教室
ざわざわ……
番長「はやくしろ!!」グイッ
男「わかったから引っ張るな」
「まただよ」
「いつもなにされてんの?」
「噂だとカツアゲのターゲットにされてんだって」
「かわいそう……」
体育館裏
番長「ほらよ、今日はタコさんウィンナーを作っておいたからな!」
男「お前、普通に渡せないのか?」
番長「ふ、普通に渡してるだろうがよ!!あぁ?!」
男「まあ、いいけど。ありがとう」
番長「べ、別に!ちょっと材料が余っただけだからな!!勘違いすんな!!」
舎弟「アネキー!!」
番長「ちっ……」
舎弟「またカツアゲっすか!?」
番長「お、おう。そうだ」
舎弟「へへ、お前いつもごくろーっすね」
男「……それじゃあ、もういいか?」
番長「い、いいぞ」
男「……」スタスタ
舎弟「アネキ、まじかっけーっす!!惚れ惚れしちゃうっすよ!!」
番長「うっせー」
舎弟「アネキはほんと学校一の悪っすよね!!」
番長「……」
番長(お弁当を渡しているだけだが)
教室
番長「……」
ざわざわ……
番長「なんだこらぁ?こっちみてんじゃねーよ」
「……」
番長「オレに意見のあるやつは遠慮なくこいよ、おらぁ」
(こわ……)
(関わらないようにしないとな)
(変な学校にきちまったなぁ)
番長「……」
番長(あー、友達欲しいな)
舎弟「アネキー、飲み物かってきたっす!!」
番長「んー」
舎弟「どうぞ!!」
「また後輩をパシらせてるぞ、あいつほんと最悪だな」ヒソヒソ
キンコーンカーンコーン
教師「……」オドオド
「きりーつ、れい」
教師「あ、うん。じゃあ、えっと……56Pを開いて」
番長「……」ジーッ
教師「ひっ……」
教師(あいつ……。また俺のことを睨んでる……)
教師(文句があるなら授業にでるなよな……)
番長(やっぱ眼鏡買おうかな……。後ろの席だと黒板の字がみえねえわ)
教師「で、では……始める……。お前、読んでみろ」
「はい」
番長「ふわぁ……」
番長(眠いなぁ……)
教師「……」オドオド
放課後
番長「……」ガタッ
ざわざわ……」
番長(確か掃除当番だったな)
番長「おい」
「な、なに……?」
番長「オレ、掃除当番だったな?ん?」
「か、かわります!!かわります!!」
番長「……」
「僕がやります!!どうぞ帰ってください!!」
番長「そうか。ありがとよ」
番長(いつも掃除しねーから、もういつ当番かわかりゃしねえ)
「な、ぐられるかとおもった……」
「また威圧して掃除を押し付けたぞ……」
「最低だな……」
通学路
舎弟「アネキ!!」
番長「なんだよ」
舎弟「そろそろあれっすよ、他校に殴りこみとかしませんか?」
番長「しねーよ」
舎弟「いや、アネキはいつまでもあんな場所で燻ってていい人じゃないとおもうんすけど」
番長「オレはあそこで満足してる」
舎弟「ほんと、アネキは無欲というか―――」
不良「よう」
番長「あ?」
不良「お前、最近噂になってる女だな?」
番長「しらん」
不良「ちょっと顔かせや」
番長「ナンパはお断りだ」
不良「ちげーよ。てめえがいかに小物か分からせてやるっていってんだよ。いいからこい!!」
空き地
ざわざわ
番長(なんだ……こいつら……?)
舎弟「ひぃぃ……怖い人がいっぱいいるっすよ……アネキぃ……)
不良「で、まあ、話は簡単だ。俺たちの女になれよ。断ったら……わかってんだろ?」
番長「は?」
不良「てめえだって、俺たちとつるんだほうが良い思いできるぜ?」
「へへ……」
「結構、いい女じゃねーか……」
番長「……帰る」
舎弟「アネキ!」
不良「まてこら」ガシッ
ドゴォ!!
不良「がぁ……!!」
番長「オレに触るな。スケベ」
「やろう……調子に乗ってんじゃねえぞ……」
「女だからって手加減しねえぞ、こら」
番長「なんだよ。ちょっと手を払おうとしただけだろ」
不良「ゆるさねえ……犯してやる……」
番長「……」
舎弟「アネキぃ……!!」
番長「逃げよう」
舎弟「は、はい!!」
不良「逃がすかぁ!!!」
番長「なんでいつも変なやつに目をつけられるんだ……」ピッピッ
舎弟「たすけてぇ!!」
番長「もしもし?助けてくれ。うん。うまくそっちに誘導するからよ」
不良「おらぁ!!まてぇ!!」
番長「よろしくな」ピッ
舎弟「しぬー!!」
番長「あそこ、曲がるぞ」
舎弟「うっす!!」
番長「……」ダダダッ
不良「曲がったぞ!!」
「おらぁ―――あ?」
大男「……」
不良「だ、だれだ……てめえ……?」
大男「おら、こいよ」
不良「あ、あぁ?」
大男「威勢がいいのは面だけか?」
不良「て、てめ……!!殺すぞ……こらぁ!!」
大男「……いいからこい。正当防衛にしないと殴れない」
不良「ふざけんなぁ!!!」
大男「ぬんっ!!」
バキィ!!
番長「―――倒したか?」
大男「うむ」
不良「ぁ……ぉ……」ピクピク
番長「いつもわりいな」
大男「気にするな」
番長「へへ」
舎弟(でたー!!アネキの右腕!!!)
大男「じゃ、帰る。お前も遅くならんようにな」
番長「はいよ」
舎弟(アネキはほんと、底知れないなぁ……)
番長「あ?なんだ?」
舎弟「一生、ついていくっす!!」
番長「はいはい」
舎弟「アネキー!!愛してるっす!!」
番長「黙れ」
大魔法峠の女番長で再生
自宅
番長「ただいまぁ」
大男「おかえり」
番長「お兄ちゃん、またパンツ一枚でうろついて……」
大男「楽だからな」
番長「ふざけんな。見せ付けられるほうの身にもなれや、カス」
大男「折角、悪漢から助けてやったのに」
番長「それは感謝してるけど……」
大男「お前はその目つきの悪さと態度と口調を直せ。そんな絵に描いたようなスケバンのままじゃいつまでも不良グループに目をつけられるぞ」
番長「あ?!オレは普通の女の子だよ!!スケバンなんかじゃねーよ!!」
大男「おう?マジか?バカだな、お前」
番長「脳筋にいわれたくねえな!!」
大男「料理だけじゃなくて茶道とかも習ってみたらどうだ?」
番長「やかましい!!いいから服きろ!!」
大男「わっはっはっは!!」
男の部屋
男「……」カキカキ
ガンガン
男「……あいてるぞ」
ガラッ
番長「あー!!くそ!!はらたつぜー!!!」
男「屋根伝いに入ってくるなり愚痴かよ」
番長「きいてくれよー!!お兄ちゃんがオレのことをスケバンとかいうんだぜー!!ありえねーだろ!!」
男「……」
番長「お前からもなんか言ってくれよ!!なぁ!!」
男「あとでな」
番長「あぁ?なにしてんだよ?」
男「勉強」
番長「昔からそうだよな。お前はいっつも勉強勉強だ。勉強ばっかりだ!!」
男「用がないなら帰れ」
番長「DSかせよ」
男「そこの棚にあるだろ」
番長「よっしゃ。どうぶつの森の続きでもすっかなぁ」
男「自分の部屋でやればいいだろ」
番長「向こうは裸族のバカ兄がいるから嫌なんだよ。察せよ」
男「……勉強の邪魔なんだが」
番長「魚でも釣るかなぁ」
男「……今日も噂されてたぞ?」
番長「なにがだ?」
男「番長がいるってな」
番長「番長?そんな前時代的なあだ名のやつがいるのか?」
