西垣「入れ替わりボンバー大作戦!」(215)

結衣「そういえば京子、この前言われてた紙、今日までじゃなかったか?」

京子「へ? なにそれ」

結衣「この前綾乃に言われてたじゃんか。あの紙だよ」

京子「あーあーはいはい…書いてありますともよ」

結衣「今日はもう下校時間だから、今からだしてきちゃえよ。 みんなも、ここもう閉めちゃうけど、いい?」

あかり「じゃああかりたちも付き合うよ~」

ちなつ「では、いきましょうか。」

――――――

向日葵「西垣先生……それは何をつくってるんですの?」

西垣「おお古谷、なかなか良い質問をするじゃないか……これはな?」

櫻子「なになにー?」


西垣「これは……まあ、本番までは秘密だ。今回はなかなか大きなことをやろうと思っているからな。といっても……もう完成するのだが」

りせ「…………」

西垣「よし、できたぞ! 皆、準備はいいか?」

向日葵「準備って…まさかまた爆発じゃあ……」

西垣「ふっ……」ニヤリ

櫻子「ええっ!!?」

西垣「古谷! 大室! 爆友の一員として、今回の爆発をしっかりと見届けてもらうぞ!」

向日葵「いつから爆友になったんですか!? というか爆発って言い切りましたね!」

西垣「爆発まで、5…4…」

櫻子「えーカウント早ッ!!」ガタッ

向日葵「か、会長も早くお逃げにっ…!」

西垣「3…2…」


ガラガラッ

京子「おーす綾乃ー、いるかー?」

向日葵「歳納先輩!?」

櫻子「わーあぶなーい!!」


西垣「1…発破ッ!!!」


ドゴォォォウゥン!!!!……

――――――

綾乃「えっ!!? 何の音!?」

千歳「まさかまた西垣せんせーが…?」

――――――

もくもくもく……

櫻子「うっ…けほっ、けほっ……」

京子「あー…たたたたたた………」

結衣「な、なに…これ……」

ちなつ「ううっ……」

向日葵「うっ…皆さん、大丈夫ですか……?」

西垣「うむ、心配するな。無傷だ」

向日葵「ッ先生に言ったわけじゃ!」


櫻子「あれ…? 今の声、だれ……?」

西垣「ん? どうかしたか?」

向日葵「って、えええっ!!? 会長がしゃべったぁ!?」

西垣「何を言ってるんだ大室……はっ!!」


あかり「わあああああっ!!?」

結衣「どうしたの!?」

あかり「あ、あかりが…いる……」

ちなつ「あれっ!? 私!?」

京子「わあっ!!」ガーン

結衣「あ……ええっ!!?」


京子「かっ、鏡を見て!!」

櫻子「わっ、私っ、向日葵になってるっ!!?」

あかり「あかり、ちなつちゃんになっちゃった!!」

結衣「きょ、京子だ……これ……」

西垣「ふむ……どうやら、大成功のようだな」


向日葵「ちょ、ちょっと先生ッ!!なんなんですのこれはっ!!」

西垣「まあまあ落ち着け大室……ん? 今は大室ではないのか……?」

京子「おー結衣だこれ!!」

ちなつ「うそっ!?私の身体、あかりちゃん……!!?」

りせ「…………」


ガラッ!

綾乃「ちょっと!? 何があったのっ!?」

ワーワーキャーキャー……


西垣「よし! 皆注目だ!!」

――――――

ガラガラガラ…

向日葵「ホワイトボード…?」

西垣「まずは状況を説明するぞ。最初からだ」

綾乃「か、会長が喋ってる……」


西垣「今回私が行った実験は……これだ!!」キュッキュッ


全員『い、入れ替わりボンバー大作戦!!?』


結衣「作戦なの……?」

西垣「これは簡単に言えば、爆発に巻き込まれた自分と近くにいる人の中身が入れ替わってしまうという世紀の大実験だったのだ!!」

京子「そ、そんなベタな!!」

ちなつ「なんてこと!?」

櫻子「そ、そんなあ!!」

西垣「今回は私も、古谷と大室ぐらいだったら入れ替わっても大丈夫だろうと思って爆破作業を開始したのだが…運悪くそこへ歳納たちが現れてしまったということだな……」

向日葵「なんで私と櫻子だけ!?」

あかり「櫻子ちゃん、自分しか数えてない……」

西垣「そこでだ! まずは誰と誰が入れ替わったのかを確認するぞ!!」


西垣⇄りせ

向日葵⇄櫻子

京子⇄結衣

あかり⇄ちなつ

(姿は替わっていますが元の名前で書いていきます)


西垣「なるほど……我ながらなかなか上手く入れ替わることができたんじゃないか?」

ちなつ「え~そんなぁ!!」

結衣「あかり、声でかい……」

ちなつ「わ、私はちなつですっ!!」

向日葵「なんで櫻子と……」

櫻子「なんで向日葵と……」

京子「うおー結衣だよこれぇ!」

ちなつ「きょっ、京子先輩あんまり結衣先輩の身体ではしゃがないでくださいよ!」

結衣(う、うそだ……)

綾乃「ど、どういうことっ?」

京子「綾乃ぉ、私が歳納京子なのだよ!」

綾乃「ええっ! 船見さんがっ!?」

結衣「おいあんまり私の身体で遊ぶなよ……!」

あかり「ちなつちゃんだ…、あかり、ちなつちゃんになっちゃった…!」

ちなつ(私が……あかりちゃん…!? なんで!?)

ちなつ「わーん結衣先輩とがよかったですぅ!!」

結衣「あか、じゃなかった、ちなつちゃん落ち着いてっ……」

櫻子「なんで向日葵なんだよー!?」

向日葵「ちょっと! 私の身体を乱暴にしないでくださる!?」

櫻子「おい私はそんな口調じゃないぞ!」


千歳「ご、ごちゃごちゃやな~」

――――――

向日葵「せ、先生! どうしたら元に戻れるんですの!?」

西垣「うーん…元に戻る爆発かなんかを起こせばいいのだとは思うが……」

ちなつ「それを早くやってくださいよ!」

西垣「いやあしかし、そんな爆材が用意してあるわけではないのでな。」

綾乃「だったら最初から実験なんてしないでくださいよ!」

西垣「いやあ、すまんすまん。出来上がって嬉しくなってすぐに爆発させてしまったといったところでな。はっはっは……」

りせ「…………!」

西垣「ん?どうした…おお、松本は私になっていたのか。これはこれでなんだか面白いなあ、…ん? 私の姿であまりうるさくしないでほしい? いやしかし、今は緊急事態だから、な…?」

結衣(自演にしか見えない……)

――――――

西垣「ともかく!」

西垣「今日は皆には一旦帰ってもらうぞ!」

全員『ええええええええっ!!?』

向日葵「今すぐ元に戻ることはできないんですの!?」

西垣「残念だが、それを作るのにも少し時間がいるのでな……それに、入れ替わり体験なんてこの先滅多にできないかもしれないんだぞ?」

京子「それもそうだよね」

結衣「いやいやいや違うだろ」

キーンコーンカーンコーン


西垣「はっ! 下校時刻だ! 帰るぞ松本!!」

タッタッタッタッ……

結衣「真っ先に!?」

あかり「ど、どうしよう……」

京子「西垣ちゃんの言うとおり、今日は帰るしかないんじゃないの?」

ちなつ「え~そんなぁ…」

向日葵「本当にそれしかないのかしら……」

綾乃「みんな……」

結衣「ここで迷ってても仕方ないかもね…。とりあえず、校舎を出ようか。」

あかり「これからどうしよう……」

結衣「い、入れ替わった人同士で話し合うのが一番なんじゃないかな…。幸い、それぞれが帰る方向だいたい同じだしさ。」


京子「じゃーねーちなっちゃーん」

あかり「あ、あかりだよぅ!」プンプン

ちなつ「あかりちゃんあんまり変な顔しないで」

あかり「変じゃないよ!?」


ちなつ「はぁ……」

あかり「ど、どうしよう…」

ちなつ「今日、どっちかの家に泊まるってのはどうかな?」

あかり「うぇっ! どうかなぁ……明日も学校だし、いきなりは難しいと思うんだけど……」(私が私に話しかけてくる…///)


ちなつ「それじゃあ、このまま帰るしかないのかなぁ……?」

ちなつ(あかりちゃんがウチで変なことしないといいんだけど……)

あかり「あかりっ、がんばるよっ!」

ちなつ「ふぇっ?」

あかり「先生だって、なるべく早く元に戻してくれると思うし、ちょっとの辛抱だと思うよ?」

ちなつ「そうかなあ……」

がしっ

あかり「頑張ろうよ、ちなつちゃん!」

ちなつ「ええ? あ…、うん……」(私ってこんな風に映るんだ……)

――――――

京子「~~♪」

結衣「ごキゲンだな、京子…」

京子「そりゃあそうでしょ! 長年の夢だった入れ替わりがついに叶っちゃったんだから!」

結衣「夢だったの…?」

京子「ほーほー京子ちゃんをはたから見るとこうなるんですなぁ~」

結衣「あ、あんまり私の身体でうるさくしないでくれよな…//」

京子「おーう照れてる京子ちゃんいただきぃ!」

結衣「まったく……」

結衣「ところで、今日は私の家に泊まった方がいいんじゃないのか?」

京子「あー、まあそうかもね」

結衣「じゃあ、京子のお母さんに許可取らないとかぁ…私が。」

京子「結衣……あんまり私の格好で変なことしないでよねっ?///」

結衣「京子じゃないんだし、そんなことしないよ……」

〈歳納家〉

結衣「さ、さて…行くか……」

京子「結衣!きばれぇ!」

結衣「しーっ、静かに……あ、あのさ、なんか気をつけた方がいいこととかないか?」

京子「どういうこと?」

結衣「だからさ、京子は普段どういうふうにことわって出てくるのかってことだよ」

京子「あ~はいはいなるほどね……」

結衣「ちょっと、やってみてよ」


京子「最初はガチャっと勢いよく!」

京子「親愛なる母上様! これから結衣ちゃんのお家にお泊りにいってきます!」

京子「……と、こんなもんだよ」

結衣「嘘つけよ……もういい、自分でなんとかする

ガチャッ

結衣「たっ、ただいまー……」

京子母「あらおかえり。…ん?どうしたの?元気ないじゃない?」

結衣「えっ!? そ、そうかなあっ」

京子母「いつもならもっと大袈裟に帰ってくるじゃない」

結衣(さっきの話、あながち嘘じゃなかったのか……?)

結衣「あのさ……これから、ゆっ、結衣ちゃんの家に泊まりにいってくるねっ?///」

京子母「あらそうなの?…京子はほんと結衣ちゃん好きね~。」

結衣「っ!///」ドキッ

京子母「あんまり結衣ちゃんに迷惑かけちゃだめよ?」

結衣「だ、大丈夫……じゃあ、いってきますっ」


ガチャッ バタン

京子「どうだった!?」ワクワク

結衣「えっ、な、なんともないよ……」

京子「私が恥かくようなこと…してないでしょうねぇ…?」

結衣「そんなことするわけないだろっ///」

京子「きゃんっ☆」

結衣「その格好で変なポーズすんな!」

――――――

櫻子「…………」

向日葵「…………」

櫻子「ど、どうすんだよ……」

向日葵「仕方ないでしょう……このままやり過ごすしか」

櫻子「ほんとのこと言っちゃう?」

向日葵「どうせ信じてもらえないと思いますし……頭がおかしくなったとか思われるの嫌ですわ。余計な心配もかけたくありませんし」

櫻子「んん~……」

向日葵「そしたら櫻子、ちゃんと私を演じ切ることができますの?」

櫻子「そ、そんなの簡単だよ。」

向日葵「冷蔵庫にあるもので楓の分の夕食もつくらなきゃいけないんですのよ?」

櫻子「うっ……」

向日葵「はぁっ……あなた何が作れますの?」

櫻子「カ、カレーぐらいなら」

向日葵「まあそれでいいですわ。材料も確かありますし。それより、今日はなるべく早く寝て、楓に余計な心配させないこと。いい?」

櫻子「わかったよ……」


櫻子(向日葵は、私と違って家でも凄い大変なんだ……)

向日葵「ちょっと、元気出しなさいよっ 元気ない顔でいったら余計心配されてしまいますわよ」

櫻子「そ、そっか」

向日葵「私もできるだけ櫻子を演じますから、そっちも…よろしくお願いしますわね」

櫻子「うん。」

――――――

綾乃「…………」

千歳「綾乃ちゃん?」

綾乃「ん?」

千歳「ひょっとして、歳納さんと入れ替わりたかったーとか思ってるんちゃう?」

綾乃「なっ……なな、何言ってるのよ!そんなこと……」

千歳「別におかしなことやないで? 人間誰しも、好きな子と入れ替わってみたいとは思うもんや」

綾乃「はーっ……あのときもっと早く生徒会室に向かってれば……」

千歳「悔やんでも仕方ないでー。それに、きっと今頃皆そうとう大変な思いしてるんとちゃう?」

綾乃「そうよねぇ。実際入れ替わりなんておきちゃったら、私なんてどうしていいかわからなくなっちゃうわ。」

千歳「これはこれで、ある意味ラッキーだったんや。」

綾乃「そうかもねぇ。」

千歳「……ところで綾乃ちゃんは、これから船見さんと仲良くするんか?歳納さんと仲良くするんか?」

綾乃「えっ! そっ、そんなの……どちらか一方とだけ仲良くなんてしないわよ。いつも通りでいいんだと思うわ。」

千歳「うんうん。それでええんや。さすが綾乃ちゃんやなあ。」

――――――

カチャン

西垣「よーし、松本の家には連絡しておいたからな。しばらくはここで泊まることになるけど…いいか?」

りせ「…………」コクコク

西垣「ふふふ、私が私に向かって……あー愉快で仕方ない」

りせ「…………」

西垣「ん? 早く皆を元に戻す方法? あーそうだなあ……実験は成功だったし、皆きっと大変だろうからなあ。大丈夫。松本の頼みとあれば、私が全力を出して作ってやろう。まあ……明日の夕方にはできるんじゃないか?」

りせ「…………」

西垣「明日の学校……そうか。私が松本の代わりに出席しないといけないのか……でもそれだと皆を元にはもどせない。」

りせ「…………」

西垣「ふふ、すまんな。まあ松本の成績なら一日くらい休んでも平気だろう。」

西垣「しばらく私の身体で遊んでてくれ。ははは…」

りせ「…………///」

――――――

ちなつ「た、ただいま~」ソーッ

あかね「あらあかり。おかえりなさい。」

ちなつ(お、お姉さんだ……)

あかね「どうしたの? 今日はちょっと遅かったけど……」

ちなつ「あ、ご、ごめんね。次からはちゃんと気をつけるから~」ソソクサ

あかね「あかり……?」

パタン

ちなつ「う~あかりちゃんがわからない…普段お姉さんとどう接してるわけ? ていうかこれから何すればいいの?」

ちなつ「あーもうよくわかんない……」

ガチャッ

あかね「あかり、大丈夫?」

ちなつ「へぇっ!?」

あかね「なんかちょっと様子がおかしいけど……何かあったの?」

ちなつ「ああ、あはははは……」(こ、この短いスパンで不審がられてるの!? え、私、あかりちゃんの才能無いの? …ていうかあかりちゃんの才能って何?)

あかね「おなかいたいの? いやなことがあったの? 学校でいじめられたの?」ズイズイ

ちなつ「あわわわわわ……」

あかね「はっ…………もしかして……、あの日!!?」

ちなつ(は?)

あかね「そうよ……あかりももう中学生に
なったんだし…、別にきたっておかしくは……」ブツブツ

ちなつ「ちっ、違うよっ おねえちゃん!」

あかね「え…? あかり、あの日を知っているの……?」

ちなつ「いやっ、だから、あの日とかじゃなくて……だから、そのぉ……」


ちなつ「きっ、今日は…ひとりにしてっ……!」

あかね「…………!」

ちなつ(何?これでよかったの?)

あかね「そうよね……こういうことは、ひとりでなんとかしたいって思うもの。うん、いつまでもお姉ちゃんに頼っていたくはない、のかもね……。それが大人になるっていうこと…………」ボソボソ

ちなつ「…………」

あかね「わかったわ。でも、困ったことがあったらすぐにお姉ちゃんを呼んでね。どこにいても、すぐにかけつけるからねっ」グッ

ちなつ「あ、ありがとう……」

カチャ パタン

ちなつ(もしかしてあかりちゃんがあの日っていう設定は消えてないの…?)

――――――

あかり「た、ただいま~」

ともこ「おかえりなさい、ちなつ。」

あかり「あ、ただいま~」(ちなつちゃんのお姉さんだ……すごく綺麗な人だよねぇ)

ともこ「先にお風呂にする? ご飯食べてからにする?」

あかり「あ、じゃあご飯食べようかなっ」

ともこ「わかったわ。すぐ支度しちゃうわね。」

あかり「は~いっ」(すごくいい人だぁ…)

あかり「あ、お味噌汁おいし~♪」

ともこ「ふふ、喜んでもらえてうれしいわ。」


ともこ「ところでちなつ、この前言ってた、あかりちゃんって子がいたでしょう?」

あかり「ええっ!? 私!?」ガタッ

ともこ「ど、どうしたの……?」

あかり「あ、いや、なんでもないよ~」(ちなつちゃん、おうちで私のこと話してるの……!?)

ともこ「その赤座さんのお姉さんが、お姉ちゃんのお友達にいるんだけどねぇ…?」

あかり(お、おねえちゃんっ?)

ともこ「いつも、とても幸せそうにあかりちゃんのことを話すの……」

あかり「そ、そうなの?」

ともこ「そう……。それはもうとても幸せそうに…見ているこっちまで明るくなってしまうほどに……可憐で……」

あかり「…………」(お姉ちゃん、学校でもやっぱりすごいんだぁ……)

ともこ「あ、あら、ごめんなさいねこんな話して……あ、お味噌汁冷めちゃうわよ?」

あかり「あっ、う、うん。」

あかり(おねえさん、なんかすごい幸せそう……)

ともこ「うふふふ……」

ーーーーーー

結衣「京子、夕飯なにがいい?」

京子「こだわりシェフのトンノビヤンコ~シチリアの海風を添えて」

結衣「何言ってるかよくわかんないんだけど……でもパスタはいいかもね。簡単に作れるし。」

京子「作ってる間これ進めててもいーい?」

結衣「いいけど、結構すぐ出来ると思うぞ? 麺茹でて、ソースは缶のを温めるだけだからな……ミートソースでいい?」

京子「シチリアのうみk

結衣「じゃあつくるね。」ガサガサ


京子「ふーぅ! 京子ちゃんクール!」

結衣「あんまりその体ではしゃぐなよ……」

京子「へっへっへ…………あ! お風呂入る!」

結衣「いやだからすぐできるんだって……って、おいっ!///」

京子「あっはっは! でもさ、入らないわけにもいかないでしょ?これ結衣の身体だしー」

結衣「なっ……!」

京子「安心しなさい! 普段結衣ちゃんが洗わないような、あんなところこんなところまで徹底的に洗いつくしてやるよ!」

結衣「そんなことしなくていいよっ!!///」

京子「えー? じゃあ結衣は私の身体をちゃんと扱ってくれないの……?」

結衣「何を言ってるんだお前は……」

京子「あ、じゃあさ、一緒に入っちゃう!?」

結衣「なんで!?」

京子「自分の身体は自分で洗いたいって結衣が言ってるからさー」

結衣「そうじゃなくて、京子が私の身体で変なことしないか心配なんだよ……」

京子「変なことって……そんな……結衣のえっち……///」キャー

結衣「やめろ」ゴン

――――――

ガチャ

向日葵「た、ただいま……」

花子「ん、櫻子。おかえりだし」

向日葵「あ、花子ちゃん……」


花子「……は?」

向日葵「~じゃなくてっ、花子、ただいま……」


花子「? なんかおかしーし……」


向日葵(えーと櫻子は、この後……)

向日葵(靴とかぬぎっぱなしで、)

向日葵(…………)ソワソワ

向日葵(そ、揃えるだけ……)


ガチャ

向日葵「きゃっ!」ペタン

撫子「ん? お……」

向日葵「あ、ね、ねーちゃんおかえり……」ドキドキ

撫子「なに、熱でもあるの……? 櫻子が靴なんて揃えてるの初めてみたけど……」

向日葵「ちょ、ちょっとした気まぐれですわ……」

撫子「……ですわ?」

向日葵「ああっ!あっ、その……な、なんでもないっ!」トタトタ

撫子「なに……?」

パタン

向日葵(どうしようこれから……)

向日葵「!」

向日葵(いっそ家に戻って、今日は櫻子が私の家に泊まるということなら……!)

向日葵「いけますわ!」グッ

向日葵「あっ、い、いけるっ!」ビシッ


向日葵(言葉にも気をつけませんと……さっきも危なかったですし……)

向日葵(くっ……もうとりあえず私の家に戻る! 櫻子が変なことしてないか不安ですわ!)

――――――

ガチャ

櫻子「ただいまー」

楓「あ、おねえちゃん、おかえりなの。」

櫻子「ただいま楓。今日はご飯カレーでいい?」

楓「いいよー。楓、おねえちゃんのカレー大好きー……あ、靴揃えるね?」パタパタ

櫻子「あー、ごめんなさい」

櫻子(楓は感が鋭いから……どんだけやっても不自然に映るだろうな……)

櫻子(なるべく、自然体。その方がいい)

櫻子(まずは……)

櫻子「お風呂でも入っちゃいます? 楓」

楓「あ、わたしもう入っちゃったから、冷めないうちにおねえちゃん入って?」

櫻子「あ、はい……」(楓はもうひとりで風呂入れちゃうのか……6歳だからなかなか早いな)

櫻子「それじゃ、パパッと入っちゃいますわね。」

楓「ゆっくりあったまった方がいいよ?」

櫻子「あ、じゃあそうしますわ……」(ダメだまだ不自然だ……)

ぬぎぬぎ

櫻子「くそ、なんだよこのおっぱい! 超あるんですけど!」

楓「おねえちゃん、どうしたの?」ヒョコッ

櫻子「あっ、な、なんでもありませんのよ?」

楓「ひょっとして、またお胸おおきくなった?」

櫻子「ああー、たぶん」(知らんがな)

楓「でもおねえちゃん、やっぱりスラッとしてるの。スタイルいいの!」

櫻子「あ、ありがとう……」(中1でこれは育ちすぎだと思うけどな……)

ガチャ

向日葵「…………」ソーッ

楓「あれ?櫻子おねえちゃん。」ヒョコッ

向日葵「わっ、楓……あの、ひ、向日葵は?」

楓「おねえちゃんならお風呂なんだけど……」

向日葵「あ、ありがとう。ちょっと行ってくるね」


楓「櫻子おねえちゃん、どうしたんだろ……」

シャーッッ…………

櫻子「やっぱりでかすぎるってこれ……」モミモミ

櫻子(向日葵はよく自分の胸がコンプレックスだって言ってるけど……確かにこれはそうなっちゃうかもしれない……)

櫻子(完全に周りから浮いちゃう。育ちすぎってのも良いことばっかりじゃな

向日葵「櫻子!!」バン!


櫻子「わっ!! …………え?」モミモミ

向日葵「な……!?/// あ、あなた人の身体で何やってますの!!?」

櫻子「あっ! これは……ちがくて、そのぉ…は、入ってくんなよ!!」

向日葵「私の身体を弄ばないでくださる!?」

櫻子「だから遊んでたわけじゃねーし! つーか出てけよ! 私の服が濡れんだろ!」

向日葵「というかいつまで揉んでますの!? 早く手を離しなさい!!」

櫻子「うるせー! 今は私の身体なんだぞ!」シャーッ

向日葵「きゃー! 何しますの!?」

キャーキャー……


楓「ふふ、やっぱりおねえちゃんたちいつも仲良いの!」

――――――

あかり「ふーいいお湯だった♪ ちなつちゃんの髪はふわふわで洗うのが楽しいよね~」

あかり「あっ、そうだ。宿題があったんだっけ……ここにはちなつちゃんのしかないけど、きっとちなつちゃんもあかりの宿題やってくれてるよねぇ。あかりも頑張って、ちなつちゃんの分をやらなきゃ!」



あかり「うーん、あれっ? 消しゴムがない……」

あかり「机の中に入ってるかな?」ガラッ

あかり「!?」

あかり「こ、これ……結衣ちゃんの写真!? こんなにいっぱい!?」

あかり「うわぁ……こんなにたくさんの量、いつの間に撮ったんだろう……」


あかり「で、でも、これだけ写真を持ってるってことは、きっとすごい友達思いだってことだよね! あかり、ちなつちゃんと友達になれてよかったよぉ」

あかり「そういえば、他の皆はどうしてるかなぁ…? 姿が入れ替わっちゃうなんて、やっぱり不思議なことだけど、ちょっと面白いもんねぇ。」

――――――


ちなつ「ふぅ…… お、おねえちゃん、お風呂出たよー?」

あかね「あらそう? じゃあお姉ちゃんもすぐに入っちゃおうかしら」

ちなつ「何を作ってるの?」

あかね「お赤飯よ。」

ちなつ「お、お赤飯……?」

あかね「そう。こういう日には、お赤飯を食べてお祝いするの。まだちょっと早いかもしれないけど……やっぱりこういうことは早めに済ませておかないとね。」

ちなつ(うわあ……たぶんあかりちゃんまだなのに……)

ちなつ「じゃ、じゃあ私は部屋にいるから、できたら呼んでね。」

あかね「はいはい、わかりました。」

あかね(一人称が「あかり」から「私」に変わってる。やっぱり子供っぽいと思うようになっちゃったのかしら……かわいかったのに)

パタン

ちなつ「はぁ~もう何がなにやら……」


ぽふっ

ちなつ「今頃結衣センパイは……京子センパイと……」


ちなつ「あんなことや……こんなことを……!?」

ちなつ「キィ~!そんなことは許しませんよ京子先輩!!」

ちなつ「うう……虚しい……」

ちなつ(もし私が結衣先輩と入れ替わってたら……)



結衣「まさか、こんなことになってしまうとは」

ちなつ「結衣先輩っ……私たちこれからどうすれば!」

結衣「心配はいらないよちなつちゃん。僕らなんて、もう入れ替わってもそうじゃなくても同じようなものじゃないか……」

ちなつ「ゆ、結衣先輩……///」

結衣「ちなつちゃん。身体だけじゃなく、もっと君のいろいろな物が欲しい……!」

ちなつ「ゆっ、結衣先輩!そ、そんなの……」


ちなつ「ダメですよ~~~~!!!///」キャー


あかね「どたどた音がする……やっぱりちょっとストレス溜まっちゃってるのかしら。初めてのときはわからないことだらけだもんねぇ……はぁ」

――――――

京子「さて、結衣さんや。」

結衣「ん?」

京子「お風呂の時間ですが。」

結衣「お前それしか頭になかったろ……」

京子「ふふふ…先に入ってもいいですか!」ビシッ

結衣「だから私の身体で変なポーズすんな……しょうがないな。さっさと入ってこい」

京子「ひゃっほーい!」ヌギヌギ

結衣「ここで脱ぐな!」

京子『うぇーい結衣のからだー!』


結衣「あいつ……風呂場で騒ぐなよ……!」

結衣(自分の身体がすみずみまで見られてるってのは……相当恥ずかしいなこれ……///)カアアアッ


結衣(ん?まてよ?)

結衣(別に裸を見られるのが恥ずかしいとかはこの際無問題になるわけだから……今私の風呂待ちはなんのためなんだ?)

結衣「…………」

結衣(どうせ今は京子の身体だし……目の届かないところで自分の身体をいじくりまわされるよりはマシだ!)

バン!

結衣「入るぞー京子」

京子「おおわー結衣!? 何やってんの!? つーかタオル巻けし!///」

結衣「今更タオルも何もないだろ。どうせお前も私の身体を見てるんだからおあいこさまだ。」

京子「ど、どしたんだよ……」

結衣「久しぶりに背中でも流してやろうか」

京子「い、いいよ!自分でやるよ!」

結衣「いやいや今は私の身体だからな。私も自分で自分の身体を洗うことにするよ」

京子「なんか大胆だな結衣……つーか手で隠すぐらいはしてくれよ!」

結衣「よーし始めよう」

京子「くっ……/// そっちがその気ならっ!」バッ

結衣「裸で変なポーズとんじゃねえ!」ゴン

京子「ぐわっ……不憫だ……」

――――――


向日葵「結局私も服が濡れて一緒に入ることになりましたわ……」


櫻子「で、なにしにきたの?」ふきふき

向日葵「そうそう、今日は櫻子が私の家に泊まるってことにしましたから。その方が何かと都合がいいでしょう?」

櫻子「あーそっかー。まあ私ひとりでも大丈夫だったけどね。」

向日葵「嘘おっしゃい。たぶんもう楓は怪しがってると思いますわ。」

櫻子「……やっぱそうかな」

向日葵「まあでも家が隣でよかったですわね。そこまで大ごとにならずに済みそうですわ。」

櫻子「うん……向日葵ってドライヤー使うの?」

向日葵「ええまあ使いますけど……どうしたんですの?」

櫻子「いやほら、髪質とか大事にしなきゃだし……」

向日葵「!」

向日葵(なんだかんだで、ちゃんと気を使ってくれますのね。)

向日葵「じゃあ、私がやりますわ。」

櫻子「ん……たのむ」

ごーっ……

向日葵「そういえば昔は縛りっことかしましたわよね。」

櫻子「そうだっけ?」

向日葵「懐かしいですわ……櫻子の髪は変に癖っ毛だから縛るとおかしくなっちゃって」クスクス

櫻子「な……! そんなことないぞ!? たぶん今やったら絶対可愛いっての!」

向日葵「あら、じゃあポニーでもやってみます?」


櫻子「…………」(こ、これは……)

向日葵「後ろが丸くボンボンみたいになっちゃってますわよ……」

櫻子「は、外そうか」

向日葵「私からもお願いいたしますわ……」

櫻子「はっ、そうだご飯! やっぱり向日葵が作った方がいいんじゃないの? 私がやるとたぶん楓にバレるぞ……」ヒソヒソ

向日葵「そ、そうですわね。でも私は一応手伝いみたいに振る舞いますから、なんとか誤魔化しますわよ?」

櫻子「よ、よし……」ガラッ

櫻子「さーて、ご飯でも作りましょうか櫻子」

向日葵「お、おいしくつくれよひまわりー」

櫻子&向日葵(何これ…………)


楓「おねえちゃん、みてほしいの!」ふりっ

櫻子「!?」

楓「わたしも櫻子おねえちゃんみたいに後ろしばってみたの! 上手にできてる?」ふりふり

向日葵「か、楓…………」アハハ

櫻子(どっから見てたんだ……!?)

――――――


あかり「んん……もう9時かぁ。そろそろ寝ちゃおうかな」

あかり「明日には元に戻れるかな? こういうのも面白いけど、やっぱりあかりはあかりが一番いいよぉ。」

コンコン

ともこ「ちなつ、起きてる?」

あかり「あっ、はーい。」(お姉さんだ……どうしたのかな?)

ともこ「あら、寝ちゃうところだった? ごめんなさいね。」

あかり「ううん、大丈夫。なにかあったの?」

ともこ「ちょっと、気にとめておくだけでいいんだけどね? その……さっきの赤座さんのお姉さんのことなんだけど……」

あかり(ま、また!?)

ともこ「きっといつかちなつも赤座さんのお家にお邪魔することがあるでしょ? その時に、できればでいいんだけど、その……赤座さんのお姉さんの好きなものとか、なんでもいいから聞いてきて欲しいのっ!」


あかり「あっ、ああ……わかった~」

ともこ「よろしくねっ?」

パタン


あかり(あ、あかりにはよくわかんないけど…たぶんちなつちゃんのお姉さんはおねえちゃんとお友達になりたいのかな……?)

あかり「……と、とりあえず戻ったらおねえちゃんにいろいろ聞いてみようかなっ。 今日はちょっと疲れちゃったし、しっかり寝なきゃね!」

――――――


ちなつ「今日はもう早く寝よう……たぶん明日には戻れるもんね。ジタバタしたってしょうがないし……」

ちなつ「おやすみなさーい」




ガチャ

「…………」

ちなつ(……ん?誰か来た?)

あかね「…………」

ちなつ「…………」(ま、またお姉さんきた……寝たふりしなきゃっ)

あかね「……ぁかり……」

ちなつ「…………」(な、なんなの……!?)

あかね「あかりには……お姉ちゃんがいるからね……」

ちなつ「…………」(ちょっ、えっ! 何!?)


ちゅっ

パタン

ちなつ「ほっぺにキス……こんなのが日常茶飯事で行われてるっていうの……!?」

ちなつ「なかなかハードだわ赤座家……」

ちなつ「というかキスなんて全然されたことないのに~……よりによってあかりちゃんのお姉さんに、しかもあかりちゃんの状態でキスを迎えるなんて……!」

ちなつ「まあ、口じゃなくてよかったってぐらいかなぁ……全然よかないけど」

ちなつ「あかりちゃんって純粋なイメージが凄いあるけど、お家じゃ知らないところでお姉さんに掻き回されてるよね……」

ちなつ「は、早く戻りたい……!」

――――――

京子「うう……結衣にけがされちゃったよぅ……」シクシク

結衣「それは私の身体だけどな」

京子「あー、まあでも久しぶりに楽しい風呂だったわ。愉快愉快!」

結衣「立ち直り早っ」

京子「さぁ! お次は何する!? ゲームでもする!?」

結衣「んー……明日日直だから遅刻はできないんだよなー。だからやるなら明日早く起きてからかな」

京子「えーっ! 私別に早く寝たからって早く起きられる訳じゃないよ!?」

結衣「どっちにしろもう寝ようよ…………あ。」


結衣「明日私が日直だから、京子が仕事しなきゃなんだった」

京子「なん……だと……!?」

結衣「そっかそうだったな。ちゃんと仕事してくれよ?」

京子「私この前日直やったばっかなんだが……うう、納得いかーん!」

結衣「仕方ないだろ? 他にどうしようもないんだからさ……私もちゃんと京子やるから、京子もちゃんと私をやってくれよ」

京子「ちぇー、しゃーないねー。」

結衣「よし、寝るか。布団しくぞ」



結衣「電気けすよー?」

京子「うん。」

ぱちっ

結衣「はーっ、明日には戻れるかなぁ……」

京子「私は別にこのままでもいいけどねー」

結衣「そうか……? まだよくわからないけど、これからどんどん困ること増えてくると思うぞ……」

京子「その苦労を、入れ替わった楽しさが上回ってるよ! 今だって何もしてないけど、テンションめっちゃ高いし!」

結衣「それじゃ寝れないじゃん……」

結衣「あ、でも思い出したかも。そういえば京子、前に入れ替わりたいからとかいって私に突進してきたことあったよな」

京子「あーあったね! なつかしー!」

結衣「何いい思い出にしてんだよ……あのとき私腰痛くなったんだぞ?」

京子「へへ、めんごめんごっ」

結衣「ったく……まあいいけどさ」


京子「でもさ、私と結衣って入れ替わっても大してかわんないよね。」

結衣「そんなことないだろ。」

京子「いやいやそうだって。いつもずーっと一緒なんだしさ」

結衣「!」

結衣(いつも一緒、か……)


京子母『京子はほんと結衣ちゃん好きね~。』



結衣(うぅ………///)

結衣「あ、あのさ……京子は私のこと……」

京子「」くかーくかー

結衣「って寝てんのかよ!」ビシイッ

結衣「ったく……」モゾモゾ



京子「…………」(……ありがとね、結衣。)

――――――

櫻子「はー。楓寝たみたいだぞー」

向日葵「ふぅ……いろいろあったけど、なんとか乗り切れそうですわね。」


櫻子「すげー疲れたんですけど……」

向日葵「今日はもう寝ましょう……きっと明日には西垣先生が元に戻してくれますわよ。」

櫻子「だといいんだけどねー……はーよっこいしょ」ぽすん

向日葵「ちょっと、私の身体でオバサンみたいにしないでくださる?」

櫻子「だって重いんだもーん特に前の方が」モミモミ

向日葵「揉むなっ!」ビシッ

向日葵「あっ、そういえば宿題がありましたわ。やってから寝ましょう」

櫻子「おーう頼むぞ」

向日葵「……私は私の分しかやりませんからね。」ジトー

櫻子「くっそ……まあ仕方ない。やっとくかー」

櫻子「あーもー、わからん!」パタン

向日葵「わからなかったらわからないところまで戻ればいいんですわ。教科書だってなんだってありますし。」

櫻子「はー…面倒だねぇ……」

向日葵「そんなに簡単に行ったら誰も苦労してませんわよ。勉強は今言ったことの繰り返しですわ。それをするかしないかで差が生まれる、ただそれだけのこと。……どうせだったら、やれるところまでやってみなさいな」

櫻子「ふーん……なんか私がめっちゃ頭良く見えるわ」

向日葵「そういえば入れ替わっても頭は変わりませんのね……。まあしっかりやりなさい。」



櫻子「おーできたわ。意外とできるもんだね。」

向日葵「……櫻子は元よりやればできるタイプですしね。これからもしっかりやれば今よりも飛躍的に上がると思いますわ。」

櫻子「じゃあこの調子で向日葵を軽く越しますかー!」

向日葵「……やれるものなら」ゴゴゴ

~~~

向日葵「寒くありません?」

櫻子「だいじょぶだいじょぶ。」

向日葵「じゃあ消しますわね。」

パチッ


櫻子「頭が疲れたわー……すぐ寝ちゃいそう」

向日葵「仕事、食事、睡眠。この場合、学生の仕事は勉強と考えて……だいたい人間はこれらが満たされていれば他のことも自然と満たされるようにできてるんですわ。逆にこれらのうちひとつが欠けると他のこともうまくいかない……」

櫻子「なるほどねー……」


櫻子「向日葵はいろんなこと知ってるよね。」

向日葵「なっ……こ、これくらい別に普通ですわよっ」

櫻子「いやいや……向日葵はすごいよ……」

向日葵「ど、どうしたんですの? なんかおかしいですわよ櫻子……」

櫻子「ふふ……」



向日葵「あ、思い出した。」

向日葵「むかし、姿が入れ替わっちゃう絵本を一緒に読んだことがありましたわよね。」

櫻子「……えー……?」

向日葵「櫻子ったら入れ替わってみたいーなんて言ってて……よかったですわね。願いが叶って。」

櫻子「…………」


向日葵「まぁ私たちが入れ替わっても大して変わりませんけどね……西垣先生もそんなようなことを言ってましたし。」


向日葵「さ、櫻子は……誰と入れ替わってみたかったんですの??」

櫻子「…………」

向日葵「え? ……寝てる……?」


向日葵「もう……」ハァ

――――――

翌朝



あかり「んんっ……ふう。あーよく眠れたよぉ」

あかり「ちなつちゃんと待ち合わせてから学校行かなきゃだから、ちゃんと準備しないとね!」


あかり「おはよ~」

ともこ「あら、おはよう。」

あかり「ん~良いにおいがする~」

ともこ「すぐご飯になるからね。」

あかり「おねえちゃんも料理上手だけど、ちなつちゃんのおねえさんの料理もおいしいよねぇ。」

ともこ「え? なーに?」

あかり「あっ、ううん? なんでもないよ~」



あかり「おいし~い」モグモグ

ともこ「あら……朝も良く食べるようになったわねちなつ。昨日も早めに寝たみたいだし、規則正しい生活をするのはいいことよね。」

あかり「あ、そ、そうだよね~」(そういえばちなつちゃんはあかりよりも遅くに寝るんだったっけ……)



あかり「いってきまーす♪」

ちなつ「はい、いってらっしゃい。」ニコニコ


あかり「やっぱりいい人だよねぇおねえさん。あかりもああいう風になれたらいいなぁ……」

あかり「元に戻っても、またちなつちゃんのお家に来たいよねぇ。」



あかり「おいし~い」モグモグ

ともこ「あら……朝も良く食べるようになったわねちなつ。昨日も早めに寝たみたいだし、規則正しい生活をするのはいいことよね。」

あかり「あ、そ、そうだよね~」(そういえばちなつちゃんはあかりよりも遅くに寝るんだったっけ……)



あかり「いってきまーす♪」

ともこ「はい、いってらっしゃい。」ニコニコ


あかり「やっぱりいい人だよねぇおねえさん。あかりもああいう風になれたらいいなぁ……」

あかり「元に戻っても、またちなつちゃんのお家に来たいよねぇ。」

――――――

ちなつ「あー……いろいろ考えてたから良く眠れなかった……」

ちなつ「うわ、こんな時間かっ。早めに支度しなきゃ」

ガチャ

ちなつ「お、おはよー」

あかね「あ、あかり。おはよう。今日は少しお寝坊さんね?」クスッ

ちなつ「あっ、ああ、うん。」(昨日の夜にあんなことしておいて……なんでそんな平然としていられるのかしら)

ちなつ「顔洗ってきちゃうねっ」

あかね「はいはい。」



ちなつ「あかりちゃんと待ち合わせてるんだった。早くしなきゃ……」

ちなつ「……あ。」


ちなつ「お団子の作り方わかんない!!」ガーン

ちなつ(どうしよう……あかりちゃんと言えばお団子ぐらいしかないのに、お団子のないあかりちゃんなんて……)

ちなつ「というかこの髪からどうやってあのサイズのお団子作ってるわけ!? 全然わかんないし…… あーもうどうしよ……」

ちなつ(こうなったら……)



ちなつ「あ、あの~……」

あかね「え? どうかした?」

ちなつ「その、お、お団子作ってくれない……??」モジモジ

あかね「」


あかね「どっ、どうしたのあかり?」

ちなつ「たまにはお姉ちゃんに作ってもらいたいかなー、なんて……///」

あかね「」ズギュゥゥゥン


あかね「わかったわ……全部おねえちゃんに任せなさい……」ゴゴゴゴ

ちなつ「は、鼻血出てるけど大丈夫?」

あかね「全く問題ないわ。」



すーっ すーっ

あかね「どれくらいぶりかしら……」

ちなつ「ど、どれくらいぶりだっけ……」

あかね「うふふ……」


あかね「あかりが最初、『おねえちゃんみたいなお団子にしたい!』って言ってくれたとき、今でも思い出せる……。本当に嬉しかったわ……」

ちなつ「…………」

ちなつ(お姉さんは本当にあかりちゃんが大好きなんだね……)

あかね「はい、できた。」

ちなつ(早っ! 作るとこ見逃した!?)

あかね「うふふ、とっても良く似合ってるわよ♪」

ちなつ「ん。ありがとう。」

あかね「可愛いわ………」なでなで

ちなつ(こうして鏡で二人を見ると……本当にあかりちゃんとお姉さんはそっくりだね……。)

あかね「うふふ……」ぎゅっ

ちなつ「ちょっ、お、おねえちゃん、遅刻しちゃうよ……?///」

あかね「あっ、あらそうだったわね。……それじゃ、いってらっしゃい。」


ちなつ「うん……ありがと。いってきます!」

~~~

ちなつ「あかりちゃん、おまたせっ!」

あかり「あっ、 おはようちなつちゃん!」

ちなつ「おはよっ。ごめんね、ちょっと遅くなっちゃって……」

あかり「ううん。全然平気だよぉ。それじゃ行こっか。」

ちなつ「そっちはどうだった? 何か大変なこととかあった?」

あかり「あかりは全然平気だったよぉ。 ちなつちゃんの方は?」

ちなつ「んーと……こっちもそんなに大したことはなかったかな。」(まあ……大丈夫だよね)

あかり「そっか~。 ちなつちゃんのおねえさん、すごくいい人だったよぉ。」

ちなつ「そうでしょ?」

あかり「元に戻ってもまたちなつちゃんのお家行ってみたいな~」

ちなつ「ふふ、いつでもおいでよ!」

――――――

結衣「ほら、おきろよ京子。」

京子「いやいや……もう20分は頼むって……」ムニャムニャ

結衣「なんのために昨日早く寝たんだよ……しかも私より早く寝てたろうに」

京子「えーそうだっけ……」

結衣「朝ごはんもできてるぞ。」

京子「んん~っ……ラムレあるぅ?」

結衣「朝からかよ……まあほんとはお菓子は夜食べるより朝食べた方がいいんだよな……。目も覚めるかもしれないし、食べていいよ。」

京子「あざーす!」キラーン

結衣「お前普通に起きれたろ!」

京子「いやいやラムレパワーですよ」



京子「はーだりーなー日直ぅ」

結衣「私の身体でだらしなくするなよ!?」

京子「はいはいわかってますともよ……あ。」


綾乃「歳納京子ー!」タッタッタッ

京子「おお綾乃、おはよー!」

綾乃「あっ、船見さん……やっぱりまだ戻ってないのね……」

千歳「どうやった? 入れ替わってからは。」

結衣「そんなに大したことはまだないかな。大丈夫だよ。」

京子「心配しててくれたのかー綾乃?」

綾乃「えっ! そっ、そんなことはないけど……///」

京子「ふふっ、ありがとなー」ナデナデ

綾乃「~~~っ!!」ボン

結衣「あ、綾乃大丈夫……?」

綾乃「船見さんが……私に……///」

結衣「いやいや私はこっちだよ」

千歳「これはアリや……しかも強烈や……!!」ドパァ

結衣「ちょっ! 鼻血ヤバいって!」

――――――

向日葵「んっ、ん~……んぅ。」

向日葵「あら、なかなか寝覚めが良いですわね。」

櫻子「…………」すぅすぅ

向日葵「そうでしたわ……これは櫻子の身体だから……」

向日葵「すぐに起きるのは辛いかもしれませんし、先に用意してからにしましょうか。」



楓「あっ、櫻子おねえちゃん、おはようなの!」

向日葵「あっ……楓、おはよう。」

楓「おねえちゃんはまだ寝てるの?」

向日葵「そ、そうみたいだね」

楓「おねえちゃん、ていけつあつだから朝はちょっとつらいみたいなの。」

向日葵「うん……じゃあ先に朝ごはんとか用意しちゃおっか。」

楓「うん! 櫻子おねえちゃん、優しいの!」



すーっ

向日葵「櫻子、おきてますの?」

櫻子「…………ん」

向日葵「そろそろ起きた方がいいですわよ。ご飯も用意しましたから。」

櫻子「んんっ……な、なんか頭が重い……」

向日葵「深呼吸しながらゆっくり起きればいいですわ。あとはちゃんと朝日を浴びること。」シャーッ

櫻子「ううぅ、まぶしい……」

向日葵「ほら、起きなさいっ」ググッ

櫻子「んんぅ……うぉー……」パタン

向日葵「うわあっ!」

とすっ

向日葵「ちょっ、まだ寝ぼけてるんですの!? どきなさい櫻子!」

櫻子「へへへ……私がいる……」

向日葵(この体制……なんかすごい恥ずかしいっ……!)

向日葵「こら……どいてって……///」

櫻子「んんー……」すぅ

向日葵「寝るなー!」ドゴッ

櫻子「ぐはっ」



とことこ

櫻子「ううー……まだお腹いたいし……」

向日葵「あ、あれはごめんなさい……でも櫻子が悪いんですのよっ?」

櫻子「まーいっか。これどうせ向日葵の身体だしね。」

向日葵「……よくよく考えればそうですけど……なんか納得いきませんわ」

櫻子「あっ、あかりちゃん!」

あかり「あっ、向日葵ちゃん櫻子ちゃんおはよ~」

向日葵「おはようございます。えーっと……」

ちなつ「私がちなつだよー」

櫻子「あははっ、おもしろいねー」

あかり「そっか、こっちが櫻子ちゃんなんだね。元気な向日葵ちゃんも見てて面白いよ~」

向日葵(……それはどういうことですの……?)

ちなつ「どうだった~そっちは?」

向日葵「なかなか大変ですわ……櫻子のフリをするのも。」

櫻子「はっ! 私は向日葵なんて余裕だったもんねー」

向日葵「嘘おっしゃい。」

あかり「ふふ、二人とも入れ替わってもあんまり変わんないような気もするけどね~」

櫻子「そんなこと!」
向日葵「ありませんわ!」

ちなつ「ほら、いつもと一緒だよー」



あかり「向日葵ちゃん、宿題出しにいこっ?」

向日葵「ああ、そうでしたわね。」

櫻子「へへへ、私もやってあるんだ~」

あかり「わっ! 櫻子ちゃん偉いよ~」

櫻子「でしょ~?」

向日葵「これくらいは当たり前のことですわよ……」


ちなつ「」

あかり「あっ、あの、ちなつちゃん……?」

ちなつ「………シュクダイヤッテナイヨ」

あかり「あっ、えと、その……」

ちなつ「アカリチャンノシュクダイヤッテナイヨ……!」

あかり「う、うん……今日ばっかりは仕方ないよねっ。」

ちなつ「ごめんね……あかりちゃん、私のやってきてくれたんだ……」

あかり「うん、まあ……」


櫻子「なんか……大変そうだね。」

向日葵「だんだん影響が出てき始めましたわね……」

――――――

結衣(今日の夕飯どうしようかなー。確か冷蔵庫にまだアレの残りがあったっけな)


先生「ん ほら、船見さん起きなさい?」

結衣「えっ!?」

京子「…………」すーすー

結衣(あっ、京子……!)

生徒1「わ、ほんとだ寝てるー」

生徒2「珍しいね、船見さんが寝るの。」

生徒3「でも寝顔可愛いかもー」クスクス

結衣(何やってんだよ起きろ!)

綾乃「せっ、先生! 船見さんは昨日忙しくて、あんまり寝てないといいますか……」

結衣(綾乃……!)

先生「忙しい? 何かあったんですか? 杉浦さんは知ってるの?」

綾乃「あ、えと、そのぉ……///」かぁぁぁぁ

千歳(あ、綾乃ちゃん……墓穴掘ったなぁ。)


生徒1「ねーちょっとつんつんしてみてよ」キャッキャッ

生徒2「ほっぺ行けほっぺ!」

生徒3「ではゆきます……」ぷにぷに


京子「……んん~、ゆい……あと一時間……」

生徒1「……何故に自分の名前?」

生徒2「つーか延長が長い! 一時間!」

生徒3「だがそこがいい! かわいい!!」

結衣(もう最後の手段だ……!///)

結衣「起きろバカ!!」ぺしっ

京子「んうっ!」

先生「ちょ、ちょっと歳納さんっ 乱暴はだめですよ。」

結衣「す、すいません、つい……」


京子「う、んん…………あ、すみません。寝てました。」

先生「それじゃ、続けましょう。この問題のポイントは……」

結衣(なんで寝てんだよ昨日ちゃんと寝てたろうが……!!)

京子(おわっ……京子ちゃんが恐ろしい形相でこちらを見ている……)

千歳(た、大変やなぁ二人とも……)

――――――

あかり「あっ、お花さんにお水あげなきゃ。」

あかり「~♪」しゃーっ

先生「あら、吉川さんありがとう。偉いわね!」

あかり「えっ?」

生徒1「わっ、すごい! 吉川さん気が利くね~」

生徒2「吉川さん流石だよー!」

生徒3「可愛い! 惚れる!」

あかり「ああ、あははは……」(あかりがやっても誰も気づいてくれないのに……ちなつちゃんの姿だとこんなに褒めてくれるの!?)


ちなつ「あ、あかりちゃん……ごめんね?」

あかり「うん……うん……」

櫻子「あかりちゃん……不憫な子……」



櫻子「今日の給食はなーにかなー♪」

生徒1「ふふっ……古谷さんなにそれー」

櫻子「えっ? あ、そっか……」

向日葵「櫻子……」ゴゴゴゴ

櫻子(そ、そんなに怒んなよ向日葵……)


櫻子「げっ ニンジン……」

向日葵「ピーマン…………」

あかり「いただきまーす♪」

櫻子「向日葵、ニンジン頼む……」

向日葵「……ちょっと待って。」

向日葵(今は櫻子の身体だから……もしかしたらピーマンも大丈夫なんじゃ……?)

ぱくっ

向日葵「んんっ!……にがっ!」

櫻子「何やってんだよピーマン嫌いな癖に……ほら、あんまり噛まないで飲んじゃえ。」

向日葵「……んっ、……ふう。いけると思いましたのに……」

櫻子「ピーマン食べてやるから、ニンジン頼むよ。」

向日葵「了解ですわ……」

櫻子&向日葵(結局いつも通り……)

あかり「これってピーマンなのか、緑パプリカなのか迷うときってあるよね~」

ちなつ「うーん、ないかなー。」パクパク

あかり「ち、ちなつちゃん冷たい! 緑パプリカなんてないよーって突っ込んで欲しかったよぉ」

ちなつ「あ、知ってたんだ……てっきり本当に言ってるのかと思った。」

あかり「そ、それぐらい知ってるよぉ!」プンスカ

――――――

結衣「まったく……ちゃんと私を演じてくれって言ったじゃないかよ。」

京子「いや~なかなか眠気には勝てなくてね」

綾乃「昨日は遅くに寝たの?」

結衣「いや、そんなことはないよ。結構早く寝てた。しかも私より早く。」

京子「えーそうだっけ?」

結衣「そうだったよ! 私が話しかけても応えなかったんだぞ?」

京子「つーかピーマンうめえ」

結衣「聞けよ」

綾乃「えっ? き、昨日は二人は一緒だったの……??」

京子「んー、昨日っていうか結構普段から一緒にいるけどね。」

結衣「昨日は特に、私のとこに泊まった方がいいかなと思ってさ。 あんまり他の人に知られたくなかったし……」

綾乃(そ、それって……じゃあ、歳納京子は船見さんの家からしょっちゅう通ってるってこと……!!?)

千歳(あ、あちゃー……これは綾乃ちゃんピンチや……!)


京子「今日も泊まっていーい?」

結衣「まあ、私は構わないけど……」

綾乃「………………」

千歳(綾乃ちゃん…………)

綾乃「…………わ、わたしもっ」

京子「ん?」


綾乃「私も、船見さんのお家に行ってみたいわっ!!///」


京子「おお、いいね! 綾乃も来なよ!」

結衣「うん。私もいつでも構わないよ。」

綾乃「えっ……本当??」

結衣「大丈夫だよ。スペースはいくらでも余ってるし、人数は多い方がいいしね。」

綾乃「ほっ、本当にいいの!?」

京子「あはは、自分で来たいって言ったんだろー?」

綾乃「あ、ありがとう……///」(無断外泊は罰金バッキンガムだけど……今日ぐらいはいいわよね!)

結衣「千歳は?」

千歳「ウチは今日は千鶴と用があってなー。今回はパスや……ごめんなー?」

綾乃「そうなの?」

千歳「うん。綾乃ちゃん楽しんできてなー」ニコニコ

京子「じゃあ今度は千鶴も連れてきてよ!」

千歳「あははは……来たがるかどうかはわからんけど、誘ってみるな~」

結衣「じゃあ、学校終わったら荷物用意したりとかしてきてね。」

綾乃「わ、わかったわ!」

京子「よーしよしでは京子ちゃんが背中を流してやろう♪」

綾乃「えっ!? お風呂は一緒なの!?」

結衣「いやいやそんなことはないよ。」

京子「え~~?」ジトー

結衣「な、なんだよっ……///」

千歳(これは行ったら失血死しそうや……綾乃ちゃん、よかったなぁ。)

――――――

キーンコーンカーンコーン

向日葵「や、やっと終わりましたわ……」

ちなつ「なんか一日が長く感じた……」

あかり「西垣先生来てるかなぁ?」

向日葵「とりあえず、生徒会室に行ってみましょうか。」

櫻子(い、今のうちにいっぱい揉んどこうかな……///)さわさわ

向日葵「何やってるんですの櫻子……」ゴゴゴゴ

櫻子「なっ! なんでもないよ!!」バッ



京子「あーもうこの身体ともおさらばかー」

結衣「大丈夫かな……西垣先生がいないとどうしようもないからな」

京子「今のうちにいっぱい楽しまなきゃっ。」

結衣「楽しむって……何をだよ」


結衣「じゃあ、綾乃は先に荷物とか用意してきちゃった方がいいんじゃない?」

綾乃「そうね。急いで行ってくるわ。」

京子「パンツ忘れんなよー」

綾乃「なっ、忘れるわけないでしょ!///」



ちなつ「あっ、結衣先輩!京子先輩!」

京子「おおっ、あかり!」

結衣「いやだからちなつちゃんだってば……」


京子「ちなつちゃん、ずっと会いたかった……」がしっ

ちなつ「えっ、ええっ!? ちょ、京子先輩、ダメですよ……///」

京子「もう君のことを離さないよ……」ボソッ

ちなつ(あっ、だめっ!これは京子先輩なのに……////)

