シャル「幸せになりたい」(266)
~IS学園:食堂~
一夏「―――でさ、千冬姉が仕事のツテで遊園地のペアチケットをもらったんだ。
でも生憎外せない仕事があるとかで俺にくれたから、良かったら誰かいかないか?」
箒セシリア鈴ラウラ『!!』ガタッ
シャル「……」
箒「チ、チケットを見せてくれ! …よしっ、この日なら空いてる! 私と行くぞ一夏!」
セシリア「ちょ、何1人で勝手に行く気になってますの篠ノ之さん! ここは私が同行します!」
鈴「何言ってんの! アンタこの日テニス部の練習試合があるっていってたじゃん! アタシと行くでしょ一夏!」
セシリア「それはどうとでもなりますわ! 私だって行きたいんです!」
ラウラ「お前らさっきから何言ってる。一夏は私の嫁なのだから、私と行くことは確定事項だ。異論は認めん」
一夏「おいおい、お前らどんだけ遊びたいんだよ…。あれ、シャルはいいのか?」
シャル「あ、うん…ボクはいいや」
箒セシリア鈴ラウラ『!?』
ちなみにバレンタインデーはまったく関係ない
一夏「ん? そうか。何か用事か?」
シャル「ええと…まぁそんなとこ」
箒「……」
セシリア「……」
鈴「……」
ラウラ「?」
一夏「んー、そういうことなら仕方ないな。じゃあ、誰か行くか?」
鈴「あ、アタシ行きたい!」
箒「貴様! 私を差し置いて話をすすめるな!」
セシリア「それは貴女にも言える事でしてよ! ここは公平にジャンケンで――」
ラウラ「おい嫁。アトラクションにコーヒーカップはあるだろうな? 私はあれに乗ってみたい」
鈴「だからアンタは一緒に行く前提で話すのやめなさい!」
シャル「……」
一夏「?」
~そして~
箒「よッッッし!! 私だな!」
鈴「くぅぅぅ…」
セシリア「な、何故私はあそこでパーを…ぐっ」
ラウラ「ふむ。まぁ仕方ない。ところで嫁。コーヒーカップもいいが、メリーゴーランドという
擬似乗馬を体験できるアトラクションにも興味があるのだが」
箒「ま、待て! 何でお前は同行する気でいるのだ!?」
ラウラ「変なことを訊くな。せっかくの夫婦の旅行の段取りを決めて何が悪い?」
箒「巫山戯るな! 私と一夏の2人きりに決まっているだろ!」
一夏「ま、まぁまぁ…すまんラウラ。チケットは2人分しかないんだ」
ラウラ「それはペアチケットの話だろう。嫁と一緒に入れないのは癪だが、なら私は自費でチケットを購入するまでだ」
箒「はぁっ!?」
鈴セシリア「「―――!!」」ガタッ
シャル「……」
箒「い、いい加減にしろ! 一夏は私と2人で――」
鈴「いいわね! どうせなら皆で行きましょうよ!」
セシリア「賛成です! その方が楽しいですわ! 一夏さんもそれでいいですわよね!?」
一夏「ん、んん…まぁそうだな。じゃあ皆で行くか」
箒「なッ!?」
鈴(2人きりにしてアドバンテージを持たせるくらいなら…)
セシリア(条件をイーブンにするまでですわ! ラウラさんナイスです!)
ラウラ「ふむ、2人きりでないのは残念だが、たまにはこういうのもいいだろう。
シャルロットはどうだ? 本当に行かないのか?」
シャル「へッ…? あ、いや、ボクは…遠慮しておく」
ラウラ「…そうか。残念だが仕方ない。シャルロットの分まで楽しんでいくから安心しろ」
シャル「あはは…ありがと」
箒セシリア鈴「「「……」」」
一夏「…?」
~廊下~
一夏「なぁシャル」
シャル「ん? なーに一夏?」
一夏「どこか具合でも悪いのか?」
シャル「え? 何でそう思うの?」
一夏「いや、さっきから元気ないようだし」
シャル「そうかな? すごく元気だけど」フリフリ
一夏「そうか?」
シャル「うん」
一夏「そっか。気のせいだったらいいや。悪いな、シャル」
シャル「変なの。心配してくれてありがとう。じゃあね一夏」
シャル(…露骨過ぎたのかな? 結構難しいな…)
シャル(これからは気をつけなくちゃ。だって…)
シャル(これ以上、一夏に嫌われたくないもん…)
――別の日――
一夏「シャルー。一緒に昼飯食おうぜ」
シャル「あ、ごめん一夏。今日は料理部の皆と一緒に食べる約束してるんだ」
一夏「ん? そうなのか」
シャル「ごめんね。今度は一緒に行くから」
一夏「うーん、そっか。じゃあ、またな」
シャル「うん!」
~屋上~
鈴「あれ? シャルロットは?」
一夏「何かあいつ、今日は部活の皆と食べるんだってさ」
箒セシリア鈴「「「?」」」
ラウラ「そうか。そういうことなら仕方ないな」
一夏「そうだな。まぁ色々あるんだろ」
一夏「というか、皆もここに来ていいのかよ? たまには部活の皆と一緒に食べたらどうだ?」
ラウラ「茶道部は基本的にそういう集まりはないからな」
一夏「ラウラはそっか。確かにそこは緩い感じがするし。他の皆は? あまりこちに来すぎると良くないんじゃないか?」
箒「うっ…まぁそうかもしれんが…」
鈴「セシリアとかはまずいかもねー。テニス部期待のホープなんだっけー? こんな所で油売ってていいの?」
セシリア「ちょっ! 自分のことを棚上げして私に話を振るのはお止めになってください!
鈴さんだってラクロス部の方々から一目置かれていると自慢していたではないですか!」
鈴「いやいやアンタには負けるから。遠慮しないで向こう行っていいのよ?」ニヤニヤ
セシリア「きぃぃぃぃぃぃぃぃぃ! やはり貴女とは相容れないようですわね!」ジャキ
鈴「お? やろーっての? いいわよ。そういえばウォーターワールドでのケリ、まだ着けてなかったわね」<IS展開>
セシリア「上等でしてよ! 遂に白黒はっきりさせる時が参りましたようですわね!」
箒「仲いいなお前ら」
ラウラ「まったくだ」
鈴セシリア「「よくない(ですわ)!!」」
一夏「ま、まぁまぁ。お前ら仲良くプール行ってたそうじゃないか。喧嘩するのはよせよ」
鈴「うっさい!」
セシリア「お黙りなさい!」
一夏「え」
鈴セシリア「「元はといえばアンタ(一夏さん)のせいでしょうが(ですわ)!」」
一夏(あー、始まっちゃったよ…やっぱ俺じゃ2人を止めるのは無理か)
一夏(というか、こういう時って大抵シャルがこの場を収めてくれるんだよな)
一夏(はぁ、何であいつがいないんだろう)
ドゥン!
ベチャ!
セシリア「あ」
鈴「え」
箒「お」
ラウラ「む」
一夏「あは、あははは…(俺の昼飯が…)」ダラダラ
――別の日の放課後――
~第3アリーナ~
一夏「じゃあシャル。今日もよろしく頼む」
シャル「うん。よろしくね、一夏」
一夏「うーん、やっぱり射撃の精度をもう少し上げたいよなぁ」
シャル「一夏は基本的に近接格闘が主流だけど、遠距離武器も使いこなせれば戦いの幅が広がるしね」
一夏「やっぱりまだ遠距離武器の特性を理解し切れてないしな。扱いに慣れれば理解も深まるだろうし」
シャル「そうだね。じゃあおさらいしようか。ちょっと待ってて。予備のライフル出すから」
一夏「おう、頼む」
シャル「じゃあ構えてみて」
一夏「ほい」ジャキッ
シャル「あー、違うよ。そうじゃないって」
一夏「そ、そうか? 腕は真っ直ぐ、視線は射線に合わせるように、だろ?」
シャル「そんな構えじゃ安定しないよ。もっと脇をしめて首を立てなきゃ」
シャル「よく見てて。こう、銃床(ストック)をちゃんと肩のところに押し付けるようにして、しっかりと固定。
イメージとしては銃を体の一部、骨の延長と思った方がいいかな。じゃあやってみて?」
一夏「え、ええと…こうか?」
シャル「違う違う。もっと銃をこう、胸じゃなくて体全体に引き寄せるように」スッ
ピト
シャル「ッ…」パッ
一夏「? どうした?」
シャル「あ、いや、ごめん…確かにアサルトライフルにこだわる必要はないかもね。
じゃあ、扱いが簡単なハンドガンにしようか」
一夏「え?」
シャル「どうかした?」
一夏「い、いや。なんでもない」
一夏(気のせい、かな…。何だか距離を置かれてる気がするんだが…)
――遊園地旅行の2日前――
~屋上~
一夏「明後日は待ちに待った遊園地だな」
ラウラ「ああ、楽しみだ」
鈴「アタシも! 明後日は全部のアトラクションを制覇する気でいくわよ!」
セシリア「私、当日はお弁当を作ってまいりますわ!」
一夏「え」
鈴「ちょ!」
一夏「え、ええと…そ、それよりさ! 会場で買ったほうがよくないか!? せっかくの遊園地なんだし!」
セシリア「え? うーん、確かに一理ありますわね。色々と考えてましたが、その方が一興でしょう」
一夏「ははは…また別の機会に作ってくれよ」
セシリア「はい! その時は腕を振るいますわ!」
箒(ぐっ…本当は私と一夏の2人きりのはずだったのに…!)
ラウラ「ん? 今日もシャルロットは不在か」
一夏「ああ。今日も部活の皆と食べるんだって」
ラウラ「ふむ、そうか」
一夏「あいつも忙しいんだろうなぁ」
箒「……」
鈴「……」
セシリア「……」
一夏「あ、そうだ。遊園地のお土産何が言いか、シャルに訊いてこなきゃな」
箒「ん? 今行くのか? 同じクラスなのだから、後でもいいのではないか?」
一夏「いや、行って来るよ。多分今なら家庭科室だろうから。じゃ、ちょっと席を外すな」スクッ
スタスタスタ
遊園地のお土産何が言いか
↓
遊園地のお土産何が良いか
鈴「ねぇ」
ラウラ「ん?」
鈴「最近、シャルロット付き合い悪くない?」
箒「ああ、それは私も思っていた」
セシリア「ええ。特にここ最近は」
ラウラ「本人にも用事があるのだろう。事実、そう言っているではないか」
鈴「そうなんだけど何だか露骨に…一夏を避けてる気がするのよ」
セシリア「妙ですわよね」
箒「遊園地の件にしても、一番乗り気で行くと思っていたのだがな」
鈴「それだけじゃないわ。皆で一緒に行こうっていうのも、本来ならシャルロットが発案しそうなのに」
箒「…それをお前が言うのか?」
鈴「あ…あはは…そ、そんな睨まないでよ! アタシだって少しは悪いと思ってるわよ!」
箒「まったく…そういうのはシャルロットだけかと油断したらこれだ」
ラウラ「…ふむ」
――その日の夜――
~ラウラとシャルロットの寮室~
シャル「じゃあおやすみラウラ」
ラウラ「シャルロット」
シャル「なに?」
ラウラ「何か隠してないか?」
シャル「ッ…」
シャル「変なこときくね。何で?」
ラウラ「いや。ちょっと気になってな」
シャル「別に隠してることなんかないよ。どうしたの?」
ラウラ「……」
ラウラ「すまない。気のせいだったようだ」
シャル「あはは、変なラウラ」
ラウラ「私も寝よう。おやすみ、シャルロット」
シャル「うん、おやすみ」パチッ
ラウラ「…シャルロット」
シャル「んー?」
ラウラ「今はまだ話せないなら無理には訊かない。しかしもし本当に悩んでいるなら…相談して欲しい」
シャル「……」
ラウラ「最初こそああいう悶着があったが、私はこれでもお前の友人のつもりだ」
シャル「…ありがとラウラ。ボクにとっても、ラウラはいい友達だよ」
ラウラ「…そうか」
シャル「でも、本当に大丈夫だから。心配させてゴメンね」
ラウラ「いや、私こそ失礼した。もう寝よう」
シャル「うん、おやすみ」
シャル(別に隠してるわけじゃない…。嘘なんかついてないよね…?)