男「だから、お前のことだって」
番長「はぁ?なわけねーだろ。なんでオレが番長なんだよ。ちょっとは脳みそつかえよ」
男「……」
番長「お、きたきた!!おら!!―――つれたぜ!ヒャッハー!!」
男「そんな態度じゃ、いつか痛い目みるぞ?」
番長「しらねーし。お、そろそろ時間か。おい、小腹すいてねーか?」
男「まぁ、少しは」
番長「おし。クッキー焼いてきてやるよ。食うだろ?」
男「お、おう」
番長「少し待ってろ」スタスタ
男「……」
台所
番長「おばさん、台所かりるぜー」
「あら、きてたの?いい加減、玄関から入ればいいのに」
番長「屋根伝いのほうが近いし、いいだろ?」
「昔から変わらないわねえ……」
番長「おばさんもクッキー食うか?」
「ええ、頂こうかな」
番長「任せろ。すぐにケリをつけてやるぜ!!」
番長「おらぁぁ!!」バーン
男「ノックしろ」
番長「ほらよ!焼けたぜ!!」
男「頂きます」パクッ
番長「ふん。最高傑作だ、どうよ?」ムフー
男「ああ、うまいな」
番長「だろぉ?ま、オレにかかればこんなもんよ」
男(目つきの悪さは仕方ないにしても、日頃の態度と口調さえ直してくれれば完璧なんだけど……)
番長「なにガンたれてんだよ?あぁ?」
男「別に」
番長「さてと、ゲームの続きでもすっかなぁ」
男「……」
番長「お。よし、手紙を出しとくか。くらえ!!」ピコピコ
男「はぁ……」
夜
男「……」
番長「夜飯は?」
男「母さんが作ってくれるからいい」
番長「そうかよ。はっ!!マザコンがぁ!」
男「いいから帰れ!!毎日毎日何時間も居座るな!!」
番長「けっ。男のくせにケツの穴が小さいな」
男「普通の女の子はそんなこと言わない」
番長「なに?そうなのか。よし、ケツ穴は封印する」
男「そんなんだから番長って呼ばれるんだよ……」
番長「んじゃ、帰るか。お兄ちゃんが餓死しても気分わりいし」
男「お前もブラコンだよな」
番長「ざっけんな!!もっぺんおってみろよ!!こらぁ!!!」
男「また明日な」
番長「ふんっ……!!」
>>47
声あったっけ
>>75
第一話から絡んでただろ
翌朝
男「いってきまーす」
「気をつけてねー」
男「……」ピンポーン
大男『おはよう!妹はまだ寝てるぞぉ!』
男「あいつ、月に一度ぐらいしか起きてきませんね」
大男『そういうな。朝早くに弁当つくってからもう一度寝てるんだから』
男「お兄さんも起こしてあげればいいのに」
大男『あいつが可愛いのは寝顔だけだからなぁ!起こすなんてもったいない!!わっはっはっは!!』
男「じゃあ、先にいきます」
大男『うむ!!』
男「……」
男「行くか」スタスタ
大男「ま、あいつも毎朝律儀だなぁ」
番長「寝過ごしたぁぁ!!!!!」ダダダダッ
大男「おう。あいつはもう行ったぞ」
番長「いい加減、おこせや!!!」
大男「わっはっはっは。寝直すお前が悪い」
番長「誰が朝ごはんを用意してやってると思ってんだよ!!あぁ!!」
大男「早く用意しろよ」
番長「くそ……!!あいつも待ってくれればいいのによぉ……!!!」
ピンポーン
大男「む。第二の刺客がきたぞ」
舎弟『アネキー!!迎えにきました!!!』
番長「……」
大男「あの子も熱心だなぁ!わっはっはっは!!」
番長「ちくしょう……」
舎弟『アネキー!!』
通学路
舎弟「アネキ、今日は学校ふけて、ゲーセンにでもいきますか?」
番長「いかねーよ」
舎弟「そっすか」
番長「……」
ヒソヒソ
「番長だ……」
「何気に登校時間が普通だから困るよね」
「あれだろ。カツアゲできそうなやつを探してるんだろ」
「こわ……別の道からいこうかなぁ」
番長(なんかみんながこっちみてるな……)
舎弟「へっ、全員アネキにぶるっちまってるんすよ!!」
番長「なんでだ?」
舎弟「アネキだからっす」
番長「意味がわかんね」
学校 校門
教師「おはよう」
「おはようございまーす」
教師「おは―――」ビクッ
番長「あ?」
教師「な、なんだ……?その目は……!」
番長「……」
教師(こいつ……教師の俺をなめてやがるな……!!)
番長(こいつ……ズボンのチャックあいてやがる……)
舎弟「お、アネキ。喧嘩っすか?」
番長「ちげーよ……」ジーッ
教師「お前……いい加減に……!!」オドオド
番長「……お前、自分のこと見直せよ。恥ずかしいな」
教師「な……に……!?」
番長「じゃあな」スタスタ
教室
舎弟「くぅー!!アネキ、超最高っす!!センコーもびびってましたよぉ!!」
番長「……おい」
舎弟「あ、ジュースっすね!!待っててくださいっす!!」ダダダッ
番長「あ……」
ひそひそ……
「またパシらせてる」
「もうすぐ授業がはじまるのにね」
番長(チャイムが鳴るから教室にいけって言いたかったのに……)
番長「ま、いいか」
舎弟「―――アネキー!!!買ってきたっす!!!」
番長「早いな」
舎弟「もうなれたっすから、えへへ」
番長「ふーん。陸上競技でもやればいいのに」
舎弟「アネキのためだから早く走れるっすよ!!」
昼休み
番長「おらぁ!!」
男「……」
番長「いくぞ」
男「普通に誘えよ」
番長「あぁ?」
男「なんでもない」
番長「ふん」ズルズル
ざわざわ……
「引き摺られていったぞ……」
「そろそろ先生にいったほうがよくね?」
「お前、いえるのかよ?俺はやだぞ」
「確かにあとで何されるかわかんねえな」
「大丈夫だって。噂が流れているから、先生たちの耳にも入ってるはずだし」
「そうなのか」
>舎弟「またカツアゲっすか!?」
>番長「お、おう。そうだ」
キャラ設定ェ…
体育館裏
番長「ほらよ」
男「いつも思うんだけど。教室で渡せよ」
番長「あぁ!?他の奴がいるところでなんて恥ずかしくて渡せるかよ!!」
男「なんで?」
番長「てめーはオレのカレシか?ちげーだろ?」
男「まぁな」
番長「それなのに弁当とか渡してると……へ、変な噂が立つだろーがよ!!」
男「いや……違う噂で持ちきりなんだけどな」
番長「全く、空気よめよな……!!」
男「お前がそれでいいならいいんだけどさ……」
番長「今日はあれだ。卵焼きが会心の出来なんだ。味わえよ」
男「わかった」
舎弟「アネキー!!!今日もおつかれさまっす!!」
番長「うおぉ!?」
舎弟も結構うざいと思うが
舎弟「また、こいつっすか。アネキもすきすねー」
番長「ばっ……!!!好きじゃねー!!!ふざけんな!!!」
舎弟「好きでやってるんじゃないんすか?」
番長「いや……まぁ……ょうり……は、好きだけど……」
舎弟「お前も毎日アネキに貢いでたいへんっすね!!」
男「それじゃあな」
舎弟「お。無視っすか?」
男「……」
舎弟「自分はアネキの舎弟っすよ?つまり、お前をアゴで使ってもいいんすよ?そのへん理解できてるっすか?あーん?」
男(チビのくせに態度だけは大きいな)
舎弟「なんすか?やるっすか?」
男「帰る」
番長「お、おう」
舎弟「へっ!!このインポやろう!!」
男「……」スタスタ
舎弟「今日はどれだけカツアゲしたっすか?」
