穂乃果「…コロシアイ……学園生活…?」 (192)
この前途中で落ちちゃったんで続きも含めて前回から早めに投下していきます
───朝・自宅───
穂乃果「……う、う~ん……」ムクッ
穂乃果「ん~?………うわっ!もうこんな時間!」ガバッ
穂乃果「もー!今日は絶対に寝坊しちゃいけない日なのにー!!」
穂乃果「今日は………何と言っても………」ニコニコ
穂乃果「希望ヶ峰学園の入学しなんだから!!!!」
雪穂「もうお姉ちゃん朝からうるさいよ…」
穂乃果「だって!!あの希望ヶ峰学園だよ!?あの高校に私達μ'sが入学できるんだよ!!!」
穂乃果「落ち着いていられるわけがないよー!!」
雪穂「あー、はいはい。その話はもう何べんも聞いたから」
雪穂「そんなことしてないで早く準備したら?」
穂乃果「はっ!そうだった!!」ドタバタ
雪穂「おねーちゃーん、ことりさん達もう来てるよ」
穂乃果「むー!ひょっほふぁっふぇ~!(ちょっと待って~!)」ムグッ
雪穂「ちょっと…ご飯なんて食べてる時間無いでしょ……」
穂乃果「……ごくっ、プハーッ!……朝ごはんはちゃんと食べなきゃ!」
雪穂「はいはい、わかったから急いだほうがいいと思うよ」
穂乃果「わかってるー!ごちそうさま!」
雪穂「あ、お姉ちゃん」
穂乃果「ん?」
雪穂「これ、持ってって」
穂乃果「……何これ?お守り?」
雪穂「うん、音ノ木坂学院のお守り。これをいつも身に着けていてほしいの」
雪穂「『音ノ木坂学院のスクールアイドルμ's』ってことを忘れてほしくないから」
穂乃果「………うん……雪穂、ありがとね!」
雪穂「ほら、早くしないと!」
穂乃果「あー!そうだった!」ドタバタ
穂乃果「それじゃ、行ってくるね!」
雪穂「うん、あ、お姉ちゃん」
穂乃果「ん?なぁに?」
雪穂「……ううん、お姉ちゃん!!気をつけて行ってきてね!!」
穂乃果「も~、雪穂は大げさだな~、今日は入学式だけなんだよ?」
雪穂「そういえばそうだね……ま、一応妹としての一言だから気にしないで」
穂乃果「はいはい、じゃ、行ってきま~す!!」
タッタッタッ
穂乃果「おまたせー!」
海未「穂乃果!遅いですよ!」
穂乃果「ごめんごめん~」
海未「あと一分でも遅刻していたら置いていくつもりでした」
穂乃果「え~!酷いよ海未ちゃん!」
ことり「まぁ二人共、ほら!早くしないと時間ないよ!」
穂乃果「はっ!そうだった!ほら二人共早く早く~」ダッ
海未「ちょ、ちょっと穂乃果!人を散々待たせて……もう…」
ことり「いいからいいから!私達も行こう?」
海未「そうですね、少々癪には触りますが…!」
ことり「は、ははは…」
穂乃果「ふ~、なんとか電車には間に合ったね」
海未「穂乃果のせいで朝から無駄な体力を使ってしまいました」
穂乃果「これもトレーニングの一環だよ!……多分」
海未「その割には息が上がっているのは穂乃果だけのようですが?」ジー
穂乃果「そ、それは………うぅ」
海未「穂乃果にはもっとトレーニングが必要なようですね」ニヤリ
穂乃果「うぅ~……それだけは勘弁を~……」ウルウル
ことり「もう穂乃果ちゃんったら…」
海未「でも……私達が希望ヶ峰学園に入学できるなんて……本当に夢のようです」
ことり「うん!私達μ'sのスクールアイドルとしての功績を讃えて入学だなんてね」
穂乃果「うんうん!!私ホント、スクールアイドル始めてよかった!!」
穂乃果「ここまで頑張って……やってきてよかったよ!!」
穂乃果「もちろん、みんなのおかげでもあるからね!!」
海未「穂乃果…」
ことり「穂乃果ちゃん…」
穂乃果「『超高校級のスクールアイドルμ's』なんて呼ばれる日も近いかもね~」ニヤニヤ
海未「全く穂乃果は…調子に乗りすぎです」
穂乃果「ん?おやおや~?そう言う海未ちゃんも顔がにやけてますぞ~?」
海未「!!わ、私は別に…!」
穂乃果「本当は嬉しいくせに~」
穂乃果「ことりちゃんも嬉しいよね~?」
ことり「うん!もちろん!」
海未「…わ、私だって、嬉しいに決まってます!」
穂乃果「お、やっと素直になったね~」ニヤニヤ
海未「もう!穂乃果ったら!」
ことり「あ、ほら二人共見て!希望ヶ峰学園が見えてきたよ!」
穂乃果「おー!あれが!!」
海未「……大きな学校ですね…」
ことり「うん!すごい迫力だね!」
───改札前───
穂乃果「とうちゃーく!!……お!アレは」
穂乃果「花陽ちゃ~ん!」
花陽「あ、ほのかちゃん」
穂乃果「かよちゃん、おっはよ~!」
花陽「お、おはよう…!」
穂乃果「こんなとこでどうしたの?」
花陽「う、うん…凛ちゃんとここで待ち合わせしてて…」
穂乃果「そうなんだ!もー、凛ちゃんったら遅刻かな~?だらしないな~」ニヤニヤ
海未「穂乃果、トレーニング増量の件ですが…」
穂乃果「わー!やめてやめてー!」ダッ
海未「あ!こら!穂乃果、待ちなさい!」ダッ
ことり「あ!二人共、待ってよ~」
───希望ヶ峰学園・正門前───
穂乃果・海未・ことり「………」
海未「ついに……ここまで来てしまいましたね…」
ことり「うん……」
穂乃果「………」プルプル
海未「穂乃果……?」
穂乃果「……私達…………来ちゃったんだね……ここに」
海未「えぇ…!」
穂乃果「入学……するんだよね…………ここに」
ことり「そうだよ…!」
穂乃果「…………ふぅー……」
穂乃果「……ここからまた…スクールアイドルとしての学園生活が待ってるんだね…!」
穂乃果「……行こう!!」ダッ
穂乃果(私達は揃って希望ヶ峰学園の正門を横目に)
穂乃果(一歩を踏み出した……はずだった)
穂乃果(途端に視界がぐるりと180度回転した)
穂乃果(まるで……天地がひっくり返ったように…)
穂乃果(そこで私の意識は途切れた……)
───プロローグ・終───
───第一章───
穂乃果「………」
穂乃果「……うーん……」ムクッ
穂乃果「ここは……?」
穂乃果(目を覚ますと見慣れない教室が視界に広がっていた)
穂乃果「……うーん………穂乃果、なんでこんなところに…」
穂乃果「海未ちゃんとことりちゃんと一緒に学校に来て…」
穂乃果「それで…………ダメだ、思い出せない…」
キーンコーンカーンコーン
???「えー、校内放送、校内放送」
???「ただ今より、体育館で入学式を始めます!」
???「新入生諸君は、ただちに体育館に集まるように!」
ブツッ
穂乃果「……何…今の…」
───希望ヶ峰学園・体育館前───
穂乃果「……とりあえず来たけど…」
穂乃果(なんだろうここ……窓は全部鉄板で締め切られてるし、ここまで誰ともすれ違わなかった…)
穂乃果(かなり大きい学校のはずなのに……何か変……)
穂乃果「この先が……体育館………」
ガチャ
穂乃果「!!」
海未「穂乃果!」
ことり「ほのかちゃん!」
一同「穂乃果!穂乃果ちゃん!」ワイワイ
穂乃果「みんな…!」
海未「穂乃果……無事だったんですね…」ホッ
穂乃果「え…?……うん…」
穂乃果「でも無事って……どういうこと?」
海未「詳しいことはよくわかりませんが……ここにいる私達μ's全員…」
海未「正門を通った直後気を失って気づいたら学園内にいた……ようなんです…」
穂乃果「え……じゃあみんなも…?」
海未「はい……気が付いたら教室に……そして先ほどの放送でここに……」
穂乃果「………一体……何が起こっているの……?」
絵里「………ここでこうしていても仕方ないわ、中に入りましょう」
海未「…そうですね……これももしかしたら学園側のサプライズか何かなのかもしれませんし」
海未「とりあえず話を聞いてみないことには…」
穂乃果(みんなは海未ちゃんの言葉を聞くとそれぞれが不安な気持ちを抱えながら体育館へと入っていった)
にこ「もう!何のよホント!このニコ様をドッキリにかけようなんて100年早いわよー。全く、どこの局かしら?」
真姫「これドッキリなの!?こんなことする意味分かんない!」
凛「凛はドッキリでも楽しければそれでいいにゃ~」
花陽「凛ちゃん…も、もっと緊張感持とうよ…」
絵里「………これは……本当にドッキリなのかしら……」
希「ん~?エリチ、ビビってるんちゃうか~?」
絵里「…!わ、私がこれくらいのことで…!」
希「そうかな~?」ニヤリ
ガチャ
───希望ヶ峰学園・体育館───
穂乃果「新入生は……どうやら私達μ'sの9人だけみたいだね…」
絵里「…本当にここで入学式が行われるのかしら…」
希「えらい殺風景な場所やね…」
凛「でも9人分のパイプ椅子が用意されてるにゃ」
ことり「じゃあ……やっぱりここで…?」
???「マイクテスッ!マイクテスッ!大丈夫聞こえてるよね?」
???「えー、新入生の皆さん今から入学式を執り行いたいと思います!」
穂乃果「この声……!さっきの…!」
ピョーン!!