シャル(これはただ、戻るだけ。やっと普通に戻るだけなんだから)
シャル(…でも)
シャル(やっぱり…寂しいよぉ…)ギュゥ…
――遊園地旅行当日――
~遊園地:会場入り口~
一夏「ふぅ、ようやく着いたか」
ラウラ「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!! ここが遊園地というものか!」
鈴「何だか結構普通ね」
セシリア「私はこういう場所にはあまり訪れたことはありませんが…随分と面妖ですわね。
不思議なところに迷い込んだみたいで」
箒「一夏、行くぞ。時間は限られている」
一夏「あぁ、そうだな。じゃあまずは―――」
~ジェットコースター~
一夏「…何だか結構普通だったな。ここで一番怖い絶叫系のはずなんだが」
箒「まぁISに乗りなれてるしな」
セシリア「それでも多少は楽しめましたわ」
ラウラ「…私は乗れなかったぞ」←148cm
鈴「き、気にしないで! アタシだってギリギリだったから!」←150cm
~IS学園:シャルロットとラウラの寮室~
シャル「……」パチッ
シャル「朝、か…。ラウラはもう行っちゃったみたい」ムクリ
シャル「…とりあえず起きよう」
シャル「ん? 書置き?」ペラッ
『よく寝ていたみたいなので起こさずに行く。
ちゃんと土産は買ってきてやる。次は一緒に行こうな。
ラウラ』
シャル「…ありがと、ラウラ」
シャル「ラウラたちは今頃…」
シャル「……」
シャル「行きたかったなぁ…」
~遊園地:メリーゴーランド~
ラウラ「…なんだこれは」
一夏「いや何って…メリーゴーランドだよ。お前、乗りたいって行ってたじゃないか」
ラウラ「想像してたのとまるで違うぞ…。馬に跨りつつ円形のステージを延々と闊歩するモノとクラリッサから聞いたのだが」
鈴「ほんとにアンタどんなのを想像してたのよ…」
ラウラ「まぁ一度乗ってみるのもいいだろう。さぁ行くぞ嫁、皆」
箒「あ、私はパスだ」
鈴「アタシも…」
セシリア「わ、私も…」
一夏「え…ええと、じゃあ俺も―――」
ラウラ「何だつまらんな。仕方ない、いくぞ一夏」グイッ
一夏「あ、ちょっと! 引っ張るな!」
箒セシリア鈴(((流石にこの歳であれはちょっと…)))
ラウラ「意外に楽しいものだな!」
一夏「そ、そうか…(恥ずかしい…ラウラにせがまれて3回も乗っちまった…)」
箒(何故だろう。一夏と2人きりにさせたのに全然悔しくない)
鈴(むしろ微笑ましすぎて…逆に邪魔しちゃ悪い感じがしたわ)
セシリア「だ、だいぶ時間がおして参りましたわね! 次に行きましょう!」
――――――――――
――――――
――
~IS学園:食堂~
シャル「何だか1人で食べる食事なんて久しぶりだなぁ。いつも一夏たちやラウラと食べてたから」
シャル「さて、どうしよう…今日何して過ごすか、全然考えてないや」
シャル「……」
シャル「ISの自主訓練でもしてよう。ついでに銃の整備もやっておこう」
シャル「…銃、か。そういえば一夏に初めて教えたのって―――」
シャル「……」モグモグ
~遊園地:射的場~
箒「趣深いな。こういうのもあるのか」
鈴「子供だましとにしては結構手が込んでるわね」
一夏「そうだな。このレーザー銃の作りなんか特に。よし、どうせなら誰が一番上手いか競争しようぜ?」
セシリア「フフフ…この名手を差し置いてそのような発言を聴けるとは…甘く見られたものですわね!」
一夏「ラウラすごいな!? パーフェクトかよ!」
ラウラ「ふん、くだらん。軍の訓練に比べればこんなもの朝飯前だ」
箒「く…せめて弓状の射撃武器ならまだ私に分があるのに…」
鈴「手に持つタイプの遠距離武器って扱ったことがあまりないのよね…」
セシリア「くぅぅ…射撃なら私の独壇場のはずですのにぃぃ…照準が全然合いませんわ! 何ですのコレ!」
セシリア「かくなる上は…全て打ち落としてさしあげますわ!」ジャキッ
鈴「うわ、ちょ! 何ここでブルーティアーズ展開してんのよ! やめなさいよ!」
一夏(…銃、か)
一夏(シャルがやったら…ラウラに負けないくらい上手かったろうな)
~飲食店街~
箒「流石に少し疲れたな」←きつねうどん
鈴「そうね。アタシお腹ぺこぺこよ」←チャーシューメン
セシリア「ですわね。混んでましたが、席が取れて良かったですわ」←ミックスサンド
ラウラ「中々面白いところだな。気に入った、また行くぞ嫁」←ランチプレート(ヒレカツセット)
鈴「ちょ、ちょっと! だからそういうのは勝手に決めないでよ!」
一夏「……」←焼きそば
箒「…一夏?」
一夏「ん?」
箒「どうかしたのか?」
一夏「え…あ、いや…別に」ズルズル
箒「?」
~IS学園:アリーナ~
シャル「ふぅ。こんなもんかな」
シャル「汗かいちゃった。部屋に戻ろう」
シャル「…意外に独り言多いなボク」
~シャルロットとラウラの寮室~
ジャー…
シャル「はぁ。サッパリした」
シャル「シャワー浴びてると思い出すなぁ。一夏と同室だった頃の事」
シャル「一夏ったらいきなり開けるもんだから、本当にビックリしちゃった」
シャル「……」クルッ
シーン…
シャル「……」
シャル「…何やってんだろボク」
~遊園地:コーヒーカップ~
一夏「…正直昼飯の後にここってどうなんだろうな」
箒「同意だ…私はパスだ」
鈴「アタシも…」
セシリア「私も遠慮させていただきますわ…」
ラウラ「なんだまたか軟弱者どもめ。しょうがない、行くぞ一夏」グイッ
一夏「え…いや、ちょっと、俺もヤバイから、だから手を引っ張るな!いてて!捻るなぁぁぁぁ!!」
ラウラ「ははははは! 存外に楽しかったぞ!」
箒「そ、そうか…」
ラウラ「コーヒーカップとはカップルで微笑ましく乗るものだと聞いたが、中々どうして楽しいものだな!」
鈴「あんたがカップ回しすぎたせいで一夏飛ばされてたわよ…」
セシリア「だ、大丈夫ですか一夏さん…?」
一夏「あ、あぁ大丈夫だ…(むしろ途中で放り出されなかったら確実に吐いてたな…)」
ラウラ「おい一夏! もう一回乗ろう!」
一夏「えぇ!? い、いいよ!」
ラウラ「何を言ってる! たかが一回くらいでだらしないぞ! さぁ!」
一夏「た、頼む! マジで勘弁してくれ!」
ラウラ「むぅ。仕方のない奴だ。誰か一緒に乗るか?」
箒セシリア鈴「「「………」」」
ラウラ「…ふん、構わんぞ。1人でも乗ってくるからな!」タッタッタッ
一夏「あー本当に行っちまった……」
ラウラ「怒られてしまった」ションボリ
箒「コーヒーカップにも警報ってあるんだな…」
鈴「緊急停止するところなんか初めて見たわ…カップの連結部分から煙出てるし…」
一夏(まったくはしゃぎ過ぎだ。限度ってもんを知らないんだから…)
一夏(これでシャルがいてくれたら、きっと上手い具合にラウラを諫めてくれたろうな)
一夏(……)
~IS学園:シャルロットとラウラの寮室~
シャル「はぁ。予習してみても全然身に入らないや」
シャル「皆は今頃、どうしているのかな…きっと楽しいんだろうなぁ」
シャル「やっぱり、皆と一緒なら行った方が良かったのかな」
シャル「……」
シャル「ダメだよ。もう決めたんだから」
シャル「普通になるって、決めたんだから」
シャル「……」
シャル「…はぁ」
シャル「もう寝ちゃおう…」
ボスッ…
シャル「…一夏ぁ」
~観覧車~
箒「遊園地の〆めといったらこれだな」
鈴「正直まだ乗りたりないけど、しょうがないわね」
セシリア「ですわね。で、誰が一夏さんと乗るかですが」
一夏「え、何で? 皆で乗ればいいだろ」
箒「」
鈴「」
セシリア「」
ラウラ「お前ら何を呆けている? 早く乗るぞ」
鈴「あ、ちょっと! 何当たり前に一夏の隣に座ってんのよ!」
係員「リア充死ね(はーい、男性1名、女性3名、お子さん1名ですねー)」
箒「結局こうなってしまったわけだが」←左隣
鈴「まぁ妥当といえば妥当ね」←右隣
セシリア「納得いきませんわ!」←正面
鈴「いやいや。アンタのその位置って、初々しいカップルとかのソレだから」
セシリア「え、えぇ、そう、なんですの…? いやですわ、私ったら…って、何かいいように言いくるめられた気がしますわ!」
ラウラ「一夏一夏! 高いなここは!」←膝の上
一夏「……」
ラウラ「…一夏?」
一夏「ん? あぁ、すまん…何か言ったか?」
ラウラ「?」
箒「…一夏。どうかしたのか?」
一夏「え? 何が?」
鈴「そうよ。何かあったの?」
一夏「何かって」
セシリア「何だか一夏さん、たまにボーっとなされてますわ。心ここにあらず、って感じで…」
一夏「……」
ラウラ「本当にどうした? 何か悩み事か?」
一夏「うーん…悩み事って程でもないんだけどな。なんつーか、物足りないって感じがしてさ」
ラウラ「?」
一夏「…やっぱり、いつものメンバーだったらもっと楽しかっただろうなぁ、って」
一夏「俺がいて、箒がいて、セシリアがいて、鈴がいて、ラウラがいて…で、シャルがいる」
一夏「そんなのが当たり前だと思っていたからな。だからこの場にあいつがいないことが、何だかすごく不自然な感じがしてさ」
一夏「…ちょっと寂しいかな、って」
箒「……」
鈴「ふーん…」
セシリア「ですわね。確かに一人欠けてると違和感がありますね」
ラウラ「仕方ないだろ。本人だって都合があるのだ」
一夏「そうなんだよなー。何であいつ来れないんだろ。一緒に遊びたかったぜ」
箒「……」
一夏「って、ごめんな。せっかくの遊園地なのに何か辛気臭くなっちまったな」
ラウラ「気にするな。私だって寂しいさ」
鈴「まぁそうねー。ちょっと張り合いがないっていうか」
セシリア「くすっ。愛されてますわね、シャルロットさん」
箒「……」
――翌日――
~IS学園:1組教室~
箒「シャルロット。ちょっといいか?」
シャル「何?」
箒「聞きたいことがあるんだ」
シャル「? 分かった。今行くよ」ガタッ
箒「ああ」
シャル「どうかしたの?」
箒「…お前、何を考えている?」
シャル「へ?」
箒「今度はそういう手でくるのか?」
シャル「いきなり何のこと? 話が見えないんだけど」
箒「昨日、何をしていた?」
シャル「え…だ、だからちょっと…用事が」
箒「用事とは何だ?」
シャル「…何でそんなこと聞くの?」
箒「答えられないのか?」
シャル「…部活だよ、普通に」
箒「だろうな。断れる用事と言ったらそれくらいしかないからな」
シャル「本当に何なの? 聞きたいことがそれだけなら、もう戻りたいんだけど」
箒「だがな、おかしいんだシャルロット。料理部の部員に掛け合ってみたが、昨日は部活なんかしてなかったと言っていたぞ」
シャル「――!」
シャル「え、ええと…自主練だよ」
箒「それも妙だな。家庭科室は個人的な理由で開放はしないはずだ。事実、鍵の管理室と顧問に取り合ってみたが、
昨日はやはり誰も使ってはいないそうだ」
シャル「やめてよ箒…なんでそんなにボクの事をつけまわすの?」
箒「…気になっていてな」
箒「…一夏の気を惹こうとしていたのか?」
シャル「なッ…」
箒「あれだけ積極的に振舞って急に余所余所しくなれば…確かにそうなるかもしれないが」
シャル「そんな…」
箒「事実、一夏は昨日お前の事を気にかけていたしな」
シャル「えっ…一夏が?」
箒「…ああ。やはりお前の目論見通りということ――」
シャル「ち、ちがう! そんなつもりじゃない!」
箒「本当か?」
シャル「本当だよ! 何でそんなこと言うの!?」
箒「……」
シャル「……」
箒(…嘘はついてないようだな)
箒「分かった。余計な詮索だったな。無礼を詫びる」
シャル「え…う、うん…」
箒「…シャルロット」
シャル「な、何かな?」
箒「…正直言って、私はお前のやり方はあまり感心できない」
シャル「―――ッ」
箒「恋は戦争というのは確かに最もだが、かといってある程度の慎みや礼節はあって然るべきだと私は思う」
箒「隙あらば抜け駆けをし、一夏を手篭めにしようとする様は…はっきり言ってしまえばはしたない」
シャル「……」
箒「…すまない。責める言い方になってしまったな。そんなつもりはなかった」
シャル「あ、うん…」
箒「これからはいつも通り顔を出せ。一夏や私を含め、皆心配していたぞ」
シャル「うん…ごめん、箒」
箒「私こそすまない。長話が過ぎたな。戻ろう」
シャル(やり方が感心できない…? はしたないって…?)