番長「うっせーな。黙ってろ」
舎弟「うーっす」
番長「……」
番長(はぁ……連れ出す場所を変えてみるか。いつも邪魔されるし……)
舎弟「アネキ!!今日は帰りにゲーセンよっていきましょうよ!」
番長「あー?なんでだよ?」
舎弟「ほら、新しい格ゲーがでたんすよ」
番長「一人で行けよ」
舎弟「やだやだ!!!アネキと一緒がいいっす!!」
番長「……」スタスタ
舎弟「アネキー!!」
番長「校門のとこでまってろよ……ったく」
舎弟「あざすっ!!」
番長(今日はクッキーを焼けそうにないな……)
放課後 ゲーセン
舎弟「こっちっすよ!!」
番長「はいはい」
番長(普通の女の子はこんなとこにこねーよな……)
舎弟「あったっす!!」
番長「やれよ。見ててやるから」
舎弟「うっす!!!」
番長(あー。うるさ。耳がいたくなるな)
舎弟「へっへー。軽く全クリしてやるっすよ!!」ガチャガチャ
番長「……」
舎弟「おらおらー!!!ひゃっはー!!」ガチャガチャ
番長(空中コンボもできてねーし、レバーをガチャガチャしてるだけじゃねーか。全く、にわかだな)
番長(見ててイライラする……)
舎弟「―――な!?乱入されたっす!!!」
番長「しらねーよ。そりゃされるだろ」
舎弟「良い度胸っすね。軽く一捻りにしてやるっす」
番長「……」
舎弟「おらおらー!!!」ガチャガチャ
舎弟「む……やるじゃないっすか……!!」ガチャガチャ
番長(相手のほうがうまいな……)
舎弟「あ!?」
『KO!!』
舎弟「まだっす……。一本とられただけっすよ!!」
番長「画面に集中しろ。あと、相手は対空が得意っぽいから地上戦で攻めろ」
舎弟「うっす!!―――おりゃりゃりゃ!!!」
番長「……」
『KO!!』
舎弟「……」
番長「完敗だったな」
舎弟「くそ……!!!ざけんな……!」ウルウル
舎弟「アネキの前で恥をかかせやがって……!!どんな野郎か面を拝んでやる!!!」ウルウル
番長「まて。お前の負けだろう。負けたからってそういうことはするな」
舎弟「だって……!!だって……!!!なけなしの小遣い……が……!!」ポロポロ
番長「どけ」
舎弟「え……アネキ?」
番長「……」チャリーン
舎弟「仇、とってくれるんすか?!」
番長「ちげーよ。やってみたくなっただけだ」
舎弟「アネキー!!!がんばれー!!ファイトっす!!」
番長「……」
『ファイト!!』
番長「……」ガッガッ
舎弟「おぉ!!!すげー!!!アネキすげー!!!コンボがとまらねー!!!」
『KO!!』
番長「―――ふん、大した奴じゃないみたいだな。こりゃ、オレの勝ちだわ」
ザワザワ……
「おい、こっちこいよ。すげー女がいるぞ」
「おいおい。なんだ、あのコンボ。みたことねー」
「つえー」
舎弟「アネキー!!そこだー!!」
番長「……」ガガッ
『KO!!』
舎弟「うっは!!これで20人抜きっすよー!!!」
番長「あ、そろそろかえらねーと」
舎弟「まじっすか?100人抜きしましょーよ」
番長「そんな暇ねーよ」
不良「よう。また会ったな。糞女」
番長「あ?」
不良「結構やるみてーじゃねーか。相手してくれよ」
番長「悪い。もう帰るとこだ。譲ってやるから勝手にしろ」
不良「逃げんのか?はっ、俺に負けるのが怖いってか?」
番長「……んだと?てめーなんか余裕だっつーの」
不良「よし。じゃあ、勝負だ」
番長「……」
不良「負けた方が何でも言うこときくってどうだ?」
番長「はぁ?なんだよ、それ」
不良「そのほうが燃えるだろ?」
番長「くだらねー」
不良「いくぞ」
番長「はいはい」
舎弟「アネキー!!がんばれっす!!!」
不良「ひゃははは」
不良(このシリーズはやりこんでんだよ。俺が負けるわけねーだろ)
番長(勝って、もう付き纏うなって言うか)
『ファイト!!』
『KO!!』
番長「……!?」
舎弟「アネキ……!!」
不良「ひゃははは!!!よえー!!!」
番長(手も足もでなかった……)
不良「次で終わりだぜ?!」
番長「……」
舎弟「アネキがまけるかー!!」
番長(やばい……強い……)オロオロ
番長(くそ……!!)
舎弟「やっちまってください、アネキ!!」
番長「……」オロオロ
舎弟「アネキ?」
『ファイト!!』
番長(負ける……)
男(……あいつ、ゲームセンターに行くとか言ってたな……あそこ不良のたまり場だからなぁ……)
男(絡まれてなきゃいいけど……)
ウィーン
男「……」キョロキョロ
ワー!!ワー!!!
男「なんだ……?」
不良「不良コンボだぁ!!ひゃはははは!!!」ズガガガガ!!!
舎弟「アネキー!!!」
番長「このやろ……!!!」
不良「ひゃははは!!もうしまいだー!!」
不良(へへ。ぜってー連れとまわしてやる……!!)
不良「ひゃははは!!今から楽しみ―――ん?」
不良「あ、あれ……なんだ……急に動きが……かわった……」
不良「おぉぉ??なんだ……いきなりつよく……?!なっ!?」
『KO!!』
不良「まけた……。ちっ。まぐれだ!」
『ファイト!!』
不良「俺が負けるわけねーだろ!!!ひゃははは―――あ?」
不良「お、おい……なんだよ……これ……くっ……ちょ……!!」
不良「うぁ!?」
『KO!!パーフェクト!!』
「すげー!!無限コンボっぽいぞ」
「いや。あれは無限じゃないけど、隙がなさすぎるな」
「あんなプレイもできるのか。勉強になった」
不良「な、なんだと……?」
番長「んじゃ、またな」
舎弟「……」
不良「てめ……!!」
番長「ああ、そうそう。なんでも言うこと聞くんだよな?―――もう二度と、目の前に現れんな」
不良「やろう……!!」ギリッ
番長「……」スタスタ
舎弟「アネキ、なんでこいつに席を譲ったんすか?」
男「なんだよ?」
番長「もう手が疲れてたんだよ」
舎弟「あー、だから急に弱くなったんっすね!!」
番長「そうそう」
舎弟「ま、偶には役に立つじゃん。すこしだけ見直したっすよけど、でも今後もアネキに貢げよ、下僕君」
男「……」
舎弟「へっ!びびってなにもいえねーっすか?男のくせによわいっすね!!タマキンついてんすか?お?」
男「……おい」グイッ
舎弟「え……」
男「いい加減にしろ……。殺すぞ?」
舎弟「は、はい……すいません……でした……」
番長「やめろよ。可哀想だろうが」
舎弟「ゆ、ゆるして……ください……」ウルウル
>「すげー!!無限コンボっぽいぞ」
>「いや。あれは無限じゃないけど、隙がなさすぎるな」
サスカッチの
ショートダッシュ小P→下段小P→ショートダッシュ小P…
を思い出した(´・ω・`)
男「冗談だ」
番長「お前のそれは冗談にきこえなーんだよ」
舎弟「アネキぃ……なんなんすか……こいつぅ……」ウルウル
番長「気をつけろ。こいつはその辺の不良より怖いから」
男「嘘教えるな」
番長「誰だっけなぁ。昔、上級生を体育館裏でボッコボコにしたやつはー?」
男「やめろ」
舎弟(流石はアネキだ……。こんな屈強な男からも臆せず、しかも毎日カツアゲしてるなんて……!!)