???「………」
真姫「ぬ、ぬいぐるみ…?」
???「ぬいぐるみじゃないよ!僕はモノクマだよ!」
モノクマ「お前らのこの学園の、学園長なのだ!!……よろしくね!」
花陽「は、はわ…………ぬ、ぬいぐるみが……動いた……」ガタガタ
モノクマ「ぬいぐるみじゃなくてモノクマなんですけど!」
モノクマ「しかも、学園長なんですけど!」
海未「……こんなこと…」
にこ「………チッ」
にこ「ちょっとアンタ!!ふざけてんじゃないわよ!!」
にこ「このにこにーをドッキリにかけようったってそうはいかないわよ」
にこ「カメラどこよ!?カメラ!!」
モノクマ「うぷぷ……あのさぁ~、これ、ドッキリじゃないんだよねぇ~」
にこ「はぁ?」
モノクマ「だから、これ、ドッキリじゃないの」
モノクマ「……オマエラには………これからここでの学園生活を送ってもらうの」
モノクマ「もちろん………ある条件があるんだけどね……うぷぷぷ」
穂乃果(その後モノクマからこの学園におけるおおまかなルールを説明された……)
穂乃果(もちろん……『コロシアイ学園生活』についても……!)
にこ「ちょっと!コロシアイ……ってどういうことなのよ!」
モノクマ「どういうことって……そういうことだよ」
にこ「だから~…それが意味わからないって話なのよ!!」
モノクマ「も~、キミは身体だけじゃなく頭にも栄養が行ってないみたいだねー、可哀想だなー」ショボン
にこ「…!!………んだとコラ……!!」
希「にこっち………キャラが崩壊してるで…」
にこ「ハッ…!………ん~、にこー、何言ってるか、全然分からないにこ~☆」
希「それもどうかと思うで…」
絵里「つまり…アナタは私達にこの学園で永遠に生活していくか」
絵里「…………私達同士で……『コロシアイ』を行って卒業するか」
絵里「そのどちらかを望んでいるわけね?」
モノクマ「そういうこと!いや~、やっぱりエリーチカは可愛くて賢いな~」ウットリ
絵里「……モノクマ………残念だけど、私達は決してコロシアイなんてするはずがない」
絵里「必ず………この学園から全員で脱出してみせるに決まってるわ…!」
真姫「そうよ!……コロシアイ………なんて絶対起こるわけないじゃない!」
凛「凛達をハメようとしたってそうはいかないにゃ!!」
モノクマ「はぁー………オマエラってほんと……………僕の心を抉るようなクッサイクッサイ言葉ばっかり」
モノクマ「ここは僕の学園なんだよ!?僕の言うことは絶対なのです!!」エッヘン
海未「ですから……アナタの言うことはこちらとしては受け入れることは出来ないのです」
モノクマ「………」
モノクマ「まぁいいよ………いずれわかるから」
モノクマ「オマエラがどれだけ薄っぺらい友情のもとに成り立ってる関係だってことがね…」
穂乃果「…!!私達の絆は本物だよ!!」
モノクマ「『絆』ねぇ………それもいつまで続くのやら……」
モノクマ「……とりあえず入学式はここまで!このあとの予定は随時校内放送で伝えていく予定だから」
モノクマ「……それと」
モノクマ「僕がさっき言った『校則』だけは、絶対守るように!!」
モノクマ「健全な学生生活は校則の上に成り立つものだからね!!」
モノクマ「それじゃーねー!」
ピョーン
花陽「い、行っちゃった…」
穂乃果(モノクマの掲げたルール…『校則』はこんなものだった)
※原作の校則と若干違っている部分があります。
『1.生徒達はこの学園内だけで共同生活を行いましょう。共同生活の期限はありません。』
『2.夜0時から朝7時までを”夜時間”とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。』
『3.就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。』
『4.学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。監視カメラの破壊を禁じます。』
『5.仲間の誰かを殺したクロは”卒業”となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。』
『6.生徒内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、生徒全員参加が義務付けられる学級裁判が行われます。』
『7.学級裁判で正しいクロを指摘した場合は、クロだけが処刑されます。』
『8.学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、クロだけが卒業となり、残りの生徒は全員処刑です。』
『9.コロシアイ学園生活で同一のクロが殺せるのは2人までとします。』
~なお、校則は順次増えていく場合があります~
穂乃果「……ざっとこんなところだけど…」
~『電子生徒手帳』を入手~
穂乃果(……なんなの……これ………)
穂乃果「これが……希望ヶ峰学園……?」ガクガク
海未「……穂乃果…」
穂乃果「……これが………希望の学園だって言うの…?」
穂乃果「こんなの……こんなの……希望なんかじゃない…………」
穂乃果(こうして私達の新たな学園生活は始まっていくことになった)
穂乃果(期待に胸を膨らませてやってきたこの学園は……)
穂乃果「絶望の………学園だったんだ…………!!」
───?日目・?時───
穂乃果「………」
穂乃果「これからどうすればいいんだろう…」
穂乃果「………コロシアイなんて……絶対嫌だよ…!」
穂乃果「……そうだ!」
穂乃果「とりあえずみんなを食堂に集まって!作戦会議しよう!」
───食堂───
穂乃果(…というわけで、みんなに集まってもらったわけだけど…)
穂乃果(空気が重たい……誰も口を開こうとしないし………)
穂乃果(しょうがないよね……あんな説明の後じゃ…)
絵里「……いいかしら」
一同「…」
絵里「……さっきのモノクマの発言…アレを信じている人はこの中にはいない、そうよね?」
真姫「あ、当たり前じゃない!!」ガタッ
真姫「な、なんなのよ!!私達、何でこんなことになってるわけ!?」
真姫「音ノ木坂学院のμ'sとしての力を認められてこの学園に入学できたんじゃなかったの!?」
真姫「それが……こんな…………こんなことって…!」
絵里「真姫……気持ちはわかるわ……でも今は抑えて…」
にこ「それで……これからどうしようって言うのよ」
絵里「そうね……まずはこの学園を探索しましょう、もしかしたらどこかに出口があるのかもしれない」
絵里「それから当面の衣食住の確保が必要ね、脱出できない場合のことも考えて」
絵里「他には何かあるかしら?」
穂乃果「この悪質な学園生活を仕組んだ黒幕……」
穂乃果「その正体を……調べるべきだと思う…!」
絵里「……そうね、大事なことを忘れていたわ」
絵里「私達はただ逃げるだけじゃなく闘うことを強いられているのかもしれない」
絵里「とりあえずは3班に分かれて行動しましょう」
絵里「探索班、食料班、調査班、この3つに別れて行動して、何か分かり次第ここに集まりましょう」
花陽「あ、あの……」
絵里「どうしたの?花陽」
花陽「あ、あの……ア、アイドル活動は……これからは………どうしていくの……?」
絵里「それは…」
バンッ!!!
