妹「どうせ女友達ひとりも居ないんでしょ? 女の人と話すこともないんでしょ? そんな奴がモテるわけないじゃん」
兄「……」
妹「彼女作りたいとかいつも言ってるけどさ。告白しないのに出来るわけないじゃん。待ってたら来ると思ってんの?」
兄「……」
妹「無い無い。お兄ちゃんの容姿じゃ、絶対ありえないから。今のままだとお兄ちゃんは一生女の人と縁は無いだろうね」
兄「……」
妹「まぁ、しょがないから、わたしがお兄ちゃんの傍に居てあげるよ。女友達の代わりとして買い物とか映画と一緒に行ってあげる」
兄「う、うるせー! 俺だって彼女くらい、彼女くらい出来るんだよ! 告白して、作ってやる!」
妹「む、無理しなくてもいいんだよ。どうせ、振られるんだから。お兄ちゃんは一生寂しく独り身で妹と一緒に――」
兄「出かけてくる!」
妹「あ……」
――
兄「学年で一番可愛い女さんに告白してしまった……」
妹「え……」
オネガイシャス
妹「な、何してるの」
兄「何って、昨日お前が色々言うから!」
妹「だ、だからって、急にそんな……っ!」
兄「うるせー!お前が、『お兄ちゃんは自力で彼女作れない』とか言うからだろうが!」
兄「腹立ったんだよ!俺はそんなヘタレじゃない!」
妹「ば、ばかっ……」
兄「誰がバカだっ!」
妹「ぅ……」
妹「そ、それで、返事は……?」
兄「返事?まだだよ。ちょっと考えさせてって」
妹「……っ。し、心配しないでも絶対振られるから!あー可哀想に、初告白は失敗だよ!」
兄「あぁ?まだ分からんだろーが!もしかしたら、もしかしたら……」
妹「だめっ!!」
兄「……?だめって何だよ」
妹「ぅ……」ウルウル
妹「な、何でもないよ!」
兄「そうか。いやぁ、返事が楽しみだなぁ」ニヤニヤ
妹「……」
兄「おい?」
妹「お……、お兄ちゃんみたいなブサイク、絶対振られちゃうから!」
妹「残念!残念でした!それじゃあね!」
兄「お、おいっ」
バタンッ!
妹「……ぐすっ」
妹「ぅぅ……っ」
妹(……いや、まだ、まだだよ。まだ、付き合うって決まったわけじゃないんだから)
妹(……)
妹(お兄ちゃん……)
テンプレすぎて泣いた
早く
……
ガチャッ
兄「ふぅ……」
ドタドタドタドタドタドタ
兄「!?」
妹「はぁっはぁっ、お兄ちゃんっ!!どうだったの!!!?」
兄「……」
兄「ふ……」ニヤッ
妹「!!」ドキッ
>>22
兄「ふぅ……」×
兄「ふぅ……。ただいま」○
兄「いやぁー、ついに俺にも春が」
妹「!!(お兄ちゃんに、彼女が……)」
兄「……来るかと思っていたがな。やっぱり、妹。お前の言うとおりだったよ、はは……」
兄「……え?……妹?おい、どうした?おい」ユサユサ
早く
……
妹「ぅぅ……(お兄ちゃんに彼女が……、お兄ちゃんに彼女……)」
妹「ぅ……(やだよ、やだよぉ……。そんなの、耐えられないよぉ……)」
妹「……ぅ?」
兄「……お、起きたか。大丈夫か?うなされてたぞ」
妹「……ぐすっ」
兄「泣くほどしんどかったのか?急に倒れたからびっくりしたぞ。よしよし」ナデナデ
兄「お粥作ったから、良かったら食べ……」
妹「……ぐすっ」パシッ
兄「え?」
妹「……っ」テテテッ
バタンッ!