番長「あのときは騒然としたよなー。誰がやったのかってな。まぁ、優等生のお前は疑われず、何故かオレが疑われたけど」
男「まあ、雰囲気ではお前以外いないって感じだったな」
番長「いい迷惑だぜ。そのとき家でお菓子を―――」
舎弟「アネキ!!もうすごいっす!!!こいつはあれっすね!!アネキの部下ナンバー2なんすね!!」
番長「はぁ?」
舎弟「これからはアニキと呼んでもいいっすか?」
男「やめてくれ、マジで」
番長「あはは!!アニキだって!!」
男「お前の所為だろうが」
番長「いいじゃん」
男「よくねーよ。俺は不良じゃないんだ」
番長「何言ってんだよ。お兄ちゃんと同じ門下生のくせにぃ」
男「あのなぁ……。あれはただのスポーツだ」
舎弟「アニキー!!これからは誠心誠意尽くさせていただきますからねー!!」
男「だから……!!」
舎弟「では、自分はこっちなんで!!アネキ!!アニキ!!またあしたー!!」
男「おい!」
番長「よかったな。可愛い後輩ができて」
男「ふざけんな……」
番長「それより、帰ったらまたゲームやらしてくれ」
男「好きにしろよ……」
番長「ヒャッハー!!好きにするぜー!!」
男の自室
男「……」カキカキ
番長「いけ!!ピカチュウ!!」
男「うるさいな」
トントン
男「はい?」
大男「邪魔するぞ」
番長「お兄ちゃん!?なんだよ?!」
大男「試合が近いから練習時間を延ばすことにした」
番長「あーはいはい。夜は遅くなるってことだろ。いちいちそれ言うだけのためにくんなよ。かえれかえれ」
大男「じゃあ、妹のこと頼むな」
男「分かりました。がんばってください」
大男「ところで……もう一度、道場に……こないか?」
男「すいません。勉強を優先したいので」
大男「そうか……残念だなぁ……」シュン
番長「ほんとにお兄ちゃんはうざいぜ」
男「心配してるんだろ」
番長「戸締りぐらいできるぞ?」
男「お前、バカだな」
番長「あぁ!?」
男「口調さえ直せば、そこも女の子としての愛嬌になるんだろうけどな」
番長「料理もできるし、立派な女の子だろうがよ!!」
男「……もういい」
番長「なんだよ……。あ!!やべ!!岩タイプじゃねーか!!」
男「……」カキカキ
番長「よーし……!!じゃ、ここは水タイプだな……!!」
男「……なぁ」
番長「んだよ。今、いいとこなんだよ」
男「俺と対戦するか?」
番長「ま、まじで!?よ、よよ、よし!!ちょっとまて!!すぐに通信の準備するぜ!!」
男「―――はい。俺の勝ち」
番長「ざっけんな!!うおー!!!」
男「駆け引きが下手糞なんだよ」
番長「ちげーし!!ちょっとでんきタイプが偏っただけだし!!」
男「はいはい」
番長「もう一回!!もう一回だ!!おらぁ!!」
男「嫌だよ」
番長「勝ち逃げかよ!!ざけんな!!もう一回だ!!もう一回!!」ジタバタ
男「……」カキカキ
番長「リベンジさせろー!!」ユサユサ
男「勉強の邪魔だ」
番長「もう勉強とかいいだろー!!」ユサユサ
男「やめろ」
番長「……わかったよ。暇だし夕飯でも作ってくるかー」
男「がんばれ」
番長「カレーだ!!おらぁ!!」バーン
男「ノックしろって」
番長「どうだー!!食欲をそそるだろぉ?腹減っただろう?」
男「そうだな」
番長「食いたきゃ、オレともう一度勝負しろ!!」
男「じゃあ、俺の負けでいい」
番長「そういうことじゃねーんだよ!!」
男「うるさいな」
番長「負けっぱなしは嫌なんだよ!!」
男「わかった。食い終わったらもう一回だけしてやる。それまでに準備しとけ」
番長「マジで!?よし……!!最強の面子を揃えてやるぜ……」
男(あいつ、可愛いのしかメンバーに入れないから分かりやすいんだよな……)
男(進化もさせないし)
番長「ふふふ……君にきめたぜ!!ヒャッハー!!」
番長「あ、いや、まてよ……やっぱり……うーん……」
番長「―――まけたぁ!!!」
男「はい、俺の10連勝な。もう帰れ」
番長「分かったよ……。んじゃ、明日な」
男「ああ」
番長「よっこらせ」ガラッ
男「いい加減にしろって。屋根伝いは」
番長「いいだろ。オレの―――ん?」
男「おい。寒いんだから早く閉めろ」
番長「……」
男「どうした?」
番長「なんでもねーよ。じゃあな、おやすみ」
男「……」
ピシャ
男(なんだ……?)
自宅前
不良「ここか」
舎弟「は、はい……」
不良「ふん……よし」
ガチャ
番長「なんだ
>>165
投下ミス
番長覚醒するから待ってろ
自宅前
不良「ここか」
舎弟「は、はい……」
不良「ふん……よし」
ガチャ
番長「なんだ?もう現れない約束だろ?」
不良「はぁ?なんのことだよ?」
「へへ……」
「こいつかぁ……」
番長「ゾロゾロと……。群れなきゃなにもできねーのかよ?」
不良「だまれ。調子に乗るものいい加減にしろや」
舎弟「アネキ……すいません……」ポロポロ
番長「……」
不良「ついてこい」
番長「しかたねえな……」
番長「……」
不良「へへ」
番長「どこだよ、ここ?」
不良「俺たちの遊び場だけど?」
「へへっ」
「中々いい女じゃん。目つきわりーけど」
番長「……」
舎弟「アネキぃ……すいません……すいません」ポロポロ
番長「はいはい」ナデナデ
不良「ま、何されるか分かってるな?」
番長「格ゲーか?」
不良「とりあえず脱げよ」
舎弟「アネキ……こんなやつら……倒しちゃってくださいよぉ……」
番長「……」ガタガタ
舎弟(アネキ……なんでふるえて……ああ、武者震いっすか)
/|\
|
|
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──‐ ./ ̄| ̄ヽ │
| │ | 人
(____ ヽ_丿 ノ / \
,-, ,、
│.|,,,、 |`゙,! r-、 |゙'┐ l''''i、
,,--" ゙ ,,フ | | 1'i、.l゙ .| ,| .〔,,-‐'''二ニ,,"'''i、 __少--'" _,,,,,,>
.'ヽ-i、 jニミ、 | .゙l,,、| | | .冖i、 l.,へ-‐''″ ││ .!ヽ,,,, ,r'゙|.,,"
,,.,r_、 .,〉 .r,、 .| .y,,ノ| .,,,,,ィ''" .i「` _,,-'"`゙,7 } l゙ ,,,7-," .,〃
|`〔-,!イ .l゙ l゙ ゙i、{ .| |丿 .| |,,,,、 ''ヽ-'リ l゙ l゙ / .'㍉.''「 ,i´
.| .''二i| .| ヽ .l゙ | .| ",,-'" ,,,,〃 ___,/,/ ./ / ,lンi、ヽ,、
l゙ l゙,,,,ノ .| ゙''゙ .,| | .゙''ヮ l゙ l゙`r'"゛ ゙''^ ,il'"ナ''|-,,゙''-、,、
.゙l,,,゙゙,,,,,i、.ミ,-i、,,、 | ゙l |、|,,,,,--i、,、 | .| ,、 ,,r",r‐" .,ア゙'-、,,,,,,,,i、 ──っll ─┼─
,,,--'',ン,r‐''¬―┘l゙ | ir'"゙,ン-―---" ,! l゙ .l゙゙l、 ''″ `''I / / d
.l二-'" |丿 'ヮ-、、 l゙ l゙ `″ ヾ--、,,,,,,,,―" ゙l` _,,,,,,/┴――i、 (_ ノ
,,l'" `-,,,,! `┘ `'ー--,,,,--ー''''′ \,,-‐'"゙゙''''''‐′
不良「抵抗してもいいぜ?そのほうが燃えるしよ」
番長「……」
舎弟「アネキ……アネキ……」
番長「とりあえず、この子はもう関係ねえだろ?家に帰してもいいな?」
舎弟「アネキ……!!」
不良「はぁ?駄目にきまってんだろ?警察でも呼ばれたら困るし」
番長「困るようなことすんな、糞野郎が」
「もうやっちまおうぜ」
「おう」
舎弟「ひぃ……!!」
番長「オレの体だけが目的だろ?殺すぞ……こらぁ」ギロッ
「そんなんでビビるかよ」
番長「あ?」
番長(びびれよ……)
不良「流石のお前でもこの人数は無理だって。諦めろ」
舎弟「もう駄目……」
番長「……」
「おい。誰かいるぞー」
不良「あ?つれてこい」
「こいつだ。こっちの様子を伺ってやがった」
男「……」
番長「な……?!」
不良「なんの用だよ?」
男「悪い。その二人を解放してくれないか?」
舎弟「アニキ……」
番長「なんでついてきたんだ……バカ野郎」
不良「無理に決まってるだろ?」
男「頼む」
不良「ああ、お前の女だったのか。ひゃはは」
「へへ……かっこいいー、ひゅー」
番長「ぐはっ・・・ このやろう・・・」
舎弟「不意討ちはずるぞ!!」
不良「今だ! やっちまいな!!」
番長「お、おい……」
不良「じゃあ、ゲームしようぜ」
男「なんだ?」
不良「ふっ!!」ドゴォ!!