シャル(そんなの…分かってるよ。だから、こうしているんじゃない)
シャル(でも、それが返って裏目に出ていたなんて計算違いだよ…何で上手くいかないんだろう)
シャル(じゃあ、どうすればいいの? いつもらしく振舞えって言ったって、今更どんな顔していいか分からないよ…)
シャル(ならいっそのこと…一夏を嫌いになったり嫌われるを努力してみる? そうすればこんなにも苦しまずに――)
シャル(………)
シャル(……)
シャル(…)
シャル(…いやだぁ)
シャル(嫌いになれるはず、ないよぉ…)
シャル(箒たちに嫌われるのは…我慢できるけど…)
シャル(一夏に嫌われるのだけは…いやだぁ…)
シャル(いやだよぉ…)
――休み時間――
一夏「おーいシャルー。この間の遊園地の土産を――」
シャル「あ、ごめん一夏!ちょっとトイレ!」ガタッ
一夏「え? お、おいシャル!?」
シャル「……」タッタッタ…
一夏「…どうしたんだ一体」
――昼休み――
一夏「おーいシャル。皆と一緒に飯…」
シャル「ご、ごめん! 今日もちょっと無理!」
一夏「え? だって、今日は何もないって」
シャル「急用なの! ごめんね一夏!」ダッ
一夏「あ、おい!」
一夏「…おーい」
一夏「……」ポツーン
~屋上~
一夏「なぁ…俺、シャルに何か怒らせるようなことしたか?」
セシリア「はい?」
鈴「何かあったの?」
一夏「いや、なんかさ…前々から距離を置かれてるような感じはしてたけど、今日は露骨に避けられてる気がするんだよ」
箒「……」
ラウラ「うーむ…特に思い当たる節はないが」
一夏「そっか…何でかなぁ。ハァ…」アム
セシリア「確かに見ていて、何か変でしたわね」
鈴「そんなに?」
ラウラ「そうだな。あれは避けているというか…何というか、逃げてるみたいだったぞ」
一夏「えぇ、やっぱりそうか…ハァ、どうしたものか」パクッ
箒(私のせい、だよな……どうしたものか。さすがに言い過ぎてしまったようだ…)
ラウラ「そういうことなら私がシャルロットに聞いてみよう。同室だしな」
一夏「本当か? 助かる」
ラウラ「気にするな。私も最近シャルロットの様子が気にかかっていたところだ」
鈴「うーん…でもシャルロットに限って一夏を避けるなんて考えにくいんだけどねぇ」
セシリア「ちょ、鈴さん!」
一夏「ん? それってどういう――」
鈴「わわわ! な、何でもないわよ!」
一夏「?」
箒(私からもフォローを入れるべきだろうな…しかし言うタイミングが掴めん…)
箒(さりとて今言ってもおそらく余計こじれるだけだし…ここはラウラに任せたほうが賢明か)
箒(うーむ…どうもこういうのは器用に振るえないものだな…)パクッ
――その日の夜――
~シャルロットとラウラの寮室~
ラウラ「シャルロット」
シャル「な、何…? どうしたの、改まって」
ラウラ「話してくれ」
シャル「え?」
ラウラ「お前、何があった?」
シャル「…ええと、意味がよく分からないんだけど」
ラウラ「何故一夏を避ける?」
シャル「ッ…」
ラウラ「今日のことで確信した。お前、一夏を避けてるな?」
シャル「え、ええと…それは…」
ラウラ「喧嘩でもしたのか?」
シャル「ううん…」
ラウラ「では何だ。一夏のせいではないのか?」
シャル「そんなことないよ。一夏は全然悪くない」
ラウラ「…ますます意味が分からないな。なら何故そうまでして一夏から逃げる?」
シャル「そんな…逃げてるなんて」
ラウラ「お前まさか…」
ラウラ「一夏のこと…嫌いになったのか?」
シャル「……」
ラウラ「…おい黙るな。本気にしてしまうではないか」
シャル「……」
シャル「やっぱり、ダメだね。嘘でもそんなこと言えないや」
ラウラ「一夏が好きなんだろう?」
シャル「当たり前じゃない。大好きだよ」
ラウラ「なら何故だ。尚更不可解だ」
シャル「そう、かな…ちょっと普通に振舞おうとしていただけなんだけど…でも、やっぱりボクには出来ないみたい」
ラウラ「…どうも今日のお前は要領を得んな。普通とは何だ?」
シャル「普通って、そりゃ…箒たちがしているみたいな、普通に一夏と関わることだよ」
ラウラ「箒や私たちの普通? それがお前にとって何の益がある。何故周りとあわせる必要がある?」
シャル「どうしたの? 今日のラウラ変だよ。質問ばっかり」
ラウラ「変なのはお前だ。本当にどうした。らしくないぞシャルロット」
シャル「…ねぇ」
ラウラ「何だ」
シャル「ボクらしいって…どういうことかな?」
ラウラ「…お前らしい、か。そうだな。いつものお前ならもう少し積極的に一夏に接すると思うが」
シャル「そういうのが…嫌なんだよ」
ラウラ「は?」
シャル「そうやってさ。一夏に取り入ろうとしていたボクが…何だか嫌になったんだよ」
ラウラ「お、おいシャルロット…?」
シャル「ボクらしいってさ、やっぱそういうことだよね。ラウラもボクのこと、そういう風に見てたんだ」
ラウラ「何を、言ってるんだ…?」
シャル「だからボク、変わろうとしているのに…やっぱ上り手くいかないね。血筋のせいかな」
ラウラ「おいシャルロット! さっきから何のことを言っている!?」
シャル「うるさいな! もうほっといてよ!!」
ラウラ「ッ……」ビクッ
シャル「…とにかく大丈夫だから。今は上手くいってないだけだから。ちゃんとするから…」
ラウラ「……」
シャル「…怒鳴ってごめん。もう寝よ?」
ラウラ「あ、ああ…私こそすまなかった」
シャル「ううん…おやすみ」パチッ
ラウラ「ああ…」
シャル(…最低だなボク。明日は改めてラウラに謝らないと…)
シャル(ホント…何やってんだろ)
シャル(出来ればラウラや皆にも嫌われたくないけど…)
シャル(一夏にだけは絶対に嫌われたくない…)
シャル(……)
シャル(…でも)
シャル(やっぱりこんな自分が…一番嫌いだよ)
シャル(何でだろ…普通がいいよ…普通だったら、もっと皆みたいに一夏と…)
シャル(ボク、どうしたらいいの…? 分からないよ…)
シャル(どうすることもできないの? そんなの、ひどすぎるよぉ…)
シャル「うぅ…うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…」
ラウラ「……」
――翌日の朝――
シャル(…結局あまり眠れなかったな)
ガチャッ
ラウラ「シャルロット。まだ寝ていたのか」
シャル「あ、うん。今起きたとこ。ラウラはまた一夏のとこ?」
ラウラ「ああ。夫婦の朝の営みは大事だからな。まぁまた軽くあしらわれてしまったが」
シャル「ははは…ラウラはいいなぁ。それほど素直になれたらボクも…」
ラウラ「は?」
シャル「あー、ごめん。何でもないよ」
ラウラ「?」
シャル「寝ぼけて変なこと言っちゃった。行こうか、ラウラ」
ラウラ「あ、あぁ…」
~教室~
山田「では、ここの問いを…デュノアく、いえ、デュノアさん。お願いします」
シャル「……」
山田「あ、あのぉ…」
シャル「あ、はい…すみません…ちょっとボーっとしてました」
山田「しょ、しょうがないですね…じゃあ隣の織斑くん。ここをお願いしますね」
一夏「え」
一夏「お、おいシャル! 助けてくれ!」ゴニョゴニョ
シャル「ごめん一夏…ボクも聞いてなかったよ」ヒソヒソ
一夏「そ、そんなぁ…」
山田「あのぉ…目の前で相談されても、先生困ってしまうのですが…」
一夏「あぅ…」
アハハハハハハハハハハハハ…
相川「デュノアさん、大丈夫? 顔色悪いよ?」ヒソヒソ
シャル「うん…ちょっと寝不足気味で…」コショコショ
~アリーナ~
千冬「よしっ。ではこれより、ISの模擬戦を行う。専用機持ちのデュノア、オルコット。前に出ろ」
セシリア「はい!」
シャル「はい…」
千冬「どうしたデュノア。不服か?」
シャル「はっ…あ、いえ、すいません…そういうわけでは」
千冬「さっさとISを展開させろ。皆に手本を見せてやれ」
シャル「はい…」
千冬「どうしたデュノア! 弛んでいるぞ!」
シャル「は、はいぃ…」
セシリア「ほらほらほらほら! どうしましたの! 歯ごたえがありませんわ!」ドウ! ドウ! ドウ!
シャル「うわ、ちょっと! セシリア本気出しすぎだよ~!」
セシリア(これではワンサイドゲームですわね…。何だかシャルロットさんもボーっとしてますし)
セシリア(私との模擬戦で気を抜かれるなんて屈辱ですわ! 眠気覚ましに威嚇射撃を…)
<スターライトmkⅢ>
セシリア「はッッ!!」
ドゥ!!
シャル「へ?」
チュドーン!!
セシリア「う、嘘!? 当たってしまいましたわ!」
一夏「おいおい…いつものシャルならあれくらい楽に避けられるだろ?」
千冬「仕方ないな。おい誰か! デュノアを運び出せ!」
~保健室~
シャル「う、う~ん…」
一夏「お、気が付いたかシャル」
シャル「い、一夏! どうしてここに!?」ガバッ
一夏「おいおい。一応病人なんだから、起きてちゃダメだ」グイッ
シャル「あ、うん…」ポスッ
一夏「まったく。まぁ大事じゃなかったから良かったけどな。倒れたのも、寝不足のせいだってさ」
シャル「そうなんだ…アハハ」
一夏「珍しいよなぁ。シャルが寝不足だなんて。何かあったのか?」
シャル「ええと…まぁ色々とだよ」
一夏「うーん、そっか。まぁ何ともないようで良かったぜ」
シャル「心配かけてごめんね」
一夏「気にすんなよ。友達だろ?」
シャル「…うん、そうだね」
シャル「そろそろ行ったら? ボクはもう大丈夫だから」
一夏「え?」
シャル「何?」
一夏「いや、その…心配だからさ。もうちょっと居たいんだけど」
シャル「心配性だなぁ。ただの寝不足だよ。夕飯までには戻れるから」
一夏「だけど…」
シャル「ほら。箒たちも心配してるよ。早く行ってあげて」
一夏「いや何言ってんだよ。今はあいつ等は関係ないだろ」
シャル「…そう、だよね。一夏はそう思うよね」
一夏「…なぁシャル」
シャル「何?」
一夏「俺さ…何かシャルを怒らせるようなことしたか?」
シャル「え?」
一夏「いや、なんかさ…最近、シャルが俺に距離を置いているように思えるんだけど」
シャル「……」
一夏「情けない話だけど、俺にはまったく覚えがない。だから、ラウラに訊いてくれるように頼んだんだ」
シャル「そういうことだったんだ…」
一夏「どうもラウラにもよく分からないって言われて…で、やっぱり面と向かってお前に謝りたくて」
シャル「……」
一夏「その、さ…。知らないうちに怒らせたのなら謝るから。ごめん!」
シャル「…一夏は何も悪くないよ」
一夏「え?」
シャル「誰が悪いとしたらボクだよ。ボクが、今まで散々ズルい手を使ったから」
一夏「は?」
シャル「あのさ。今までボク、その…一夏にひっつきすぎだと思わない?」
一夏「そうか? どんな時だ?」
シャル「えっと…アポ無しで家に来ちゃった時とか、お風呂に一緒に入った時とか」
一夏「友達なら充分スキンシップの範疇だと思うけどな。まぁ大浴場でのときはちょっとビックリしたけどな」
シャル「うん…一夏がそう思ってくれるのはいいんだけどね。でも、そう思わない人もいる」
一夏「どういうことだ?」
シャル「教えてあげない。でも、そういう人たちがいるのは事実なの。
だからそういう人たちに今まで悪いことしたかな、って。ちょっと反省して慎んでいるだけなの」
一夏「…意味分からないな。お前が気を使う相手っていうのはよく分からないけど、お前が無理していい理由にはならないと思うぞ?」
シャル「一夏は気にする必要ないのに。これはボクへの罰みたいなものなんだよ?」
一夏「は?」
シャル「あはは…また余計なこと言っちゃった。まだ眠気が取れてないみたい」
一夏「…おいシャル。さっきから何を言ってるんだ。話が見えないぞ?」
シャル「うん。一夏には分からないよね。一夏は優しいから…だから気づかないんだと思う」
シャル(でも…それでもいつか、絶対に知る時がくる…)
一夏「…なぁ。やっぱり俺が悪いんじゃないか?」
シャル「違うよ。一夏は何も悪くないって」
一夏「…お前が何に悩んでいるかよく分からないけどな。でも本気で困っているようなら、やっぱり助けたいよ」
シャル「…どうして、さ」
一夏「え?」
シャル「ボクなんかに優しくしてくれるの?」
一夏「…何言ってんだお前」
シャル「一夏がそんなんだから、ボクには一夏しかいなくなって、それでこんな…」
一夏「いい加減にしろシャル! 俺のせいならそうだって、ハッキリ言えよ!」
シャル「うるさいな! 一夏のせいじゃないって言ってんじゃん! 何で分からないの!」
一夏「どう聞いても俺が悪いような口ぶりじゃないか! 俺が悪いっていうなら謝るから!」
シャル「そんなにボクに構わなくていいよ! ボクは皆とは違うんだよ!」
一夏「お、おいシャル! 落ち着――」スゥ…
シャル「―――!」
パシン!!
一夏「え…」
シャル「あ…」
一夏「シャ、シャル…?」
シャル「本当にやめてよ…これ以上構われたら、本当に離れられなくなっちゃう…」
シャル「これ以上一夏に依存したくない…一夏以外の居場所、見つけられなくなるから…」
一夏「…俺は、別に―――」
シャル「いい加減気づいてよ! もう関わりたくないの!!」
一夏「―――ッ」
シャル「とにかくボクはもう大丈夫だから! 一夏は悪くないから! 分かったら出てって!!」
一夏「……」
一夏「…わかった。ごめんなシャル」
シャル「………」
一夏「じゃあ…行くから」
シャル「…うん」
ガララッ…ピシャッ
シャル「……」
シャル「う…うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
シャル(嫌われた…嫌われたかな、ボク…一夏に、嫌われたかな…)
シャル(優しくされるのが嬉しいはずなのに…なのにどうして、こんなに怖いの…?)