にこ「………アンタ…この期に及んで何言ってるの?」
花陽「えっ……」
にこ「事の重大さ理解してるの?私達はね!監禁されてるのよ!監禁!」
にこ「今はアイドルとかそういうこと言ってる場合じゃないのわかるでしょ!?」
希「にこっち!……言いすぎやで…!」
にこ「……ふんっ」
花陽「……あ……ご、ごめんんさい………」ダッ
凛「か、かよちん…!待つにゃ!!」ダッ
穂乃果「二人共……出て行っちゃった……」
真姫「…………この空気どうしてくれるわけ…?」
にこ「……は?」
真姫「せっかく今みんなで協力して動き出そうって時に……」
にこ「…何それ?アタシのせいだって言いたいわけ?」ギロッ
真姫「!!」
真姫「……もういい、私も部屋に戻るわ…」スタスタ
ことり「ま、まきちゃん……!」
海未「にこ!さっきから何なんですか!?落ち着かないのはわかりますが人に当たるのはやめてください!!」
ことり「う、海未ちゃん…」オロオロ
にこ「何よ……アンタだって本当は怖いくせに……腕、震えてるわよ」
海未「!!……それは……今関係ないじゃないですか…!!」
穂乃果「二人共いい加減にしなよ!!」
一同「!!」
穂乃果「そうやって私達同士で争わせることが黒幕の作戦何じゃないのかな…?」
穂乃果「それに……こんな空気………みんな!私達は仲間なんだよ!?」
穂乃果「これからみんなで協力して、脱出しようっていうのに…!」
穂乃果「………こんなのって…」
海未「穂乃果…」
ことり「穂乃果ちゃん…」
希「……そうやな、穂乃果ちゃんの言うとおりや…」
希「………それでな…うちに考えがあるんやけど」
希「まずこれからのウチラの行動について」
希「校則では『2.夜0時から朝7時までを”夜時間”とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。』ってあるやん?」
希「これ、立ち入り禁止区域があるだけで部屋から出ることは禁止されてないってことやん?」
絵里「……確かに…言われてみればそうね」
希「でもな、この学園にはまだまだ謎が多すぎる、危険もいっぱいや」
希「だから当面の間、『夜時間の外出は禁止』したいんや」
希「もちろん……これは強制やない、何か事情があれば外に出なきゃあかんこともある思うしね」
希「みんな、どうやろうか?」
絵里「………私は賛成するわ」
ことり「…私も」
海未「そうですね……私も同感です」
にこ「………私はどっちでもいいけど」
希「うん、それじゃ、これは私達のルールとして決めておこうね」
絵里「わかったわ、それじゃ今ここにいない4人にもあとで私の方から伝えておくわね」
希「うん、よろしくな~」
キーンコーンカーンコーン
モノクマ「えー、校内放送でーす。午後0時になりました。ただいまより“夜時間”になります」
モノクマ「間もなく食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す」
モノクマ「ではでは、いい夢を。おやすみなさい…」
ブツッ
穂乃果「もう……そんな時間なんだ…」
海未「私達はかなり長い間気を失っていたようですね…」
穂乃果「………そうみたいだね…」
一同「………」
絵里「…………ここでこうしていても仕方ないわ」
絵里「今日のところはもう各自部屋に戻って休みましょう」
穂乃果「そうだね…」
海未「……それじゃ、行きましょうか…」
絵里「あ、それと明日の朝、もう一度ここに集合しましょう」
絵里「これからのことをもう少し話し合いたいの」
穂乃果「…わかった」
………
───夜・個室───
穂乃果「はぁ………」
穂乃果「なんで……こんなことに………」
穂乃果「でも……ここでくよくよしてるわけにはいかないよね…!」
穂乃果「きっとなんとかなるはず!絶対諦めないんだから…!」
穂乃果「………でも、今日はもう疲れちゃった…」
穂乃果「寝よう……」ゴロン
穂乃果「………」
………………
…………
……
キーンコーンカーンコーン
モノクマ「オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました! 起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!」
穂乃果「……う、う~ん…」ムクッ
穂乃果「…朝か」
穂乃果「食堂に行かなきゃ…」
───朝・食堂───
穂乃果「みんな、おはよう」
海未「おはようございます、穂乃果」
ことり「おはよう、穂乃果ちゃん」
穂乃果「………私が最後だったみたいだね…」
絵里「……みんな揃ったところで、まず一つ」
絵里「にこ、あなた、謝らなければいけないことがあるわね?」
にこ「…」
絵里「昨日のこと、花陽と真姫にきちんと謝って」
にこ「………」
絵里「にこ……」
希「にこっち……」
にこ「…あー、もう!わかったわよ!」
にこ「昨日はごめんなさい…アタシ、少し気が動転してたから、あんなこと言っちゃって」
にこ「本当に……ごめんなさい…」ペコリッ
花陽「べ、別に……もう気にしてないから……大丈夫…だから……」
真姫「………私も気にしてないわ」
真姫「……少し強くあたった私も悪かったと思ってるし…」
希「うんうん、これで仲直りやね」
凛「うん!よかったにゃ!」
絵里「みんなも、これからはお互いに助けあって生活していかなきゃいけない…」
絵里「だから何があっても………ケンカはしない、約束して欲しいの」
穂乃果「そうだね………私達は何があっても助けあってここから脱出しなきゃいけない」
穂乃果「………全員で…!」
ことり「うん…!」
海未「……もちろんです…!」
絵里「それじゃあ、まずは昨日話した班分けから」
絵里「まず『探索班』、主には学園の施設を調べて欲しいの。何かヒントがあるかもしれないわ」
絵里「これを………穂乃果、凛、にこ、お願いしていいかしら?」
穂乃果「わかった!」
凛「任せるにゃ!」
にこ「名探偵にこに任せておきなさい、アンタ達、足引っ張らないでよね」
凛「全然反省してないにゃ!!でもにこちゃんらしいにゃ!!」
穂乃果「私達はとりあえず今日はこのフロアを探索してみるね」
絵里「えぇ、お願いね」
絵里「次に『食料班』」
絵里「食料の有無、それから当面の必需品の確保が必要になるわ」
絵里「……花陽、ことり、希、お願いしていい?」
花陽「は、はい!美味しいお米を探してきます…!!」
ことり「ことりはおやつがないか探すね!」
希「ウチは肉を探すわ」
凛「なんだか……不安なメンバーだにゃ…」
穂乃果「だ、大丈夫だよ……多分…」
花陽「り、凛ちゃん、大丈夫だから…美味しいお米は安心して…!!」
凛「う、うん……」
絵里「次に『調査班』」
絵里「この学園の謎、脱出経路の確保、その他もろもろのことの調査…」
絵里「……真姫、海未、そして私が担当するわ」
真姫「……仕方ないわね」
海未「きっと手がかりを見つけてみせます」
絵里「……こんなところかしら」
絵里「今が恐らく朝の7時過ぎだから、お昼ごろもう一度ここへ集まりましょう」
海未「わかりました…」
絵里「それじゃあ、行動を開始しましょう」
………
───昼・食堂───
穂乃果「ただいま~」
花陽「あ、おかえりなさい…!」
穂乃果「おぉー!?これは!?」
希「食堂の隣にキッチンがあってな、そこに食材がたっぷりあったんや」
希「昨日から何も食べてへんやろ?だからここらでお昼ごはんにしようと思ってな」
凛「美味しそうだにゃ~!」
ことり「たくさんあるから遠慮せず食べてね!」
花陽「ご、ご飯もあります…!」
にこ「アンタはどんだけライス推しなのよ…」
穂乃果「それじゃあ、全員が揃ったところで……」
「「「いただきまーす!!!」」」
穂乃果「……」モグモグ
穂乃果「うーん…!!美味しい!!」
海未「えぇ、とっても美味しいです」
凛「…バクバク………おかわりにゃ!!」
凛「やっぱりかよちんの炊いたお米は最高だにゃ~」
花陽「そ、そうかな…///」
真姫「……うん、悪くないわ」
凛「真姫ちゃんももっと素直になるにゃー」
絵里「……さて、食事が終わったところで午前中の報告をしましょう」
穂乃果「じゃあまず穂乃果たちが!」
穂乃果「今私達がいるこの建物はどうやら寄宿舎みたいなの」
穂乃果「それで入学式があった建物のほうが学園内みたい」
穂乃果「学園の1Fには体育館、保健室、視聴覚室、それと教室が2つ」
穂乃果「あとは玄関ホールがあったよ」
希「その玄関ホールから外には出られへんの?」
海未「それについては私達の方から」