男「ぐっ……!!」
番長「なにやってんだ?!」
舎弟「アニキー!!!」
不良「お前が一回、膝をつくたびに女が一枚脱いでいく……どうだ?悪くないゲームだろ?」
男「……」
番長「ふざけんな!!」
不良「裸になって膝をついたら、一発やる。お前が完全に気を失ったらゲームオーバーな」
番長「やめ―――」
男「わかった。要は俺が倒れなかったないいんだな?」
不良「そういうことだ」
番長「バカ!!やめろって!!おい!!」
不良「おらぁ!!」ドゴォ!!
男「ずっ!?」
不良「おらよ!!」ベキィ!!
男「がっ?!」ヨロッ
番長「蹴りとか卑怯だろ!!やめろぉ!!」
不良「やるじゃねーか」
男「……」
不良「お前らも参加しろ」
「よっしゃ」
不良「おらぁ!!」バキィ!!
「死ね!!」ドゴォ
男「あ……!?」ガクッ
不良「はい、膝ついたー。一枚な」
「じゃあ、上着からいってやるよ。あははは」
番長「やめろ!!!近づくなぁ!!!」
男「むん!」バチーン
男「さあ、どこからでもかかってきたまえ、貴様に我が筋肉を打ち破る事が出来るのならな…」
不良「ハッハー!ずっと俺のターン!」
', ;l: ll kr'´ ィイィ彳彳彳彳
ヾ州ィイイィ彳彳彡彡彡
_ __ ,′ ``ヾミミミ
,. '´;:.:.:.:.::::::::.:.:.``ヽ ,′ -‐ミミヽ/ミミミミミ
,. '´..:.:.:,. -─‐‐- 、;;;:;:.:ヽ〈 ,′ミミミミヽ
/ .:.:.:.:.:.く ``ヾ「ヽヽヾミニ二二ミヽ `ヾミミミ
./ .:.:.:.:::::::::::::〉 ∠二二ニ彡' V/ T TTにニニニニニニニニニ====
/ .:.:.:.:::::::::::::::/ -='ぐ / l ||¨´ ̄`` . :; そんなことを言うのは
/ .:.:.:.::::::::::::::::/ '''´ ̄` / `Y´ . ;..:
,′.:.:.:.:::::::::::::〈 ヽ____ノ', .;: .;: この口かっ……んっ
',.:.:.:.:/´ ̄`ヽ;;;', .;;;' ``ヾミヽ j! ,. ′.;: .;:. :
',.:.:.:ヽ い( ミj! )ミミj 、 、 ', ., 、:, 、 .; :.
',;;;:;:;:入 _ ..:;.;:.:;..:`Y ミj! 、 、 ', ., 、:, 、
';;;:;:.: `フ´ _ノ . ;: .;: .; :. ;:. ;:.`Y´ 、 、 ', ., 、:, ,. '´
Lノ´ ̄ , ィ´ .:; .:; . ;:. ;:. ;: .;: .; :. ;:. ;} 、 、 ', ., 、:,,.: '´
ノノ ____\ ;.: .;: . :;. :;. :;. :; .;: .;: .;人 _; :; :; ィ´`ヾ
不良「はぁ……はぁ……おらぁ!!」
男「がはっ……!!」ガクッ
不良「よし、次は下着だ」
舎弟「アニキ!!アネキ!!」ポロポロ
番長「もういい!!好きにしろ!!その代わり―――」
男「まだだ……」
不良「てめえ……いい加減にくたばれよ……」
男「……」
不良「やろぉ……!!」
番長「もういいって!!」
舎弟「アニキぃ……!!」
男「……」
不良「おい、鉄パイプあるだろ。もってこい」
「え……流石にそれは……」
不良「いいからもってこいよ!!」
番長「やめろって!!おい!!」
不良「これで頭割ってやる……」
男「……」
舎弟「にげて!!アニキ!!」
番長「おい!!」
男「……」
不良「いくぞ……」グッ
番長「―――あぁぁ!!」
「なにしてんだ!!」グイッ!!
番長「はなせ!!」
舎弟「いやぁぁ!!!」
男「……」
不良「終わり―――」
警官「おい!!そこで何をしている!!!」
「やべ!!逃げろ!!!」
警官「―――後日、事情聴取をするから」
番長「ああ」
大男「大丈夫か?」
番長「お兄ちゃん」
大男「えらい目にあったみたいだな」
番長「……」
舎弟「アニキ!!しっかり!!」
男「いてぇ……」
大男「話は聞いたぞ。一切、反撃しなかったらしいな」
男「したら、多分殺されてました。俺が殺されたら、こいつが何されるか分かりませんでしたし」
大男「そうか」
番長「お、おい」
男「だから言っただろ。いつか痛い目にあうって」
番長「な、なんだよ。痛い目にあったのお前じゃねーか……」
男「確かに」
自宅
大男「心配するな。あの様子なら大丈夫だろうて」
番長「……なぁ」
大男「なんじゃい」
番長「オレ……そんなに女の子らしくないのか?」
大男「容姿と趣味趣向は女の子らしいが、言動がな」
番長「でも……オレは……」
大男「まぁ、男らしく育ってしまったものは仕方ないが、これを機に直してみたらどうだ?」
番長「どうやってだよ?」
大男「うむ……」
番長「料理もできるし、掃除だって洗濯だってできるぞ。これ以上、どう女の子になれっていうんだよ……」
大男「口調を変えろ」
番長「いや……それは……」
大男「なんだ?」
番長「なんか……今更、だろ?」
大男「ぶわっはっはっはっは!!!まぁ、ゆっくりかんがえろ!!」バンバン
番長「いてぇな!!」
大男「はっはっはっは!!!」
番長「ふん……」
番長(口調っていってもな……)
番長「……」
番長「わかんねーよ!!!くそがぁ!!!」
番長「あ、あれか……えーと……」
番長「―――いらっしゃいませ、ご主人さまぁ!」
大男「……」ジーッ
番長「こっち見んな!!!」
大男「はっはっはっは!!それいいな!!それでいこう!!」
番長「なに?!これがいいのか?!」
大男「うむ!!だいたいの男はそれで喜ぶぞ!!」
番長「そ、そうか……よ、よし……」
翌朝
男「今日は学校休むか……」
ガンガン
男「……開いてるぞ」
ガラッ
番長「いらっしゃいませ、ご主人様」
男「……」
番長「……」
男「おかえりなさいませだろ」
番長「そ、そうなのか。やりなおす」
ピシャ
男「……」
ガラッ
番長「おかえりなさいませ、ご主人さま」
男「いいから学校行ってこいよ」
学校
番長(おっかしいな……別に喜んでなかったぞ……)
番長「……」
「なんか機嫌悪そうだな」
「昨日、他校の連中とやりあって警察に捕まったらしいぜ」
「マジかよ。それ事情聴取とかされて機嫌わるいのかよ」
「こわー。マジ番長じゃん」
番長(何がいけないんだ……くそが……)
舎弟「アネキ……おはようっす……」
番長「おう。今朝はこなかったな」
舎弟「あの……自分、もう舎弟やめるっす……」
番長「なに?」
舎弟「あんな怖い思い……したくないっすから……すんません!!」
番長「まぁ、いいけど」
舎弟「でも、なんのケジメもなしに足を洗えるとか思ってないっすから!!何でもいってくださいっす!!自分、なんでもするっす!!」
番長「……」
「うわー、昨日そうとう酷かったんだな」
「番長は無傷だけどね」
舎弟「死ねっていえば死にます!!」
番長「昼休み、体育館裏にこい」
舎弟「う、うす……」
「殺す気だ」
「先生に言ったほうがいいって」
