ほむら「夜が暁けて日常」(205)
~マミ宅~
ほむら「…………」
ぴんぽ~ん
……カチャカチャ、カタン
ガチャ
ほむら「お邪魔します」
杏子「おう、いらっしゃい」
ほむら「間違えました」パタン
杏子「ぅおーーい! 閉めんなコラ!」
ガチャ
ほむら「何であなたがここに居るのよ」
杏子「風に呼ばれてフラ~っとな」
ほむら「……私の主治医を紹介しましょうか?」
杏子「病気じゃねえよ! とっととあがれ!」
ほむら「家主気取りか」
杏子「今日も軽快だなコノヤロー」
マミ「二人とも玄関先で何やってるのよ」
ほむら「大変よマミ、海賊がいるわ。髪が赤いから間違いない」
杏子「誰がシャンクスだバカヤロー」
マミ「この子、ウチに住まわせることにしたの。その方が面倒が無くていいでしょ?」
ほむら「ああ、海賊じゃなくて自宅警備員ということね」
杏子「ニートじゃねえぞ! バイトはしてるんだからな!」
マミ「はいはい、とにかく二人とも中に入ってちょうだい」
マミ「お茶淹れるけど何がいい?」
ほむら「いつもの」キリッ
杏子「毎回違うだろアンタ」
ほむら「まかせるわ」キリッ
杏子「あたし、緑茶おかわり」
ほむら「私も緑茶で」キリッ
杏子「自分の意見ゼロだな」
マミ「じゃあ淹れてくるね」
ほむら「黒猫の湯呑みよ?」
マミ「はいはい」パタパタ
杏子「マミ、あたしの湯呑みこっち」
マミ「あっと、そうね。貸して」
杏子「ほれ」
マミ「はい、ちょっと待っててね」パタパタ
ほむら「亭主関白か」
杏子「アイツが良い嫁すぎるのが悪い」
マミ「いつの間にか全員分の食器が揃っちゃったわねえ」
<濃いめにねー
<あたしもー
マミ「はーい」
マミ「全く、注文が多いんだから」
マミ「…………」トポポポポ
マミ「~♪」
マミ「はいお待たせ~、……あっ」
ほむら「どうしたの?」
マミ「お茶菓子切らしてるの忘れてたわ。買ってくるね」
ほむら「何なら行きましょうか? 杏子が」
杏子「あたしかよ!」
マミ「いいからいいから」
ほむら「……じゃあ私も」
マミ「ん?」
ほむら「私も一緒に行く」
マミ「……くすっ」
ほむら「む」
マミ「すぐ戻ってくるから、ね?」ナデナデ
ほむら「むぅ」
杏子「お茶うめえ」
マミ「そだ、リクエストはある?」
杏子「かもめの玉子」
マミ「あれ結構高いのよ? この近所じゃ12個入りしか無いんだから」
杏子「払う払う」
マミ「もうっ……。暁美さんは?」
ほむら「まかせるわ」キリッ
杏子「いや決めろよ自分で」
マミ「じゃあ行ってくるわ」
杏子「んー、気ぃ付けてなー」
ほむら「行ってらっしゃい」
カチャ、……パタン
ほむら「さあ、宝探しの時間だわ」
杏子「アンタといると自宅が無くてよかったと思えるわ」
杏子「そもそもアンタ何しに来たのよ」
ほむら「何しにって……、別に用は無いけど?」
杏子「無いのかよ」
ほむら「『お誘いしてくれるかな?』ってメールしたら『いいとも!』って返ってきたから」
杏子「アイツ、メールだとすげえノってくるもんなあ」
ほむら「あら、携帯買ったの? 赤外線送って」
杏子「ああ、バイトするんなら持っといた方がいいって言われてさ。ほらよ」
ほむら「そういえば、あなたよく面接受かったわね。普通は年齢で弾かれるでしょう?」
杏子「あたしバイト中だけ16歳になる体質だから」
ほむら「マミは許してくれたの?」
杏子「事情が事情だしね……、ってマミはあたしの保護者じゃねーっつーの!」
ほむら「ここに住むことと、交換条件だったりして」
杏子「うお! よく解ったな!」
ほむら「ふふん」ファサッ
ほむら「こんなに良い所に住めるなら私もアルバイト始めようかしら」
杏子「最高だぞ? 今なら弁当まで持たせてくれる嫁が付いてくるからな」
ほむら「むしろ嫁だけ持って帰りたいわ。マミ肌恋しいときがあるのよ」
杏子「(マミ肌……?)まあ解らんでもないな。なんかこう抱き締めて欲しくなるよな」
ほむら「ええ、抱かれたくなるわ」
杏子「何かニュアンスが違うんですけど!?」
ほむら「マミが他人に抱きつくこと自体がレアなんだけどね」
杏子「マミだけじゃなくて普通そうだろ」
ほむら「間男がいると特にね」
杏子「お邪魔ですぅ?」
ほむら「冗談よ、冗談、ただの冗談、ほんとに冗談」
杏子「シバくぞ」
ほむら「でもまあ、今日の組み合わせもレアと言えばレアだしね」
杏子「確かにこの3人、というかアンタとあたしはカチ合うこと少ないよな」
ほむら「ええ、だから今は貴女とのこの時間を堪能させてもらうわ」
杏子「ほむら……、アンタ……」
ほむら「…………何よ」
杏子「よくそんな恥ずかしいセリフ言えますね」
ほむら「うっさい!!! 自分でもちょっとアレだと思ったわよ!!!」
マミ(かもめの玉子、やっぱり12個入りしかないなあ……)
マミ「『お客様の声』に書いていこうかしら、……あら?」
知久「おや? こんにちは、マミちゃん。お買いものかい?」
マミ「はい、お茶菓子を買いに。お父様はお夕飯の材料ですか?」
知久「あー……、うん、そうだね……」
マミ「? どうかしましたか? お父様」
知久「その、『お父様』って呼ばれるのはくすぐったいなって」
マミ「あっ、えっと、すみません、お嫌でしたか?」
知久「嫌ってほどじゃないんだけど、様付けは大げさじゃないかな」
マミ「そっ、それでは何とお呼びしたら……?」
知久「そうだなあ、『おじさん』とかが妥当じゃないかと――ハッ」
マミ「…………」
知久(笑顔のまま固まっている……? 間違いない……!)
