニヤニヤニヤニヤニヤニヤ
杏子「……?何ニヤニヤしてんだよ、気持ち悪いな……」ペリペリ
日曜に1日中映画見ようと思ってその日の上映の予約全部取ってたけど
上司に急に仕事が入れられて全く見に行けなくて5000円も吹っ飛んでマジでSG濁ったんだけど
どうすれば悪魔になれますか
>>81
「その残業さえも愛おしい」って言えるようにならなきゃ
杏子「ん、なんだ、引っ掛かってとれねーな……」グイグイ
さやか「これ結構取り出しにくいよね」ニヤニヤニヤニヤニヤニヤ
ほむら「杏子、さっきのフィルムなんだけど」
杏子「くそっ、マジでとれねえぞ」グイグイ
さやか「あんまり引っ張ると傷がつくよ?」ニヤニヤニヤニヤニヤニヤ
ほむら「ねえ杏k」
杏子「……っと!」スポ
杏子「んー……これは……」
http://www.imgur.com/gNcnHwV.jpeg
ほむら「ほ!!?」
私は朝の夢を見るキタ━(゚∀゚)━!
杏子「おいおい、またまどかかよ!」
さやか「こういうこともあるんだねぇ」
杏子「ちぇー……どうせならさやかが当たって欲しかったぜ」
さやか「はァ!?な、アンタ何言ってんのよバカじゃないの///」
ほむら(くっ……!これが物欲センサーなの!?なぜ私じゃなくて杏子にまどかが二枚も……!)
杏子「結局みんなハズレかねえ。ていうかこれアタリってあんの?」
ほむら「……」
ほむら「杏子」
杏子「ん?」
ほむら「あなたのまどかフィルム、私に譲ってもらえないかしら」
杏子「へ?」
ほむら「いらないんでしょう?」
杏子「んー、いらないっつーかなんつーか……」
ほむら「いらないなら私に譲ってほしいわ」
杏子「いやーでもさ、これ一応記念品なわけだし」
ほむら「……そうね。タダで譲ってほしいなんて虫が良すぎるわよね。交換でどうかしら?」
杏子「えぇ?お前のほとんどゴミじゃん」
ほむら「いいえ、この風景のフィルム、よく見ると美術的な価値が高いと思わない?ほら、この光の射し具合が美しいでしょう?」
杏子「よくわかんねーや」
ほむら「いよいよ映画のクライマックスね。」
ほむら「このまままどかの円環の理に救済されて・・・」
ほむら「ンゴゴゴゴゴゴゴwwwwwwwwwwwwwww」
ほむら「じゃあこれはどう?あなた、美樹さやかのフィルムが欲しかったんでしょう?」
杏子「さやかっちゃぁさやかだけど……魔女じゃんこれ」
ほむら「魔女でもさやかはさやかでしょう?どう?欲しくなってきたでしょう?」
杏子「うーん……」
さやか「ていうかほむら、そんなにまどかのフィルムが欲しかったんだね」
ほむら「……別にそこまで欲しいわけではないわ。せっかくだから、どうせなら、記念品なら、ってだけよ」
さやか「その割にはやけに必死にせがんでるみたいだけど……」
ほむら(黙りなさい)
杏子「……!」ピーン
杏子「ははーん、もしかしてこのまどかのフィルム、結構アタリなのか?」
いやほむほむが必死過ぎて誰でもわかるわ
ほむら「……」ギク
さやか「まぁ、シーンとしては余裕でアタリだよね、これ」
杏子「マジか」