「でも、触らぬ神にっていうぜ?」
「可哀想」
「でも、これで番長が退学になるかもしれねえし」
舎弟(仕方ないっすね……これもケジメっす)
舎弟(アネキの手で殺されるなら本望っすよ……ちょっと怖いけど……)
番長「……」
昼休み
舎弟「はい?」
番長「だから、お前が思う女の子っぽい仕草とか口調ってなんだよ?」
舎弟「えーと……どういうことっすか?」
番長「いいから答えろ」グイッ
舎弟「ひぃぃ!!!は、はい!!!」
番長「早くしろ。時間が惜しい」
舎弟「えっと……ホラー映画とかで震えて、彼氏の手を握っちゃうとか……」
番長「他には?」
舎弟「えーと……えーと……」
番長「はやくしろ」
舎弟「ぬいぐるみを抱きしめながら『怖いから一緒にねてくれない?』とか言ってみたり!!」
番長「それ、かわいいのか?キモくないか?」
舎弟「多分、かわいいっす!!」
番長「ふーん」メモメモ
放課後
番長「ホラー映画は借りてきた」
番長「あとは……ぬいぐるみか」
「もうちょっと……!よっしゃ!!ゲットだ!!」
番長「おい」
「え?」
番長「そのぬいぐるみはどこにアームを持っていけば取れる?」
「こ、これですか?」
番長「ああ。そうだ」
「結構難しいですよ?」
番長「いいから、教えろ」
「ひぃ……わ、わかりました……!!」
番長「……」チャリーン
「ま、まずは……えっと……この位置までもっていって……」
番長「おう」ウィーン
夕方
男「暇だな……」
ガンガン
番長「おかえりなさいませ、ご主人様」ガラッ
男「おかえり」
番長「おい。なんかホラー映画を見たい気分だから、見ようぜ」
男「いいけど。その小脇に抱えたぬいぐるみはなんだ?」
番長「帰りにとってきた」
男「いくらしたんだ?」
番長「3000円」
男「買えよ」
番長「これが欲しかったんだよ!!」
男「……」
番長「さ、映画みるぞ!!」
男「ああ」
テレビ『―――うおぉぉぉ!!!!』
テレビ『ぎゃぁぁぁ!!!!』
番長「……」
男「……」
番長「こ、こえー!!!」
男「え?」
番長「これはやべー。ぬいぐるみなしじゃみれねーなーおい!」ギュゥゥ
男「……」
番長「……」チラッ
男「なんだよ?」
番長「今日は一人でねれねーなー!!」
男「お兄さんと寝ればいいんじゃないか?」
番長「……」
男「……」
テレビ『終わった……ぎゃぁぁぁぁ!!!』
番長「ふぅ……どうだ?今のは結構、女の子っぽかっただろ?」
男「……」
番長「ふんっ。これでオレが不良集団に絡まれることはないだろ?」
男「なにがしたいんだよ?」
番長「な、なんだよ!!お前が女の子らしくしろっていうからだなぁ!!」
男「ああ、今後ああいうことがないように努力してんのか」
番長「おうよ」
男「じゃあ、俺の容態をもっと気にしてくれると嬉しい」
番長「それは女の子っぽいのかよ」
男「うん」
番長「おっしゃ。―――もう痛くないのか?」
男「痛いけど」
番長「そうか」
男「……」
番長「完璧だな。今のはすごく乙女チックだったろ?」
男「お前さ。小さいときどんなテレビ番組みてたんだ?」
番長「なんだよ、いきなり」
男「ドラマでもアニメでも映画でもいい。好きだった漫画とかでもいいぞ」
番長「そうだなぁ……。お兄ちゃんが持ってた漫画とかよく見てたな」
男「それは?」
番長「湘南爆走族っていう漫画」
男「……」
番長「いいんだぜぇ、あれ。男の友情が熱くてよぉ!!」
男「わかったから、目を輝かせるな」
番長「んだよぉ。あ、そうそう最近だとドロップとかおもしれえよな!!」
男「もういいって」
番長「そうか?」
男「お前はあれだな、なんかずれてんだよ」
番長「あ?ずれてねーよ。一端の女の子だよ」
男「よし。じゃあ、今からいうテレビ番組を毎週チャックしろ。それでお前の価値観が変わるかもしれない」
日曜日 朝
番長「ふわぁぁ」
大男「お、日曜日なのに早いな」
番長「ちょとな」
大男「なんだ?」
番長「見たいテレビ番組があるんだよ」
大男「ほう」
番長「あ、そろそろだな……」ピッ
テレビ『―――スマイルスマイルスマイルスマイル!!スマイルプリキューア!!』
番長「なんだこれ……」
大男「ぶっふ!!」
番長「これで女の子らしくなれんのかよぉ……」
大男「……」プルプル
番長「キュアピースってなんだよ」
大男(妹がついに目覚めたか……うれしいような……かなしいような……)
大男じゃなくて大友だったのか
翌日 朝
男「……」ピンポーン
大男『おはよう』
男「どうも」
ガチャ
番長「おっす!!」
男「今日は起きてたか」
番長「ほらよ、弁当」
男「悪いな」
番長「見たぜ。あの女用のアニメ」
男「どうだった?」
番長「いやぁ。なんか続きは気になるな」
男「そっか。早起きもできるし一石二鳥だな」
番長「でもよぉ、あれで女の子っぽくなれんのか?」
男「お前次第だと思う」
>>260
チャック→チェック
学校
舎弟「……」スタスタ
番長「おい」
舎弟「ひぃ!!」
番長「お前の方法、あんまり女の子っぽくならなかったぞ」
舎弟「ま、まじっすか」
番長「嘘をおしえたなぁ……!!」ギュゥゥ
舎弟「いふぁいでふ!!」
教師「こ、こら!!何をしている!!」
番長「あぁ?」
教師「ひぃ!!」
番長「じゃれあってるだけだよ、なあ?」
舎弟「うっす。センコーはお呼びじゃねーっす」
教師「貴様ら……!!」
昼休み 体育館裏
舎弟「プリキュアっすか?!」
番長「それが女の子になれる近道らしい」
舎弟(どちらかというと幼児退行のような……)
番長「ふっ。これ以上、オレが女の子になったらやべーよな」
舎弟「あの……そんなに女の子を意識して……どうしたんすか?」
番長「オレもあのときみたいな目にあうのはコリゴリだ。だから、もう不良に絡まれないようにしようってな」
舎弟「なるほど……」
舎弟(でも、確かにそういう可愛さを前面に出せば、アネキのイメージが一変するかもしれない)
番長「いやぁ、どうしようかなぁ。このままじゃ女の子の中の女の子になっちまうかもなぁ」
舎弟「アネキは本気なんすね?」
番長「当たり前だろ?」
舎弟「じゃ、自分に考えがあるっす」
番長「んだよ?」
舎弟「周囲のアネキを見る目がかわる方法を思いついたんすよ」
職員室
教師「全く……あいつだけは……」
校長「どうかしましたかな?」
教師「聞いてください、校長。またあの番長―――いえ、女生徒が」
校長「彼女の噂はかなり一人歩きしているようですが、実際に被害にあったという生徒は皆無なんですよねえ」
教師「影で泣いている生徒はいるはずです!!」
校長「しかし、彼女の交友関係はかなり狭いですよ?」
教師「ですが、この前も警察沙汰になったじゃないですか」
校長「一方的に乱暴されただけで、被害者ではないですか」
教師「きっと暴力で黙らせたんですよ、相手を」
校長「目つきや言動に難はありますが、悪い子には見えないんですけどね」
教師「校長は甘いです!!いつかそのうち大事件を起こしますよ」
校長「そうですか?」
教師「ええ。注意してみておかな―――」
番長「じゃまするぜー!!」ガララッ!!