知久(この子は極度の気にしぃだ!!!!!)
知久(この子は絶対に僕の事を『おじさん』とは呼べない!)
知久(かといって最早『お父様』呼びに戻すことも出来ない!)
知久(そしてこの状況を作り出してしまったのは他ならぬ僕!)
知久(どうする……! 一体どうするのが正解なんだ!)
マミ「…………」
マミ(お父様が笑顔のまま固まってる……! 私、これ知ってる……!)
マミ(お父様は極度の気にしぃだわ!!!!!)
キリカ「ねえ織莉子、笑顔でにらめっこしてる人たちがいるよ」
織莉子「あの人たちはね、キリカ。『気にしぃ』なのよ」
キリカ「きにしー? なんだいそれは」
織莉子「他人を慮るばかりに、自ら泥沼に足を踏み入れてしまう人の事よ」
キリカ「私だってキミの為なら酸の海にも飛びこめるさ」
織莉子「安心しなさい。そんな映画みたいな状況に陥る未来は有り得ないから」
織莉子「そうそう、映画と言えば……」
キリカ「ああ、この街を舞台にした映画が製作されるらしいね」
織莉子「見える、見えるわキリカ。未来のスクリーンが見える……!」
キリカ「製作される映画はTVシリーズ総集編の前後篇と完全新作の全3本!!」
織莉子「劇場版『魔法少女まどか☆マギカ』をどうぞよろしくお願いします!!」
キリカ「……ところで織莉子、スクリーンの中に私達の姿はあるのかい?」
織莉子「それは貴女のその目で確かめなさい。勿論、劇場でね」
同時上映、『すっとこホム太郎』もよろしく!
ちょっとコーヒー淹れてきます
マミ「…………」
知久「…………」
さやか「あれ? 二人とも何やってるんスか?」
マミ知「!!!」
さやか「マミさんとパパさんでデートですか~?」
マミ「! ……もう、からかっちゃ駄目よ? ね、パパさん」
知久「! ……そうだよ、さやかちゃん。ね、マミちゃん」
さやか「へへー、ごめんなさーい」
マミ「美樹さんったらー」
知久「さやかちゃんってば―」
ウフフー ヤダモー アハハハ
マミ知(助かったぁ~~~~~!)
知久「じゃあ僕はお先に失礼するね」
マミ「はい、パパさん」
さやか「ママさんとたっくんによろしくどうぞ~」
知久「今日はありがとうね、さやかちゃん」
さやか「……ん?」
知久「じゃあね、二人とも気を付けて帰るんだよ?」
マミ「パパさんもお気を付けて」
さやか「何で感謝されたのだろうか・・・・・・」
マミ「美樹さん美樹さん」
さやか「はい?」
マミ「私も、ありがとうね」
さやか「何が? ねえ、何が?」
マミ「うふふっ、ナ~イショ」
さやか「……謎は深まるばかりであった」
ほむら「ねえ、かもめの玉子なんだけど」
杏子「なんだよ、やんねえぞ」
ほむら「ぇ…………」
杏子「わぁかったよ! お前のと交換な!」
ほむら「交換できないタイプのお菓子だったらどうしよう……」
杏子「そん時は普通にあげるよ! いちいち落ち込むな!」
ほむら「計画通り」
杏子「涙目だぞ、お前」
ほむら「ウソ!?」
杏子「嘘だけどな」
ほむら「……謀ったわね」
杏子「お菓子で涙目ほむらちゃん~」
ほむら「ぐぬぬぬ」
杏子「というかマミ遅くねえ? もう帰ってきてもいい頃なんだけど……」
ほむら「……何のための携帯よ」
杏子「あっ、……慣れてないんだよ、色々とさ」
ほむら「とっとと掛ければ?」
杏子「態度悪いな! ちょっとからかっただけじゃん!」
ほむら「かもめの玉子、プラス1個で手を打つわ」
杏子「ごめん、それは無理だわ」
ほむら「あれっ!!?」
マミ「美樹さんは何を買いに来たの? お使い?」
さやか「いやー、ウチのまどか姫がスーパーBIGチョコをご所望で……」
マミ「あらあら、大変ね」
さやか「アイスクライマーに負けるとはなー……、ソロクライマーがなー……」
マミ「DX? X?」
さやか「もちろんDXです」
マミ「分かってるわね」
ぱらりらぴっぽっぴー♪
マミ「あら、電話だわ。……もしもし?」
杏子『遅いぞマミ、どこまで行ってるんだよ?』
マミ「ごめんなさいね? いつものスーパーなんだけど話しこんじゃって」
杏子『まあいいけどさ。……あ、ほむらのお菓子、交換できるヤツにしといて』
マミ「えっ、ああ、はいはい。解りました」
杏子『頼んだぞ? じゃないとほむらが涙目――いだだだ! プッ、ツーツー・・・』
マミ「ふふっ、仲がいいんだから」
さやか「誰からですか? 彼氏ですか?」
マミ「残念、杏子でした! 今、暁美さんとウチにいるのよ」