海未「玄関ホールですがとてつもなく大きく頑丈な扉で締め切られていました」
海未「恐らく人の手で開けることは不可能かと…」
希「そっかぁ…」
海未「他にも脱出経路をいくつか調べましたが、めぼしいものはありませんでした…」
海未「お力になれず申し訳ありません…」
穂乃果「ううん!海未ちゃんたちは何も悪くないよ!」
穂乃果「これからなにかわかるかもしれないし!」
海未「そうですね……ありがとうございます、穂乃果」
穂乃果「それじゃ、さっきの続きに戻るよ」
穂乃果「私達が今いる寄宿舎なんだけど」
穂乃果「食堂、厨房、大浴場、ランドリー、そして倉庫があったよ」
ことり「その倉庫なんだけど、ことりたちも調べてみたら生活必需品とかがたくさんあったよ」
ことり「とりあえずは身の回りのものには不便しなさそう」
絵里「そう、なら生活用品には困らなそうね」
花陽「あ、そういえば…」
絵里「どうしたの?花陽」
花陽「さ、さっき私が厨房を探索してた時、モノクマが来たんだけど…」
穂乃果「え!?そうなの!?」
花陽「う、うん……それでね、食材なんだけど、随時補給されるみたいで」
花陽「食料に困ることはないだろう……って」
絵里「そうなの……それなら食料の方も問題ないみたいね」
穂乃果「それともう一つ」
穂乃果「学園にも寄宿舎にも2Fに続く階段があったんだけど」
穂乃果「両方シャッターが降りてて上には行けなかったんだよね…」
穂乃果「それにもう一つ部屋の近くにもシャッターがあって……」
希「そっかぁ………うーん、困ったなぁ~」
希「ウチのハンドパワーでなんとか開かへんやろうか…」
穂乃果「アレも人力じゃ難しいと思うよ…」
希「そっか、残念…」
凛(希ちゃんなら何とかしちゃいそうで怖いにゃ…)
にこ「あ、そうだ」
にこ「私達が最初に渡された電子生徒手帳があるじゃない?」
にこ「あれがどうやら各部屋の鍵を開けるためのカードキーにもなってるみたい」
にこ「まだ開かない部屋もあったけどね」
海未「開かない部屋とはどこのことですか?」
にこ「視聴覚室だけがまだ開かなかったわ」
ことり「……そこに何か秘密が隠されているとか…?」
???「気になっちゃう~?視聴覚室、気になっちゃってる~?」
穂乃果「!?」
真姫「モ、モノクマ…!アンタ、いつの間に…!」
モノクマ「うぷぷ、実は最初からずっといたんだけどね」
モノクマ「誰も気づいてくれなくて……ショックですよ~……」ショボーン
モノクマ「僕もご飯食べたかったのになぁ~……」
にこ「誰もアンタなんかと一緒に食べようと思わないわよ!」
モノクマ「もー!にこちゃん、昨日から怒ってばっかだよ?」
モノクマ「ほらほら、いつもみたいに『にっこにっこにー』って笑わなきゃー!」
にこ「…!!………本当アンタって、最低」
モノクマ「また怒らせちゃった……しょぼ~ん……」
絵里「……それで、一体何の用かしら?」
モノクマ「おぉ、そうだった!」
モノクマ「今オマエラが話していた視聴覚室なんだけど……」
モノクマ「今から特別に入室を許可したいと思っているのです!!」エッヘン
モノクマ「それに……オマエラに見せたいものもあるしね~…」ニヤニヤ
ことり「見せたいもの…?」
モノクマ「善は急げ!!早速視聴覚室へGO!!」
………
───視聴覚室───
モノクマ「じゃーん!ここが視聴覚室なのです!」
穂乃果「モニター、と……DVDプレイヤー…?」
モノクマ「そう!そのDVDプレイヤーを使って今からオマエラに見てもらいたい映像があるのです!」
花陽「み、見てもらいたい映像…?」
モノクマ「まーずーはー、僕からのプレゼント」
モノクマ「この箱の中から自分の名前が書いてあるDVDを取ってね!」
穂乃果「……一体何なの…これ?」
モノクマ「まぁまぁ……僕が口で説明するよりも、見てもらったほうがわかると思うから!」
モノクマ「準備出来た人から各自プレイヤーを使って見てね~」
穂乃果「……なんだろ」カチャ ウイーン
「ザ………ザザ…………ザザザ…ザ……ザザ……ブツッ!!」
雪穂「あ、お姉ちゃん!見てる~?」
穂乃果「雪穂!」
穂乃果母「穂乃果、元気でやってる?」
穂乃果父「………」
雪穂「ほらー、お父さんも黙ってないで何か言いなよー!」
穂乃果父「う、うむ……」
雪穂「お姉ちゃん………学校はどうですか?楽しくやってますか?」
雪穂「私も来年入学しようと思ってたんだけど、今回こんな……ザ…ザザザ……」
「ザーーーーーーーーーーー」
穂乃果「あれ?映像が…」
「ザーーーーーーーーーーーブツッ!!」
穂乃果「!!……え?…な、何これ………?…店が………」
穂乃果「何で…!?……こんな………ボロボロなの……?」
穂乃果(そこには信じられない映像が待っていた……)
穂乃果(店の外観は損なわれ、店内もボロボロ、ショーケースのガラスは全て割られ)
穂乃果(床はゴミやら何やらで溢れかえり……)
穂乃果(私の知る和菓子屋『穂むら』は……そこには無かった……)
穂乃果「何なのこれ………何なのこれ!!!」ガタッ
「……可哀想なことに和菓子屋『穂むら』は店をたたまざるを得なくなりました…」
「……家族は一家離散………今どこにいるのでしょうか…?」
「……幸せなはずだった高坂一家の身に、一体何が…!?」
『正解発表は"卒業"の後で!』
穂乃果「………一体……何が起こってるの………?」
海未「……いや……いや……」ガクガク
ことり「…………」ブルブル
花陽「……うぅ……ぐすっ……」ブルブル
希「……これは…一体………」
絵里「………」
にこ「………」
真姫「………」
凛「……嘘にゃ、こんなの……嘘に決まってるにゃ………ははっ………」
ことり「………出なきゃ…」ボソッ
穂乃果「………え…?」
ことり「ここから出なきゃ…!!……今すぐここからッ……!!」
穂乃果「こ、ことりちゃん……?」
ことり「いや……もう…なんで……!?…どうして…………!?」
穂乃果「……ことりちゃん!」
ことり「…!!」
穂乃果「どうしたの?ことりちゃん…?」
ことり「………もう…………もうイヤ…!!」
穂乃果「………」
穂乃果(周りを見回すと、他のみんなも同じような反応だった…)
穂乃果(恐らくはモノクマのDVDのせい…)
穂乃果(場の空気の重さがひしひしと伝わる…)
モノクマ「どうかな?楽しんでもらえたかな?」ニヤニヤ
穂乃果「このDVDの中身………本物なの…?」
モノクマ「ん?………ん~…どうだろうね?」
モノクマ「今のオマエラにそれを聞く勇気はあるのかな?」
モノクマ「まぁボクとしては今ここで絶望に堕ちてもらってもかまわないんだけどさ!!うぷぷぷぷぷ!!」
穂乃果「………」
モノクマ「………ま、ここらで仲良しこよしの学園生活は終わり!」
モノクマ「夢にまで見た『コロシアイ』の始まりが見えてきたね~!」
モノクマ「もうボク楽しみすぎて………ハァハァ…///」
穂乃果「………えない」ボソッ
モノクマ「え?なんか言った?」
穂乃果「そんなこと………絶対ありえない…!」
穂乃果「私達でコロシアイなんて………起こるわけない!!」
モノクマ「はぁ~………キミはなんて甘っちょろいんだろうね…」
モノクマ「和菓子屋の娘は頭の中までアンコまみれなの?どこぞのパン工場のヒーローなの?」
モノクマ「ボク、もうガッカリだよ…」
モノクマ「………ま、キミ以外の人はどうなんだろうね?」ニヤニヤ
穂乃果「え…?」
一同「………」
穂乃果「ちょっと…!みんな……どうしちゃったの…?」
一同「………」
モノクマ「…わかるかい?心が絶望に蝕まれていく様が」
モノクマ「くぅ~w快感だね!!」
モノクマ「………というわけで」
モノクマ「今日はこのへんで!じゃーねー!」
穂乃果「ちょ、ちょっと待って…!」
穂乃果「行っちゃった……」
穂乃果「………」
穂乃果「………みんな」
穂乃果「…とりあえず食堂に戻ろう?」
絵里「……え、えぇ…………そうね…」
───食堂───
穂乃果「………」
海未「………」
花陽「………」ブルブル
絵里「………」
穂乃果(あの絵里ちゃんですら怯えきっている………)
穂乃果(モノクマ……一体何者なの…?)
希「…穂乃果ちゃん」コソッ
穂乃果「希ちゃん……どうしたの?」
希「ちょっと……ええかな…?」
穂乃果「?」
───1F・廊下───
穂乃果「どうしたの?希ちゃん」
希「………うん、実はな………」
希「…ウチ、とんでもないものを見つけてしまってん…」
希「………これなんやけど…」スチャ
穂乃果「!!!」
穂乃果(……ナ、ナイフ…!!)
