京子「君がいて、私がいる」(151)






京子「実家、帰るから……!!」ジワッ

結衣「ああ!もう勝手にしろっ!!」

京子「バカ……っ」ダッ

ガチャン!!



結衣「……悪いのは京子だろうが……!」






~昨日の晩のこと~



結衣「あ、京子~?」トントントン

京子「ん……なぁに~?」ゴロゴロ

結衣「夕飯、もうちょっとかかりそうだからさ、あの番組録画しといて~」ザクッザクッ

京子「はいよ~……あはっあははははっ!!」ゴロゴロ


…………………


結衣「いただきます」

京子「いっただっきまーす!」ガツガツ

結衣「おい、そんながっつかなくても……」

京子「うめぇうめぇ!」ガツガツ

結衣「おいおい……」フフフッ




京子「ごっちそーさま!」

結衣「あ……おい、今日はお前が食器片付ける番だろ?」

京子「えー、今日どうしても見逃せない番組があってさー……結衣、お願いっ!」


結衣「こないだもそんなこと言ってやらなかったじゃん……」

京子「この埋め合わせは必ず!」

結衣「前の埋め合わせもまだなのに……まぁ、しかたないなぁ……」シブシブ

京子「おお!さすがマイワイフ!」



結衣「次はちゃんとやれよな」

京子「はいはーい、わかったよー」



結衣「……」


…………………


結衣「ふー、風呂上がったから、次入れよ」

京子「えー……今いいとこだからちょっと待ってー……」

結衣「お湯がまだあったかい内に入っとけって」

京子「そんなん、沸かしなおせばいいじゃん……あはははっ!」

結衣「沸かしなおすのだって金かかるんだぞ?今のうちに……」

京子「お金なんてちょっとしかかわんないって……だからこれ観てから入るよー……」



結衣「……」ムカッ


結衣「あ……10時から私こっち観るから、チャンネル変えてね」

京子「えー!ダメっ!私、このあとこっちの番組見たいんだもん!」

結衣「……お前、さっきっからテレビ独占し続けてんだから、ちょっとぐらい替われよ」

京子「結衣のは録画すりゃいいじゃんよ!」


結衣「それはお前のだって……って、あっ!?これ、私が観たかったの録画出来てないじゃん!!」

京子「え、おかしいな……?ちゃんと録画しといたはずだけど……」アセッ




結衣「何してんだよ……うわぁ……」ガーン

京子「まぁ、すまんすまんっ!」アセアセ

結衣「……10時から絶対替われよ?」

京子「そ、それとこれとは話が違う!無理!無理無理!」ブンブン



結衣「……」ムカムカッ


…………………


結衣「すぅ……すぅ……」Zzz…

京子「……ゆ~い~///」モゾモゾ

結衣「え……だ、だめ……今日はダメだって……」

京子「なんでぇ……いいじゃんよぉ……///」ゴソゴソ

結衣「だめっ……きょ、今日……『あの日』だから……」


京子「そんなの……関係ないよ……」ギュッ

結衣「や、やめろって!」バッ



結衣「あ……ごめん……」

京子「……ふんっ」プイッ

結衣「……」シュン



結衣「今日はキスだけで我慢して……」

京子「……もういいよ」ムスッ

結衣「……」



~翌日の学校~



結衣「あ゙ー……」グッタリ

綾乃「だ、大丈夫……?」

千歳「船見さんがグッタリしとるなんて、珍しいなぁ」

結衣「ああ……ちょっと色々とね……」グッタリ


綾乃「……歳納京子が、何かしたのね?」

結衣「いや別に、特に何も……」アハハ…

千歳「図星やな」



結衣「ほんと、特に何もなくって……ただ」

千歳「ただ?」

結衣「やっぱ、一緒に暮らすのって大変だなぁーって……」


綾乃「……私にとっては羨ましい悩みだわ」フフッ

結衣「あ、いや、別にそういうわけじゃ……」アセアセ

綾乃「いえ、もう別にいいのよ……船見さんとくっついてくれて、逆に安心したくらいですもの」

結衣「綾乃……」

綾乃「ただ……私たちが知らない歳納京子を船見さんは知っていて、それが悩みの種だなんて……って、ちょっぴり羨ましくなっちゃった」ニコッ