シャル(離れたくないよぉ…ずっと傍にいたいよぉ…でも、それは無理だから…)
シャル(一夏に依存したくないよ…でも、嫌いになんてなれないよぉ…)
シャル(いやだよぉ…一夏ぁ…触れて欲しいよぉ…優しくして欲しいよぉ…)
シャル(こんなの…もう嫌だぁ…いやだぁぁ…誰か助けてよぉ…)
シャル「いぢ、がぁ…ぐすっ」
シャル「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
一夏「……」
~廊下~
箒「あ、戻ってきたな。どうだった?」
一夏「…やっぱ分からない。結局、あいつを困らせちまったみたいだ」
鈴「そっかぁ…」
セシリア「心配ですわね…」
ラウラ「…すまない。私の力が足りないばかりに」
一夏「いや…俺のほうこそごめんな、世話かけたのに」
鈴「ねぇ。具体的に、シャルロットどんな様子だった?」
一夏「どうって…何かについて、酷く悩んでいた感じだったな」
セシリア「何かって、何ですの?」
一夏「それが分かれば苦労しないって…」
ラウラ「もしかして…それは泣くほどのことか?」
一夏「え? どうして分かったんだ?」
鈴「分かったって…シャルロット、泣いてたの!?」
一夏「あ、あぁ…俺が出てってから、堰を切ったように泣き始めたんだよ…本当にどうしちまったんだ」
ラウラ「…実はな。昨夜もシャルロットは泣いていたんだ」
一夏「そ、そうなのか!?」
ラウラ「あぁ…シャルロットに悪いと思って黙っていたが…すまない。もっと早く言うべきだったな」
箒「それは…私のせいかもしれないな」
鈴「え?」
一夏「ど、どういうことだ箒! まさかお前、シャルになんかひどいことを!」
箒「お、落ち着け一夏! 遊園地の翌日に、少し注意と心配をしただけだ!」
セシリア「注意と、心配?」
箒「あ、いや、その…お、お前はちょっと、一夏と不埒なことをしすぎる、といったことをだな。注意したんだ…」
セシリア(ああ…)
鈴(そういう…)
一夏「もしかして風呂場のこと言ってんのか? もう済んだことだろ! 何でそんな前のことであいつを責めるんだよ!」
箒「べ、別に責めるつもりはなかった! 事実、私だって心配していた! 本当だ!」
ラウラ「おい一夏。その辺にしておけ」
一夏「ラウラ…」
鈴「うーん。多分箒のしたこともちょっとは反省すべきだろうけど…でも、それが大本の原因ってわけでもなさそうよ?」
セシリア「そうですわよね。シャルロットさんの様子が変だったのは、その随分前からですし」
箒「…しかしシャルロットの今の落ち込みようは私にも非がある。
皆、すまない。シャルロットにもちゃんと詫びるから許してくれ」
ラウラ「いずれにせよ、その大元の原因とやらをはっきりさせなければなるまいな」
鈴「…ねぇ一夏。シャルロット、何か言ってなかった?」
一夏「いや…何を訊いても、俺は悪くないの一点張りで」
鈴「そういう事じゃないわよ。アンタが気になったこととか、言ってておかしかった一言とか。
些細なことでもいいの。何かない?」
一夏「ん…? そう言えば…」
ラウラ「何か言っていたのか?」
一夏「いや、ボクはズルい手を使ったとか、皆とは違うとか言ってたな…。何が何やらさっぱりだけど…」
ラウラ「…妙だな。私も似たようなことを聴いたぞ」
一夏「え?」
鈴「似たようなこと?」
ラウラ「さっき話していた昨夜のことなんだけどな」
一夏「聞かせてくれ」
ラウラ「ああ。変わろうとしているのに上手くいかないとか、血筋のせいかな、とか…。私としてもどうも要領が得れない感じだ」
鈴「シャルロットって、確かデュノア社の社長子息…じゃなかった、ご令嬢でしょ? それが何か関係あるの?」
一夏(あ、そっか…皆はシャルの事―――)
一夏「!!」
箒「どうかしたのか、一夏?」
一夏「そういう、ことかよ…くそッ! そんなことで悩んでいたのか! 何で俺が一番最初に気づいてやれなかった!」
ラウラ「わ、分かったのか!?」
一夏「…ああ、でもこれはシャルのプライベートに関わることだから――」
ラウラ「そんなこと関係あるか! 苦しんでいるのは私の友人だ! 見過ごせるはずないだろ!!」
ラウラ「隠し立てするようなら、いくらお前とて容赦しないぞ!」ガシッ
鈴「お、落ち着きなさいラウラ!」
ラウラ「す、すまない…興奮しすぎてしまった」
セシリア「でもラウラさんのお気持ちも分かります。
事情がどうあれ苦しんでいるレディを放って置けるなんて事、私たちに出来るとお思いで?」
箒「同感だな。友人であるなら、出来るだけすべてを打ち明けて欲しい。
特に私はこの一件の当事者でもある。事情を知った上でシャルロットに謝りたい」
鈴「プライベートだか何だか知らないけどね。そんなみみっちい理由で引き下がれるわけないじゃない!」
ラウラ「頼む一夏! 教えてくれ! シャルロットを想う気持ちは、私たちだって同じだ!」
一夏「…分かった。話すよ」
一夏「正直ちょっとビックリするかもしれない…でも、俺はお前たちだから話す」
一夏「あいつがどんな奴でも、お前たちなら軽蔑なんて絶対にしないって信じてる。それを前提で聴いてくれ」
ラウラ「無論だ。聞かせてくれ」
一夏「あぁ…」
――――――――――
――――――
――
箒「…そんなことが」
セシリア「確かに気にするのも分かりますが…」
鈴「それであたし達が差別でもすると思ってんの? 見くびられたものね」
ラウラ「私に相談してくれなかったのは軽くショックだな…。生まれなど私も似たようなものだろうに」
一夏「ああ。でもそれでシャルが悩んでいたっていうなら、俺たちで解消してやればいい」
セシリア「しかし、どうすれば…」
一夏「決まってる。あいつに俺たちはお前の味方だって教えてやるんだ」
一夏「シャルがどんな奴かなんか関係ない。俺たちはあいつの友達だ。
それが分かってもらえないって言うんなら、目を覚まさせてやればいい」
鈴「…で。具体的には?」
一夏「シャルの所に行く。無論、今からだ」
セシリア「また直線的な…」
箒「…いや、ここは一夏に任せよう」
鈴「え?」
箒「おそらく、それが一番いい。一夏以外に適任はいまい」
セシリア「そうですわね。一夏さんの言うことなら、シャルロットさんにも効くと思いますし」
ラウラ「そうだな。それが最善だろう」
箒「私の責任の一端を尻拭いしてしまうことになるがな…すまない、一夏」
一夏「気にするな。任せておけ」
鈴「いやいや…やっぱりあんただけじゃ不安だから」
一夏「え?」
鈴「あんたじゃ何か喋らなくてもいいようなことを言って、余計に傷つけるかもしれないし」
箒「それはまぁ…」
セシリア「否定できませんわね…」
ラウラ「ふむ…」
一夏「え…? な、何でだよ?」
鈴「だからさ。こういうのはどう? 始めに一夏が行って、それから―――」
――――――――――
――――――
――
~シャルロットとラウラの寮室~
ガチャッ
シャル「ただいまー…って、ラウラ? いないの?」
シャル「いない…何処に行ったんだろ? 茶道部の部活も終わってるはずなのに…」
シャル「嫌われちゃったかなぁ…それもそうか。あれだけ酷いこと言ったんだもん」
シャル「……」
シャル「こんなんじゃ、ダメなのに。ちゃんとしなきゃ、駄目なのに…」
シャル「…もう寝ようかな」
コンコン
シャル「ん? こんな時間に誰だろ? ハーイ、どちら様ー?」
一夏『シャル。今、いいか?』
シャル「―――!?」
シャル「な、何かな一夏?」
一夏『具合はどうだ?』
シャル「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。それと、さっきはごめん。ボク、酷いこといっぱい――」
一夏『そのことで話がある。入っていいか?』
シャル「い、今は…ちょっと…」
一夏『頼む、シャル』
シャル「……」
シャル(…ここで断ったら流石に不自然かも)
シャル「分かった。いいよ。今開ける」
一夏『ああ、ありがとうシャル』
カチャ
キィ…
シャル「その辺に座って。ラウラがちょっと何処かに行ってるけど」
一夏「ああ」ドサッ
シャル「で、話って?」ポスッ
一夏「…さっきの事だけどさ。お前、やっぱり悩んでいるんだろ?」
シャル「…別に悩んでないって」
一夏「いや、間違いない。特にここ最近のお前はおかしい」
シャル「あはは…一夏にも分かっちゃうくらいなんだ」
一夏「あんな様子なら誰だって感付くさ。皆だって心配してたぞ」
シャル「そっか…でも、心配するようなことは何もないよ。ちょっと体の調子が悪かっただけだから」
一夏「…シャル。何でそうまでして、自分1人で抱え込もうとしているんだ?」
シャル「…何のこと?」
一夏「俺たちって、そんなに信用ないか? だとしたら悲しいぜシャル」
シャル「ちょっと待って。話を進めないでよ。ボクは本当に何とも――」
一夏「俺さ…お前が何で悩んでいるか、分かったと思うんだ」
シャル「―――!!」
一夏「…まぁ俺1人の力で分かったわけじゃないけどな。皆の協力があって、ようやく分かったことだ」
シャル「皆も…知ってるの?」
一夏「ああ。皆お前の事を本当に心配してる」
シャル「…そっか」
一夏「それでお前…」
シャル「……」
一夏「生まれの事を気にしてるのか?」
シャル「……」
一夏「…そっか。やっぱりな」
シャル「……」
一夏「…確かにさ。本妻の娘じゃないっていうのは、世間的には冷たく見られるかもしれない。
とても自慢できることじゃないかもしれないよな」
シャル「……」
一夏「でもやっぱり俺たちにとっては、そんなもんは全然些細な事なんだぜ?
そんなことで俺たちがお前の事を軽蔑するとでも思っていたのか?」
一夏「だとしたら、それはとんでもない誤解だ。生まれとか家族がどうとかなんて、それはただの特徴だ。
黒子があるとか、人より背が高いだとか、それくらいのことしかない」
一夏「友達っていうのはそういう特徴だけで成り立つもんじゃないだろ?
お前がどんな奴だって、俺たちはお前が優しくて、明るくて、すっげぇいい奴だって知ってる。だから友達なんだろ?」
シャル「……」
一夏「俺だって家庭の環境とかあまり人に言えたモンじゃないけど、それを引け目に思ったことなんかないぜ。
そんなもんどうでも良くなるくらい、俺はいい友達に巡りあえたから―――」
シャル「…ちょっと違うよ」
一夏「え?」
シャル「確かに愛人の娘、っていうことについてはコンプレックスを感じてる」
シャル「…でもね。それは半分だよ」
一夏「半分?」
シャル「うん…何だか疲れちゃった。もう全部話して楽になるよ。正直もう、どうにもならなそうだし」
一夏「シャル…そんな悲しいこと言うなよ。それを何とかするために俺は来たんだぜ?」
シャル「あはは、ごめんごめん。じゃあ、話すね」
お腹すきすぎ
ちょっとタバコと飯を買って来たいので30分ほど保守頼んでもええかい?
すまん
ちょっと抜けるお
書きためてるんだから最後まで一気に投下しろよ
ふぃただいま。保守どうもありがとう
>>104
すまん実は全部は書き溜めてないんだよ
書き溜めを追記しつつ修正しながらやってっから、どうも間があいちまう
終わったら一気にやっから
シャル「どこから話そうかなぁ…一夏はボクの今の実家との関係は知ってるよね?」
一夏「あぁ。確か、きっぱりと決別したんだよな?」
シャル「うん、したよ。少なくともボクは…いや、自分で勝手にしたつもりでいただけかもね」
一夏「え?」
シャル「あのさ一夏。ボクが最近装備を増強させたことは知ってるよね?」
一夏「あぁ。確か防御パッケージの増設スラスターで、デュノア社製の……あれ?」
シャル「そういういこと。それはデュノア社から支給されたもの。何でだか分かる?」
一夏「い、いや…何でだ?」
シャル「変だと思うよね。何で本家と決別したボクの元に、ひっきりなしにデュノア社の新装備が送られているのか?」
シャル「ボクだって少しは怪しいと思っていたんだけどね。でも、深くは考えなかった。
きっと、父さんはこんなボクでも家族として認めてくれてる。そんな淡い期待があったのかもしれない」
シャル「…でもやっぱり違ったみたい。少しでも信じたボクがバカだったよ」
一夏「どういう、ことだ?」
シャル「…あの人にとってボクは、所詮道具でしかなかったってこと」
チャラ…
シャル「このISにはね…盗聴と盗撮のパッケージが搭載されているんだ」
一夏「なッ…そ、それって――」
シャル「そう。どうあっても一夏や他の皆のデータを盗む気だよあの人は。肉眼では確認できないほどの超微細カメラと
集音マイクが搭載されている。ご丁寧に周波数にもジャミングやプロテクトをかけて、
学園のセキュリティにも引っかからないようにしているから、パッと見ても分からないよ」
一夏「なんて奴だ…反吐が出やがる! プライバシーも何もあったもんじゃねぇ!」
シャル「……」
一夏「で、でも何でそんなもん組み込まれてるって知ってて何もしないんだ? 外しちまえばいいだろ?」
シャル「無理だよ。ISの基幹装備に複雑に組み込む形でインストールされているから。無理に取ろうとすれば、
IS自体が使用不可能になる可能性がある」
一夏「だったらすぐに千冬姉に掛け合おう。駄目だったら束さんにでも土下座する。
最悪装備が壊れてもコアが無事なら、あの人だったら復元できるしな」
シャル「…ありがとう一夏。でも、そういう問題でもないんだ」
一夏「え?」
シャル「ボクがこの事を知ったのはね一夏。本家から連絡があったからなんだ。プライベートチャンネルでね」
一夏「―――!?」
シャル「といっても、通信してきたのはお父さん本人じゃないんだけど。本妻の人が直接本社からかけてきたみたい」
シャル「あの人はやっぱり怖いなぁ…。初めて叩かれた時と同じか、それ以上の剣幕で捲くし立てるんだもん」
一夏「え、ええと…すまん、いまいち分からん。何で盗撮していることをわざわざ言うんだ? 黙ってればいいんじゃないか?」
シャル「ボクに釘を刺すためだよ、一夏」
一夏「?」
シャル「それでね。今の会社の状況とか矢継ぎ早に説明されてさ。簡潔に言うと、いよいよ倒産も秒読みの所まで追い詰められてるみたい」
シャル「そりゃ必死になるよね。今まで社長婦人の座についていたけど、倒産したとなればよくてホームレスだもん」
シャル「ボクはデュノア社の最後の砦なんだよ。IS学園に潜入させて他国のISデータを収集させる。
それだけが会社を存続する唯一の手段だって再三に渡って念押しされたよ」
一夏「でもお前、そんなこと…」
シャル「分かってるよ。勿論断った。友達を売るような真似をするくらいなら今ここでISを壊します。そうまで言ったからね」
一夏「じゃあなんで…」
シャル「…その後言われたんだ。『お前の居場所はそこじゃない。所詮お前は私たちに寄生することでしか生きていけない』って」
シャル「『どうあってもその男は…織斑一夏はお前を選びはしない。お前は汚れた血だから』って…」
一夏「は…? 俺…?」
シャル「流石にそれを言われたときはショックで、しばらく何も言えなかったなぁ。
まぁ相手はボクの気持ちなんてお構い無しで話を進めていたけど」
シャル「しかもボクが今まで一夏にやってきたことを懇切丁寧に映像つきで解説してきてさ。
いかに自分が汚いことをしていたか自覚はあるか、ってまで言われたよ」
シャル「こんなお前なんか誰も受け入れはしない。汚れたお前なんか誰も相手にしない。だから私たちに頼るしかない。そう言われたんだ」
一夏「シャル…?」
シャル「そこから先はよく覚えてない。何だか頭が真っ白になっちゃってね」
シャル「もしまた私たちに背いたら、お前の気持ちを織斑一夏にばらす。
そう言われたら、もう言うことを聞くしかなかったよ」
一夏「おい、シャル…話を進めないでくれよ。俺、まだよく分かんないんだけど…」
シャル「確かにボクは一夏に嫌われても仕方ない。それだけのことはしたかもしれない」
シャル「でも…だったらせめてこれ以上嫌われない努力ぐらいはしたい。そう思ったの」
一夏「な、なぁシャル。話を―――」
シャル「だってボクは――― 一夏のことが大好きだから」
一夏「―――」
シャル「好きになってはくれないかもしれないけど、それでも嫌われることだけは絶対に嫌だった」
一夏「あ……え?」
シャル「…一応言っておくけど、友達としてじゃないからね」
一夏「シャ、シャルが…俺を…? へ…?」
シャル「本当に鈍感なんだね。そうだよ。ボクは一夏が好き。だから一夏に振り向いてもらえる様に、
今までアプローチして、近づいて…色々してきたんだよ?」
一夏「……」
シャル「…でもさ。それって冷静に考えれば、すごく気持ち悪いよね?」
一夏「…え?」
シャル「だってそうじゃない? お風呂で抱きついたり、試着室の個室に連れ込んだり、いきなり家に1人で来たりさ」
一夏「い、いや…俺は別に…」
シャル「ううん。今はそう思ってくれてるだけかもしれないけど、きっと思い返してみたらね。それは怖いことだと気づくはずだよ?」
一夏「…シャル、俺は――」
シャル「いいや。一夏は思うよ。だって一夏は普通の男の子で、ボクは―――妾の子だから」
一夏「そんな、こと…」
シャル「そんなこと? どういう意図で言ってるのかなそれは」
シャル「…しょうがなかったと言い訳する気はないけどね。でもボク、本当に一夏しかいなかったんだ」
シャル「もうお父さんには頼らないって決めてから、ボクの味方は一夏だけしかいなかった」
シャル「だからね…絶対に一夏には離れて欲しくなかった。そのためなら、どんな事でも出来る気がしたの」
一夏「……」
シャル「でもさ、それってやっぱり妾や娼婦の発想なんだよ。自分の居場所を確保するために、相手に寄生するために男に媚びへつらう」
シャル「ボクは無意識のうちにそれをやっていたんだよ? これでもまだそんなこと、って言える?」
一夏「…それは」
シャル「そういうのってよしんば上手くいっても、結局は捨てられる運命にあるんだよ。
そりゃすぐ冷めるよね。所詮は打算の上でしか成り立たない関係だもの。ボクの母さんがそうだったように」
シャル「だから一夏はね。ボクを好きになってくれても、絶対にボクを捨てるよ。飽きたらガムを捨てるようにね」
一夏「…俺は絶対、そんなことしない」
シャル「どうして? 何で好きでもないのにそんなこと言えるの?」
一夏「そ、それは…」
シャル「一夏はやっぱり優しいね。でも優しすぎるよ。優しいだけだよ。そんなんだから気づけないんだよ」
一夏「……」
シャル「でも…でもね……」
ポタ…ポタ…
一夏「あ…」
シャル「それでもボク…やっぱり、一夏が好きだよぉ…」
一夏「シャル…」
シャル「ねぇ一夏…」
一夏「……」
シャル「こんなボクでも、本当に受け入れてくれるの…?」
一夏「……」
シャル「……」
一夏「俺は…」
シャル「……」
一夏「そんなお前でも…いいと思う」
シャル「…汚くても?」
一夏「そんなこと言ってない。お前が汚いだなんて、そんなことあるわけない」
シャル「…やっぱり優しいだけだ。そんな答え、全然嬉しくないよ」
一夏「…ごめん」
シャル「いいよ。やっぱり高望みだったんだよ。最初から、諦めるしかなかったみたい」
一夏「そんなこと―――」
シャル「…でもさ」
一夏「…?」
シャル「好きになってもらおうと努力することって、そんなに悪いことなのかな?」
一夏「……」
シャル「ただ一夏が好きなだけなのに…それで好きになってもらおうと頑張ろうとしただけなのに…どうして普通にできないのかな?」
シャル「もっとボクが普通の家系に生まれていれば…そうすれば、一夏にもっと普通に接することが出来たかな?」
ポロ…ポロ…
一夏「シャ、ル…」
シャル「でも…でも…そんなの、言われても分からないよ! 普通って何なの! どうすればいいの!?」
シャル「しょうがないじゃん! ボクは汚れてるから! 妾の子だから! 普通になんて出来っこないよ!」
シャル「相手に媚びて…色目使うことぐらいしか出来ないんだよ! それくらいしか思いつかなかったんだよ!」
一夏「……」
シャル「でもそんなことしていたって…媚びていたなんて一夏に知られたら絶対ボクに幻滅するよ!」
シャル「好きになってもらえないなら、せめて嫌われないように努力するしかなかった!」
シャル「だからボク…一夏に極力近寄らないようにしたの。そうしなければ、壊れちゃいそうで…」
シャル「でも駄目だったね。最後までボクは役立たずでお荷物。これで本当に居場所がなくなっちゃった」
biii...biii...