ほむら「……ええ、そうね。確かにアタリよ。まぁ、中吉ってところね。このオクタヴィアとトントンってところでしょうね。だから交換しましょう?」
杏子「んー……どーすっかなー」
ほむら(ちっ……美樹さやかが余計な事を言わなければこんな事には……)ギリッ
杏子「じゃあ、今度ラーメン奢ってくれるなら二枚ともやるよ」
さやか「今ラーメン食べてるのにまたラーメン奢れってアンタ……」
ほむら「わかったわ。それで手を打ちましょう。ラーメンの一杯や二杯、安いものよ」
杏子「えっ、ラーメン二杯でもまだ安いのか?」
ほむら「」ギク
杏子「ひょっとしてこれって何千とか何万とかの価値があったりすんのか?」
ほむら「さ、さぁ……どうかしら。さすがにそこまではいかないと思うけど」カタカタカタカタ…
さやか「あ、そう言えばこういうのってオークションで何十万の値がついたりするらしいよ」
杏子「マジで!?」
ほむら(やめろ喋るな)
さやか「あたしも詳しくないけどさ、アンタのまどかフィルムなら少なくとも一万はするんじゃない?」
杏子「マジかよ……。こんな切れ端が……。物好きもいるもんだなぁ」
杏子「わりぃほむら。あたしこれオークションで売るわ」
ほむら「なんですって!!?」
ほむほむならこの場で現金を出してくるだろ
さやか「うわー……杏子ってそういうところホント現実的だよねー」
杏子「だってこんな切れ端で何万もするんだろ?あたしは入場料しか払ってねーのに」
杏子「そりゃ売るしかねーっしょ」
ほむら「あ、あなた……本気で言っているの!?まどかをお金に換えるつもり!?」
杏子「いや、これまどかじゃなくてあくまでもまどかのフィルムだろ?」
ほむら「き……記念品なのよ!?」
杏子「あたしそーゆーのよりはお金のほうが好きかなぁ」
ほむら「な……!あなた……なんて性根が腐ってるの!?まるで悪魔だわ!!!」
杏子「えぇ?そんなに悪りー事か?これ」
さやか「んー……まぁ褒められるような事ではないよね」
ほむら「そうよ!最低の行為よ!やはりあなたにまどかのフィルムは相応しくないわ。今すぐ私によこしなさい」
杏子「別にお金を独り占めしようなんて思ってねーよ。売ったお金でみんなに寿司でも焼き肉でも奢ってやるって」
さやか「あ、それいいかも」
杏子「だろ?」
ほむら「美樹さやか……!あなたまで……!」
杏子「な?それならほむらも納得だろ?」
杏子「あー、いくらで売れるかなーこれ。十万くらいいけばすっげー豪華な飯が食えるよなー」
ほむら「……冗談じゃないわ……!!」ゴゴゴゴゴ
ほむら「杏子……今すぐそのフィルムを渡しなさい……!!」ゴゴゴゴゴ
杏子「え?やだよ。売るっつってんじゃん。それよりお前も何食うか今のうちに考えとけよ」
ほむら「そんなまどかを貶めるような行為は私が絶対に許さないわ……!!だったら私が今買い取るわよ……!!」ゴゴゴゴゴ
杏子「まぁ……別にそれでもいいけど。んじゃあ二枚で三万ってとこか?」
ほむら「三万ね……。いいわ、今この場で払ってあげ……」ゴソゴソ
ほむら「!?」
ほむら(しまった……!映画代とポップコーン&ドリンク&パンフ&まどかグッズで残り200円しか手持ちがない……!)