穂乃果「………希ちゃん……それ……」
希「………」
穂乃果「………」ゴクリッ
希「ん?どうしたん?」
穂乃果「え!?…あ、いや、なんでもないよ…!」
希「これな………うちの部屋の引き出しから見つかったんよ…」
希「何気なく開けてみたら入っとったんや…」
穂乃果「そ、そうなんだ…」
希「穂乃果ちゃんになら話しても大丈夫かなって思ったんやけど…」
希「そうや…!これ、穂乃果ちゃんが預かっておいてくれへん?」
希「穂乃果ちゃんなら信頼できそうやし………ダメ?」
穂乃果「え…?…………うーん………」
穂乃果「…………わかった、私が預かるよ」
希「うん、そうしてくれると思った、よろしくね」
~コトダマ『ナイフ』を入手~
穂乃果「ナイフか……」
穂乃果「もしかしたら……私のところの引き出しにも何かあるのかも…」
希「わからんけど……調べてみたほうがよさそうやね…」
穂乃果「うん、わかった………」
希「ほな、みんなの所に戻ろうか」
穂乃果「うん…」
ドンガラガッシャーン
穂乃果「!!」
希「…何か………良からぬことが起きてるみたいやね…」
穂乃果「………」
───食堂───
海未「二人共いい加減にしてください!!」
凛「……………」
花陽「……………」
穂乃果「海未ちゃん!どうしたの!?」
海未「穂乃果……それが…」
凛「かよちんがそんなこと言うなんて…!」
花陽「だって……だって…しょうがないでしょ…!!」
凛「かよちんは自分が生き残るためならここにいる誰かを殺してもいいと思ってるの!?」
希「ど、どうしたん…?」
海未「それが…」
………
………
一同「………」
花陽「………私」
花陽「………私、ここから出なきゃ……今すぐ……」
凛「……か、かよちん…?……何を言ってるにゃ…?」
花陽「私は……ここから出る…………何があっても」
花陽「………何をしてでも…!」
凛「!!……かよちん…それ、どういうことにゃ…?」
花陽「………私は……私は……ここから…………」ブツブツ
凛「かよちん!!どうしちゃったんだにゃ!?」
花陽「………私は…………必ず…ここから卒業する…………」
花陽「誰かを殺してでも………!!」
一同「…!!」
海未「…というわけなんです………」
穂乃果「……そう…なんだ………」
希「あのかよちんが……そこまで……」
穂乃果「………」
穂乃果(どうしよう……このままじゃ…………)
海未「………穂乃果…」
穂乃果「………」
キーンコーンカーンコーン
一同「!!」
モノクマ「えー、校内放送!校内放送!」
モノクマ「一つ大事なことを忘れていましたー!ボクってばホントドジ…///」
モノクマ「……えーとですね、オマエラのコロシアイ生活を助けるアイテムを用意しています!!」
モノクマ「各個室のベッド脇に棚があるよね?」
モノクマ「その中には………もしかしてもしかすると………」
モノクマ「まぁ……あとは開けてのお楽しみってことで♪」
モノクマ「………以上で~す」
ブツッ
穂乃果(……引き出しの道具…)
穂乃果(多分……あのナイフのことだと思う……)
穂乃果「………ねぇみんな、穂乃果から一つ提案があるんだけど」
絵里「………どうしたのかしら」
穂乃果「今、モノクマが言っていたこと………恐らく罠だと思うんだ」
穂乃果「だから……引き出しは開けちゃダメだと思うの…」
穂乃果「それか……今から各部屋にまわって引き出しの中身を確認するか…」
穂乃果「そのどちらかが最善の選択だと思うんだけど…」
海未「……私は後者に賛成です」
海未「開けないとここで口約束していても陰でこっそり開ける人がいるかもしれません…」
海未「それなら私は各部屋に何の武器があるのかをしっかり確かめたほうがいいかと…」
穂乃果「う、うん……」
穂乃果(海未ちゃん………まるで誰も信用してないような言い方…)
穂乃果(話し合いの結果、各部屋をまわって探索をすることになった…)
───1F・ことりの部屋───
ことり「………ここだよね」
ことり「じゃあ開けてみるね…」
ガチャ……
ことり「?」
ガチャガチャ……
絵里「どうしたの?」
ことり「あれ?これ…開かないよ…?」
海未「…開かない?」
ことり「うん……なんだか鍵がかかったみたい…」
穂乃果「…なら仕方ないね、次の部屋に行ってみよう」
(それから各部屋を順番にまわった…)
(だけど……全部の部屋の引き出しには鍵がかかっていて開くことはなかった…)
(そして…)
───希の部屋───
希「それじゃ……開けるで…」
スチャ…カラカラ……
絵里「!!…開いた…!?」
海未「……中には何が…?」
希「えーと………空っぽ…やね……」
凛「空?……ホントに?」
凛「……ってことは……凛達はモノクマに騙されたのかにゃ!?」
凛「ムカつくにゃ~!!」
にこ「ちょっと待ってよ」
にこ「希……アンタもその引き出し………今開けるよりも前に開けたんじゃないの?」
にこ「それで中身だけ取り出して、どこかに隠してあるとか…」
にこ「………どうなのよ…?」
希「え…?い、いや、そんなわけないやん…!!」
にこ「でもおかしくない?今まで誰の部屋でも開かなかった引き出しが希の部屋だけで開いた」
にこ「でも、中身は空っぽ………おかしいとしか思えなくない?」
凛「で、でも…凛たちがモノクマに騙されただけで本当は武器なんて何も無いってことも…」
にこ「それはどうかしら…」
凛「え…?」
にこ「モノクマが何の意味もなくあんなことを口走るかしら?」
にこ「あまりにも不自然……そうは思わない?」
花陽「……そ、そう言われてみれば……確かに……」
花陽「い、今までのモノクマからして、こんな無駄なことさせるのは少しおかしいような…」
にこ「…そういうこと」
にこ「希、アンタ……本当に何も持ってないんでしょうね…?」
希「…ウチは…何も………」
穂乃果(希ちゃん………)
穂乃果「………みんな、あのね…!」
希「!!……穂乃果ちゃん…」
穂乃果「ごめんね、希ちゃん……でもやっぱり伝えなきゃ……」
希「………」
希「うん……そうやね、隠しておいても仕方ないことやからね…」
穂乃果「うん…」
穂乃果「みんな、実はね……」ゴソゴソ
穂乃果「これ…」
一同「!!」
海未「それ………ナイフ…!?」
海未「どうしてそんなものがここに!?」
穂乃果「うん…、これ実はね…」
希「穂乃果ちゃん、ウチから言わしてくれへんかな…?」
穂乃果「…希ちゃん…………わかった」
希「うん…………みんな聞いてな」
希「……これ」スチャッ
一「!!」同
希「このナイフ………ウチの部屋の引き出しから見つかったモンなんや」
一同「!!」
希「黙ってたことは謝る……でも…………悪気はなかったんや…」
希「ウチは、あんな状況の時にこのナイフを見つけてしまった…」
希「だからあの場でこのナイフのことを言うことは出来なかった…」
希「ホンマに悪いと思ってる…」
希「……ごめんな…」
一同「………」
絵里「……どうして…」
希「……え?」
絵里「どうして……穂乃果だけにしか伝えてくれなかったの…?」
絵里「私達……みんな同じように信頼しているメンバーじゃなかったの…?」
希「…そ、それは…」
絵里「…希にとって私……いや、私達の存在はそんなものだったの…?」
絵里「…穂乃果以外は…!」
穂乃果「!!」
穂乃果「え、絵里ちゃん……ちょっと待ってよ…」
穂乃果「…これには深いわけがあるんだよ…!」
絵里「わけ…?それは私達に話すことの出来ないほどのものなのかしら?」
穂乃果「そ、それは……」
絵里「………どうしたの穂乃果?話せないの?」
穂乃果「………」
絵里「ねぇ……どんな理由なの…?……言いなさいよ!!!」
穂乃果「………」
海未「絵里…」
絵里「………悪いけど今日は部屋に戻らせてもらうわ…」
ことり「絵里ちゃん…」
絵里「………」
絵里「………それと一つ」
絵里「…これからの私達には今までの友情とか絆が通用するとは思えない」
絵里「たった一つのほころびでそんなものは崩れてしまう」
絵里「………たった今…痛感したわ…」
希「エリチ……」
絵里「それじゃ」バタンッ
穂乃果(……その後のことは……よく覚えていない…)
穂乃果(絵里ちゃんが部屋を出たのを皮切りに、みんな口数も減り…)
穂乃果(各自、各部屋に帰って行った……)
穂乃果(そして夜時間が近づいた頃…)
ゴンゴンゴンッ!!!