さやか「じゃあ、あたしたちもお誘いしてくれるかな~!?」
マミ「ええ、勿論」
さやか「………………じゃ、まどかに連絡しますわ」
マミ「ちょ、ちょっとどうしたの? 私、変な事言った?」
さやか「いえ……、メールじゃないと駄目なのは解ってましたから……」
マミ「私には全然わからないわ……」
杏子「ほむらー、お茶淹れて」
ほむら「もてなされるべきは客だと思うのだけど」
杏子「招いて貰ってるんだから茶ぐらい淹れるべきではないだろうか」
ほむら「仕方ないわね、青汁でいいかしら」
杏子「茶だっつってんだろ」
ほむら「ぐうたらな夫を持ってマミは大変ね。寝取っていい?」
杏子「何でちょくちょく下ネタ入れんの!?」
<ぴんぽ~ん
杏子「おおっ、帰ってきたか」トトト
ほむら(マミはインターホン鳴らさないと思うわ)
カチャ
杏子「マミ! おかえ……り?」
まどか「ま、まどかちゃんでした!」
杏子「間違えました」パタン
まどか「ああっ! 閉めないでぇ!」
ガチャ
ほむら「いらっしゃい、まどか。どうぞ」
まどか「お、おじゃまします」
杏子「んで、何でまどか様がいらっしゃったんでございますか?」
まどか「えと、さやかちゃんの家でスマブラしてたんだけど」
杏子「そんで?」
まどか「負けた方が100円以下のお菓子を一つだけ、わざわざスーパーまで買いに行く事になって」
杏子「地味に嫌な罰ゲームだな……」
杏子「事情は大体わかったけどさ、連絡くらい入れようぜ?」
まどか「え? ほむらちゃんにメールしたよ? 返信もくれたよね?」
ほむら「無論よ」
杏子「教えろよ!」
ほむら「嬉々として玄関に向かい、満面の笑みでドアを開け、期待を裏切られる杏子……」
杏子「おい……」
ほむら「マジウケるんですけどwwwwwwwwww」
杏子「てんめえぇぇぇぇぇ!」
マミ「ただいまー」
さやか「おっじゃまっしま~す」
<wwwwwwwwwww
<このやらー!!!
<二人とも落ち着いて―!
さやか「…………」
マミ「……美樹さんはちょっとここで待っててね?」
さやか「へあ!? ふぁい!」
ほむら「…………」
杏子「…………」
マミ「正座は崩しちゃ駄目よ?」
まどか「てぃひー……」
さやか「ぷふーーーー! 叱られてやんのーー!」
ほむ杏(屈辱……!)
マミ「お茶淹れるわね」
まどか「手伝うよ、マミさん」
さやか「ハイッ! あたしもっ!」
マミ「じゃあお願いしようかな」
ほむ杏「あたし(私)も――」
マミ「貴女達は正座してなさい」
ほむ杏「…………」
ほむら「…………」
杏子「…………」
<まず湯呑みの方にお湯を入れるのよ
<お湯の温度を下げるんですよね
<回し注ぎは任せろー
ほむら「……楽しそうね」
杏子「……苦い茶になりそうだな」
<アハハハ ヤダモー ウフフ
ほむ杏「…………ぐすっ」
まどか「お待ちどうさまー」
さやか「プークスクス! あれー? この二人正座してるよー? 行儀いいプスなー」
ほむ杏「ぐぬぬぬぬぬぬ」
マミ「もう足崩していいわよ? 反省したみたいだしね」
ほむら「……失礼したわね」
杏子「ホントにな」
マミ「なあに? 杏子」
杏子「なんでもないです! ごめんなさい!」
マミ「それでお菓子なんだけど……」
さやか「あたしたちも居るからいっぱい買ってきました!」
ほむら「……交換とかのアレじゃなさそうね」
杏子「……好きなの食べる感じのアレだな」
マミ「えっと……、駄目だったかな……?」
ほむら「いえ別に良いんじゃないかしら色々食べれて」
杏子「そうだな文句ねえよお得だし全然ありがとう」
まどか(したかったんだ交換……、解るよその気持ち……)
マミ「あ、ほら杏子、膝にこぼれてるわ」
マミ「こぉら、そうやってちょっかい出さないの!」
マミ「口元、付いてるわよ? ……はい、とれた」
マミ「お茶のお代わり、淹れてくるね?」
「「「 ………… 」」」
((( ……お母さん? )))
杏子「ひよこの玉子うめえ」
まどか「お母さんだ、絶対お母さんだよ。わたし的にはお父さんだけど」
さやか「見くびっていた……、マミさんの母性……」
杏子「いつもあんなもんだけどな」
ほむら「貴女と暮らすことで覚醒したのだと推察するわ」
まどか「杏子ちゃん、マミさんと同棲してるの!?」
杏子「おお……、言ってなかったっけ?」
さやか「世話焼きなマミさんと駄目な杏子が化学反応したんだね」
杏子「駄目ってなに? 言ってみ? 怒らないから言ってみ?」