結衣「あいつは……家でもいつもと変わんないよ」

結衣「ただ、最近ワガママが増えたかなぁ……って」

千歳「ワガママなぁ」


綾乃「船見さんは、もっと歳納京子に普段からビシッと言ってやった方がいいのよ!」

結衣「ビシッっと……ねぇ」ハァー

千歳「綾乃ちゃん、それは好きな子相手には難しい話やで?綾乃ちゃんかて、歳納さんには甘々やんか~」ニコニコ

綾乃「ななな、何言ってるのよっ!?私は普段から歳納京子には厳しく……///」ワタワタ

結衣「はははっ、そうだね……私も京子を少し甘やかしてたとこがあったかも」

結衣「気づかせてくれてありがとう……綾乃、千歳」



綾乃「……何言ってるのよ、感謝されるようなことは何もしてないわよ……ただ、親友の話を聞いてあげただけ」ニコッ

千歳「そうやなぁ、うちも何もしとらんわぁ」ニコニコ

結衣「ううん、ほんと……いつもありがとう」



結衣(ビシッと……か……)





~結衣の家~



ガチャン

京子「たっだいまー!」

結衣「ただいまー」




京子「よし!今日の夕飯はカレーにしたまえ~!」

結衣「えっ……お前、昨日麻婆豆腐が食べたいって……」

京子「それは昨日!今日はカレーの気分なの!」


結衣「じゃあ早く言えよ……買い出し行かなきゃ材料が……」

京子「行ってこーい!」ガッハッハ

結衣「……」ムカムカムカッ



結衣(ビシッと……)



結衣「……おまえが……行ってこいよ」ボソッ



京子「え?」


結衣「そんなにカレー食いたいなら、お前が勝手に作って食えよっ!!」

京子「ゆ……い……?」

結衣「なんだよ……お前は何様なんだよっ!!」

京子「ひっ……」ビクッ

結衣「いつもいつも!口を開けば『アレしろコレしろ』って!!」

結衣「私のことは全然考えてもくれてないっ!!」ダンッ




結衣「もう……疲れたんだよ……」ポロポロ

結衣「ちょっと……一人にさせてくれ……」シクシク





京子「……な、なんだよ」

京子「なんだよ!急にそんな怒鳴るなよっ!」ウルウル

京子「嫌なら嫌って……ちゃんと言えよっ!!」

京子「言わないとわかるわけないだろっ!!」




京子「結衣のバカっ!!バカバカバカーッ!!」




鬱ゆりか


結衣「……じゃあ……もう出てってくれ」ボソッ

京子「な、なんで出てかなきゃならないんだよっ!?」アセッ

結衣「ここは……わたしの家だろう……?」シクシク

結衣「もう……出てってくれよ……」



京子「……なんで」ウルウル

京子「なんでよっ!?結衣のバカっ!!もう……知らないっ!!」ブワッ






~そして、冒頭(>>1)に至る~



結衣「……」シクシク

結衣「……あいつのことなんて……もう知らん……!」



結衣「……もう今日は寝よう……疲れた」グッタリ





~翌日、学校~


結衣「……」

ガラッ

京子「おっはよー!……あ……」

京子「……ふんっ」プイッ



千歳「歳納さん、おはよーさん」ニコニコ

綾乃「ん?どうしたの?元気ないみたいだけど……」

京子「えっ!?あ、いや……別に……元気だよっ!元気元気っ!」アセッ



…………………


綾乃「船見さん……もしかして、昨日何かあったの……?」

結衣「……」シュン

千歳「何かあったんやね……」

結衣「ビシッと言ったら……逆効果だったよ……」



綾乃「えっ……ご、ごめんなさい……」

千歳「うちらが余計なこと言うたから……」

結衣「いや、別に綾乃や千歳のせいじゃないよ」

結衣「あれは……京子が悪いんだから……」



千歳「……」



~その晩、結衣宅~



結衣(ごらく部も勝手に休んで……逃げ帰ってきてしまった……)ズーン

結衣(……みんなに迷惑かけまくりだなぁ……)ハァー




結衣「……そういえば、京子は今日夕飯何食べた……いっ!?」ハッ



結衣(私……今何て……!?)

