海未「ことりのとりこ」 (94)
海未(今日もとても可愛いです……ことり……)
海未(これはまさか……恋? いやいや…… 私たちは女性同士……ありえません! しかし……)
ことり「海未ちゃん?」
海未(この胸の奥底がキュンキュンする感覚……これは)
ことり「海未ちゃんってば!」
海未「え? あ、ことり!?」
ことり「も~! ちゃんとことりの話聞いてた?」
海未「も、勿論ですとも!」
ことり「ホント? じゃあオッケーってことでいいよね?」
海未「は、はい……え? 話って……」
ことり「わぁ~い! ありがと~海未ちゃん」
海未(一体何のことでしょう……? でもことりが喜んでいる様なので良しとしましょう)
ことり「はい、これ!」
スッ
海未「え? 何ですか……?」
ことり「えっと、黒いタキシードと白の手袋、早く着てみて!」
海未「……? わ、わかりました……」
ことり「うふふ」
ジーッ
海未「あ、あまり見ないでください……恥ずかしいです////」
ことり「じゃあことり、目瞑ってるから」
海未(またことりの趣味でしょうか? まぁ試着くらいしてあげましょう、今回は露出が高いものではないみたいですし)
ゴソゴソ
ことり「もういい~?」
海未「は、はい……」
ことり「わぁ~! 海未ちゃんすごい似合ってるよ~!」
海未「そ、そうでしょうか? ところでこの衣装……」
ことり「え? さっき言ったはずだけど」
海未「ごめんなさい、もう一度教えてもらえますか?」
ことり「着てみてわかんないかな? 誰がどう見たって執事にしか見えないと思うよ!」
海未「し、執事!?」
ことり「あ、髪も広がらないように束ねてみて」
海未「は、はい」
ことり「ことりがやってあげる~! 海未ちゃんやっぱり髪の毛綺麗だね~」
海未「そ、そんなことありませんよ……」
海未「執事ということはこの衣装は男装ものということですね?」
ことり「そうだよ」
海未「ことりが色々な衣装を手掛けることが好きなのは知っていましたが、まさかこんなものまで……」
ことり「えへへ、でも嬉しいな!
海未ちゃんがことりの執事になってくれるなんて」
海未「まぁ、これくらいならまたいつでも……え? ことりの執事……?」
ことり「うん!」
海未「えっと……試着するだけでは」
ことり「ううん、これから海未ちゃん、ことりの執事になってくれるってさっき……」
海未「き、聞いてませんよ! そんなこと!!」
ことり「え……? ことり、ちゃんと言ったよ? それで海未ちゃん了承してくれたから……」
海未「あ……さっきの……」
海未「ごめんなさい、先程は考え事をしていて……ことりの話を」
ことり「え……? そんなぁ……」
海未「も、申し訳ないのですが……」
ことり「……」
海未「あ、あの……ことり」
ことり「どうしてもだめなの? おねがぁい、海未ちゃん……」
ウルウル
海未(こ、こんな風にことりに見つめられたら断るなんて……)
ことり「海未ちゃぁん……」
ウルウル
海未「わ、わかりました……」
ことり「ホント? わぁ~い! 海未ちゃん大好き~!」
ギュッ
海未「こ、ことり……くっつきすぎです////」
ことり「だって嬉しいんだもん~」
ギュッ
海未(か、可愛い……////)
海未「あの……それで、執事というのは何をすればいいのですか? ことり」
ことり「ダメだよ、海未ちゃん」
海未「は?」
ことり「ことりのことはちゃんとお嬢様って呼んでくれないと」
海未「お、お嬢さ……ま……?」
ことり「はい、もう一回」
海未「お嬢……さま……」
ことり「声が小さいよ?」
海未「お、お嬢様!!////」
ことり「よくできました~」
パチパチ
海未「はぁはぁ……」
ことり「えっと、具体的に何をするかはことりもよくわからないんだけど」
海未「よくわからないのにやらせないでください……」
ことり「何か言った?」
海未「何でもないです、こと……お嬢様」
ことり「う~ん……とりあえずことりとずっと一緒にいて」
海未(ず、ずっと一緒!?////)
ことり「あと危険からことりを守ってくれるナイト様みたいな感じでお願~い」
海未「よ、よくわかりませんがやってみます……」
ことり「じゃあそろそろ学校に」
海未「お嬢様、リボンが曲がっていますよ」
ササッ
ことり「っ////」
ことり「あ、ありがと……////」
海未( こうなってしまった以上、中途半端は許されません……本気で演じきってみせましょう)
海未「ではお嬢様、参りましょう」
ことり「は、はい……////」
ことり(どうしよう……海未ちゃんカッコいいよぉ~////)
ドキドキ
ことり(冗談のつもりでやらせちゃったんだけど、このままじゃことり……本気で海未ちゃんのこと……////)
プップー!!