教師「な……?!」
校長「こら、失礼しますといいなさい」
番長「うっせーな。そんなこと気にしてたら余計にハゲるぞ、校長さんよぉ」
校長「ほっほっほ。これ以上、ハゲる心配はないでしょうがね」
番長「それもそうだな。あはははは」
校長「ほっほっほっほ」
教師「校長!!―――お前、何しにきたんだ!!」
番長「これ、借りるな。どこを押せばいいんだ?」
校長「校内放送をするのですか?」
番長「ちょっと伝えたいことがあってな」
校長「なんですか?」
番長「ま、校長にだけおしえてやんよ。―――あのな」ゴニョゴニョ
校長「―――ほほう、貴女が?」
番長「ああ」
校長「まぁ、いいでしょう。ここを押せば全館放送になりますよ」ポチッ
教師「校長!!なにを!!
校長「まぁまぁ。別に害はないですから」
教師「なにを暢気な!!」
番長「あーあー!マイクテスト、マイクテスト」
番長「―――全生徒に告ぐ!!放課後、時間のある奴は体育館に集まれ!!以上!!!」
教師「お、おまえ……まさか……全生徒を奴隷にする気か……?!」
校長「部活動でも使用するので20分ぐらいしか使えませんよ?」
番長「十分だ」
校長「さて、何人集まりますかねえ」
番長「別にゼロでもかまわねえよ。これはオレが勝手に決めたことだからな」
校長「しかし、多くの生徒に見てもらわないと意味がないのでは?」
番長「ま、そのときはそのときだ。校長は見に来てくれるか?」
校長「勿論。職員会議は遅らせましょう」
番長「さすがだな!!」バンバン
校長「ほっほっほっほ」
放課後
ざわざわ……
「お前もきたのか」
「だって後が怖いだろ?」
「なにするんだろ……」
「怖いよね」
「殴られないだろうな」
教師「校長……!!」
校長「殆どの生徒が集まりましたね……。人望があるのでしょうか」
教師「あとが怖いからに決まっているでしょう!!」
校長「ふふ……いい舞台になりそうですね」
教師「は……?」
男「あいつ……なにするんだ……?」
~~~~~~♪
校長「お、音楽が流れましたね。始まりますよ。ほっほっほっほ」
ザワザワ……
「なんだ?なんだ?」
「なにこの音楽……?」
「これ、ハートキャッチプリキュアじゃね?」
「古くね?」
番長「―――Change!Change!」
舎弟「ハートキャッチ☆」
男「ぶっ!?」
教師「?!!?」
番長「Chance!Chance!」
舎弟「ハートキャッチ☆」
番長「Dance!Dance!」
舎弟「ハートキャッチ☆」
番長・舎弟「ハートキャッチ☆プリキュア!」バーン
シーン……
番長「(反応ねえぞ!!)」
舎弟「(大丈夫っす!!掴みはオッケーっすから!!)」
番長「―――ひらけゴマ!で花開く♪」フリフリ
舎弟「胸のワードローブには♪」フリフリ
番長「女の子の大好きが ほらねぎゅっとつまってる♪」フリフリ
舎弟「イメチェンだって 大成功!」イェイ
番長「シュシュに フリル チュニックで♪」
舎弟「乙女チックに はじまる~♪」
番長・舎弟「ショータイム!!」
校長「うんうん。かわいいじゃないですか」
教師「……」
男「あのバカ……先走ったな……」
「ねえ、これ手拍子とかいるかな?」
「わかんね」
「なにこれ、どう反応していいかわかんないぞ」
番長「ハートピカピカ~♪」
舎弟「みがいてい~れば♪」
番長「暗闇も~♪」
舎弟「照らしてく れ る~♪光になる~♪」
番長「うつむかな~いで♪」
舎弟「笑顔がイイね♪」ニコッ
番長「太陽へ向かい咲いている~こころのはな~♪」
舎弟「Dance!Dance!」
番長「ハートキャッチ☆」
番長・舎弟「ハートキャッチ☆プリキュア!」バーン
……シーン……
番長「(おい!!大丈夫かこれ?!)」
舎弟「(おかしいっすね。普通はアンコールの嵐になるんすけど)」
「なんだろう……番長、喧嘩に負けて罰ゲームでもさせられてるのか?」
「でも、ちょっとかわいいね」
番長「……いつまでこうしてればいいんだよ」
舎弟「でも……アンコールが」
校長「アンコール!!アンコール!!」
教師「校長?!」
校長「あの子のあんなプリティな姿をもう一度見てみたくないですか?」
教師「そ、それは……」
男「アンコール!!アンコール!!!」
番長「あいつ……」
「や、やっぱ、そういうノリだよな」
「う、うん!!」
「アンコール!」
アンコール!! アンコール!!
舎弟「きたっすよ!!アネキ!!」
番長「おっしゃー!!もう一曲いくぜ!!!」
バンチョウ!!バンチョウ!!
翌朝 通学路
舎弟「アネキー!!おはようっす!!」
番長「おう」
舎弟「いやぁ、昨日は大盛況でしたね!!」
番長「これでオレは自他ともに認める女の子になれたわけだな」
舎弟「その通りっすよ!!」
番長「ふっ。オレがこれ以上、乙女になってどうすんだって感じだけどな」
「あ、おはようございます!!」
番長「ん?」
「可愛かったですよ、プリキュアダンス!」
番長「おう」
「あ、プリキュア番長だ」
「いたいた。魔法少女番長ー、写メとらせてー」カシャ
番長「……」
舎弟「すげーっすね。自分の狙い通りっすよ」ムフー
教室
男「おはよう」
番長「おう」
男「お前、すごい人気者だな」
番長「そうか?」
「ねえねえ!!あのダンス、どこで練習したの?!」
番長「え?ああ、知り合いに詳しい奴がいてな」
「あははは、そうなんだー!!」
「イエス!プリキュア番長!!」
「キュアバンチョウ!!」
「あはははは!!」
番長「……」
男「もうみんはお前のこと怖がってないぞ、よかったな」
番長「なぁ……なんかバカにされないか、オレ?」
男「どうだろうな」
もうみん「…」ニッコリ
教師「えー、今日のホームルームは少しビデオを見ようと思う」
「何のですかー?」
教師「これだ」ピッ
番長「あー?」
テレビ『ハートキャッチ☆プリキュア!』バーン
「かわいー!!」
「なんだこれ!!見に行けばよかったぁ!!」
教師「かわいいなぁ」
番長「おい!!なにやってんだよ!!」
教師「どうした?」
番長「消せよ!!」
教師「校長が見てない生徒にも見せるようにって職員会議で通達があったんだ」
番長「な……?!」
「番長が踊ってるー!!かわいいーかわいいー!!」
番長「やめて……」
昼休み
「キュア番長!!」
「キュア番長だ!!」
「なんか良く見ると可愛いな!!」
「キュア番長せんぱーい!こっちむいてー!!」
番長「……」
舎弟「アネキー!!もう大反響っすよ!!」
番長「おまえ……」
「プリキュアがそろったー!!」
「きゃー!!一枚、いいですかー!!」
舎弟「いいっすよ!ほら、アネキもスマイルっす!!」
番長「……」
「どうもでーす!!」
「笑うとスマイルプリキュアだー!!!」
番長「……なんでこうなった……」
夕方 男の自宅
男「な……誰だよ、ネット動画で配信したバカは」
ガラッ!!