一夏「―――!」
シャル「随分のんびりとした通信だね。早速耳に入ったみたい。もうこれでおしまいだ。アハハ…」
一夏「……」
シャル「…ねぇ一夏」
シャル「こんなボクでも、本当に受け入れてくれるの? どうなの? 答えてよ」
biii...biii...
一夏「……俺は」
シャル「……」
一夏「そんなお前でも…やっぱり助けたいと思う」
シャル「~~~~~!」
ポカッ
一夏「ッ!?」
シャル「なんで…? 何でそんなに優しく出来るの? 何でこんな面倒くさい女に構えるの?」
一夏「それは、お前が―――」
シャル「友達だから? クラスメイトだから? 仲間だから? そんな理由で、ボクの事助けられるの?」
シャル「学園を卒業したらどうやってボクの事を守るの? 家に匿う? 何として? 居候?」
シャル「家族や皆を説得できるの? お金は? 人1人養うだけでどれだけ経費と労力が要るか分かってるの?」
一夏「それは…」
シャル「分からないなら安請け合いなんかしないで!
そんなことで一夏の重荷になるくらいなら、喜んで本家の寄生虫でいることの方がマシだよ!」
シャル「やめてよ! それ以上優しくしないで! もう優しくしないでよぉ…!!」
シャル「もうボク、何が何だか分からないよ! 一夏に嫌われたくない! 好かれたいよ!」
シャル「でも無理だよ! こんな汚れた女、誰だって好きにならないよ! でも諦めたくないよ!」
シャル「一夏と一緒にいたい! 優しくされたい! でも、一夏に迷惑かけたくない! 近づきたくない!」
シャル「これ以上優しくされたら、本当に一夏から離れなくなる! やめてよ! 曖昧な理由でボクを縛ろうとしないで!」
一夏「……」
シャル「もうね…本当に訳が分からない…ボクが何言ってるか、何をしたいのか、全部メチャクチャ…」
シャル「本当に…本当に、こんなことしか出来なくて……結局迷惑をかけることしかできない自分が…」
一夏「…!」
シャル「こんな自分が……本当に、大嫌い!!」
一夏「……」
シャル「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
一夏「……」
一夏(俺は…)
一夏(何が…したいんだろう……)
シャル「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
biii...biii...
一夏(何でこんなことして…シャルを泣かせることしか出来ないんだろ…)
一夏(どうして…シャルが泣くと、こんなにも自分をぶん殴りたくなるんだろ…)
一夏(悲しい。虚しい。腹だしい。最低だ、俺…何やってんだろ…何でこんなこと、考えてんだろ…)
一夏(シャルが泣いてて、悲しんで、苦しんでいる。それだけで心が押しつぶされそうだ…)
一夏(俺は…本当に何がしたいんだ?)
一夏(俺は…シャルを助けたいのか?)
――― 初めまして。シャルル・デュノアです。フランスから来ました。皆さん、よろしくお願いします
一夏(俺は…シャルの事、助けたい)
――― もう…心配してたのに。一夏のえっち…
一夏(…本当に、それだけなのか?)
――― そう、ボクの名前。お母さんがくれた、本当の名前
一夏(こんなに助けたいって思って…シャルがいないと寂しくて、苦しんでいると何だか堪えられなくて…)
――― シャル…うん、いい! すごくいいよ!
一夏(友達として? 本当に、それだけか?)
――― その、ちゃんと女の子として一夏に見て欲しかったから
一夏(…違う。そんなんじゃない。こんなに気持ちが昂るのは、そんなんじゃない)
――― 絶対勝ってね、一夏
一夏(シャルだから…他でもないシャルだから、こんな気持ちになるんだ)
――― 一夏がここにいろって言ってくれたから
一夏(俺は…)
一夏(俺はずっと前から、シャルの事…)
――― そんな一夏がいるから、ボクはここにいたいって思えるんだよ?
一夏「―――!!」
ガバッ!!
シャル「あ…え……?」
一夏「シャル。俺って本当にバカだ。もうどうしようもないくらい大馬鹿だ。それに今やっと気づいた」
シャル「いち、か…?」
一夏「そんなになるまで悩んでいたなんて、知らなくてごめんな。でもこれからは絶対、そんな思いはさせないから」
シャル「やめ、で…いぢ、がぁ…ひっぐ…」
一夏「やめない。俺は絶対に諦めない。俺はお前を助ける」
シャル「いぢがのばがぁ…どうして、わがっでぐれないの…? そんなの…づらいだけだよぉ…」
一夏「…あぁそうだよ! 俺はどうしようもない甲斐性無しの大馬鹿野郎だよ!!」
シャル「ッ!?」ビクッ
一夏「こんなになるまで気づけないで…そうまでして追い詰めないと本当のことまで分からない…」
一夏「糞格好悪い最低の大馬鹿なんだよ!!」
一夏「でもな…しょうがないだろ!! 放っておけるわけないだろ!!」
一夏「何で優しくするだと? 友達だから? 仲間だから?」
一夏(俺は…)
シャル「……」
一夏「確かにそれもあるのは否定しない。でも、そんなじゃない。そんな理由でここまでするもんか」
一夏(俺は…!)
シャル「いち、か…?」
一夏「お前にここまで構うのも、助けたいって思うのも、そんなもん全部、俺は――――」
一夏「そんなもん…お前が好きだからに決まってんだろ!!!」
シャル「………え?」
一夏「…恥ずかしいな。こんな格好悪い告白なんか、そうそうないよな」
シャル「いち、か…? そんな…きをつかわれても、ボク――」
一夏「バカヤロウ!! こんなこと、憐れみや同情で言ってると思ってんのか!? 見くびるな!」
シャル「ッ!」ドキッ
一夏「俺がお前を好きになったのは、さんざんモーションかけられたからでも、増してやお前が汚かったからじゃない」
一夏「明るくて、気立てがよくて、授業や実戦で俺が分からない所とかあると丁寧に教えてくれて」
一夏「すごく可愛いくて育ちが良いのに全然鼻にかけなくて、怒ると怖いけど基本的には優しくて」
シャル「あ、う…」
一夏「それで料理でも何でも出来てすごく家庭的でさ…こんなに俺に尽くしてくれる女の子がいるんだぜ?」
一夏「こんだけ可愛い女の子が、俺のためにここまで甲斐甲斐しくしてくれるなんて…」
一夏「そんなもん、好きにならない方がおかしいだろうが!!」
シャル「え…えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
一夏「ああそうだよ。俺はシャルが好きだ。好きで好きでたまらない。だからこんなに構いたいんだよ」
シャル「う、そ…」
一夏「嘘じゃねぇ。友人としてじゃない。仲間としてじゃない。
ただの1人の女性の、シャルロット・デュノアが好きなんだ」
シャル「あ…え…」
一夏「情けないよな。お前に距離を置かれてすごく寂しかったのも、好きって言われたとき死ぬほど熱くなったのも、
泣き出したときにすごく悲しくなったのも、全部お前が好きだったからだ」
一夏「そんなことも今まで分からなかった俺は…本当に大馬鹿野郎だよ」
シャル「あ…あ…」
一夏「本当に今までごめん、シャル。俺がもっと自分の気持ちに早く気づいていれば、お前にこんな思いをさせずに済んだかもしれないのにな…」
箒セ鈴ラ「…!シャルの泣き声!今こそ私たちの…」
一夏「好きだ!」
箒セ鈴ラ「えっ」
シャル「…うそ、じゃない?」
一夏「嘘じゃない。俺はシャルが好きだ」
シャル「ほんとに、ほんと…?」
一夏「ああ、誓ってもいい。だから養えって言うなら、喜んでこっちからお願いするくらいだ」
シャル「だ、だって…ボク……」
一夏「生まれがどうとか、もうそんなのよせ。どうあったってお前はお前だ。ただのシャルが好きなんだ。
むしろ今まで好きでいてくれて…本当にありがとう。俺はすごく嬉しいよ、シャル」
ギュゥ…
一夏「俺もお前が好きだシャル…だからどこにも行かないでくれ」
シャル「あ…あぁぁ…」
一夏「シャル…もう、大丈夫だから……」
シャル「あぁぁ…うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
一夏「泣くなよシャル…俺まで悲しくなるだろ」
シャル「むりぃ…こんなの、むりだよぉ…」
俺が書こうと思ってたSSを先にやられちまったぜ支援
シャル「ほんとに、ボクがすきなの? ボクで、いいの?」
一夏「お前じゃなきゃ嫌だ。お前がいれば…いい」
シャル「ほん、と…? ボク、けがれてても、いいの?」
一夏「シャル。もうそんな風に言うな。お前は全然汚れちゃいない。これ以上お前にそんな事言う奴は、白式でも何でも使ってブッ潰す」
シャル「いち、かぁ…」
一夏「だからシャル。どこにも行かないでくれ。お前が行っちまったら俺…俺は……」
シャル「いちかぁ…いちかぁぁ…!」
シャル「う、うそみたい…いちかが、ボクのこと、すきで…ボクも、いちかがだいすきで…」
シャル「ゆめみたい…こんなこと、しんじられない…こんなしあわせで、いいの…?」
一夏「いいに決まってんだろ。当たり前だ!」
シャル「こんなの…しあわせすぎるよ…もうほんとうに、しあわせで、ボク……」
シャル「いぢ、がぁ…う、うぅぅ…うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
――――――――――
――――――
――
>>148
気にせず書きなさい
~廊下~
箒「」
セシリア「」
鈴「」
ラウラ「……」
箒「…誰か今の状況を3行で」
セシリア「出る頃合を見計らっていたら重大なカミングアウトみたいのされて」
鈴「しまいにはシャルロットが泣き出すやらで何かもう完全に入るタイミングを見失って」
ラウラ「気が付いたらシャルロットと一夏が恋人になっていたな」
箒「は、ははは…何だこれは…夢か? 夢だよな? 誰か頬を抓ってくれないか? 強めが望ましいんだが」
鈴「いいわねー何だか誰彼構わず龍砲ぶっ放したい気分なのよー」
セシリア「レーザーもありますわよぉーうふふふふふふふー」
箒「あはははははそれはいいなーそれならこの悪夢も醒めるだろうなぁー景気づけに頼もうかなー」
ラウラ「お前ら落ち着け」
鈴「はー…結局は押しの強さがモノを言うのかしらねー…」
箒「一夏…」
セシリア「やってられませんわ! 今日は失恋ハートブレイクパーティですわ!」
鈴「いや、それだと失恋失恋パーティだから」
セシリア「こ、こまかい事はいいんです! 反復法ってやつですわ!」
ラウラ「なんだお前ら、もう諦めるのか?」
鈴「え?」
ラウラ「私は今回のことでよく学んだぞ。何事も諦めず、そして追い求めれば得るものもある」
ラウラ「今回は事情が事情だったためシャルロットに華を持たせてやるが、一夏は私の嫁であることは決定事項だ。異論は認めん」
ラウラ「だから私は決して諦めんぞ。別に今勝たなくてもいい。最後まで一夏の傍に立っていれば、それが勝者だ」
箒「わ、私だって諦めるものか!」
セシリア「そうですわ! これからはもっと積極的にアプローチするまでです!」
鈴「略奪愛なんて正直いって柄じゃないけど、相手が一夏だってんなら話は別よ!」
ラウラ「ふっ。結局私たちはライバルのままか。まぁその方が居心地がいい」
ラウラ「さて。私もそろそろ戻るとしよう。今日のところは引き上げだ」クルッ
鈴「え? 戻るってどこよ? アンタの部屋はここ―――」
ズカズカズカ
鈴「って、行っちゃった…」
セシリア「鈴さん」
鈴「?」
セシリア「…少し、1人にさせてあげましょう。ああは言ってましたが、やはり気持ちの整理が必要ですわ」
鈴「…そうね。あたしたちも、戻ろうか」
セシリア「そうですわね…」
箒「……」
~シャルロットとラウラの寮室~
一夏「…落ち着いたか?」
シャル「うん…ありがと、一夏」
biii...biii...