結衣(京子に話しかけて……!!)


結衣「はぁー……ダメだ、京子ありきの生活から全然抜け出せてない……」ガックリ

結衣「私が追い出したのに……」



結衣「……あー!ダメダメっ!今回ばかりはあいつが悪いんだから!」



結衣「……はぁ……今日も早く寝よう」グッタリ




~その翌日、学校~



結衣「……」プイッ

京子「……」フンッ



千歳「まだ仲直りはしてないみたいやなぁ……」

綾乃「……あの2人が険悪だと、なんだかクラス全体が暗い感じになるわね……」ハァー

千歳「まぁ……うちらが気に病むことはないと思うけど……」




千歳「……しゃーないなぁ、うちが少し手伝ったるか……」




~その日の放課後~



京子「まさか千歳から呼び出し受けるなんて、なんか新鮮だなぁ~……まさか愛の告白とか!?」

千歳「いや~、それはちゃうねん」アハハ

千歳「……船見さんとのことでな?」



京子「……なんだ、千歳知ってたのかー……結衣に何か言われた?私のこと色々と悪く言ってたっしょ?」

千歳「いや、船見さんから何か言われたっていうことはないで?ただ……2人が険悪なのは見たら一発でわかるからなぁ……」

京子「ははっ、バレバレか……」


千歳「……今『何も言われてない』って言うたけど……実は前々から歳納さんとのことについては話聞いててん」

京子「……何て?」

千歳「一緒に暮らすようなってから、ワガママが増えたなぁ……って」

京子「……やっぱり」アハッ


千歳「なぁ……うちらが言うことやないのはわかっとるけど……やっぱり船見さんに謝った方がええんちゃう?」

京子「……わかってる……わかってるけどさぁ」

京子「アイツだって……なんで急に怒鳴ったりしたんだって話で……」

千歳「それは……うちが昨日『ビシッと言え』ってアドバイスしたからやろな……」



京子「ああ、それで……」


千歳「船見さんかて、怒鳴ったことをすごく後悔しとったよ……?」

京子「……」

千歳「とにかく一度、ちゃんと話し合いを――」

京子「無理だよ」ハハハ…



千歳「なんで?無理なことちゃうと思うけど……」

京子「今は、とにかく無理なの……」

千歳「……」



京子「……じゃ、私行くね……」





千歳「それでええん?」ボソリ


しえ


京子「えっ……?」

千歳「そんなことで……大切な人から逃げ続けて……それで本当にええと思っとん!?」

京子「……」

千歳「……こんな意気地無しに、綾乃ちゃんを取られんでよかったわ……」ウルウル




京子「……はぁっ!?」カチン

京子「あ、綾乃は今関係ないだろっ!?」

千歳「関係あるに決まってるやんっ!!」ブワッ



京子「うっ……」タジッ


千歳「綾乃ちゃんが……綾乃ちゃんがどんな気持ちで二人を応援しとんか知らんやろ!?」ポロポロ

千歳「好きな人の幸せのために、自分の気持ちを押し殺して……そんな綾乃ちゃんの前で、ようケンカなんか出来たわ!!」シクシク

京子「……」

千歳「頼むから……綾乃ちゃんの想いを踏みにじらんとってくれや……」ポロポロ

千歳「頼むからぁ……!」




京子「……ごめん」

京子「けど……やっぱり……っ!」ダッ



千歳「あっ……ううっ……」シクシク


クズ京子か



~京子宅~



京子(私が悪いのは……自分でもよくわかってるんだってば……)

京子(けど……謝るにしたってどうやって切り出せば……)