ほむら一生の不覚
ほむら「……やっぱり来月払うわ」
杏子「はぁ!?んな待てねーって。やっぱこれ売ってみんなで美味いモン食おうぜ。な?」
ほむら「それは絶対に許さないわよ……!!」
さやか「まぁまぁほむら、落ち着きなって」
ほむら「……いいわ。あなたがどうしても売るって言うなら……!」
杏子「お?」
ほむら「今この場で奪い取ってやるわ!!!!」バッ
杏子「うわ!ちょ、おいほむら!?何考えてんだお前!?」
ほむら「渡しなさい!!」ガバッ
杏子「バッ……おい暴れんなって!!ラーメンの汁がこぼれ……!!」
ほむら「渡しなさいッ!!!!!!」
ガシャーン
さやか「うわっ!?ちょ、ちょっと何やってんのよアンタ達!?ここラーメン屋だよ!!」
おやじ「お、お客さん……!困りますよ!」
ほむら「渡しなさいいいいいい!!!!!!!」ガッガッ
杏子「おいバカ離せ!!離せっつってん……!!」ヒラリ
さやか「あ」
まどかフィルム「」ヒラ
まどかフィルム「」ヒラ
まどかフィルム「」ヒラ
ベチョ
杏子「げっ」
ほむら「!?」
さやか「……あーあ」
さやか「見てよこれ。スープの脂でネチョネチョ」ネチョ
さやか「これじゃあさすがに売れないねー。フィルムって指紋ですらなかなか取れないらしいし」
ほむら「まど……か……」
ほむら「まどか……!」
ほむら「まどかあああああああああああ!!」
杏子「ったく、何て事してくれんだよ……。せっかく美味いモン食えるチャンスだったのにさぁ」
ほむら「まどか……!まどか……!そんな……どうしてこんな……!!」ポロポロ
杏子「はー……しょうがねえ。今日はお開きだなー。おやじ、勘定たのむわー」
おやじ「へ、ヘイ……」
ほむら「まどか……まどかぁぁ……」ポロポロ
杏子「そーなっちまったらあたしにはマジでゴミだからなあ。お前にやるよ、そのフィルム」
ほむら「まどかぁ……」ポロポロ
杏子「……聞いちゃいねー」
さやか「ま、まぁさ、ほら、まどかなら学校行けば会えるじゃん?」
ほむら「どうして……どうしてまどかがこんな目に遭わなきゃいけないの……!」ポロポロ
杏子「重症だなこりゃ……」
ほむら(まどかのフィルム……脂ギトギトになって……これじゃ私は何のために……)
ほむら「……」
ほむら「……」グイッ
杏子「お、少しは落ち着いたか?」
さやか「まぁさ、フィルムは残念だったけど結局はオマケじゃん?」
ほむら「……」
さやか「アンタも映画は楽しめたんでしょ?ならそれでいーじゃん!」
ほむら「……」
さやか(アンタも何か言いなさいよ!元はと言えばアンタが売っ払うとか言い出したからこうなったんでしょ!)
杏子(あたしのせいかよ……!?ったく、しょーがねーな)
杏子「まぁほら、元気出せって。さっきの様子じゃ財布もピンチなんだろ?ここのラーメン代はあたしがもってやるからさ」
ほむら「……」
さやか「それに脂まみれだけどまどかのフィルムも手に入ってよかったじゃん!」
ほむら「……」
ほむら「……いいえ」
ほむら「私の戦場はここじゃない」
翌日 映画館
ほむら「……」ザッザッ…
スタッフ(またあの子!?今日も観るの!?)
ほむら「……」ザッザッ…
ほむら(繰り返す)
ほむら(私は何度でも繰り返す)
ほむら(まどかのフィルムを完全な状態で手に入れるまで……!!)
ほむら(そのためならテレビとかCDとか色々売り払っても構わない……!)
スタッフ「え、えーと……」
ほむら「……」
ほむら「魔法少女まどか☆マギカ新編叛逆の物語、中学生一枚ください」
一方、別の映画館
まどか「あー面白かった。ドキドキしましたねー」
マミ「そうねぇ。最後の方なんて私、心臓がバクバク鳴ってたわ」
マミ「そうそう、鹿目さん、フィルム見せっこしない?」
まどか「あ、はい!何が入ってるのかなぁ?」
マミ「私は……何かしらこれ?ハズレかしら……?」
http://www.imgur.com/jwZJmqQ.jpeg
まどか「えーと、私は……」ペリペリ
http://www.imgur.com/4fsHA6f.jpeg
まどか「あっ!ほむらちゃんだ!」
まどか「ウェヒヒ……大事にしよーっと♪」
HAPPY END☆
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