一夏「あ、そうだ。大事なこと忘れてた」
シャル「え?」
一夏「ちょっとIS借りるな」ブチッ ピッ
シャル「あ…」
一夏「おい、この会話を聞いてる糞ジジイだか糞ババア!! そういうことだ! 俺はシャルが好きだ! 愛してる!!」
一夏「でもな、お前らにシャルを好きにはさせないからな!! シャルは何に代えたって俺が守る! お前らなんかいらない!」
一夏「今度シャルに酷いこと言ってみろ!! そうなったらISでも何でも使って、お前らの会社ぶっ潰すからな!!」
ブン! ガツンッ カラカラカラ…
一夏「ふぅ…すっきりした」
シャル「あはは…宣戦布告、だね」
一夏「そういうわけだから。これからは俺がシャルを守る。命に代えてもな」
シャル「…うん。ありがと、一夏」
シャル「でも、死なないで。一夏が死んだら、本当に1人になっちゃう」
一夏「お前は1人じゃないよ。言い忘れてたけど、お前には俺の他にもちゃんとした仲間がいるんだぜ?」
一夏「なぁ、そうだろ!? 皆!!」
シーン…
一夏「あ…あれぇ…?」
シャル「……」
一夏「お、おかしいな…こんなはずじゃ…」
シャル「もしかして…皆いたの? 最初から?」
一夏「あ、あぁ…ったく何やってんだよ皆…」
シャル「あ、あははははははは…」
シャル「…でも、ありがとう一夏。そうだね。ボクは1人じゃない。そんな単純なことも忘れかけていたよ。本当にありがとう」
シャル「…ねぇ一夏」
一夏「なんだ?」
シャル「本当に…ボクでいいんだよね?」
一夏「不安か?」
シャル「ちょっとだけね。何だか現実味がなくてさ。まだ夢を見てるみたい」
一夏「信じられないなら、俺はそれでも構わないぜ?」
シャル「え…?」
一夏「シャルが信じられなくても、俺はシャルの事を信じているからな」
一夏「いつかお前の不安とか心配とかが、全部なくなるって信じてる。それで、最後には俺を信じてくれるって信じているから」
シャル「一夏…」
一夏「だからさ。また約束しようぜ? それまではずっと一緒に、また学園にいよう」
シャル「約束?」
一夏「あぁ、約束だ」
シャル「一夏」
一夏「なんだ?」
シャル「ずっと一緒に、いてくれる?」
一夏「勿論だ。こちらこそお願いしたい」
シャル「そっか…」
一夏「ああ」
シャル「じゃあさ…証拠が欲しいな」
一夏「え」
シャル「だめ?」
一夏「…いや、望むところだ」
シャル「一応言っておくけど、指きりとかそんなんじゃ―――」
一夏「分かってるよ。流石にそこまで鈍感じゃない」
シャル「よかった」
一夏「…好きだシャル」
シャル「ボクもだよ、一夏」
シャル「ずっと一緒にいてね?」
チュッ♥
~END~
ここで悲しいお知らせ
実はコレ…3部構成なの
つーわけで1部終了
2部は諸事情によりsage進行で一気に投下する
諸事情により
_,、=:ニ;‐、、--――‐y、,_ ,,r;;;;''''=―--、、,_
/´ ヽ,ヽ,.゙'l,.゙Y;--',r'゙'ヾ;'V.j /∠,,.r_;'゙-‐-,<゙゙ヽ,'i、'‐、,
./_ .,,_j ゙l l,. Y/゙'ヾ、;、ノ,r;'| /jフ,r-、ヽ、 _,,>.゙'ー;゙' ーi,. |'i,
j.ヾ! ト‐! | .| .|,_ ./,.〈. 〉| ./ .(゙ _>゙'゙ r''゙´'i,゙l, ,j レ! .|:| 頼れるよい子の味方! 『キング・クリムゾン』登場!
.|il, __ j .j゙ .l ト,゙',/ j.゙ r;| .レ'゙''‐ニ'''゙r''゙´ .゙l,ヽ,. ,ノ ゙ r''1.jノ
.|.l,゙l, ゙ー゙.ノノ / / ゙l ゙l,ヽr',r'l ゙;| .ト、,. /./´゙ヽ;.、 ノ ,゙rッ .,Y';V 『エロ』の『過程』は消し飛b…ばないッ!!
| l,.゙ヽ--'゙ ,ノ / l, ゙'゙,,.l, ,j ゙| l,ヾ,、--、,,,、'_, r''゙ l / li,;)
l,. ゙'i, / ,rシ-、,ィ) l,゙i,V/゙j゙ /゙,,、、、,_ ゙\!.レ゙ .| Y゙
゙l゙i,・ヾi, ,/ィl、・_ノ ,;:: ゙シ'i.l,ノ ./゙ \ ゙Y: .l /
| `ラ´゙'''´ ''"'´ .| |:.r'`V'''" ̄`゙ヽ、 ゙'i, |. ' /
゙'i, .j |./ ∧、, ゙̄ヽ、. \ ゙l. |\ ./
゙i,. r、,,,.、,_ / ノメ、 .j |ヾヽ,゙'ー---‐'''''ヾ-、,‐'
.゙i,ヾ'-'ニワ. / ./ノ .V j゙ |'i,. ヽ;-‐-、,_::::__ ::..>
/:::l,〈` //‐'´ ./.ヽ/ .j.ノ .:ヾ、;:) ゙'i `ヽ、
/::::::::|ヾ‐;<;/__,、r'´ ./ .)='゙ ..:: ,ソ .(:: _,,r‐''゙⌒`゙ヽ、,
/ l;::::::::::Y゙人゙l;:. .,/,r'ニ゙ _,、r''´ ..:: ゙ヾ、 :: ヽ,
l /,r:| j‐゙''l; ゙ニー‐'゙ (`l.(_,r‐'''゙´__,, ....::::: .`ヽ、,....:::::.. ゙l,
.!. .l゙l゙レ'>‐゙ | ト;゙i,l、ノ,r;;'ニ゙/´゙Y .,r'゙ ̄ .....::::::::::::::::::::::::.゙ヽ、::: l,
| 'ー;l.'i,.l゙ ,j 'シ'‐-ヘ;'V゙./ ゙l, ヽ, ......::: ::::..ヽ, ゙l
.|._,rラl,.| / ,i l, .ノ , ゙i, .゙ィ,.レ' :.゙l, .|
/ / ゙l l,゙l,/./ .l, l, ././ .゙l,゙l、 /.,ィ´ ,.r''ニ'' ヾ, .:l, j゙
.,rl´.'-‐ニ, .,、 L,,,,,゙l, V / ヽ,゙'´/.| .l゙/;=iミ;゙'i,. [ .:::::::::::::::Y゙
.,r',、 「゙´ | .| jヾ、--、ヾl, /,、 ゙l,.゙l、-';j;ノ::::::゙レ゙lj゙ ........::::::::::::::::::::::::::|
/ ./.| .レ-‐' 'ソ::l,゙l, ./.∧、ヽ、,,/,/,,゙'i,,゙L、‐'゙::/:::// :::::::::::::::::::::::::::::j゙
レ:'二i .i''゙゙´| .|:::::::)、V.l゙ ゙l,.゙'V / ゙'i, ゙V゙ /ノ゙ /゙L,___,,,_ : : :: :::::l
..゙T´ .| | ,.| .|::::::/ ゙'i,゙l, `i , l, 〉,,.〈/ .ヽ、,,,,,、、-―‐-、ヽ、 ..:: .:/
一夏(あの後、俺は正式にシャルと付き合あうことになった)
一夏(まずは皆に紹介した。何故だか知らんが皆にはISで追い回されてあやうく半殺しにされそうになったが)
一夏(千冬姉にも相談した。そしてシャルを取り巻いている問題のことを打ち明けたら、今までに見ないほどの形相で憤怒してくれた)
一夏(学校の整備班に頼んだら、あっさりと盗聴盗撮パッケージは外された。シャルの専用機が後進的な第2世代だったのが幸いした)
一夏(同時に千冬姉は、デュノア社には俺たちに深入りしないように『念入り』にお願いしてくれた)
一夏(相手の事を許す気はないけど、せめて同情くらいはしよう…あの形相の千冬姉に言い寄られたのだ。心中お察しする)
一夏(その後はIS学園特記事項に基づく、シャル個人に対しての不可侵条約をデュノア社に直接結ばせた)
一夏(まぁかくして、俺たちは晴れて恋人になれたわけだ)
一夏(今までどおり普段は皆と過ごして、たまに2人で過ごして、デートもそれなりに回数を重ねた)
一夏(買い物にも行った。映画館にも行った。動物園にも行った。2人で遊園地にも行った)
一夏(手を繋いだ。腕を組んだ。プレゼントを交換した。キスも何度だってした)
一夏(おおよそ恋人がすることは全てしてきたつもりだが…やはり俺はまだまだ鈍感だったらしい)
一夏(俺たちにはまだ超えてない一線があったが、俺はいつの日か、いつの日かとさ先延ばしにしてしまっていた)
一夏(だけど俺の彼女、シャルロット・デュノアは…そんな悠長な俺の考えなどお見通しだったようで…)
一夏(本日はいつも以上に大胆に、そして強引に俺の家にお呼びすることを約束させられ…)
一夏(そんなわけで…ただいま俺、織斑一夏は…)
シャル「……///」
一夏「……///」
一夏(俺の青春時代最大の分岐点にいます…)
~織斑邸:織斑一夏の部屋~
ああ蛇足だ
だが書きたい
だから続ける
一夏「……///」
シャル「……///」
一夏(まずい…かれこれ部屋に入れてから、10分くらい押し黙ったままなんだが)
シャル「……」
一夏(いやいや。ここで女の方から言ってもらうの待つようじゃ男の立つ瀬がないだろ。ここは軽い話題から)
一夏「な、何か飲むか?」
シャル「え? ええと…さっき麦茶貰ったから、別にいいかな」
一夏「そ、そっか…あはは」
シャル「……///」
一夏「じ、実は今日千冬姉が遅くってさー」
シャル「そ、そうなんだーへー」
一夏「あっはっはーシャルのこと話したら、あまり羽目は外しすぎるなよってなんかすごい顔で言われてさー。
しかも消臭剤まで渡されてさー何考えてんだろうなぁー…あは、あははははは…」
シャル「あ、あははははは…///」
一夏「あ、あのさシャル」
シャル「へ!? な、なに、かな一夏!」
一夏「ええと、その…お、男の部屋って言うか、家に1人で来たって事はその…そういう、ことか?」
シャル「……///」
一夏(うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!? 無言のまま赤面するシャル…何かすっげぇ可愛い!)
シャル「一夏は…」
一夏「え?」
シャル「いやだった?」
一夏「はぁ!? そんなわけあるか!」
シャル「ほんと?」
一夏「ほ、ほんとだよ…」
シャル「……」ジィーッ
シャル「…嘘じゃないよね」
一夏「いや、嘘じゃないけど…」
シャル「……」ジィー
一夏「そりゃ…男としちゃ、嬉しいに決まってんだろ」
シャル「そう?」
一夏「あ、当たり前だ!」
シャル「じゃあ何で今までそういう雰囲気のとき、手を出さなかったの?」
一夏「そ、そりゃ…俺たち、まだ学生だし…それに、シャルの事を大切にしたいし――」
シャル「ねぇ」
一夏「ん?」
シャル「ボクさ…前から言ってたよね。一夏なら、いいよって」
一夏「そ、それは…」
シャル「…あの頃の事を思い出すのは、まだちょっと勇気要るけど」
一夏「お、おいシャル…だから、気にすんなって」
シャル「うん、一夏は優しいね。一夏の優しいところは、確かにボクの大好きな部分の1つでもある」
シャル「でも…すべてが優しいだけなら、それはある意味ですごく残酷なことだと思うんだ。優しいってだけで全部が伝わるなら、誰だって苦労はしないよ。優しいだけじゃ、本心は伝わらないよ」
一夏「俺は…」
シャル「分かってるよ。ボクを思いやってのことでしょ? 確かにそれは優しさ。でもね、理由と過程はどうあれ、ボクを拒絶している結果は変わらないでしょ?」
一夏「そ、それは―――」
シャル「一夏ったら、ボクが必死にムードとか雰囲気を作っても…結局いつものようにのらりくらりとかわしちゃうんだもん…」
一夏「うッ…」
シャル「ボク、やっぱり一夏に嫌われてんじゃないかって―――」
ガバッ
シャル「きゃぁ!? い、一夏!?」
一夏「ごめんシャル! 俺、またお前を不安にさせていた! 本当にごめん!」
一夏「俺、お前の事を大切にするってことを言い訳にして…だけど本当は、ガッツきすぎてお前に引かれることが怖かったんだ」
一夏「そんな事で躊躇していたんなら、それは優しさでもなんでもないよな…。
ただのヘタレで臆病なだけだ。それをお前に言われるまで分からないなんて、最低だ俺…」
シャル「…やっと気づいた?」
一夏「あはは…面目ない。ごめんなシャル」
シャル「でも、何か不思議な感じがする。一夏がボクと同じようなことで悩んでいたなんて」
一夏「ははは…ごめんな」
シャル「いいよ。許したげる」
一夏「…勘違いしないで欲しいけど、俺だって本当はその…」
シャル「そ、そっか…///」
一夏「本当に…する、ぞ?」
シャル「…うん」
一夏「俺…きっと、抑えられないぞ?」
シャル「いいよ。一夏なら」
一夏「シャル…」
シャル「ていうか…一夏じゃなきゃ嫌だ」
一夏「……///」
シャル「……///」
一夏「え、ええと…じゃあまずは」
シャル「あ、待って待って! やっぱりその…シャワーくらいは浴びたい」
一夏「あ、うん…そうだよな……じゃあ、俺から入ってくるよ」
シャル「う、うん…」
――20分後――
一夏(ヤバイマジで…入学初日の時の100倍は緊張してる…)
一夏(シャルが戻ってきたら、俺たちは…)
一夏(うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! ますます緊張してきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)
一夏(こ、こういう時って何を数えれば…? 素数? 円周率? それとも手の平に人と書いて――)
キィ…
一夏(き、来た!)