海未「危ない!!」
ことり「え?」
キキィーッッ!!!!
海未「大丈夫ですか!? お嬢様」
ことり「う、うん」
「どこ見て歩いてんだ!! ったく!!
」
ブーンッ……
海未「お嬢様に対して何たる無礼な! ラブアローシュートッッ!!」
シュッ……ドカーンッッ!!!!
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ガシャーンッッ!!!!
海未「ふっ」
ことり「はわわ……」
海未「急ぎましょう、学校に遅れてしまいます」
ことり(海未ちゃん、完全にスイッチが入っちゃってるよ……)
海未「始業開始まであと5分……マズイですね、お嬢様を遅刻させるわけには」
ことり「ご、ごめんね……ことりがモタモタしてたから」
海未「いえ、全ての責任は執事であるこの私に」
海未「失礼します」
ガバッ
ことり「わわっ! お姫様だっこ……!? 」
海未「しっかり捕まっていてください」
ことり「は、はい……////」
ギュッ
海未「はぁぁっ!!」
タタタタッ
海未「到着しましたよ」
ことり「へ? も、もう?」
ガラッ
海未「皆さん、ごきげんよう」
ことり「……////」
穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん! おはよーってその格好何!?」
海未「格好……? 執事としての正装ですが何か?」
穂乃果「海未ちゃんがおかしくなっちゃった」
ことり「あ、あのね穂乃果ちゃん……実は」
穂乃果「えぇー!? 海未ちゃんがことりちゃんの執事!?」
海未「申し訳ございませんお嬢様、私が急ぎすぎたせいで前髪が崩れて……整えてもよろしいですか?」
ことり「うん、お願い」
海未「かしこまりました」
ササッ
ことり「っ////」
穂乃果「ほぇ~」
海未「これで完璧です、今日もとても可愛いですよ、お嬢様」
ことり「!?////」
ドキドキ
穂乃果「何だか今日の海未ちゃん、変だけどカッコいいね」
ことり「うん……えへへ」
海未「お嬢様、お紅茶の用意が整いました」
サッ
穂乃果「どこからそんなものを!?」
海未「お熱いのでお気をつけを」
カチャ
ことり「ありがと」
穂乃果「ねぇねぇ穂乃果には?」
海未「え?」
穂乃果「え? じゃなくて穂乃果も紅茶飲みたい~」
海未「はぁ……」
ことり「海未ちゃん、穂乃果ちゃんにもお願い」
海未「かしこまりました」
カチャ
穂乃果「すご~い! ことりちゃんの言うことなら聞くんだ~」
海未「……」
ことり「えへへ……」
穂乃果「今日の体育はドッジボールだよ! えいっ!」
ビュンッ
ことり「わわっ!」
海未「甘いっ!」
バシッ ビュンッ!!