番長「……」
男「ノックしろよ!!」
番長「おぉぉぉぉい!!!どうなってんだよぉぉ!!!」
男「なんだよ?」
番長「もうなんか外歩くだけで指差されるんだけどぉ!!」
男「そりゃしょうがないな。お前はそれだけのことしちゃったわけだし」
番長「あぁぁ!!!なんでだよぉ!!!」
男「落ち着けよ」
番長「時よもどれー!!!もしくは隕石でもおちてこーい!!!」バタバタ
男「なんだよ。今更恥ずかしくなったのか?」
番長「キュア番長ってあだ名は嫌だ!!!」
男「そうか」
番長「あぁ……もう学校いけねえよぉ……」
男「全く、あんな劇薬を使うからだ」
番長「どうしたら……いいのぉ……」ウルウル
男「どうするも何も……卒業してもあの学校の歴史に刻まれるぐらいの大事件だしなぁ」
番長「いやぁー!!」
男「なんであんなことを……」ナデナデ
番長「イメージが一発で変わるからって……」
男「あの子か……」
番長「うん……」
男「……わかった」
番長「え……」
男「あの子、呼べるか?」
番長「あ、ああ。呼べるけど……」
男「呼んでくれ」
番長「わ、わかった」
舎弟「お邪魔しまっす」
番長「入れ」
舎弟「うっす」
男「よう」
舎弟「あ、アニキ!あの時は貴方に男気を感じたっす!マジほれたっすよ!!」
男「―――君が俺のことをアニキって呼ぶようになったのはどうしてだっけ?」
舎弟「えっと、上級生をボコボコにしたって話をきいたからっす」
男「なんで俺がそんなことをしたか教えてやるよ」
舎弟「なんでっすか?」
男「こいつを困らせたからだ」
番長「……」
舎弟「アネキとその上級生がっすか?」
男「そう。そいつは何度も付き合ってくれと申し込んできた。そのたびにこいつは振っていた」
舎弟「それで?」
男「最終的に上級生はストーカー行為にまで及ぶようになった。盗撮、盗聴も当たり前のようにしていた」
舎弟「ほうほう。アネキにもそんなことが」
番長「まぁな」
男「で、警察にも言ったがストーカー行為をやめる気配がなかった。だから、俺が体でわからせたわけだ」
舎弟「すげー。惚れてるんすね」
男「そういうんじゃないけどな」
番長「ちがうのかよ!!」
舎弟「で、その話をきかせるために自分を呼んだんすか?」
男「君のせいでこいつは今、困ってる」
舎弟「へ?」
男「イメージは確かに変わった。だけど、ある意味以前よりも悪い方向に変わった」
舎弟「そ、そうっすか?」
男「君のせいだ」
舎弟「い、今、ピーンっときたっす!!自分、もしかして……怒られてるっすか……?」
男「……」
舎弟「まってくださいっす!!いや、まって!!私は先輩の望みを叶えただけなんですよ!!悪気なんてないですから!!」オロオロ
男「……」
舎弟「あの……その……」ガクガク
男「……」
舎弟「あぁぁあぁぁ……殴らないで……お、おねがい……」
男「―――ありがとう」
舎弟「……」
番長「はい?」
男「何も思うところがないといったら嘘になるけど、俺はいいものを見れたわけだし。感謝もしているんだ」
番長「あの……もしもし?」
男「こうして衆目を集め新しい羞恥心を芽生えさせたことで、こいつは乙女に近づいた」
舎弟「そ、そうっすか?」
男「でも、今度からはもっと注意深くやってくれ。俺に相談してくれると尚良い」
舎弟「はい!!わかりました!!」
番長「あの……」
男「そうだ。今度の文化祭でなにするか決めとこうか」
これほど「お前何様なの?」っていう言葉が似合うヤツもいないな
番長「文化祭ってなんだよぉ!!」
舎弟「じゃあ、えっと……」
男「またプリキュアダンスでいいと思う」
舎弟「じゃあ、衣装も用意しないとだめっすね」
男「おお、それいいな」
番長「話聞けよ!!」
男「なんだ?」
番長「怒るんじゃなかったのか!!」
男「いや。お礼を言いたかっただけだ」
番長「……」
舎弟「もう殺されるかとおもったっすよ」
男「ごめんごめん。驚かそうとおもっただけだ」
舎弟「やだー」
男「ははは」
番長「勝手にしろよ……もう……」
数ヵ月後 文化祭当日 体育館
怪人「ふははは!!こいつがどうなってもいいのかぁ!!」
男「やめろぉ!!その人には手を出すなぁ!!」
校長「きゃー!!私には可愛い孫がぁ!!」
「―――まちな!!」
怪人「なにやつ?!」
キュア番長「町の平和は私が守る!!キュア番長!!」
キャー!キャー!!
怪人「出たな!!キュア番長!!こい!!」
キュア番長「でぁ!!!」
怪人「ぎゃー!!やられたぁっすぅぅ!!」
キュア番長「今日も街の平和は守れたぜ!!」
キュア番長「よし、締めに踊るか!!」
キュア番長「イェイ!イェイ!」
番長(私のことを誰か殺してくんねーかな……)
男「いやぁ、よかった」
舎弟「あー、つかれたっすね」
校長「楽しかったですよ、ほっほっほっほ」
番長「……」
男「どうした?」
番長「なんか……どうでもよくなってきたなぁって……」
舎弟「かわいかったっすよ。あの衣装も含めて」
校長「はい」
番長「……」
「キュアせんぱーい!!サインくださーい!!」
「番長せんぱーい!!」
男「呼ばれてるぞ」
番長「オレは番長じゃねーよ!!!プリキュアでもねーよ!!!」
舎弟「あ、きれた」
番長「普通の女の子だぁぁぁ!!!!うわぁぁぁん!!!」
体育館裏
番長「うっく……ぐすっ……」
男「あー……あの……」
番長「ひっく……うぐ……」
男「嫌だったか?」
番長「当たり前だろ……ざけんな……」
男「……」
番長「責任……とれよぉ……こうなった……責任……」
男「そうだな……俺が全部、悪いからな」
番長「うぅ……」
男「おーい」
舎弟「なんすか?」
男「話があるんだ」
舎弟「はい?」
番長「……」
数週間後 学校
「きたよ!!」
キュア舎弟「どもっす」
「あはっ!!かわいー!!!」
キュア舎弟「いやいや」
男「よし。これでもう殆どの奴はお前のことを忘れたはずだ」
番長「……」
男「これでよかったんだろ?」
番長「なんか釈然としねー……」
男「番長と恐れられることもキュア番長と呼ばれることもなくなって、普通の女の子になったのにか?」
番長「そうだけど……なんつーか……」
男「寂しいのか?」
番長「そ、そんなこと……」
男「どうなんだよ?」
番長「……」
数日後 朝礼
校長「えー、では、私の話を終わります。続いては、プリキュアの二人によるレクリエーションです」
パチパチパチ!!
舎弟「さ、アネキ!!いくっすよ!!」
番長「なんか、もう……派手にいくぜ!!!」
舎弟「いくっすよぉ!!!」
番長「いえーい!!」
番長・舎弟「プリキャア!!ただいま、参上!!」バーン
「おまえ、キュア番長派?」
「断然、キュア舎弟派」
男「うん……随分と乙女になったな。もうアイツが不良に絡まれることはまずないはず。オタクに絡まれるかもしれないけど」
校長「キュア番長!!」
教師「キュア舎弟!!」
番長「おらぁ!!お前ら!!今日はプリキュアの復活祭だ!!しっかりついてこいやぁ!!」
舎弟「ひゃっはー!!」
数日後 教室
番長「おらぁ!!体育館裏までこいよ!!」
男「またか」
「まただよ」
「いつもあのふたりなにしてんの?」
「噂だとダンスの練習らしいぜ」
「なんだ、可愛いな」
体育館裏
男「じゃあ、次のパートな」
番長「おう!!」
男「がんばれよ。最後は卒業式の舞台で踊るんだろ?」
番長「ああ……!!最高の式にしてやる!!」
男「その意気だぞ」
番長「みてろよぉ……立派なプリキュアを演じてやるからよ!!ヒャッハー!!」
おしまい。
長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいました!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです(正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じています。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸れたのか、それは人それぞれだと思います。
少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちになってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にありがとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお願いします!ではこれにて。
皆さんお疲れ様でした!
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