穂乃果「!?………誰!?こんな夜中に……!?」
穂乃果「…はい………?」ガチャッ
花陽「ほ、穂乃果ちゃん……!!」ゼェゼェ
穂乃果「は、花陽ちゃん…!!どうしたの!?」
花陽「だ、誰かが……!!私の……!!部屋に……!!」
穂乃果「え!?……まぁ、とりあえず中に入って!!」
花陽「あ、ありがとう…」
ガチャン
穂乃果「それで……何があったの!?」
花陽「…そ、それが……私が部屋にいたら……突然部屋のドアノブが……ガチャガチャって……」
花陽「誰かが強引にドアを開けようとしてて………」
花陽「しばらくしたら収まったから………今、逃げてきたの……」
穂乃果「えぇ!?………一体誰がそんなことを!?」
花陽「…わ、わからない………怖くてドアに近づく事もできなかったから……」
穂乃果「…そっか………」
穂乃果「…………ちょっと穂乃果…………見てくる…!!」スタッ
花陽「え!?あ、危ないよ…!!」
穂乃果「大丈夫!!何かあったらすぐに逃げてくるから!!」
穂乃果「だから花陽ちゃんはここにいて!」
花陽「う、うん……気をつけてね……」
───花陽の部屋───
穂乃果「……ここだ…」
穂乃果「…部屋の周りには………誰もいない…」
穂乃果「…花陽ちゃんから借りたカギで……っと」ガチャリ
………
穂乃果「………」
穂乃果「………誰かいますか~……?」
シーン
穂乃果「…誰もいないみたいだね…」
穂乃果「………一応、他のところも見ておこう…」
………
穂乃果「………う~ん…一応見て回ったけど、何も問題はなさそうだね…」
穂乃果「…ただいま」
花陽「あ!穂乃果ちゃん!大丈夫だった!?」
穂乃果「うん、見た感じでは誰もいなかったし、大丈夫だとは思うんだけど…」
花陽「そ、そう……?大丈夫…かなぁ…?」
穂乃果「うん!大丈夫だよ!!」
穂乃果「何なら今日は一緒に寝ようか?」
花陽「え…!!えっ、えっ、……そんな…///」
穂乃果「もー、何照れてるの~…///」
花陽「だ、だって……///」
花陽「……でももう大丈夫…」
穂乃果「ほんと……?」
花陽「うん………心配かけてごめんね…」
穂乃果「ううん、花陽ちゃんが大丈夫ならそれでいいんだけど…」
花陽「う、うん、もう大丈夫だから……心配しないで…」
穂乃果「そっか……」
花陽「それじゃぁ……もう戻るね……」
穂乃果「うん、おやすみ花陽ちゃん」
花陽「おやすみなさい…」バタン
キーンコーンカーンコーン
モノクマ「えー、校内放送でーす。午後0時になりました。ただいまより“夜時間”になります」
モノクマ「間もなく食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す」
モノクマ「ではでは、いい夢を。おやすみなさい…」
ブツッ
穂乃果(……今日もまた一日が終わる…)
穂乃果(………)
穂乃果(……この日々は、いつまで続くんだろう……)
………
確かここからがこの前の続きかな?
キーンコーンカーンコーン
モノクマ「オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました! 起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!」
穂乃果「……う、う~ん…」ムクッ
穂乃果「…朝か」
穂乃果「食堂に行かなきゃ…」
………
穂乃果「…あれ?ここ……」
穂乃果「誰か中にいるみたい…?」
───ランドリー───
穂乃果「あ、花陽ちゃん、おはよう!」
花陽「あ、お、おはよう……」
穂乃果「どうしたの?花陽ちゃん、こんな朝早くから」
花陽「い、いや、実は昨日部屋にいる時にYシャツ汚しちゃって……」
穂乃果「そうなんだ……あ、それと今日はコンタクトなんだね!」
穂乃果「やっぱり、花陽ちゃんはコンタクトのほうが可愛いよ!!」
花陽「そ、そうかなぁ~///」
穂乃果「それじゃ、私、先に食堂に行ってるね」
花陽「う、うん、私も洗濯終わったらすぐ行くね」
───朝・食堂───
穂乃果「おはよ~」
海未「おはようございます、穂乃果」
ことり「おはようっ、穂乃果ちゃん」
絵里「………」
にこ「………」
穂乃果(………)
穂乃果(……まだ……昨日のこと怒ってるのかな……)
穂乃果「……今日は穂乃果が最後じゃないんだ」
凛「希ちゃんとかよちんがまだ来てないにゃ」
穂乃果「あ、花陽ちゃんならさっきランドリーで会ったよ!すぐ来るって!」
ガチャ
花陽「お、遅れてごめんなさい…ハァハァ……」
凛「か~よちんっ!」
凛「おはよっ!」
花陽「あ、お、おはよう凛ちゃん」
穂乃果「えーと……あれ?……希ちゃんはどうしたの?」
絵里「…そういえば、おかしいわね……いつもなら来てるはずなのに」
真姫「まだ寝てるんじゃないの?」
海未「うーん……可能性としてはありそうですが……どうなのでしょうか…?」
にこ「待ってれば来るんじゃないの?『ウチ、おなか空いたわ~』とか言って」
絵里「………」
絵里「…迎えに行きましょう、なんだか嫌な予感がするわ…」
凛「え?」
絵里「おかしいわ、希の身に何かあったのかもしれない」
穂乃果「うーん…………じゃあ行ってみようか…」
───希の部屋───
コンコンッ
絵里「希?希?…いるの?」
………
絵里「希、いるなら返事してちょうだい」コンコンッ
………
絵里「……いないのかしら…」
ガチャッ
絵里「!!……カギ、かかってないみたいね……」
にこ「入ってみましょうよ…」
絵里「……そうね」
にこ「………電気……消えてる」
絵里「……希…?」
穂乃果「……希ちゃん……?」
にこ「……点けるわよ……」
パチッ
一同「!!!!!」
絵里「……の……のぞ……み…………」ガクッ
穂乃果「……の、のぞみちゃん…………」
真姫「いやあああああああああああああああああ」
穂乃果(明かりの点けられた部屋の中…)
穂乃果(私達の眼の前に飛び込んできたのは…)
穂乃果(胸から血を流して床に倒れ込んでいた希ちゃんの姿だった…)
にこ「………何なのよ…これ………いや…」
キーンコーンカーンコーン
モノクマ「死体が発見されました!一定の捜査時間の後、『学級裁判』を開きます!」
ブツリッ
ことり「………学級裁判…?」
凛「………学級裁判があるってことはだにゃ……」
海未「………この中に……」
穂乃果「……犯人が………いる…!」
絵里「……誰が…」ボソッ
絵里「誰が……希を……殺したの……?」ポロッ
絵里「誰が殺したのよおおおお!!!!」ボロボロ
一同「…!!」
絵里「誰が……誰が……グスッ」
穂乃果「……絵里ちゃん………」
穂乃果(………)
穂乃果「…………ねぇ、みんな」
穂乃果「………捜査しようよ…」
穂乃果「……犯人、探さないと…」
穂乃果「……希ちゃんのためにも…!」
海未「……ですが穂乃果、この状況では…」
絵里「……やりましょう…!」
穂乃果「!!……絵里ちゃん」
さるさん大丈夫か?