穂乃果「ぎゃふっ!! って海未ちゃん! ことりちゃんは敵チームだよ!! 」
ことり「お弁当忘れてきちゃったよ~!」
穂乃果「なら穂乃果のお饅頭あげ」
海未「お嬢様、あちらに既にご用意させて頂いおります」
ことり「わぁ~! 美味しそうなお料理がいっぱ~い!」
穂乃果「だからこんなもの何処から持ってきたの!?」
ことり「ことり、掃除当番だよ~!」
海未「既に完了しています」
穂乃果「教室が眩しいっ!!」
ことり「ありがと、海未ちゃん……ごめんね? 色々やらせちゃって」
海未「何を言っているのですか? さぁこれからμ'sの練習です、部室に向かいましょう」
ことり「うんっ!」
ギュッ
穂乃果「……」
ポツーン
絵里「へぇ、海未が執事ねぇ」
希「すごいサマになっとるやん!」
花陽「カッコいいです!!」
凛「海未ちゃん凛々しいにゃー」
にこ「そっちの路線もありね……」
真姫「……納得いかないわ!」
ことり「真姫ちゃん?」
真姫「どうして私じゃなくてことりの執事なのよ!?」
海未「どうしてと言われましても……」
真姫「普通に考えてお嬢様って言ったらこの真姫ちゃんを差し置いて他にはいないわ!」
希「まぁ確かに真姫ちゃんはお嬢様キャラやけど」
真姫「でっしょー!! ってキャラって何よ!? 私は正真正銘、純度100%のお嬢様なの!!」
凛「真姫ちゃんちは執事さんいないの?」
真姫「いないわ、一応メイドはいるけど私専用ってわけじゃないし」
花陽「それで充分なんじゃ……」
真姫「駄目よ!! ことりに執事がいて私にはいないっていうこの状況が許されないの」
にこ「わがままねー」
真姫「海未ちゃん! 今から私の執事になりなさい!」
海未「え?」
真姫「光栄でしょ? 私の執事になるならそうねぇ……今のお給料の30倍は払うわ!」
ことり「そんなぁ……」
ことり(海未ちゃんが真姫ちゃんのところに行っちゃったらことり……)
ことり(そんなのやだよぉ……!!)
真姫「ふふっ、悪いわね、ことり。 海未ちゃんはこれから私の」
海未「嫌ですよ?」
真姫「え? ごめんなさい、よく聞こえなかったみたい……もう一度」
海未「私が仕えるのはこの世で南ことりお嬢様ただ一人です、ですから真姫の誘いを受けるわけにはいきません」
ことり「海未ちゃん!」
パァー
真姫「なっ……!? くっ……こうなったら……勝負よ!! ことり」
ことり「へ?」
真姫「勝負に勝った方が海未ちゃんを執事にできる、いいわね?」
ことり「え、えっと……」
海未「真姫……私の話聞いてました?」
真姫「どうなの? この勝負受けるわよね?」
ことり「で、でも……」
海未「お嬢様、受けてはいけません!」
真姫「ことり、もし逃げたら自分は海未には相応しくないって認めることになるわよ!」
ことり「海未ちゃんは……ことりの執事だよ!!」
海未「お嬢様……」
ことり「真姫ちゃんには絶対に渡さないよ!!」
真姫「私に勝てると思ってるの?」
ことり「負けないっ!」
凛「盛り上がってきたにゃー!」
花陽「でもどうやってどっちがよりお嬢様とか決めるの?」
真姫「それはもう考えてあるわ、穂乃果!」
穂乃果「はーい!」
海未「穂乃果!?」
ことり「穂乃果ちゃん!?」
穂乃果「では第一回音ノ木坂プリンセスバトル開幕だよっ!!」
穂乃果「ルールは至って簡単! これから行う勝負でより多くの審査員の票を獲得した方を勝者とします!」
絵里「審査員って……」
穂乃果「審査員はバトル参加者のことりちゃんと真姫ちゃん、それと司会進行の穂乃果と優勝商品の海未ちゃんを覗いた五人です!」
海未「優勝商品……」
希「ってうちら!?」
にこ「面白そうね、二人ともガンバレ~」
凛「勝負の内容って何だにゃ?」
穂乃果「まず最初は>>53で二人のお嬢様っぷりを競ってもらうよ!」
エクストリームマーシャルアーツ
穂乃果「エクストリームマーシャルアーツだよ!」
真姫「は? イミワカンナイ」
ことり「え? 何それ? 海未ちゃん……」
海未「エクストリームマーシャルアーツというのは簡単に言えば武道や武術の型を取り入れたダンスです、例えばそうですね……」
海未「はぁっ!!」
ヒュッヒュッ……クルクルッッ、バシッ!!!!
ことり「海未ちゃんすごい!」
真姫「さすが私の執事ね」
穂乃果「さぁ審査員のみなさん! 判定を!」
絵里『海未』
希『海未ちゃん』
凛『海未ちゃん』
花陽『海未ちゃん』
にこ『海未ちゃん』
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