杏子「大体マミはお母さんっつーほどしっかりしてないからな」
まどか「そうかな……? とってもしっかりしてると思うけど」
杏子「この間も『スーパーカップ買ってきて』って頼んだんだけどさ」
ほむら「アイスじゃなくてカップ麺の方を買ってきた、とかそんなオチでしょ?」
杏子「アンタすごいな! 何で分かったんだ!?」
さやか「ジャンプ頼んだら月刊だったり赤マルだったりする現象ですな」
まどか「マミさんって、ほんと母」
杏子「でもマミが母親っつーんなら、ほむらが末っ子だな」
ほむら「何でそうなるのよ」
杏子「アンタ、たまに手加減知らないからな。甘やかされた末っ子だろ?」
ほむら「だったら貴女は長女かしら? 妹より駄目な長女」
杏子「ケンカ売ってんのか末っ子コラ」
ほむら「かかってきなさいお姉ちゃんコラ」
まどか「上と下で仲いいね」
ほむら「まどかは次女ね」
まどか「てぃひひ、お姉ちゃんができちゃった」
杏子「さやかは長男でいいや」
さやか「女ですらねーのかよ!!」
まどか「頼りにしてるよ、さやお君」
ほむら「何でスカートはいてるの? さやお君」
杏子「何か青くね? さやお君」
さやか「お母さぁん! 妹がいじめるよー!」
マミ「あらあら、何の話?」
杏子「おお、結構かかったな。何かあったのか?」
マミ「新しいお茶っ葉、いつもの所に無くて探してたのよ」
杏子「あーごめん、別んとこに置いてたか」
さやか「駄目長女」
ほむら「駄目長女」
杏子「次女、突撃だ」
まどか「自分でやって、お姉ちゃん」
杏子「アンタら今日どうすんの? 泊まってくのか?」
ほむら「そう何度も泊まっていったら迷惑でしょう?」
マミ「別に構わ――――」
ほむら「そこまで言うなら泊まっていくわ」
さやか「仕方ないなぁマミさんは、あたしも泊まろう」
まどか「わたしは聞いてみないと……」
さやか「パパさんに『泊まるかも』って電話しといたよ?」
杏子「こういう事には恐ろしく計画的だよな。お泊まりセットとか置いてあるし」
マミ「お夕飯は何がいいかしら」
杏子「オムライスがいい。この間の辛いヤツな」
マミ「ああ、アラビアータソースね。却下」
杏子「えー、何でよ」
マミ「手間がかかるし材料も足りないわ」
杏子「買ってくるからさー、頼むよ。アレ美味かったんだよ」
まどか「…………」
まどか「……そんなに美味しいの?」
杏子「おお、辛いっても汗かく程じゃなくてピリ辛なんだよな。
トロットロの卵の甘さと絡んでさー」
ほむら「ほほう……」
杏子「周りに添えられたホクホクのジャガイモがだなー」
さやか「なるほどなるほどー」
マミ(あー……、もーこれ作る流れだわ……)
こんなときに何ですがうんこしてきます
10分くらいじゃ落ちないよね?
うんこしてきます
ただいまみ
「もしも、私が幻想と化したら」
――─―『やめろ』
「夢へと、消えてしまったら」
――─―『やめてくれ』
「その右手でもって、とうまは私を殺してくれる?」
――――『たのむから』
「流石はイマジンブレイカー、幻想殺しだね」
――――『おねがいだから』
「幻想《ユメ》のような、殺し文句なんだよ」
――――『きえないでくれ』
「さよなら」
―――─『 』
科学と魔術が交差する時、少年の"幻想"は神話となる!
~劇場版『とある世界の幻想殺し』~ そのうち上映中止!
『もう離さねえよ、インデックス……。
―――この幻想だけは、必ず守ると決めたから』
痛恨のミス
さやか「お、美味しかったぁ~」
まどか「お腹と口が幸せだよぅ……」
ほむら「余りの美味しさに時間が吹っ飛んだかのように感じるわ……!」
マミ「ふふっ、大げさなんだから」
杏子「ごちそうさま、美味かったよ」
マミ「はい、お粗末さまでした」
マミ「お風呂沸いてるから入っちゃいなさい」
まどか「マミさんは?」
マミ「私は洗い物とかあるから、その後ね」
さやか「ぐっぱーで組分けしようぜ!」
杏子「3:1に分かれて、一人のヤツがマミとだな」
ほむら「構わないわ。かかってきなさい」ファサッ
マミ(ぱっぱと入って欲しいんだけどなー)
マミ(みんな綺麗に食べたわねえ)
<ぐーっぱっ! ……おお~
マミ(意外と、美樹さんが一番お行儀よく食べるのよね)
<ぐーっぱっ! ……おお~
マミ(…………)
<ぐーっぱっ! ……おお~
マミ(洗い物終わっちゃうよ……)
<さやかちゃん? 今の後出しだよ? 何やってるの?
マミ「っと、お布団用意しておかないと」
<だああ! 決まんねー!
マミ「またベッドに二人、かな?」
<私、次グー出すわ、グー
マミ「飽きないわね~」
マミ「……鹿目さんは低反発枕で、……美樹さんが羽毛で」
ほむら「杏子がパイプで私がマミで」
マミ「あら? 組分けは決まったの?」
ほむら「ふふん、パーで一人勝ちよ」ファサッ
マミ「組分けなんだから勝ち負けなんて無いでしょうに」
ほむら「貴女にとってはそうかもね」
マミ「……ふぅむ?」
ほむら「手伝いに来たのだけれど、ほとんど終わってるわね」
マミ「ゆっくりしてていいのよ? 食後なんだし」
ほむら「……ぽつーん」
マミ「ぶはっ!」
ほむら「しょぼーん」
マミ「あはははっ! 暁美さんっ、可愛い~!」
ほむら(思ったよりも恥ずかしかった……)
マミ「そんな寂しん坊さんには、お茶の相手を頼もうかしらね~」
ほむら「の、望むところよ、かかってきなさい」
マミ「ふふっ、何が飲みたい?」
ほむら「えっと、じゃあ緑茶」
マミ「緑茶好きねえ」
ほむら「今日は緑茶の日なのよ」
まどか「…………」
杏子「…………」
さやか「マミさんは居なくてもさやかちゃんが居るよ! 落ち込まない落ち込まない」
まどか「そうじゃなくてさ……」
杏子「やっぱデカいよな……」
さやか「あっ、分かる? 伸びたんだよね~、身長」
まどか(その笑顔がまぶしいよ)
杏子(ほむらはマミとタイマンか……、大丈夫かアイツ)
マミ「――でね? いつも無駄遣いするのよ、こっちは節約してるのに」
ほむら「杏子の性格ならバイト代を家に入れると思うけど……」
マミ「そんなの使えないわよぉ、全額あの子の通帳に入れてます。
あの子、中学も碌に通ってないのよ? もー将来が心配!」
ほむら(……これが中学生の愚痴かしら)
マミ「それでね? 食生活だって――」
まどか「マミさーん、ほむらちゃーん、あがったよ~」
マミ「あら、もうこんな時間? ご、ごめんね? 愚痴ばっかりで……」
ほむら(私のお母さんもこんな風に愚痴ってるのかなぁ)
ほむら「…………」
マミ「暁美さん?」
ほむら「……おっきいですね」
マミ「暁美さんだって大きくなるわよ」
ほむら「……絶対?」
マミ「え~と……、うん、絶対」
ほむら「はいダウトォ!」
マミ「暁美さんはー……ほら、太りにくい体質なのね、きっと」
ほむら「じゃあ貴女は太りやすいとでも言うのかしら?」
マミ「え? あ、うん、そうよ?」
ほむら「はいダウトォ! 引っ込むところは引っ込んでるぅ~!」
マミ「え~と……、え~と……」
ほむら「大体、体質って言うなら人生やり直すしかないじゃない! 貴女も! 私も!」
マミ「私もやり直すの!?」
<ダウト二回目なので罰ゲームよ!
<ちょっと! やめなさぁい! ちょっとぉ!
杏子「今のうちに誰がマミと一緒に寝るかを決めようか」
まどか「ほむらちゃんが居ないけどいいの?」
さやか「入浴と同衾の両方を許せるのかね?」
まどか「ジャンケンでいいよね、早く決めよう」
杏子「いけるクチだな、まどか」
さやか「恨みっこなしの一発勝負! デュエルスタンバイ!」
同衾は「どうきん」と読みます
一緒に寝る事です
ほむら「はひぃ……、はひぃ……」
まどか「大丈夫? ほむらちゃん……」
マミ「ちょっとのぼせただけよ、全くもう」
ほむら「ごめんなさぃ……」
さやか「解ればいいのだよ、ほむら君プークスクス!」
杏子「風呂でも涙目ほむらちゃん~」
ほむら「ぐぬぬぬぬ」
マミ「暁美さんもこんなだし、今日はもう消灯ね」
さやか「ええ~」
杏子「そりゃ無いぜ」
まどか「仕方ないねー、じゃあ寝よう!」
ほむら(まどかがベッドか、判りやすいわね)
マミ「私はしばらく暁美さんを看てるわね?」
まどか「!!!!!」
さやか「あ、ほむらだったらあたしが看るよ」
マミ「え? でも――」
ほむら「そうね是非さやかにお願いするわ、だから今すぐまどかを抱き締めてあげて!」
まどか「……ぁ、ぁぅぁぅ」プルプル
マミ「まっ! 鹿目さんどうしたの!?」
まどか「……ぅゃぁぃゅ、ぅぁ」プルプル
マミ「よ、よーしよし、怖くないわよ~、大丈夫よ~」
杏子「寝床で涙目まどかちゃん~」
マミ「じゃあ水分補給と冷やすこと、よろしくね?」
さやか「あ、ほむらは任せてくださいな」
マミ「何かあったらすぐ呼ぶのよ?」
さやか「あ、ほむらなら大丈夫ですよ」
マミ「…………」
さやか「あほむら」
マミ「ぶはっ!」
ほむら「おのれ青魚ァ……」
さやか「さあ、看病しちゃいますよ~」
ほむら「…………」
さやか「あんまやること無いんですけどね~」
ほむら「…………」
さやか「あれ? もしかして怒ってる?」
ほむら「……怒ってませんけど」
さやか「怒ってるじゃん。悪かったよ、からかってゴメン」
ほむら「本当にそんなんじゃないわ、ただ……」
さやか「ただ、迷惑掛けて情けない?」
ほむら「……うん」
さやか「ほむらはさあ、そういう所あるよね。なんていうか一人反省会?」
ほむら「そんなの、皆あるでしょ?」