兄「……えー?」
兄「なんなんだ……。俺に寝顔(?)見られたのが腹立ったのか?」
兄「……とりあえず、謝りに行くか」
……
妹「ぐすっ……、ひっく、ぅ……っ。お兄ちゃ、お兄ちゃっ……ぐすっ」
コンコン
「お兄ちゃんだ。さっきは悪かった、開けてくれよー」
妹「……っ」
「入っちゃだめ!入ったら殺す!……グス」
兄「何だよ、何がそんなに気に入らないんだよ。寝顔みて悪かったよ」
「寝顔?知らないよそんなの!もういいからどっか行ってよ……っ!」
兄「……おい」
「うるさい!ばか!ばか!ばかお兄ちゃん!」
兄「……」
遅い
早く
兄「いい加減に……」ガチャッ
妹「ぐすっ、ぐすっ……、うぅっ……」
兄「……え?」
妹「……っ、ぐすっ……」トテトテ
兄「……??」
……ギュ
兄「っ!?」
妹「うぅ、ぅぅっ……ぐすっ……」ギュゥ
兄「お、おい」
妹「うぅ……、ばかっ……。お兄ちゃんのばかぁ……っ」ポロ ポロ
兄「な、何だよ。悪かったよ」ナデナデ
妹「触らないでよぉっ……」
兄「……」
妹「うぅ、ぅぅーっ……」ギュー
兄「……」ナデナデ
妹「ぐすっ、ぐすっ……」
妹「お兄ちゃんのこと……だったのに……」
兄「ん?」ナデナデ
妹「お兄ちゃんのこと、好きだったのに……」
兄「……は?」
妹「大好きだったのに……、うぅーっ……」ギュゥ
兄「お、おいおい」
妹「盗られちゃった……、お兄ちゃん、盗られちゃった……っ、ぐすっ」
兄「……」
妹「一番綺麗な人に盗られちゃった……。私じゃかなわないもん……ぐすっ……」ギュゥ
兄「……」
妹「うぅ、うぅ。ぐすっ」
兄「……あのな、妹よ」ポム
妹「……?」
兄「そういう告白は、相手に彼女がいるときにしちゃだめなんだぞ?」
妹「う、うぅ……うるさいっ……ぐすっ」
兄「……まぁ、俺にはそんな人がいないから良かったものの……」
妹「………………?」
兄「何の聞き間違いだ、ばか。俺には、春が『来た』んじゃなくて、」
兄「春が『来なかった』んだぞ?ちゃんと聞いてたか?」
妹「……」
兄「……?」
兄「おい、どうした」
兄「……おい、おいっ」ユサユサ
……
妹「うぅ、うぅ……」ブルル
妹「……ぅ?」
兄「……お、起きたか。大丈夫か?うなされてたぞ」
妹「……」
妹「……っ!!」カァァァ
ガバッ!
兄「お、おい。布団にくるまってないで……」
「うるさい!うるさい!どっか行ってよばかお兄ちゃん!変態!」
兄「……はは」
兄「おい、妹」
「うるさい!うるさい!聞こえない!何も聞こえない!」
兄「俺も好きだぞ」
「うるさい!うるさ……」
「……ぇ……?」
ギュゥ
「ぁ」
兄「……愛してるぞ、ばかやろう」ギュゥ
俺はこれ、兄がずっと気がつかない方が面白いと思うの。
>>119
じゃあそれで書いて
「ぁっ……」ビクンッ
兄「大好きだ、ばかやろう」ギュゥ
「うぁっ……」ビクッ
兄「ずっと一緒にいてくれ」
「っ、っ」ビクンッ ビクンッ
兄「はは、何だお前。びくびくして」ギュゥ
「ぁぁ……っ!ぎゅーぎゅーだめっ……」
兄「いいだろ。好きなんだから抱き締めさせろ」ギュゥ
「んぁ……っ!」ビクンッ
兄「好きだ、好きだ、好きだ」ギュ ギュゥ
「っ、っ!」ビクッ ビクンッ
「だ……、だめっ、だめ」
兄「はは……」
「はぁ、はぁ……っ」
ガバッ
妹「……」ウルウル
兄「お。ようやく出て来たk」
妹「……」ガバッ
兄「うお!?布団の中に引きずり込むな!うわなにをするやめ」
……
……
兄「はふぅ……」
妹「……」
兄「お、お前、いきなり……」
妹「ばかお兄ちゃん」
兄「なんだと」
妹「えへへ……。言ったとおり、しょうがないから私がお兄ちゃんの傍に居てあげるよ」
兄「……ああ。頼む」
妹「女友達の代わりとして、買い物とか映画と一緒に行ってあげるから」
兄「……うん」
妹「えへへ……」ギュゥ
兄「……」ナデナデ
兄(本当は、女さんに告白なんかしてないってのは、ここだけの話だ)
兄(いつまでも、お前と仲良く……)
妹「……お兄ちゃん」
兄「ん?」
妹「……大好きだよ」
チュッ
おわり。
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