絵里「こうなってしまった以上、私達に残された手立てはただひとつ…」
絵里「希を殺した……『クロ』を探し出すことよ…!!」
海未「………絵里、大丈夫なのですか?」
絵里「………正直…大丈夫ではないわ………」
絵里「でも…今の私にはこれしか無い………」
絵里「私自身、今目の前で何が起こっているのかも理解できてないわ……」
絵里「………だからこそ、理解したいと思うの…」
絵里「今までのことも……これからのことも……」
絵里「私は必ず希を殺したクロを暴いてみせる…!」
>>113
大丈夫じゃない
穂乃果(こうして絵里ちゃん主導のもと、捜査が始まった)
絵里「……まずは、現場の保存…」
絵里「これからの捜査にあたって犯行現場の保存が最優先されるわ」
絵里「いろんな場所を捜査している時に犯行現場を荒らされてしまったら元も子もない…」
絵里「……誰か……お願いできないかしら…」
一同「………」
絵里「………」
海未「……私に、任せていただけないでしょうか…?」
絵里「海未…」
海未「……ダメでしょうか…?」
絵里「…」
絵里「…………わかった、お願いするわ」
海未「…ありがとうございます」
絵里「……だけど」
海未「?」
絵里「まだ私は海未のことを100%信用しているわけではないわ…」
絵里「アナタがここに残っている間に部屋を調べさせてもらう……いいわね?」
海未「えぇ……かまいません…」
絵里「……それじゃ、早速捜査を始めましょう」
絵里「穂乃果は私と一緒に動いてちょうだい」
ことり「わ、私達はどうすればいい…?」
絵里「ことりたちは各自色んな所を捜査してちょうだい」
絵里「ここの捜査が終わり次第、そっちに向かうわ」
ことり「うん、わかった」
にこ「それじゃ……にこ達も色々探してみる…」
真姫「………」
花陽「……グスッ……」
穂乃果(……みんな……大丈夫かな………)
~捜査開始~
───希の部屋───
絵里「………始めましょうか…」
絵里「……希…」
絵里「……守れなくて、ごめんなさい……」
穂乃果(そう言って絵里ちゃんは希ちゃんに合掌した…)
穂乃果(もちろん穂乃果も…)
絵里「……それじゃ……始めるわよ………」
穂乃果「………うん…」ゴクリッ
絵里「……ふぅ…………触るわよ…」サワッ
穂乃果「………」
絵里「…………人って……こんなに冷たくなるのね…」
穂乃果「………」
穂乃果「………それにしても、希ちゃんの着衣、随分乱れてない…?」
絵里「えぇ……言われてみれば確かに………」
絵里「もしかして……誰かと争って……」
絵里「そのあと刺された……その可能性が高そうね…」
穂乃果「あ!ねぇ、あそこ!」
穂乃果「何か床に散らばってない!?」
絵里「……これは…………ガラス…?」
~コトダマ『散らばったガラス片』~
穂乃果「このガラスは一体……?」
絵里「とりあえずガラスは一旦おいておきましょう…」
絵里「………傷は……胸の下辺りから出血してみたいね…」
穂乃果「うん……何かで刺されたのかな…シャツが真っ赤に染まってる……」
絵里「この傷跡……恐らくは『刃物』ね…」
穂乃果「刃物…」
絵里「凶器は……見たところこの部屋にはなさそうね」
穂乃果「……みたいだね」
絵里「………傷を見てみましょう…」
穂乃果「うん……」
穂乃果(……そう言うと絵里ちゃんは希ちゃんの身体を傷つけないようにゆっくりと服を脱がせていった…)
絵里「…これは…!」
穂乃果「どうしたの!?」
絵里「見て……この傷跡」
穂乃果「え……う、うん…」
穂乃果(…!……あ、穴が……身体に穴が……)
絵里「…穂乃果、大丈夫?」
穂乃果「う、うん……絵里ちゃんこそ大丈夫?」
絵里「私は大丈夫……今のところはね…」
穂乃果(絵里ちゃん……やっぱり無理してるんだ……)
絵里「……それで、この傷跡のところなんだけど」
穂乃果「……あれ?……垂れてる血が……途中で切れてる…?」
絵里「そうなの……そのまま下に流れていくはずの血がここだけ拭われている…」
穂乃果「……犯人に何かで拭き取られたのかな……」
絵里「……少なくともその可能性は低いわね…」
絵里「…もしそうだとすると犯人は一度服を脱がせたあと、もう一度着せてることになるわ」
絵里「この着衣の乱れからしてそれはありえるのかしら…?」
穂乃果「なるほど…」
穂乃果「あ!ねぇ絵里ちゃん!!」
絵里「どうしたの穂乃果!」
穂乃果「希ちゃんの指の方…!…見て!」
絵里「!!……あれは………血…かしら…?」
絵里「………!…もしかして…!」
絵里「……あの拭い取られた下腹部の血………希が自分自身で……」
穂乃果「……もしかしたらそうかも…!」
穂乃果「指のとこに何かヒントが隠されてるかも…!」
絵里「見てみましょう…!」
穂乃果「指には血……」
穂乃果「手の平の下には……っと」
穂乃果「!!…これ……!!ダイイングメッセージじゃない!?」
絵里「なんですって!?」
穂乃果「……『K』って書いてあるね…もう一つ書いてあるみたいだけど…」
絵里「……何かで消された痕があるわね、『×.K』これじゃわからないわ…」
絵里「これが……決定的な証拠になりそうね…」
穂乃果「う、うん……」
穂乃果(『K』……私達の中でイニシャルにKが含まれてるのは「南ことり」「小泉花陽」)
穂乃果(そして「高坂穂乃果」…!!)
穂乃果(……ダイイングメッセージか…)
穂乃果「………あれ?額の上辺りからも血が流れてる…」
絵里「…そういえばそうね、額から顎のあたりまで真っ直ぐに垂れてるわね……」
絵里「……鈍器か何かで殴られたみたいね…」
~コトダマ『額からの出血』~
絵里「やっぱり犯人と争った時に…?」
穂乃果「うーん……どうなんだろう……」
絵里「……とりあえず…………死体……の周りはこのへんでいいわね…」
穂乃果「……うん………」
絵里「一応机の方も調べておきましょう」
穂乃果「そうだね………」
絵里「……これ………タロットカード…」
穂乃果「……希ちゃんのものだね…」
絵里「えぇ……」
絵里「……他にも色々見てみましょう」
絵里「……机の上には……筆記用具、タロットカード、メモ帳……だけみたいね」
~コトダマ『希のタロットカード』~
穂乃果「あれ?そのメモ帳……何枚か破られてない…?」
絵里「…本当だわ…!………もしかするとここにヒントが…?」
穂乃果「その可能性はあるかも…」
絵里「……とりあえずこのメモは回収しておきましょう」
絵里「…それにしても希の字は随分クセがあるわね」
穂乃果「うん、英語の書き方なんて特に」
穂乃果「…そういえばさっきのダイイングメッセージ…」
穂乃果「………この『K』の字、やっぱり希ちゃんが書いたもので間違いなさそうだね…」
絵里「そうね、完全に希の筆跡だわ…」
~コトダマ『希のダイイングメッセージ』~
絵里「とりあえずこの部屋で今調べられるのはここまでね…」
穂乃果「そうだね……あ、そうだ、海未ちゃん!」
海未「はい、どうかしましたか?」
穂乃果「海未ちゃんは何か気づいたこととかないかな?」
海未「……そうですねー………うーん……」
穂乃果「なんでもいいよ、夜中に物音がした!とかさ」
海未「…物音ですか………」
海未「考えてみれば私達の部屋は各部屋防音加工されていますし…音は聞こえないのでは…?」
穂乃果「はっ!そういえばそうだった……」ショボン
~コトダマ『部屋は防音』~
絵里「……次はどこを調べましょうか…」
穂乃果「やっぱり凶器を探すべきなんじゃないかな?」
絵里「そうね……でも、どこにあるのかしら……」
絵里「……凶器……刃物…………!」
絵里「…そういえば穂乃果、あなた……ナイフ、持ってなかったかしら…?」
絵里「…希の部屋で見つかったナイフ」
穂乃果「…え…?……あぁ、それなら部屋にあるよ」
穂乃果「それじゃ取りに行こうか」
───穂乃果の部屋───
穂乃果「…昨日部屋に戻ってきてベッドの下に置いておいたんだ」
穂乃果「……」ガサゴソ
穂乃果「……あれ…?」
穂乃果「…………ない」
穂乃果「え?うそ!?なんでないの!?」ガサゴソ
絵里「どうしたの…?」
穂乃果「ないの……ナイフが………昨日まで確実にあったのに……」
絵里「………」
絵里「…………まぁ…ないなら仕方ないわ、他を探してみましょう…」
穂乃果「……う、うん……」
穂乃果(一体どこに…?誰がこんなことを…?)