シャル「お、お待たせ―――」
一夏「あ、ああ。早かったな―――」
一夏(シャ、シャル…! バスタオル一枚だなんて色っぽすぎるだろ!)
シャル(あ、あれ!? 一夏、シャツとトランクス!? てっきりもう準備してるもんだと…)アセアセ
シャル(や、やばいよ…引かれたかな、こんなの…)ウルウル
一夏「シャ、シャル…取り合えず座れよ」
シャル「あ、うん…///」ポスッ
一夏「……」バクバク
シャル「……」ドキドキ
一夏「じゃ、じゃあ…その…」
シャル「あ、うん…よろしくおねがい? します…」
一夏「おおう…初めてだから上手くは出来ないかもしれないけど…」
シャル「ぼ、ボクもだから…それに、一夏だったら、きっと何されても大丈夫だよ」
一夏「ごめん…出来るだけ優しくするから」
シャル「ありがとう…じゃあ、最初はキスからお願い」
一夏「あぁ…」
チュゥ…
一夏「―――」
シャル「―――」
一夏「シャル…好きだ」
シャル「うん…ボクもだよ、一夏」
シャル「今度は、ちょっと深くやってみようか?」
一夏「え?」
シャル「大人の、キス…だめ?」ウル
一夏「ッ!(そ、そんな上目遣いで言われたら、もう!)」
ガバッ
シャル「ひゃぁ!?」
チュゥゥ
シャル「!?」
ニュルルルルル…レロ、レロ…
シャル「~~~~~~~~!!」
一夏(我慢できるわけないだろ!!)
シャル「ん、んん…♥ はむぅ…♥」
一夏「んむぅ…はぁッ…んんん…」
シャル(一夏ぁ、嬉しいよぉ…そこまで、ボクを求めてくれてぇ…)
一夏(シャル…たどたどしいけど、ちゃんと俺の舌を舐め返してくれて…顔もすごく赤くなって、めっちゃエロい…)
シャル「はぁ、はぁぁ……んん!」グィ
一夏(うぅ!? 体を引き寄せて…)
シャル「は、あぁ…いち、かぁ……んん…♥♥」
一夏(シャル…シャルゥ…!)
ガシッ
シャル「んぶぅ!?」
一夏「はぁ…はッ、はぁぁ…!」モニュ…モニュ…
シャル(いち、かぁ、だめぇ…ボクのおっぱいを、揉みながら、キスだなんて…)
シャル「いち、んんん…♥ んんんんんんん♥♥!」
モミ、モミ、グィィィ…レロレロ
シャル(こんなの…おかしく、なっちゃうよぉ…♥)
ラッ
シャル「あっ」
一夏「うわぁ…」
シャル「み、見ないで///」
一夏「シャル…すごく、綺麗だ」
シャル「へっ…」
ダキッ
シャル「あっ…」
一夏「ああ…夢にまで見たシャルの裸が、俺の腕の中に…嘘みたいだ」
シャル「あ、あぅ…」
シャル「…ボクの裸、夢にまで見たの?」
一夏「ああ…あの日から、目に焼きついて離れなかったんだ」
シャル「そんなに?」
一夏「あぁ。正直、すっげぇ溜まらなかった」
シャル「そ、そうなんだ…具体的には?」
一夏「え?」
シャル「ええと、どれくらいボクの裸に、その…興奮、したのかな、って」
一夏「……」
シャル「…一夏?」
一夏「…引かないか?」
シャル「引かないよ、絶対」
一夏「…その日のうちに」
シャル「えっ?」
一夏「夜中にこっそり、シャワー室で処理したくらいだ」
シャル「へ、へぇ…///」
シャル「一夏って本当にえっちだね」
一夏「いや、あれは我慢するほうが無理だって」
シャル「そ、そっか…」
一夏「なぁそろそろ、いいか? 正直、もう辛抱たまらないんだけど…」
シャル「うん、いいよ。その代わり、優しくね?」
一夏「気をつけるよ」
プルン…
シャル「あ…♥」
一夏「すげぇ…布越しと直じゃ全然違う…吸い付くみたいだ」モミュモミュ
シャル「はぁぁ…あん♥ い、いちいち言わなくてもいいよぉ…」
一夏「なんかぷにぷにしてる部分があるな」コリコリ
シャル「ひゃぅ!? こ、コリコリしないでぇ…♥ はぁッ…!」
一夏「あ、硬くなってきた」
シャル「言わないでってばぁ…♥」
ガバッ!
シャル「ひゃわ!? い、いきなりすぎだよ~!」
チュッ
シャル(あ、ほっぺにチューだ…ちょっといいかも♥)
ハミ
シャル「ひゃぁ! い、いきなり、耳を、はぁん♥!」
チュゥゥ
シャル「ひぃぃぃぃぃ! く、くびはぁ…だめぇ…あぁッ!」
チュッ チュッ
シャル「さ、鎖骨にキスだなんて…一夏ってそういう趣味でもあるの?」
シャル(って、あれ…? これって…どんどん下に――)
チュゥゥゥ!!
シャル「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん♥♥♥!!」
シャル「い、いち、かぁ♥ そんな、お、っぱい、すっちゃ、ひゃぁ♥!」
チュゥゥ…カリッ
シャル「はぅんッ!? か、かんじゃ、いや、あぁぁぁあッ!」
コリコリ…チュゥゥ…
シャル「はぁッ、はぁぁぁん! あぁん! そんな、いっぺん、にぃ、やっちゃ、あぁぁ!!」
チュゥゥ…チュパ、チュパ、コリコリ グィィィィィ…
シャル「も、もう、だめ、き、きちゃ―――」
シャル「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」ビックビックン
一夏「はぁ…はぁ…はぁ…」
シャル「はぁ、はぁ、はぁぁ…もう、一夏ってば赤ちゃんみたい」
一夏「す、すまん…つい」
シャル「もう、可愛いなぁ。そんなにおっぱい好き?」ナデナデ
一夏「他でもないシャルのなら、そりゃ興奮するに決まってる(撫でられるってけっこういいな…)」
シャル「えへへ…嬉しいな」
一夏「なぁシャル」
シャル「んー?」
一夏「さっきさ…もしかして、イった?」
シャル「へ!? な、何のこと!?」
一夏「いや、だってさ。その、すごい痙攣してたし」
シャル「いいいいいいいいい一夏のえっち!」
一夏「それに――」
クチュ…
シャル「ひゃぁぁ!?」
一夏「ここが濡れすぎて…溢れて、シーツにまで染みてるから」
シャル「も、もう! いきなりそんなこと――」
一夏「触っていいか?」
シャル「触ってから言わな―――」
クイ…
シャル「あぁん♥!!」
ズリ…ズリ…
シャル「そ、そんな、さすっちゃ…ら、め…」
一夏「いれて欲しい?」
シャル「そ、そんなこと一言も――」
ズプ…
シャル「あっ…」
一夏「ゆっくり入れるぞ?」
ヌププ…
シャル「あ、あぁぁぁぁぁ♥!」ギュゥゥ
一夏「うっ…すごいな、どんどん締め付けてくるぞ」
シャル「そ、そん、なぁ…」
一夏「曲げるぞ?」
シャル「へ?」
クイ…
シャル「んあああああああああああ♥♥!!」
一夏「すごい…こんなに湿って、きゅうきゅうで…」
シャル「はぅ…はぁぁ…! いち、かぁ…♥♥」
一夏「シャル…俺の指で感じてくれて嬉しいよ」
シャル「はぅぅぅぅん…いち、かぁ…もっとぉ…♥」
一夏「分かった。痛かったら言ってくれ」
一夏(まずは軽く出し入れから…)
ヌププ…
シャル「はぁぁ…抜いちゃ、いやぁぁ…」
一夏「あ、ああ悪い…じゃあ、もっかい入れて」ズプ
シャル「あっ♥」
一夏(また曲げてみよう)
クイ
シャル「はぁぁぁぁん♥♥♥!!」ビックゥ
シャル(そんな…ボクの弱いところ、もう見つけたの…?)
一夏「な、なんだ? すごい反応だな」
シャル「あぅ…そ、そこはいやぁ…」
一夏(もしかして今のコリコリしてたところか?)
一夏「ここか?」
コリコリ
シャル「あぁん! だ、めぇ♥! それ、だめぇ♥♥! ひゃぁ♥♥♥!」
一夏「シャル…あぁ可愛いよ、シャルぅ…」
シャル(す、すごいよ…こんなの…)
シャル「自分でするのと、全然違うぅ…」
一夏「え」
シャル「…え?」
一夏「シャ、シャル?」
シャル「ええと、もしかして今、ボク…口に出してた?」
一夏「あ、あぁ…」
シャル「……」
シャル「~~~~~~~///」
ボフッ
一夏「あ…」
シャル(うわ~~~~~~やっちゃった~~~~~~! 恥ずかしいよぉ~~~~~!!)
一夏(枕で顔を隠してるシャル可愛いな)
一夏(…というか大事な部分が色々丸見えなんだけど///)
シャル(うぅ…引かれたかなぁ…こんないやらしい女の子なんて…)
クチュ…
シャル「ひゃぁあ!?」
一夏「シャル」
シャル「へ?」
一夏「俺で、その…したのか?」
シャル「~~~~~~~~!!」
一夏「なぁ…」
シャル「し、しらない! そんなのしらないもん!」
一夏「答えてくれないか?」
シャル「いいいいいいやだよ! 何でそんなことを訊くの!?」
一夏「俺だって教えたじゃないか」
シャル「だめだよ! 女の子にそういうこと訊くなんて最低!」
一夏「それでもいい。シャルのことなら、全部知りたい」
シャル「はぅ…///」キュン
一夏「教えないならちょっと意地悪するぞ?」
シャル「え?」
ツー
シャル(あ…くる…)
ピタッ
シャル「え?」
シャル(入り口の方を、なぞって終わり?)
一夏「どうした? もっとして欲しいか?」
シャル「そ、そんな!」
ツイ
シャル「ひゃん!」
一夏「すごいな。ちょっと引っ掻いただけでコレかよ」
シャル「あぅぅ…(もどかしいよぉ…)」
一夏「なぁどうなんだ? 俺でしたのか?」
シャル「あ、あぅぅ…」カァァ…
一夏「答えてくれないなら、やめるぞ?」
シャル「え…そんなぁ(これじゃ生殺しだよぉ…)」
一夏「俺だって本当は最後までしたいけど、シャルが意地張るんならしょうがないな」
シャル「やだぁ…」
一夏「ん?」
シャル「ちゃんとしてくれないと、いやだぁ…」
一夏「じゃあちゃんと言ってくれ。俺だって、お前を抱きたい」
シャル「いち、かぁ…」
一夏「俺で、その…オナニー、したのか?」
シャル「……」
シャル「うん…」コク
一夏「……///」
一夏「そ、そっか…」
シャル(恥ずかしい…死にたい…)
一夏「何回だ?」
シャル「え?」
一夏「どれくらい?」
シャル「えぇ!? それも言わなきゃならないの!?」
一夏「だめか?」
シャル「最低! 何考えてんの!」
一夏「数えられないほどしたのか?」
シャル「そ、そんなこと!」
一夏「流石に一回きりってことはないだろ?」
シャル「変態! 一夏の変態!」
一夏「俺は何度もしたぞ?」
シャル「え?」
一夏「たまにシャルの事思い出して…好きって分かったときはもう、本当に何度もした」
シャル「ど、どれくらい?」
一夏「最近じゃ毎日だな」
シャル「うわぁ…」
一夏「好きになった相手なら当たり前だ。シャルも教えてくれよ」
シャル「……」
一夏「週に何回くらいだ?」
シャル「そ、そんなにしないもん」
一夏「正直に言わないと…」
ツー…
シャル「ひゃッ!?」
一夏「また止めるぞ?」
シャル「そんなぁ…一夏いじわるだよぉ…」
一夏「まぁシャルが可愛いから俺はいいけどな」
シャル「もぅばかぁ!」
一夏「さぁシャル教えてくれ。週に何回してる?」
シャル「あ、ぅぅ…」
一夏「シャル」
シャル「…1回」
一夏「え?」
シャル「1回だけだもん」
一夏「…しゃーるー?」
シャル「うぅ…」
一夏「ほんとにやめるか?」
シャル「そ、それは…!」
一夏「……」
シャル「……///」
スッ
一夏「…4回?」
一夏「……」
シャル「……///」
一夏「シャルのえっち」
シャル「いいいいいいいい一夏にだけは言われたくないよ!」
一夏「ほんとだよな?」
シャル「へ?」
一夏「本当に週に4回?」
シャル「し、信じられない! ここまで言わせといてまだそんなこと言うの!?」
一夏「いやだって…俺は毎日してんのに」
シャル「一夏と一緒にしないで! 一夏は変態さんだもん!」
一夏「お、そんなこと言うなら」
ツーイ
シャル「はぅん!?」
一夏「またやっちゃおうかなぁ?」
シャル「ばかぁ! そんな一夏嫌い!」
一夏「…ほんとにそのくらいなのか?」
シャル「本当だよぉ…何でそんな事言うのぉ…」
一夏「ごめんごめん。意地悪が過ぎたよ」
シャル「バカ! もう本当に! 恥ずかしかったんだから! 死にたいくらい恥ずかしかったよ!」
一夏「悪かったって。お詫びに―――」
ズププッ
シャル「あッ…あぁ―――――――ッ!!」
一夏「たっぷりするからさ」
クチュクチュクチュクチュクチュクチュ
シャル「だ、だめ、ぇ! はげし、すぎだよぉ!」
一夏「ずっと我慢してたからな。ご褒美あげなきゃ」
クイクイクイクイ
シャル「んぁぁぁぁぁぁぁッ!! らめぇぇ! じらさ、れてぇ、すごいのぉ!」
一夏「指で掻いても掻いても、後からどんどん溢れてくるよ」クチュクチュ
シャル「いわないでった、ら…ひぁッ!?」
一夏(何か俺も変な気分に…)
チュッ
シャル「くひぃッ! そ、そんな、きたな、キスしちゃ…あぁぁッ!」
一夏「汚くない。美味いよシャル」チュゥゥゥゥ
シャル「バカバカ! いちかのへんた…ぅあッ!?」
チュゥゥゥゥ…レロレロ グリグリ
シャル「し、したで、す、っちゃ、す、すわない、で、ぁぁぁぁぁぁん!」
シャル「あ、ぁ、ぁあ、ぁぁッ、あぁッ♥!! ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♥♥!!」
シャル「アァ――――――――――ッ♥♥♥!!」
プシャッ ビックンビクン
一夏「うわ、なんだこれ…潮? 初めて見た」
シャル「はぁ…はぁぁ…いち、かぁ…」
一夏「シャル、大丈夫か?」
シャル「こっち、きて…」
一夏「?」
グィィィ
一夏「いてててててててて!?」