京子「ただいまぁ……」トボトボ



京子母「あら……今日もこっちに帰ってきたってことは……」

京子「あはは……そういうことです」


京母「もう、早いとこ仲直りしなさいよ?どうせあなたが謝れば済むんだから……」

京子「……」



京子「みんな……みんな、私が悪いって言うんだよね……」シュン

京子「私たちのことなんて……何一つ知らないくせにさ……」

京母「何言ってんの、私は結衣ちゃんのこともよく知ってるわよ?」

京子「違うっ!『私たち』のこと!!」

京子「私たちがどうやって暮らしてるとか……そんなの全然知らないじゃん……」



京母「……ふぅ」


京母「あのね……そんなことは私の知ったことじゃないのよ」

京母「どうやって暮らしてるとか、そんなのはどうだっていいの」

京母「ただ……一緒に暮らしてる大切な人に、謝罪の言葉一つも楽に出せないようじゃ、どうなのってことよ」

京子「……」



京母「あなたの頑固なとこはよくわかってる……」

京母「怒られたり……誰かに嫌われたりすることが、とても嫌いなこともよく知ってる……」



京母「そして……本気で謝ることが出来ないところも……」



京母「けど……私たち両親が、同棲の許可を出した意味を少しは考えなさい……」

京母「最初、あなたが結衣ちゃんと一緒に暮らしたいって頼みに来たとき……少し驚きはしたけど、実は少し嬉しかったのよ?」

京母「あなたの真剣な顔を見て……『あぁ、この子も成長してきたんだな』ってね」

京母「だから……だから、私たちがあなたを結衣ちゃんのところに送り出した、その意味を考えなさい……」




京母「成長したあなたなら……答えはすぐに出るはずよ?」





京子「……」ウルウル

京子「ごめん……なさい……」ポロポロ



京母「その言葉は、私に言うべきじゃないでしょ?」フフッ

京子「……!」グッ

京子「お母さん!ただいまってしたばっかりだけど、ちょっと出てくる!!」ダッ

京母「……すぐ帰ってきたら、許さないんだからね」フフッ



京母「いってらっしゃい!頑張るのよ!」

京子「……うんっ!」

タッタッタッ



京母「……いっちょ前になっちゃって……」クスッ



~結衣宅~



結衣(一応、ごらく部には顔出したけど……やっぱり2人とも心配してたな……)

結衣(……私から折れた方がいいのかなぁ……)

結衣「はぁ……」



ガチャ……



結衣(あれ……鍵が開いて……)



