俺「杏子ちゃんイタリア料理を食べに行こう」杏子「やだよ……」 (39)

俺「いいから行くよ」グイッ

杏子「あっ、おい!」

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~イタリア料理店~

杏子「くっ……」カチャカチャ

俺「杏子ちゃん、ナイフは右手で持つんだよ」

杏子「わかってるよ……!」

俺「ナイフでお肉刺しちゃ駄目だよ、知らないの?」

杏子「っ……」

俺「ナイフじゃなくてフォークで食べるんだよ」

杏子「……」カチャン

俺「どうしたの?」

杏子「もういい……」ガタッ

俺「まだお肉残ってるよ?」

杏子「うるせぇっ!」タッタッタッタッ

俺「杏子ちゃん!」

~裏路地~

俺「はぁ……はぁ……。急にお店出て行っちゃってどうしたの?」

杏子「……」

俺「お腹いっぱいになっちゃったの?デザートなら食べられるでしょ?
   デザートはまだだから店に戻ろうか」

杏子「戻らない」

俺「どうして?杏子ちゃん甘い物好きなのに……」

杏子「好きじゃない」

俺「杏子ちゃん……」

杏子「私が……」

俺「ん?」

杏子「私がナイフとか使える訳ないだろ」

俺「え?」

杏子「私が……どうやって肉を食えばいいかとか知ってる訳ないだろ!!」

俺「……杏子ちゃん」

杏子「なんで……なんで」

俺「ちょ、ちょっと……」

杏子「なんで……いじめるんだよぉ……」ジワッ

俺「う……」

杏子「ナイフとか使えないのにぃ……」ジワワッ

俺「ごめん……」

杏子「う……うわぁぁぁぁぁぁん」

俺「……」

杏子「ナイフで……ヒック……食べちゃ駄目とか……ヒック……知ってる訳ないのに"ぃぃ……」

俺「杏子ちゃんが喜んでくれると思って……ごめん」

杏子「イタリアンなんかじゃなくて……ヒック……いいのに……うわぁぁぁぁぁぁぁん……」

俺「そう……だね」

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杏子「ヒック……ヒック……グス」

俺「落ち着いた?」

杏子「……うん」

俺「杏子ちゃんが嫌がってる事気付けなくてごめん」

杏子「……もういいよ」

俺「これからはああいうお店はやめておくよ」

杏子「うん」グゥ~

俺「……食事途中だったし、お腹空いちゃったね」

杏子「ちょ……ちょっとだけ///」

俺「じゃあたこ焼きでも食べようか」

杏子「うんっ!」



                         ~終わり~

僕が初めてSSを書ききりました
それもこれも応援してくれたみなさまのおかげです
正直、はじめのうちは方向性が定まらずに不安でした
それでも、みなさんの時に暖かい、時に厳しい指摘が刺激となり、この物語を完結させることができました
ほんとうにありがとう

俺+杏子「「ありがとうがざいました」」

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