ちなつ「きょ、京子先輩離れてください!」ガッシ

結衣「いやいやちなつちゃんが手を離さないとダメでしょ」

あかり「ち、ちなつちゃんまだ私の身体だよぉ!」



コンコン

櫻子「失礼しまーす」ガラッ

西垣「お、来たな。」

向日葵「先生、元に戻れるようにはなりましたの!?」

西垣「ああ。心配するな。私もこのままだと困る事態に陥りそうなのでな……急ピッチで完成させた。」

櫻子「どんな事態……?」

西垣「ちょっと近いうちに実家に顔を出さなければいけなくなってな……このままだと松本だけが私の家に行かなければいけないことになってしまうのだ。まあ私は構わんのだが、松本が遠慮したいというのでな。」

りせ「…………」

結衣(流石に自分の娘がほぼ無言状態になって帰ってきたら親も心配するだろう……)

西垣「よし、では行くぞ! みんな、元に戻りたい人と手を繋げ!」

京子「ちなつちゃん、手つなごうか。」

ちなつ「えっ!? ゆ、結衣先輩……///」

結衣「いやだからそれ違うってば」


あかり「えへへ、ちなつちゃん楽しかったよぉ。」

ちなつ「うん……あかりちゃん、おねえさんによろしくねっ。」


あかり「ちなつちゃんも、おねえさんによろしく~」

京子「…………」

結衣「ほら、手つなぐぞ。」

京子「おおお……あと一日くらい楽しみたかった……」

結衣「私が困るんだよっ」


櫻子「はー、これでやっと戻れるー」

向日葵「ふう、櫻子の真似も疲れましたわー……」

櫻子「こっちだって! 前にこんな重いものつけて大変だったもんねー!」

向日葵「……いっぱい触ってた癖に」

櫻子「なっ!!? おっ、おっぱい禁止ー!!///」


西垣「爆発まで、5、4、3……」

――――――


ガチャ

あかり「おねえちゃん、ただいま!」

あかね「あらあかり、おかえりなさい!」

あかり「なにつくってるの?」

あかね「今日はハンバーグよ♪」

あかり「わぁい、あかり、おねえちゃんのハンバーグ大好き!」

あかね「うふふ、嬉しいわ。すぐできるからね。」


あかり(こうやっておねえちゃんを見てると、やっぱ落ち着くなぁ……)

あかね「今日は学校はどうだった?」

あかり「ふふ、いつも通り、面白いことがいっぱいだったよ!」

あかね「よかったわね♪」ニコニコ

あかり「その……おねえちゃんは学校どう?」

あかね「うん。いつも楽しいわ。」


あかり「……そういえば、この前ちなつちゃんのお家に遊びに行ってね? ちなつちゃんのおねえさんが、おねえちゃんのことをすごい褒めてたよ!」

あかね「吉川さんが??」

あかり「おっ、おねえちゃんは……ともこさんのこと好きっ?」


あかね「うふふ……私の大事なお友達よ。大好きだわ。」

あかり「そっかぁ!」ニコニコ

――――――


ガチャ

ちなつ「た、ただいま~」

ともこ「あっ、ちなつ、おかえりなさい。」

ちなつ「あー疲れたぁ……」ぐでん

ともこ「あらあら。今日は何か大変なことでもあったの?」

ちなつ「うーん……でもそんなに大したことはなかったなぁ」

ともこ「うふふ、おかしな子っ。」

ちなつ「……おねえちゃんさー、あかりちゃんのお姉ちゃんのお友達なんだよね?」

ともこ「えっ!? そ、それがどうしたの……?///」

ちなつ「あの人、学校ではどんな感じなの?」

ともこ「えっ、ええ~……そうねえ。」


ともこ「いつもニコニコしていて、周りのことによく気がついて……みんなから人気で……妹さんをとても大切になさっていて……それからそれから……」


ちなつ(……やっぱり、普通にいい人だよね。)

ちなつ(ちょっとだけ、もう一回会ってみてもいいかなって思える。そしたら、またお団子作ってもらいたいかな……)

ともこ「うふふふふ……///」

京子「とうちゃーく!」

結衣「入って入って?」

綾乃「お、お邪魔しますっ」

結衣「あー、親とかいないから、気楽にしていいよ。」

綾乃「そっか、一人暮らし……」


京子「まあまあ座んなさいよ。荷物そこね?」

結衣「なんで家主顔なんだよ」

綾乃「結構広いのねぇ。」

結衣「まあね。もともとの建物を住めるように作り変えただけだから……一人じゃ持て余しちゃうんだ。」

綾乃「すごい……掃除もちゃんと行き届いてるし、やっぱり船見さんって凄いわ。」

結衣「はは、そんなことないって。」

京子「よーしまずは何するかー!」

結衣「遊ばないぞ。夕飯の買い出しだ。」

綾乃「あっ……ごめんなさい船見さん、あるもので本当にいいのよ?」

結衣「いやいや、ちょうど今うち何もないんだ。 今日は何食べたい?」

京子「京子ちゃんからのリクエストは……鍋!!」

結衣「あー鍋かぁ……うん、いいかもね。」

京子「普段二人しかいないからさ、あんまり鍋とかしないじゃん。今日は三人いるし、パーっと鍋といきましょうよ!」

結衣「おおー……なんか京子が珍しく晩飯にやる気を出してるな。」

京子「綾乃!この家の鍋は闇鍋が基本だぞ!」

綾乃「そんなの嘘っぱちでしょ。さっきあんまり鍋とかしないって言ってたじゃない」

京子「ぐわああばれたぁー」

結衣「お前バカだろ」

綾乃「それじゃ、遅くならないうちに行った方がいいわね。私も行くわ。」

京子「よーし私も行こう」

結衣「ありがとう。そんなに荷物は出ないと思うけど……」

京子「いいのいいの。待ってるよりは楽しいよ!」

綾乃「そうね。歳納京子の言う通りだわ。」


京子「……んー」

京子「綾乃、今日はフルネーム禁止な?」

綾乃「えっ……な、ななななな///」

結衣「そうだよ。なんか固いしさ、普通に呼びなよ。」

綾乃「そっ、そんな……うぅぅ」


綾乃「きょっ……きょうこ……ちゃん……?///」

京子「おお! よし! それでいこう!」

結衣(ちゃん付けは意外だなぁ……)


京子「よっしゃーいくか! シメのうどんも買うぞー!」

――――――

櫻子「あー軽っ! 空も飛べそう!」

向日葵「嫌味ですの!?」

櫻子「そっちこそ!」

向日葵(くっ……)


向日葵「あ、あーやわらかいですわー///」もみもみ

櫻子「えっ、うわ変態だ……」

向日葵「あなたがやってたことですわよ?」

櫻子「は、はぁ!? そんなのやってないし!」


向日葵「確かお風呂とー……寝る前と、生徒会室に行く前とー」

櫻子「わーわー知らない知らない知らない!」

向日葵「……別に悪いことじゃありませんけどね」

櫻子「…………え??」

向日葵「櫻子だったら……その、いつでも触っていいんですのよ……??」ずいっ

櫻子(えっ、ええええええ!?)



撫子「…………」すたすた

撫子「あ……櫻子とひま子だ。」


向日葵「ほら、早く」ズイズイ

櫻子「えっ、で、でも………///」


撫子(えっ? 何この状況……思わず電柱の陰に隠れちゃったけど……)


櫻子(ちょ、ちょっとだけ……)そーっ

ガシッ!

向日葵「なー・ん・て! 言うとでも思いましたの!?」

櫻子「あっ……あ~~~!! 卑怯者!卑怯者!」

向日葵「これで櫻子は天下の往来で人の胸に襲いかかる変態さんだってことが証明されましたわね!」

櫻子「だったら向日葵は道のど真ん中でも人に胸を揉ませようとする変態じゃん!」

向日葵「あーらそんなことしましたっけ?」

櫻子「してたろうがよ! わ、……私にだったら触られても……とか……///」

向日葵「そんなこと言ってませんわー言ってませんわー」

櫻子「こっ、このえろっぱいめ! その胸もぎ取ってやる!」ガオー

向日葵「きゃああああ変態が追いかけてきますわー!!」

櫻子「待てゴルァー!!」


撫子(……元気だな。)

~fin~

外のキャラって、名前を入れ替わった後にしろってことか。

一応わかりやすくするためにこっちにしたんですが……それでも難しかったかもだけど

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