京子「……」


結衣「……京子?」

京子「……待ってた」

結衣「な、なんだよ……何しにきたんだよ……」





京子「ワガママばっか言って……ごめんなさい……」ウルウル

京子「私が悪かったから……許してよ……結衣ぃ……」ポロポロ




結衣「!?」

結衣「……」


結衣「……私も……怒鳴ってごめん……」

結衣「……帰ってきてくれて……ありがとう……」ポロポロ


京子「うぅ……ゆいぃー!!」ダキッ

結衣「京子……!」ギュッ




京子「ゔあ゙ああああん!ずっと、ずっとこのままじゃないかって思ってたぁー!!」ブワッ

結衣「私も……たった一日なのにすごく長かった……」ギュッ

京子「ごめんよぉ……ほんと、ほんとにごめん……!」シクシク

結衣「ははっ……まったく京子は……泣き虫なんだから……」ポロポロ



…………………


結衣「……で、京子が出てってからずっと考えてたんだけどさ」

京子「うん……」シクシク

結衣「今後こんなことが起こらないように、しっかり決まりを作ろうかなって……」

京子「うん……それがいい……」ギュー

結衣「……じゃあ、一旦部屋に入ろう?さすがにこのまま玄関で突っ立ってるわけには……」

京子「うん……うん……」チュッチュッ



結衣「……」


結衣「……はぁー、まったく京子は」


ヒョイ


結衣「よいしょっと……あれ、京子少し太った?」

京子「おおお、お姫様抱っこぉ!?……って太ってなんかないし!///」ジタバタ

結衣「はいはい、じゃあこのまま部屋行くからねー」

京子「はずかしいから!はーなーせーっ!///」

京子「結衣も泣き虫じゃん………」ポロポロ


…………………


キュッ…キュキュッ


結衣「……これで……よしっと」キュッ

京子「これが決まり事……って、ほとんど私のことじゃん!」

結衣「しょうがないだろ?私にだって当て嵌まるとこはたくさんあるし……」

京子「『ラムレーズンは一日一個』とか『宿題は自分でやる』とか、完全に私への当てつけじゃん!」



結衣「私もこれからはラムレーズンは一個にするから」

京子「お前もか!!」


結衣「あ、これを最後に書いておかないと……」


キュキュッ



『お互いの気持ちや気付いたことは、素直に伝えるべし』



結衣「これは……私が守らないと」テヘヘ…

京子「そうだよ……」

京子「結衣は我慢しすぎなんだよ……」

京子「……今まで、ほんとにごめんね……」シュン



結衣「いや、私こそちゃんと伝えられなくてごめん……」


結衣「だから……これからは厳しくいくからな……!」ゴゴゴ…

京子「え……ちょっとは優しめでお願いします……」ビクビク

結衣「……ふふっ、冗談だよ冗談!特に今までと変えようとか考えてないし」

京子「よかったぁ……」ホッ



結衣「まぁ、京子がこの決まりをしっかり守ってくれれば……だけどな」ニコッ

京子「心に深く刻み込んでおきます……」


結衣「そういえば……京子に一つ伝えなきゃいけないことがあったんだった……」

京子「奇遇だなぁ……私も結衣に素直に伝えなきゃいけないことがあったんだよ……」





結衣「愛してるよ……京子」

京子「私も……私も愛してる……結衣」




チュッ……




キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!


結衣「京子ぉ……!」チュッチュ

京子「あっ……ちょ、ちょい待ち!」アセッ

結衣「なんだよ……せっかく仲直りしたんだしこのまま……」ヌギヌギ

京子「あ、あの!もう一つ伝え忘れが……!」アセアセ




ピンポーン




結衣「!?」

京子「あちゃー、遅かったかぁ……」


結衣「な、なんだよ?誰が来たんだ……?」キガエキガエ

京子「結衣さんのエロスイッチが入りかけのとこ悪いんだけど……」



ガチャ



綾乃「歳納京子ぉー!!……と船見さん、おじゃまするわねー」ズンズン

千歳「お泊り会とか、久しぶりやねー」ズンズン



京子「二人には悪いことしちゃったし……お詫びとして、呼んじゃった」テヘッ


結衣「きょ……京子……」ワナワナ

京子「なんでしょう……結衣さん、目が怖いんですけどぉ……」アセアセ



結衣「そういうことは先に言えって言ってんだろーがぁーっ!!」ドッカーン



千歳「あらあら……」ウフフッ

綾乃「見せ付けてくれちゃって……」フフッ






その後……京子ちゃんは結衣・綾乃・千歳の三人娘に、コッテリと絞られましたとさ……

(性的な意味も含む)




おしまい

いい結京だった
乙乙乙





~おまけ……という名の何か~




その頃、ごらく部の一年生組は……



おまけktkr



~帰り道~



ちなつ「はぁ……なんで私じゃないんだろう……」トボトボ

あかり「え、突然どうしたの?」

ちなつ「いや、結衣先輩と京子先輩がケンカ中だって聞いて……私も結衣先輩とケンカできるくらい仲良くなりたいなぁ……って」ハァー

あかり「結衣ちゃんは優しいから、なかなかケンカにならないんだけどねぇ」



ちなつ「一緒に暮らしてれば、ケンカも当たり前なのかなぁ……」

あかり「ケンカしないに越したことはないけどね」エヘヘ


ちなつ「……ねぇ、あかりちゃん」

あかり「ん?」

ちなつ「私とケンカ……してみようよ」

あかり「えっ、えぇ~っ!?嫌だよ!あかり、ちなつちゃんとケンカなんかする理由ないもん!」アセアセ

ちなつ「練習だから……ね?」

あかり「練習でも、あかりにはできないよぅ……」




ちなつ「私……そんないい子じゃないのに……?」ボソッ


あかり「え……?何を言って……」

ちなつ「だって、あかりちゃんも思ってるでしょ?私、どうしようもなく悪い女なんだって……」

あかり「そ、そんな……」オロオロ

ちなつ「あかりちゃんと一緒にいる時もずっと結衣先輩のことばっかり話してて……あかりちゃんの話なんか全然聞いてなくて……」

あかり「……」

ちなつ「無理矢理キスまでしてさ……ほんと、最悪な女だよね……」アハハ…



パンッ






ちなつ「痛っ……!?」





あかり「……それ以上……それ以上あかりの好きな人のことを悪く言わないでっ!!」ウルウル




ちなつ「え……?」


あかり「あかりは……ちなつちゃんが結衣ちゃんの話をする時の顔……すっごく好きなんだよ……?」ポロポロ

あかり「キスだって……急だったからビックリしちゃったけど、嫌じゃなかったし……」

あかり「好きな人のためだったら何だって……あかり、何だってできるのっ!!それがあかりの幸せなのっ!!」ブワッ



ちなつ「……」



あかり「ちなつちゃんは……あかりのとても、とっても大事な人なの……だから……」

あかり「だから、それ以上自分のことを悪く言うんだったら……あかり、練習じゃなくて……本当にケンカしちゃうからっ!!」




ちなつ「ほっぺ、めっちゃ痛かったんですけどー……」ヒリヒリ

あかり「はっ、はわわっ!?ご、ごめんねぇー!!痛かったよね!?」オロオロ



ちなつ「……ふふっ」

ちなつ「なーんて……全然痛くなかったし」フフフッ

あかり「ほんとっ!?ごめんね、本当にごめんねっ!」ワタワタ



ちなつ「……あかりちゃんってさ、本当に変な子だよね……」

あかり「へ……?」



ギュッ



あかり「えっ、えっ!?ち、ちなつちゃ……///」


ちなつ「あんなこと言われて……ケンカなんか出来るわけないじゃん……」ギュー


あかり「……で、なんであかりは抱き着かれてるのかなぁ!?///」

ちなつ「そりゃあ……わたしのほっぺた叩いたんだから……」



ちなつ「……お返しっ!」グワシッ


コチョコチョコチョコチョコチョコチョ



あかり「い、いやぁああああっ!ちなつちゃっ……やめっ!やめてぇーっ!///」ジタバタ

ちなつ「こらっ、お仕置きなんだから逃げちゃだめ……っ!」

あかり「いやぁー!誰か助けてぇー!!」





ちなつ「……あんなこと言われたら、誰だってときめくわよ……///」ボソリ
あかり「?」



しえん






その頃、生徒会の一年生組(夫婦)は……




ひまさくもktkr


櫻子「歳納先輩と船見先輩がケンカかぁ……」

向日葵「副会長も池田先輩も、心なしか元気がありませんでしたわね……」

櫻子「ケンカなんかするように見えないんだけどなぁ、あの二人」

向日葵「まぁ、親しき仲にも礼儀あり……って言いますしね」

櫻子「え?下着の中には霊気あり?何言ってんだ向日葵……」

向日葵「『親しき仲にも礼儀あり』っ!いくら仲が良くても、弁えるところはしっかり弁えて人付き合いをしろ……という意味ですわ!」

櫻子「はぁ……さいですか」


櫻子「ま、私たちには何の縁もない言葉だなっ」ハッハッハー

向日葵「なんでですのよ……?」

櫻子「だって、私たちには礼儀もクソもないでしょ?」

向日葵「なっ……わ、私はあなたにだって、ちゃんと礼儀を持って接してますわよっ!?」

櫻子「えー……すぐ殴るじゃん……」

向日葵「それは……あなたが無礼な物言いをしてくるからでしょう?」


櫻子「じゃあ、私も向日葵にレーギを持って接すれば、怒ったり殴ったりしない……?」

向日葵「まぁ、そうですわね」





櫻子「あぁ、貴女のおっぱいはスイカのように大きくて美しい……」キラキラリーン





向日葵「なっ、なんですってぇ!?///」ムカッ

櫻子「ちょ、ちょっと!タンマタンマ!……なんでだよ!ちゃんとレーギを持って……」

向日葵「ただ私の胸を馬鹿にしただけではありませんのっ!」

櫻子「まぁ……そうだけど」

向日葵「むきぃー!!」


櫻子「……だけどさ」

向日葵「はい?」

櫻子「私たちっていつもこんなんだから、マジなケンカはしたことないよね……」

向日葵「このいつものやり取りが『ケンカ』にならないのなら、そうなりますわね……」



櫻子「ねぇ、ケンカしてみようよ!」

向日葵「はぁ?何言ってますの……?」

櫻子「いいじゃん~お願いっ!」

向日葵「そんな、ケンカなんてやろうと思って出来るものじゃありませんわよ」

櫻子「むー……けちぃ……」


櫻子「……はっ!……このでかっぱーい!」ボイーン


向日葵「きゃっ!///な、何しやがるんですのっ!!」

櫻子「へっへーん!おっぱい禁止条約違反で逮捕だーっ!逮捕ー!」



向日葵「……もう、それじゃあいつもの言い合いになるだけですわよ?」

櫻子「ちっ……ケンカに発展するかなと思ったのに……」


向日葵「別に、言い合いでいいじゃないですの……わざわざケンカなんかしなくても」

櫻子「えー……なんか歳納先輩たちに負けた気がして嫌だー」

向日葵「勝ち負けの問題ですの!?」

向日葵「口喧嘩はしょっちゅうなんだから、それで我慢なさい」

櫻子「ぶーぶー……」




向日葵「『喧嘩するほど仲が良い』……ですわよ///」






櫻子「……!!///」カァー



櫻子「べ、べつにっ、向日葵と仲良くなるためにケンカがしたかったわけじゃねーし!///」

向日葵「わ、私だって櫻子とケンカするなんてまっぴらゴメンですわっ!///」

櫻子「なんだと~?いっつもお前から口喧嘩吹っかけてきておいてよく言えるよっ!」

向日葵「それはあなたからでしょう!?親しき仲にも礼儀あり、礼儀が無いのはあなた!櫻子じゃありませんの!」

櫻子「私はいつも向日葵に最大限のレーギを尽くしてるしっ!」

向日葵「私だって、櫻子への優しさはいつも変わりませんわよっ!」


櫻子「なにお~う!?」

向日葵「なんですのよ~!?」


ワーワーギャーギャー…





向日葵「私の方が櫻子のことを好きですわっ!!」ガオー!

櫻子「ちがうしっ!私の方がもっともーっと向日葵のことが好きだしっ!!」キシャー!





撫子「……どうしてこうなった」

花子「罵り合いもここまでいったら、ただのノロケだし……」

楓「仲良きことは、いいことなのっ!」ニコッ







その頃、禁断の関係カップルは……





西垣「なぁ松本、私たちはケンカとかしたことないよな?」

りせ「…………」

西垣「何?『奈々さんは大人なんだからケンカしようとか言い出さないで』だって?」

西垣「ふ、ふふ……そんなこと、い、言うはずがないじゃあないか!」アセッ

ペロッ


りせ「………」

西垣「『この味は!……嘘をついている味だぜ……!』だと……!?」ゴクリ


りせ『奈々さんも私もみんなより大人なんですから、ちゃんと礼儀を弁えたお付き合いが出来て当然です』キリッ

西垣「なーにが大人だ、まだ中学生のくせして……」クスッ

りせ『……その中学生に涙目になりながら迫ってきた大人な方は、どこのどなたでしょうね~?』ニヤリ

西垣「うっ、そ……それは……///」ドキッ

りせ『とにかく、私たちはみなさんより年長者なんですから、見本になるようなお付き合いをしないと……』



西垣「……はい///」アセアセ







そしてその頃、メガネの妹は……




『……こんな意気地無しに、綾乃ちゃんを取られんでよかったわ……』



千鶴「!!!」

千鶴「な、何……?今のは……まさか……!」



千鶴「双子特有の共感覚……!!」ダラー







おしまい

おまけも乙乙

支援乙でした



とりあえず、みんな出したくておまけまで長々となってしまいすみませんでした

結京同棲は自分の中ではデフォ

会長が喋るのは仕様

あかりがキャラぶれるのは書き慣れてないから




鬱は書けません

出会い厨?なんのことだか





綾ちとがもっと栄えますように……



ではでは

>>141
それスクリプトだから

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