シャル「…意地悪した」
一夏「い、痛い! 痛いよシャル!」
シャル「優しくするって言ったのに意地悪した」
一夏「悪かった! 調子乗りすぎただだだだだだだだだだだだだだ!」
シャル「…キスしてくれなきゃ許さない」パッ
一夏「あ、うん…」
チュッ
シャル「えへへ♪」
一夏(…可愛いなぁ)
一夏「なぁシャル」
シャル「なに?」
一夏「その…正直、そろそろ限界だ」スルッ…
シャル「うわぁ…」
ギンギン
シャル(おっきぃ…想像してたのと、全然違う…)
一夏「お前の中に入りたい」
シャル「うん。もう1回キスしてくれたら、いいよ?」
一夏「シャル…」
チュッ
一夏「愛してる」
シャル「ボクも…愛してるよ一夏。世界中の誰よりも」
一夏「ああ…すげぇ嬉しいよシャル」
一夏「じゃあ入れるぞ?」
シャル「うん…(あぁ…ボク、本当に一夏のものになっちゃうんだ…)」
一夏「痛かったら、ちゃんと言えよ?」
シャル「うん。でも、その代わりに」
一夏「?」
シャル「痛がっても、ちゃんと最後までして」
一夏「いや、それは…」
シャル「お願い。大切にしたいの。中途半端にしたくない」
シャル「ちゃんと我慢するから…だからちゃんと、一夏の女にして?」
一夏「……」
一夏「分かったよシャル。大好きだ」
チュッ
シャル「えへへ。またキスしてくれた。嬉しいな」
一夏「…いくぞ」
シャル「うん…」
ズプッ…
シャル「あぅ、くぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
一夏「ぐっ…入り口がすごい締まる…頑張れ、シャル!」
プチ…プチ…
シャル「~~~~~~~~~~ッ!!」ガリッ
一夏「ッつぅ! も、もう少しだシャル!」
ズブブブ…コツン…
シャル「かッ!? はぁぁぁ!? はぁぁ…はぁ…」
一夏「入った…入ったよシャル」
シャル「ほ、ほんと…?」
一夏「ああ。ちゃんと最後まで全部だ」
シャル「そっ…かぁ……えへへ…」
ツー…
一夏「シャ、ル?」
シャル「ぐす…うぅぅぅぅぅ…」
一夏「どうしたんだ? やっぱり痛かったのか?」
シャル「ちがう、のぉ…えっぐ…」
一夏「え?」
シャル「いたかったけど、それいじょうに、うれしいのぉ…うぁぁぁぁ…」
一夏「シャル…」
シャル「こんなにいちかに、あいされて、すきになってもらえて…キスして、いっぱいデートして…」
シャル「それでボクのはじめてをもらっでくれで…いちかのはじめてもぐれで…ひっぐ…」
シャル「こんなの、うれしすぎるよぉ…しあわせすぎて、わけがわからないよぉ…うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」ポロポロ
一夏「…シャル」
チュッ…チロッ
シャル「あ…」
一夏「…やっぱりしょっぱいな。でも不思議だ。ほんのちょっと甘い感じがする」
シャル「えへへ…うん。幸せの、涙だからね」
一夏「これで幸せ感じてたら身が持たないぜ?」
シャル「え?」
一夏「俺たちはこれからもっと幸せになっていくんだ。もっといっぱいデートして、もっといっぱいセックスしてさ」
一夏「もっといっぱい愛し合って…で、ゆくゆくは結婚して、子供たちと一緒に、幸せな家庭を築くんだ」
シャル「一夏…」
一夏「まぁそれなりに問題とか障害はあるだろうけどさ。俺とシャルなら大丈夫だ。お前となら、絶対に幸せになれる」
シャル「…うん。ボクも、同じ気持ちだよ」
一夏「だからさシャル。幸せなら、やっぱり笑おうぜ。俺はやっぱり笑ってるお前が一番好きだ」
シャル「えへっえへへ♪ うん! 一夏がそう言うなら、そうする!」ニコッ
シャル「ボクの中、どう? 気持ちいい?」
一夏「ああ、最高だよ…所々うねって、締め付けて、ヌルヌルしてキュウキュウする…」
シャル「も、もぅ…」
一夏「…正直もう動きたくてたまらない」
シャル「あ、ごめんね待たせちゃって…落ち着いてきたから、いいよ?」
一夏「分かった。ゆっくり動くな」
ヌププ…カリッ カリッ
シャル「あぅ! ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」ギュゥゥゥ
一夏「うッ…シャル、もうちょっと緩めてくれ…締めすぎ…」
シャル「む、むりぃ…こんなの、むりぃぃ…」
一夏(ヤバイ…下手に動くと出ちまいそうだ…もう少し慣らしておく必要があるな)
一夏(たしか前に読んだエロ本だと…腰で『の』を描くように、だっけ?)
クィッ ズィッ グィィィ
シャル「あぁぁぁぁぁ♥!! か、かきまわさないでぇ♥♥! あぁぁん♥♥♥!!」
一夏(うわ、なんだこれ…動かすたびに複雑に絡みついて締め付けるぞ…!)
シャル「はぁぁ…はぁぁぁ…んぁぁぁぁぁぁぁん♥!」
一夏(シャル…俺が動かすたびに、顔も腰も動いて、すごくエロい…)
シャル「いち、かぁ…いちかぁ!」
一夏(これがセックス…シャルの顔見ながら、シャルの音聴きながら…)
チュゥゥゥ…
シャル「ふぁぁぁぁぁ♥♥!! お、おっぱい、すいながら、だめ…あぁッ♥♥♥!!」
一夏(シャルの味、シャルの匂い、シャルの肌を感じる! 全部シャルを感じる!)
一夏(こんなの気持ちよすぎる! オナニーの何百倍も気持ちいい!!)
ヌップヌップズッチュ!
シャル「あぁぁぁぁぁぁぁぁ! いち、かぁ! はげし、ぃよぉ!!」
一夏「す、すまんシャル! 腰が勝手に…!」ズブッズップズッ
シャル「ふわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♥♥♥!!」
一夏「はぁッ、は、はぁぁ、くっ…!」
ズチュッズチュッズチュッ!!
シャル「い、いちかぁ! キス、してぇ!」
一夏「シャル…シャルぅ!」
シャル「んん♥、はふぅ、んむぅぅぅ♥♥!」
一夏「はぁ、ん、んむぅ…」
ズチュッズチュッズチュッ
パンパンパンパンパンパンパン
シャル「ぷはっ…いちかぁ! すきぃ! だい、すきなのぉ!」
一夏「シャル、愛してる…愛してる!!」
シャル「うれしいよぉ、いちかぁ! もっと、もっときてぇ!」
一夏「ああ、もっとしたい! シャルともっとしたい!」
シャル「すきにしてぇ! いちかの、すきにぃ! ボクだけの、いちかぁ!」
一夏「あぁ俺だけのシャル! もっと俺のものにしたい! だから俺もシャルのものだ! ずっとシャルのものだ!」
シャル「あぁぁぁぁぁぁぁ♥! うれしいよぉぉ…しあわせだよ、いちかぁぁぁ!!」
キュゥゥゥゥゥゥ…
一夏「うわ、なんだ!? ヤバイ位に締まって…」
シャル「いち、かぁ…きちゃぅぅ…ボク、きちゃうよぉぉぉ…」
一夏「だ、駄目だ我慢できねぇ! 出るッ!」
シャル「でる、の? いちか、だしちゃうの?」
一夏「あ、あぁ…いったん抜いて――」
ガシッ
一夏「えっ」
シャル「はぅ、くぅぅっぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
一夏「お、おいシャル! 足が!」
ダイシュキホールド!
一夏「ぐわっ、駄目だ! で、出る!」
ドクン…ビュルルルルルルルルルルルルル!!
シャル「~~~~~~~~~~~~~~~~ッッ!!」ビックンビックン
ドクン ドクン ドクン…ドクドクドク
一夏「ぐぅぅぅぅぅ! な、なんだこれ…腰が、蕩けそうだ…うぅ!」
ドピュッ…
一夏「うぅ…最後の一滴まで……はぁ、はぁ…」
シャル「……」
――10分後――
シャル「う、ん…」
一夏「シャル。気が付いたか」
シャル「あ、れ…? ボク…」
シャル「―――!?」
シャル「い、一夏! 隣で寝て、え!? あ…」
一夏「落ち着け」
シャル「ご、ごめん…そっか。夢じゃなかったんだ…ははは」
一夏「まったく。いきなり気を失っちまうから、本気でビビったぞ」
シャル「ごめんね…いたっ」
一夏「お、おい…痛むのか?」
シャル「ちょっとだけね。でも、すぐ収まると思うから(うぅ…まだ入ってる感じがする…)」
一夏「そっか。じゃ、何か飲み物でも持ってくるよ。喉渇いたろ」スクッ
シャル「あ、うん。お願―――」
シャル「―――!?」
シャル「い、一夏! その傷!」
一夏「ん? あぁ、そういえばすっかり忘れてたな」
シャル「ご、ごめん! 血が…血が出てるよ!」
一夏「大げさだな。放っておけば治るよ」
シャル「でも…でもぉ…ボクのせいで…」
一夏「痛い思いしたのはシャルも一緒だろ?」
シャル「それは、そうだけど…」
一夏「だから俺、結構嬉しいんだぜ?」
シャル「えっ…?」
一夏「少しだけ、シャルと同じ思いを味わうことができてさ。やっぱりお前だけ痛いんじゃ嫌だからな。
だから、これはこのままにさせてくれよ」
シャル「いち、か…」
ギュッ
シャル「ごめんね、一夏」
一夏「バカ。そこはありがとう、だ」
シャル「うん…ありがと、一夏」
一夏「というか、中で出しちゃってごめん…行為の最中にゴムのこととかすっかり忘れてた俺が言うのもなんだけど」
シャル「いや、ボクの方こそごめん…。なんか、つい…」
一夏「いや、ついじゃないから…。就学中にパパになるとか、千冬姉に殺されるドコじゃねぇよ…」
シャル「ご、ごめんね…そんなに嫌がらないでよ…」オロオロ
一夏「別に嫌がってないよ。ただちゃんとした環境じゃないと、生まれてくる子供にも悪いだろ?
俺だってシャルとの子供は欲しいさ。ちゃんとした家庭を持ってさ」
シャル「一夏…」
一夏「だからもっと気をつけようぜ? その…デキちまったら責任はちゃんと取るけどな」
シャル「一応大丈夫な日だけど…もし万が一があったら、ごめんね?」
一夏「いいよ。むしろ望むところだ。ずっとシャルと居られるからな」
シャル「えへへ…」
一夏「まぁ俺はいいけど、やっぱり生まれてくる子供の事を考えようぜ。今度からはちゃんと気をつけよう」
シャル「うん、ごめん。反省するよ」
一夏「そうしてくれると助かる」
シャル「ねぇ一夏」
一夏「んー?」
シャル「…しちゃったね」
一夏「…ああ」
シャル「どうだった?」
一夏「というと?」
シャル「ええと、その…して、みて」
一夏「んー…思ってたのと違うかな」
シャル「え…?」
一夏「何ていうかさ…気持ちよさっていうのは勿論あるんだけど、それよりも幸せの感じのほうが強いんだよな」
シャル「…よかった。ボクと一緒なんだね」
一夏「…ああ」
シャル「ボクたち、すごいね。体でも、心でも気持ちよくなっちゃうなんて」
一夏「最強だな」
シャル「うん。ボクと一夏は本当にすごいよ」
一夏「…なぁシャル」
シャル「なぁに?」
一夏「また…していいか?」
シャル「うん。もちろん。いっぱいいっぱい、しようね?」
一夏「ええと、その、じゃあ早速なんだけど…」
シャル「え、もう?」
一夏「その…1回くらいじゃ収まりそうになくて」
シャル「ごめん…流石に今は無理」
一夏「そ、そっか…」
シャル「ごめんね」
一夏「いや、こっちこそごめん…」
一夏「じゃあ今日は、1人で処理するしかないか…」
シャル「もう…愛を確かめ合った後でそう言われると、傷つくんだけどなぁ…」
一夏「す、すまん」
シャル「もうボクがいるから、1人ですることもないでしょ?」
一夏「いや、それは別物で――」
シャル「だーめ」
一夏「え」
シャル「ボクは一夏のもので、一夏はボクのもの。だからボクを見て、ちゃんとボクを使ってくれなきゃ」
一夏「使うって…」
シャル「一夏ならいいの。一夏が好きなときに、ボクがちゃんと相手してあげるから」
一夏「…まぁ程々にな」
一夏「それとシャル。『使う』ってなんか嫌だ。どうせなら、ちゃんとシャルを『愛したい』」
シャル「……分かった。一夏の好きなときに、ボクをいっぱい『愛して』?」
一夏「分かった(ヤバイ…また勃ってきた…)」
一夏「じゃあさ、その…代わりと言ってはなんだけど…」
シャル「?」
一夏「その…手とか、口で頼めるか?」
シャル「…もう」
一夏「嫌か?」
シャル「そんなわけないでしょ。やってあげるよ」
一夏「すまん…」
シャル「いいよ。今度こそ、ボクを『愛して』?」
一夏「ああ。お願いするよ。愛してるよ、シャル」
シャル「本当に…一夏はエッチなんだから♥」
チュッ
~HAPPY END~
実はね。3部構成といったけどね
3部まだ全然てきてないんだわ…orz
うんなんかごめん
そして文量と体力的にこのスレで終わらせるのは無理
なんかもうgdgdですまん
http://jbbs.livedoor.jp/internet/14562/
↑ひとまずあと1時間くらいしたらこっちの方で新しくスレ建てて、とりあえず出来てるとこまで投下する
その後はまったりと続けていく感じで
つーわけでこのスレでのSSはここまで
長々とすまんかった。ありがとな
じゃあの
ああいい忘れた。SS深夜の方でも同スレタイでたてる予定
向こうは板の性質上馴れ合い臭くなってしまうかもしれんから苦手な奴は遠慮してくれ
あとは蛇足感パネェならこのスレで見納めてくれると助かる
んじゃ
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません