あやせ「わたしが一番じゃなきゃイヤ」 (98)

新垣あやせが恋愛に本気になったら、的な

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あやせ『どっか行っちゃえ!嘘つき!』

あやせ『全部です!あなたの言う事は全部、嘘ばっかり!』



わたしは叫んだ
お兄さんを部屋から追い出した

手が痛い
全力でドアを叩いたせいだ

許せなかったから

お兄さんは
結婚してくれって言った
愛のこもったプロポーズって言った
早くお前に会いたかったからって言った

それを



京介『もうお前にセクハラ出来なくなってしまったんだ』



そんな言葉で無かった事にした

許せない

お兄さんに彼女が出来た





麻奈美お姉さんが教えてくれた

なにそれ
頭の中が真っ白になった
何を言ってるのか理解出来なかった

麻奈美『見守ってあげようね』



お姉さんは言った

見守る?
何を?

だって
結婚してくれって言ったんだよ
愛のこもったプロポーズって言ったんだよ

何で彼女が出来るの
教えてよ
ねえ
わたしに教えてよ

結局
わたしは、お兄さんを呼び出した
そして
わたしは、暗闇の中に居る

バカだ、わたし
嘘だって言ってくれるって信じてた
彼女なんて居ないって言ってくれるって信じてた
本気で信じてた

バカだ、わたし

でも
それでも、結婚してくれって



あやせ「・・・セクハラ出来なくなったって、なに」



だって
愛のこもったプロポ−ズって



あやせ「・・・セクハラってなに」



なんだっけ

確かに
わたしは言った



あやせ『無理です』

あやせ『現状では、わたしがお兄さんの彼女になるなんてあり得ませんから』



確かに言った
でも
何でそんな事を言ったのか
今は思い出せない

何、言ってんの
何でそんな事、言ってんの

やめてよ
何でそんな事、言うのよ
何でそんな事で全部ダメにするの

何でダメになるの

全部、自分がダメにした

引きつった笑いが起こる
だって
自分があんな事、言ったせいなんだよ
笑うしかない

わたしは笑った

正確に言うと
泣きながら笑った

お兄さんを部屋から追い出して、数日たつ
連絡はもちろん、ない

わたしからも連絡しない

だって

もし
もし、着拒されてたら?
考えただけで顔が引きつる

かつて自分がお兄さんにした事
今は
自分がそれに脅えてる

怖い
怖い

怖いよ

桐乃とは普通に会っている
普段通りに振る舞えてると思う

愛しい桐乃
わたしは、あなたが大好き

その反面
ちょっと引け目を感じる事もあった
あなたに対する感情
それが
恋愛感情に近いものだと思っていたから

でも
違ったよ、桐乃

恋ってもっと苦しいものだった

男が桐乃に視線を向けただけで
怒りがこみ上げた
桐乃が他の女の子と話してるだけで
もやもやとした気分になった

でも
今は桐乃が羨ましい
だって
お兄さんと一緒に居られるから



あやせ『無理です』



なんで
あんな事、言ったんだろう



あやせ『現状では、わたしがお兄さんの彼女になるなんてあり得ませんから』



あの時のわたしをコロシてやりたい

加奈子「ど、どしたん、あやせ」

桐乃「ちょっと具合悪そうだケド、大丈夫?」



いけない
考えてた事が顔に出ちゃってたみたい



あやせ「ごめんごめん、大丈夫」

あやせ「今朝、怖い夢見たのを思い出しちゃって」

加奈子「えー、あやせが怖がる夢ってどんだけだよー」

あやせ「ちょっとそれ、どういう意味?」



なんとか平静を装った

携帯は相変わらずだ
全然、わたしの期待する番号を表示してくれない

嘘つき呼ばわりして部屋を追い出したのに
何の連絡もない

わたしが
こんなに苦しんでるのに
こんなに怖がってるのに
こんなに悔しいのに

なんで
どうしてよ

あの日
お兄さんは言った



京介『お前にとって、俺に彼女が出来るのはいい事なんじゃないのか?』

京介『だって、変態兄貴であるこの俺を桐乃から引き離す事が出来るじゃないか』



お兄さんはそう言った
でも
それは違う
全然違う

だって
わたしは桐乃を守ってるって思わせなきゃいけなかったから

だって
そうでもしないと相談出来なかったから

だって
相談しないと会ってもらえないって思ったから

違う
全然違うよ

ひどい
そんなので彼女を作っちゃうなんて
ひどい
今、彼女と一緒なんでしょ?

何でわたしは一人ぼっちなの
何でお兄さんの隣に他の女の子が居るの

なんで
どうして
隣に居るのがわたしじゃないの

やめてよ
他の女の子と一緒に居ないでよ

なんで
どうしてよ

あやせ『現状では、わたしがお兄さんの彼女になるなんてあり得ませんから』



あんな事を言わなければ
わたしがお兄さんの隣に居られた

なんでなの
どうしてこうなちゃったの

わたしのせい?
ああ、そうだっけ

でも
なんで、何が悪かったの?
わかんない
わかんないよ、あはは

イヤだ
お兄さんが他の女の子と一緒に居るなんて
絶対にイヤだ

許せない
結婚してくれって言ったのを冗談にするなんて
絶対に許せない

わたしは無表情で携帯を手に取った

わたしのせい?
何でそんな事、思ったんだろう
わたしが悪い?
そんな訳ないじゃない

その時
携帯が鳴った

携帯に掛けて来た相手は
麻奈美お姉さん





お兄さんが、彼女と別れた

お姉さんは教えてくれた

彼女との縁が切れた訳ではない事
桐乃が付き合うのをイヤがった事

それと



麻奈美『あやせちゃんなら、みんなが笑って暮らせる家庭を無理やりにでも作ると思う』




お兄さんとの会話の中で言った事



麻奈美『勝手に引き合いに出して、ごめんね』



お姉さんは謝った
ううん
謝る必要なんてない

だって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・その通りなんだから

お姉さんは電話を切る前に、こう言った



麻奈美『これでまた、一緒のスタートラインだね』



わたしは、お姉さんの気持ちを知ってた
お姉さんも、わたしの気持ちを知ってた
でも
ごめんね、お姉さん

一緒じゃない
一緒じゃイヤ

そして
偶然にも、数日前に桐乃が叫んだ言葉を口にした



あやせ「わたしが一番じゃなきゃイヤ」

田村"麻奈実"様

大変失礼致しました

それから
わたしは考えに考えた
頭が痛くなるくらい考えた

けど
それは全く苦痛になんかならない
なる訳がない

だって
間違いを正せる機会を手に入れたんだから
望む未来を手に入れるんだから
そう
望む未来を無理矢理にでも作ってみせる





お兄さんをわたしのモノにする
誰にも渡さない

わたしのお母さんは家で仕事をしている
でも
必ず一日中家を開ける日がある

今日は、その日

わたしは
お兄さんの電話番号をメモリーから呼び出した

着拒されてるかもなんて脅えは
頭から消え去ってた

京介『もし・・・もし』



少し緊張してるみたい
いい感じだ



あやせ「もしもし、あやせです」

あやせ「いま、大丈夫ですか?」

京介『あ、ああ、大丈夫だ』

あやせ「あの、この前は取り乱しちゃってごめんなさい」

京介『いや、全然気にしてないよ』

京介『あ、気にしてないってそういう意味でなく』



そっか
気にしてくれてたんですね、お兄さん
でも
嬉しがってる時じゃない

あやせ「わたしが気にします・・・すごく、申し訳なかったなって」

おやせ「お詫びにと思って、わたしクッキー焼いたんです」

あやせ「今から家に来てくれませんか?」

京介『いや、いいって』

京介『気持ちだけもらっておくからさ』



やっぱりね

実は最初に断ってくるのは想定済みだ
だから
わたしは口調を落として言葉を繋げた



あやせ「わたし、お兄さんにも謝って欲しいです」

京介『え?』

あやせ「わたしだって女の子なんです」

あやせ「早く会いたかったみたいなこと言われて、少し嬉しいなって思うとこもあって」

あやせ「だから」

あやせ「それがほんの冗談だったみたいにセクハラとか言われると」

あやせ「少しは傷付くんですよ?」

京介『・・・あ、えっと』



そして
お兄さんは家に来る事になった

京介「お邪魔・・・します」



完全に緊張してる
そんな姿を見せちゃっていいんですか、お兄さん



あやせ「どうしたんです?」

あやせ「今日は手錠なんかしませんし、もちろんライターもないですよ?」

京介「いやー、あはは」

京介「あの、あやせ、あの時の事だけど・・・」



謝ろうとしてる
でも
今は、それはさせない
わたしがその機先を制する
お兄さんに罪悪感を感じてもらう為にね



あやせ「この前は、本当にすみませんでした」

京介「あ、あやせが謝る事ないだろ」

あやせ「わたし、少し動揺しちゃって」

あやせ「結婚してくれとか、愛のこもったプロポーズって言って“くれた”のに」

あやせ「あっさり彼女とか作っちゃうし」

京介「その事は本当に謝る!悪かった!」



謝罪の言葉を口にするお兄さん
わたしは構わずに追撃する



あやせ「どっちですか?」

京介「は?」

あやせ「悪かったと思ってるのは、結婚してくれって言った事?」

あやせ「それとも、それがセクハラって事ですか?」

お兄さん、固まっちゃってる
ここはまだ
あんまり雰囲気を重くならないようにしないと

でも
安心しないで下さいね
後でじわじわと
追い詰めてあげる為なんだから



あやせ「だって、結婚してくれっていうのを全否定されちゃったら」

あやせ「わたしに全く魅力がないって言われてるみたいじゃないですか」



少し演技を入れて
すねたポーズを取ってみる
さあ、喰い付いて来て



京介「そ、そんな事ないよ」

京介「あやせは、その、モデルだけあって可愛いし」



ふふっ
ありがとう、お兄さん
素直に嬉しい言葉ですよ

もちろん
それを表情には出しませんけど

あやせ「わたしがお兄さんの事、最初はいいなって思ってたと聞いた時」

あやせ「少しは嬉しいって思ってくれました?」

京介「それはまあ・・・そう、かな」



ちょっと顔が赤くなった
照れてる、照れてる



あやせ「わたしに結婚してくれって言って“くれた”時」

あやせ「少しは付き合えたらいいな、とか思ってました?」

京介「す、少しは」

あやせ「電話でも言いましたけど、わたしだって女の子です」

あやせ「そういうの全部嘘にされちゃうと、悲しいです」

京介「いや、あやせの事いいなって思ったのは事実なんだ」

京介「でも・・・」



でも、なに?
言わせない

逆にこっちから問い掛ける
核心を突いた一言を



あやせ「じゃあ、なんで」

あやせ「なんで彼女と付き合ったんですか?」

お兄さんはショックを受けたみたいだった
少しの沈黙が流れて
やっと口を開いた



京介「それは・・・好きになったから」

あやせ「わたしの事、いいなと思ってたのに?」

京介「それとこれとは・・・」



わたしは語気をちょっとだけ強めて
言葉を被せる



あやせ「わたしに結婚してくれって言ったのに!?」

京介「あ・・・う」

あやせ「彼女には、お兄さんから告白したんですか?」

京介「彼女・・・から」

あやせ「ふうん、彼女から」

あやせ「それで、その時お兄さんは彼女をどう思ってました?」

京介「そ、そんなのあやせには関係ない」

あやせ「わたしには聞く権利があると思いますが」



聞く権利なんてある訳ない
でも
そう思わないよね、今のお兄さんは

京介「気になっては・・・いた」

あやせ「ふうん、気になってた」

あやせ「わたしと同じで、いいなと思ってたんですね?」



同じじゃない
わかってる
でも
同じって言っておく事が大事



京介「ああ、いいなと思っていたかも」



わたしは軽く嫉妬を覚えたけど
顔には出さずに言葉を重ねる



あやせ「もし・・・もし、わたしが」

京介「え?」

あやせ「彼女より先に、好きって言ってたら?」

お兄さん
顔から何を考えてるかわかっちゃいますよ?

え、いま何て言った?

多分
そんな言葉が頭に浮かんでますよね



あやせ「結婚してくれって言ってくれた時に」

あやせ「わたしがOKしてたら?」

京介「なっ?」

あやせ「愛のこもったプロポーズって言ってくれた時に」

あやせ「わたしが受け入れてたら?」

京介「あやせ・・・お前は何を」

あやせ「どうなっていましたか?」

京介「そ、そんな仮定の話には答えられない」

あやせ「わたしは聞きたい」

京介「俺には彼女が・・・」



わたしは冷静に言い放つ



あやせ「別れたって聞きましたが」



逃げ道は潰して行く
どこまでも追い詰める

またしても沈黙



京介「冗談・・・なんだろ?」

あやせ「お兄さんのセクハラや嘘に傷つけられたわたしが」

あやせ「こんな事で冗談を言うと思います?」



罪悪感をますます高めて行く



京介「で、でも、仮定の話なんか」

あやせ「わたしは聞きたい」



そして
どこまでも追い詰めて行く

京介「付き合ってたかも・・・しれない」



あーあ
言っちゃいましたね、お兄さん



あやせ「本当に?」

あやせ「本当に、そう思います?」

京介「あ、あくまで仮定の話としてだな」

あやせ「よ、良かった」



わたしは膝を折って崩れ落ちる
目にたまった涙は、頬を流れて床で弾けた

京介「お、おい、あやせ」

あやせ「わたし、怖かった」

あやせ「それまで否定されたらどうしようって、怖かったんです」



潤んだ瞳でお兄さんを見つめる



京介「・・・あやせ」



いいですね
心配そうにわたしを見るお兄さんの、その表情

これが全部演技だなんて
欠片も疑ってない、素直で優しい目です

わたしは指で涙をぬぐいながら
少し笑顔を浮かべて言う



あやせ「わかりました」

あやせ「もう仮定の話はやめにしましょう」

京介「そ、そうだな」



お兄さん
あからさまにホッとした表情になりましたね
でも
いいんですか?

これからが本番なんですよ?

わたしは、すっと立ち上がる
自然と
お兄さんとの距離が詰まる格好になった



あやせ「じゃあ、仮定も冗談もなしで」

あやせ「わたしと付き合って下さい」





ゴクッ
お兄さんの
唾を飲み込む音が聞こえた

京介「つ、付き合うって、何を言ってんだ!?」

あやせ「お兄さんは彼女と別れたんですよね」

京介「あ、ああ」

あやせ「彼女と付き合わなければ、わたしと付き合ってたかもしれないんですよね」

京介「それは、だから仮定の・・・」

あやせ「それなら!」

あやせ「それなら、何の問題があるって言うんです?」



お兄さん
また固まっちゃいましたね

京介「ちょ、ちょっと待てって!」

京介「俺は別れたばっかで、付き合うとかさ」



ふぅん
そっちに逃げるんだ
なら



あやせ「わたしには長い時間でしたよ?」

京介「え?」

あやせ「お兄さんが、彼女と付き合ってる間」

あやせ「お兄さんが、わたしを傷付けて謝りにも来てくれない間」

あやせ「わたしはずっと一人で居たんです」



そんなの
逃げ道にさせると思うんですか?

京介「あやせ、聞いてくれ!」

京介「俺はまだ、黒猫の事が!」

あやせ「聞きました」

あやせ「桐乃は、お兄さんが彼女と付き合うのに耐えられなかったようですね」



わたしは話をすり替える
元カノへの想いなんて聞きたくもない
それに
今、その想いを自覚させる訳にはいかない



京介「あ、ああ」

京介「桐乃は、俺に彼女が出来るなんて嫌だと言ったんだ」

あやせ「わたしなら」

あやせ「わたしなら、桐乃もお兄さんも笑顔にしてみせます」



ごめんなさい、お姉さん
わたしも
お姉さんの言葉、利用させてもらいますね



あやせ「無理矢理にでも、そうしてみせますよ」

京介「・・・う」



気付いてた
お兄さんは、桐乃の事を大事に思ってる
桐乃だって何だかんだ言って、お兄さんが大事なんだよね



あやせ「二人を笑顔に出来るのは、わたししか居ません」



お兄さん、呆然としてる
この時
お兄さんの頭の中には
ある一枚の絵が浮かんでいたんだそうだ

それを聞いたのは
ずっと後の事だったけど

京介「でも・・・俺は」

京介「あいつと居ると、くすぐったい気持になって」



まだ言うんですか?



あやせ「確かに、わたしはお兄さんに不快な思いをさせたかもしれません」

あやせ「でもそれは」

あやせ「桐乃を守ってるんだって、強く印象付けなきゃいけなかったから」

京介「印象付ける?」

あやせ「だって」

あやせ「守ってるって思わせないと、お兄さんに相談出来なかったから」



少し間を置く



あやせ「お兄さんに・・・会いたかったから」

あやせ「今のわたしはイヤですか?」

あやせ「怖いですか?」



ちょっとだけ近寄ってみる
お兄さんは
距離を取る仕草を見せなかった



京介「そんな事は・・・ない」

あやせ「わたしと居ると、どんな気持ちですか?」



お兄さんは
苦しそうに息を吐き出した



京介「待ってくれ、俺は別れたばっかで心の整理が!」



揺れてる
お兄さんの心は確実に揺れてる
だったら
次の言葉は、決定的なものになるかもしれない

あやせ「お兄さんを苦しめてるのは、彼女への想いじゃないですよね」

京介「え?」

あやせ「だって」

あやせ「お兄さんは、別れたばかりって言いました」

京介「た、確かに言ったが」

あやせ「別れたばかり“なのに”って、ただの罪悪感ですよね?」

京介「なっ!?」

京介「そう・・・なのか?」



ヒットした!
元カノへの、くすぶってる想い
それが
罪悪感へ置き換えられた

でも
そんな罪悪感は、すぐに薄めてあげます
だって
罪悪感を感じるのは、わたしにだけでいいんですから



あやせ「わたし、待ちました」

あやせ「ずっとずっと、待ちました」

京介「・・・うん」

あやせ「だから、そんな事を逃げ道にしないで下さい」

京介「べ、別に逃げてる訳じゃなくて」

あやせ「じゃあ、何なんです?」

京介「そうきっぱりと割り切れないというか」



この会話をしながら
わたしは笑みが浮かんで来るのを
必死で我慢してたんです

お兄さん
気付いてませんか?
多分、気付いてないんですよね

もう、この話って
付き合う前提みたいになっちゃってますよ?

またちょっと
お兄さんに近寄ってみる

お兄さんは動かない
複雑そうな
少しだけ申し訳なさそうな表情をしたままで

わたしは
お兄さんの頬に手を触れた
言い逃れさせないよう
じっと目を見つめながら



あやせ「もう、待つのはイヤ」

京介「そう・・・だよな」



わたしは
そのまま唇を重ね
お兄さんは
それを受け入れてくれた

あやせ「わたしと」

あやせ「付き合ってくれますよね?」



少しの沈黙の後
お兄さんは、わたしを抱き締めた



京介「ああ」

京介「今まで、ごめんな」



こうして
わたしは自分の想いをかなえた

   お兄さんをわたしのモノにする

そして
次の想いもかなえるだろう

   誰にも渡さない










抱き締められた
わたしの顔に浮かぶ笑顔は
他の女の子が
恋を手に入れて輝く笑顔とは
ちょっと違っていたかもしれない

でも
それは仕方のない事だよね

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            ,.':::::::::::::;r===k'´  |::::::::::!ヽ     ヽ        ´    /::/;::::::, '
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      ,.':::::::,イ            ∧:: !   ミx  ィr 、_  r≦ !:::::::::::/
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     /::::::://                 ハ|   ル! Yリ      j::::::/ ハ


END

後日談は多分、別の物語

あやせvs桐乃の構図で書けたら

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