さやか「そりゃあるけどさ、誰かに愚痴る事の方が多いよ? あたしはさ」
ほむら「それはっ! ……それは貴女だから、出来ることで……」
さやか「皆もしてる事だよ? まどかも杏子も、マミさんも」
ほむら「…………」
さやか「杏子はアンタが『手加減を知らない』って言ったけど、
あたしは『距離感が解らない』んだと思うんだよね」
ほむら「……コミュ障って言いたいの?」
さやか「間違ってはいない、かな?」
ほむら「……自覚はしてるわ」
さやか「自覚しすぎだって言ってんのよ」
さやか「アンタはさあ、ずっと繰り返してきたわけじゃん?」
ほむら「……ええ」
さやか「言いたくない事を言って、したくない事をしてさ」
ほむら「……ええ」
さやか「こう、マニュアル人間? 思考がパターン化してるのでは、と」
ほむら「…………」
さやか「最善手以外は全部悪手だったから、その弊害かな」
さやか「ツッコミ所でツッコむ事が出来ても、それだけ。
踏み込む間合いが判らないからやりすぎちゃう」
ほむら「……ええ」
さやか「悪い事じゃないけどね」
ほむら「悪い事でしょ? 良い事なんか一つも無いじゃない」
さやか「やりすぎるのを怖がって何もしないよりは、全然いいよ」
ほむら「……周りを傷つける事になっても?」
さやか「だからさあ、いいんだってばそれで。
アンタに傷つけられたくらいじゃ、あたし達は傷つかないよ」
ほむら「取り返しのつかない傷だってあるのよ?」
さやか「流石にそこまで『あほむら』じゃないよ、アンタは」
ほむら「買いかぶりよ……」
さやか「出来ない事と、しちゃいけない事の線引きくらいは出来るでしょ?」
ほむら「私はその線を何度も越えてきたわ」
さやか「でもその度に戻ってきた」
ほむら「それしか無かったから!!!」
さやか「…………」
ほむら「他にっ……、他にできる事っ、無かったからっ……!」
さやか「……今からちょっとキツイ事言うよ?」
ほむら「……何とでも言って、ちょうだい」
さやか「どうでもいいんだよね」
ほむら「……え?」
さやか「アンタが繰り返した世界がどんなだったか」
さやか「その中であたし達がアンタにどんな事をされたのか」
さやか「そういうの、全部まとめてどうでもいい」
ほむら「…………」
さやか「そんな事よりも気に入らない事があるからね」
ほむら「……気に入らない、こと?」
さやか「アンタさあ、あたし達に申し訳なさそうにするんだもん」
ほむら「そんなこと……」
さやか「あたし達の知らない世界で勝手に負い目作ってさ。
それで勝手に遠慮されてもね、ふざけんなって感じ」
ほむら「ちょっと待ってよ! 私、遠慮なんて……!」
さやか「今だってそうだよ」
さやか「あたしの事傷つけないように必死必死」
ほむら「うぅ……」
さやか「そんなに頼りないかねー、さやかちゃんは」
ほむら「だって……、私、もう誰も泣かせたくない……」
さやか「それでアンタが笑えなくなるなら、あたしは泣くね」
ほむら「…………」
さやか「ふぃ~、まだ解らんのかね? ほむらさんや」
さやか「トコトン付き合うってことだよ。あたし達がさ」
ほむら「付き合う……?」
さやか「アンタが丁度いい距離感を掴めるまで、リハビリよ」
ほむら「リハビリって……」
さやか「リハビリでしょー? ずっとしてこなかった事をすんだから」
ほむら「…………」
さやか「遊んだりケンカとか色々してさ、いっぱい甘えてよ」
さやか「あたし達はアンタの事、大好きだから」
ほむら「うん……」
さやか「ちょー愛しちゃってるから」
ほむら「うん……」
さやか「嫌われたって離さないから」
ほむら「うん……」
さやか「だから我慢なんかしないでさ、思い切りぶつかってきなさいよ」
ほむら「…………」
さやか「返事が聞こえんぞよ?」
ほむら「……解ったわ、努力する」
さやか「ふはは、解ればいいのだよ」
ほむら「……でも意外だわ」
さやか「なーにーがー?」
ほむら「貴女はこんな事言うキャラだったかしら」
さやか「さやかちゃんは日々進化してるのでした」
ほむら「あはっ、何それ」
さやか「というのは冗談で」
ほむら「……え?」
さやか「この間マミさんが言ったのをそのままリピートしたのでした」
ほむら「……はあ?」
さやか「あたしがヘーガイだのサイゼンシュだの日常会話で使う訳無いじゃろ。辞書が要るわ」
ほむら「……えっ? どんな状況でこんな話するの?」
さやか「先週二人でデートした時にアンタの事で愚痴られた」
ほむら「へー、デート? へー」
さやか「愚痴られる事、実に二時間半。あたしは泣いた」
ほむら「……ご愁傷様」
さやか「マミさんはさ、可愛さ余って放任主義じゃん?」
ほむら「駄目な事ははっきり駄目と言うけどね」
さやか「でも、こういう事って強くは言わないと思うんだよね。
ホントに切羽詰まった時まではさ」
ほむら「個人の考えを尊重すると言えば、聞こえは良いかしらね」
さやか「だから、あたしが言っちゃった」
ほむら「手柄の横取りね」
