俺「いいから行くよ」グイッ
杏子「あっ、おい!」
──
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~イタリア料理店~
杏子「くっ……」カチャカチャ
俺「杏子ちゃん、ナイフは右手で持つんだよ」
杏子「わかってるよ……!」
俺「ナイフでお肉刺しちゃ駄目だよ、知らないの?」
杏子「っ……」
俺「ナイフじゃなくてフォークで食べるんだよ」
杏子「……」カチャン
俺「どうしたの?」
杏子「もういい……」ガタッ
俺「まだお肉残ってるよ?」
杏子「うるせぇっ!」タッタッタッタッ
俺「杏子ちゃん!」
~裏路地~
俺「はぁ……はぁ……。急にお店出て行っちゃってどうしたの?」
杏子「……」
俺「お腹いっぱいになっちゃったの?デザートなら食べられるでしょ?
デザートはまだだから店に戻ろうか」
杏子「戻らない」
俺「どうして?杏子ちゃん甘い物好きなのに……」
杏子「好きじゃない」
俺「杏子ちゃん……」
杏子「私が……」
俺「ん?」
杏子「私がナイフとか使える訳ないだろ」
俺「え?」
杏子「私が……どうやって肉を食えばいいかとか知ってる訳ないだろ!!」
俺「……杏子ちゃん」
杏子「なんで……なんで」
俺「ちょ、ちょっと……」
杏子「なんで……いじめるんだよぉ……」ジワッ
俺「う……」
杏子「ナイフとか使えないのにぃ……」ジワワッ
俺「ごめん……」
杏子「う……うわぁぁぁぁぁぁん」
俺「……」
杏子「ナイフで……ヒック……食べちゃ駄目とか……ヒック……知ってる訳ないのに"ぃぃ……」
俺「杏子ちゃんが喜んでくれると思って……ごめん」
杏子「イタリアンなんかじゃなくて……ヒック……いいのに……うわぁぁぁぁぁぁぁん……」
俺「そう……だね」
──
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杏子「ヒック……ヒック……グス」
俺「落ち着いた?」
杏子「……うん」
俺「杏子ちゃんが嫌がってる事気付けなくてごめん」
杏子「……もういいよ」
俺「これからはああいうお店はやめておくよ」
杏子「うん」グゥ~
俺「……食事途中だったし、お腹空いちゃったね」
杏子「ちょ……ちょっとだけ///」
俺「じゃあたこ焼きでも食べようか」
杏子「うんっ!」
~終わり~
僕が初めてSSを書ききりました
それもこれも応援してくれたみなさまのおかげです
正直、はじめのうちは方向性が定まらずに不安でした
それでも、みなさんの時に暖かい、時に厳しい指摘が刺激となり、この物語を完結させることができました
ほんとうにありがとう
俺+杏子「「ありがとうがざいました」」
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