穂乃果(でも捜査中もずっとカギを開けっ放しにしてた穂乃果のせいなのかも…)
絵里「……どうしたの?」
穂乃果「……ううん、なんでもない…!」
絵里「そう……ナイフが見つからない以上、今も犯人がナイフを持ってる可能性が高いわ…」
絵里「気をつけていきましょう…」
穂乃果「……うん」
───1F・廊下───
にこ「あ、いたいた」
穂乃果「あ、にこちゃん、どうしたの?」
にこ「私の方でもいろいろと調べてみたから報告しようと思って」
絵里「何か分かったの?」
にこ「各部屋の『電子手帳の使用履歴』を調べてみたの」
絵里「それでどうだったの?」
にこ「いやー、それが…………使用された時間しか出ないみたいで」
にこ「みんな各部屋にそれなりに出入りしてたみたいで……」
にこ「……あんまり参考にはならないかも…」
穂乃果「………そっか……でも、一応見せてもらっていい?」
にこ「あぁ、うん、いいわよ」
穂乃果「うーん……データ量が多すぎてわからない…」
穂乃果「…………あれ?これ……」
絵里「どうしたの?」
穂乃果「ここ………時間が『23:48』って……」
絵里「夜時間……出歩き禁止で、入室できないはずじゃ……」
にこ「あー、あとそのことなんだけど……」
にこ「実は……夜時間でも入れる部屋はあるのよね…」
にこ「昨日なんだけど、にこ、あのあと大浴場に行ったのよね…22時過ぎくらいに」
穂乃果「え…?」
にこ「…生徒手帳にも書いてあるけど」
『2.夜0時から朝7時までを”夜時間”とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。』
にこ「って書いてあるのよ、で、希の決めたルール」
『夜時間の外出は禁止』
にこ「まぁ…これを破るのはいけないって思ったんだけど……」
にこ「にこ達って基本的に晩ご飯食べたら外に出歩かないようにしてたじゃない?」
にこ「……つまり『みんなの中での夜時間』と『校則における夜時間』には時差が生じていたのよ」
にこ「……で、私が思ったのは夜0時までなら実はどの部屋にも入れるんじゃないか…って」
にこ「だとすると……この『23:48』の入室っていうのも納得いかない?」
絵里「確かにそうね…」
穂乃果「……それで、この使用履歴のある部屋って…?」
にこ「えーと……そこは…………確か『ランドリー』だったわ」
絵里「ランドリー…」
穂乃果「……ランドリー、か…」
絵里「……どうしたの?穂乃果」
穂乃果「ランドリーだったら、一人心あたりがあるんだよね…」
絵里「そうなの?」
穂乃果「うん、とりあえず探して話を聞いてみよう…」
にこ「あ、そうだ、それともう一つ」
にこ「部屋の近くにシャッターが降りてたところがあったじゃない?」
にこ「そこ、開いてたわよ」
にこ「見た感じ……『焼却炉』って感じだったけど…」
穂乃果「焼却炉か…………でもとりあえず今はあの人のとこに行ってみよう…!」
とりあえず全力で学級裁判前まで進めるわ
止まったらさるさんだと思って
穂乃果「あ、花陽ちゃん」
花陽「ほ、穂乃果ちゃん…」
穂乃果(まだ怯えきってる……よっぽど怖かったんだろうな……)
穂乃果「大丈夫…?」
花陽「う、うん……」
穂乃果「……それで、花陽ちゃんに聞きたいことがあるんだけど…」
花陽「…ど、どうしたの…?」
穂乃果「今日の朝、花陽ちゃんランドリーにいたよね?」
花陽「う、うん……」
穂乃果「何かおかしなこととかなかった?」
花陽「おかしなこと…?」
穂乃果「うん、思い出せる範囲でなんでもいいんだけど…」
花陽「うーん………うーん………………ごめん…何もないや…」
穂乃果「そっか……」
花陽「……うん……ごめんね……」
絵里「……振り出しに戻っちゃったわね…」
穂乃果「うーん……」
穂乃果(……でも一応ランドリーの使用記録は残しておこう)
~コトダマ『ランドリーの使用記録』~
絵里「……そういえば…消えたメモの行方も気になるわね…」
穂乃果「あぁ、あの机にあった」
絵里「……もしかしたらアレにはなにか重大な秘密が隠されていた……」
絵里「それを見つけた犯人はそれを処分した…」
絵里「………紙を手っ取り早く処分するには…?」
絵里「ここまで言えばもう分かるわね?穂乃果」
穂乃果「………そうか!…焼却炉…!」
───1F・焼却炉───
絵里「ここね…」
穂乃果「…じゃあ早速焼却炉の中を調べてみようか…」ガチャリ
穂乃果「うーん……なんか、あんまり使われた形跡すら無いんだけど…」
絵里「………それで、何か見つかったかしら?」
穂乃果「う~ん…………灰しか無い…」
絵里「紙は燃えれば灰になる…それもそうね」
穂乃果「もー!無駄足でしか無いよー!」
絵里「それはどうかしら?」
穂乃果「え?」
絵里「使われた形跡があまりない、と言ったわね?」
穂乃果「うん、それがどうかしたの?」
絵里「つまりここから推測できるのはこの焼却炉が使われたのは最近だということ」
穂乃果「どうして?」
絵里「考えてみて、ここのシャッターが開いたのはいつだったかしら?」
穂乃果「うーん……多分、昨日の夜か今日の朝かな?」
絵里「そう。なら、可能性は一つ」
絵里「ここを開いていることを知った犯人が使用した可能性が大きいわ…!」
穂乃果「…!!……じゃあ希ちゃんのメモを燃やしたのは……」
絵里「……犯人の可能性が高いわね…!」
~コトダマ『希のメモ帳』~
絵里「………さて」
絵里「ここまででだいぶ証拠は集まったわね」
穂乃果「そうだね…」
絵里「……あとは凶器の居場所だけね…」
絵里「……穂乃果、こんなこと言うのも何だけど…」
穂乃果「どうしたの?」
絵里「もう一度穂乃果の部屋を調べさせてもらってもいいかしら?」
穂乃果「う、うん……いいけど……」
花陽「あ!穂乃果ちゃん!」
穂乃果「あ、花陽ちゃん、どうしたの?」
花陽「じ、実はね、私…思い出したことがあって……」
穂乃果「え!!そうなの!?」
花陽「…う、うん……」
穂乃果「なになに!?聞かせて!!」
花陽「うん……」
花陽「え、えーと……昨日の夜なんだけど…」
花陽「私が穂乃果ちゃんの部屋に行ってから戻ってきたあとなんだけど…」
花陽「部屋にいたら、なんだか遠くのほうで物音がしたんだよね…」
花陽「何の音かはわからないんだけど……」
穂乃果「そっか……もしかしたら希ちゃんの事件に関係してるのかも……」
穂乃果「花陽ちゃん、教えてくれてありがとう」
花陽「う、ううん、参考になったかわからないから…」
穂乃果「ううん、あんな状況だったのに……思い出させてごめんね……」
花陽「わ、私は大丈夫だから…!」
穂乃果「うん……ありがとう」
絵里「……それじゃ、穂乃果」
穂乃果「うん……私の部屋だよね」
絵里「行ってみましょうか」
ガチャ
絵里「穂乃果、あなた自分の部屋に鍵かけてないの?」
穂乃果「うーん……だって誰も入ってこないと思うし」
穂乃果「それに入ってきても穂乃果がいなければ出て行くでしょ?」
絵里「……あなたは危機感がなさすぎるわ…」
絵里「これからは必ず鍵をかけるようにしなさい」
穂乃果「う、うん…」
コンコン
穂乃果「はーい?」
海未「失礼します」
海未「他の皆も大体の捜査が終わったので集まらせていただきました」
穂乃果「あ、そうなんだ………それで、何かわかった?」
にこ「私はさっき報告したことぐらいね」
穂乃果「他のみんなは?」
凛「申し訳ないにゃ…」
真姫「ごめんなさい…」
ことり「ごめんね…」
穂乃果「そっか……それじゃ今私達がわかってることを報告するね」
<現状でわかっていることを報告した>
海未「…なるほど」
一同「……う、うーん……?」
穂乃果(……この空気から察するにちゃんと理解してるのは海未ちゃんだけだね…)
海未「……それで、今、絵里と穂乃果の二人がこの部屋にいるのは?」
絵里「……消えた凶器を探すためよ」
穂乃果「穂乃果がベッドの下に隠しておいたナイフをもう一度探そうって絵里ちゃんが」
海未「そうなんですか…」
絵里「じゃあちゃっちゃと調べちゃいましょうか」
穂乃果「うん……多分無いとは思うんだけど……」ゴソゴソ
!!
穂乃果「痛っ!!」
絵里「どうしたの穂乃果!?」
穂乃果「な、何かが……指に……」
穂乃果「……これ…」
絵里「ナイフ…!!」
一同「!!」
穂乃果「うそ……さっきまでなかったのに…!」
にこ「……やっぱり……アンタだったのね…!」
穂乃果「え…?」
にこ「……最初から怪しいと思ってたのよ…」
穂乃果「え……?……え…?」
にこ「ナイフの存在を最初から知ってたのもアンタと希だけだったし」
にこ「何より…アンタに預けたナイフがこの部屋から見つかったんじゃ言い逃れできないでしょ…!」
にこ「そんな血まみれの状態じゃ…!!」
穂乃果「…こ、これは……何かの間違いで……!!」
キーンコーンカーンコーン
モノクマ「えー、ボクも待ち疲れたんでそろそろ始めちゃいますか」
モノクマ「お待ちかねの学級裁判を…!」
モノクマ「ではでは、学校エリア1Fにある赤い扉にお入りください」
ブツッ
絵里「どうやら……捜査はここまでみたいね……」
穂乃果「そ、そんな…!待ってよ!!まだ…!!」
にこ「……行きましょ、クロはとっとと裁いてあげないとね…!!」
穂乃果「に、にこちゃん……」
───1F・エレベーター前───
モノクマ「うぷぷ、みんなそろいましたね」
モノクマ「そのエレベーターがオマエラを裁判場まで連れてってくれるよ」
モノクマ「……オマエラの運命を決める裁判場へね…!」
一同「!!」
穂乃果(……そして……幕は開く…)
穂乃果(命がけの騙し合い……命がけの言い訳……)
穂乃果(命がけの裏切り……命がけの謎解き……)
穂乃果(命がけの……)
穂乃果(学級裁判……!!)
よし
今日は終わり
明日の昼頃から続き書こうと思ってるけど
この感じじゃ落ちそうだね…人いないみたいだし…
このSSまとめへのコメント
今さらなんだが続き見たい
これ続きないのかな
続き...見たいな。
続きめっちゃみたいわ…
え···続き···クロ···。
部屋は防音のはずなのに遠くから物音っていうのは不自然だね…
ほかはわからないねぇ
続きが気になる
もう続きでないのかね
続きないんですか?(/)・ω・(ヾ)つらいむ
続き期待