さやか「憎まれ役は長男の仕事だってNARUTOで言ってた!」
ほむら「イタチ気取りか」
さやか「さやかちゃんだと思った? 残念、幻術だ……」
ほむら「杏子とかぶるわよ?」
さやか「あー、そういやもう平気? のぼせ」
ほむら「え? ええ、もう大丈夫よ」
さやか「じゃあもう寝よう、マミさんも起きて待ってるかも」
マミさんのリピートって言ってたけど2割くらいはさやか成分が混じってるはず
ちょっとコーヒー淹れてきます
まどか「すぅ……、すぅ……」
杏子「くかー……」
さやか「悪戯したくなりますな」
ほむら「シたいわね、イタズラ」
さやか「ニュアンスが違うんですけどっ」
マミ「二人とも、お帰りなさい」
さやか「あ、やっぱ起きてましたか」
ほむら「世話を掛けたわね」
さやか「世話を掛けられちゃったわね☆」
ほむら「くぬっ」
さやか「あいたっ」
マミ「はいそこまで、寝てる子が起きちゃうわ」
さやか「ごめんなさ~い」
ほむら「…………」
ほむら「……マミ」
マミ「なあに?」
ほむら「私が寝るまで、その……」
マミ「……ふふっ、こっちおいで」
ほむら「……はい」
さやか「甘えん坊将軍」
ほむら「貴女が言ったんでしょ? 甘えろって」
さやか(そこであたしを選ばないのがほむらです)
マミ「暑くない?」
ほむら「……気持ちいい」
マミ「よしよし」
ほむら「……はふぅ」
さやか(さやかちゃんは枕と結婚しよう。よろしく、羽毛くん)
マミ「美樹さんも、よしよし」
さやか(離婚しよう羽毛くん)
マミ「…………」
ほむら「すぴー……」
さやか「けっこ……りこん……ムニャ」
マミ「ふふっ……」
マミ(…………あれ?)
マミ「…………」
~リビング~
「…………」
マミ「やっぱり、来てたのね」
「もう少し驚いてもいいんじゃないかい?」
マミ「何となくそんな気がしたの」
「そうかい、君には敵わないね」
マミ「……みんなには会っていかないの?」
「会うべきじゃないだろう? 必要も無いしね」
マミ「必要が無くても機会があれば、それでいいんじゃないかしら」
「さやかじゃないけど、僕は憎まれ役だからね」
マミ「美樹さんが憎まれ役?」
「さっき、ほむらとの会話の中でそんな事を言ってたんだよ」
マミ「盗み聞きなんて褒められた事じゃないわね」
「わざとじゃないよ、たまたまさ」
「地球人は魔法少女というシステムから逸脱した。君達によってね」
マミ「謝るべきかしら?」
「いや、この結果を予想してなかったわけじゃないからね」
マミ「結局は手のひらの上、なのね」
「いつかは来るだろう終わりが、いつ来るかは分からないよ。
少なくともこの世代で終わるとは考えてなかった」
マミ「初めて貴方を出し抜けた形になるのかな?」
「だからこそ、僕達は君達に極力関わるべきではないんだよ」
マミ「でも、だったらどうして私達は言葉を交わしてるのかしら?」
「話し掛けられたら言葉を返さないと失礼だろう? 僕は散歩の途中だったのに」
マミ「あらあら、寄り道ついでにお茶でもいかが?」
「遠慮するよ。匂いにつられて狩人が飛び起きそうだ」
マミ「大胆不敵な兎さんも居たものね」
「…………」
マミ「……また、一緒に暮らせないかな」
「……今までだって一緒に暮らしてた訳じゃない。居ただけさ」
マミ「でも、それでも、貴方は私の大事な友達よ?」
「友達なら他にも居るだろう?」
マミ「貴方は、貴方しか居ないわよ……」
「卵を孵す役目が消えた今、僕達は『インキュベーダー』ではなくなった」
マミ「…………」
「君が呼べる名前なんて、もう無いんだよ」
マミ「…………そう」
「強くなったね、マミ。以前の君なら絶対泣いていたよ」
マミ「……そうかな」
マミ「……『それなら僕が居なくなっても平気』、なんて言わないでね?」
「…………」
マミ「……言う、つもりだったんだ」
「別れは来るさ、誰にだってね」
マミ「解ってるわよ……、そんな事……」
「…………」
マミ「……今日なの? これで、最後なの?」
「ああ、そのつもりだよ」
マミ「……そう、なんだ……」
「……もうお休み」
マミ「……もう少しだけ」
「……分かったよ、もう少しだけ」
マミ「……エネルギー云々はどうするの?」
「それについては目処が立ってる。効率は若干落ちるけどね」
マミ「地球じゃなくても出来る事?」
「完全に母星での作業になるね」
マミ「じゃあ、本当にここから居なくなるのね」
「効率が落ちた分、エネルギーの損失は避けなくちゃならないんだよ。
だから、もう僕達はここには来れないと思う」
マミ「…………」
「…………」
マミ「……ありがとう、もう、いいわ」
「……何がだい?」
マミ「もう、行ってちょうだい」
「……分かった、もう行くよ」
マミ「…………」
「君との会話、楽しかったよ」
マミ「……えっ?」
「君との時間を僕の宝物にする」
マミ「貴方……、今『楽しかった』って……」
「さよなら、マミ――」
『――大好きだよ』
『…………』
マミ(…………ん)
『…ミ……』
マミ(…………?)
『マミさ…』
マミ(…………!)
マミ「キュゥべえ!!!」
さやか「ひんっ!!!」
マミ「……ぇあ? あれ?」
さやか「うっ、あっ、あの、マミさん?」
マミ「美樹さん、あのね、今ね、あのっ……」
さやか「はいぃ…………」
マミ「…………」
さやか「…………」
マミ「…………」
さやか「…………」
マミ「……何でもない」
さやか「えー……」
マミ( 夢……、だったのかな…… )
マミ「……あら? まだ4時前じゃない」
さやか「あたし、自宅以外だと早く起きちゃうんで」
マミ「そうだったわね。あ、何か飲む?」
さやか「わ~い、じゃなくて! こんな所で寝たら駄目でしょ。風邪ひくよ?」
マミ「あははー……、ごめんなさい……」
さやか「机に突っ伏してもー! 毛布一枚じゃ足りないでしょー?」
マミ「…………毛布?」
さやか「あいや、毛布ってより膝掛けかな?」
マミ「…………」
さやか「マミさん?」
マミ「……っふ」
さやか「うおぅ!?」
マミ「くっ、ふふっふふふ、くくっ、くふふふ」
さやか(壊れてやがる! 早すぎたんだ! 起こすのが!)
マミ「もっ、もうっ、ぷっくく、もうふっ、ぶはっ!」
さやか「えええらいこっちゃ、えええらいこっちゃ」
マミ「あっはははは! あはっ、あははは! ひっ、ひひっ!」
さやか「どどど、どうしよう、どうしよう~」
マミ「あはははは! くるひっ、くるひ~! あはははは!」
さやか「もうあたし泣きそうになってきたよぉ……誰かぁ……」
―10分後―
マミ「ひゅー……、ひゅー……」
さやか「おおちおちおち落ち着いた……?」
ほむら「一体何の騒ぎよ……」
杏子「朝っぱらから近所迷惑だろうが」
まどか「……ぉぁょぅ、……ぁι゛ゃぃぅ」
杏子「のび太君みたいな目ぇしてるぞ、コイツ」
ほむら「まどかはもう少し寝んねしててねー」
マミ「こんなに笑ったの初めて……、ご近所さんの目が怖い……」
さやか「怖かった……、怖かったよぉ……」
杏子「全く、何にツボったんだよ」
マミ「……えーと、毛布?」
ほむら「はあ? 毛布?」
マミ「…………毛布」
ほむら「…………」
杏子「…………」
さやか「…………もうふ?」
マミ「ぶはっ!」
杏子「ちょっ! またかよ!」
ほむら「さやか! マミの口を塞いで!」
さやか「あわわわわわわ」
トリオサエロー アハハハハハハ モーヤダー ウルサクテネレナイヨ! マドカァー
「…………」
「やれやれ、毛布を掛けたのは失敗だったかな?」
「親切のつもりだったんだけどね」
「……まあいいか、賑やかで何よりだ」
「マミの事を、どうかよろしく頼むよ」
――――もう君に会う事は無いだろうけど
――――僕は君を忘れない
――――遠い宇宙の片隅で
――――君の、君たちの幸せを願うよ
――――『心』から、願うよ
.,-'''''~~~ ̄ ̄~~''' - 、
\ ,へ.人ゝ __,,.--──--.、_/ _,,..-一" ̄
\ £. CO/ ̄ \ _,,..-" ̄ __,,,...--
∫ / ,、.,、 |,,-¬ ̄ _...-¬ ̄
お イ / / ._//ノ \丿 ..|__,,..-¬ ̄ __,.-一
.人 | / ../-" ̄ || | 丿 / ). _,,..-─" ̄ ._,,,
わ .ゝ∨ / || " 丿/ノ--冖 ̄ __,,,,....-─¬ ̄
( \∨| " t-¬,,...-一" ̄ __--¬ ̄
り ⊂-)\_)` -一二 ̄,,..=¬厂~~ (_,,/")
.⊂--一'''''""|=|( 干. |=| |_ (/
/ ( / ∪.冫 干∪ 人 ` 、 `
/ ) ノ '`--一`ヽ 冫
く.. /
. ト─-----イ |
∪ ∪
最近マミさんがズコバコしたりズコバコされたりが目に付いたので
そんなんじゃないだろ!と、おれたちの望んだマミさんは天使だろ!と
レズでもねえ百合でもねえ純粋なマミさんを望んでたんじゃねえのかよ!
ちょっとくらい長いストロークで絶頂してんじゃねえよ!
いい加減始めようぜ! まじゅちゅし!
みたいな感じで書いた
SSもスレ立ても初めてだったので不備があったらごめんね
まどっちの影が薄くてごめんね。あ、それは原作準拠だったわ
読んでくれてありがとうございました。さよなら、さよなら
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